JP3833359B2 - 被覆資材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に施設園芸用ハウスやパイプハウス等の農業施設の天井面や壁面に用いるハウスカ−テン、機械装置の保護カバ−、梱包資材等に覆設される被覆資材に関する。
【0002】
【従来の技術】
高密度ポリエチレン製の単層フラットヤ−ンや、芯材に高密度ポリエチレン、外層に分岐状低密度ポリエチレンを被着してなる複層フラットヤ−ン等を、縦横に配した基布に、ポリエチレン系樹脂組成物より成る表層膜を、該基布の片面又は両面に形成して成る被覆資材については、既に多岐の分野にわたって実用化が進められてきている。上記の如く、芯材に高密度ポリエチレンを用いることによって、強度的にはかなり向上した製品が提供されているが、例えば、施設園芸用ハウスやパイプハウス等の農業施設用等の被覆資材としては光透過性の点、又、複雑な形状や破損し易いような備品や機械装置類等の保護を目的とした被覆資材にあっては、例えば装置の突起部等で資材が容易に破れたりしない強度を付与する点、更には、寸法安定性、ヒ−トシ−ル性、防水性、耐候性を高めるなど用途に応じた改良が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、どの様な用途に用いる被覆資材であっても、展張・運搬・収納に当たっては被覆資材自体に軟らかさが要求される点で共通し、殊に低温下で使用する場合などに剛性が高くなると種々の問題が生じる。殊に、農業用被覆資材としての用途にあっては、展張作業や巻上げ・巻下げ作業時に不快な騒音が発生したり、資材に折れ皺が発生し、作業性を著しく悪化させる他、被覆資材同志の擦れや巻上げ・巻下げに用いるベルト等との摩擦による傷が発生するといった問題点を有している。又、梱包作業にあっては、柔軟性が不十分である為に、被梱包物の破損防止に過度な配慮が必要とされ、梱包・輸送コストの増大といった問題点を有している。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みて成されたものであって、用途に応じた光透過性や強度、寸法安定性、ヒ−トシ−ル性、防水性、耐候性などを満足した上で、更に十分な軟らかさを兼ね備えた被覆資材の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく成された本発明による被覆資材は、所定密度の高密度ポリエチレンへ、所定密度のエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を配合した主成分より成る芯材の両面に、該芯材の主成分より低い融点を持つ低密度ポリエチレン系樹脂組成物より成る外層を被着してなる複層ヤ−ンを、縦横の少なくとも一方に配し且つ前記複層ヤーンの交差部を融着した基布に、低密度ポリエチレン系樹脂組成物より成る表層膜を、該基布の少なくとも片面に形成したことを特徴とする。
【0006】
芯材に用いる樹脂としては、高密度ポリエチレンの他にポリプロピレン系樹脂、ナイロン、ポリエステル等を選択することも可能であるが、加工性とコストおよび強度の面で高密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂が望ましい。殊に、高密度ポリエチレンは、低温下の使用における柔軟性の点でポリプロピレン系樹脂よりも勝っている。
【0007】
前記高密度ポリエチレンとしては、密度(JIS K7112、以下省略):約0.940〜0.960g/立方センチメートル、融点(DSC法による融解終了温度、以下省略):約130〜140℃、メルトフロ−レ−ト(JIS K7210、以下省略):0.3〜2.0g/10分間の条件を満たすものを選択し、ポリプロピレンとしては、密度:約0.890〜0.908g/立方センチメートル、融点:約155〜170℃、メルトフロ−レ−ト:0.3〜10g/10分間の条件を満たすものを選択する。
【0008】
本発明に使用するエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂は、エチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィンとを共重合してなり、柔軟性、光透過性の観点より密度が0.880〜0.928g/立方センチメートル程度、好ましくは0.925以下、メルトフロ−レ−トが0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分、GPC(ゲルパ−ミェ−ションクロマトグラフィ−)法で測定された数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比(以下、Mw/Mnと記す)が5以下を示すものであれば良いが、光透過性や強度の面で3未満のものが望ましい。
【0009】
共重合体のメルトフロ−レ−トが上記範囲未満では、押出加工性が悪くなり、上記範囲を越えると、複層フラットヤ−ンの強度が不足する。また、示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解ピ−クが1山を示すものが、フラットヤ−ンの強度保持、光透過性の観点で複数個の融解ピークを示すものより好ましい。
【0010】
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を、前記熱可塑性合成樹脂に7〜60重量%配合してなる樹脂を、複層フラットヤ−ンの芯材に用いられる主成分とする。光透過性、柔軟性、強度のバランスを重視する場合は、50重量%以内に定める必要があり、10重量%以上配合すれば常温下と低温下との剛軟性の格差を小さくすることができる。配合割合が7重量%未満では、複層フラットヤ−ンの剛性が高く、目的とする柔軟性の確保は困難となり、60重量%を越えると、複層フラットヤ−ンの強度が低下し、被覆資材としての耐久性確保が困難となる。
【0011】
外層の素材としては、加工性や芯材との接着性等の面で、芯材に主成分として用いる樹脂より融点が低い樹脂、例えば分岐状低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレンとエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂との混合物を選択することにより寸法安定性や平滑性に優れた被覆資材を提供できることとなる。なかでも複層フラットヤ−ンの光透過性、柔軟性、強度保持等の観点において比較的密度の低い低密度ポリエチレンとエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の混合物の採用が望ましい。
【0012】
上記の如く、芯材は、複層フラットヤ−ンの強度の確保、即ち被覆資材の耐久性を確保する役割を担うものであり、複層フラットヤ−ンの外層は、被覆資材の基布を呈して縦横に走る複層フラットヤ−ン相互の交差部を融着固定し、且つ表層膜との接着力を確保するシ−ラント材としての役割を担うものである。上記事項は、それぞれの役割に適した条件の一部を示したものであり、必要とされる物性を損なわない程度で記述した素材やこれ以外の熱可塑性樹脂を混合しても差支えない。又、外層に用いる樹脂としては、シ−ラント材としての機能を有し且つ被覆資材の柔軟性を確保し得るものであれば、表裏ともに同じ特性を有する材料を採用しなくてもよく、例えば、密度、メルトフロ−レ−ト、後述する添加助剤の種類や配合量などが、目的に応じ異なっていてもよい。
【0013】
上記芯材と外層は、従来からの製造工程を経て複層フラットヤ−ンとして形成される。被覆資材に適したフラットヤーンは、一般的に50〜2000デニ−ル、糸幅:0.3〜8mm、肉厚:10〜100μm、肉厚構成比:外層:芯材:外層=5:90:5〜25:50:25の範囲内とされているが、断面が円形或いは楕円形を呈する前記組成の芯材に、前記組成の外層を被着した複層ヤ−ンを用いても良い。又、外層の厚みは、芯材である延伸テ−プの表裏で異なっていても良く、時には芯材や外層を各々複層構造としても良い。更に、本発明のシ−トの柔軟性や光透過性を微妙に制御する目的で、複層フラットヤ−ンの引取り方向に筋状等の微細な凹凸やスプリット加工を施したものや淡い色に着色したものでも良い。
【0014】
本発明による被覆資材の基布は、前記複層フラットヤ−ンを、縦横約4〜60本/インチ幅で打ち込み、平織や綾織等が施された織布として形成されるのが一般的である。縦糸と横糸は、相互に直交しているのが望ましく、それによって各糸の配向方向に対し直角方向への被覆資材の収束性が高まる。そして、それに加えてフラットヤーン自体の柔軟性も付加されている為に、縦糸及び横糸各々の配向方向への柔軟性も高まることとなる。また、縦又は横の一方向への収束性や柔軟性或いは強度を制御すべく、縦又は横のフラットヤ−ンのデニ−ルや肉厚、打込み本数を意図的に異ならせたり、縦横少なくとも一方向に単層フラットヤ−ンや、記述のものと素材が異なるフラットヤ−ンを、縦糸と横糸の交差部の熱融着性や、基布と表層膜との接着性を損ねない範囲で打込む場合もある。その他、本発明による被覆資材の基布として、例えば、これら複層ヤ−ンを縦横や縦・横・斜めに引き揃えて積層してなる不織布や、スプリット加工を施した幅広のウェブを拡幅し積層してなる割繊維不織布を用いることも可能である。
【0015】
表層膜の主成分としては、複層フラットヤ−ンを用いた基布との接着性や柔軟性が良好な点や、光透過性を比較的容易に得ることができる点で、分岐状低密度ポリエチレンに密度0.920未満、Mw/Mnが5未満のエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を5〜50重量%程度配合してなる組成物が好ましい。この場合、分岐状低密度ポリエチレンとしては、密度:0.910〜0.930g/立方センチメートル、メルトフロ−レ−ト:3〜20g/10分間、Mw/Mn:5〜20の範囲のもので有れば良い。
【0016】
エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂としては、エチレンと炭素数が3〜12のα−オレフィンとを共重合してなり、密度:0.885〜0.915g/立方センチメートル、メルトフロ−レ−ト:0.1〜40g/10分、Mw/Mnが5以下を示すものであれば良い。
【0017】
共重合体の密度が0.885g/立方センチメートル未満では、表層膜の表面がベたつきやすく、ブロッキングを起こしやすくなる。また、密度が上記範囲を越えると、被覆資材の柔軟性を確保できなくなる。また、メルトフロ−レ−トが0.1g/10分未満では、押出ラミネ−ト加工性が悪くなり、メルトフロ−レ−トが40g/10分を越えると、押出ラミネ−ト加工時のネックインが大きくなり、生産性が悪化することとなる。光透過性や複層フラットヤ−ンの基布との接着力を高めるという観点では、Mw/Mnが3未満であるものや、示差走査熱量測定法(DSC)で得られる融解ピ−クが1山を示すものが好ましい。
【0018】
このようなエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を、前記分岐状低密度ポリエチレンに5〜50重量%程度配合してなる樹脂が表層膜として用いられる。
配合割合が5重量%未満では、柔軟性の高い被覆資材を得ることはできず、また、配合割合が50重量%を越えても、価格の高い樹脂を多量に用いることで経済的に不利となるにもかかわらず、柔軟性の顕著な向上は望めない。
【0019】
表層膜は、光透過性を高め、相交差して基布を構成する複層フラットヤ−ン相互の接着を高め、被覆資材の耐久性や耐水性等を保持する役割を果たす。本発明による被覆資材の光透過性をより高めるためには、表裏両面に表層膜を被着することが望ましく、該光透過性を制御する為に、青、紫、銀色、黒色等の淡い色に表層膜を着色する場合もあるが、光透過性が要求されない用途に用いる場合には、基布の片面にのみ表層膜を被着しても良い。表層膜の実用的な厚みは、前記表層膜の役割を十分果たし且つ柔軟性を失うことのない15〜60μmが適当であるが、必ずしも単層である必要はなく、複層構造の表層膜を被着しても良い。例えば、表層膜表面の耐摩耗性を高め傷の発生を抑制する為に、表層膜の表面へ更に、該表層膜に用いた主成分の密度より高い密度の熱可塑性樹脂層を、被覆資材の柔軟性等を大きく損なわない範囲で(例えば、1〜20μm程度の厚みになるように)積層する場合もある。又、表裏に同じ特性の材料を用いる必要もなく、例えば、密度、メルトフロ−レ−ト、後述する添加助剤の種類や配合量などが、目的に応じ異なっていてもよい。
【0020】
尚、前記芯材、外層、表層膜の素材には、必要に応じ付加的成分を本発明の効果を著しく損なわない範囲で配合することができることは言うまでもない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による被覆資材の実施の形態を説明する。
図1乃至図16及び表1乃至表10は、本発明による被覆資材の一例とその剛軟性の傾向を示すものである。
【0022】
図及び表に示された各サンプルは、ヒンダ−ドアミン系光安定剤を適量配合した前記芯材1の素材と共に、密度:0.924g/立方センチメートル、メルトフロ−レ−ト:4.0、Mw/Mn:5.6三菱化学株式会社製の分岐状低密度ポリエチレンと、密度:0.895g/立方センチメートル、メルトフロ−レ−ト:2.1、Mw/Mn:2.1エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂、及びアンチブロッキング剤としてタルク、滑剤としてオレイン酸アミド、耐候剤としてヒンダ−ドアミン系光安定剤を適量配合した外層2の素材を、約230℃に加熱し、三層丸型ダイを用いて行った押出工程と、オ−ブン延伸法により約100℃下で引取方向へ7倍に延伸する工程と、弛緩率5%での弛緩熱処理を経て、繊度:350デニ−ル、肉厚:23μm、糸幅:1.8mm、肉厚構成比が外層2:芯材1:外層2=15:70:15と成った複層フラットヤ−ンを原糸とするものである。
【0023】
該三層フラットヤ−ンを、縦糸:8本/インチ幅、横糸:8本/インチ幅の平織した後、縦糸と横糸の交差部4の接着強度がほぼ最大となる温度(サンプルにより80〜140℃の範囲で変更した)に加熱された熱ロ−ルに接触せしめ、縦横に配したフラットヤ−ンの交差部4を熱融着することによって基布5が形成され、次いで、前記基布5の両面に押出ラミネ−ト法により三菱化学株式会社製の分岐状低密度ポリエチレン(密度:0.924立方センチメートル、メルトフロ−レ−ト:10、Mw/Mn:8.0)にエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を配合し、320℃下で押出し、表裏の厚みが各々25μmとなるように表層膜6を被着することによって、目的とする構造の被覆資材となる。
【0024】
芯材1、外層2及び表層膜6について異なる素材を用いて得たサンプルの特性(主に剛軟性)を表に示した。表1乃至表7は、芯材1に配合したエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の密度をパラメータとしたものであり、エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の配合重量%:1,3,5,10,20,40,60について採取したものである。表8は、表層膜6の素材に配合したエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の密度をパラメータとしたものであり、表9は、表層膜6の素材に配合したエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の配合重量%をパラメータとしたものである。又、表10乃至表11は、参考データとして、芯材1の素材にエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を配合しなかったサンプルと、芯材1として高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとを配合した素材を用いたサンプルで取得したデータを示したものである。
【0025】
尚、剛軟性、光透過性、強度の測定方法は、次の通りである。
柔軟性:JIS L1096に準じ、45°カンチレバ−法にて20℃、0℃、−20℃環境下で測定を行った。尚、表示された数値が大きいほど被覆資材の剛性が高く柔軟性が低いこととなる。
光透過性:JIS L1055 A法に準じ測定し、試験片を装着したときの照度を、試験片を装着しないときの照度で徐した値を%で表した。
強度:JIS L1096に準じ、測定を行った。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】
【表9】
【0035】
【表10】
【0036】
【表11】
【0037】
図2乃至図8は、それぞれ表1乃至表7に示された剛軟性に関する測定結果をグラフ化したものである。芯材1へのα−オレフィンの含有量が1%と3%の場合では剛軟性に顕著な変化は観られず、5%を越えると、α−オレフィンの密度が0.924g/立方センチメートルを越えた領域で剛軟性を示す数値の顕著な増加が観られる。その他、目を引く傾向としては、α−オレフィンの含有量が5%を越えると、α−オレフィンの密度が0.924g/立方センチメートル以下の領域において、剛軟性を示す数値の温度差による格差が少なく成り始め、10%と20%では最高で20程度、40%と60%では最高で15程度の格差に減縮する。即ち、この温度差による剛軟性の格差が小さい程、本発明の目的に合致することとなる。
【0038】
図9乃至図14は、フラットヤーンの芯材1に含まれるα−オレフィンの密度をそれぞれ0.875g/立方センチメートル,0.895g/立方センチメートル,0.910g/立方センチメートル,0.924g/立方センチメートル,0.932g/立方センチメートル,0.936g/立方センチメートル,一定として、該α−オレフィンの含有量に対する剛軟性の測定結果をグラフ化したものである。
【0039】
上記図のうち、α−オレフィンの密度が0.924g/立方センチメートル以下のものにおいては、α−オレフィンの含有量が10%より少なく成ったあたりから剛軟性を示す数値の顕著な増加が観られる。温度差による剛軟性の格差は、α−オレフィンの密度が増加するほど大きくなる傾向にあり、仮に、上記構成の被覆資材について、剛軟性の実用領域の上限として67前後を目安とすれば、密度が0.932g/立方センチメートル以上のα−オレフィンを含有する芯材を具備するサンプルの平均25程度に上る剛軟性の温度格差では、20℃〜−20℃と温度変化が大きい環境下での実用性に劣ると観ることができる。
【0040】
尚、これらのサンプルの芯材1に用いられた高密度ポリエチレンの密度は0.952g/立方センチメートルと製造上の上限である0.960g/立方センチメートルに程近い値であり、特性的にも大差はない。
【0041】
図15より表層膜6の組成の点から考察すると、α−オレフィンを表層膜6の材料に配合したサンプルの特性が剛軟性についてより優れていることが見て取れるが、特性的にはリニアに近いカーブとなっておりα−オレフィンの含有率に対する剛軟性の変化率に顕著な差異が生じる部分は見受けられない。表層膜6の材料に配合するα−オレフィンの密度にとしては、図16より表層膜6の主成分たる低密度ポリエチレンの密度を境に、それより低いものを選択することが望ましい。
【0042】
剛軟性の実用範囲の具体的数値は、用途に応じた被覆資材の厚みによって制限されるので、いちがいには定めにくく、該実用範囲の具体的数値に基づいて本発明による被覆資材の構成を定めることは、強度を大きく左右する芯材1の主成分の適性な組成条件に重点をおいたとしても極めて困難ではあるが、剛軟性に顕著な増減が生じるα−オレフィンの密度及びその配合割合、並びに剛軟性の温度格差の大小から総合的に判断すれば、前記請求項記載の構成を柔軟な被覆資材を得るに効を奏する構成の目安として採用し実用効果を上げることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の如く本発明による被覆資材は、用途に応じた光透過性や強度、寸法安定性、ヒ−トシ−ル性、防水性、耐候性などを満足した上で、更に十分な軟らかさを兼ね備え得るものであるから、例えば、農業用被覆資材としての用途にあっては、被覆資材同志の擦れや巻上げ・巻下げに用いるベルト等との摩擦による傷を防止すべく表層膜に適当な摩擦強度を付与した上で、芯材の柔軟性を確保することができるので、展張作業や巻上げ・巻下げ作業時に不快な騒音が発生したり、資材に折れ皺が発生し、作業性を著しく悪化させることはない。又、例えば、梱包作業にあっては、柔軟性が十分となる為に、被梱包物の破損防止への配慮が不要となり、梱包・輸送コストの削減にも寄与する。
【0044】
この様に、展張・運搬・収納に当たって被覆資材自体に軟らかさが要求される点は、特殊な分野を除き、どの様な用途に用いる被覆資材であっても共通する部分があるので、当該効果は、極めて有用性の高いものであると言える。
【0045】
又、一般的に、被覆資材は、低温下で使用において剛性が高くなり、その結果種々の問題が生じるが、本発明による被覆資材は、主に芯材の組成条件を定めることによって剛軟性の温度格差が小さくなるようにされているので、特に冬場や寒冷地等で広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)(ロ)
本発明による被覆資材の一例を示す断面図である。
【図2】芯材の主成分にα−オレフィンを1%配合した場合における、当該α−オレフィンの密度に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図3】芯材の主成分にα−オレフィンを3%配合した場合における、当該α−オレフィンの密度に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図4】芯材の主成分にα−オレフィンを5%配合した場合における、当該α−オレフィンの密度に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図5】芯材の主成分にα−オレフィンを10%配合した場合における、当該α−オレフィンの密度に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図6】芯材の主成分にα−オレフィンを20%配合した場合における、当該α−オレフィンの密度に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図7】芯材の主成分にα−オレフィンを40%配合した場合における、当該α−オレフィンの密度に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図8】芯材の主成分にα−オレフィンを60%配合した場合における、当該α−オレフィンの密度に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図9】芯材の主成分に密度:0.875g/立方センチメートルのα−オレフィンを配合した場合における、当該α−オレフィンの含有量に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図10】芯材の主成分に密度:0.895g/立方センチメートルのα−オレフィンを配合した場合における、当該α−オレフィンの含有量に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図11】芯材の主成分に密度:0.910g/立方センチメートルのα−オレフィンを配合した場合における、当該α−オレフィンの含有量に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図12】芯材の主成分に密度:0.924g/立方センチメートルのα−オレフィンを配合した場合における、当該α−オレフィンの含有量に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図13】芯材の主成分に密度:0.932g/立方センチメートルのα−オレフィンを配合した場合における、当該α−オレフィンの含有量に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図14】芯材の主成分に密度:0.936g/立方センチメートルのα−オレフィンを配合した場合における、当該α−オレフィンの含有量に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図15】表層膜の主成分に密度:0.895g/立方センチメートルのα−オレフィンを配合した場合における、当該α−オレフィンの含有量に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【図16】表層膜の主成分にα−オレフィンを20%配合した場合における、当該α−オレフィンの密度に対する被覆資材の剛軟性の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 芯材
2 外層
3 複層ヤーン
4 交差部
5 基布
6 表層膜
Claims (1)
- 密度:0.940〜0.960g/立方センチメートル程度の高密度ポリエチレンへ、密度:0.880〜0.928g/立方センチメートル程度のエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を7〜60重量%配合した主成分より成る芯材(1)の両面に、該芯材の主成分より低い融点を持つ低密度ポリエチレン系樹脂組成物より成る外層(2)を被着してなる複層ヤ−ン(3)を、縦横の少なくとも一方に配し且つ前記複層ヤーン(3)の交差部(4)を融着した基布(5)に、低密度ポリエチレン系樹脂組成物より成る表層膜(6)を、該基布(5)の少なくとも片面に形成した被覆資材。
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1997
- 1997-09-26 JP JP26202897A patent/JP3833359B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH1199599A (ja) | 1999-04-13 |
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