JP3832901B2 - 多連型シールド掘進機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の回転カッタを有する多連型シールド掘進機に係り、特に、軟弱な崩壊性地盤を掘削するのに好適な多連型シールド掘進機に関する。
【0002】
【従来の技術】
多連型シールド掘進機は、シールドフレームの前面に複数の回転カッタを所定間隔を隔てて配置し、これら回転カッタによって複数の円が連なった断面のトンネルを掘削するものである。この種の多連型シールド掘進機として、各回転カッタの後方に共通の土砂取込室を設けたものが知られている。
【0003】
このタイプでは、土砂取込室を共通としているため、各回転カッタ毎に独立して土砂取込室を設けるものよりも、土砂取込室内の土圧・泥水圧管理が容易となる。また、土砂取込室から坑内への土砂取出ライン(スクリューコンベヤ、送排泥管等)の設置数を減少できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように複数の回転カッタを所定間隔を隔てて配置し、その後方に共通の土砂取込室を設けると、各回転カッタ同士の間から切羽の土砂がカッタで掘削されることなく土砂取込室内に流入し、切羽の保持が困難になることが考えられる。この現象は特に軟弱な崩壊性地盤において著しい。
【0005】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、切羽の土砂が各回転カッタ同士の隙間から土砂取込室内に過剰に流入することを防止できる多連型シールド掘進機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく創作された本発明に係る多連型シールド掘進機は、複数の回転カッタを所定間隔を隔てて配置し、これら回転カッタの後方に共通の土砂取込室を設け、該土砂取込室にその土砂取込口を各回転カッタ毎に仕切る仕切板を設けたものである。
【0007】
本発明によれば、仕切板が土砂取込室の土砂取込口を各回転カッタ毎に仕切るため、各回転カッタの削土取込性が単独の円形シールドと同等となる。よって、切羽の土砂が各回転カッタ同士の間から土砂取込室内に流入することが防止される。
【0008】
また、隣り合う上記回転カッタを軸方向に離間させると共に切羽側に臨んで一部重合させて配置し、切羽側に臨んで隣り合う一方の軸方向後側の回転カッタの表面と他方の軸方向前側の回転カッタの裏面との隙間を通って切羽側から上記土砂取込室内へ流入する土砂を抑えるべく、上記仕切板に、当該仕切板に沿って形成された土砂流入防止部材を設けてもよい。
【0009】
また、 隣り合う上記回転カッタを軸方向に離間させると共に切羽側に臨んで一部重合させて配置し、上記土砂取込口が、シールドフレームから切羽側に延出されたフードによって形成され、該フードに、上記回転カッタの並設方向及び軸方向の両方向に対して直交する方向に臨ませて、上記回転カッタ同士の軸方向の隙間を覆うように切羽側に延出して形成された庇部材を設けてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面を用いて説明する。
【0011】
図4は本実施形態に係る多連型シールド掘進機(3連タイプ)の平断面図、図5は上記多連型シールド掘進機の平面図、図6〜図9はそれぞれ図5の VI-VI線、 VII-VII線、 VIII-VIII線、 IX-IX線断面図である。上記多連型シールド掘進機は、軟弱な地盤を掘進する泥水式シールドである。
【0012】
図示するように、3個の円が重合された断面のシールドフレーム1の前面には、3個の回転カッタ2a,2b,2cが軸方向にずらされ重合されて配置されてい
る。詳しくは、両側の回転カッタ2b,2cは同一平面に配置され、中央の回転カッタ2aはそれより軸方向前方に配置されている。そして、上記シールドフレーム1の断面は、図1に示すように、これら3個の回転カッタ2a,2b,2cを正面からみた輪郭に一致されている。
【0013】
中央の回転カッタ2aは、図4に示すようにセンターシャフト3を介して隔壁4に軸支されており、シャフト3に取り付けられたギヤ5にモータ6のピニオン7が噛合されて回転駆動される。両側の回転カッタ2b,2cは、中間ビーム8を介して隔壁4に回転自在に取り付けられたリング板9に支持されており、リング板9に設けられた内歯ギヤ10にモータ11のピニオン12が噛合されて回転駆動される。また、両側の回転カッタ2b,2cは、センターシャフト13によっても隔壁4に軸支されている。
【0014】
各回転カッタ2a,2b,2cは、円板状のカッタ面板14と、カッタ面板14に開口された土砂取込スリット15と、土砂取込スリット15に沿って設けられたビット16と、土砂取込スリット15を開閉するシャッタ(図示せず)と、カッタ面板14の裏面に設けられたカッタフレーム17とを有している。カッタフレーム17は、カッタ面板14の直径より後述するフード18の厚さ分だけ小径に形成されている。また、両側の回転カッタ2b,2cのカッタフレーム17には混練翼19が設けられている。
【0015】
これら回転カッタ2a,2b,2cの後方には、共通の土砂取込室20が設けられている。土砂取込室20は、各回転カッタ2a,2b,2cで掘削された土砂を一時的に取り込むものであり、シールドフレーム1内を切羽側と機内側とに仕切る隔壁4と、隔壁4から切羽側へシールドフレーム1と同断面形状で延出されたフード18とを有している。上記フード18は土砂取込室20の土砂取込口を形成する。
【0016】
フード18には、図2に示すように、両側の回転カッタ2b,2cのカッタフレーム17が回転自在に嵌まり込んでおり、カッタ面板14のみが切羽に面している。これにより、側部切羽の土砂(軟弱流動性)が、図2の矢印Aのようにクランク状に流れるため、軟弱流動性土質の地山における土砂の土砂取込室20内への流入が抑制され、切羽の保持に貢献する。
【0017】
土砂取込室20の隔壁4には、図9に示すように、送泥管21、排泥管22および還流管29が接続されている。これにより、土砂取込室20内に取り込まれた土砂は、送泥管21からの泥水と混ざって切羽の土圧水圧を保持しつつ、排泥管22から機内側に運び出される。排泥管22は、各カッタ2a,2b,2cの後方にそれぞれ位置して3本設けられているが、土砂取込室20が各カッタ共通であるためこれらを同時に使用する必要はなく、内2本は予備である。各排泥管22の近傍には土砂の流動性を高めるべく回転するアジテータ23が設けられている。
【0018】
上記土砂取込室20には、その土砂取込口(フード18の開口)を各回転カッタ2a,2b,2c毎に仕切る仕切板24が設けられている。仕切板24は、図1および図8に示すように、両側の回転カッタ2b,2cのカッタフレーム17を囲繞するように周方向に沿って円弧状に形成されている。仕切板24は、土砂取込室20内を切羽側において各回転カッタ2a,2b,2c毎に仕切り、隔壁側において各回転カッタ2a,2b,2cの後方を連通する連通口25を形成する。
【0019】
このように、仕切板24が土砂取込室20の土砂取込口(フード18の開口)を各回転カッタ2a,2b,2c毎に仕切るため、各回転カッタ2a,2b,2cの削土取込性が単独の円形シールドと同等となる。また、土砂取込室20は連通口25によって連通されているため、各回転カッタ2a,2b,2c毎に土砂取込室20を独立して設けたものと比べると、土圧・泥水圧管理が容易となると共に送泥管21や排泥管22等の土砂取出ラインの設置数を減らすことができる。
【0020】
また、両側の回転カッタ2b,2cは、図3に示すように、そのカッタフレーム17が仕切板24に回転自在に嵌まり込み、カッタ面板14が仕切板24の端面を覆うようになっている。これにより、両側の回転カッタ2b,2cのカッタ面板14が、仕切板24およびフード18によりリング状に形成されたその回転カッタ2b,2cの土砂取込口を覆うこととなり、シール性が一層高まる。なお、シール性がよくないと、切羽の土砂(軟弱流動性)が切羽の土圧・水圧によってどんどん土砂取込室20に流入し、切羽の保持が困難になる。
【0021】
上記仕切板24には、図3および図8に示すように、当該仕切板24に沿って形成された土砂流入防止部材26が設けられている。土砂流入防止部材26は、両側の回転カッタ2b,2cのカッタ面板14より高く、中央の回転カッタ2aのカッタフレーム17に当接しない高さ(本実施形態ではビットと同等の高さ)の円弧状の板部27を有している。この土砂流入防止部材26により、中央の回転カッタ2aの裏面(カッタフレーム17)と両側の回転カッタ2b,2cの表面(カッタ面板14)の隙間から図3に矢印Bで示すように土砂取込室20内へ流入する土砂が抑えられ、更にシール性が高まる。
【0022】
上記フード18には、図1、図5および図7に示すように、中央の回転カッタ2aと両側の回転カッタ2b,2cの軸方向の隙間を覆って切羽側に延出された庇部材28が設けられている。庇部材28は、シールドフレーム1の各円の接続部の幅Lを有し、中央の回転カッタ2aのカッタフレーム17に沿って湾曲されている。この庇部材28によって、側部地山の土砂(軟弱流動性)が中央の回転カッタ2aと両側の回転カッタ2b,2cの軸方向の隙間から土砂取込室20に流入することが防止され、更にシール性が高まる。
【0023】
以上説明したように、仕切板24、土砂流入防止部材26および庇部材28によって、切羽前面、側面および上面からの過多な土砂流入を規制できるので、流動制の高い軟弱性地盤であっても、切羽の保持を確実に行うことができる。
【0024】
別の実施形態を図10乃至図12に示す。
【0025】
図10は、仕切板24を中央の回転カッタ2a側に設けたものである。この仕切板24は、庇部材28の前端に回転カッタ2aのカッタフレーム17を囲繞するようにリング状に設けられ、土砂取込口を各回転カッタ2a,2b,2c毎に仕切る。
【0026】
図11(a) は、中央の回転カッタ2aを軸方向後方にずらし、仕切板24および土砂流入防止部材26をその中央の回転カッタ2a側に設けたものである。仕切板24はカッタフレーム17を囲繞するようにリング状に形成され、土砂流入防止部材26はカッタ面板14に沿って円弧状に形成される。図11(b) は、中央の回転カッタ2aを軸方向後方にずらし、仕切板24を両側の回転カッタ2b,2c側に設けたものである。仕切板24はカッタフレーム17に沿って円弧状に形成される。
【0027】
図12(a) は、2連式のシールドを示し、軸方向後方の回転カッタ2x側に仕切板24および土砂流入防止部材26を設けたものである。仕切板24はカッタフレーム17を囲繞するようにリング状に形成され、土砂流入防止部材26はカッタ面板14に沿って円弧状に形成される。図12(b) は、軸方向前方の回転カッタ2y側に仕切板24を設けたものである。仕切板24はカッタフレーム17に沿ってリング状に形成される。
【0028】
いずれの実施形態においても、仕切板24によって土砂取込口(フード18の開口)が各回転カッタ毎に仕切られるので、前実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、切羽の土砂が各回転カッタ同士の隙間から過剰に土砂取込室内に流入することを防止でき、切羽を確実に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す多連型シールド掘進機のシールドフレーム、仕切板および庇部材を示す斜視図である。
【図2】両側の回転カッタの端部を示す拡大図である。
【図3】中央の回転カッタと両側の回転カッタとの重合部を示す拡大図である。
【図4】上記多連型シールド掘進機の平断面図である。
【図5】上記多連型シールド掘進機の平面図である。
【図6】図5の VI-VI線矢視図である。
【図7】図5の VII-VII線矢視図である。
【図8】図5の VIII-VIII線矢視図である。
【図9】図5の IX-IX線矢視図である。
【図10】別の実施形態を示す概略図である。
【図11】さらに別の実施形態を示す概略図である。
【図12】さらに別の実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
2a 回転カッタ
2b 回転カッタ
2c 回転カッタ
2x 回転カッタ
2y 回転カッタ
18 土砂取込口を形成するフード
20 土砂取込室
24 仕切板
26 土砂流入防止部材
28 庇部材
Claims (3)
- 複数の回転カッタを所定間隔を隔てて配置し、これら回転カッタの後方に共通の土砂取込室を設け、該土砂取込室にその土砂取込口を各回転カッタ毎に仕切る仕切板を設けたことを特徴とする多連型シールド掘進機。
- 隣り合う上記回転カッタを軸方向に離間させると共に切羽側に臨んで一部重合させて配置し、
切羽側に臨んで隣り合う一方の軸方向後側の回転カッタの表面と他方の軸方向前側の回転カッタの裏面との隙間を通って切羽側から上記土砂取込室内へ流入する土砂を抑えるべく、上記仕切板に、当該仕切板に沿って形成された土砂流入防止部材を設けた請求項1に記載の多連型シールド掘進機。 - 隣り合う上記回転カッタを軸方向に離間させると共に切羽側に臨んで一部重合させて配置し、
上記土砂取込口が、シールドフレームから切羽側に延出されたフードによって形成され、
該フードに、上記回転カッタの並設方向及び軸方向の両方向に対して直交する方向に臨ませて、上記回転カッタ同士の軸方向の隙間を覆うように切羽側に延出して形成された庇部材を設けた請求項1又は2に記載の多連型シールド掘進機。
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| JP22553096A JP3832901B2 (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | 多連型シールド掘進機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22553096A JP3832901B2 (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | 多連型シールド掘進機 |
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| JP3832901B2 true JP3832901B2 (ja) | 2006-10-11 |
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1996
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