JP4435432B2 - 複数の無線通信環境において無線通信を行うための方法及び装置 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は一般に無線通信(テレコミュニケーション)システムに関わり、特に家庭、オフィスおよび/または路上のようないくつかの無線通信環境における無線通信を行うための無線通信装置に関する。
【0002】
(背景技術)
よく知られている携帯電話やコードレス電話およびデータ伝送システムなどの無線通信システムは普通、無線基地局あるいは無線固定部とも呼ばれる固定無線アクセスユニットと、携帯部とも呼ばれる遠隔携帯無線通信ユニットとの間で2重無線通信を提供する。各固定無線アクセスユニットはセルと呼ばれる地理的に限定された領域内で多数の無線通信チャネルを提供する。代表的な制御対象範囲はピコセル(数メートルの範囲)、ナノセル(最大50メートルの範囲)およびマイクロセル(10から400メートルの範囲)と呼ばれる領域である。
【0003】
普通、無線アクセスユニットは一つのセル内のユーザに対して多数の無線通信チャネルを提供する。無線通信システムの制御対象範囲またはサービスエリアを移動しているときに、遠隔携帯無線通信ユニットが無線アクセスユニットのサービスエリアを離れると、進行中の呼もしくは通話は、いわゆるハンドオーバしきい値によって、一つの無線アクセスユニットから他の無線アクセスユニットに引き渡される。
【0004】
ハンドオーバ時のチャネル選択およびチャネル占有は、相当な量の信号負荷を伴うプロセスである。適切なチャネルが選択占有できない場合、音声またはデータ伝送品質は悪影響を受けることがある。この場合、進行中の通話は音声が小さくなったり、あるいは切断されるなどして大きく歪むことがある。
国際特許出願WO 96/06512は、セル構造に配置された多数の基地局で構成され、これらセルがピラミッド階層状に少なくとも2つの層に配置されているセルラ移動無線通信システムにおいて改善されたハンドオーバ手順を開示する。携帯無線通信ユニットがセルのピラミッド階層において上方及び下方へ適切にハンドオーバを行ってセルの層の間をローミング(移動)する
系統的な方法を示す。
【0005】
家庭内または住宅地域において、無線通信は普通、単一の固定無線アクセスユニットまたはホーム基地局と、携帯電話および/または携帯データ装置など数個の携帯無線通信ユニットとの間で行われる。無線アクセスユニットは例えば公衆電話交換網(PSTN)またはサービス総合デジタル網(ISDN)に接続する。
【0006】
ビジネスコードレス通信(BCT)システム等のビジネス無線通信システムは、(巨大な)オフィスや生産設備等に分散している複数の固定無線アクセスユニットによって何百あるいは何千もの携帯無線通信ユニットを運用できる。これら無線アクセスユニットは中央インターフェイスユニット(CIU)または無線交換局(RE)に接続し、これらが今度は例えば構内自動交換機(PABX)、PSTNまたはISDN等に接続する。
【0007】
コードレス端末移動(CTM)等の屋外通信サービスは町あるいは市全体をカバーする。マイクロセルのサービスエリアは町や市に分散配置された多数の固定無線アクセスユニットによって提供される。そのような比較的小さいセルを運用する固定無線アクセスユニットの次に、またはそれに代わって、1kmから5kmの有効範囲を持つマクロセルを運用する固定無線アクセスユニットがCTMに適用される。
【0008】
無線通信システムは通常、無線通信標準に従って運用される。無線通信標準には汎欧州(パン・ヨーロピアン)移動通信グローバルシステム(GSM)、汎欧州デジタルコードレス電話若しくはデジタル・エンハンスド・コードレス通信(DECT)、AMPS、D−AMPS、ETACS、NMT、PHS等がある。主要な伝送技術はTDMA(時分割多元接続)、FDMA(周波数分割多元接続)およびCDMA(符号分割多元接続)を使用している。
【0009】
特にCTM等の屋外サービスの使用に関しては、ユーザは単一の携帯通信ユニット(例えば携帯電話)を家庭で、仕事場でまた路上で使用したいであろう。
【0010】
携帯無線通信装置に関して消えない懸念材料は、少ないバッテリー電源の問題である。いくつかの無線通信環境を通して単一の携帯通信装置が使用できるためには、バッテリー電力消費を低減させて装置のスタンバイおよび動作時間を最大限に延ばすことに注目しなければならない。
【0011】
(発明の概要)
最も関連のある先行技術であるWO 96/06512に鑑みて、本発明の目的は、家庭領域、オフィス領域および/または公共領域など複数の無線通信環境において、デジタル拡張コードレス通信(DECT)等の特定の無線通信標準に従って動作するように構成された固定無線アクセスユニットと遠隔携帯無線通信ユニットとの間で無線通信を行う改善された方法であって、低減したバッテリ電力消費と、システム負荷と、音声およびデータ品質との間の最適な関係が確立されるように、各無線環境についてのシステム動作効率および通信品質に関する動作パラメータ設定値を取得するようにした方法を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、前記無線通信の改善された方法に従って無線通信を行うための固定無線アクセスユニット、携帯無線通信ユニットおよび無線通信システムを提供することである。
【0013】
本発明の第一の観点によれば、適用される無線環境に応じて選択されたセル内ハンドオーバに関する動作パラメータ設定値を使って無線通信が行われる。
【0014】
本発明は、それぞれの無線通信環境が例えば無線伝播条件、セルサイズ、地理的有効範囲、隣接無線アクセスユニットの分離、ユーザ密度などそれ自体に特有の伝送特性を持つという見識に基づいている。
【0015】
本発明の方法によれば、チャネル選択レートおよびハンドオーバしきい値などの無線環境に最適に適合した動作パラメータ設定値を確立することによって、バッテリ電力消費に関する効率および通信品質が同じ携帯通信ユニットを使ってそれぞれの環境における無線通信に対して最適化できる。
【0016】
チャネル選択レートおよび/またはチャネルスキャンレートは特に、いわゆるダイナミックチャネル割当(DCA)またはダイナミックチャネル選択(DCS)技法に従って動作する無線通信システムに適用され、特定のレートにおける最良の使用可能な無線通信チャネルがスキャンされおよび/または選択される。DCSは固定無線アクセスユニットと携帯無線通信ユニットとの間の無線リンクの品質を最適化する。
【0017】
従って、本発明による方法の更なる実施例においては、チャネルスキャンレートおよび/またはチャネル選択レートはオフィスおよび公共領域よりも家庭領域において小さく設定される。
【0018】
セル間ハンドオーバとも呼ばれる、進行中の通話を一つのアクセスユニットから別のアクセスユニットへ引き渡すハンドオーバの判断は、本質的に受信電界強度の測定値に基づいて行われる。別の無線アクセスユニットの受信電界強度が遠隔携帯無線通信ユニットが接続している現在の無線アクセスユニットの受信電界強度よりもしきい値分高い場合、その別の無線アクセスユニットへのセル間ハンドオーバが行われる。
【0019】
複数の固定無線アクセスユニットがオフィス内で有効であり、それぞれがナノセルやピコセルなど比較的小さいセルにサービスを提供するようなオフィスまたはビジネス領域において、ハンドオーバの可能性および要求は例えば路上におけるよりもはるかに高い。
【0020】
オフィスまたはビジネス領域におけるハンドオーバしきい値が比較的低いので、多数のセル間ハンドオーバが開始されて、システムに対して望ましくないシグナリングおよび処理負荷を与えてしまう。しかし、公共領域においては、ハンドオーバしきい値が高すぎると、ハンドオーバが行われる前に、電界強さが送信が可能なレベル以下に落ちてしまう可能性がある。もちろんこれは避けなければならない。
【0021】
従って、本発明による方法の更なる実施例においては、ハンドオーバしきい値は公共領域よりもオフィス領域においてより高く設定される。
【0022】
本発明による方法の好ましい実施例において、ハンドオーバしきい値は実際に測定された無線信号強度表示度数(RSSI)レベルに応じてダイナミックに調整される。このRSSIレベルは無線アクセスユニットおよび/または携帯無線通信ユニットにおける受信電界強度の測定値である。
【0023】
RSSIレベルが比較的高い場合にはしきい値も同様に高く設定されるように、ハンドオーバしきい値を測定されたRSSIレベルに比例して調整する。これによって、現在の無線リンクの無線電界強度が設定された品質レベルにおいて通信を提供するのに十分高い場合であってもハンドオーバを余りに早く実行してしまうという状況、すなわち重なり合う無線セルを有するビジネス環境で典型的に発生する状況、を避けることができる。
【0024】
これとは反対に、セルがそれ程重なり合っていない路上または公共領域においては、受信電界強度が比較的低い場合、ハンドオーバしきい値を低く設定するのが有利である。その場合、一旦別のセルの高い電界強度に遭遇したならば進行中の無線リンクの信号強度が感度レベル以下に落ちる前にハンドオーバをすばやく行う。
【0025】
GSMやD−AMPS等の下で動作しているシステムにおいては、パワー制御(PC)モードが使用できる。すなわち、携帯無線通信ユニットが無線アクセスユニットにより近づいた場合、携帯無線通信ユニットの送信電力を自動的に低減することができる。他方、携帯無線通信ユニットが無線アクセスユニットから遠ざかると、携帯無線通信ユニットの送信電力を自動的に最大限まで増大させる。従って、利用できるPC設定値がある場合これは同様に実際の電界強度に関する尺度を与える。
【0026】
一般にビットエラーレート(BER)として表現される、進行中の通話において発生するビットエラーの数は無線リンクの品質の尺度となる。BERが比較的高い場合、これは無線リンクおよび多分無線電界強度が低すぎることを示している。TDMAなどフレームに基づく(フレーム−オリエンテッド)伝送標準において、フレームエラーレート(FER)と呼ばれるエラーフレームの数も、同様に無線リンクの品質の尺度である。
【0027】
従って、本発明による方法のさらに別の実施例において、ハンドオーバしきい値はBERおよび/またはFERに対して反比例して調整される。すなわち、BERおよび/またはFERが比較的高い場合、ハンドオーバしきい値を比較的低くすることによって、一旦より良い無線リンク、すなわちより高い別の無線アクセスユニットの電界強度が使用可能となった場合に、すばやくハンドオーバを行うようにする。
【0028】
本発明による方法において、無線環境における無線状態が常に変化しているため、必要に応じて、システム性能および/または通信品質の測定値、例えばBERおよび/またはFER測定値、から定期的に動作パラメータ設定値を更新することが有利である。
【0029】
無線環境のタイプ(家庭領域、オフィスまたはビジネス領域、公共領域)に関する情報は固定無線アクセスユニットから遠隔携帯無線通信ユニットへ転送することによって、例えば携帯無線通信ユニットに備えられた適用可能な動作パラメータ設定値を有効にすることができる。
【0030】
本発明による別の実施例において、動作パラメータ設定値は固定無線アクセスユニットに設けてもよい。
【0031】
場合によっては、無線アクセスユニットと携帯無線通信ユニットの両方が動作パラメータ設定値を交換することもできる。
【0032】
本発明のさらに別の実施例において、ハンドオーバしきい値の調整などパラメータ設定値のダイナミックな調整は、携帯無線通信ユニットによって実行するのが有利である。携帯無線通信ユニットがハンドオーバを判断する通信システム、例えばDECTを使用した通信システム、においては特に有利である。
【0033】
CTMおよびBCTなど公共および私設のオフィス無線環境においては、いくつかのシステム(オペレータ)がサービスを提供しても良い。従って、システム内ハンドオーバとも呼ばれるシステム内でのハンドオーバに続いて、システム間ハンドオーバとも呼ばれる異なるシステム間でのハンドオーバも実行可能である。
【0034】
システム間ハンドオーバはより複雑であり、実際にはシステム内ハンドオーバほど頻繁に行うべきではない。
【0035】
本発明による方法の更なる実施例において、ハンドオーバしきい値はシステム内ハンドオーバのためのシステム内しきい値とシステム間ハンドオーバのためのシステム間しきい値とからなり、システム内しきい値は通話が処理される通信システムの無線ユニットの測定されたRSSIレベルおよび/またはPC設定値に応じてダイナミックに調整され、またシステム間しきい値は異なる無線通信システムの無線ユニットの実際に測定されたRSSIレベルおよび/またはPC設定値に応じてダイナミックに調整される。両方のしきい値は、例えばシステム間ハンドオーバに好ましいように異なるレベルに設定しても良い。
【0036】
本発明はさらに固定無線アクセスユニットに関する。これはDECT等の特定の無線通信標準に従って動作する固定無線アクセスユニットと遠隔携帯無線通信ユニットとの間で無線通信を行う無線基地局等の固定無線アクセスユニットであって、家庭領域、オフィス領域および/または公共領域等の特定無線通信環境に応じて定められた、セル内ハンドオーバに関する動作パラメータ設定値を格納するための格納手段を備える。
【0037】
本発明の更なる実施例において、固定無線アクセスユニットはRSSI測定値および/またはPC設定値のための手段と、測定されたRSSIレベルおよび/またはPC設定値がしきい値を超えて異なる場合に呼もしくは通話のハンドオーバを開始する制御手段とを備え、前記制御手段が前記の本発明の方法に従って、実際に測定されたRSSIレベルおよび/またはPC設定値に応じてしきい値を調整する。
【0038】
本発明はさらに携帯無線通信ユニットを提供する。これは家庭領域、オフィス領域および/または公共領域等の複数の無線通信環境において、DECTなど特定の無線通信標準に従って動作する固定無線アクセスユニットと携帯無線通信ユニットとの間で無線通信を行う無線電話等の携帯無線通信ユニットであって、特定無線通信環境に応じて定められた、セル内ハンドオーバに関する動作パラメータ設定値を格納するための格納手段を備える。
【0039】
更なる実施例において、本発明による携帯無線通信ユニットはRSSI測定値および/またはPC設定値を与える手段と、測定されたRSSIレベルおよび/またはPC設定値がしきい値を超えて異なる場合に呼もしくは通話のハンドオーバを開始する制御手段とを備え、前記制御手段が前記本発明の方法に従って、実際に測定されたRSSIレベルおよび/またはPC設定値に応じて前記しきい値を調整する。
【0040】
複数の固定無線アクセスユニットと携帯無線通信ユニットを備えた本発明による無線通信設備において、前記携帯無線通信ユニットが本発明の通信方法に従って複数の無線通信環境のいずれにおいても動作するように構成した。この無線通信設備は複数の無線通信システムから構成することができ、各システムは上記のようにシステム内およびシステム間ハンドオーバを行うように構成することができる。
【0041】
本発明の上記および他の特徴と利点は添付図面を参照した以下の記述においてより詳しく説明する。
【0042】
(発明の詳細な説明)
本発明をデジタル拡張コードレス通信(DECT)標準に従って運用されるコードレス無線電話システムに適用した場合を例にとって説明するが、この例は本発明を制限するものではない。本発明はまたパーソナルハンディホンシステム(PHS)標準、または移動通信グローバルシステム(GSM)や他の無線通信標準を含むコードレスや移動無線通信プロトコルに従って運用されるシステムにも適用可能である。
【0043】
図1は代表的なコードレス無線通信システム1を示し、これは3つの異なる無線環境、すなわち住宅または家庭領域2、ビジネスまたはオフィス領域3および路上または公共領域4、においてサービスを提供している。
【0044】
いわゆるSOHOと呼ばれる数人の従業員を持つ小さなオフィスも含めた家庭領域2において、無線アクセスユニット5はアンテナとして示した無線インターフェイス手段6を有する。この無線アクセスユニット5は無線インターフェイス9を有する携帯またはコードレス無線通信ユニット8と無線通信7を行う。無線アクセスユニット5のサービスエリアは普通ナノセル範囲、すなわち最大50mである。
【0045】
オフィスまたはビジネス領域3において、無線システムは中央インターフェイスユニット(CIU)または無線交換機(RE)12に接続する複数の無線アクセスユニット10を有する。図には各フロアに一つの無線アクセスユニット10だけが示されているが、実際はオフィス環境3の各フロアにはナノセル領域のサービスを提供するいくつかの無線アクセスユニット10が設置されている。無線インターフェイス11を有するオフィス無線アクセスユニット10は、無線インターフェイス9を介して複数の携帯またはコードレス無線通信ユニット8に対して無線通信7を行う。
【0046】
公共領域4においては無線インターフェイス14を有する無線アクセスユニット13が設置され、携帯無線通信ユニット8との路上での無線通信7を提供する。公共無線アクセスユニット13は普通、マイクロセル領域すなわち10mから400mの範囲のサービスを提供する。
【0047】
公共領域4においては、さらに無線インターフェイス手段16を有する無線アクセスユニット15が設置されており、これはマイクロセル領域の屋外無線範囲、すなわち1kmから5kmの範囲のサービスを提供する。
【0048】
図示のシステム1において、無線アクセスユニット5、13、15およびCIU12は、固定または有線リンク21、22、23、24をそれぞれ介して、公衆電話交換網(PSTN)またはサービス総合デジタル網(ISDN)17に接続して固定電話および/またはデータネットワーク(図示せず)を構成する。
【0049】
また、家庭領域2内の無線アクセスユニット5に点線で示したアンテナのような無線インターフェイス18を追加しても良い。この無線インターフェイス18を介して、無線アクセスユニット5は無線リンク19によって無線アクセスユニット13または無線アクセスユニット15に接続するので、PSTN/ISDNへの固定リンク21を削除できる。無線アクセスユニット13、15およびCIU12はまた中間無線リンク19およびコンセントレータ等(図示せず)を介してPSTN/ISDN17に接続できることは当業者であれば理解されるであろう。
【0050】
家庭領域2においては、一般に一つか二つの無線通信ユニット8が一度に家庭無線アクセスユニット5に接続するが、ビジネスまたはオフィス領域3においては数百または数千もの無線通信ユニット8がいくつかのオフィス無線アクセスユニット10に接続することがある。公共領域4においては、混み具合によって数個の無線通信ユニット8が無線アクセスユニット13に接続する。
【0051】
DECTはマルチキャリア/時分割多元接続/時分割2重(MC/TDMA/TDD)デジタル無線アクセス技術であり、10個の無線キャリアのそれぞれを24個のタイムスロットに分割し、これらが図2に示すようなフレームと呼ばれる12個の2重通信チャネルを提供する。
【0052】
フレームTfの前半において、すなわち最初の12個のタイムスロットR1、R2、…R12において、無線アクセスユニット3からのデータはコードレス無線通信ユニット8によって受信されるが、各フレームの後半、すなわち次の12個のタイムスロットT1、T2、…T12においては遠隔携帯無線通信ユニット8がデータを無線アクセスユニット5、10、13、15に送信する。無線アクセスユニット5、10、13、15と遠隔コードレス無線通信ユニット8との間の2重無線通信7はフレームの前半において一つのスロットおよび同じフレームの後半において同じ番号のスロットを割り当てられる。それぞれのタイムスロットは普通、制御データ、システムデータおよび無線環境のタイプ(家庭、オフィス、公共)に関する情報からなる情報またはユーザデータ等を含む。
【0053】
無線チャネルの選択はいわゆるダイナミックチャネル割当(DCA)またはダイナミックチャネル選択(DCS)手法に基づくもので、すべての無線アクセスユニット5、10、13、15および携帯またはコードレス無線通信ユニット8に共通の複数の無線リンクまたは通信チャネルの中から未使用の無線リンクまたは通信チャネルを選択する。DECTにおいて、通信中に遠隔無線通信ユニット8はスキャンすることにより最良の使用可能な無線通信チャネルを選択する。これはまた非集中型DCAまたは非集中型DCSとも呼ばれる。
【0054】
通信チャネルの変更は次の場合に起こり得る。例えばチャネル1において第一の無線アクセスユニットと通信している第一の携帯無線通信ユニットが、やはりチャネル1において第二の無線通信ユニットと通信している第二の無線アクセスユニットのサービスエリアまたはセルに入ってきた場合である。干渉を避けるために、第二の無線通信ユニットは第二の無線アクセスユニットで使用可能な別のチャネル、例えばチャネル2、でその通信を続けることができる。このタイプのチャネルハンドオーバは「セル内」ハンドオーバと呼ばれる。しかし、第一無線アクセスユニットと第一無線通信ユニット間の通信は、第二の無線アクセスユニットに対してその未使用チャネルを使って引き渡すことも可能である。このタイプのハンドオーバは「セル間」ハンドオーバと呼ばれる。セル間ハンドオーバを確立するための本質的なパラメータは無線アクセスユニットおよび/または携帯無線通信ユニットにおける受信電界の強さである。もし受信電界強さが感度レベルと呼ばれるあるレベルよりも下がった場合、進行中の通話が中断されるのを避けるためにセル間ハンドオーバが必要となる。DECTにおいては、受信電界強さの計測は携帯無線通信ユニットでおこない、このユニットがハンドオーバの開始を判断する。
【0055】
使用可能な無線チャネルを探すために携帯無線通信ユニットがその無線環境をスキャンする頻度、およびハンドオーバを行うために別の無線アクセスユニットの受信電界強さが進行中の無線リンクの電界強さを超えなければならないしきい値は、無線環境によって異なる代表的な運用パラメータである。これらはまた、携帯無線通信ユニットのバッテリー電力消費量、システムにおける信号負荷および音声品質等の無線リンクの品質を直接的に影響するパラメータでもある。
【0056】
使用可能な無線通信チャネルを求めて無線環境をスキャンすることはかなり電力を消費する動作であり、これは無線信号強度表示度数(RSSI)レベルとして処理される受信電界強さの計測やチャネル選択テーブルの更新等を伴う。従って、バッテリー消費量はスキャンレートの上昇と共に増大する。
【0057】
多数の無線アクセスユニット10および携帯無線通信ユニット8が動作しているオフィスまたはビジネス環境領域3において、チャネル干渉の発生する確率は、非常に少ない無線通信ユニット8しか動作していない家庭領域2等における比較的静かな環境においてよりも高いことは理解されるであろう。特定の無線環境に依存するチャネルスキャンレートを最適に設定することによって、家庭領域2において実行すべきスキャンはオフィス領域3または公共領域4と比べて少ないことが分かるであろう。本発明に従ってスキャンレートを使用環境において最適に設定することによって、少ないバッテリー電力を例えば家庭領域2において節約することができる。
【0058】
ハンドオーバしきい値は、効率的なバッテリ電力の消費、シグナリングおよび音声品質の観点から見た場合、無線環境によってその最適値が異なるもう一つの運用パラメータである。しきい値を比較的高く設定することで、低いしきい値設定の時よりもハンドオーバが行われる可能性は少なくなる。例えばオフィスまたはビジネス環境3において、多くの無線通信ユニット10が使用可能であるため、一般的に無線通信ユニット8がサービスエリアを移動中にセル間ハンドオーバをそれ程早く行う必要はない。無線通信ユニット10が多数使用可能であるため、受信信号強度が感度レベル以下にすぐ落ちることによって通話が切れる危険性は比較的小さい。
【0059】
他方、一般に最小設置・装置コストで最適な無線有効範囲を提供するように無線アクセスユニット13が最大相互間距離で配置してある公共領域4においては、ハンドオーバしきい値の設定が高すぎる場合、通話がセル境界付近で切断される危険性は比較的高い。その理由は、公共領域4においてはユーザは例えばビジネス領域3におけるよりもより速く移動するからである。
【0060】
図3は、測定されたRSSIレベルと、無線通信ユニット8と無線アクセスユニット5、10、13、15の距離dとの関係を示すグラフである。グラフの左側に配置された第一無線アクセスユニットはRF無線信号26を発生する。グラフの右側に配置された第二無線アクセスユニットはRF無線信号27を発生する。一般的に、移動している無線通信ユニット8が受信する受信電界強さは、無線アクセスユニット5、10、13、15までの距離が増大するに従って対数関数的に減少する。移動中の無線通信ユニットは、図3に示すように受信信号強さが感度レベル28以下に落ちる前に第一無線アクセスユニットから第二無線アクセスユニットへハンドオーバを行わなければならない。
【0061】
携帯無線通信ユニットのハンドオーバしきい値29は、図3に示すように、公共領域4よりもビジネス領域3において高く設定してビジネス領域3におけるハンドオーバ数を低減し、それによって少ないバッテリー電力を節約している。RSSIしきい値を実際の測定RSSIレベルに合わせることにより、音声品質とバッテリー電力の節約との最適な関係が得られる。これは以下のように説明できる。
【0062】
RSSIレベルが比較的高い場合、ハンドオーバしきい値も比較的高いレベルに設定される。これは受信電界強さが感度レベルよりも低下して音声品質に悪影響を与える可能性が比較的小さいからである。しかし、受信電界強さが比較的低い場合、図3から分かるように、もしハンドオーバしきい値が比較的高いと、ハンドオーバが開始実行される前にRSSIレベルが感度レベル以下に落ちる危険性はかなり大きい。従って、RSSIレベルが低いときにハンドオーバしきい値を低いレベルに設定することによって、セル間ハンドオーバはよりすばやく実行されるので進行中の通話の音量が小さくなったり通話が切断されることを避けることができ、これは音声品質の必要レベルを維持することに役立つ。
【0063】
図3のグラフにおいて、概略を示すために数値や量は示していない。正確なパラメータの設定は実際に実施したシステム、特に採用した通信標準に依存する。ハンドオーバを遠隔携帯無線通信ユニットにおいて判断する代わりに無線アクセスユニットで行う場合でも、本発明の方法は同様に適用可能である。
【0064】
GSM、D−AMPSその他の下で動作するシステムにおいて、パワー制御(PC)モードが使用できる。すなわち携帯無線通信ユニットが無線アクセスユニットに近づいてきたら携帯無線通信ユニットの送信電力を自動的に低減させることができる。他方、携帯無線通信ユニットが無線アクセスユニットから遠ざかると、その送信電力は自動的に最大値まで増大する。従って、PC設定値は、使用可能な場合、実際の電界強さに関する指標を与えるものである。
【0065】
データ送信中に発生するビットエラーの数(図2参照)はビットエラーレート(BER)として表されるが、これは無線リンクの送信品質と音声品質の一つの尺度である。比較的高いBERは無線リンクの品質が悪いことを示し、可能であれば他のセルまたは無線アクセスユニットに引き渡さなければならない。TDMA等のフレームに基づく送信標準において、フレームエラーレート(FER)と呼ばれるエラーフレームの数も同様に無線リンクの品質を表す一つの尺度である。
【0066】
従って、本発明の更なる実施例の方法において、ハンドオーバしきい値29は測定されたBERおよび/またはFERに反比例させている。BERおよび/またはFERが増大すると、ハンドオーバしきい値は低減する。BERおよび/またはFERが減少すると、ハンドオーバしきい値は増大する。
【0067】
上記において、チャネルスキャンレート、チャネル選択レートおよびハンドオーバしきい値を動作パラメータとして示したが、その設定は無線環境によって変化する。本発明の内容は、システム動作効率および通信品質に関わる他の動作パラメータにも適用できることは当業者には理解されるであろう。
【0068】
無線環境のタイプに関する情報は、図2に示すような無線チャネルの制御データ部またはシステムデータ部を使って無線アクセスユニットから遠隔携帯無線通信ユニットへ送信することができる。本発明において、環境に関する他の指標を適用できることはもちろんである。
【0069】
環境に依存する動作パラメータの設定は、無線アクセスユニットまたは遠隔携帯無線通信ユニットまたは両方で行うことができる。DECTにおいては、ハンドオーバおよびチャネルスキャンも行うコードレス無線通信ユニットにおいてパラメータ設定を行うのが有利である。もし可能であれば、無線アクセスユニット間で、必要に応じてパラメータ設定値を交換するようにしてもよい。設定値の更新は同様に無線アクセスユニットまたは携帯無線通信ユニットまたは両方で行うことができる。
【0070】
複数システム環境において、それぞれのシステムに適用できるパラメータ設定値は個別に与えることができ、システム間で異なっていてもよい。同様に、各システムの特定はそのシステムの無線ユニット間で制御データやシステムデータを交換することによって行うことができる。本発明の好ましい実施例において、パラメータ設定値、例えばシステム間ハンドオーバしきい値およびシステム内しきい値、は各通信システム独自にダイナミックに調整することもできる。
【0071】
図4は、DECT標準に従って動作する無線アクセスユニット30のブロック図を示す。無線アクセスユニット30は図1に示す無線交換機12に有線接続31されている。中央制御/アプリケーションロジック32は、DCA/DCSアルゴリズムに従って着信呼を検出し、発信呼を制御し、キャリヤとタイムスロットの適切な組み合わせを選択する。異なる接続とタイムスロットがマルチプレクサ33を介して融合される。無線アクセスユニット30は、スロットの受信および送信タイミングを制御するフレーム/スロット同期ユニット34を有する。中央制御ロジック32はまた、アンテナダイバーシティが実施された場合に送信/受信(T/R)スイッチ35およびアンテナダイバーシティスイッチ36を制御し、さらにまたBERおよび/またはFERを制御する。
【0072】
アンテナダイバーシティを使用した場合、無線接続の通信状態が悪ければ、制御ロジックは無線通信チャネルを変える前にまず別のアンテナ41を試す。
【0073】
アクセスユニット30の無線インターフェイスはレシーバ/デモジュレータ37とトランスミッタ/モジュレータ38を有する。同期および制御情報は受信データからユニット39によって取り除かれ、その情報は図示のように接続されたユニット40によって送信されるデータに加えられる。レシーバ/デモジュレータ37はRSSI測定およびPCモード設定のための手段を有することも可能である。
【0074】
ブロック42は、無線アクセスユニット30における格納手段43に格納される動作パラメータ設定値を調整するための手段を示す。
【0075】
図5は、本発明による周波数またはクロック回路からなる無線電話セットの概略ブロック図を示す。無線電話セット50は4つの構成ブロック、すなわち中央制御/アプリケーションロジックユニット51、無線ユニット52、タイミング/同期制御ユニット53および音声処理ユニット54、からなる。
【0076】
無線ユニット52はトランシーバユニットに結合したアンテナシステムを有するエア・インターフェイス55であり、トランシーバユニットはトランスミッタ/モジュレータおよびレシーバ/デモジュレータ、さらには適用可能ならばRSSI測定およびPCモード設定のための手段を有する。
【0077】
タイミング/同期制御ユニット53はエア・インターフェイス55および無線ユニット52を介して無線アクセスユニット5、10、13、15(図1)からデータを受け取り、そのデータは無線交換機12(図1)が与えるシステムクロックタイミングに従って処理される。シグナリングおよび同期情報は受信データからユニット53によって取り除かれ、受信した音声データは音声処理ユニット54に供給される。特に音声処理ユニット54は受信データの暗号解読を行う。CODEC56は受信したデジタル音声データを、CODEC56に接続されたスピーカ57を介して受話器のユーザが聞こえるような形態にデコードする。
【0078】
ユーザが発生した音声はマイク58に受け取られ、CODEC56によって適切なデジタルフォーマットにコード化される。このコード化された音声データは音声処理ユニット54に送られ、そこで暗号化される。タイミング/同期制御ユニット53は適切な同期およびシグナリング情報を暗号化された音声データに加える。無線ユニット52はこのシグナリングおよび音声データをエア・インターフェイス55を介して送り出し、これら送出データは無線電話セット50が動作可能に接続された通信システムの無線アクセスユニットに受信される。
【0079】
中央制御ユニット/アプリケーションロジックユニット51はマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよびメモリ手段を有し、タイミング/同期制御ユニット53に接続する。中央制御ユニット51は本質的に、中央制御ユニット51に接続されたキーパッド手段59、表示手段63およびリング発生手段60を介してシステムデータおよび無線電話セット50のユーザとの通信を制御し、さらにはBERおよび/またはFERも制御する。また、外部インターフェイス65は外部制御およびデータ処理のために中央制御ユニット51に接続している。フレームとタイムスロット割当および、DECT等のマルチキャリア/マルチスロット技術においては、キャリア周波数とタイムスロットの各種組み合わせ、が中央制御ユニット51によって制御され、メモリ手段に格納される。
【0080】
リング発生器60はブザー61に接続され、着信呼が入ると呼び出し音を鳴らす。あるいは可視呼び出し信号を、図示のように接続されたランプまたは発光ダイオード(LED)62から発することもできる。表示手段63、例えばLCD装置、が中央制御ユニット51に動作可能に接続され、着呼情報や他のユーザおよびシステムデータを表示する。
【0081】
電話セット50に電力を供給するために、バッテリーおよび電源ユニット64が含まれる。
【0082】
ブロック66は、動作パラメータ設定値を調整するための手段を示しており、そのパラメータ設定値は無線電話セット50内の格納手段67に格納することができる。
【0083】
本発明はDECT無線電話通信システムに関連して一般的に説明したが、それに限定されるものではない。本発明はデータ通信装置等の他の通信装置や他の無線マルチセル通信システムにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 異なる無線環境において運用されるコードレス無線通信システムの概略図である。
【図2】 デジタル拡張コードレス通信(DECT)標準に準じたデジタルデータ列の概略図である。
【図3】 無線信号強度表示度数(RSSI)レベルと本発明によるハンドオーバしきい値の適合値との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明に従って動作する無線アクセスユニットの概略ブロック図である。
【図5】 本発明による、携帯無線電話の形態を取る携帯無線通信の概略ブロック図である。
Claims (20)
- 家庭領域、オフィス領域および公共領域の少なくとも1つを含む複数の無線通信環境において、デジタル拡張コードレス通信(DECT)を含む特定の無線通信標準に従って動作するように構成された固定無線アクセスユニットと遠隔の携帯無線通信ユニットとの間で無線通信を行う方法であって、
各無線環境についてのシステム動作効率および通信品質に関する動作パラメータ設定値を取得し、適用する無線環境に応じて選択された前記動作パラメータ設定値を使って前記無線通信が行われ、
前記動作パラメータ設定値は、一つまたは複数のチャネル選択レート、チャネルスキャンレートおよびハンドオーバしきい値を含むことを特徴とする方法。 - 前記動作パラメータ設定値は、前記固定無線アクセスユニットに備えられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記動作パラメータ設定値は、前記携帯無線通信ユニットに備えられる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 - 前記動作パラメータ設定値は、前記固定無線アクセスユニットと前記携帯無線通信ユニットとの間で交換される、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の方法。 - 前記固定無線アクセスユニットは、特定の無線環境を同定する情報を提供するように構成されている、
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載の方法。 - 前記動作パラメータ設定値は、ビットエラーレート(BER)およびフレームエラーレート(FER)の少なくとも一方の測定値を含む、測定されたシステム性能および通信品質の少なくとも一方の測定値から定期的に更新される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。 - 前記チャネルスキャンレートおよびチャネル選択レートの少なくとも一方は、オフィスおよび公共領域よりも家庭領域においてより小さく設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記ハンドオーバしきい値は、公共領域よりもオフィス領域においてより高く設定される、
ことを特徴とする請求項1または7に記載の方法。 - 前記ハンドオーバしきい値は、実際に測定した無線信号強度表示度数(RSSI)レベルおよびパワー制御(PC)の少なくとも一方の設定値に応じてダイナミックに調整される、
ことを特徴とする請求項1、7または8に記載の方法。 - 前記ハンドオーバしきい値は、測定されたRSSIレベルおよびPCの少なくとも一方の設定値に比例して調整される、ことを特徴とする請求項9記載の方法。
- 前記ハンドオーバしきい値は、測定されたビットエラーレート(BER)およびフレームエラーレート(FER)の少なくとも一方に反比例して調整される、ことを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
- 前記測定およびしきい値調整は、前記携帯無線通信ユニットによって行われる、ことを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
- 前記ハンドオーバしきい値は、
システム内ハンドオーバのためのシステム内しきい値と、
システム間ハンドオーバのためのシステム間しきい値と、
を含み、
前記システム内しきい値は、通話を処理する通信システムの無線ユニットの測定されたRSSIレベルおよびPCの少なくとも一方の設定値に応じてダイナミックに調整され、
前記システム間しきい値は、別の無線通信システムの無線ユニットの実際に測定されたRSSIレベルおよびPCの少なくとも一方の設定値に応じてダイナミックに調整される、
ことを特徴とする請求項9、10、11または12に記載の方法。 - デジタル拡張コードレス通信(DECT)を含む特定の無線通信標準に従って動作する固定無線アクセスユニットと遠隔の携帯無線通信ユニットとの間で無線通信を行う無線基地局を含む固定無線アクセスユニットであって、
家庭領域、オフィス領域および公共領域の少なくとも1つを含む無線通信環境に応じて定められた動作パラメータ設定値を格納するための格納手段と、
各無線環境についてのシステム動作効率および通信品質に関する動作パラメータ設定値を前記格納手段から取得し、適用する無線通信環境に応じて選択された前記動作パラメータ設定値を使って前記無線通信を行う無線通信手段とを備え、
前記動作パラメータ設定値は、一つまたは複数のチャネル選択レート、チャネルスキャンレートおよびハンドオーバしきい値を含む
ことを特徴とする固定無線アクセスユニット。 - 受信信号強度表示度数(RSSI)測定値およびパワー制御(PC)設定値の少なくとも一方のための手段と、
測定されたRSSIレベルおよびPC設定値の少なくとも一方がしきい値を超える場合に通話のハンドオーバを開始する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、請求項9から13のいずれか1項に記載の方法に従って、実際に測定されたRSSIレベルおよびPC設定値の少なくとも一方に応じて前記しきい値を調整する、
ことを特徴とする請求項14に記載の固定無線アクセスユニット。 - 家庭領域、オフィス領域および公共領域の少なくとも1つを含む複数の無線通信環境において、デジタル拡張コードレス通信(DECT)を含む特定の無線通信標準に従って動作する固定無線アクセスユニットと携帯無線通信ユニットとの間で無線通信を行う無線電話を含む携帯無線通信ユニットであって、
無線通信環境に応じて定められた動作パラメータ設定値を格納するための格納手段と、
各無線環境についてのシステム動作効率および通信品質に関する動作パラメータ設定値を前記格納手段から取得し、適用する無線環境に応じて選択された前記動作パラメータ設定値を使って前記無線通信を行う無線通信手段とを備え、
前記動作パラメータ設定値は、一つまたは複数のチャネル選択レート、チャネルスキャンレートおよびハンドオーバしきい値を含むことを特徴とする携帯無線通信ユニット。 - 受信信号強度表示度数(RSSI)測定値およびパワー制御(PC)設定値の少なくとも一方を与える手段と、
測定されたRSSIレベルおよびPC設定値の少なくとも一方がしきい値を超える場合に通話のハンドオーバを開始する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、請求項9から13のいずれか1項に記載の方法に従って、実際に測定されたRSSIレベルおよびPC設定値の少なくとも一方に応じて前記しきい値を調整する、
ことを特徴とする請求項16に記載の携帯無線通信ユニット。 - 複数の固定無線アクセスユニットと携帯無線通信ユニットを備える無線通信設備であって、
前記無線通信設備は、デジタル拡張コードレス通信(DECT)を含む特定の無線通信標準に従って動作する固定無線アクセスユニットと遠隔の携帯無線通信ユニットとの間で無線通信を行うものであり、
前記携帯無線通信アクセスユニットは、
家庭領域、オフィス領域および公共領域の少なくとも1つを含む無線通信環境に応じて定められた動作パラメータ設定値を格納するための格納手段と、
各無線環境についてのシステム動作効率および通信品質に関する動作パラメータ設定値を前記格納手段から取得し、適用する無線通信環境に応じて選択された前記動作パラメータ設定値を使って前記無線通信を行う無線通信手段と
を備え、
前記動作パラメータ設定値は、一つまたは複数のチャネル選択レート、チャネルスキャンレートおよびハンドオーバしきい値を含み、
前記携帯無線通信ユニットは、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法に従って複数の無線通信環境のいずれにおいても動作するように構成されている
ことを特徴とする無線通信設備。 - 複数の固定無線アクセスユニットと携帯無線通信ユニットを備える無線通信設備であって、
前記無線通信設備は、デジタル拡張コードレス通信(DECT)を含む特定の無線通信標準に従って動作する固定無線アクセスユニットと遠隔の携帯無線通信ユニットとの間で無線通信を行うものであり、
前記固定無線アクセスユニットは、
家庭領域、オフィス領域および公共領域の少なくとも1つを含む無線通信環境に応じて定められた動作パラメータ設定値を格納するための格納手段と、
各無線環境についてのシステム動作効率および通信品質に関する動作パラメータ設定値を前記格納手段から取得し、適用する無線通信環境に応じて選択された前記動作パラメータ設定値を使って前記無線通信を行う無線通信手段と
を備え、
前記動作パラメータ設定値は、一つまたは複数のチャネル選択レート、チャネルスキャンレートおよびハンドオーバしきい値を含み、
前記固定無線アクセスユニットは、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法に従って複数の無線通信環境のいずれにおいても動作するように構成されている
ことを特徴とする無線通信設備。 - 複数の無線通信システムを備え、
前記複数の無線通信システムのそれぞれは、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法に従ってシステム内およびシステム間でハンドオーバを行うように構成されている
ことを特徴とする請求項18または19に記載の無線通信設備。
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