JP3832536B2 - シリコン単結晶の製造方法および引上げ機 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法および引上げ機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー法( Czochralski Method 、CZ法)によるシリコン単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法および引上げ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CZ法によるシリコン単結晶の製造においては、大直径化、高重量化が進んでいる。結晶の大直径化、高重量化には引上げ機の大型化、原料供給量の増大が不可欠である。その際、結晶成長に関わる各過程における処理時間が長くなる傾向があり、大直径化、高重量化に伴う生産性の向上が期待する程にはならず、コストアップの要因になっているという問題がある。
【0003】
その中でも、原料である多量のシリコン多結晶を溶融する工程では比較的多くの時間を要し、原料をルツボに供給する原料供給量に直接比例して溶融時間が長くなっている。CZ法においては、初期の原料をルツボに装填し、ルツボ周囲の黒鉛ヒータからの加熱によって原料を溶解するのが一般的であり、原料溶融時間を短縮する方法としては、補助ヒータ、レーザ等の別の加熱源を併用する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの溶融に別の加熱源を併用する方法では、加熱装置が複雑化し、加熱エネルギーが増加し、設備費がかかるため、コストダウンを図ることにはならないという問題がある上に、結晶製造にも悪影響を及ぼす場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、CZ法により、単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、原料を溶融する際に、通常の引上げ機の炉内構造を維持したままで、雰囲気ガス流量を少量に抑えて系外への放熱量を抑制し、もって原料加熱に供される熱量を増やして原料溶融時間を短縮し、大直径、高重量の単結晶棒の生産性の向上とコストダウンを図ることのできるシリコン単結晶の製造方法とその引上げ機を提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、チョクラルスキー法により、単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、原料を溶融する際に、引上げ機の炉内雰囲気ガス流量を100L/min以下として溶融することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法である。
【0007】
このように、単結晶の原料となるシリコン多結晶を溶融する際に、引上げ機の炉内雰囲気Arガス流量を100L/min以下に少なくすることによって、石英ルツボ内の溶融中の原料表面に接触し、主チャンバー下部から炉外へ排出しているArガスによって原料から直接奪われる熱量を少なくすることができる。従って黒鉛ヒータの発熱量のうち、系外への放熱量が減少し、これによりシリコン多結晶の溶融時間が短縮され、今後の単結晶棒の大直径化、高重量化にも十分適応させることが可能であり、生産性ならびにコストを著しく改善することができる。
【0008】
本発明は、チョクラルスキー法により、単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、原料を溶融する際に、引上げ機の炉内雰囲気ガス流量(L/min)をルツボ口径(mm)の0.23倍以下として溶融することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法である。
このように上記の条件で溶融を行えば、ルツボの口径、原料の量にかかわらず、溶融時間の短縮効果を奏することができる。
【0009】
そしてこの場合、記炉内雰囲気ガス流量のうち、原料に直接接触する割合を、全流量の10〜50%として原料を溶融することができる。
【0010】
このように、炉内雰囲気Arガスの流れを少なくとも二分割し、例えば一方は従来通り溶融ルツボから引上げられる単結晶を収容するプルチャンバーの頂部より石英ルツボ内の原料に直接接触するように流し、その割合を全流量の10〜50%の量にまで減らして流すようにする。他方は、主チャンバーの頂部から導入して主チャンバー全体に行き渡るように流し、その割合を全流量の90〜50%として原料を溶融するようにする。こうすることによってガスによって原料から直接奪われる熱量を少なくすることができるので、黒鉛ヒータからの加熱熱量が効率よく原料溶融用に使用され、溶融時間の短縮を図ることができる。また、このように、プルチャンバーの頂部からのガスを全流量の10%以上50%以下と通常よりも減らしても、原料融液から発生するSiOがプルチャンバー内壁に付着することはほとんどなく、引上げ時に悪影響を与えることは殆どない。
【0011】
さらにこの場合、記原料を溶融する際の炉内雰囲気ガスの圧力を、60hPa以下とすることが望ましい。
このように、炉内雰囲気圧を60hPa以下の減圧状態とし、強制排気すれば、例えガス流量を減少しても悪影響が生じることを回避することができる。
すなわち、原料シリコン多結晶を溶融すると、原料自体や石英ルツボ中に含まれていたガスが気泡となって融液中に溶け込んでゆく。しかし溶融中の炉内圧を60hPa以下の減圧下で溶融を行うと、融液中のガスの溶解度が減り、浮力が増すので、融液外に気泡が揮発し易くなり、気泡ばかりでなく、Na等の不純物類の揮発も促進される。従って、引上げ時に結晶内に気泡によるピンホールが発生したり、気泡や不純物類を原因とする結晶の有転位化を防ぐことができる。
【0012】
また、減圧下、多結晶ブロックが融解する過程や融液になってからの脱泡によって見かけの熱伝導率が高くなる方向に変化し、溶融速度を速くすることができる。
さらに、融液表面から発生しているSiOが、Arガスで搬送され赤熱した黒鉛ヒータと反応してCOが発生し、シリコン融液中に溶け込もうとするが、これも炉内圧が60hPa以下の減圧下で強制排気をすれば、シリコン融液中への溶け込みや結晶への取り込みが抑制され、結晶中のCO起因のカーボン濃度不良率を減少させることができる。
【0013】
次に、本発明は、チョクラルスキー法により、単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の引上げ機において、引上げ機炉内雰囲気ガス導入口が、主チャンバーの頂部およびプルチャンバーの頂部に設置され、かつ排気口が主チャンバー下部に設けられていることを特徴とするシリコン単結晶の引上げ機である。
【0014】
このように、炉内雰囲気ガスの導入口を少なくとも二箇所に設け、ガス流量を所望の比率に分割して流すようにすると、例えば、プルチャンバーの頂部から溶融中の原料表面に直接流れるガス流量を少なくすることができるので、原料からガスによって奪われる熱量が少なくなり、黒鉛ヒータの発熱量が原料溶融用に有効に利用され、原料溶融時間を短縮することができるシリコン単結晶の引上げ機となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述のように、CZ法によるシリコン単結晶の成長に際し、大直径化、高重量化に伴い、原料シリコン多結晶の供給量が増大し、その溶融に長時間を要するようになり、生産性の低下とコストアップの要因となってきた。
そこで、本発明者らは、原料溶融過程における黒鉛ヒータと引上げ機炉内雰囲気ガス間あるいは原料シリコン多結晶間の熱収支を検討した結果、原料溶融時間を短縮するには雰囲気ガス流量とその流通経路が大きく影響していることを見出し、詳細に条件を詰めて本発明を完成させた。
【0016】
シリコン単結晶引上げ機炉内の原料の溶融においては、黒鉛ヒータを加熱源として原料シリコン多結晶を溶解している。黒鉛ヒータの発熱量は原料を保有する石英ルツボとそれを支持している黒鉛ルツボを通して原料に伝わる。原料に伝わった熱の大部分は原料の融解に使われるが、使われないでルツボの周囲に逃げて行く分が存在する。基本的には、輻射と熱伝導によって、炉内に逃げて行くことになるが、チャンバー壁等の強制的に冷却されている部分を除けば、ほぼ定常状態になるので、大きな熱移動はなくなると考えられる。
【0017】
しかし通常、炉内の雰囲気Arガスは、原料の溶融過程においては、プルチャンバーの頂部より導入されてプルチャンバー内を下降し、石英ルツボ内の原料表面に接触した後、主チャンバー下部から炉外へ排出されているので、原料を冷却するように作用しており、このガスによって原料から奪われる熱量が溶融時間に与える影響は比較的大きく、無視することはできない。
【0018】
そこで雰囲気Arガスの流量を変化させて、原料溶融時間に対するガス流量の影響を調査した。
(テスト1)
直径450mmの石英ルツボに多結晶シリコン60kgの原料を充填し、直径150mmのシリコン単結晶を引上げるものとして、溶融時の加熱電力を100kW、炉内圧力を50hPa、炉内雰囲気Arガス流量全量を150、120、100、80、50L/minの5水準に設定し、プルチャンバーの頂部から流して原料の溶融時間を測定した。その結果を、雰囲気Arガスの流量を100L/minとした時の溶融時間を1とした場合の比率で表わし、表1に示した。
【0019】
【表1】
Figure 0003832536
【0020】
表1から100L/minを越えると溶融時間が長くなることが判った。このように、雰囲気Arガス流量を減らせば、原料から直接奪われる熱量を少なくすることができ、黒鉛ヒータの発熱量を効率よく原料溶融用に回すことができるので、これにより溶融時間を短縮することができる。
【0021】
(テスト2)
次に、ガスを減量したことによる溶融時間短縮効果をさらに高める試みとして、炉内雰囲気Arガス流量を二分割することとし、従来通りのプルチャンバー頂部から原料に直接接触する流路と主チャンバー頂部からの流路を設け、分割割合を変化させて溶融時間に対する影響を調査した(図1参照)。調査条件は、ガス流量全量を100L/minとし、分割割合を変化させた以外は前記テスト1と同一条件とした。分割割合は、プルチャンバー/主チャンバー(%)=100/0、75/25、50/50、25/75の4水準とした。テストの結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
Figure 0003832536
【0023】
表2から明らかなように、プルチャンバーの頂部からのArガス流量を減らす程、すなわち、主チャンバーの頂部からのArガス流量を増やす程溶融時間が短縮されているのが判る。
この結果から、原料の溶融過程において、炉内の雰囲気Arガス流量の原料に直接接触する割合を流量全体の10%以上50%以下として溶融を行うようにすれば、溶融時間は10%以上短縮できることが判った。
【0024】
通常、原料溶融中は、炉内雰囲気ガスをプルチャンバーの頂部から全量100%流して不活性雰囲気を作り、炉内圧を保ち、溶融中に原料多結晶から発生するSiO、Na等の不純物ガスを主チャンバー下部から排出している。
これに対して本発明では、原料溶融中は、原料に直接当たらないガスの流れ、すなわち主チャンバーの頂部からの流れをメインとし、全量の90〜50%の量を流すようにした。一方、原料に直接接触するガスは、全量の10〜50%とし、プルチャンバーの頂部から導入しルツボの開口部にむけて下降するようにした。こうすることによってガスによって原料から直接奪われる熱量を少なくすることができるので、原料の冷却が防止され、黒鉛ヒータの発熱量が効率よく原料の溶融に使用されるようになり、溶融時間の短縮が可能となった。また、プルチャンバーの頂部からのガス流量を、10%は確保しているので、原料から発生するSiOがプルチャンバー内壁に付着することがほとんどなく、引上げ時に悪影響を与えることはない。
【0025】
(テスト3)
さらに、炉内圧の影響を調査した。原料多結晶シリコン溶融時の炉内圧を10、50、100hPaの3水準とし、炉内雰囲気Arガス流量全量を100L/min、プルチャンバーと主チャンバーとの分割割合を50%、50%とした以外はテスト1と同一条件で溶融時間を測定した。引き続き、引上げ時の炉内圧を100hPaとして直径150mmの単結晶棒を引上げて、ピンホール発生に起因する不良ロット率、および結晶中カーボン濃度の不良率(0.2ppm以上を不良とした)を調査した(いずれも単結晶棒に対して、これから作製されたウエーハに1枚でも不良が出たら、不良としてカウントした)。テストの結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
Figure 0003832536
【0027】
表3から明らかなように、溶融時間については低圧の方がやや短縮できる傾向を示した。単結晶の品質は炉内圧を60hPa以下にすれば単結晶のピンホールの発生を抑制し、カーボン濃度を低下させることができる。
【0028】
このように、原料を溶融する際に、炉内雰囲気ガスの圧力を60hPa以下として溶融するのがよいことが判った。
これは通常原料多結晶を溶融すると、原料自体や石英ルツボ中に含まれていたガスが気泡となって融液中に溶け込んでゆく。しかし溶融中の炉内圧を例えば60hPa以下の減圧下で溶融を行うと、融液中のガスの溶解度が減り、浮力が増すので、融液外に気泡が揮発し易くなり、気泡ばかりでなく、Na等の不純物類の揮発も促進される。従って、引上げ時に結晶内に気泡によるピンホールが発生したり、気泡や不純物類を原因とする結晶の有転位化を防ぐことができる。
【0029】
また、減圧下、多結晶塊が融解する過程や融液になってからの脱泡によって熱伝導率が高くなる方向に変化し、溶融速度を速くすることができる。
さらに、また融液表面から発生しているSiOが、Arガスで搬送され赤熱した黒鉛ヒータと反応してCOが発生し、シリコン融液中に溶け込もうとするが、これも炉内圧が60hPa以下の減圧として強制排気すれば、シリコン融液中への溶け込みや結晶への取り込みが抑制され、結晶中のCO起因のカーボン濃度不良率を減少させることができる。
【0030】
(テスト4)
次に、ルツボ口径を600mm(24インチ)とし、多結晶シリコン130kgの原料を充填し、直径200mmのシリコン単結晶を引上げるものとして、溶融時の加熱電力を150kWとし、炉内雰囲気Arガス流量を変えて、引上げ機を大型化した場合の影響を調査した。原料多結晶シリコン溶融時の炉内雰囲気Arガス流量全量を100、140、180L/minの3水準とし、その他はテスト1と同一条件でプルチャンバー頂部からArガスを流し溶融時間を比較した。ただし、この場合、ベースとなるルツボ口径450mmの場合と比較して、多結晶原料の量、加熱電力量が大きく相違するため、溶融時間を直接比較するのは難しいので、原料単位重量当りの溶融に要する電力量の比で比較した。テストの結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
Figure 0003832536
【0032】
表4から明らかなように、原料単位重量当りの溶融に要する電力量は、テスト1cのルツボ口径450mm(18インチ)で流量全量100L/minの場合を1とした場合、ルツボ口径に比例してArガス流量全量を140L/minにしたテスト4bでは、ほぼ同じ溶融効率であった。さらに、Ar量を100L/minに減少させたテスト4aでは僅かに溶融効率が向上した。逆に180L/minに増加させたテスト4cでは、溶融効率は低下した。
ルツボ口径600mmの場合、Arガス流量をルツボ口径の0.23倍の140L/min以下であれば、ルツボ口径450mmの場合のガス流量100L/min以下と同様に、溶融を効率的に行うことができる。
このようにArガス流量をルツボ口径の0.23倍以下とすることで、ルツボの口径、原料の量に関わらず、溶融時間を短縮することができる。
【0033】
以下、本発明の方法と引上げ機について、図面を参照しながら具体的に説明する。
先ず、本発明で使用するCZ法によるシリコン単結晶引上げ機の構成例を図1により説明する。
図1に示すように、シリコン単結晶引上げ機1の主チャンバー2のほぼ中央にルツボ3を設け、ルツボ3の底部中央を回転、上下自在の支持軸4で下方より支持している。ルツボ3は、その内側の原料シリコン多結晶5およびシリコン融液8を収容する側には石英ルツボが設けられ、その外側を黒鉛ルツボで保持している。ルツボ3の中に破砕された塊状あるいはペレット状もしくは粒状の原料のシリコン多結晶5を装填し、この原料を断熱材6で囲繞された黒鉛ヒータ7により融点(約1420℃)以上に加熱し、溶融してシリコン融液8とする。
【0034】
主チャンバー2の天井中央には開口部を有し、これに接続したプルチャンバー9の中を通って先端に種結晶10を保持した回転、上下自在の種結晶保持具11およびワイヤ12を降下し、ルツボ内の融液に浸漬した後、種結晶保持具11およびルツボ3を回転しながら種結晶10を引上げると、その下に単結晶棒を成長させることができる。
【0035】
この間、ルツボ3に原料多結晶5を充填し終わった時点で、引上げ機内を真空引きし、その後プルチャンバー9の頂部のガス導入口13と主チャンバー2の頂部のガス導入口14から炉内雰囲気ArガスGを導入し、所望の炉内圧、例えば60hPa以下の炉内圧を保ちながら、主チャンバー2の下部にあるガス排出口15から排気する。そして黒鉛ヒータ7によって加熱することにより、原料シリコン多結晶5の溶融を開始する。
また、プルチャンバーのガス導入量と主チャンバーのガス導入量はそれぞれ独立して流量を制御できるようになっており、その比率を自在に調整できるようになっている。
【0036】
本発明のシリコン単結晶引上げ機と比較のために従来の引上げ機を図2に示した。
基本的な構造については本発明の引上げ機と同じであるが、炉内雰囲気ガスの導入口については、主チャンバーガス導入口は備えておらず、プルチャンバーガス導入口13を装備しているだけであるので、原料の溶融中に主チャンバーからガスを流すことはできない。
【0037】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】
例えば、本発明の実施形態では、直径150mm(6インチ)のシリコン単結晶棒を成長させるものとしているが、近年の200mm(8インチ)〜400mm(16インチ)あるいはそれ以上の大直径化にも十分対応することができる。本発明では、原則としていかなる直径、長さ、重量の単結晶棒あるいはルツボ口径、原料充填量による引上げであっても当然に適用することができる。
また、本発明は、シリコン融液に水平磁場、縦磁場、カスプ磁場等を印加するいわゆるMCZ法にも適用できることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、石英ルツボ内の原料シリコン多結晶の表面に直接当たる炉内雰囲気ガスの流量を低減することにより、原料多結晶から奪う熱量を少なくすることができ、黒鉛ヒータの発熱量を効率よく原料溶融用に使用できるので、効率的な溶融が可能となり、溶融時間を大幅に短縮できる。従って、今後の単結晶棒の大直径化、長尺化、高重量化にも十分適応させることが可能であり、生産性、歩留りならびにコストを著しく改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の雰囲気ガス導入口を備えたシリコン単結晶引上げ機の構成例を示す概略図である。
【図2】従来の雰囲気ガス導入口を備えたシリコン単結晶引上げ機を示す概略図である。
【符号の説明】
1…シリコン単結晶引上げ機、2…主チャンバー、3…ルツボ、4…支持軸、5…原料シリコン多結晶、6…断熱材、7…黒鉛ヒータ、8…シリコン融液、
9…プルチャンバー、10…種結晶、11…種結晶保持具、12…ワイヤ、
13…プルチャンバーガス導入口、14…主チャンバーガス導入口、
15…ガス排気口、16…ゲートバルブ。
G…炉内雰囲気ガス。

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法により、単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、原料を溶融する際に、引上げ機の炉内雰囲気ガス流量を100L/min以下とし、該炉内雰囲気ガス流量のうち、原料に直接接触する割合を、全流量の10〜50%として原料を溶融することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. チョクラルスキー法により、単結晶棒を成長させるシリコン単結晶の製造方法において、原料を溶融する際に、引上げ機の炉内雰囲気ガス流量(L/min)をルツボ口径(mm)の0.23倍以下とし、該炉内雰囲気ガス流量のうち、原料に直接接触する割合を、全流量の10〜50%として原料を溶融することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記原料を溶融する際の炉内雰囲気ガスの圧力を、60hPa以下とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載したシリコン単結晶の製造方法。
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