JP3834432B2 - 一缶多水路型熱交換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも2系統の受熱管の通る一缶多水路型熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
給水を加熱するための給湯用受熱管と、風呂の追い焚きを行うための追い焚き用受熱管の双方が通る一缶二水路型熱交換器では、通常、図11に示すように、給湯用受熱管201を下方にして給湯用受熱管201と追い焚き用受熱管202とを互いに接触させ、上下2段に沿うように重ねた状態でフィンプレート203を貫通させている。
【0003】
このような一缶二水路型熱交換器によって、給湯側に通水の無い状態で追い焚きを行った場合には、下方に配置された図示しないバーナーからの熱によって下側の給湯用受熱管201が主に加熱され、追い焚き用受熱管202は主として給湯用受熱管201からの熱の移動によって加熱される。
【0004】
したがって、給湯用受熱管201から追い焚き用受熱管202への熱伝導が良好なほど追い焚き効率が高まる。また、バーナーの燃焼量は、下側に配置された給湯用受熱管201内に滞留している水が沸騰しない範囲に制限されるので、給湯用受熱管201から追い焚き用受熱管202への伝熱効率を高めて給湯用受熱管201の冷却を促進することで、管内の沸騰が抑制され、バーナーの燃焼量を増加して追い焚き時間の短縮を図ることができる。
【0005】
そこで、図12に示すように、上下の受熱管211、212をそれぞれ潰して扁平させ、互いの接触面積を稼ぐようにしたものもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、受熱管を潰し扁平させたものでは良好な伝熱効率を得ることはできるが、製作費用が増大するとともに、部分沸騰を防止するためのバッフルコイルの挿入が困難になったり、管内を流れる流体に対する圧損が扁平させた箇所で増大するなどの問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、上下に重ねた受熱管同士の伝熱面積を受熱管自体を扁平させずに増やすことのできる一缶多水路型熱交換器を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]少なくとも2系統の受熱管(30、40)の通る一缶多水路型熱交換器において、
複数の受熱管(30、40)と、前記受熱管(30、40)を通すための挿通穴(21、22、51)を備えた多数のフィンプレート(20、50)と、前記受熱管(30、40)と前記フィンプレート(20、50)との間の伝熱効率を高め得る熱伝導性を有する可塑性部材(27、54)と、棒状の補助部材(26、53)とを備え、
前記多数のフィンプレート(20、50)は、所定の間隔を開けて平行に整列されており、
前記複数の受熱管(30、40)は、隣り合うもの同士を接触させて互いが沿うように併置した状態で前記多数のフィンプレート(20、50)の前記挿通穴(21、22、51)を貫通しており、
前記挿通穴(21、22、51)は、前記併置した状態での前記受熱管(30、40)の断面形状と略等しい形状を成しており、
前記フィンプレート(20、50)は、前記併置された受熱管(30、40)同士の接触箇所の近傍に前記棒状の補助部材(26、53)を前記受熱管(30、40)に沿って配置するための補助部材貫通部(24、52)を有し、
前記棒状の補助部材(26、53)は、前記補助部材貫通部(24、52)を通じて前記受熱管(30、40)に沿うように前記接触箇所の近傍に配置され、前記可塑性部材(27、54)は、流動可能な状態で前記受熱管(30、40)と前記フィンプレート(20、50)との境界部に流れ込みかつ後に固化して前記受熱管(30、40)とフィンプレート(20、50)とを固着するとともに、前記流動可能な状態で前記境界部に流れ込む際に前記補助部材(26、53)を核として前記接触箇所の近傍部分を充填し、隣接する受熱管(30、40)同士の間の伝熱面積を増大させることを特徴とする一缶多水路型熱交換器。
【0009】
[2]少なくとも2系統の受熱管(30、40)の通る一缶多水路型熱交換器において、
複数の受熱管(30、40)と、前記受熱管(30、40)を通すための挿通穴(21、22、51)を備えた多数のフィンプレート(20、50)と、前記受熱管(30、40)と前記フィンプレート(20、50)とを固着するための可塑性部材(27、54)であって所定の熱伝導性を有するものと、棒状の補助部材(26、53)とを備え、
前記多数のフィンプレート(20、50)は、所定の間隔を開けて平行に整列されており、
前記複数の受熱管(30、40)は、隣り合うもの同士を接触させて互いが沿うように上下に複数段重ねた状態で前記多数のフィンプレート(20、50)の前記挿通穴(21、22、51)を貫通しており、
前記挿通穴(21、22、51)は、上下に複数段重ねられた状態の前記受熱管(30、40)が通るように略円形を成す複数の穴がわずかな重なりをもって上下につなぎ合わされた形状を成しており、
前記フィンプレート(20、50)は、上下に重ねられた前記受熱管(30、40)同士の接触箇所の近傍両脇に前記棒状の補助部材(26、53)を前記受熱管(30、40)に沿って配置するための補助部材貫通部(24、52)を有し、
前記棒状の補助部材(24、53)は、前記補助部材貫通部(24、52)を通じて前記受熱管(30、40)に沿うように前記接触箇所の近傍両脇に配置され、
前記可塑性部材(27、54)は、溶融した状態で前記受熱管(30、40)と前記フィンプレート(20、50)との境界部に流れ込みかつ後に固化して前記受熱管(30、40)とフィンプレート(20、50)とを固着するとともに、溶融した状態で前記境界部に流れ込む際に前記補助部材(26、53)を核として前記接触箇所の近傍部分を充填し、上下に隣接する受熱管(30、40)同士の間の伝熱面積を増大させることを特徴とする一缶多水路型熱交換器。
【0010】
[3]前記補助部材貫通部(24)は、前記フィンプレート(20)のうち前記受熱管(30、40)同士の接触箇所の近傍両脇に存する部分に設けた孔(26)であることを特徴とする[2]記載の一缶多水路型熱交換器。
【0011】
[4]前記フィンプレート(50)のうち前記受熱管(30、40)同士の接触箇所に向かってその両脇から突き出た前記挿通穴のくびれ部分を形成する箇所の先端部を所定量削除することで前記接触箇所の両脇に前記受熱管(30、40)と前記フィンプレート(50)とで囲まれた略三角形の空間を前記補助部材貫通部(52)として形成し、
前記補助部材(53)は、前記補助部材貫通部(52)に対応した断面略三角形の棒状を成していることを特徴とする[2]記載の一缶多水路型熱交換器。
【0012】
[5]少なくとも2系統の受熱管(30、40)の通る一缶多水路型熱交換器において、
複数の受熱管(30、40)と、前記受熱管(30、40)を通すための挿通穴(61)を備えた多数のフィンプレート(60)と、前記受熱管(30、40)と前記フィンプレート(60)とを固着するための可塑性部材(63)であって所定の熱伝導性を有するものとを備え、
前記多数のフィンプレート(60)は、所定の間隔を開けて平行に整列されており、
前記複数の受熱管(30、40)は、隣り合うもの同士を接触させて互いが沿うように上下に複数段重ねた状態で前記多数のフィンプレート(60)の前記挿通穴(61)を貫通しており、
前記挿通穴(61)は、上下に複数段重ねられた状態の前記受熱管(30、40)が通るように略円形を成す複数の穴がわずかな重なりをもって上下につなぎ合わされた形状を成しており、
前記フィンプレート(60)のうち前記受熱管(30、40)同士の接触箇所に向かってその両脇から突き出た前記挿通穴のくびれ部分を形成する箇所の先端部(62)は、前記受熱管(30、40)に沿うように折り曲げられており、
前記可塑性部材(63)は、溶融した状態で前記受熱管(30、40)と前記フィンプレート(60)との境界部に流れ込みかつ後に固化して前記受熱管(30、40)とフィンプレート(60)とを固着するとともに、溶融した状態で前記境界部に流れ込む際に前記折り曲げた先端部(62)と前記受熱管(30、40)との隙間を充填し、上下に隣接する受熱管(30、40)同士の間の伝熱面積を増大させることを特徴とする一缶多水路型熱交換器。
【0013】
[6]前記可塑性部材(27、54、63)は、ロウ材であることを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]または[5]記載の一缶多水路型熱交換器。
【0014】
前記本発明は次のように作用する。
ロウ材等の可塑性の固着部材(27、54)を、受熱管(30、40)とフィンプレート(20、50)との境界部に流し込む際に、隣接する受熱管(30、40)同士の接触箇所の近傍に当該受熱管(30、40)に沿うように配置した棒状の補助部材(26、53)が核となり、ロウ材等の可塑性部材(27、54)が接触箇所の近傍を充填する。
【0015】
たとえば、フィンプレート(20)のうち接触箇所の近傍部分に孔(26)を設け、これに棒状の補助部材(26)を貫通させて配置する。またフィンプレート(50)のうち受熱管(30、40)同士の接触箇所に向かってその両脇から突き出た挿通穴のくびれ部分を形成している箇所の先端部を所定量削除することで、接触箇所の両脇に受熱管(30、40)とフィンプレート(50)とで囲まれた略三角形の空間を形成し、これに断面略三角形の棒状を成す補助部材(53)を貫通させて配置する。
【0016】
このように、上下に重ねた受熱管(30、40)同士の接触箇所近傍両脇に配置した棒状の補助部材(26、53)が核となって、接触箇所の近傍が良好な熱伝導性を有する可塑性部材(27、54)によって充填されるので、上下に重ねた隣り合う受熱管(30、40)同士の間の伝熱面積が増し、熱伝導性が良くなる。これにより、たとえば、下側の受熱管(40)内に水の滞留している状態で上側の受熱管(30)内を流れる水を加熱するとき、下側の受熱管(40)内に滞留している水の沸騰を防止しつつ、上側の受熱管(30)への加熱能力を高めることができる。
【0017】
また、フィンプレート(60)のうち、挿通穴のくびれ部分を形成している箇所の先端部(62)を、受熱管(30、40)に沿うように折り曲げておくことで、溶融した可塑性部材(63)が折り曲げた先端部(62)と受熱管(30、40)との隙間に充填され、上下に重ねた受熱管(30、40)同士の間の伝熱面積を増大させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態を説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる熱交換器10を適用した一缶二水路型給湯機100の構成を示している。一缶二水路型給湯機100は、浴槽110内の湯を追い焚きするための追い焚き流路120と給水を加熱するための給湯流路130とを備えている。熱交換器10は、整列配置された多数のフィンプレート20を有しており、これらのフィンプレート20を追い焚き用受熱管30および給湯用受熱管40の2系統の受熱管が貫通している。
【0019】
追い焚き用受熱管30および給湯用受熱管40は、共に熱交換器10の外部で折り返すことによって各フィンプレート20を複数回通っている。また、追い焚き用受熱管30は、追い焚き流路120の途中に介在しており、給湯用受熱管40は、給湯流路130の途中に介在している。熱交換器10の下方には、バーナー140が配置されており、追い焚き用受熱管30および給湯用受熱管40はバーナー140によって同時に加熱されるようになっている。
【0020】
図3は、熱交換器10の有するフィンプレート20の形状を示している。フィンプレート20は、薄い銅板で形成されており、Yの字を上下逆にしたような形を成している。フィンプレート20の上部には、追い焚き用受熱管30を通すための上側穴部21aと給湯用受熱管40を通すための下側穴部21bとをわずかの重なりをもって上下につないだ形状の上部挿通穴21が開設されている。
【0021】
フィンプレート20の下部は二手に分かれており、左右それぞれに略円形の穴部をわずかの重なりをもって上下に3つ連結させた形状の挿通穴22が開設されている。各挿通穴22は、追い焚き用受熱管30を通すための穴部22bとその上方に配置された穴部22aと穴部22bの下方に配置された穴部22cとを備えている。穴部22a、22cは、それぞれ給湯用受熱管40を通すためのものである。
【0022】
上部挿通穴21および挿通穴22の上方には、それぞれロウ棒を通すためのロウ棒挿通用穴部23が開設されている。またフィンプレート20のうち各挿通穴21、22のくびれ部分を形成している箇所の先端部近傍には、細長い円柱形状を成した補助部材を貫通させるための補助部材貫通孔24が開設されている。
【0023】
図1は、熱交換器10の有する各フィンプレート20の下端部を簡略化して示したものである。なおこれ以降は、追い焚き用受熱管30を上側に給湯用受熱管40を下側にしこれらを上下2段に重ねたものに簡略化して説明を進める。挿通穴22のうち上方に配置された穴部22bと下方に配置された穴部22cはわずかの重なりを持って連通している。また穴部22bの内径は、追い焚き用受熱管30の外径よりもわずかに大きく、穴部22cの内径は、給湯用受熱管40の外径よりもわずかに大きくなっている。フィンプレート20のうち挿通穴22のくびれ部分を形成している先端部25の近傍には、補助部材貫通孔24がそれぞれ開設されている。また挿通穴22のすぐ上方にはロウ棒を通すためのロウ棒挿通用穴部23が開設されている。
【0024】
熱交換器10を組み立てる際には、多数のフィンプレート20を所定間隔をあけて平行に整列させておき、図1に示すように、各フィンプレート20の有する挿通穴22の穴部22bに追い焚き用受熱管30を、また穴部22cに給湯用受熱管40をそれぞれ貫通させ、その後、各受熱管を拡管する。これにより各受熱管の外周部とフィンプレート20とが密着する。またこれにより挿通穴22のくびれ部分にある連通箇所を通じて追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40とが接触する。したがって、上側の追い焚き用受熱管30と下側の給湯用受熱管40とは、互いが接触しかつ互いが沿うように上下2段にて重ねられた状態となる。
【0025】
ロウ棒挿通用穴部23には、図示しないロウ棒が挿入され、補助部材貫通孔24には、細長い円柱形状であって銅で形成された補助部材26がそれぞれ貫通される。この状態でロウ棒を溶融し、追い焚き用受熱管30および給湯用受熱管40とフィンプレート20とがロウ付けされる。
【0026】
次に作用を説明する。
ロウ付けの際に溶融したロウ棒は、追い焚き用受熱管30および給湯用受熱管40の外周面を伝って下方へ流れ、各受熱管30、40とフィンプレート20との境界部に流れ込む。この際、図5に示すように補助部材26近傍に到達したロウ材27が、補助部材26を核としてその周囲にたまり、追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40との接触箇所28の近傍両脇部分を充填する。これにより、上下に隣接している追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40との間の伝熱面積が増大し、受熱管同士の間の熱伝導性が向上する。
【0027】
たとえば、給湯流路130側に通水の無い状態で、風呂の追い焚き動作を行う場合には、バーナー140からの熱によって下側の給湯用受熱管40が主に加熱され、追い焚き用受熱管30は主として給湯用受熱管40からの熱移動によって加熱される。したがって、給湯用受熱管40から追い焚き用受熱管30への熱伝導性が改善されることによって追い焚き効率が向上する。また、バーナー140の燃焼量は、下側に配置された給湯用受熱管40内に滞留している水が沸騰しない範囲に通常は制限されるので、給湯用受熱管40から追い焚き用受熱管30への熱伝導性が高まることによって、給湯用受熱管40側の冷却が促進され、管内の沸騰が抑制される。その結果、バーナー140の燃焼量を増加させることができ、追い焚き時間の短縮が図られる。
【0028】
さらに、追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40との接触箇所28の近傍両脇に補助部材26を配置するだけで良く、追い焚き用受熱管30や給湯用受熱管40の形状を扁平等させる必要がないので、製作費用の増大が少ない。また、追い焚き用受熱管30および給湯用受熱管40の断面が円形のままなので、部分沸騰を防止するためのバッフルコイルの挿入が容易であるとともに、管内を流れる流体に対する圧損が受熱管を扁平させた場合のように増大しない。
【0029】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図6は、第2の実施の形態にかかる熱交換器の有するフィンプレート50の主要部を示している。フィンプレート50に開設された挿通穴51は、図4に示した第1の実施の形態のフィンプレート20の先端部25をその先端からある程度削除した形状を成している。また挿通穴51の上方にはロウ棒挿通用穴部23が開設されているが、補助部材貫通孔24は開設されていない。
【0030】
図7に示すように、挿通穴51の上側に追い焚き用受熱管30を通し、下側に給湯用受熱管40を通した状態で、これら受熱管30、40をそれぞれ拡管すると、追い焚き用受熱管30および給湯用受熱管40の外周面とフィンプレート50の内周縁とが密着するとともに、追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40とが接触する状態になる。また追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40との接触箇所28の両脇には、略三角形の空間が補助部材貫通部52として生じる。
【0031】
第2の実施の形態で用いる補助部材53は、補助部材貫通部52よりも一回り小さい断面三角形の棒状を成しており、図示するように補助部材貫通部52に挿入される。また、図示しないロウ棒がロウ棒挿通用穴部23に挿通される。
【0032】
このような状態でロウ棒を溶融すると、溶融したロウ棒は、追い焚き用受熱管30および給湯用受熱管40の外周面を伝って下方へ流れ、各受熱管30、40とフィンプレート50との境界部に流れ込む。この際、図8に示すように補助部材53近傍に到達したロウ材54が、補助部材53を核としてその周囲にたまり、追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40との接触箇所28の近傍両脇部分を充填する。ロウ材54は、良好な熱伝導性を備えているので、接触箇所28の近傍両脇部分がロウ材54で充填されることにより、上下に隣接する追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40との間の伝熱面積が増大し、受熱管同士の間の熱伝導性が向上する。
【0033】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図9は、第3の実施の形態にかかる熱交換器の有するフィンプレート60の主要部を示している。フィンプレート60は、挿通穴61のくびれ部分を形成する箇所の先端部62が、挿通穴61に挿入される受熱管に沿うように略直角に折り曲げてある。なお、図9では、折り曲げる前の状態を点線で示してある。
【0034】
図10は、フィンプレート60に開設された挿通穴61の上側に追い焚き用受熱管30を、下側に給湯用受熱管40を通してロウ付けした後の状態の側面を示している。溶融したロウ棒は、追い焚き用受熱管30および給湯用受熱管40の外周面を伝って下方へ流れ、各受熱管30、40とフィンプレート50との境界部に流れ込む。この際、図10に示すように折り曲げた先端部62を核としてその周囲や各受熱管と先端部62との隙間にロウ材63がたまり、追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40との接触箇所の近傍両脇部分がロウ材63によって充填される。これにより、上下に隣接する追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40との間の伝熱面積が増大し、受熱管同士の間の熱伝導性が向上する。
【0035】
以上説明した実施の形態では、追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40とを上下2段に重ねた場合について説明したが、図3に示すように受熱管を上下3段に重ねたものや、それ以上に重ねたものであってもよい。すなわち、受熱管を何段に重ねた場合であっても、上下に隣り合う受熱管同士の各接触箇所の近傍両脇に補助部材を配置したり、先端部を折り曲げることで、各段の接触箇所近傍をロウ材等の可塑性部材で充填するようにすればよい。
【0036】
また実施の形態では、受熱管同士をまっすぐ上下に重ねたが、たとえば、斜めに重なるように配置してもよい。さらに、補助部材を接触箇所の両脇に配置したが、いずれか片側のみであってもかまわない。このほか、可塑性部材はロウ材に限られず、たとえば、石膏を水などの溶剤に溶かしたセラミック接着剤等を用いてもよい。なお、セラミック接着剤は、当初流動可能な状態にあるが、接着剤に含まれる溶剤が後に蒸発することで固化するようになっている。
【0037】
また各実施の形態では追い焚き用受熱管30と給湯用受熱管40の通る一缶二水路型熱交換器の例を示したが、これに限定されず、給湯と他系統の流路、たとえば、暖房用の流路の通るものであってもかまわない。したがって、給湯と追い焚きと暖房の各系統の流路の通る一缶多水路型熱交換器であってもよい。なお、バーナーへ供給する燃料はガス以外に石油等であってもかまわない。また、石油等ではガンタイプバーナーのようなバーナーレスタイプなどでもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明にかかる一缶多水路型熱交換器によれば、上下に重ねた受熱管同士の接触箇所の近傍両脇に棒状の補助部材を配置したので、良好な熱伝導性を有する可塑性部材によってロウ付け等する際に、当該補助部材が核となって接触箇所の近傍が可塑性部材で充填され、上下に重ねた受熱管同士の間の伝熱面積が増して熱伝導性が良くなる。これにより、たとえば、下側の受熱管内に水等が滞留している状態で上側の受熱管内を流れる水を加熱した場合であっても、下側の受熱管内に滞留している水の沸騰が抑制されるので、上側の受熱管への加熱能力を高めることができる。
【0039】
また、フィンプレートのうち、挿通穴のくびれ部分を形成している箇所の先端部を、受熱管に沿うように折り曲げたものでは、溶融した可塑性部材が折り曲げた先端部分と受熱管との隙間に充填され、上下に重ねた受熱管同士の間の伝熱面積を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器の主要部を示す説明図である。
【図2】本発明の各実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器を適用した一缶二水路型給湯機の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器のフィンを示す正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器の有するフィンの主要部を示す正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器のロウ付け後の状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器の有するフィンの主要部を示す正面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器の主要部を示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器のロウ付け後の状態を示す説明図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器の有するフィンの主要部を示す正面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る一缶多水路型熱交換器のロウ付け後の状態を示す側面図である。
【図11】従来から使用されている熱交換器を示す説明図である。
【図12】受熱管を潰して扁平させることによって上下に隣接する受熱管同士の伝熱面積を増やした従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…熱交換器
20、50、60…フィンプレート
21、22、51、61…挿通穴
23…ロウ棒挿通用穴部
24、52…補助部材貫通孔
25、62…先端部
26、53…補助部材
27、54、63…ロウ材
28…接触箇所
30…追い焚き用受熱管
40…給湯用受熱管
100…一缶二水路型給湯機
110…浴槽
120…追い焚き流路
130…給湯流路
140…バーナー

Claims (6)

  1. 少なくとも2系統の受熱管の通る一缶多水路型熱交換器において、
    複数の受熱管と、前記受熱管を通すための挿通穴を備えた多数のフィンプレートと、前記受熱管と前記フィンプレートとの間の伝熱効率を高め得る熱伝導性を有する可塑性部材と、棒状の補助部材とを備え、
    前記多数のフィンプレートは、所定の間隔を開けて平行に整列されており、
    前記複数の受熱管は、隣り合うもの同士を接触させて互いが沿うように併置した状態で前記多数のフィンプレートの前記挿通穴を貫通しており、
    前記挿通穴は、前記併置した状態での前記受熱管の断面形状と略等しい形状を成しており、
    前記フィンプレートは、前記併置された受熱管同士の接触箇所の近傍に前記棒状の補助部材を前記受熱管に沿って配置するための補助部材貫通部を有し、
    前記棒状の補助部材は、前記補助部材貫通部を通じて前記受熱管に沿うように前記接触箇所の近傍に配置され、
    前記可塑性部材は、流動可能な状態で前記受熱管と前記フィンプレートとの境界部に流れ込みかつ後に固化して前記受熱管とフィンプレートとを固着するとともに、前記流動可能な状態で前記境界部に流れ込む際に前記補助部材を核として前記接触箇所の近傍部分を充填し、隣接する受熱管同士の間の伝熱面積を増大させることを特徴とする一缶多水路型熱交換器。
  2. 少なくとも2系統の受熱管の通る一缶多水路型熱交換器において、
    複数の受熱管と、前記受熱管を通すための挿通穴を備えた多数のフィンプレートと、前記受熱管と前記フィンプレートとを固着するための可塑性部材であって所定の熱伝導性を有するものと、棒状の補助部材とを備え、
    前記多数のフィンプレートは、所定の間隔を開けて平行に整列されており、
    前記複数の受熱管は、隣り合うもの同士を接触させて互いが沿うように上下に複数段重ねた状態で前記多数のフィンプレートの前記挿通穴を貫通しており、
    前記挿通穴は、上下に複数段重ねられた状態の前記受熱管が通るように略円形を成す複数の穴がわずかな重なりをもって上下につなぎ合わされた形状を成しており、
    前記フィンプレートは、上下に重ねられた前記受熱管同士の接触箇所の近傍両脇に前記棒状の補助部材を前記受熱管に沿って配置するための補助部材貫通部を有し、
    前記棒状の補助部材は、前記補助部材貫通部を通じて前記受熱管に沿うように前記接触箇所の近傍両脇に配置され、
    前記可塑性部材は、溶融した状態で前記受熱管と前記フィンプレートとの境界部に流れ込みかつ後に固化して前記受熱管とフィンプレートとを固着するとともに、溶融した状態で前記境界部に流れ込む際に前記補助部材を核として前記接触箇所の近傍部分を充填し、上下に隣接する受熱管同士の間の伝熱面積を増大させることを特徴とする一缶多水路型熱交換器。
  3. 前記補助部材貫通部は、前記フィンプレートのうち前記受熱管同士の接触箇所の近傍両脇に存する部分に設けた孔であることを特徴とする請求項2記載の一缶多水路型熱交換器。
  4. 前記フィンプレートのうち前記受熱管同士の接触箇所に向かってその両脇から突き出た前記挿通穴のくびれ部分を形成する箇所の先端部を所定量削除することで前記接触箇所の両脇に前記受熱管と前記フィンプレートとで囲まれた略三角形の空間を前記補助部材貫通部として形成し、
    前記補助部材は、前記補助部材貫通部に対応した断面略三角形の棒状を成していることを特徴とする請求項2記載の一缶多水路型熱交換器。
  5. 少なくとも2系統の受熱管の通る一缶多水路型熱交換器において、
    複数の受熱管と、前記受熱管を通すための挿通穴を備えた多数のフィンプレートと、前記受熱管と前記フィンプレートとを固着するための可塑性部材であって所定の熱伝導性を有するものとを備え、
    前記多数のフィンプレートは、所定の間隔を開けて平行に整列されており、
    前記複数の受熱管は、隣り合うもの同士を接触させて互いが沿うように上下に複数段重ねた状態で前記多数のフィンプレートの前記挿通穴を貫通しており、
    前記挿通穴は、上下に複数段重ねられた状態の前記受熱管が通るように略円形を成す複数の穴がわずかな重なりをもって上下につなぎ合わされた形状を成しており、
    前記フィンプレートのうち前記受熱管同士の接触箇所に向かってその両脇から突き出た前記挿通穴のくびれ部分を形成する箇所の先端部は、前記受熱管に沿うように折り曲げられており、
    前記可塑性部材は、溶融した状態で前記受熱管と前記フィンプレートとの境界部に流れ込みかつ後に固化して前記受熱管とフィンプレートとを固着するとともに、溶融した状態で前記境界部に流れ込む際に前記折り曲げた先端部と前記受熱管との隙間を充填し、上下に隣接する受熱管同士の間の伝熱面積を増大させることを特徴とする一缶多水路型熱交換器。
  6. 前記可塑性部材は、ロウ材であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の一缶多水路型熱交換器。
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