JP3834370B2 - 内視鏡用洗浄シース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡の挿入部の外周面全体を覆う状態で内視鏡に外付けされて使用される内視鏡用洗浄シースに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、外科手術等に広く内視鏡が利用されている。ここで、内視鏡は予め体壁に穿刺されたトラカール外套管に挿通した状態で使用される。また、外科手術中においては、出血等により内視鏡の挿入部先端面の対物レンズが汚れ、内視鏡の視野が妨げられるという問題があった。
【0003】
そこで、この問題を解決する手段として、例えば特開昭8−173370号公報には内視鏡の挿入部の外周面全体を覆う状態で内視鏡に外付けされて使用される内視鏡用洗浄シースを使用して血液を除去する構成が記載されている。
【0004】
この洗浄シースのシース本体は全長に渡って円管状の断面形状に形成されている。そして、内視鏡の挿入部の外周面全体を洗浄シースのシース本体で覆う状態で内視鏡に外付けされた場合には内視鏡の挿入部と洗浄シースとの間に洗浄媒体を供給する間隙が形成されるようになっている。
【0005】
さらに、洗浄シースの最先端部には内方向側に折り返した折り返し部が屈曲形成されている。そして、内視鏡の挿入部と洗浄シースとの間の間隙を通して供給した洗浄媒体の流れを、その折り返し部で内視鏡の挿入部先端面の対物レンズの方向に屈曲させて内視鏡の対物レンズにはねあてる構造が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来構成のものにあっては洗浄シースのシース本体は全長に渡って円管状の断面形状に形成され、さらに洗浄シースの最先端部には内方向側に折り返した折り返し部が屈曲形成されているので、外科手術中に体壁のトラカール穿刺部からの出血がトラカール外套管の外周から洗浄シースの外周を伝って洗浄シースの先端まで到達し、さらに折り返し部に沿って洗浄シースの折り返し部と、内視鏡の挿入部先端面との間に回り込んでしまう問題がある。ここで、洗浄シースの折り返し部と内視鏡の挿入部先端面との間に回り込んだ血液は、内視鏡のライトガイドの出射光により熱せられて乾燥し、ライトガイドの出射光の出射部に固着することがある。
【0007】
さらに、血液がライトガイドの出射光の出射部に一旦乾燥、固着してしまうと、洗浄シースによる送水、吸引などを実施して、ライトガイドの出射光の出射部の洗浄を行っても落とすことができない。その結果、ライトガイドの出射光が遮られ、内視鏡の観察画像が暗くなる不具合がある。
【0008】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、体液などが洗浄シース本体の外周を伝って洗浄シース本体の先端の折り返し部と内視鏡の挿入部先端面との間に入り込むことを防ぎ、組み合わせて使用される内視鏡により常に明るい観察像が得られる内視鏡用洗浄シースを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内視鏡の挿入部の外周面全体を覆う洗浄シース本体を備え、前記内視鏡の挿入部の外周面全体を前記洗浄シース本体で覆う状態で前記内視鏡に外付けされて使用されるとともに、前記洗浄シース本体の先端部に前記内視鏡の挿入部の先端面を外部側に露出させる先端開口部が形成され、前記内視鏡の挿入部と前記シース本体との間の流路を通して供給される洗浄媒体が前記内視鏡の先端面に向けて噴出される内視鏡用洗浄シースにおいて、前記洗浄シース本体の先端開口部の周縁部位に内部側に向けて突出され、前記内視鏡の挿入部と前記シース本体との間の流路を通して供給される洗浄媒体を前記内視鏡の先端面に向けて噴出させる折り返し部が形成されるとともに、前記シース本体の外周面に形成され、前記洗浄シース本体の外周面を流れる体液を前記洗浄シース本体の先端部に導くガイド溝と、前記シース本体の先端部に先端へ延びる方向に突出され、前記折り返し部から更に先端へ延びる略嘴状の樋部と、を具備し、前記洗浄シース本体の外周面を伝って前記洗浄シース本体の先端部に導かれる体液が前記洗浄シース本体の先端開口部内に侵入することを防止する体液侵入防止手段を設けたことを特徴とする内視鏡用洗浄シースである。
そして、外科手術中、体壁のトラカール穿刺部からの出血等の体液が洗浄シース本体の外周面を伝って流れる場合にはガイド溝に沿って洗浄シース本体の先端部側に導かれる。この際に、シース本体の先端部の樋部によって洗浄シース本体の外周面から体液を振り落とすことにより、洗浄シース本体の外周面を伝って洗浄シース本体の先端開口部側に導かれた体液が洗浄シース本体の先端開口部内に侵入することを防止するようにしたものである。
請求項2の発明は、前記樋部は、その先端に外向きに屈曲された反り返し部が突設されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シースである。
請求項3の発明は、前記ガイド溝は、前記シース本体の基端部における内視鏡の上方向に対応する部分から下方向に向かうにしたがって徐々に先端方向に近づくように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シースである。
請求項4の発明は、前記樋部は、内周面に内部側に向けて突出する堰を前記折り返し部と平行に設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シースである。
請求項5の発明は、前記シース本体は、前記樋部の基端部外周面に弾性部材からなるバルーンを設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シースである。
請求項6の発明は、前記シース本体は、外周面に撥水コートを施したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シースである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1(A),(B)乃至図3を参照して説明する。図1(A),(B)は本実施の形態における内視鏡用洗浄シース1を内視鏡2に装着した状態を示すものである。ここで、内視鏡2には体内に挿入される細長い挿入部3と、この挿入部3の基端部に連結された手元側の操作部4とが設けられている。そして、この内視鏡2の操作部4の前端部には洗浄シース取付け用のピン5が突設されている。
【0011】
また、洗浄シース1には図1(A),(B)に示すように内視鏡2の挿入部3の外周面全体を覆う細長い円筒状の洗浄シース本体6が設けられている。この洗浄シース本体6の基端部には内視鏡2の操作部4に着脱可能に取付けられる略円筒状の取付け部7が設けられている。
【0012】
さらに、取付け部7の外周面後端部には、略L字状のカム溝8が設けられている。このカム溝8は洗浄シース1を内視鏡2に装着する際に内視鏡2の操作部4のピン5と係合し、洗浄シース1を内視鏡2に固定するものである。なお、図3に示すように内視鏡2の挿入部3の先端部9には固体撮像素子10が内蔵されている。そして、カム溝8の位置は洗浄シース1を内視鏡2に装着した際に、内視鏡2の先端部9内の固体撮像素子10の上方向(図1(B)中で、上方向)が洗浄シース1に対して一義的に決まるように位置決めされている。
【0013】
また、取付け部7の外周面の略中央部位には、円筒状の口金11が突設されている。この口金11には外部チューブ12の一端部が接続されている。この外部チューブ12の他端部は図示しない送気、送水手段、或いは吸引手段に連結されている。そして、このチューブ12を通して口金11内に送気、送水、吸引などができるようになっている。
【0014】
また、シース本体6は、取付け部7に接続された細長い円筒状のシース硬性部13と、このシース硬性部13の先端に設けられたチューブ状のシース軟性部14と、このシース軟性部14の先端側、つまり洗浄シース1の最先端に設けられたシース先端部15とから構成される。ここで、シース先端部15は内視鏡2の先端部9に装着されている。さらに、シース軟性部14は内視鏡2の先端部9を上下左右の4方向に湾曲操作する湾曲部16を覆う位置に配置されている。
【0015】
また、内視鏡2の挿入部3の外周面と、洗浄シース1のシース本体6の内周面との間には流路17が形成されている。この流路17の後端部は口金11の内腔に連通されている。
【0016】
さらに、取付け部7の後端部内周面には図示しないパッキンが装着されている。そして、洗浄シース1が内視鏡2に装着された状態では内視鏡2の操作部4の外周面と洗浄シース1の取付け部7の内周面との間がこのパッキンによりシールされ、内視鏡2の挿入部3とシース本体6との間の流路17が気密的に保持されている。
【0017】
また、洗浄シース1のシース先端部15の先端には内視鏡2の先端部9の先端面9aを外部側に露出させる先端開口部18が形成されている。さらに、シース先端部15の先端開口部18の周縁部位には、内部側に向けて突出された折り返し部19が全周に渡り形成されている。
【0018】
また、洗浄シース1のシース本体6の全長は内視鏡2の挿入部3の全長より僅かに長く形成されている。さらに、シース先端部15の折り返し部19と内視鏡2の先端面9aとの間には流路17の先端部に連通する隙間20が形成されている。
【0019】
また、内視鏡2の挿入部3の下方向に相当するシース先端部15の下縁部15aには、折り返し部19から更に先端へ延びる略嘴状の樋部21が設けられている。この樋部21の先端には外向きに屈曲された反り返し部22が突設されている。
【0020】
さらに、シース先端部15の外周面には、体液のガイド溝23が全周に渡り形成されている。このガイド溝23はシース先端部15の外周面の基端部における内視鏡2の上方向に対応する部分から下方向に向かうにしたがって徐々に先端方向に近づく2次曲線を描くように形成されている。そして、このガイド溝23とシース先端部15の下縁部15aの樋部21および反り返し部22とによってシース本体6の外周面を伝ってシース本体6のシース先端部15に導かれる体液をシース本体6の先端開口部18の端縁部位からシース本体6の先端開口部18の内側に入り込む前に、シース本体6の外周面から振り落としてシース本体6の先端開口部18内に侵入することを防止する体液侵入防止手段24が形成されている。
【0021】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の洗浄シース1は内視鏡2に装着されて使用される。この洗浄シース1を内視鏡2に装着する作業時には内視鏡2の挿入部3を取付け部7側からシース本体6内に挿入し、内視鏡2の挿入部3にシース本体6を被覆する。
【0022】
そして、洗浄シース1の取付け部7が内視鏡2の操作部4の近傍に到達した時点で、取付け部7のカム溝8内に内視鏡2の操作部4のピン5を挿入させる。このとき、取付け部7のカム溝8に沿ってピン5を移動させる状態で、内視鏡2に対して洗浄シース1全体を軸方向に移動させたのち、カム溝8の終端位置で所定量回動させ、内視鏡2の操作部4のピン5に取付け部7のカム溝8を係合させる。これにより、内視鏡2の挿入部3に対する洗浄シース1の取付け方向、および取付け位置が一義的に位置決めされた状態で固定される。
【0023】
つまり、必ずシース先端部15の樋部21が内視鏡2の挿入部3の下方向に配置される状態で、かつ必ずシース先端部15の外周面のガイド溝23が樋部21に向けて傾斜している状態で洗浄シース1は内視鏡2に固定される。
【0024】
ここで洗浄シース1が装着された内視鏡2の挿入部3は次に、予め体壁に穿刺されたトラカール外套管内に挿入され、体内に挿入される。そして、内視鏡2による体内の観察、処置などが行われる。
【0025】
本実施の形態における内視鏡2の先端部9は、湾曲部16によって上下左右の4方向に湾曲可能であるため、固体撮像素子10の上下方向と内視鏡2の天地の方向とをほぼ一致させたままで、内視鏡2の視野を変えながら観察、処置などを実施することが可能である。
【0026】
また、使用中に内視鏡2の挿入部3の先端面9aに配設された対物レンズ25に汚れが付着した場合には、外部チューブ12から洗浄媒体が供給される。このとき、外部チューブ12から供給される洗浄媒体は口金11の内腔から流路17を経由して先端に到達したのち、シース先端部15の折り返し部19で、洗浄媒体の流れが内視鏡2の挿入部3の先端面9aの対物レンズ25の方向に向けて屈曲された状態にはね返り、これによって対物レンズ25が洗浄される。
【0027】
また、内視鏡2によって観察、処置などをしている間に患者の体壁のトラカール穿刺部からの出血がトラカール外套管から洗浄シース1の外周面を伝って落ちてくる場合がある。このとき、血液は洗浄シース1のシース硬性部13の外周面からシース軟性部14の外周面を伝ってシース先端部15の外周面へ到達する。
【0028】
また、本実施の形態の内視鏡2においては、先端部9が湾曲部16によって上下左右の4方向に湾曲可能であるため、固体撮像素子10の下方向が重力方向とほぼ一致したままで観察、処置が可能である。そのため、シース先端部15の外周面へ到達した血液は、重力によりシース先端部15の外周面のガイド溝23に沿って、内視鏡2の下方向に配置されているシース先端部15の下縁部15aに集められる。ここに集められた血液は、シース先端部15の下縁部15aを伝ってさらに先端の樋部21側に流れる。
【0029】
このとき、シース先端部15の下縁部15aから樋部21側に流れる血液は、樋部21の先端の反り返し部22に沿ってさらに外側に向けて導かれる。そのため、洗浄シース1の外周面を伝って落ちてくる血液は内視鏡2の挿入部3の先端面9aと洗浄シース1の折り返し部19との間の隙間20に回り込むことなく、重力により洗浄シース1の外に落下する。
【0030】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態は洗浄シース1のシース先端部15の下縁部15aに折り返し部19よりさらに先端に延出する樋部21を設けるとともに、樋部21の先端に外向きに屈曲された反り返し部22を突設し、さらにシース先端部15の外周面に体液のガイド溝23を形成し、このガイド溝23とシース先端部15の下縁部15aの樋部21および反り返し部22とによってシース本体6の外周面を伝ってシース本体6のシース先端部15に導かれる体液をシース本体6の先端開口部18の端縁部位からシース本体6の先端開口部18の内側に入り込む前に、シース本体6の外周面から振り落としてシース本体6の先端開口部18内に侵入することを防止する体液侵入防止手段24を形成したものである。そのため、洗浄シース1の外周面を伝って落ちてくる血液を内視鏡2の挿入部3の先端面9aと洗浄シース1の折り返し部19との間の隙間20に回り込むことなく、シース先端部15の外周面から重力により落下させることができるので、従来のように体壁のトラカール穿刺部から出血した血液が内視鏡2のライトガイドの出射部に固着することがなく、この洗浄シース1と組み合わせて使用する内視鏡2により常に明るい観察像を得ることができる。
【0031】
また、図4は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図3参照)の洗浄シース本体6におけるシース先端部15の構成を次の通り変更したものである。
【0032】
すなわち、本実施の形態ではシース先端部15の下縁部15aに形成された略嘴状の樋部21の内周面に、内部側に向けて突出する堰31を折り返し部19と平行に設けたものである。ここで、堰31は樋部21の最先端と折り返し部19との間に配置されている。なお、これ以外の部分の構成は第1の実施の形態と構造が共通であり、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0033】
次に、上記構成の作用について説明する。洗浄シース1が装着された内視鏡2の使用中、内視鏡2によって観察、処置などをしている間に患者の体壁のトラカール穿刺部からの出血がトラカール外套管から洗浄シース1の外周を伝って落ちてきた場合にはその血液は、シース先端部15のガイド溝23によりシース先端部15の下縁部15aに集められる。血液はさらにシース先端部15の下縁部15aを伝って先端側に流れる。
【0034】
ここで、シース先端部15の下縁部15aには折り返し部19より先端側に樋部21が延出され、さらに樋部21の先端と折り返し部19との間に内部側に突出する堰31が設けられているため、シース先端部15の下縁部15aを伝って先端側に流れる血液が樋部21の内面側に回り込んだ場合であっても堰31および折り返し部19によってその血液の流れを一層確実にせき止めることができる。そのため、本実施の形態でも洗浄シース1の外周面を伝って落ちてくる血液は内視鏡2の挿入部3の先端面9aと洗浄シース1の折り返し部19との間の隙間20に回り込むことなく、重力により洗浄シース1の外に落下する。
【0035】
そこで、上記構成のものにあってはシース先端部15の下縁部15aに形成された略嘴状の樋部21の内周面に、内部側に向けて突出する堰31を折り返し部19と平行に設けたので、洗浄シース1の外周面を伝って落ちてくる血液がシース先端部15の下縁部15aを伝って先端側に流れ、樋部21の内面側に回り込んだ場合であっても堰31および折り返し部19によってその血液の流れを確実にせき止めることができる。そのため、本実施の形態でも洗浄シース1の外径を格別に太径化することなく、第1の実施の形態と同様に体壁のトラカール穿刺部から出血した血液が内視鏡2のライトガイドの出射部に固着することを防止して、この洗浄シース1と組み合わせて使用する内視鏡2により常に明るい観察像を得ることができる。
【0036】
また、図5は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図3参照)の洗浄シース1のシース先端部15の基端部外周面に弾性部材からなるドーナツ状のバルーン41を固着したものである。このバルーン41には、バルーン41を膨らませたり、しぼませたりするために流体給排用のチャンネル42の一端部が連結されている。このチャンネル42はシース本体6に沿って基端部の取付け部7側へと延びている。
【0037】
さらに、このチャンネル42の他端部はバルーン41の内腔に生理食塩水などの流体を供給する図示しない流体供給機構に連結されている。なお、これ以外の部分の構成は第1の実施の形態と構造が共通であり、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0038】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態でも第1の実施の形態と同様の手順で内視鏡2が体内に挿入される。続いて、チャンネル42より生理食塩水などを送り、バルーン41を膨らませる。この状態で、第1の実施の形態と同様に内視鏡2による体内の観察、処置などが行われる。
【0039】
また、内視鏡2によって観察、処置などをしている間に患者の体壁のトラカール穿刺部からの出血がトラカール外套管から洗浄シース1の外周を伝って落ちてきた場合にはその血液の流れは、膨らんだバルーン41により先端へ向かうことが阻害される。さらに、洗浄シース1の外周を伝わる血液の流れがたとえバルーン41を乗り越えたとしても、シース先端部15の外周に設けられたガイド溝23と樋部21により、血液は落下する。
【0040】
そこで、上記構成のものにあっては洗浄シース1のシース先端部15の基端部外周面にバルーン41を固着し、このバルーン41を膨らませた状態で、第1の実施の形態と同様に内視鏡2による体内の観察、処置などが行われるようにしたので、洗浄シース1の外周を伝って落ちてきた血液の流れを、膨らんだバルーン41により先端へ向かうことを阻害することができる。そのため、本実施の形態では第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図3参照)より一層確実に内視鏡2の挿入部3の先端面9aとシース先端部15の折り返し部19との間の隙間20ヘの血液の回り込みが防止され、常に明るい内視鏡2の観察像が得られる効果がある。
【0041】
また、図6は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図3参照)の洗浄シース本体6におけるシース先端部15の構成を次の通り変更したものである。
【0042】
すなわち、本実施の形態では洗浄シース1のシース先端部15の先端縁部全周に渡り内部側に突出された折り返し部51を形成するとともに、シース先端部15の外周面に全周に渡って撥水コート52を施したものである。なお、これ以外の部分の構成は第1の実施の形態と構造が共通であり、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0043】
次に、上記構成の作用について説明する。洗浄シース1が装着された内視鏡2の使用中、内視鏡2によって観察、処置などをしている間に患者の体壁のトラカール穿刺部からの出血がトラカール外套管から洗浄シース1の外周を伝って落ちてきた場合にはその血液は、シース先端部15に到達する。このとき、本実施の形態ではシース先端部15の外周面には全周に渡って、撥水コート52が施されているので、シース先端部15にて血液が落下する。
【0044】
そこで、上記構成の本実施の形態では洗浄シース1のシース先端部15を円筒形状に形成することができるので、洗浄シース1をシース本体6の軸心部を中心にどのように回転させてもよく、また、先端部9に固体撮像素子10(図3参照)を内蔵していない内視鏡2と洗浄シース1を組み合わせた場合でも、内視鏡2の挿入部3の先端面9aとシース先端部15の折り返し部19との間の隙間20への血液の回り込みを防止することができ、常に明るい内視鏡像が得られる。
【0045】
なお、第1の実施の形態(図1(A),(B)乃至図3参照)の変形例として、ガイド溝23をシース硬性部13またはシース軟性部14に設けても良い。また、ガイド溝23の数を複数にすることにより、より確実に血液の回り込みを防止できる。
【0046】
さらに、第4の実施の形態(図6参照)の変形例として、撥水コート52を洗浄シース1のシース本体6の外周面全体に施しても良く、この場合には血液の回り込みをさらに効果的に防止できる。
【0047】
また、図7(A),(B)は本発明の第5の実施の形態を示すものである。図7(A)は本実施の形態の内視鏡用洗浄シース61を内視鏡62に装着した状態を示すものである。
【0048】
本実施の形態の内視鏡62には体内に挿入するための直管からなる挿入部63と、この挿入部63の基端部に連結された手元側の操作部64とが設けられている。
【0049】
また、シース61には、内視鏡62の挿入部63の外周面全体を覆う状態で被せて装着される硬性部材からなる細長い円筒状の洗浄シース本体65が設けられている。この洗浄シース本体65の手元側基端部には内視鏡62の操作部64に着脱可能に取付けられる略円筒状の取付け部66が連結されている。この取付け部66の外周面には、図示しない口金が突設されている。この口金には図示しない送気、送水手段、或いは吸引手段に連結された外部チューブが連結されている。そして、このチューブから口金内を通して内視鏡62の挿入部63の外周面と、シース61の洗浄シース本体65との間の隙間の流路に送液、吸引などができるようになっている。
【0050】
さらに、シース本体65の最先端部内周面には図7(B)に示すように略リング状の凹陥部67が形成されている。この凹陥部67には略リング状の弾性部材68が固着されている。この弾性部材68の先端部内周面には内側へ略直角に折り曲げられた略リング状のフランジ部69が形成されている。このフランジ部69の内側壁面には内視鏡62の挿入部63の先端面に送水液を吹き付ける少なくとも1つのノズル部70が設けられている。
【0051】
なお、シース61の有効長は、このシース61を内視鏡62に装着した際に、シース本体65の先端部内周面の弾性部材68のフランジ部69の内側壁面が内視鏡62に圧接される程度の長さに設定されている。
【0052】
そこで、上記構成のものにあってはシース61が内視鏡62に装着された状態では、外部チューブからシース61の取付け部66の口金内を通して内視鏡62の挿入部63の外周面と、シース61の洗浄シース本体65との間の隙間の流路に送液、吸引などが行われる。このとき、内視鏡62の挿入部63の先端面と、弾性部材68のフランジ部69の内側壁面との間が密着しているため、送水液の送水時にノズル部70以外の部分から送水液が漏れ出すおそれがない。そのため、内視鏡62の挿入部63の外周面と、シース61の洗浄シース本体65との間の隙間の流路に供給される送水液を確実にノズル部70から噴出させ、内視鏡62の挿入部63の先端面に吹き付けることができるので、送水液の送水時にノズル部70以外の部分から送水液が漏れ出すおそれがなく、内視鏡62の挿入部63の先端面の対物レンズ等の洗浄性を一層良くすることができる。
【0053】
また、本実施の形態ではシース61を内視鏡62に装着した際に、シース本体65の先端部内周面の弾性部材68のフランジ部69が内視鏡62に圧接され、ノズル部70以外から送水液が漏れ出さないので、吸引後のシース61からの水だれ現象が生じにくい効果もある。
【0054】
また、図8は第5の実施の形態(図7(A),(B)参照)の内視鏡用洗浄シース61の第1の変形例を示すものである。本変形例は第5の実施の形態のシース61におけるシース本体65の先端部に円筒状の弾性部材71を取付けたものである。
【0055】
ここで、本変形例ではシース本体65の先端部内周面に弾性部材71の取付け用の略リング状の凹陥部72が形成されている。さらに、弾性部材71の基端部外周面にはシース本体65の凹陥部72と対応する形状の凹陥部73が形成されている。そして、弾性部材71の凹陥部73にシース本体65の凹陥部72を外嵌させて重ね合わせた状態で、シース本体65の先端部に弾性部材71が取付けられている。
【0056】
また、弾性部材71の先端部内周面には内側へ略直角に折り曲げられた略リング状のフランジ部74が形成されている。このフランジ部74の内側壁面には内視鏡62の挿入部63の先端面に送水液を吹き付ける少なくとも1つのノズル部75が設けられている。
【0057】
なお、シース61の有効長は、このシース61を内視鏡62に装着した際に、シース本体65の先端部の弾性部材71が内視鏡62に圧接される程度の長さに設定されている。
【0058】
そこで、本変形例でも第5の実施の形態と同様にシース61を内視鏡62に装着した際に、シース本体65の先端部の弾性部材71のフランジ部74を内視鏡62に圧接させた状態で保持することができるので、内視鏡62の挿入部63の外周面と、シース61の洗浄シース本体65との間の隙間の流路に供給される送水液を確実にノズル部75から噴出させ、内視鏡62の挿入部63の先端面に吹き付けることができるので、送水液の送水時にノズル部75以外の部分から送水液が漏れ出すおそれがなく、内視鏡62の挿入部63の先端面の対物レンズ等の洗浄性を一層良くすることができる。
【0059】
また、本実施の形態でもシース61を内視鏡62に装着した際に、シース本体65の先端部の弾性部材71のフランジ部74が内視鏡62に圧接され、ノズル部75以外から送水液が漏れ出さないので、吸引後の水だれ現象が生じにくい効果もある。
【0060】
さらに、本変形例では特に、シース本体65の先端部全体を弾性部材71によって構成したので、シース本体65の先端部の弾性部材71が体内の臓器に強く押しつけられた場合でも、臓器を損傷させる恐れを少なくすることができる効果がある。
【0061】
また、図9および図10は第5の実施の形態(図7(A),(B)参照)の内視鏡用洗浄シース61の第2の変形例を示すものである。本変形例は第5の実施の形態のシース61におけるシース本体65の先端部に内側へ略直角に折り曲げられた略リング状のフランジ部81を形成し、このフランジ部81と内視鏡62の挿入部63の先端面との間に弾性部材からなる略リング状のパッキン82を取付けたものである。このパッキン82の外径寸法はシース本体65の内径寸法と略同径に設定されている。
【0062】
また、このパッキン82の外周部には図10に示すように少なくとも1つのノズル部83が設けられている。さらに、このパッキン82の中央部には内視鏡62の視野を遮らない大きさの開口部84が設けられている。
【0063】
なお、パッキン82はシース本体65のフランジ部81の内側壁面に対し、取外し可能である。さらに、シース61の有効長は、このシース61を内視鏡62に装着した際に、パッキン82が内視鏡62に圧接される程度の長さに設定されている。
【0064】
そこで、本変形例でも第5の実施の形態と同様にシース61を内視鏡62に装着した際に、シース本体65の先端部のフランジ部81の内側壁面に取付けたパッキン82を内視鏡62に圧接させた状態で保持することができるので、内視鏡62の挿入部63の外周面と、シース61の洗浄シース本体65との間の隙間の流路に供給される送水液を確実にノズル部83から噴出させ、内視鏡62の挿入部63の先端面に吹き付けることができるので、送水液の送水時にノズル部83以外の部分から送水液が漏れ出すおそれがなく、内視鏡62の挿入部63の先端面の対物レンズ等の洗浄性を一層良くすることができる。
【0065】
また、本実施の形態ではシース61を内視鏡62に装着した際に、シース本体65のフランジ部81の内側壁面に取付けたパッキン82が内視鏡62に圧接され、ノズル部83以外から送水液が漏れ出さないので、吸引後のシース61からの水だれ現象が生じにくい効果もある。
【0066】
さらに、本変形例では特に、シース本体65のフランジ部81の内側壁面に取外し可能なパッキン82を装着したので、特に構造が簡単であり、加工が容易である。そのため、低コストで作成可能である。また、パッキン82を取外し可能にすることで、このパッキン82の弾性部材が劣化した際にパッキン82の交換が容易にできる。
【0067】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
【0068】

(付記項1) 内視鏡に装着して使用する内視鏡用洗浄シースにおいて、前記内視鏡用洗浄シースの先端部の内、内視鏡用洗浄シースを内視鏡に装着したときに、重力方向に位置する部分に、先端方向へ突出する嘴部を設けると共に、内視鏡用洗浄シースの挿入部の外周に少なくとも一つの溝を設けたことを特徴とする内視鏡用洗浄シース。
【0069】
(付記項2) 前記溝は、前記嘴部に向けて傾斜する溝であることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡用洗浄シース。
(付記項3) 前記嘴部の先端に、前記内視鏡用洗浄シースの外径側に突出する反り返しを設けたことを特徴とする付記項1または2に記載の内視鏡用洗浄シース。
【0070】
(付記項4) 内視鏡に装着して使用する内視鏡用洗浄シースにおいて、前記内視鏡用洗浄シースの挿入部の外周の一部に撥水コートを施したことを特徴とする内視鏡用洗浄シース。
【0071】
(付記項1〜4の従来技術) 近年、外科手術等に広く内視鏡が利用されており、内視鏡は体壁に穿刺したトラカール外套管に挿通した状態で使用される。外科手術中においては、出血等により内視鏡の先端対物レンズが汚れ視野が妨げられるという問題があった。この問題を解決する手段として、例えば特開昭8−173370号に記載されているような洗浄シースを使用して血液を除去するものがある。このような洗浄シースにおいては、洗浄シースの最先端部を内径側に折り返しておき、内視鏡と洗浄シースとの間隙を通して供給した洗浄媒体を、その折り返し部で内視鏡の先端対物レンズにはねあてる構造が採られている。また、洗浄シースの挿入部は全長に渡って断面が円管状の形状をしている。
【0072】
(付記項1〜4の解決しようとする課題) しかしながら、洗浄シース最先端が折り返されており、洗浄シースの外周が全長に渡り円管状である構造では体壁のトラカール穿刺部からの出血がトラカール外套管の外周から洗浄シースの外周を伝って洗浄シースの先端まで到達し、さらに折り返し部に沿って洗浄シースの折り返し部と内視鏡先端面の間に回り込んでしまう。折り返し部と内視鏡先端面に回り込んだ血液は、内視鏡のライトガイドの出射光により熱せられて乾燥し、ライトガイド出射部に固着することがある。血液がライトガイド出射部に一旦乾燥、固着してしまうと、洗浄シースによる送水、吸引などを実施して、ライトガイド出射部の洗浄を行っても落とすことができない。その結果、ライトガイドの出射光が遮られ、内視鏡の画像が暗くなるという不具合があった。
【0073】
(付記項1〜4の目的) 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、体液などが洗浄シースの外周を伝って洗浄シースの折り返し部と内視鏡先端面の間に入り込むのを防ぎ、組み合わせて使用する内視鏡により常に明るい観察像が得られる内視鏡用洗浄シースを提供することを目的としている。
【0074】
(付記項1の課題を解決する手段および作用) 付記項1の内視鏡用洗浄シースは、内視鏡に装着して使用する内視鏡用洗浄シースにおいて、前記内視鏡用洗浄シースの先端部の内、内視鏡用洗浄シースを前記内視鏡に装着したときに、重力方向に位置する部分に、先端方向へ突出する嘴部を設けると共に、内視鏡用洗浄シースの挿入部の外周に少なくとも一つの溝を設けたことで、体壁のトラカール穿剌部からの出血がトラカールの外周から内視鏡用洗浄シースの外周を伝って、内視鏡用洗浄シースの折り返し部と内視鏡先端面との間に入り込む前に、血液を内視鏡用洗浄シースの外周から落とすという作用をもつ。
【0075】
(付記項2の課題を解決する手段および作用) 前記溝を、前記嘴部に向けて傾斜する少なくともーつの溝としたことで、付記項1と同じ作用をもつ。
(付記項3の課題を解決する手段および作用) 前記嘴部の先端に、前記内視鏡用洗浄シースの外径側に突出する反り返しを設けたことで、付記項1と同じ作用をもつ。
【0076】
(付記項4の課題を解決する手段および作用) 付記項4の内視鏡用洗浄シースは、内視鏡に装着して使用する内視鏡用洗浄シースにおいて、前記内視鏡用洗浄シースの挿入部の外周の一部に撥水コートを施したことで、体壁のトラカール穿剌部からの出血がトラカールの外周から内視鏡用洗浄シースの外周を伝って、内視鏡用洗浄シースの折り返し部と内視鏡先端面との間に入り込む前に、血液を内視鏡用洗浄シースの外周から落とすという作用をもつ。
【0077】
(付記項1〜4の効果) 体液などが、洗浄シースの外周を伝って洗浄シースの折り返し部と内視鏡の先端面に入り込むことを防ぐことにより、組み合わせて使用する内視鏡により常に明るい観察像を得ることができる。
【0078】
(付記項5) 先端面に観察手段を備えた内視鏡と、該内視鏡を外装するシースを有し、前記内視鏡と前記シースとの間を流路として前記内視鏡の先端面に対して流体の供給及び吸引を行う手段を備えた内視鏡装置において、前記シース先端部の少なくとも内視鏡先端面と接する部分を弾性部材としたことを特徴とする内視鏡装置。
【0079】
(付記項6) 前記弾性部材を前記シース先端部の内壁面に設けたことを特徴とする付記項5の内視鏡装置。
(付記項7) 前記シース先端部が全て前記弾性部材によって構成されることを特徴とする付記項5の内視鏡装置。
【0080】
(付記項8) 前記弾性部材が前記シース内径と略同径である円盤形のパッキンであることを特徴とする付記項5の内視鏡装置。
(付記項5〜8の従来技術) 従来技術としては、特開平8−280609号公報があり、内視鏡の挿入部の外周に被せて装着されるパイプと、内視鏡の操作部に装着されるシース本体部とからなり、シース本体部はパイプの手元側基端に連結されている。パイプの最先端縁部にはその内側へ略直角に折り曲げられた形状の略リング状のフランジが形成されており、このフランジの内側壁面には少なくとも1つのノズルが設けてある。
【0081】
(付記項5〜8の解決しようとする課題) 従来技術では、シース先端部が硬性部材によって形成されているため、シースを内視鏡に装着した際、内視鏡先端面とシース最先端部のフランジ内側壁面が完全に密着しない。このため、本来ノズル部から噴出すべき送水液が、内視鏡先端面とシース最先端部のフランジ内側壁面の隙間から漏れ出してしまい、ノズル部から噴出する送水液の勢いが弱まり洗浄性が低下するという欠点があった。また、内視鏡先端面とシース最先端部のフランジ内側壁面の隙間があるために、吸引しきれなかった送水液が再度内視鏡先端面に漏れ出す水だれ現象が生じやすいという欠点があった。
【0082】
(付記項5〜8の目的) 付記項5〜8の目的は、内視鏡先端面とシース最先端部のフランジ内側壁面を完全に密着させ、送水液が確実にノズル部から噴出し、視野の妨げとなる吸引後の水だれ現象を生じにくくすることで、内視鏡を体外に抜くことなく簡単に視野の汚れを除去することができ内視鏡手術時間を短縮できる内視鏡装置を提供することである。
【0083】
(付記項5〜8の課題を解決する手段および作用) 付記項5〜8の構成は、内視鏡先端面とシースのフランジ内側壁面が密着するので、送水液が確実にノズル部から噴出され、ノズル部以外から送水液が漏れ出さないという作用を持つ。
【0084】
(付記項5〜8の効果) 内視鏡先端面とシース最先端部のフランジ内側壁面を完全に密着させ、送水液が確実にノズル部から噴出し、視野の妨げとなる吸引後の水だれ現象を生じにくくすることで、内視鏡を体外に抜くことなく簡単に視野の汚れを除去することができ内視鏡手術時間を短縮できる内視鏡装置を提供することができる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば洗浄シース本体の外周面を伝って洗浄シース本体の先端部に導かれる体液が洗浄シース本体の先端開口部の端縁部位から洗浄シース本体の先端開口部の内側に入り込む前に、洗浄シース本体の外周面から振り落として洗浄シース本体の先端開口部内に侵入することを防止する体液侵入防止手段を洗浄シース本体の先端部に設けたので、体液などが洗浄シース本体の外周を伝って洗浄シース本体の先端の折り返し部と内視鏡の挿入部先端面との間に入り込むことを防ぎ、組み合わせて使用される内視鏡により常に明るい観察像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すもので、(A)は内視鏡用洗浄シースを内視鏡に装着した状態を示す平面図、(B)は同側面図。
【図2】 第1の実施の形態における洗浄シース本体の先端部の外観を示す斜視図。
【図3】 第1の実施の形態の洗浄シース本体の先端部の縦断面図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態における洗浄シース本体の先端部を示す縦断面図。
【図5】 本発明の第3の実施の形態の内視鏡用洗浄シースを内視鏡に装着した状態を示す平面図。
【図6】 本発明の第4の実施の形態の内視鏡用洗浄シースの要部構成を示す縦断面図。
【図7】 本発明の第5の実施の形態を示すもので、(A)は内視鏡用洗浄シースを内視鏡に装着した状態を一部断面にして示す側面図、(B)は洗浄シースの先端部の縦断面図。
【図8】 第5の実施の形態の内視鏡用洗浄シースの第1の変形例を示す要部の縦断面図。
【図9】 第5の実施の形態の内視鏡用洗浄シースの第2の変形例を示す要部の縦断面図。
【図10】 第2の変形例の内視鏡用洗浄シースのリング状パッキンを示す平面図。
【符号の説明】
1 洗浄シース
2 内視鏡
3 挿入部
6 シース本体
9a 先端面
15 シース先端部
18 先端開口部
24 体液侵入防止手段

Claims (6)

  1. 内視鏡の挿入部の外周面全体を覆う洗浄シース本体を備え、前記内視鏡の挿入部の外周面全体を前記洗浄シース本体で覆う状態で前記内視鏡に外付けされて使用されるとともに、
    前記洗浄シース本体の先端部に前記内視鏡の挿入部の先端面を外部側に露出させる先端開口部が形成され
    前記内視鏡の挿入部と前記シース本体との間の流路を通して供給される洗浄媒体が前記内視鏡の先端面に向けて噴出される内視鏡用洗浄シースにおいて、
    前記洗浄シース本体の先端開口部の周縁部位に内部側に向けて突出され、前記内視鏡の挿入部と前記シース本体との間の流路を通して供給される洗浄媒体を前記内視鏡の先端面に向けて噴出させる折り返し部が形成されるとともに、
    前記シース本体の外周面に形成され、前記洗浄シース本体の外周面を流れる体液を前記洗浄シース本体の先端部に導くガイド溝と、前記シース本体の先端部に先端へ延びる方向に突出され、前記折り返し部から更に先端へ延びる略嘴状の樋部と、を具備し、
    前記洗浄シース本体の外周面を伝って前記洗浄シース本体の先端部に導かれる体液が前記洗浄シース本体の先端開口部内に侵入することを防止する体液侵入防止手段を設けたことを特徴とする内視鏡用洗浄シース。
  2. 前記樋部は、その先端に外向きに屈曲された反り返し部が突設されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シース。
  3. 前記ガイド溝は、前記シース本体の基端部における内視鏡の上方向に対応する部分から下方向に向かうにしたがって徐々に先端方向に近づくように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シース。
  4. 前記樋部は、内周面に内部側に向けて突出する堰を前記折り返し部と平行に設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シース。
  5. 前記シース本体は、前記樋部の基端部外周面に弾性部材からなるバルーンを設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シース。
  6. 前記シース本体は、外周面に撥水コートを施したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用洗浄シース。
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