JP3833004B2 - 保護板の支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭焚ボイラの火炉ホッパー部に配置され、再循環ガス導入部のシールプレートを火炉からの輻射熱およびホッパー水の飛沫等から保護するための保護板の支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来の石炭焚ボイラの側面断面図である。図で、1はボイラ本体、2は火炉、3は火炉ホッパーケーシング、4は灰処理装置である。5は風箱、6は微粉炭バーナで、それぞれ火炉2の側面に配置されている。7は過熱器、8は再熱器、9は横置き再熱器、10は横置き過熱器、11は節炭器、12は配管、13は空気予熱器、14は排ガス管、15は空気供給管である。16はガス再循環通風機で、分岐管17の途中に設けられている。
【0003】
始めに、燃焼ガスの流れについて説明する。燃料である微粉炭は風箱5から供給される燃焼用空気により微粉炭バーナ6で燃焼される。生成した燃焼ガスGは伝熱器群すなわち、過熱器7、再熱器8、横置き再熱器9、横置き過熱器10および節炭器11の内部を流れる水あるいは蒸気を加温した後、配管12に流入し、空気予熱器13において風箱5に送られる燃焼用空気を加温した後大気に放出される。
【0004】
石炭焚ボイラの場合、出力を小さくするために燃料の供給量を減らすと、燃焼ガスGの生成量が減るため、ボイラ内部での流れが不均一になり、蒸気温度の制御が困難になる。そこで、出力を小さくする場合には、分岐管17の内部に配置した図示を省略したダンパを開くと共に、ガス再循環通風機16を動作させ、燃焼ガスGの一部を火炉2に戻すことにより(以下、分岐管17を通る燃焼ガスGを、再循環ガスRという。)、燃焼ガスGの量を増加させ、燃焼ガスGが総ての伝熱器を均一に加熱するようにしている。
【0005】
次に、火炉ホッパーケーシング3の構造を説明する。
図8は図7のA部拡大図、図9は図8のB−B断面図、図10は図8のC部詳細図、図11は図10のD−D断面図、図12は図10のE部拡大図、図13は図12の要部側面図である。図で、20a、20bは火炉ホッパー管で、一方は火炉2の炉壁2aを構成する伝熱管に接続され、他方はそれぞれ管寄せ21a、21bに接続されている。なお、炉壁2aあるいは火炉ホッパー管20a、20bは、分岐管17に接続する部分、すなわち再循環ガス導入部を除き、隣接する伝熱管を板(メンブレン)で接続した構成である。22はシールプレートで、管寄せ21bに保持されている。23はシール水で、ケース24に収納されている。25はホッパー水で、灰処理装置4に収納されている。灰処理装置4の内部表面は耐火材4aで形成されている。図8、図10における26は案内板で、再循環ガス導入部の火炉ホッパー管21bに固定され、再循環ガスRを整流する。
【0006】
図9における27は保護板で、火炉2を構成する左・右側壁の下部に固定され、燃焼ガスGの輻射熱を遮り、シールプレート22が熱により損傷することを防止している。なお、図8に示すように、火炉ホッパー管20a、20bにより前・後壁側のシールプレート22には、燃焼ガスGの輻射熱が直接当らないため、保護板27は設けられていない。
【0007】
微粉炭を燃焼させると、燃焼ガスGの他に、微粉炭に含まれていた不純物がクリンカとして生成される。溶融したクリンカは、ホッパー水25中に落下して急冷され、固形のスラグとなり、図示を省略する排出装置によりボイラ外に排出される。なお、過熱器7、再熱器8の表面に付着したクリンカは、燃焼振動およびボイラ停止時の熱膨張差により剥離する。また、図示を省略する高温蒸気を使用する煤払い装置により強制的に除去される場合もある。
【0008】
ボイラ運転中、シール水23は常に補給され、V字形の切欠き28からオーバーフローしたシール水23は耐火材4aの表面を冷却した後ホッパー水25に合流する。
【0009】
図14は他の従来技術を示すもので、前・後壁側にも保護板27を設けた例である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図13に示す構造、すなわち前・後壁側に保護板27を設けない構造の場合、再循環ガスRの流路面積が大きいから、ガス再循環通風機16の出力は小さくて良い。しかし、再循環ガスRの一部がシールプレート22側へ流れ、再循環ガスR中に含まれるフライアッシュがケース24内に堆積する。このため、定期的にボイラの運転を停止してケース24内に堆積したフライアッシュを取り除く必要があった。また、切欠き28がフライアッシュで塞がれると、シール水23が均一に流れなくなり、耐火材4a表面の一部が水冷できなくなった。このような場合、耐火材4aは直ちに温度上昇し、クリンカが落下したときに跳ね上げられたホッパー水25の飛沫が当ると、急激に冷却されて割れる等の損傷を受けた。
【0011】
一方図14に示す構造、すなわち前・後壁側に保護板27を設けた構造の場合、再循環ガスRは保護板27に遮られ、フライアッシュがケース24内に堆積することがなく、上記した図13の構造に起因する問題はない。途中から軸心を曲げた火炉ホッパー管20bを同一形状に製作することは困難であり、火炉ホッパー管20bの高さは一様ではない。このため、火炉ホッパー管20bが真直である箇所に保護板27を取付けるため、保護板27と耐火材4aとの距離Lが長くなり、再循環ガスRの流路面積は小さくなる。この場合、火炉ホッパー管20a、20bの長さを長くするとボイラの熱効率が低下するから、火炉ホッパーケーシング3を大きくすることは得策でない。したがって、ガス再循環通風機16の出力を大きくする必要があった。
【0012】
本発明の目的は、上記従来技術における課題を解決し、火炉ホッパーケーシングを大きくすることなく、再循環ガスRの流路面積を確保することができる保護板の支持装置を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、石炭焚ボイラの火炉ホッパー部に配置され、再循環ガス導入部のシールプレートを火炉からの輻射熱およびホッパー水の飛沫等から保護するための保護板の支持装置において、U字型梁と、L字型梁と、複数の板状の連結板とを設け、前記U字型梁を、最上段の火炉ホッパー管の上側に載置・固定し、前記連結板を、前記火炉ホッパー管の間でその板厚方向が前記火炉ホッパー管の軸方向に直角になるように配置して前記U字型梁に固定し、前記L字型梁を、最下段の前記火炉ホッパー管の下側になるようにして前記連結板に固定し、前記保護板を前記L字型梁に保持させるように構成したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明に係る保護板の支持装置の配置図で、上記図8に対応する図である。図2は図1のF部詳細図、図3は図2のH−H断面図であり、図7〜図14と同じものまたは同一機能のものは同一符号を付して説明を省略する。図2、3で、30はU字型梁で、火炉ホッパー管20aの上に固定されている。31は板状の連結板で、板厚方向が火炉ホッパー管20bの軸方向に直角になるように配置され、上側はU字型梁30の水平部に設けられた矩形穴30aを貫通して止め金具32によりU字型梁30に固定され、下側はL字型梁33を保持している。図示の場合、連結板31は火炉ホッパー管20aの1本おきに配置されている。L字型梁33の立上り部の火炉ホッパー管20bに対向する部分には、半径が火炉ホッパー管20bの半径の2〜3倍の曲率の切欠き33aが設けられている。そして、L字型梁33の下端には保護板27がボルト34とナット35により固定されている。36はU字ボルトで、ワッシャ37、ナット38により案内板26を火炉ホッパー管20bに固定している。そして、案内板26の先端26aは立上り部に固定され、再循環ガスRがシールプレート22側に侵入しないようにされている。
【0015】
以上の構成であるから、再循環ガスRの一部は連結板31の間を流れ、再循環ガスRの流路を大きくできる。そして、U字型梁30を火炉ホッパー管20a上に載置・固定するから、火炉ホッパー管20bの形状の影響を受けず、保護板27を耐火材4a近傍に位置決めすることができる。しかも、U字型梁30とL字型梁33の間を通って流れる再循環ガスRは、図2における保護板27の左側の火炉ホッパー管20a、火炉ホッパー管20bを吹き抜けた再循環ガスRの流れ方向を火炉2側に向けるから、再循環ガスRは速やかに火炉2に流れ込む。
【0016】
図4および図5は、本発明の変形例であり、図4は上記図2に対応し、図5は図4のJ−J断面図である。この変形例では、U字型梁30に代えて1対のL字型の梁40を対向させて配置し、接続板41で連結するようにしている。したがって、矩形穴30aを設ける必要がなく、隣接する接続板41の間を再循環ガスRが流れるようにすれば、再循環ガスRの流路はさらに大きくできる。
【0017】
また、切欠き33aは円形に限らず、図5に示すように角形にしても良いし、全く設けずに、図5に2点鎖線で示す直線Mの高さにしても良い。
【0018】
また、図6に示すように、L字型梁33をU字型梁30の側面に接続するようにしても良い。
【0019】
さらに、上記では、火炉ホッパー管が2段に配置された場合について説明したが、3段以上に配置されている場合にも適用することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、石炭焚ボイラの火炉ホッパー部に配置され、再循環ガス導入部のシールプレートを火炉からの輻射熱およびホッパー水の飛沫等から保護するための保護板の支持装置において、U字型梁と、L字型梁と、複数の板状の連結板とを設け、前記U字型梁を、最上段の火炉ホッパー管の上側に載置・固定し、前記連結板を、前記火炉ホッパー管の間でその板厚方向が前記火炉ホッパー管の軸方向に直角になるように配置して前記U字型梁に固定し、前記L字型梁を、最下段の前記火炉ホッパー管の下側になるようにして前記連結板に固定し、前記保護板を前記L字型梁に保持させるように構成したから、火炉ホッパーケーシングを大きくすることなく、再循環ガスRの流路面積を大きく確保することができる。そして、保護板により、過熱器管および再過熱器管に溶融結合したクリンカが落下した際に発生するホッパー水の飛沫が耐火材あるいはシールプレートに付着することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保護板の支持装置の配置図である。
【図2】図1のE部詳細図である。
【図3】図2のF−F断面図である。
【図4】本発明に係る保護板の支持装置の変形例である。
【図5】図4のJ−J断面図である。
【図6】本発明に係る保護板の支持装置の変形例である。
【図7】従来の石炭焚ボイラの側面断面図である。
【図8】図7のA部拡大図である。
【図9】図8のB−B断面図である。
【図10】図8のC部詳細図である。
【図11】図10のD−D断面図である。
【図12】図10のE部拡大図である。
【図13】図12の要部側面図である。
【図14】従来の他の保護板の設置例である。
【符号の説明】
4a 耐火材
20a、 20b 火炉ホッパー管
27 保護板
30 U字型梁
31 連結板
33 L字型梁
R 再循環ガス

Claims (1)

  1. 石炭焚ボイラの火炉ホッパー部に配置され、再循環ガス導入部のシールプレートを火炉からの輻射熱およびホッパー水の飛沫等から保護するための保護板の支持装置において、U字型梁と、L字型梁と、複数の板状の連結板とを設け、前記U字型梁を、最上段の火炉ホッパー管の上側に載置・固定し、前記連結板を、前記火炉ホッパー管の間でその板厚方向が前記火炉ホッパー管の軸方向に直角になるように配置して前記U字型梁に固定し、前記L字型梁を、最下段の前記火炉ホッパー管の下側になるようにして前記連結板に固定し、前記保護板を前記L字型梁に保持させるように構成したことを特徴とする保護板の支持装置。
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