JP3833089B2 - 可変利得増幅器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積回路で用いられる利得の制御が可能な可変利得増幅器に関するものである。特に、デジタル衛星放送受信用集積回路に用いられる可変利得増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の可変利得増幅器の構成を図10に示す。入力電圧信号VIN1を入力する端子がNPN型の入力トランジスタQ1のベースに接続され、入力電圧信号VIN2を入力する端子がNPN型の入力トランジスタQ2のベースに接続される。入力トランジスタQ1のエミッタと入力トランジスタQ2のエミッタとは抵抗RE1を介して接続される。また、入力トランジスタQ1のエミッタは定電流ICを出力する定電流源1を介して接地され、トランジスタQ2のエミッタは定電流ICを出力する定電流源2を介して接地される。
【0003】
入力トランジスタQ1のコレクタにNPN型トランジスタQ3とNPN型トランジスタQ4のエミッタが共通に接続される。また、トランジスタQ2のコレクタにNPN型トランジスタQ5とNPN型トランジスタQ6のエミッタが共通に接続される。
【0004】
定電圧VCCが供給される端子に、抵抗RL1の一端、トランジスタQ4のコレクタ、トランジスタQ5のコレクタ、及び抵抗RL2の一端が共通に接続される。そして、抵抗RL1の他端にトランジスタQ3のコレクタ及び出力電圧信号VOU1を出力する端子が接続され、抵抗RL2の他端にトランジスタQ6のコレクタ及び出力電圧信号VOUT2を出力する端子が接続される。
【0005】
基準電圧VB1が供給される端子に、トランジスタQ3のベースとトランジスタQ6のベースとが共通に接続される。また、制御電圧VC1が供給される端子に、トランジスタQ4のベースとトランジスタQ5のベースとが共通に接続される。
【0006】
次に、図10に示した従来の可変利得増幅器の動作について説明する。入力電圧信号Vin1及びVin2のレベルが小さいときは制御電圧VC1を小さくして、トランジスタQ4及びQ5のベース電位に対してトランジスタQ3及びQ6のベース電位を高くする。そうすると、トランジスタQ4及びQ5にはほとんど電流が流れず、入力トランジスタのコレクタ電流の大部分がトランジスタQ3及びQ6に流れるため出力負荷抵抗RL1及びRL2に大きな電流が流れ、利得が大きくなる。
【0007】
一方、入力信号Vin1及びVin2のレベルが大きいときは制御電圧VC1を大きくして、トランジスタQ4及びQ5のベース電位に対してトランジスタQ3及びQ6のベース電位を低くする。そうすると、入力トランジスタのコレクタ電流の大部分がトランジスタQ4及びQ6に流れ、トランジスタQ3及びQ6にはほとんど電流が流れないため出力負荷抵抗RL1及びRL2に流れる電流が少なくなり、利得が小さくなる。したがって、従来の可変利得増幅器の制御電圧VC1に対する利得特性曲線T1は図11のようになる。なお、図11中のVth1は、従来の可変利得増幅器が利得減衰動作を開始する制御電圧VC1の閾値を示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
可変利得増幅器をデジタル衛星放送システムや地上波放送システムに用いた場合、入力電圧信号VIN1及びVIN2は数百MHz〜数GHz程度の高周波信号になる。そして、デジタル衛星放送システムや地上波放送システムでは、通常60dB以上の高入力ダイナミックレンジが要求される。
【0009】
しかしながら、図10に示した従来の可変利得増幅器では、高周波信号入力時にトランジスタQ3及びQ6のコレクタ−エミッタ間の寄生容量(数十fF程度)を介してリーク電流が流れてしまう。その結果、利得減衰が飽和してしまい、高周波信号入力時の制御電圧VC1に対する可変利得増幅器の利得の特性曲線T2は図12のようになる。
【0010】
このように図10に示した従来の可変利得増幅器では高周波信号入力時に利得を十分に減衰することができないため、デジタル衛星放送システムや地上波放送システムにおいて要求される高入力ダイナミックレンジ特性を満たすことができないという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑み、高周波数信号入力時においても十分な利得減衰量を確保することができる可変利得増幅器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る可変利得増幅器においては、ベース間に差動入力電圧が印加される第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを有する第1の差動増幅回路と、前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタが共通接続される第3のトランジスタ及び第4のトランジスタを有し、前記第1のトランジスタで増幅された信号を前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタのベース間電圧に応じて減衰して出力する第2の差動増幅回路と、前記第2のトランジスタのコレクタにエミッタが共通接続される第5のトランジスタ及び第6のトランジスタを有し、前記第2のトランジスタで増幅された信号を前記第5のトランジスタ及び前記第6のトランジスタのベース間電圧に応じて減衰して出力する第3の差動増幅回路と、前記第1のトランジスタの動作状態を制御する第1の制御手段と、前記第2のトランジスタの動作状態を制御する第2の制御手段と、を備え、利得が所定値未満のときに、前記第1の制御手段が、前記第3のトランジスタを流れる電流が利得の減少に応じて小さくなるように、前記第1のトランジスタの動作状態を制御し、前記第2の制御手段が、前記第6のトランジスタを流れる電流が利得の減少に応じて小さくなるように、前記第2のトランジスタの動作状態を制御し、利得が所定値以上のときに、前記第1の制御手段が、前記第1のトランジスタの動作状態の制御を停止し、前記第2の制御手段が、前記第2のトランジスタの動作状態の制御を停止する構成とする。
【0013】
また、前記第1の制御手段が前記第1のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで連続して制御し、前記第2の制御手段が前記第2のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで連続して制御するようにしてもよい。
【0014】
また、前記第1の制御手段が前記第1のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで段階的に制御し、前記第2の制御手段が前記第2のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで段階的に制御するようにしてもよい。
【0015】
また、外部から入力される第1の制御信号に基づいて前記第1の制御手段が前記第1のトランジスタのエミッタ電位を制御し、外部から入力される第2の制御信号に基づいて前記第2の制御手段が前記第2のトランジスタのエミッタ電位を制御するようにしてもよい。さらに、前記第1の制御手段が、前記第1のトランジスタのエミッタにエミッタが接続され、ベースに印加される前記第1の制御信号に応じたエミッタ電流を送出する第7のトランジスタからなり、前記第2の制御手段が、前記第2のトランジスタのエミッタにエミッタが接続され、ベースに印加される前記第2の制御信号に応じたエミッタ電流を送出する第8のトランジスタからなるようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る第一実施形態の可変利得増幅器の構成を図1に示す。なお、図10と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。NPN型トランジスタQ7のエミッタが入力トランジスタQ1のエミッタに、NPN型トランジスタQ8のエミッタが入力トランジスタQ2のエミッタに、それぞれ接続される。そして、定電圧VCCが供給される端子に、トランジスタQ7のコレクタ及びトランジスタQ8のコレクタが接続される。さらに、サブ制御電圧VC2が供給される端子に、トランジスタQ7のベース及びトランジスタQ8のベースが接続される。
【0018】
ここで、説明を簡略化するために、全てのトランジスタのベース−エミッタ間電圧が等しいと仮定しその値をVBEとする。また、サブ制御電圧VC2を設定する際に入力電圧信号の交流成分は考慮しないものとする。
【0019】
基準電圧VB1と入力電圧信号VIN1及びVIN2に含まれる直流バイアス電圧VB2との間に(1)式の関係が成り立つように、基準電圧VB1及び直流バイアス電圧VB2の値を設定する。
VB2≦VB1−VBE…(1)
したがって、トランジスタQ4及びQ5に電流が流れ始める制御電圧VC1の閾値をVth1とし、トランジスタQ7及びQ8に電流が流れ始めるサブ制御電圧VC2の閾値をVth2とすると、(2)式が成り立つ。
Vth2<Vth1…(2)
【0020】
そこで、サブ制御電圧VC2を(3)式のように設定する。ただし、α>Vth1−Vth2である。これにより、トランジスタQ7及びトランジスタQ8に電流が流れ始めるときの制御電圧VC1の値が、トランジスタQ4及びトランジスタQ5に電流が流れ始めるときの制御電圧VC1の値より大きくなる。
VC2=VC1−α…(3)
【0021】
(3)式のようにサブ制御電圧VC2を設定すると、高周波信号入力時における制御電圧VC1に対する利得特性曲線T3は図2のようになる。なお、利得特性曲線T2は、図12に示した高周波信号入力時における従来の可変利得増幅器の利得特性曲線である。
【0022】
VC1<Vth1の領域では、トランジスタQ3及びQ6に入力トランジスタから出力される電流のほとんど全てが流れ、トランジスタQ4及びQ5には電流がほとんど流れない。このとき、VC2<Vth2のためトランジスタQ7及びQ8には電流がほとんど流れない。したがって、VC1<Vth1の領域では利得は最大となる。
【0023】
また、Vth1<VC1<Vth2+αの領域では、トランジスタQ4及びQ5が動作してトランジスタQ4及びQ5に電流が流れる。その電流値は制御電圧VC1の増加に応じて増加するので、利得は制御電圧VC1の増加に応じて低下する。このとき、VC2<Vth2のためトランジスタQ7及びQ8には電流がほとんど流れない。
【0024】
したがって、VC1<Vth2+αの領域では、第一実施形態の可変増幅器の利得特性曲線T3は、従来の可変利得増幅器の利得特性曲線T2と一致する。
【0025】
一方、Vth2+α<VC1の領域では、トランジスタQ3及びQ6の動作がOFF状態になるので、トランジスタQ3及びQ6に流れる電流は寄生容量を介してリークする電流のみとなる。また、Vth2<VC2となるのでトランジスタQ7及びQ8が動作してトランジスタQ7及びQ8に電流が流れる。その電流値は制御電圧VC1の増加に応じて増加するので、入力トランジスタQ1及びQ2に流れる電流が制御電圧VC1の増加に応じて減少する。このため、入力トランジスタQ1及びQ2のコレクタに出力される信号のレベルは制御電圧VC1の増加に応じて低下する。その結果、トランジスタQ3及びQ6の寄生容量によってリークする信号のレベルが制御電圧VC1の増加に応じて小さくなる。これにより、第一実施形態の可変増幅器は高周波信号入力時においても十分な利得減衰量を得ることができる。
【0026】
なお、制御電圧VC1を十分大きくすると、トランジスタQ7及びQ8を飽和状態にすることができる。これにより、入力トランジスタQ1及びQ2のコレクタに出力される信号を、入力トランジスタの寄生容量によりリークする信号レベル分まで小さくすることができる。
【0027】
また、上述した(3)式のαの値は通常、Vth2+αの値が従来の利得増幅器において高周波信号入力時に利得減少が飽和し始める制御電圧の値付近になるように設定される(図2参照)が、αの値をそれより小さく設定してもよい。
【0028】
αの値を変えた場合の制御電圧VC1に対する利得特性を図3に示す。利得特性曲線T5はα=α1のときの利得特性曲線を、利得特性曲線T4はα=α2のときの利得特性曲線を、利得特性曲線T3はα=α3のときの利得特性曲線を、それぞれ示している。ただし、α1<α2<α3であり、α=α3のときにVth2+αの値が高周波信号入力時に利得減少が飽和し始める制御電圧の値付近になるものとする。図3から明らかなように、αの値が小さいほど高い利得値から急峻にトランジスタQ7及びQ8の動作による利得の減衰が起こる。すなわち、αの値を小さくすると、制御電圧VC1に対する利得減衰量が切り替わる利得の値を高くすることができるとともに、切り替わり後の制御電圧VC1に対する利得減衰量を大きくすることができる。
【0029】
上述した実施形態ではサブ制御電圧VC2を制御電圧VC1に応じて(3)式の関係を満たすように連続的に変化させたが、図4に示すようにサブ制御電圧VC2を制御電圧VC1に応じてVth2+α<VC1の領域でステップ状に変化させてもよい。このようなステップ状に変化するサブ制御電圧VC2を用いると、トランジスタQ7及びQ8が段階的に制御される。これにより、制御電圧VC1に対する利得特性は図5に示すようになる。
【0030】
サブ制御電圧VC2を制御電圧VC1に応じて(3)式の関係を満たすように連続的に変化させた場合と同様に、高周波信号入力時においても十分な減衰量を得ることが可能になる。また、αの値を小さくすると、制御電圧VC1に対する利得減衰量が切り替わる利得の値を高くすることができるとともに、切り替わり後の制御電圧VC1に対する利得減衰量を大きくすることができる。
【0031】
さらに、サブ制御電圧VC2を制御電圧VC1に応じて(3)式の関係を満たすように連続的に変化させなくてよいので、サブ制御電圧VC2の生成が容易になる。また、VC1<Vth2+αの領域において、サブ制御電圧VC2を零にすることができる。なお、Vth2+α<VC1の領域において、制御電圧VC1のステップ幅を小さくすればするほど、図3に示した利得特性曲線に近いなめらかな利得特性曲線が得られる。
【0032】
次に、本発明に係る第二実施形態の可変利得増幅器について説明する。第二実施形態の可変利得増幅器の構成を図6に示す。なお、図10と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0033】
定電圧VCCが供給される端子に、可変抵抗3の一端及び可変抵抗4の一端が接続される。また、可変抵抗3の他端が入力トランジスタQ1のエミッタに、可変抵抗4の他端が入力トランジスタQ2のエミッタに、それぞれ接続される。
【0034】
可変抵抗3及び4の抵抗値は制御電圧VC1によって制御される。制御電圧VC1に対する可変抵抗3及び4の抵抗値特性を図7に示す。なお、可変抵抗3の抵抗値特性と可変抵抗器4の抵抗値特性は同一とする。そして、(4)式の関係を満たすように可変抵抗3及び4の最大抵抗値Rmaxを設定する。ただし、(4)式中のIp(Rmax)は可変抵抗3及び4の抵抗値がRmaxのときに可変抵抗3及び4に流れる電流の電流値である。
VCC−Rmax×Ip(Rmax)≪VB2−VBE …(4)
【0035】
可変抵抗3及び4の最大抵抗値Rmaxを(4)式の関係を満たすように設定することによって、制御電圧VC1が小さいときに入力トランジスタQ1及びQ2のエミッタ電位がVB2−VBEよりも大きくなることを防止できる。したがって、制御電圧VC1が小さいとき、すなわちVC1<Vth2+αの領域で、入力トランジスタQ1及びQ2に流れる電流が減少することはない。
【0036】
一方、Vth2+α<VC1の領域では、制御電圧VC1の増加に応じて可変抵抗R3及びR4の抵抗値が急激に減少するので、可変抵抗器R3及びR4に流れる電流の電流値が制御電圧VC1の増加に応じて急激に増加する。その結果、入力トランジスタQ1及びQ2に流れる電流が制御電圧VC1の増加に応じて減少し、入力トランジスタQ1及びQ2のコレクタに出力される信号レベルが制御電圧VC1の増加に応じて低下するので、トランジスタQ3及びQ6の寄生容量によってリークする信号のレベルが制御電圧VC1の増加に応じて小さくなる。
【0037】
これにより、第二実施形態の可変利得増幅器は第一実施形態の可変利得増幅器と同一の利得特性を得ることができる。すなわち、第二実施形態の可変利得増幅器は高周波信号入力時においても十分な利得減衰量を確保することができる。
【0038】
次に、本発明に係る第三実施形態の可変利得増幅器について説明する。第三実施形態の可変利得増幅器の構成を図8に示す。なお、図10と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0039】
可変電圧源5の正極側は入力トランジスタQ1のエミッタに接続され、可変電圧源5の負極側は接地される。また、可変電圧源6の正極側は入力トランジスタQ2のエミッタに接続され、可変電圧源6の負極側は接地される。
【0040】
可変電圧源5及び6の出力電圧はサブ制御電圧VC2によって制御される。また、サブ制御電圧VC2と制御電圧VC1との間には上述した(3)式の関係が成り立つとする。ただし、第一実施形態の可変利得増幅器と異なり、(3)式中のVth2は可変電圧源5及び6から電流が流れ始めるサブ制御電圧VC2の閾値とする。
【0041】
制御電圧VC1に対する可変電圧源5及び6の出力電圧特性を図9に示す。なお、可変電圧源5の出力電圧特性と可変電圧源6の出力電圧特性は同一とする。
【0042】
VC1<Vth2+αの領域では、可変電圧源5及び6の出力電圧がVB2−VBEであり、入力トランジスタのエミッタ電位もVB2−VBEのままであるので、入力トランジスタQ1及びQ2に流れる電流が減少することはなく、入力可変電圧源5及び6から電流は送出されない。
【0043】
一方、Vth2+α<VC1の領域では、制御電圧VC1の増加に応じて可変電圧源5及び6の出力電圧が急激に増加し、それに伴い入力トランジスタのエミッタ電位も増加する。その結果、入力トランジスタQ1及びQ2に流れる電流が制御電圧VC1の増加に応じて減少するともに、その減少分を補うために可変電圧源5及び6から電流が送出される。このため入力トランジスタQ1及びQ2のコレクタに出力される信号レベルが制御電圧VC1の増加に応じて低下するので、トランジスタQ3及びQ6の寄生容量によってリークする信号のレベルが制御電圧VC1の増加に応じて小さくなる。
【0044】
これにより、第三実施形態の可変利得増幅器は第一実施形態の可変利得増幅器と同一の利得特性を得ることができる。すなわち、第三実施形態の可変利得増幅器は高周波信号入力時においても十分な利得減衰量を確保することができる。
【0045】
また、上述した実施形態では、サブ制御電圧VC2を設定する際に入力電圧信号VIN1及びVIN2の交流成分を考慮しなかったが、実際には例えば入力電圧信号VIN1を交流成分に直流バイアス電圧を加えた信号とし入力電圧信号VIN2を直流バイアス電圧のみの信号とした場合、トランジスタQ7、可変抵抗3、又は可変電圧源5には入力電圧信号VIN1の交流成分に応じてサブ制御電圧VC2を補正した電圧VC2’を入力し、トランジスタQ8、可変抵抗4、又は可変電圧源6にはサブ制御電圧VC2を入力する構成にするとよい。
【0046】
また、上述した第一〜第三実施形態の可変利得増幅器は抵抗を介して二つの入力トランジスタのエミッタ同士を接続する構成としたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば二つの入力トランジスタのエミッタを一つの定電流源に共通に接続する可変利得増幅器において入力トランジスタのエミッタ接続ノードに電圧を供給する可変電圧源を設ける構成としてもよい。このような可変電圧源を設けることで入力トランジスタのエミッタ電位を制御することができる。これにより、入力トランジスタのコレクタ電流を小さくすることができるので、高周波信号入力時においても十分な利得減衰量を確保することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によると、ベース間に差動入力電圧が印加される入力トランジスタが第1のトランジスタ及び第2のトランジスタであって、第1のトランジスタの動作状態を制御する第1の制御手段と、第2のトランジスタの動作状態を制御する第2の制御手段と、を備えるので、入力トランジスタのコレクタに出力される信号レベルを減衰させて、第2の差動増幅器及び第3の差動増幅器に設けられる利得減衰動作時にカットオフ動作をするトランジスタの寄生容量によるリーク電流のレベルを小さくすることができる。これにより、高周波信号入力時においても十分な利得減衰量を確保することができる。
【0048】
また、本発明によると、第1の制御手段が第1のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで連続して制御し、第2の制御手段が第2のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで連続して制御するので、なめらかな利得特性曲線を得ることができる。
【0049】
また、本発明によると、第1の制御手段が第1のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで段階的に制御し、第2の制御手段が第2のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで段階的に制御するので、第1及び第2の制御手段を制御する制御信号の生成が容易になる。
【0050】
また、本発明によると、外部から入力される第1の制御信号に基づいて第1の制御手段が第1のトランジスタのエミッタ電位を制御し、外部から入力される第2の制御信号に基づいて第2の制御手段が第2のトランジスタのエミッタ電位を制御するので、入力トランジスタのコレクタ電流を制御できる。したがって、入力トランジスタのコレクタに出力される信号レベルを減衰させて、第2の差動増幅器及び第3の差動増幅器に設けられる利得減衰動作時にカットオフ動作をするトランジスタの寄生容量によるリーク電流のレベルを小さくすることができる。これにより、高周波信号入力時においても十分な利得減衰量を確保することができる。
【0051】
また、本発明によると、第1の制御手段が、第1のトランジスタのエミッタにエミッタが接続され、ベースに印加される第1の制御信号に応じたエミッタ電流を送出する第7のトランジスタからなり、第2の制御手段が、第2のトランジスタのエミッタにエミッタが接続され、ベースに印加される第2の制御信号に応じたエミッタ電流を送出する第8のトランジスタからなるので、第1の制御手段及び第2の制御手段が簡単な回路構成で実現できる。
【0052】
また、本発明によると、利得が所定値未満のときに、第1の制御手段が、第3のトランジスタを流れる電流が利得の減少に応じて小さくなるように、第1のトランジスタの動作状態を制御し、第2の制御手段が、第6のトランジスタを流れる電流が利得の減少に応じて小さくなるように、第2のトランジスタの動作状態を制御し、利得が所定値以上のときに、第1の制御手段が、第1のトランジスタの動作状態の制御を停止し、第2の制御手段が、第2のトランジスタの動作状態の制御を停止する。このため、利得が所定の値以上の場合は第2の差動増幅回路及び第3の差動増幅回路のみが利得減衰動作を行い、利得が所定の値未満の場合は第2の差動増幅回路及び第3の差動増幅回路に加えて第1の制御手段及び第2の制御手段も利得減衰動作を行う。これにより、第2の差動増幅回路に設けられ及び第3の差動増幅回路にそれぞれ設けられる差動対トランジスタのベース間に印加される電圧に対する利得減衰量を、利得が所定の値未満の場合と利得が所定の値以上の場合とで切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第一実施形態の可変利得増幅器の構成を示す図である。
【図2】 第一実施形態の可変利得増幅器の利得特性を示す図である。
【図3】 サブ制御電圧の設定を変更した場合の第一実施形態の可変利得増幅器の利得特性を示す図である。
【図4】 サブ制御電圧をステップ状に変化させる場合の制御電圧とサブ制御電圧との関係を示す図である。
【図5】 ステップ状に変化させるサブ制御電圧の設定を変更した場合の第一実施形態の可変利得増幅器の利得特性を示す図である。
【図6】 本発明に係る第二実施形態の可変利得増幅器の構成を示す図である。
【図7】 第二実施形態の可変利得増幅器が備える可変抵抗の抵抗値特性を示す図である。
【図8】 本発明に係る第三実施形態の可変利得増幅器の構成を示す図である。
【図9】 第三実施形態の可変利得増幅器が備える可変電圧源の出力電圧特性を示す図である。
【図10】 従来の可変利得増幅器の構成を示す図である。
【図11】 従来の可変利得増幅器の利得特性を示す図である。
【図12】 高周波信号入力時における従来の可変利得増幅器の利得特性を示す図である。
【符号の説明】
1、2 定電流源
3、4 可変抵抗
5、6 可変電圧源
Q1、Q2 入力トランジスタ
Q3〜Q8 トランジスタ
VB1 基準電圧
VC1 制御電圧
VC2 サブ制御電圧
VIN1、VIN2 入力電圧信号
Claims (5)
- ベース間に差動入力電圧が印加される第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを有する第1の差動増幅回路と、
前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタが共通接続される第3のトランジスタ及び第4のトランジスタを有し、前記第1のトランジスタで増幅された信号を前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタのベース間電圧に応じて減衰して出力する第2の差動増幅回路と、
前記第2のトランジスタのコレクタにエミッタが共通接続される第5のトランジスタ及び第6のトランジスタを有し、前記第2のトランジスタで増幅された信号を前記第5のトランジスタ及び前記第6のトランジスタのベース間電圧に応じて減衰して出力する第3の差動増幅回路と、
を備えた可変利得増幅器において、
前記第1のトランジスタの動作状態を制御する第1の制御手段と、前記第2のトランジスタの動作状態を制御する第2の制御手段と、を備え、
利得が所定値未満のときに、前記第1の制御手段が、前記第3のトランジスタを流れる電流が利得の減少に応じて小さくなるように、前記第1のトランジスタの動作状態を制御し、前記第2の制御手段が、前記第6のトランジスタを流れる電流が利得の減少に応じて小さくなるように、前記第2のトランジスタの動作状態を制御し、
利得が所定値以上のときに、前記第1の制御手段が、前記第1のトランジスタの動作状態の制御を停止し、前記第2の制御手段が、前記第2のトランジスタの動作状態の制御を停止することを特徴とする可変利得増幅器。 - 前記第1の制御手段が前記第1のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで連続して制御し、前記第2の制御手段が前記第2のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで連続して制御する請求項1に記載の可変利得増幅器。
- 前記第1の制御手段が前記第1のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで段階的に制御し、前記第2の制御手段が前記第2のトランジスタの動作を活性状態からオフ状態まで段階的に制御する請求項1に記載の可変利得増幅器。
- 外部から入力される第1の制御信号に基づいて前記第1の制御手段が前記第1のトランジスタのエミッタ電位を制御し、外部から入力される第2の制御信号に基づいて前記第2の制御手段が前記第2のトランジスタのエミッタ電位を制御する請求項1〜3のいずれかに記載の可変利得増幅器。
- 前記第1の制御手段が、前記第1のトランジスタのエミッタにエミッタが接続され、ベースに印加される前記第1の制御信号に応じたエミッタ電流を送出する第7のトランジスタからなり、前記第2の制御手段が、前記第2のトランジスタのエミッタにエミッタが接続され、ベースに印加される前記第2の制御信号に応じたエミッタ電流を送出する第8のトランジスタからなる請求項4に記載の可変利得増幅器。
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