JP3833317B2 - 内燃機関の2次空気量制御装置 - Google Patents

内燃機関の2次空気量制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内燃機関の吸気系の2次空気量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の吸気系に設けられたスロットル弁をバイパスする2次空気通路(補助空気通路)を設け、そこを開閉する制御弁の開度を操作量として内燃機関がアイドル状態にあるとき、機関回転数が目標回転数となるようにフィードバック制御し、アイドル状態にないときはオープンループ制御する技術は、例えば特公平5−15909号から知られている。
【0003】
更に、特公平2−43019号公報記載の技術において、機関回転数が目標回転数に向かって低下しつつある減速時に、制御弁開度を機関回転数の変化量に応じて制御して2次空気量を増量(いわゆるショットエア補正)し、よって機関回転数の急落時に機関ストールを防止することが提案されている。
【0004】
その特公平2−43019号公報記載の技術において、より具体的には、機関回転数がアイドル判別回転数(「NA」という)を下回り、更にそれより低回転側のしきい値(「NSA」という)を下回ったとき、機関回転数の1サイクル間の変動量に応じて2次空気量を所定時間にわたって供給している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術(特公平2−43019号)においては、機関回転数がしきい値(NSA)を切ってから2次空気量を供給するため、車両が機関負荷となる運転状態、例えば走行レンジが選択(インギヤ)されて停車時(あるいは極低車速時)にブレーキが操作されるときに、アクセルペダルが一度踏まれて急閉される、いわゆるスナップ操作が行われると、2次空気量の供給が間に合わず、機関回転数が急落し、場合によっては機関がストールする恐れがあった。
【0006】
従って、この発明の目的は上記した従来技術の欠点を解消し、車両が機関負荷となる運転状態に予め2次空気量を供給し、アクセルペダルが一度踏まれて急閉される、いわゆるスナップ操作が行われても、機関回転数が急落することなく、よって機関がストールすることがないようにした内燃機関の2次空気量制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は請求項1項にあっては、内燃機関の吸気系に設けられたスロットル弁をバイパスする2次空気通路に配設された制御弁を有し、前記制御弁開度を操作量として前記内燃機関に供給する2次空気量を制御する内燃機関の2次空気量制御装置において、前記内燃機関が搭載された車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の走行を制動するブレーキの作動を検出するブレーキ作動検出手段、前記スロットル弁の開度を検出するスロットル開度検出手段、前記検出された車速が所定以下のとき、前記ブレーキの作動が検出された場合、前記検出されたスロットル開度に応じて前記制御弁開度の制御値を決定する制御値決定手段、少なくとも前記決定された制御値に基づいて前記制御弁開度の指令値を算出する指令値算出手段、および前記指令値算出手段の出力に基づいて前記制御弁を駆動する制御弁駆動手段とを備えると共に、前記内燃機関の機関回転数を検出する機関回転数検出手段、および前記検出された機関回転数に応じて前記制御値のリミット値を決定するリミット値決定手段とを備え、前記制御値決定手段は、前記決定されたリミット値以下となるように前記制御値を決定する如く構成した。
【0009】
請求項項にあっては、前記制御値決定手段は、前記制御値を所定時間にわたって決定する如く構成した。
【0010】
【作用】
請求項1項に係る装置にあっては、検出された車速が所定以下のとき、ブレーキの作動が検出された場合、検出されたスロットル開度に応じて制御弁開度の制御値(操作量)を決定するように構成したので、車両が機関負荷となる運転状態に予め2次空気量を増量することいよって、アクセルペダルが一度踏まれて急閉される、いわゆるスナップ操作が行われても、機関回転数が急落することなく、よって機関がストールすることがない。
【0011】
また、検出された機関回転数に応じて前記制御値のリミット値を決定し、リミット値以下となるように前記制御値を決定する如く構成したので、制御値を必要最小限度に止めることができる。
【0012】
請求項項にあっては、制御値を所定時間にわたって決定する如く構成したので、2次空気量の供給を円滑に行うことができ、機関回転数が急変することがない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1はこの発明に係る内燃機関の2次空気量制御装置を全体的に示す概略図であり、符10は例えば4気筒の内燃機関を示す。内燃機関10には吸気管12が接続され、吸気管12の途中にはスロットルボディ14が設けられ、内部にスロットル弁16が配置される。スロットル弁16にはスロットル開度センサ18(図で「θTH」と示す)が接続され、スロットル開度を電気信号に変換し、電子制御ユニット(以下「ECU」という)20に送出する。
【0015】
スロットルボディ14の下流で各気筒燃焼室(図示せず)の吸気弁(図示せず)の少し上流には燃料噴射弁24が設けられる。燃料噴射弁24は図示しない燃料ポンプに接続されると共に、ECU20に電気的に接続され、ECU20からの信号によって開弁時間が制御され、それに対応する燃料量を気筒に供給する。
【0016】
吸気管12において、前記燃料噴射弁24およびスロットルボディ14の間には、吸気管12内と大気とを連通する2次空気通路26が接続される。2次空気通路26の大気開口端にはエアクリーナ28が取り付けられると共に、2次空気通路26の途中には2次空気量を制御する制御弁(EACV)30が配置される。
【0017】
制御弁30は常閉型であり、2次空気通路26の開度(開口面積)を連続的に変化する弁体30aと、その弁体30aを閉塞方向に付勢するスプリング30bと、通電時に弁体30aをスプリング30bの付勢力に抗して開放方向に移動させる電磁ソレノイド30cからなる。
【0018】
前記スロットルボディ14のスロットル弁16の下流には分岐管32を介して絶対圧センサ34(図で「PBA」と示す)が設けられ、吸気管圧力を絶対圧で検出する。また内燃機関10の冷却水通路(図示せず)付近には機関冷却水温センサ40(図で「TW」と示す)が設けられ、機関冷却水温を検出する。
【0019】
また、機関のクランク軸(図示せず)などの回転部の付近にはクランク角センサ42(図で「NE」と示す)が設けられ、TDCに関連した所定クランク角度およびそれを細分した単位クランク角度を検出する。また、内燃機関10の付近には大気圧センサ44が設けられ、内燃機関10が位置する場所の大気圧を検出する。
【0020】
更に、内燃機関10の出力は、前進4段後進1段の変速機構を備えると共に、D,Rなどの走行レンジ、およびP,Nなどの非走行レンジを備えた自動変速機(図で「A/T」と示す)に接続されると共に、内燃機関10および自動変速機ATは一体的に車両(図示せず)に搭載される。
【0021】
車両のドライブシャフト(図示せず)の付近には車速センサ46が設けられてドライブシャフト1回転当たりの信号を出力すると共に、そのブレーキ(図示せず)の付近にはブレーキスイッチ48が設けられ、ブレーキが作動された否かを検出する。
【0022】
更に、前記自動変速機の付近にはその油圧パワーステアリング機構(図示せず)の作動を検出するパワステスイッチ50が設けられる。また、内燃機関10には吸気弁および排気弁のリフト量および開閉タイミングを機関回転数(および機関負荷)に従って2分される高低2種の特性で切り換える、可変バルブタイミング機構(図で「VT」と示す)が設けられる。可変バルブタイミング機構VTには、選択されているタイミング特性を検出するバルブタイミングセンサ52が設けられる。
【0023】
上記した絶対圧センサ34などの出力は、ECU20に送られる。ECU20は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号をデジタル信号に変換する入力回路20aおよびCPU20bを備える。
【0024】
CPU20bはクランク角センサ42の出力をカウントして機関回転数NEを算出し、車速センサ46の出力をカウントして車速Vを算出すると共に、記憶手段20cに一次格納されたその他の運転パラメータに基づき、記憶手段20cに格納されたプログラムに従って通電電流指令値(以下「ICMD」という)を決定し、出力回路20dを介して操作量として電磁ソレノイド30cに供給してその開度(開口面積)を調節し、2次空気量を制御する。
【0025】
尚、図示の装置にあっては、ICMDと、2次空気通路26を通って吸気管12に供給される2次空気量とは比例関係にあるように構成される。
【0026】
続いて、この発明に係る内燃機関の2次空気量制御装置の動作を説明する。
【0027】
図2はその動作を示すメイン・フロー・チャートである。尚、図示のプログラムは各気筒TDCなどの所定クランク角度で起動される。
【0028】
以下説明すると、先ずS10において各種負荷項ILOADを算出する。これは、図示しないACジェネレータ、エアコンディショナ、電気負荷および前記した油圧パワーステアリング機構などの負荷についての項の合算値である。但し、後述するスロットル全閉負荷項IBSTPは含まない。
【0029】
続いてS12に進み、ダッシュポット項IDPを算出する。機関減速時に空燃比がオーバリッチになるのを防止するために、スロットル弁16を一定開度開いた位置で一旦止め、続いて全閉位置まで徐々に閉じてスロットル弁の急閉を防止するダッシュポット制御が行われるが、IDPはそれに対応する項である。
【0030】
続いてS14に進み、スロットル全閉負荷項IBSTP(前記した「制御値」に相当)を算出する。
【0031】
図3はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0032】
先に述べたように、車両が機関負荷となる運転状態、例えば走行レンジが選択(インギヤ)されて停車時(あるいは極低車速時)にブレーキが操作されるときに、アクセルペダルが一度踏まれて急閉される、いわゆるスナップが行われると、2次空気量の供給が間に合わず、機関回転数が急落し、場合によっては機関がストールする恐れがある。
【0033】
従って、この項ないし制御値(操作量)を新設し、車両が機関負荷となる運転状態において、図4に示す如く、予め2次空気量を所定期間にわたって増量し、よってスロットル弁が全閉位置に戻されても機関回転数NEが目標回転数に対して急落せず、機関ストールが生じないようにした。
【0034】
以下説明すると、S100において前記スロットル開度センサ18がフェール(故障)したか否か適宜な手法で判断し、故障時はS102に進んで減算係数KBSTP(後述)の値をそのまま今回値KBSTPnにする。
【0035】
尚、この図および他の図で、量記号に付記されるnは離散系のサンプル時刻(より具体的には図2フロー・チャートの起動時刻)における現在時刻を示し、n−mはそれよりm回前の時刻を示す。従って、nが付記された場合は今回値を、n−1が付記された場合を前回値を示す。但し、現在時刻nおよび時刻が重要でない場合には、その付記を省略する。
【0036】
続いてS104に進んでスロットル全閉負荷項IBSTPの値を零とし、S106に進んでタイマ(ダウンカウンタ)にtmIBSTPをセット、即ち、時間計測を開始する。
【0037】
S100で否定されるときはS108に進み、検出された車速Vが所定車速VAIC(例えば3km/h)以下か否か判断し、否定されるときは車両の機関に働く負荷が小さいことから、項IBSTPを算出しないこととし、S102以降に進む。
【0038】
S108で肯定されるとき、例えば停車と判断されるときはS110に進み、前記したブレーキスイッチ48の出力からブレーキが作動されているか否か判断し、否定されるときはS102以降に進むと共に、肯定されるときはS112に進んで自動変速機のシフトレンジが何か判断する。そしてN,Pなどの非走行レンジにあると判断されるときは、S102以降に進む。
【0039】
S108,S110で否定、あるいはS112で非走行レンジにあるときS102に進んで項IBSTPを算出しないのは、これらの状態が内燃機関10にとって大きな負荷とならないからである。
【0040】
他方、S112で走行レンジD,Rが選択、即ち、インギヤされていると判断されるときはS114に進み、検出した機関回転数NEから予め設定してあるテーブルを検索して項IBSTPのリミット値(上限値)IBSTPLTを求める。図5はそのテーブルの特性を示す説明グラフであり、リミット値IBSTPLTは機関回転数NEが増加するにつれて増大するように設定される。これは言うまでもなく、機関回転数NEが高いほど、機関回転数の急落の度合いが大きいため、項IBSTPを増加する必要があるからである。
【0041】
続いてS116に進み、検出されたスロットル開度θTHに応じて今回項IBSTPnを算出する。より詳しくは、検出されたスロットル開度θTHから、全閉位置相当スロットル開度(θTHIDLL+DθTHBSTP)を減じた差に、係数KIBSTP(例えば50)を乗じて求める。
【0042】
全閉位置相当スロットル開度を減算するのは、スロットル弁16は機械的には全閉位置が零ではなく、この相当位置を全閉位置とみなしているからである。また、項IBSTPを基本的にスロットル開度に比例して算出するのは、スロットル開度が大きいほど負荷の急変度が大きく、従って機関回転数の急落度が大きいからである。
【0043】
続いてS118に進み、求めた項IBSTP、より詳しくは今回項IBSTPnが、検索した今回リミット値IBSTPLTnを超えるか否か判断し、肯定されるときはS120に進んでリミット値に制限すると共に、否定されるときはS122に進んで項IBSTPが、その今回値に微小値DIBSTPを加算した値以下か否か判断する。
【0044】
S122で肯定されるときはS124に進んで減算係数KBSTPを更新し、S126に進んで今回項IBSTPnに決定する。これは、2次空気量変動量が小さい、換言すればスロットル開度閉方向変動が小さいため、減少処理をパスして、制御ハンチングを防止するためである。続いてS128に進んで前記したタイマtmIBSTPをセットしてダウンカウントを開始する。
【0045】
他方、S122で否定されるときはS130に進み、タイマ値tmIBSTPが零に達したか否か、換言すれば所定時間が経過したか否か判断し、否定されるときはS132に進んで項IBSTPはそのままとし、一旦プログラムを終了する。
【0046】
次回以降のプログラムループにおいてS130で肯定されるときはS134に進み、項IBSTPに今回減算係数KBSTPn(例えば0.992)を乗じて減少補正する。即ち、図4に示す如く、所定時間経過後に増加2次空気量の減少処理を開始する。
【0047】
続いてS136に進み、前記した負荷項ILOADの中のパワステ項IPSの値が零か否か、換言すればステアリングホィール(図示せず)が転舵されてパワーステアリング機構が作動したか否か判断し、肯定されるときはS138に進み、前回減算係数KBSTPn−1から微小値DKBSTP(例えば0.047)を減じた差を今回減算係数KBSTPnとすると共に、否定されるときはS140に進み、前回減算係数KBSTPn−1から別の微小値DKBSTPPS(例えば0.035)を減じた差を今回減算係数KBSTPnとする。
【0048】
このように、転舵、即ち、パワーステアリング機構が作動するときの減算係数を、そうでない場合の減算係数より小さくするのは、パワーステアリング機構が作動するとき、油圧ポンプの負荷が増加して機関回転数低下量が増大するので、その分、増加2次空気量の減少度を小さくするためである。
【0049】
続いてS142に進み、今回減算係数KBSTPnが零未満か否か判断し、肯定されるときはS144に進んで零に置き換えると共に、否定されるときはS146に進んで項IBSTPが今回項IBSTPn未満か否か判断し、肯定されるときはS148に進んで今回項IBSTPnに決定する。これは、スロットル弁駆動が途中で止められた場合、減少処理をスロットル開度に応じた2次空気量以下にしないためである。続いてS150に進んで前記タイマtmIBSTPをセットしてダウンカウントを開始する。
【0050】
図2フロー・チャートに戻ると、続いてS16に進み、機関が始動モードにあるか否か判断する。これは、例えばイグニションスイッチがオンしたか、あるいはクランキングモータが作動しているか否かを検出することで行う。S16で肯定されるときはS18に進み、フラグF.FB(後述)のビットを零にリセットし、S20に進んで2次空気量を始動モードの式、具体的には
ICMD=(ICRST+ILOAD)×KIPA+IPA
で算出する。
【0051】
ここで、ICRST:始動モードの基本値、KIPA,IPA:乗算形式および加算形式による大気圧による充填効率を補償するための項である。続いてS22に進んで算出した指令値ICMDが0%から100%の範囲にあるようにリミットチェックを行う。
【0052】
S16で否定されるときはS24に進んでフラグF.THIDLEのビットが1か否か判断する。このフラグは検出スロットル開度が全閉相当の所定開度(例えば5度)以上にあるとき、そのビットが1にセットされる。S24で否定、即ち、検出スロットル開度が全閉相当開度にあると判断されるときはS26に進み、フラグF.NAのビットが0にリセットされているか否か判断する。
【0053】
フラグF.NAは、機関回転数NEが前記したアイドル判別回転数NA未満に下降したとき、そのビットが零にリセットされる。即ち、このフラグのビットが零であることは、機関回転数が目標回転数に向けて低下しつつあることを意味する。
【0054】
S26で肯定されるときはS28に進み、前記した今回ダッシュポット項IDPを零とし、S30に進んで今回項IBSTPnを零とし、S32に進んでアイドル回転数フィードバック制御の準備のため、ショットエア項ISAを算出する。このショットエア項は先に触れたように、機関回転数の1サイクル間(即ち、4TDC間)の変動率に応じて算出する。
【0055】
図6はショットエア項ISAの算出作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0056】
以下説明すると、S200でフラグF.ASTのビットが1にセットされているか否か、換言すれば、始動後か否か判断し、否定されるときはS202に進んでタイマtmSAのビットを零にリセットし、S204に進んでショットエア項ISAの値を零としてプログラムを終了する。
【0057】
他方、S200で肯定、即ち、始動後と判断されるときはS206に進んで検出機関冷却水温TWからテーブルを検索し、ショットエア開始回転数(前記しきい値)NSA、回転数変動量しきい値DNSA、タイマ値tmSA、および係数KISAを求める。図7ないし図9にそれらテーブルの特性を示す。
【0058】
続いてS208に進んで検出回転数NEが前記しきい値NSAより大きいか否か判断し、肯定される、即ち、機関回転数が未だしきい値上と判断されるときはS202に進むと共に、否定されるときはS210に進んで前回検出回転数NEn−1が同様に前記しきい値を超えるか否か判断し、否定されるときはS212に進んでtmSAが零に達したか否か判断する。S212で肯定されるときはS202以降に進むと共に、否定されるときはプログラムを終了する。
【0059】
他方、S210で肯定されるときはS214に進み、今回検出回転数の1サイクル前、即ち、4TDC前の検出回転数からの変動量DNECYLを求めると共に、その符、即ち、正値(回転数上昇)か、負値(回転数減少)か否か判断する。そしてS214で回転数上昇と判断されるときは回転数低下防止用のショットエア項は不要なので、S202に進む。
【0060】
また、S214で回転数が低下しつつあると判断されるときはS216に進み、回転数変動量DNECYLの絶対値が前記検索値DNSAを超えるか否か判断し、否定されるときはS202以降に進むと共に、肯定されるときはS218に進んで前記タイマ値tmSAをセットしてダウンカウントを開始する。続いてS220に進んで回転数変動量DNECYLに前記検索係数を乗じてショットエア項ISAを算出し、S222に進んでそのリミット値を決定する。
【0061】
図10はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0062】
以下説明すると、S300でシフトレンジを判断し、DレンジまたはRレンジと判断されるときはS302に進んで検出車速Vを前記所定車速VAICと比較し、比較結果に応じてS304またはS306に進む。尚、S300で走行レンジにないと判断されるときは直ちにS304に進む。
【0063】
図6フロー・チャートに戻ると、続いてS224に進み、算出したショットエア項が今決定したリミット値を超えるか否か判断し、肯定されるときはS226に進んで算出値をリミット値に制限すると共に、否定されるときはS212に進む。
【0064】
図2フロー・チャートに戻ると、続いてS34に進んでシフトレンジを判断し、走行レンジにあるときはS36に進んで前記フラグF.FBのビットを零にリセットし、S38に進んで2次空気量はオープン(制御)モードの式に基づいて以下の如く算出する。
ICMD=(ITW×IXREFM+ISA+ILOAD)×KIPA+IPA
ここで、ITW:機関冷却水温TWに基づいて決定される基本値、IXREFM:学習補正項である。
【0065】
続いてS40に進んで制御弁30などにフェールが発生したか否か判断し、肯定されるときはS42に進んで2次空気量を、前記したオープンモードの式と同様のフェールセーフモードの式に基づいて算出する。
【0066】
他方、S34で走行レンジにないと判断されるときはS44に進み、前記フラグのビットを1にセットし、S46に進んで2次空気量をフィードバック(制御)モードの式に基づいて算出する。詳しくは、
a.フラグF.FB=1のときはフィードバック制御される。
ICMD=(IFBn+ISA+ILOAD)×KIPA+IPA
ここで、IFBnは、所定の目標回転数との偏差に応じて算出されるフィードバック補正項である。
b.フラグF.FB=0のときはオープンループ制御される。
V>VAICの場合
ICMD=(IDP+ILOAD)×KIPA+IPA
V≦VAICの場合
ICMD=(IBSTP+ILOAD)×KIPA+IPA
【0067】
このように、ショットエア項ISAと、スロットル全閉負荷項IBSTPあるいはダッシュポット項IDPは択一的に使用されると共に、車速に応じてスロットル全閉負荷項IBSTPとダッシュポット項IDPもまた択一的に使用される。
【0068】
他方、S24で肯定、即ち、検出スロットル開度が比較的高開度にあると判断されるときはS48に進んでフラグF.FBのビットを零にリセットし、S50に進んで検出機関回転数NEが所定回転数NG(例えば6000rpm)を超えているか否か判断し、肯定、即ち、高回転と判断されるときはS52に進んで休止モードの式(説明省略)に従って2次空気量を算出し、S22に進むと共に、否定されるときはS46に進んでフィードバック(制御)モードの式に従って2次空気量を算出する。
【0069】
また、S26で否定されるときはS54に進んで前記フラグのビットを零にリセットし、S56に進んで減速2次空気量項IDECを算出する。これは、スロットル全閉減速時に吸気負圧が大きい(即ち、絶対圧が小さい)と油圧消費が増加するため、その防止策として設定される項である。
【0070】
図11はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0071】
以下説明すると、S400において検出機関回転数NEがNIDEC(例えば1000rpm)を超えるか否か判断し、否定されるとき、即ち、比較的低回転にあるときはS402に進んで減速2次空気量項IDECの値を零とすると共に、肯定、即ち、比較的高回転にあると判断されるときはS404に進んでフューエルカットか否か判断する。
【0072】
そして、S404で否定されるときはS402に進むと共に、肯定されるときはS406に進んで機関冷却水温TWが所定水温TWIDECを超えるか否か判断し、否定されるときはS402に進むと共に、肯定されるときはS408に進んで検出車速Vが所定車速VIDEC(例えば5km/h)を超えるか否か判断する。そして否定されるときはS402に進む。
【0073】
他方、肯定されるときはS410に進んでダッシュポット項IDPの値が零か否か判断し、否定されるときはS402に進むと共に、肯定されるときはS412に進んでスロットル全閉負荷項IBSTPの値が零か否か判断し、否定されるときはS402に進むと共に、肯定されるときはS414に進む。即ち、減速2次空気量項IDECは、ダッシュポット項IDPとスロットル全閉負荷項IBSTPとは重複しないように設定する。
【0074】
続いてS414に進んでF.VTECから可変バルブタイミング機構VTで高側の特性(HiV/T)と低側の特性(LoV/T)のいずれが選択されているか判断し、判断結果に応じてS416あるいはS418に進み、対応するテーブルを検出機関回転数NEで検索し、減速2次空気量項IDECを算出する。図12にそのテーブルの特性を示す。ここで、減速2次空気量項IDECは、機関回転数が高いほど減速度が大きいことから、機関回転数に比例して増加する。
【0075】
図2フロー・チャートに戻ると、続いてS58に進んで項IDECの値が零か否か判断し、肯定されるときはS46に進むと共に、否定されるときはS60に進んでDECオープンループ(制御)の式に従って2次空気量を
ICMD=(IDEC+IXREF)×KIPA+IPA
と算出する。ここでIXREF:学習補正項である。
【0076】
上記の如く構成したので、車両が機関負荷となる運転状態に予め2次空気量を供給し、アクセルペダルが一度踏まれて急閉される、いわゆるスナップ操作が行われても、機関回転数が急落することなく、よって機関がストールすることがない。
【0077】
図13タイミング・チャートはこの実施の形態に係る制御を従来技術と比較して示すタイミング・チャートであるが、項IBSTP(制御値(操作量))を予め設けることから、2次空気量の供給遅れが生じることがない。
【0078】
更に、検出された機関回転数に応じて前記制御値のリミット値を決定し、決定されたリミット値以下となるように前記制御値を決定する如く構成したので、制御値を必要最小限度に止めることができると共に、制御値を所定時間にわたって決定する如く構成したので、2次空気量を円滑に供給できて機関回転数が急変することがない。
【0079】
上記の如く、この実施の形態にあっては、内燃機関10の吸気系12に設けられたスロットル弁16をバイパスする2次空気通路26に配設された制御弁30を有し、前記制御弁開度を操作量として前記内燃機関に供給する2次空気量を制御する内燃機関の2次空気量制御装置において、前記内燃機関が搭載された車両の車速Vを検出する車速検出手段(車速センサ46)、前記車両の走行を制動するブレーキの作動を検出するブレーキ作動検出手段(ブレーキスイッチ48)、前記スロットル弁の開度θTHを検出するスロットル開度検出手段(スロットル開度センサ18)、前記検出された車速Vが所定VAIC以下のとき、前記ブレーキの作動が検出された場合、前記検出されたスロットル開度θTHに応じて前記制御弁開度の制御値IBSTPを決定する制御値決定手段(図2フロー・チャートのS14および図3フロー・チャートのS108,S110,S112,S116)、少なくとも前記決定された制御値に基づいて前記制御弁開度の指令値ICMDを算出する指令値算出手段、および前記指令値算出手段の出力に基づいて前記制御弁30を駆動する制御弁駆動手段(電磁ソレノイド30c)とを備えると共に、前記内燃機関の機関回転数NEを検出する機関回転数検出手段、および前記検出された機関回転数NEに応じて前記制御値IBSTPのリミット値IBSTPLTを決定するリミット値決定手段(図3フロー・チャートのS114)を備え、前記制御値決定手段は、前記決定されたリミット値以下となるように前記制御値を決定(図3フロー・チャートのS118,S120)する如く構成した。
【0081】
また、前記制御値決定手段は、前記制御値IBSTPを所定時間tmIBSTPにわたって決定する如く構成した。
【0082】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、車両が機関負荷となる運転状態に予め2次空気量を増量することいよって、アクセルペダルが一度踏まれて急閉される、いわゆるスナップ操作が行われても、機関回転数が急落することなく、よって機関がストールすることがない。
【0083】
また、制御値を必要最小限度に止めることができる。
【0084】
請求項項にあっては、2次空気量の供給を円滑に行うことができ、機関回転数が急変することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る内燃機関の2次空気量制御装置を全体的に示す概略図である。
【図2】図1に示す装置の動作を示すメインフロー・チャートである。
【図3】図3フロー・チャートのスロットル全閉負荷項の算出作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図4】図3で算出されるスロットル全閉負荷項を示す説明グラフである。
【図5】図3で算出されるスロットル全閉負荷項のリミット値の特性を示す説明グラフである。
【図6】図2フロー・チャートのショットエア項の算出作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図7】図6フロー・チャートの演算で使用するショットエア開始回転数NSAおよび回転数変動量しきい値DNSAの特性を示す説明グラフである。
【図8】図6フロー・チャートの演算で使用するタイマ値tmSAの特性を示す説明グラフである。
【図9】図6フロー・チャートの演算で使用する係数KISAの特性を示す説明グラフである。
【図10】図6フロー・チャートの演算で使用するショットエア項のリミット値の算出作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図11】図3フロー・チャートの減速2次空気量項の算出作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図12】図11フロー・チャートの減速2次空気量項のバルブタイミングごとの特性を示す説明グラフである。
【図13】この発明に係る2次空気量制御を従来技術と比較して示すタイミング・チャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
12 吸気管
16 スロットル弁
18 スロットル開度センサ
20 ECU
26 2次空気通路
30 制御弁
46 車速センサ
48 ブレーキスイッチ

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸気系に設けられたスロットル弁をバイパスする2次空気通路に配設された制御弁を有し、前記制御弁開度を操作量として前記内燃機関に供給する2次空気量を制御する内燃機関の2次空気量制御装置において、
    a.前記内燃機関が搭載された車両の車速を検出する車速検出手段、
    b.前記車両の走行を制動するブレーキの作動を検出するブレーキ作動検出手段、
    c.前記スロットル弁の開度を検出するスロットル開度検出手段、
    d.前記検出された車速が所定以下のとき、前記ブレーキの作動が検出された場合、前記検出されたスロットル開度に応じて前記制御弁開度の制御値を決定する制御値決定手段、
    e.少なくとも前記決定された制御値に基づいて前記制御弁開度の指令値を算出する指令値算出手段
    および
    f.前記指令値算出手段の出力に基づいて前記制御弁を駆動する制御弁駆動手段、
    とを備えると共に、
    前記内燃機関の機関回転数を検出する機関回転数検出手段、
    および
    前記検出された機関回転数に応じて前記制御値のリミット値を決定するリミット値決定手段、
    とを備え、前記制御値決定手段は、前記決定されたリミット値以下となるように前記制御値を決定することを特徴とする内燃機関の2次空気量制御装置。
  2. 前記制御値決定手段は、前記制御値を所定時間にわたって決定することを特徴とする請求項1項記載の内燃機関の2次空気量制御装置。
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