JPH09241091A - 単結晶育成装置および育成方法 - Google Patents
単結晶育成装置および育成方法Info
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- JPH09241091A JPH09241091A JP5470896A JP5470896A JPH09241091A JP H09241091 A JPH09241091 A JP H09241091A JP 5470896 A JP5470896 A JP 5470896A JP 5470896 A JP5470896 A JP 5470896A JP H09241091 A JPH09241091 A JP H09241091A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】大口径化した坩堝が長時間にわたり高温雰囲気
に曝されることを防ぎ、単結晶を安定して育成するのに
適する装置および育成方法を提供する。 【解決手段】(1) 結晶原料3を収容する坩堝1と、この
原料を溶融する加熱ヒーター2と、これらの部材を収納
する金属チャンバー7と、不活性ガスを供給する手段10
とを具備する単結晶育成装置において、不活性ガスを供
給する手段10には金属チャンバーの上部から供給する配
管14と、坩堝近傍へ供給する配管13と、切り替えバルブ
12とを備え、かつ坩堝近傍へ供給する配管13には不活性
ガスを昇温する加熱装置15が設けられていることを特徴
とする単結晶育成装置。 (2) 結晶原料を加熱ヒーターで溶融して溶融液とし、引
上げ雰囲気中に不活性ガスを供給しつつ結晶を成長させ
る単結晶育成方法において、単結晶を引上げる前の原料
を溶融する段階では予め加熱された不活性ガスを坩堝近
傍へ供給することを特徴とする単結晶育成方法。
に曝されることを防ぎ、単結晶を安定して育成するのに
適する装置および育成方法を提供する。 【解決手段】(1) 結晶原料3を収容する坩堝1と、この
原料を溶融する加熱ヒーター2と、これらの部材を収納
する金属チャンバー7と、不活性ガスを供給する手段10
とを具備する単結晶育成装置において、不活性ガスを供
給する手段10には金属チャンバーの上部から供給する配
管14と、坩堝近傍へ供給する配管13と、切り替えバルブ
12とを備え、かつ坩堝近傍へ供給する配管13には不活性
ガスを昇温する加熱装置15が設けられていることを特徴
とする単結晶育成装置。 (2) 結晶原料を加熱ヒーターで溶融して溶融液とし、引
上げ雰囲気中に不活性ガスを供給しつつ結晶を成長させ
る単結晶育成方法において、単結晶を引上げる前の原料
を溶融する段階では予め加熱された不活性ガスを坩堝近
傍へ供給することを特徴とする単結晶育成方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶の育成装置
およびその装置を用いて単結晶を育成する方法に関し、
より詳しくは、引上げられる単結晶の大径化にともない
高温雰囲気で長時間曝される坩堝の劣化を防止し、トラ
ブルのない単結晶育成装置および育成方法に関する。
およびその装置を用いて単結晶を育成する方法に関し、
より詳しくは、引上げられる単結晶の大径化にともない
高温雰囲気で長時間曝される坩堝の劣化を防止し、トラ
ブルのない単結晶育成装置および育成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製作プロセスでの効率
化を図るため、その素材となるシリコン単結晶を育成す
る過程において、単結晶の大径化(例えば、外径8イン
チ以上)引上げが指向されている。この単結晶の育成過
程では、工業的な育成方法としてチョクラルスキー法
(以下、「CZ法」という)が広く用いられている。
化を図るため、その素材となるシリコン単結晶を育成す
る過程において、単結晶の大径化(例えば、外径8イン
チ以上)引上げが指向されている。この単結晶の育成過
程では、工業的な育成方法としてチョクラルスキー法
(以下、「CZ法」という)が広く用いられている。
【0003】図2は、このCZ法によって単結晶を育成
する装置の概略構成を説明する縦断面図である。装置の
中心に設けられる坩堝1は二重構造であり、内側の石英
坩堝1aと外側のカーボン坩堝1bとで構成される。坩堝1
の外側には加熱ヒーター2が配設されており、坩堝1内
にはこの加熱ヒーター2によって溶融された結晶育成用
材料、つまり引上げ原料の溶融液3が収容されている
(以下の説明で結晶育成用材料、すなわち、結晶原料を
符号3で示す場合もある)。その溶融液3の表面に引上
げ棒6または引上げワイヤの先に取り付けた種結晶4の
下端を接触させ、この種結晶4を上方へ引き上げること
によって、その下端に溶融液3が凝固した育成結晶であ
る単結晶5を成長させていく。これらの部品、部材は水
冷式の金属チャンバー7内に収納され、全体として単結
晶の育成装置を構成している。
する装置の概略構成を説明する縦断面図である。装置の
中心に設けられる坩堝1は二重構造であり、内側の石英
坩堝1aと外側のカーボン坩堝1bとで構成される。坩堝1
の外側には加熱ヒーター2が配設されており、坩堝1内
にはこの加熱ヒーター2によって溶融された結晶育成用
材料、つまり引上げ原料の溶融液3が収容されている
(以下の説明で結晶育成用材料、すなわち、結晶原料を
符号3で示す場合もある)。その溶融液3の表面に引上
げ棒6または引上げワイヤの先に取り付けた種結晶4の
下端を接触させ、この種結晶4を上方へ引き上げること
によって、その下端に溶融液3が凝固した育成結晶であ
る単結晶5を成長させていく。これらの部品、部材は水
冷式の金属チャンバー7内に収納され、全体として単結
晶の育成装置を構成している。
【0004】さらに、単結晶育成の準備段階である原料
の溶融段階から育成終了に至るまで、常時、金属チャン
バー7の上方に設けられた供給口8から雰囲気ガスとし
て不活性ガスが流入されている。通常、これらの不活性
ガスとして高純度のアルゴンガスが使用され、溶融液か
ら発生したSiO ガスや不純物を随伴して、金属チャンバ
ー7の下部に設けられた排出口9から系外に排出され
る。なお、図中で示す矢印は不活性ガスの流通経路を示
している。
の溶融段階から育成終了に至るまで、常時、金属チャン
バー7の上方に設けられた供給口8から雰囲気ガスとし
て不活性ガスが流入されている。通常、これらの不活性
ガスとして高純度のアルゴンガスが使用され、溶融液か
ら発生したSiO ガスや不純物を随伴して、金属チャンバ
ー7の下部に設けられた排出口9から系外に排出され
る。なお、図中で示す矢印は不活性ガスの流通経路を示
している。
【0005】前述の通り、CZ法で引上げられる単結晶
が大径化すると、坩堝内に充填すべき結晶原料の容量を
増加させる必要があるため、それにともなって坩堝の直
径が大きくなる。しかも、結晶原料の溶融段階から単結
晶の育成終了に至るまでに加熱ヒーターに投入される電
力量が増大するとともに、育成に要する時間も長時間に
なる。このため、大口径化した坩堝が、金属チャンバー
内で長時間にわたり高温雰囲気に曝されることになる。
特に、原料を溶融する時間が長くなり、溶融段階で高温
雰囲気に曝される時間が著しく長時間になる。
が大径化すると、坩堝内に充填すべき結晶原料の容量を
増加させる必要があるため、それにともなって坩堝の直
径が大きくなる。しかも、結晶原料の溶融段階から単結
晶の育成終了に至るまでに加熱ヒーターに投入される電
力量が増大するとともに、育成に要する時間も長時間に
なる。このため、大口径化した坩堝が、金属チャンバー
内で長時間にわたり高温雰囲気に曝されることになる。
特に、原料を溶融する時間が長くなり、溶融段階で高温
雰囲気に曝される時間が著しく長時間になる。
【0006】通常、坩堝1の上端部の構造は、石英坩堝
1aの側壁の方がカーボン坩堝1bの側壁よりも上方に高く
なるように構成されている。このため、原料を溶融する
段階または単結晶の引上げ段階で坩堝が高温に曝された
とき、石英坩堝1aの上部が内側に倒れ込む変形を生じ易
く、その変形が著しい場合には、引上げ段階において単
結晶の育成を中止しなければならなくなる。
1aの側壁の方がカーボン坩堝1bの側壁よりも上方に高く
なるように構成されている。このため、原料を溶融する
段階または単結晶の引上げ段階で坩堝が高温に曝された
とき、石英坩堝1aの上部が内側に倒れ込む変形を生じ易
く、その変形が著しい場合には、引上げ段階において単
結晶の育成を中止しなければならなくなる。
【0007】さらに、溶融液から発生したSiO ガスが石
英坩堝1aとカーボン坩堝1bとの間に侵入すると、カーボ
ン坩堝中のカーボン(C)と珪化反応(SiO +C→SiC
)して、カーボン坩堝1bの寿命を劣化させる。すなわ
ち、カーボン坩堝1bと石英坩堝1aとの界面に侵入したSi
O ガスによって、カーボン坩堝1bが珪化され、損傷が著
しく再利用ができなくなる。また、単結晶の引上げ途中
に石英坩堝1aの倒れ込んだ内面にSiO ガスが酸化したSi
O2(微粉末)が付着して、その後溶融液の表面に落下す
ることによって、無転位結晶の引上げができないという
問題も生じる。
英坩堝1aとカーボン坩堝1bとの間に侵入すると、カーボ
ン坩堝中のカーボン(C)と珪化反応(SiO +C→SiC
)して、カーボン坩堝1bの寿命を劣化させる。すなわ
ち、カーボン坩堝1bと石英坩堝1aとの界面に侵入したSi
O ガスによって、カーボン坩堝1bが珪化され、損傷が著
しく再利用ができなくなる。また、単結晶の引上げ途中
に石英坩堝1aの倒れ込んだ内面にSiO ガスが酸化したSi
O2(微粉末)が付着して、その後溶融液の表面に落下す
ることによって、無転位結晶の引上げができないという
問題も生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】CZ法で引上げられる
単結晶の大径化にともない、大口径になった坩堝が長時
間にわたり高温雰囲気に曝されることになる。このた
め、坩堝の変形が著しくなって単結晶の育成を中止せざ
るを得なくなったり、引上げられる単結晶の品質を低下
させるという問題が生じる。しかも、坩堝の変形にとも
なう寿命劣化も深刻な問題となる。
単結晶の大径化にともない、大口径になった坩堝が長時
間にわたり高温雰囲気に曝されることになる。このた
め、坩堝の変形が著しくなって単結晶の育成を中止せざ
るを得なくなったり、引上げられる単結晶の品質を低下
させるという問題が生じる。しかも、坩堝の変形にとも
なう寿命劣化も深刻な問題となる。
【0009】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、大口径化した坩堝が長時間にわたり高温
雰囲気に曝されることを回避して、高純度の半導体用単
結晶を安定して育成するのに適する装置およびその装置
を用いた育成方法を提供することを目的とする。
ものであって、大口径化した坩堝が長時間にわたり高温
雰囲気に曝されることを回避して、高純度の半導体用単
結晶を安定して育成するのに適する装置およびその装置
を用いた育成方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の(1) の
単結晶育成装置および(2) の単結晶育成方法を要旨とし
ている。
単結晶育成装置および(2) の単結晶育成方法を要旨とし
ている。
【0011】(1) 図1に示すように、引上げるべき単結
晶の原料3を収容する坩堝1と、この原料を溶融する加
熱ヒーター2と、これらの部材を収納する金属チャンバ
ー7と、この金属チャンバー内に不活性ガスを供給する
手段10とを具備する単結晶育成装置において、前記不活
性ガスを供給する手段10には不活性ガスを金属チャンバ
ーの上部から供給する配管14と、不活性ガスを坩堝近傍
へ供給する配管13と、不活性ガスの供給経路をいずれか
の配管に切り替えるバルブ12とを備え、かつ前記不活性
ガスを坩堝近傍へ供給する配管13には不活性ガスを昇温
する加熱装置15が設けられていることを特徴とする単結
晶育成装置。
晶の原料3を収容する坩堝1と、この原料を溶融する加
熱ヒーター2と、これらの部材を収納する金属チャンバ
ー7と、この金属チャンバー内に不活性ガスを供給する
手段10とを具備する単結晶育成装置において、前記不活
性ガスを供給する手段10には不活性ガスを金属チャンバ
ーの上部から供給する配管14と、不活性ガスを坩堝近傍
へ供給する配管13と、不活性ガスの供給経路をいずれか
の配管に切り替えるバルブ12とを備え、かつ前記不活性
ガスを坩堝近傍へ供給する配管13には不活性ガスを昇温
する加熱装置15が設けられていることを特徴とする単結
晶育成装置。
【0012】(2) 図1に示した育成装置を用い、坩堝内
の引上げるべき単結晶の原料を加熱ヒーターで溶融して
溶融液とし、引上げ雰囲気中に不活性ガスを供給しつつ
種結晶を前記溶融液の表面に接触させて引き上げること
により結晶を成長させる単結晶育成方法において、単結
晶を引上げる前の原料を溶融する段階では予め加熱され
た不活性ガスを坩堝近傍へ供給することを特徴とする単
結晶育成方法。
の引上げるべき単結晶の原料を加熱ヒーターで溶融して
溶融液とし、引上げ雰囲気中に不活性ガスを供給しつつ
種結晶を前記溶融液の表面に接触させて引き上げること
により結晶を成長させる単結晶育成方法において、単結
晶を引上げる前の原料を溶融する段階では予め加熱され
た不活性ガスを坩堝近傍へ供給することを特徴とする単
結晶育成方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者は、CZ法で引上げられ
る単結晶が大径化して、坩堝に充填される結晶原料の容
量が増加すると、単結晶引上げ前の結晶原料を溶融する
段階における投入電力量が著しく増大し、しかも、溶融
段階で坩堝が高温状態で長時間維持されることに着目し
て本発明を完成した。すなわち、育成過程で常時供給さ
れている不活性ガスを、結晶原料の溶融段階において、
予め昇温して直接坩堝の近傍へ供給することによって、
溶解時間を短縮して、投入される電力量を低減するとと
もに、坩堝が高温雰囲気に曝される時間を大幅に短縮す
ることができる。
る単結晶が大径化して、坩堝に充填される結晶原料の容
量が増加すると、単結晶引上げ前の結晶原料を溶融する
段階における投入電力量が著しく増大し、しかも、溶融
段階で坩堝が高温状態で長時間維持されることに着目し
て本発明を完成した。すなわち、育成過程で常時供給さ
れている不活性ガスを、結晶原料の溶融段階において、
予め昇温して直接坩堝の近傍へ供給することによって、
溶解時間を短縮して、投入される電力量を低減するとと
もに、坩堝が高温雰囲気に曝される時間を大幅に短縮す
ることができる。
【0014】本発明の単結晶育成装置およびその装置を
用いた単結晶育成方法を図1に基づいて説明する。
用いた単結晶育成方法を図1に基づいて説明する。
【0015】図1は、本発明の単結晶育成装置の構成を
説明する図である。通常、単結晶の育成準備として、加
熱ヒーター2を配置するとともに、内側の石英坩堝1aを
囲繞して外側のカーボン坩堝1bを組み立てて坩堝1を構
成し、坩堝内に塊状または粒状の結晶原料3を必要量だ
け充填する。そののち、金属チャンバー7を密閉して単
結晶育成装置を組み立てる。このとき、装置内の空気を
雰囲気ガスと置換するため、不活性ガスの供給手段を作
動させて、装置内を不活性ガス雰囲気にする。
説明する図である。通常、単結晶の育成準備として、加
熱ヒーター2を配置するとともに、内側の石英坩堝1aを
囲繞して外側のカーボン坩堝1bを組み立てて坩堝1を構
成し、坩堝内に塊状または粒状の結晶原料3を必要量だ
け充填する。そののち、金属チャンバー7を密閉して単
結晶育成装置を組み立てる。このとき、装置内の空気を
雰囲気ガスと置換するため、不活性ガスの供給手段を作
動させて、装置内を不活性ガス雰囲気にする。
【0016】前述の通り、不活性ガスは、引上げ過程で
溶融液表面から発生するSiO ガスや不純物を排出するも
のであるから、高純度のアルゴンガスが使用される。
溶融液表面から発生するSiO ガスや不純物を排出するも
のであるから、高純度のアルゴンガスが使用される。
【0017】本発明では、結晶原料3を溶融する段階に
おいて、不活性ガスはガス供給源11から供給管13に流さ
れる。供給経路の選択は切替えバルブ12の切替え操作に
よって行われる。供給管13は不活性ガスを坩堝近傍へ供
給する配管であるから、不活性ガスは坩堝1の近傍まで
導かれて、直接、坩堝内の結晶原料3に吹き付けられ
る。この供給管13には加熱装置15が設けられており、不
活性ガスが供給管13を通過する間に加熱装置15によって
不活性ガスは予め昇温される。予め昇温された不活性ガ
スを結晶原料に吹き付けることによって、塊状または粒
状の結晶原料3が十分に予熱される。
おいて、不活性ガスはガス供給源11から供給管13に流さ
れる。供給経路の選択は切替えバルブ12の切替え操作に
よって行われる。供給管13は不活性ガスを坩堝近傍へ供
給する配管であるから、不活性ガスは坩堝1の近傍まで
導かれて、直接、坩堝内の結晶原料3に吹き付けられ
る。この供給管13には加熱装置15が設けられており、不
活性ガスが供給管13を通過する間に加熱装置15によって
不活性ガスは予め昇温される。予め昇温された不活性ガ
スを結晶原料に吹き付けることによって、塊状または粒
状の結晶原料3が十分に予熱される。
【0018】本発明装置において、加熱装置15は誘導加
熱コイルを用いた電力供給型の加熱装置でもよく、高温
熱媒体を用いて不活性ガスに熱を与える熱交換型の加熱
装置であってもよい。いずれにしても、塊状または粒状
の結晶原料が予熱されるのに十分な熱量が不活性ガスに
付与させればよい。このような目的で不活性ガスが加熱
されるものであるから、加熱温度は 300〜1000℃の範囲
にするのが望ましい。
熱コイルを用いた電力供給型の加熱装置でもよく、高温
熱媒体を用いて不活性ガスに熱を与える熱交換型の加熱
装置であってもよい。いずれにしても、塊状または粒状
の結晶原料が予熱されるのに十分な熱量が不活性ガスに
付与させればよい。このような目的で不活性ガスが加熱
されるものであるから、加熱温度は 300〜1000℃の範囲
にするのが望ましい。
【0019】塊状または粒状の結晶原料3が予熱される
と、結晶原料を収容する坩堝1を回転させながら、加熱
ヒーター2に電力を投入して結晶原料3を溶解する。結
晶原料の溶解は坩堝の底部から始まり、やがてすべての
結晶原料が溶融液となる。すべての結晶原料が溶融され
るまで、不活性ガスは供給管13を経由して坩堝近傍へ供
給され続ける。このように、結晶原料を十分に予熱して
のち結晶原料を溶融することによって、溶融段階での投
入電力を低減できるとともに、溶融時間そのものを短縮
して坩堝を高温雰囲気に長時間曝すことが防げる。
と、結晶原料を収容する坩堝1を回転させながら、加熱
ヒーター2に電力を投入して結晶原料3を溶解する。結
晶原料の溶解は坩堝の底部から始まり、やがてすべての
結晶原料が溶融液となる。すべての結晶原料が溶融され
るまで、不活性ガスは供給管13を経由して坩堝近傍へ供
給され続ける。このように、結晶原料を十分に予熱して
のち結晶原料を溶融することによって、溶融段階での投
入電力を低減できるとともに、溶融時間そのものを短縮
して坩堝を高温雰囲気に長時間曝すことが防げる。
【0020】すべての結晶原料が溶融され、坩堝1内の
溶融液が安定状態になってのち、切替えバルブ12を切り
替えて、不活性ガスはガス供給源11から供給管14に流さ
れる。供給管14は不活性ガスを金属チャンバーの上部か
ら供給する配管であるから、不活性ガスは金属チャンバ
ーの上部に導かれる。一方、溶融液の表面上では、前記
図2で示したように、引上げ棒またはワイヤの先に取り
付けた種結晶の下端を溶融液面に接触させ、この種結晶
を上方へ引き上げていくことによって単結晶を逐次成長
させていく。この間、金属チャンバーの上部に導かれた
不活性ガスは、金属チャンバーの上部から単結晶の引上
げ雰囲気に向けて供給され、最終的に排出口9から金属
チャンバー外に排出される。
溶融液が安定状態になってのち、切替えバルブ12を切り
替えて、不活性ガスはガス供給源11から供給管14に流さ
れる。供給管14は不活性ガスを金属チャンバーの上部か
ら供給する配管であるから、不活性ガスは金属チャンバ
ーの上部に導かれる。一方、溶融液の表面上では、前記
図2で示したように、引上げ棒またはワイヤの先に取り
付けた種結晶の下端を溶融液面に接触させ、この種結晶
を上方へ引き上げていくことによって単結晶を逐次成長
させていく。この間、金属チャンバーの上部に導かれた
不活性ガスは、金属チャンバーの上部から単結晶の引上
げ雰囲気に向けて供給され、最終的に排出口9から金属
チャンバー外に排出される。
【0021】不活性ガスの供給経路となる供給管13、14
は、石英製、黒鉛製、セラミック製等、高温に加熱して
も溶融液中に重金属など不純物の混入が少ない材質で作
製するのが望ましい。
は、石英製、黒鉛製、セラミック製等、高温に加熱して
も溶融液中に重金属など不純物の混入が少ない材質で作
製するのが望ましい。
【0022】本発明装置では、単結晶の育成段階に応じ
て不活性ガスの供給経路として、供給管13または供給管
14を選択し、供給管13を選択する場合には不活性ガスを
昇温することことを特徴としている。このような装置構
成にすることによって、結晶原料の溶融段階において坩
堝が高温雰囲気に曝される時間を大幅に短縮できるの
で、坩堝の変形を減少して坩堝寿命を改善するととも
に、引上げ過程でのトラブルを減少して、単結晶の育成
を効率的に行うことができる。
て不活性ガスの供給経路として、供給管13または供給管
14を選択し、供給管13を選択する場合には不活性ガスを
昇温することことを特徴としている。このような装置構
成にすることによって、結晶原料の溶融段階において坩
堝が高温雰囲気に曝される時間を大幅に短縮できるの
で、坩堝の変形を減少して坩堝寿命を改善するととも
に、引上げ過程でのトラブルを減少して、単結晶の育成
を効率的に行うことができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例に基づいて、具
体的な数値を挙げて説明する。
体的な数値を挙げて説明する。
【0024】(本発明例)図1に示す育成装置を用い
て、直径12インチの半導体用シリコン単結晶の育成を行
った。育成準備として、有効内径Dが 650mm(26イン
チ)である石英坩堝1aとそれを囲繞するカーボン坩堝と
からなる坩堝1を組み立てて、坩堝内に塊状の多結晶シ
リコンを育成に必要な量として 200Kg充填した。供給管
13、14はいずれも石英製とした。
て、直径12インチの半導体用シリコン単結晶の育成を行
った。育成準備として、有効内径Dが 650mm(26イン
チ)である石英坩堝1aとそれを囲繞するカーボン坩堝と
からなる坩堝1を組み立てて、坩堝内に塊状の多結晶シ
リコンを育成に必要な量として 200Kg充填した。供給管
13、14はいずれも石英製とした。
【0025】アルゴンガスをガス供給源11から供給管13
を介して、坩堝1近傍に吹き出した。このときのガス供
給条件は、アルゴンガス温度 300℃で流量60リットル/m
inとした。一方、加熱ヒーターには30ボルトの電圧を印
加して 200アンペアの電流を流し、坩堝を低速回転させ
ながら原料を溶融させた。このとき全ての多結晶シリコ
ンを溶融するのに必要な時間は8Hrであった。
を介して、坩堝1近傍に吹き出した。このときのガス供
給条件は、アルゴンガス温度 300℃で流量60リットル/m
inとした。一方、加熱ヒーターには30ボルトの電圧を印
加して 200アンペアの電流を流し、坩堝を低速回転させ
ながら原料を溶融させた。このとき全ての多結晶シリコ
ンを溶融するのに必要な時間は8Hrであった。
【0026】その後、アルゴンガスの供給を供給管14に
切り替えて、アルゴンガス温度25℃、流量60リットル/m
inの条件で金属チャンバーの上部から供給した。結晶原
料を溶融してのち、図2に示すCZ法で単結晶を育成す
る装置構成とし、通常の育成条件(例えば、引上げ速度
1.0mm/min、坩堝回転7rpm 、結晶回転 20rpm)でシリ
コン単結晶を長さ1200mm製造した。育成状況を把握する
ため、単結晶を20本製造した。
切り替えて、アルゴンガス温度25℃、流量60リットル/m
inの条件で金属チャンバーの上部から供給した。結晶原
料を溶融してのち、図2に示すCZ法で単結晶を育成す
る装置構成とし、通常の育成条件(例えば、引上げ速度
1.0mm/min、坩堝回転7rpm 、結晶回転 20rpm)でシリ
コン単結晶を長さ1200mm製造した。育成状況を把握する
ため、単結晶を20本製造した。
【0027】(比較例)さらに、本発明例と比較するた
め、比較例として原料の溶融段階からアルゴンガスを温
度25℃のままで、金属チャンバーの上部から供給して育
成を行った。その他の条件は、上記の本発明例と同様と
してシリコン単結晶を20本製造した。
め、比較例として原料の溶融段階からアルゴンガスを温
度25℃のままで、金属チャンバーの上部から供給して育
成を行った。その他の条件は、上記の本発明例と同様と
してシリコン単結晶を20本製造した。
【0028】加熱ヒーターに電圧を印加したときから、
全ての多結晶シリコンを溶融するのに必要な時間は11Hr
であった。
全ての多結晶シリコンを溶融するのに必要な時間は11Hr
であった。
【0029】(比較結果)それぞれ育成された単結晶の
育成状況を比較すると、下記のようになる。ただし、引
上げ中止は石英坩堝の変形が著しく、育成作業を中止し
た回数を示し、育成不良は単結晶の育成途中で有転位化
し多結晶化した単結晶の本数比率を示している。
育成状況を比較すると、下記のようになる。ただし、引
上げ中止は石英坩堝の変形が著しく、育成作業を中止し
た回数を示し、育成不良は単結晶の育成途中で有転位化
し多結晶化した単結晶の本数比率を示している。
【0030】 1.本発明例 引上げ中止: 0回 石英坩堝の変形量: なし カーボン坩堝の寿命: 平均10バッチ 育成不良: 5% 2.比較例 引上げ中止: 8回 石英坩堝の変形量: 直径で30mm以上変形が7回 カーボン坩堝の寿命: 平均6バッチ 育成不良: 40% 以上の結果から、本発明例では原料の溶解段階におけ
る、坩堝の高温状態に曝される時間を短縮して、坩堝の
変形量を減少して引上げ中のトラブルを削減し、坩堝寿
命の延長に効果があることが分かる。
る、坩堝の高温状態に曝される時間を短縮して、坩堝の
変形量を減少して引上げ中のトラブルを削減し、坩堝寿
命の延長に効果があることが分かる。
【0031】
【発明の効果】本発明の結晶育成装置および結晶育成方
法を採用すれば、大口径の坩堝が長時間にわたり高温雰
囲気に曝されることが回避できて、坩堝の変形を少なく
して引上げ中のトラブルを減少し、坩堝の寿命を改善す
るとともに、単結晶の育成途中で有転位化を防止でき
る。しかも、原料の溶融段階における投入電力量を削減
することができる。
法を採用すれば、大口径の坩堝が長時間にわたり高温雰
囲気に曝されることが回避できて、坩堝の変形を少なく
して引上げ中のトラブルを減少し、坩堝の寿命を改善す
るとともに、単結晶の育成途中で有転位化を防止でき
る。しかも、原料の溶融段階における投入電力量を削減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単結晶育成装置の構成を説明する図で
ある。
ある。
【図2】CZ法によって単結晶を育成する装置の概略構
成を説明する縦断面図である。
成を説明する縦断面図である。
1…坩堝、 1a…石英坩堝、 1b…カーボン坩堝 2…加熱ヒーター、 3…溶融液(結晶原料)、 4…
種結晶 5…単結晶、 6…引上げ棒、 7…金属チャンバー 8…供給口、 9…排出口、 10…ガス供給手段、 11
…ガス供給源 12…切替えバルブ、 13、14…供給管、 15…加熱装置
種結晶 5…単結晶、 6…引上げ棒、 7…金属チャンバー 8…供給口、 9…排出口、 10…ガス供給手段、 11
…ガス供給源 12…切替えバルブ、 13、14…供給管、 15…加熱装置
Claims (2)
- 【請求項1】引上げるべき単結晶の原料を収容する坩堝
と、この原料を溶融する加熱ヒーターと、これらの部材
を収納する金属チャンバーと、この金属チャンバー内に
不活性ガスを供給する手段とを具備する単結晶育成装置
において、前記不活性ガスを供給する手段には不活性ガ
スを金属チャンバーの上部から供給する配管と、不活性
ガスを坩堝近傍へ供給する配管と、不活性ガスの供給経
路をいずれかの配管に切り替えるバルブとを備え、かつ
前記不活性ガスを坩堝近傍へ供給する配管には不活性ガ
スを昇温する加熱装置が設けられていることを特徴とす
る単結晶育成装置。 - 【請求項2】坩堝内の引上げるべき単結晶の原料を加熱
ヒーターで溶融して溶融液とし、引上げ雰囲気中に不活
性ガスを供給しつつ種結晶を前記溶融液の表面に接触さ
せて引き上げることにより結晶を成長させる単結晶育成
方法において、単結晶を引上げる前の原料を溶融する段
階では予め加熱された不活性ガスを坩堝近傍へ供給する
ことを特徴とする単結晶育成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5470896A JPH09241091A (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 単結晶育成装置および育成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5470896A JPH09241091A (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 単結晶育成装置および育成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09241091A true JPH09241091A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=12978310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5470896A Pending JPH09241091A (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 単結晶育成装置および育成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09241091A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100958296B1 (ko) * | 2007-12-28 | 2010-05-19 | 주식회사 실트론 | 단결정 잉곳 제조장치 |
CN105040094A (zh) * | 2015-07-16 | 2015-11-11 | 中山兆龙光电科技有限公司 | 一种蓝宝石单晶炉用变温度气体充气系统及控制方法 |
-
1996
- 1996-03-12 JP JP5470896A patent/JPH09241091A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100958296B1 (ko) * | 2007-12-28 | 2010-05-19 | 주식회사 실트론 | 단결정 잉곳 제조장치 |
CN105040094A (zh) * | 2015-07-16 | 2015-11-11 | 中山兆龙光电科技有限公司 | 一种蓝宝石单晶炉用变温度气体充气系统及控制方法 |
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