JP3833220B2 - 直交流型の全熱交換器用素子 - Google Patents
直交流型の全熱交換器用素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3833220B2 JP3833220B2 JP2004058540A JP2004058540A JP3833220B2 JP 3833220 B2 JP3833220 B2 JP 3833220B2 JP 2004058540 A JP2004058540 A JP 2004058540A JP 2004058540 A JP2004058540 A JP 2004058540A JP 3833220 B2 JP3833220 B2 JP 3833220B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- activated carbon
- spacing plate
- heat exchanger
- total heat
- adsorbing member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
Description
この要求に対応した従来技術として、ケミカルフィルタによる浄化(外気処理)は、クリーンルームの外気処理空調機などに広く用いられている。
室内空気と外気との空気の交換(換気)を行うことは、室内の温度調節のため空調しているときにはその熱損失となり、余分に空調のエネルギーを消費する。
直交流型の全熱交換器の熱交換素子は、一般には設置後、交換は行わず長期間用いられる。
次に、ケミカルフィルタと直交流型の全熱交換素子とを一体化することについて述べる。これらの一体化により、建物の新築時には省スペースとなり、改修時においては直交流型の全熱交換器が既に在り外気処理の機能を後から追加したい場合に、直交流型の全熱交換器の素子部分のみの交換で済めば容易となる利点がある。
その理由は、ケミカルフィルタの寿命の問題、すなわちケミカルフィルタは使用していくと、その浄化性能が徐々に低下していくため、所要の浄化性能が保持できなくなった時点で交換する必要があることに関係があると考えられる。
なお、特許文献1には、製紙用繊維、ミクロフィブリル化セルロース、吸放湿性粉体で構成した直交流型の全熱交換器用紙において、直交流型の全熱交換器用素子の仕切板に要求される性能を備えた用紙が開示されている。
本発明は、ケミカルフィルタとしての性能を長期間保持させるすなわち長寿命化させることを可能としたガス浄化機能を有する直交流型の全熱交換器用素子を提供することにある。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記排気側の間隔板と前記給気側の間隔板とが異種の前記ガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板が前記酸性ガス吸着部材もしくは前記アルカリガス吸着部材で構成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項3の何れか記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記給気側の間隔板は、活性炭50〜75%、製紙用繊維50〜25%を主成分とする用紙に酸性化合物を添着し、活性炭に担持させてなるアルカリガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板は、活性炭25〜75%、製紙用繊維75〜25%を主成分とする用紙にアルカリ化合物を添着し、活性炭に担持させてなる酸性ガス吸着部材で構成されていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし請求項3の何れか記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記給気側の間隔板は、活性炭50〜75%、製紙用繊維50〜25%を主成分とする用紙からなる有機ガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板は、活性炭25〜75%、製紙用繊維75〜25%を主成分とする用紙に酸性化合物を添着し、活性炭に担持させてなるアルカリガス吸着部材で構成されていることを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし請求項3の何れか記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記給気側の間隔板は、活性炭50〜75%、製紙用繊維50〜25%を主成分とする用紙にアルカリ化合物を添着し、活性炭に担持させてなる酸性ガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板は、活性炭25〜75%、製紙用繊維75〜25%を主成分とする用紙に酸性化合物を添着し、活性炭に担持させてなるアルカリガス吸着部材で構成されていることを特徴とする。
これに対し、本発明においては、仕切板を製紙用繊維と活性炭とを抄紙した用紙で構成することによって、水分を透過し、空気を遮蔽する性能を満足させている。
図1は、本発明の一実施形態に係る直交流型の全熱交換器用素子1を示す図である。
本実施形態に係る直交流型の全熱交換器用素子1は、全熱交換能力と目的ガス(酸性ガス、アルカリガス、有機ガス)を移相させる能力とを有し、給気と排気とを隔てる仕切板2と、目的ガスに対する吸着能力を有し、仕切板2同士の間隔を保つ波形状を為す給気側の間隔板3と、目的ガスに対する脱離能力を有し、仕切板2同士の間隔を保つ波形状を為す排気側の間隔板4とを備え、給気側の間隔板3と排気側の間隔板4とを、直交して仕切板2を介して交互に積層して形成されている。
先ず、活性炭の上限値について説明する。透気度100秒を満足することができる値とし、活性炭65%であっても透気度100秒には余裕があることが下記表1に示す実験データから確認できた。その余裕分を考慮して活性炭の上限値を70%とした。
そこで、透気度100秒を確保するために、製紙用繊維に対する活性炭の配合を50%および65%として仕切板を試作した。その結果を表1に示す。ここでは、実験No.1は製紙用繊維50%と活性炭50%とを抄紙成型した用紙、実験No.2〜実験No.6は製紙用繊維35%と活性炭65%とを抄紙成型した用紙である。実験No.2〜実験No.6の用紙は、仕切板用紙製造の際に用紙にかかるローラの圧力を実験No.1の用紙よりも高くすることにより作製した。実験No.2〜実験No.6から明らかなように、活性炭の配合を65%としても、透気度100秒を確保することが確認された。これにより、目的ガスの吸着、移相性能を高めることが可能となった。
先ず、酸性ガス吸着部材は、アルカリ化合物(例えば、炭酸カリウム、炭酸ソーダ、苛性ソーダ、苛性カリウム)を坦持した活性炭と製紙用繊維を主成分とする用紙で構成されており、アルカリ化合物により酸性ガスを吸着する機能を持たせている。
アルカリ化合物を少なくすることの利点は、主に製造コストであるが、酸性ガスの吸着性能を有効に発揮させる意味で下限を定めた。
アルカリガス吸着部材の用紙における配合比は、活性炭50〜75%、製紙用繊維25〜50%(両者の合計100%)を主成分とする用紙に対し、酸性化合物を添着し、活性炭に坦持させたものである。酸性化合物の配合は、活性炭50〜75%、製紙用繊維25〜50%(両者の合計100%)に対し、代表的には、20〜24%の酸性化合物(例えば、リン酸)を添着する。
酸性化合物を少なくすることの利点は、主に製造コストであるが、アルカリガスの吸着性能を有効に発揮させる意味で下限を定めた。
なお、給気側の間隔板3および排気側の間隔板4は、気体遮蔽性の制限が無く、吸着性能に重きを置くため、仕切板とは、配合比を変えている。
(1)排気側の間隔板から目的ガスが脱離、放出
(2)排気側の間隔板でも目的ガスが保持され、素子全体の吸着容量が大きくなる
先ず、(1)排気側の間隔板から目的ガスが脱離、放出について説明する。
2)給気側の間隔板および仕切板にそれぞれ配合されている活性炭を媒体として、目的 ガスの濃度勾配により、給気側の間隔板から仕切板に目的ガスが移相する。
4)排気側の間隔板に移相した目的ガスは、濃度勾配により目的ガスの濃度の低い、屋 外へ排気する空気中に脱離し放出される。
1)〜4)から、給気側の間隔板で吸着した目的ガスが移相し、排気側の間隔板で排気する空気中に脱離、放出されることにより給気側の間隔板は吸着能力を回復し、長寿命化に寄与する。
1)給気側の間隔板に配合されている活性炭により、室内へ供給する空気(給気)から 目的ガスを吸着する(活性炭の微細な空隙における物理吸着。薬剤を添着した活性 炭では酸−アルカリ作用による化学吸着と物理吸着の両方を含む)。
2)給気側の間隔板および仕切板にそれぞれ配合されている活性炭を媒体として、目的 ガスの濃度勾配により、給気側の間隔板から仕切板に目的ガスが移相する。
4)排気側の間隔板に移相した目的ガスが排気する空気中に脱離されずとも、給気側の 間隔板および仕切板および排気側の間隔板からなる素子全体の吸着容量は給気側の 間隔板単独より大きい。従って、給気側の間隔板から仕切板への目的ガスの移相が 進む範囲内で、給気側の間隔板は吸着能力を回復することから、給気側の間隔板の みが目的ガスを吸着する場合に比べ、長寿命化に寄与する。
有機ガス吸着部材では、目的ガスである有機ガスを吸着する能力は、有機ガス吸着部材が目的ガスを吸着しうる容量に支配される。吸着容量は、主に活性炭量(活性炭量=秤量×活性炭の配合比)に支配される。
同様に、酸性ガス吸着部材においては、アルカリを活性炭に添着しているため、目的ガスである酸性ガスの吸着に寄与する活性炭の有効な表面積が減り、活性炭の微細な空隙での物理吸着が低減される。
吸着容量=(活性炭による吸着容量)−(酸(またはアルカリ)の添着による低減分)
例えば、活性炭量が同一であるとき、酸性ガス吸着部材およびアルカリガス吸着部材は、有機ガス吸着部材より吸着容量が小さい。
次に、給気側の間隔板、仕切板および排気側の間隔板の活性炭の配合についての要件の補足説明を行う。
(仕切板)
制約の大きい仕切板については、仕切板2についての記述の通りである。
直交流型の熱交換素子の移相作用において、仕切板の移相作用の特性が最も支配的な要因であり、仕切板と間隔板との相対的な配合比が及ぼす影響は限定的に考えられる。
(給気側の間隔板、排気側の間隔板に共通して要求される性能)
活性炭の配合が多くなると、仕切板用紙は柔らかくなる。直交流型の熱交換器においては直交流型の熱交換素子と熱交換素子を収める筐体とで気密性を保つために、直交流型の熱交換素子は型くずれしにくいようにする必要がある。そのためには、間隔板用紙にある程度の固さが求められ、活性炭をむやみに多くすると支障が生じる。このことから活性炭の配合比の上限を定め、活性炭の配合の上限を75%とした。
給気側の間隔板では、目的ガスの吸着と仕切板への移相作用が要求される。仕切板への移相作用に対しては、給気側の間隔板において活性炭による吸着容量を増やしていくと、やがて仕切板の仕様に制約され、目的ガスの移相作用は頭打ちとなることが考えられる。しかし、給気側の間隔板は、含有する活性炭により室内へ供給する空気(給気)中から目的ガスを吸着させ、浄化する機能の点から、その機能が長持ちするために、活性炭の配合比が大きく、吸着容量が大きいほど望ましい。
前述したように、排気側の間隔板は仕切板から移相された目的ガスに対し、(脱離・放出)と(吸着・保持)との2類型がある。
先ず、(吸着・保持)について説明する。
排気側の間隔板では、仕切板からの移相作用と目的ガスの吸着保持とが要求され、何れかの作用に対しても活性炭による吸着容量が大きいほど望ましい。
給気側の間隔板および排気側の間隔板における活性炭量に関して、仕切板に保持された目的ガスが排気側の間隔板に速やかに移相するためには、
(給気側の間隔板の吸着容量)≦(排気側の間隔板の吸着容量)であることが望ましい。
上述の給気側の間隔板の要件と併せると、給気側の間隔板、排気側の間隔板とも活性炭の配合比を同一に、なるべく多くすることが代表的である。活性炭量を少なくするのは、素子が大きくなった際に型くずれしにくい(素子と筐体との気密性を保つ)特性を持たせる上で有利である。
排気側の間隔板で、仕切板からの移相作用と目的ガスの脱離を意図する場合、移相作用を確保できる範囲内で脱離性能が高い方が望ましい。脱離性能は、吸着容量に関係がある。
(脱離性能を発揮するための条件)
ここで一般的な状況として、目的ガスの濃度について、導入外気>還気(=室内の平均)である場合を考える。その場合、「吸着−移相−脱離」の作用が成立するためには、排気側の間隔板の吸着容量は、給気側の間隔板と同レベルの吸着容量でもよい。すなわち、排気側の間隔板の吸着容量は最大、給気側の間隔板と同レベルの吸着容量であればよく、概ね下記のように表すことができる。
(移相作用を発揮させることを考慮した条件)
その一方、排気側の間隔板の吸着容量を極端に小さくすると移相作用に支障が生じると考えられる。そのため実際には、下記のようにしている。
(給気側の間隔板の吸着容量)×(1/2)≦(排気側の間隔板の吸着容量)
次に、本実施形態に係る直交流型の全熱交換器用素子1を目的ガスに応じて給気側の間隔板3および排気側の間隔板4を変えた例示を以下に説明する。なお、何れも活性炭量について、給気側の間隔板と排気側の間隔板とで、等量とした。
目的ガスをアンモニアガス(導入外気)とした場合について説明する。
本例では、給気側の間隔板3として、アルカリガス吸着部材を用い、排気側の間隔板4として、アンモニア(NH3)ガスを脱離する酸性ガス吸着部材を用いた。
アンモニアガスは、下記の反応式で吸着する。
NH4の化合物はアルカリ性において分解し、アンモニア(NH3)ガスとして分離する。これは、一般的なNH3分析方法に用いられる原理である。
次に、本例の作用を説明する。
先ず、アンモニアガスを、給気側の間隔板3で吸着し、NH4H2PO4化合物として給気側の間隔板3中に捕捉する。
次に、給気側の間隔板3で捕捉したNH4H2PO4を、さらに仕切板2から排気側の間隔板4に移相する。
次に、NH4H2PO4(NH4の化合物)を、排気側の間隔板4で分解し、排気側の間隔板4でそのアルカリ性雰囲気にアンモニア(NH3)ガスとして分離し、屋外へ排出する空気中に放出する。
なお、活性炭量について、給気側の間隔板と排気側の間隔板とを等量としたので、
(排気側の間隔板の吸着容量)<(給気側の間隔板の吸着容量)
となる(排気側の間隔板の活性炭にアルカリが添着されていて、給気側の間隔板より吸着容量が小さい)。これは吸着容量が等しいより望ましい。
目的ガスをSO2、NO2ガス(導入外気)とした場合について説明する。
本例では、給気側の間隔板3として、酸性ガス吸着部材を用い、排気側の間隔板4として、酸性ガス吸着部材を用いた。
先に、目的ガスがSO2の場合について説明する。
次に、給気側の間隔板3から仕切板2に濃度勾配により移相する。
次に、仕切板2から排気側の間隔板4に濃度勾配により移相する。
以上により、SO2に対し、入口側の給気側の間隔板3の他に、出口側の排気側の間隔板4の分、吸着容量が増え、本例に係る直交流型の全熱交換器用素子1の長寿命に寄与する。
先ず、目的ガスNO2を、給気側の給気側の間隔板3にNO2として捕捉する。
次に、給気側の間隔板3から仕切板2に濃度勾配により移相する。
次に、仕切板2から排気側の間隔板4に濃度勾配により移相する。
次に、1次側より取得したNO2のうち一部を、活性炭の特性を利用して排気側の間隔板4よりNO2 -およびNOとして屋外へ排出する空気中に放出する。
以上により、目的ガスNO2に対する出口側の排気側の間隔板4の作用にて、本例に係る直交流型の全熱交換器用素子1の長寿命に寄与する。
目的ガスを有機ガス(導入外気)とした場合について説明する。
本例では、給気側の間隔板3として、有機ガス吸着部材を用い、排気側の間隔板4として、アルカリガス吸着部材を用いた。
次に、本例の作用を説明する。
次に、吸着した有機ガスを、給気側の間隔板3から仕切板2に移相する。
次に、仕切板2中の有機ガスを、排気側の間隔板4に移相する。
次に、排気側の間隔板4から排気側で脱離し、屋外へ排出する空気中に放出する。
以上により、本例に係る直交流型の全熱交換器用素子1の長寿命化が図られる。
(排気側の間隔板の吸着容量)<(給気側の間隔板の吸着容量)
となる(排気側の間隔板の活性炭に酸が添着されていて、給気側の間隔板より吸着容量が小さい)。これは吸着容量が等しいより望ましい。
(第四例)
目的ガスを有機ガス(導入外気)とした場合について説明する。
本例では、給気側の間隔板3および排気側の間隔板4で、2次(排気)側の吸着能力を1次(給気)側の吸着能力と等しくするかまたは小さくする。これにより、吸着容量の大きい給気側の間隔板3で吸着し、吸着容量の小さい排気側の間隔板4に移相され再放出することができる。
先ず、目的ガスである有機ガス(導入外気)を、給気側の間隔板3で吸着する。
次に、吸着した有機ガスを、給気側の間隔板3から仕切板2に移相する。
次に、仕切板2中の有機ガスを、さらに排気側の間隔板4に移相する。
次に、排気側の間隔板4から排気側で脱離し、屋外へ排出する空気中に放出する。
なお、給気側活性炭量=排気側活性炭量でも、(排気側吸着容量)=(給気側吸着容量)であり、「吸着−移相−脱離」作用は成立するが、(排気側吸着容量)<(給気側吸着容量)とするために、(排気側活性炭量)<(給気側活性炭量)とする方が望ましい。
(第五例)
目的ガスを酸性ガス(導入外気)とした場合について説明する。
第二例との比較では、NO2ガスが多い場合に本例5が適する。
次に、本例の作用を説明する。
先ず、目的ガスNO2を、給気側の間隔板3にNO2として捕捉する。
次に、仕切板2から排気側の間隔板4に濃度勾配により移相する。
次に、1次側より取得したNO2のうち一部を、活性炭の特性により排気側の間隔板4よりNO2-およびNOとして屋外へ排出する空気中に放出する。
次に、1次側より取得したNO2のうちの残りを、NO2の形で排気側の間隔板4中に吸着するが、入口側の給気側の間隔板3の他に、出口側の排気側の間隔板4の分、吸着容量が増える。
次に、目的ガスがSO2の場合について説明する。
先ず、目的ガスSO2を給気側の間隔板3中に捕捉する。
吸着されたSO2は、給気側の間隔板3中の活性炭により酸化されてSO2→SO4 2-となる。
次に、仕切板2から排気側の間隔板4に濃度勾配により移相する。
以上により、SO4 2-の形で吸着される容量は、入口側の給気側の間隔板3の他に、出口側の排気側の間隔板4の分、吸着容量が増え、本例に係る直交流型の全熱交換器用素子1の長寿命に寄与する。
次に、本実施形態に係る直交流型の全熱交換素子1を図3および図4に示すよう直交流型の全熱交換器5を内蔵し、千葉県内の幹線道路沿いに立地する建物内に設置し、暴露試験を行い、目的ガスとしてNO2の浄化性能および移相について検討するための実験を行った。
ここでは、仕切板2は製紙用繊維50%と活性炭50%とを抄紙成型した用紙で構成し、秤量175g/m2、板厚0.60mm、透気度152秒とした。給気側の間隔板3および排気側の間隔板4を炭酸カリウムを担持させた活性炭50〜70%と製紙用繊維25〜50%を主成分とする用紙で構成した酸性ガス吸着部材を用いた。
また、OA(外気)、SA(給気)およびEA(排気)の所定の箇所に測定点を設け、それぞれにNOx計7を取り付け、NO2濃度(ppb)およびNO濃度(ppb)を測定した。
次に、OA(外気)に対し、SA(給気)でNO2濃度が低くなるか否かを評価する。
次に、RA(還気)に対し、EA(排気)でNO2濃度が高くなるか否かを評価する。
一般に、NO2を活性炭により吸着浄化すると、若干NOが放出されるとされている。
次に、試験結果について考察する。
先ず、導入OA(外気)中のNO2濃度に比べてSA(給気)のNO2濃度が大幅に低減されており(OA46.2→SA7.8)、目的ガスであるNO2を浄化する効果を示している。
次に、RA(還気=SA(給気))中のNO濃度に対しEA(排気)中のNO濃度が若干上昇している(RA22.6→EA25.9)。
SA(給気)中のNO濃度はOA(外気)より高くなっていない(SA=22.6、OA=32.6)。
このことは、移相現象が生じていることを説明しており、直交流型の全熱交換素子1が浄化フィルタとしての性能を長寿命化させる効果を有する裏付けとなる。
(試験例2)
次に、本発明に係る直交流型の全熱交換器用素子の熱交換性能について説明する。
熱交換効率についての指標を表2に示す。これらは、室内から屋外へ排気する空気から、熱交換器により室内へ供給する空気(給気)へ回収する回収率を意味しており、(1)式〔顕熱(温度)〕、(2)式〔潜熱(水分)〕、(3)式〔全熱(顕熱+潜熱=温度と水分)〕を対象に表したものである。
直交流型の全熱交換器用素子の仕様(直交流型の全熱交換器用素子は、図3に示す暴露試験と同一のものを使用した。)は、表3に示す通りである。
(熱交換性能試験の概要)
図5に示すように試験装置20を設置した。チャンバ21内を電気ヒータ22と加湿器23で加熱、加湿することにより、RA(還気)に比べ高温・高湿の空気をOA(外気)に供給した。
同様に、RA(還気)−EA(排気)の送風機25は、EA(排気)の吹出し口で40m3/hとなるようにその出力を調整した。
OA(外気),SA(給気),RA(還気)の3点に温湿度計26をそれぞれ配置して温湿度を連続計測し、試験装置20の運転を開始して約1時間経過し、各点の温湿度が安定したところでその値を読み取った。
各点で測定した温湿度、それらから換算した絶対湿度、比エンタルピを表4に示す。
SA(給気)の温度(30.0℃)がOA(外気)の温度(35.1℃)より低く、OA(外気)の温度(35.1℃)とRA(還気)の温度(27.4℃)の間の値となっており、RA(還気)の冷熱を回収しSA(給気)に供給していることがわかる。これは顕熱(温度)の交換を示している。
SA(給気)の比エンタルピ84.6(kJ/kg(DA))はOA(外気)の比エンタルピ(94.8kJ/kg(DA))とRA(還気)の比エンタルピ(68.2kJ/kg(DA))の間の値となっており、全熱(顕熱と潜熱)が交換されていることを示している。
以上より、試験した直交流型の全熱交換器用素子は上記に示す熱交換性能を有していることが確認できた。
2 仕切板
3 給気側の間隔板
4 排気側の間隔板
5 直交流型の全熱交換器
10,20 試験装置
Claims (9)
- 活性炭40〜70%と製紙用繊維60〜30%とを抄紙成型し、かつ透気度が100秒以上である用紙で構成され、給気と排気とを隔てる仕切板と、
活性炭と製紙用繊維を主成分とする用紙で構成される、酸性ガス吸着部材、アルカリガス吸着部材または有機ガス吸着部材の何れかのガス吸着部材で構成され、前記仕切板同士の間隔を保つために波形状を為す給気側の間隔板と、
活性炭と製紙用繊維を主成分とする用紙で構成される、酸性ガス吸着部材、アルカリガス吸着部材または有機ガス吸着部材の何れかのガス吸着部材で構成され、前記仕切板同士の間隔を保つために波形状を為す排気側の間隔板とを備え、
前記給気側の間隔板は、前記給気に含まれる酸性ガス、アルカリガスまたは有機ガスの何れかのガス(以下、目的ガスと称する)を吸着し、吸着が進むにつれて、前記目的ガスの濃度勾配により、吸着した該目的ガスを前記仕切板に移相し、
前記仕切板は、さらなる前記目的ガスの濃度勾配により、前記排気側の間隔板に前記目的ガスが移相し、
前記排気側の間隔板は、移相され保持された前記目的ガスを前記排気中に脱離・放出し、前記給気側の間隔板の吸着力を回復する
ことを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。 - 請求項1記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記給気側の間隔板の吸着容量が前記排気側の間隔板の吸着容量と同等または多いことを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。
- 請求項1または請求項2記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記排気側の間隔板と前記給気側の間隔板とが異種の前記ガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板が前記酸性ガス吸着部材もしくは前記アルカリガス吸着部材で構成されていることを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。
- 請求項1または請求項2記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記排気側の間隔板と前記給気側の間隔板とが同種の前記ガス吸着部材で構成されていることを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。
- 請求項1ないし請求項3の何れか記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記給気側の間隔板は、活性炭50〜75%、製紙用繊維50〜25%を主成分とする用紙に酸性化合物を添着し、活性炭に担持させてなるアルカリガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板は、活性炭25〜75%、製紙用繊維75〜25%を主成分とする用紙にアルカリ化合物を添着し、活性炭に担持させてなる酸性ガス吸着部材で構成されていることを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。
- 請求項1、請求項2または請求項4記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記給気側の間隔板は、活性炭50〜75%、製紙用繊維25〜50%を主成分とする用紙にアルカリ化合物を添着し、活性炭に担持させてなる酸性ガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板は、活性炭25〜75%、製紙用繊維75〜25%を主成分とする用紙にアルカリ化合物を添着し、活性炭に担持させてなる酸性ガス吸着部材で構成されていることを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。
- 請求項1ないし請求項3の何れか記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記給気側の間隔板は、活性炭50〜75%、製紙用繊維50〜25%を主成分とする用紙からなる有機ガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板は、活性炭25〜75%、製紙用繊維75〜25%を主成分とする用紙に酸性化合物を添着し、活性炭に担持させてなるアルカリガス吸着部材で構成されていることを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。
- 請求項1、請求項2または請求項4記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記給気側の間隔板は、活性炭50〜75%、製紙用繊維50〜25%を主成分とする用紙からなる有機ガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板は、活性炭25〜75%、製紙用繊維75〜25%を主成分とする用紙からなる有機ガス吸着部材で構成されていることを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。
- 請求項1ないし請求項3の何れか記載の直交流型の全熱交換器用素子において、前記給気側の間隔板は、活性炭50〜75%、製紙用繊維50〜25%を主成分とする用紙にアルカリ化合物を添着し、活性炭に担持させてなる酸性ガス吸着部材で構成され、前記排気側の間隔板は、活性炭25〜75%、製紙用繊維75〜25%を主成分とする用紙に酸性化合物を添着し、活性炭に担持させてなるアルカリガス吸着部材で構成されていることを特徴とする直交流型の全熱交換器用素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004058540A JP3833220B2 (ja) | 2003-03-07 | 2004-03-03 | 直交流型の全熱交換器用素子 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003061892 | 2003-03-07 | ||
JP2004058540A JP3833220B2 (ja) | 2003-03-07 | 2004-03-03 | 直交流型の全熱交換器用素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004294052A JP2004294052A (ja) | 2004-10-21 |
JP3833220B2 true JP3833220B2 (ja) | 2006-10-11 |
Family
ID=33421431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004058540A Expired - Fee Related JP3833220B2 (ja) | 2003-03-07 | 2004-03-03 | 直交流型の全熱交換器用素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3833220B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102564178A (zh) * | 2011-12-18 | 2012-07-11 | 镇江市清源科技工程有限公司 | 一种高效节能余热回收装置 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100889205B1 (ko) * | 2008-09-26 | 2009-03-16 | 셀파씨엔씨 | 열 회수 환기장치의 전열교환 소자 |
KR101322049B1 (ko) * | 2009-08-24 | 2013-10-25 | (주)엘지하우시스 | 전열교환소자용 용지, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 전열교환소자 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001317000A (ja) * | 2000-05-08 | 2001-11-16 | Osaka Gas Co Ltd | 活性炭含有紙およびエアフィルター |
JP2002228382A (ja) * | 2001-01-31 | 2002-08-14 | Mitsubishi Electric Corp | 熱交換器 |
JP3885507B2 (ja) * | 2001-03-27 | 2007-02-21 | 三菱電機株式会社 | 積層構造体である全熱交換器の乾燥方法及び乾燥装置並びに全熱交換器 |
-
2004
- 2004-03-03 JP JP2004058540A patent/JP3833220B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102564178A (zh) * | 2011-12-18 | 2012-07-11 | 镇江市清源科技工程有限公司 | 一种高效节能余热回收装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004294052A (ja) | 2004-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100527978B1 (ko) | 공기정화필터와그제조방법및고도청정장치 | |
US4377400A (en) | Heat exchanger | |
JPH0628173Y2 (ja) | 湿気交換用エレメント | |
JP4593224B2 (ja) | ケミカルフィルター及びその製造方法 | |
US20010029843A1 (en) | Chemical filter and manufacturing method thereof | |
CN107138023B (zh) | 吸收式去除/浓缩装置 | |
CN110030654A (zh) | 换气空调装置 | |
EP1400761A1 (en) | Method and device for cleaning air | |
TW201700163A (zh) | 化學濾材 | |
JP2007010216A (ja) | 換気装置 | |
JP2006010307A (ja) | 加湿装置および加湿方法 | |
US20240183547A1 (en) | Method and system for dehumidification and atmospheric water extraction with minimal energy consumption | |
JP3833220B2 (ja) | 直交流型の全熱交換器用素子 | |
WO2007019535A2 (en) | Regenerable air purification system | |
JP2011143358A (ja) | 吸湿フィルタおよび加湿装置 | |
JP2007255780A (ja) | 太陽熱利用のデシカント空調システム | |
JP2005127683A (ja) | 蒸気吸脱着機能を有する伝熱材料を用いた熱交換器 | |
CN209763312U (zh) | 一种净化制冷设备 | |
CN111609510A (zh) | 一种被动房新风装置 | |
JP2016179461A (ja) | ケミカルフィルタ | |
JP3023361B1 (ja) | 熱交換型換気装置 | |
JPS62183838A (ja) | 空気清浄装置 | |
JP2011169560A (ja) | 空調用装置、熱交換器及びドレン水の処理方法 | |
JP4710741B2 (ja) | 換気装置 | |
JPH11108409A (ja) | 全熱交換素子用素材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051206 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060203 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060509 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060526 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060711 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060718 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |