JP2002201094A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法

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JP2002201094A
JP2002201094A JP2000402640A JP2000402640A JP2002201094A JP 2002201094 A JP2002201094 A JP 2002201094A JP 2000402640 A JP2000402640 A JP 2000402640A JP 2000402640 A JP2000402640 A JP 2000402640A JP 2002201094 A JP2002201094 A JP 2002201094A
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growth furnace
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Masahiro Dotsuko
正浩 独古
Norio Watanabe
則夫 渡辺
Takahiro Koiso
隆浩 小磯
Katsuhiro Yoshida
勝浩 吉田
Hideaki Suzuki
英明 鈴木
Toshio Sugama
俊夫 須釜
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CZ法を用いたシリコン単結晶の製造工程に
おいて、シリコン融液からの単結晶の引上げを終え、加
熱ヒータによるシリコン融液の加熱を停止して、育成炉
や炉内部材の酸化物除去等を行う整備作業のために育成
炉を所望の温度まで降温する際の、育成炉降温時間の短
縮を図ることに加え、育成炉降温時にシリコン単結晶の
製造原料である不活性ガスの消費と製造装置の使用電力
を抑え、生産性向上とコスト低減を図るためのシリコン
単結晶の製造方法を提供する。 【解決手段】 育成炉を備えたシリコン単結晶製造装置
を用いたチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製
造方法であって、シリコン単結晶引上げ終了後の該育成
炉の降温を、該育成炉の内部に不活性ガスを流通させる
ことなく密封した状態で行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法(Czochralski Method、以下「CZ法」と称するこ
とがある。)を用いてシリコン半導体単結晶(以下「シ
リコン単結晶」と称する。)を育成するシリコン単結晶
の製造方法に関する。
【0002】
【関連技術】CZ法を用いたシリコン単結晶の育成にお
いては、単結晶の原料となる多結晶シリコンを融点であ
る1420℃以上に加熱して融液とし、その溶融液から
シリコン単結晶を育成するものである。そして、シリコ
ン単結晶はこのような高温下で結晶成長を行う必要があ
ることから、シリコン単結晶を育成するCZ法の製造装
置に備えられた育成炉は、その内部を高温下での断熱特
性や機械強度に優れた黒鉛材を用いて構成している。
【0003】しかし、高純度の黒鉛材は、高温の状態で
空気に触れると激しく酸化することから、単結晶製造時
には育成炉の内部を清浄に保つことに加え、育成炉の内
部に配置された加熱ヒータや育成炉の炉壁を保護する断
熱材等の黒鉛で作られた炉内部材を酸化から保護するた
めに、不活性ガスで炉内を満たして操業を行っている。
【0004】そして、シリコン単結晶の引上げを終え、
次の単結晶製造の準備のために製造装置の育成炉を開放
して、内部の構成部材に付着したSiO(酸化珪素)等
の酸化物を取り除いたり、劣化部品の交換を行う等の整
備作業を行うにあたっても、高温の状態で育成炉を開放
することは、黒鉛製の炉内部材を酸化させることになる
ため、部材の温度が外気と接触しても酸化しない温度ま
で低下させてから育成炉を開放し、作業に適した温度と
なったところで、次の単結晶製造に備えた製造装置の整
備作業を行うものである。
【0005】シリコン単結晶の引上げを終了した後、シ
リコン融液を熱する加熱ヒータの電源を切った上で育成
炉の降温を行う作業は、通常は、製造装置育成炉の炉内
の圧力を単結晶育成時と略同じ200hPa程度以下の
減圧状態に保ち、炉内に置かれている黒鉛製の炉内部材
が酸化しないよう、窒素(N2)ガス等の不活性ガスを
流通しつつ、育成炉の整備作業に適した温度まで下がる
まで放置しておくものである。
【0006】一般的に、高温の育成炉を効率よく冷却す
るためには、育成炉内を減圧の状態とし不活性ガスを流
しながら降温作業を行うことが、炉壁や炉内部材への酸
化物の付着を防ぎ、比較的短い時間で炉内温度を効果的
に低下させることが可能なものと思われてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、直径が200
mmを超える大直径のシリコン単結晶や、単結晶の生産
性を高めるため定径部の長さを極力長くした大型のシリ
コン単結晶を育成する装置では、多くの原料融液や大型
の単結晶を炉内に保持する必要があることから、製造装
置そのものも大型化してきている。このような製造装置
の大型化に伴って、製造装置の育成炉の内部に配置する
加熱ヒータや断熱材等の炉内部材も大型化し、複雑で大
きな部材が炉内に配置されるようになってきた。
【0008】そして、これらの要因により育成炉そのも
のの熱容量も増大し、単結晶引上げ終了後に加熱ヒータ
の電源を落として一定温度まで降温し、整備作業のため
に育成炉を開放できるようになるまでの時間は、長時間
化する一途である。
【0009】このような状況の中で、シリコン単結晶の
引上げを終えた後に育成炉の整備作業を行うため、14
00℃以上にもなっている高温の炉内を常温近くまで降
温させる作業は結晶育成には直接寄与しない作業であ
り、且つ、育成炉が冷えるまで製造装置を単に放置して
おくだけの作業であることから、可能な限り製造装置の
放冷時間を短くし、装置の停止時間を短縮することが重
要視される。育成炉の放冷は、製造工程の1割程度もの
作業時間を割くものであり、シリコン単結晶の量産ある
いは製造装置の稼動率を高める意味においても、極力短
縮が図られるべき工程である。
【0010】また、育成炉を高温の状態から常温付近の
温度に戻す降温作業の方法も、単結晶の製造コストを鑑
みれば見直す必要が生じている。
【0011】例えば、育成炉の降温を行う際に、育成炉
内部を外部の圧力よりも低い減圧(以下、低圧とも言
う。)に保った状態で、不活性ガスを流しながら炉内の
冷却を図るという方法は、単結晶育成の原料でもある不
活性ガスを冷却が終わるまで流し続ける必要があり、貴
重な原料ガスを無駄に使用しているものとも考えられ
る。
【0012】更に、炉内に不活性ガスを流しながら低圧
に維持するためには、単結晶製造装置に取り付けられて
いる排気ポンプ等の低圧の状態を維持するための装置
を、継続して運転し続ける必要があるので、電力消費も
大きなものとなる。特に、大型の装置では排気ポンプ等
も大型のものを使用しており、装置の大型化に伴いラン
ニングコストが高くなることは言うまでもない。
【0013】本発明は、このような問題点に鑑みて成さ
れたものであり、CZ法を用いたシリコン単結晶の製造
工程において、シリコン融液からの単結晶の引上げを終
え、加熱ヒータによるシリコン融液の加熱を停止して、
育成炉や炉内部材の酸化物除去等を行う整備作業のため
に育成炉を所望の温度まで降温する際の、育成炉降温時
間の短縮を図ることに加え、育成炉降温時にシリコン単
結晶の製造原料である不活性ガスの消費と製造装置の使
用電力を抑え、生産性向上とコスト低減を図るためのシ
リコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する為
に、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、育成炉を備
えたシリコン単結晶製造装置を用いたチョクラルスキー
法によるシリコン単結晶の製造方法であって、シリコン
単結晶引上げ終了後の該育成炉の降温を、該育成炉の内
部に不活性ガスを流通させることなく密封した状態で行
うことを特徴とする。
【0015】CZ法を用いてシリコン単結晶を育成する
場合、育成炉に収容されたシリコン融液からのシリコン
単結晶引上げを終え、高温の育成炉内部の温度を常温近
くまで降下させるには、シリコン融液を加熱する加熱ヒ
ータの電源を落とした後に、育成炉の内部を不活性ガス
で満たし圧力を所望の値に調整し、不活性ガスの供給を
止め、育成炉を密封した状態に保って炉内の降温を行え
ば、不活性ガス等を無駄に使用することなく炉内温度を
降温させることができる。
【0016】通常、育成炉の降温を行う際には、不活性
ガスを炉内に流通しながら炉内を冷却した方がより早く
炉内温度を降温できるものと考えられているが、育成炉
への不活性ガスの供給を止め、育成炉を密封した状態で
降温を行っても、目的とする温度まで炉内温度を下げる
時間に殆んど違いは見られない。
【0017】シリコン単結晶の育成時に育成炉に蓄積さ
れた熱は、その殆んどが熱伝導率の高い金属で造られた
育成炉の炉壁から外部へと移送され、炉内温度が降温さ
れるものであり、炉内に不活性ガスを流通することによ
って除去される熱量に比べれば遥かに育成炉の炉壁から
奪われる熱の方が大きいものと考えられる。
【0018】特に、シリコン単結晶製造装置の育成炉
は、高温の輻射熱から炉壁を守るために、炉壁を二重構
造として隙間に冷却水を流し、強制的に炉壁を冷やす構
造としたものが多く用いられている。これによって、よ
り多くの熱が、炉壁を通して外部へと移送される。そし
て、育成炉を降温する際に、不活性ガスを育成炉内部に
閉じ込めた状態で降温を行うことにより、育成炉内にあ
る炉内部材からの熱がより炉壁に伝えられ易くなるもの
と思われる。
【0019】この場合、育成炉の内部の圧力を常圧〜4
00hPaとなる範囲の圧力で密封し、単結晶引上げ終
了後の該育成炉の降温を行うのが最も効率的である。
【0020】育成炉の降温を行う場合には、炉内を密封
した状態で可能な限り高圧に保って冷却を行った方が、
より早く降温を行うことがきるものであるが、育成炉を
高圧にするには装置を耐圧構造とする等の装置の変更も
必要であり、装置コストを考えれば育成炉外部と同じ圧
力である常圧として、炉内の降温を行うのが望ましいも
のである。
【0021】但し、育成炉を常圧の状態に保つことは、
外気圧と略同じ状態に炉内圧力を維持するということで
あり、圧力の調整が難しいなどの難点もある。好ましく
は、育成炉の圧力を高めに保って降温を行う場合でも、
800hPa程度に止めて降温を行うのが望ましい。
【0022】炉内を800hPaの、常圧よりもやや低
い圧力に保って降温を行えば、育成炉にリークがあった
場合でも直ぐに知ることができるし、装置も従来のもの
に特別な機能を付加することなく使用可能である。
【0023】また、育成炉を密封して降温を行う際の炉
内圧の下限値は、400hPa程度に止めておくべきで
ある。400hPa以下では、炉内の不活性ガスの密度
が低くなり過ぎるため、炉内に配置されている炉内部材
の熱を効率よく炉壁へ伝えることが難しくなる。育成炉
を密封し降温時間をより短縮するには、炉内の圧力を4
00hPa以上、より好ましくは500hPa以上に保
って冷却を行うのが望ましい方法である。
【0024】この時、育成炉を密封して降温冷却を図る
時に用いる不活性ガスは、アルゴン(Ar)ガスを用い
るのが好ましい。降温時に育成炉を満たす不活性ガス
は、窒素(N2)等でも良いが、一般にシリコン単結晶
の育成ではアルゴンガスが多く用いられており、置換作
業等の必要性や経済性を考えれば単結晶形成時に使用し
ているアルゴンをそのまま用いて炉内圧力を調整し、育
成炉を密封するのが適切である。
【0025】また、シリコン単結晶の形成を終了した後
の、育成炉の密封を図るタイミングは、シリコン単結晶
を育成炉上部へ巻き上げ加熱ヒータへの電力供給を停止
し、ルツボに収容されたシリコン融液が固化した後に、
炉内圧力を調整し密封するのが良い。
【0026】単結晶育成が終りシリコン融液の加熱を止
めた後でも、余熱によりシリコン融液は高温の状態にあ
る。この時、融液からはシリコンの酸化物が蒸発してい
るので、シリコンが融液の状態にある時に育成炉を密封
すると、炉内温度を低下させた際に、炉壁や炉内部材表
面にシリコンの酸化物が析出し、育成炉降温後の整備作
業の負担が大きくなる。
【0027】このような事態を避けるためには、シリコ
ン融液が固化するのを待ってから育成炉を密封すれば、
炉壁や炉内部材にシリコンの酸化物が付着することを抑
制できる。少なくとも、シリコン融液の加熱を終え後、
シリコン融液の表面が固化し、融液からの蒸発物の飛散
が無くなった段階で密封を行えば好ましいものである。
【0028】そして、育成炉をアルゴンガス等の不活性
ガスで満たし密封した後、炉内温度が十分に低下して育
成炉を開放するときは、育成炉の内部の温度が500℃
以下になってから育成炉の開放を行うべきである。
【0029】育成炉の温度が500℃以下まで下がった
状態で育成炉を開放すれば、炉内に置かれている黒鉛材
等で作られた炉内部材の温度も十分に低下しているの
で、外気と触れたことにより酸化することもない。
【0030】育成炉開放の後は、直ぐに育成炉内の炉内
部材を取り出して、酸化物の除去や劣化部品の交換作業
を行っても良いし、育成炉を開放した状態で更に炉内部
材の温度が下がるまで放置しておいても問題ないもので
あり、作業設備や工程に応じて育成炉の整備作業を進め
れば好ましいものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添
付図面を参照しながら、CZ法を用いたシリコン単結晶
の育成例を挙げて説明するが、本発明はこれらのみに限
定されるものではない。例えば、本発明のシリコン単結
晶の製造方法は、シリコン融液に磁場を印加しながら半
導体単結晶を育成するMCZ法(Magnetic Field App
liedCzochralski Method、磁界下引上法)を用いたシ
リコン単結晶の製造でも、当然利用することは可能であ
る。
【0032】図1は、本発明のシリコン単結晶の製造方
法を実施するための、シリコン単結晶製造装置の一つの
形態を示す概略断面図である。
【0033】図1に示されるシリコン単結晶製造装置1
0の育成炉12は、育成炉本体14と上部育成炉16か
ら構成される。育成炉本体14内部には、シリコン融液
Mを収容した石英製ルツボ18と、この石英製ルツボ1
8を保持し保護するために、黒鉛製ルツボ20が石英製
ルツボ18の外側に配置されている。
【0034】そして、黒鉛製ルツボ20の外周には、石
英製ルツボ18に収容された原料である多結晶シリコン
を加熱し、溶融してシリコン融液Mとするための黒鉛製
の加熱ヒータ22が設置されている。シリコン単結晶S
の育成時には、シリコン単結晶製造装置10の下部に備
えられた金属電極24を通して黒鉛電極26より加熱ヒ
ータ22に電力が供給され発熱し、多結晶シリコンを融
解した後に、シリコン融液Mの温度を所望の値に保持し
てシリコン単結晶Sの成長を図るものである。
【0035】また、加熱ヒータ22と育成炉本体14の
炉壁14aの間には、金属製の炉壁14aを保護し育成
炉本体14の内部を効率的に保温するために、黒鉛材で
作られた断熱材28が置かれている。なお、育成炉本体
14はシリコン単結晶育成時に炉壁14aが必要以上に
高温に加熱されることを防止する目的で、炉壁14aを
二重構造とし、炉壁14aの間に冷却水Wを流して強制
冷却を行いながらシリコン単結晶Sの育成を行うように
構成されている。
【0036】一方、育成炉本体14の略中央に配置され
た黒鉛製ルツボ20は、底部を黒鉛製のルツボ支持軸3
0によって支持されており、ルツボ支持軸30の下端部
に取り付けられたルツボ軸駆動機構32によって、上下
動、回転動自在とされているものである。これによって
単結晶育成時にシリコン融液Mの液面を一定位置に保持
したり、ルツボ18,20を所望の方向や速さで回転さ
せることができるようになっている。
【0037】そして、育成炉本体14の底部にも底部断
熱材34が置かれ、育成炉本体14の底壁14bが、加
熱ヒータ22の輻射熱等により高温に曝されるのを防止
したり、育成炉本体14の保温効果を高める役目を担っ
ている。
【0038】また、シリコン単結晶Sの育成時には、シ
リコン融液Mから蒸発する酸化物が、育成炉12の炉壁
14aや断熱材28等の炉内部材に付着するのを防止す
るため、アルゴンガス等の不活性ガスGを育成炉12に
流通しながら結晶成長を行う必要がある。この為、育成
炉本体14の底部には、不活性ガスGを炉外へ排気する
ための排ガス管36と、育成炉12内部の圧力を調整す
るための圧力制御装置38が備えられている。シリコン
単結晶Sの育成時には、この圧力制御装置38によって
炉内の圧力が所望の値に調整される。
【0039】更に、排ガス管36には排ガス管開閉弁4
0が取り付けられ、育成炉12を密封するとき等、必要
に応じて育成炉12からの排ガスを遮蔽したり、排出し
たり自在に可能なものとされている。
【0040】一方、育成炉本体14の天井部には、シリ
コン融液Mから引上げられたシリコン単結晶を収容し取
り出すための上部育成炉16が連通して設置されてお
り、単結晶育成時にはこの上部育成炉16内でシリコン
単結晶Sを放冷し、取り出し可能な温度となるまで結晶
温度が低下したら、上部育成炉16のドア(不図示)を
開けてシリコン単結晶Sを育成炉12の外部へと移す。
【0041】上部育成炉16の下方部には、シリコン単
結晶Sの放冷等の際に上部育成炉16と育成炉本体14
を分け隔てるためのゲートバルブ42が設けられてい
る。このゲートバルブ42を開閉することによって、シ
リコン単結晶Sを炉外へ取り出すときや、あるいは単結
晶Sの育成作業終了時に育成炉本体14を降温する作業
等の時に、上部育成炉16と育成炉本体14を分離し、
効率的にシリコン単結晶Sの製造作業を行えるようにし
ている。
【0042】また、上部育成炉16及び育成炉本体14
の上部には、育成炉12の内部に不活性ガスGを導入す
るためのガス導入管44a,44bが備えられており、
結晶成長作業の工程に合わせて、ガス導入管44a,4
4bより育成炉12へ不活性ガスGが導入される。この
時、シリコン単結晶S育成中でゲートバルブ42が開い
ている時には上部育成炉16の上方に備えられたガス導
入管44aより不活性ガスGが育成炉12内に導かれる
が、シリコン単結晶Sが融液から離れ上部育成炉16に
収容され放冷する時は、ゲートバルブ42が閉じている
ので育成炉本体14の上部にあるガス導入管44bより
育成炉本体14に不活性ガスGが流通されるものであ
る。
【0043】ガス導入管44a,44bには、作業工程
に合わせて所望量の不活性ガスGを育成炉12内に導入
するために、その途中にガス流量制御装置46が備えら
れ、育成炉12の炉壁14a,16aへの蒸発物の付着
状態や、シリコン単結晶Sの育成条件によって育成炉1
2に流す不活性ガスGの量を調整できるようにしてい
る。
【0044】また、ガス導入管44a,44bには育成
炉12を密閉したり、育成炉12内に導入する不活性ガ
スGを、上部育成炉16のガス導入管44aから出す
か、あるいは育成炉本体14のガス導入管44bから出
すかを制御するためのガス導入管開閉弁48a,48b
が設けられている。このガス導入管開閉弁48a,48
bを開閉することによって、必要に応じた位置から不活
性ガスGを育成炉12内に送入したり、排ガス管開閉弁
40と併せて操作することによって育成炉12を密封可
能とするものである。
【0045】一方、育成炉12の上部には、シリコン融
液Mからシリコン単結晶Sを引上げるための、引上げワ
イヤー50を巻き出しあるいは巻き取るワイヤー巻き取
り機構52が備えられている。このワイヤー巻き取り機
構52から巻き出された引上げワイヤー50の先端部に
は、種結晶54を保持するための種ホルダー56が取り
付けられており、この種ホルダー56に種結晶54を係
止して、種結晶54先端をシリコン融液M表面に接融し
引上げることによって、種結晶54の下方にシリコン単
結晶Sを育成するものである。
【0046】次に、本発明のCZ法によるシリコン単結
晶の製造方法について説明する。最初に、シリコン単結
晶製造装置10の育成炉本体14内部に設置された石英
製ルツボ18に多結晶シリコン塊を充填し、シリコン単
結晶製造装置10の育成炉12をアルゴンガス等の不活
性ガスGで置換し満たした後、黒鉛製ルツボ20の外側
に置かれた加熱ヒータ22を発熱させて、シリコンの融
点である1420℃以上に多結晶シリコンを加熱してシ
リコン融液Mを得る。
【0047】この時、育成炉12の内部は、シリコン融
液Mから蒸発するSiO等の酸化物が育成炉12内部の
温度の低い部分に析出付着しないよう、常時、不活性ガ
スGを育成炉12に流しながら50〜300hPaの低
圧に保って、シリコン融液Mからの蒸発物を育成炉12
の外へと排出しシリコン単結晶Sを育成する。
【0048】そして、これはシリコン単結晶Sの引上げ
時においても同様であり、不活性ガスGにより育成炉1
2内を常に清浄に保つことによって、育成炉12内に付
着した酸化物等による有転位化を防止し、安定した結晶
成長が行われるようにしている。
【0049】石英製ルツボ18に収容された全ての多結
晶シリコンが溶解したところで、シリコン融液Mの温度
をシリコン単結晶Sの成長に適した温度に調整し安定さ
せ、引上げワイヤー50を静かに巻き出して、種ホルダ
ー56に取り付けられた種結晶54の先端部をシリコン
融液Mの表面に着液させる。そして、黒鉛製ルツボ20
と種結晶54をそれぞれ反対方向に回転させながら、シ
リコン融液Mに接融させた種結晶54を引上げワイヤー
50により巻き取り徐々に引上げることによって、種結
晶54の下方にシリコン単結晶Sを成長させるものであ
る。
【0050】種結晶54の下方に、所定径を有するシリ
コン単結晶Sを育成するには、まず種結晶54をシリコ
ン融液Mに着液させた際の熱衝撃によって生じるスリッ
プ転位を除去するために、結晶径を細く絞ってスリップ
転位を消滅させる。その後、今度は所定の径となるまで
径拡大を行い所望の径となったところで径拡大を止め、
一定の直径でシリコン単結晶Sを育成していく。
【0051】所定径を有するシリコン単結晶Sを所望長
さ引上げたならば、シリコン単結晶Sをシリコン融液M
から切り離した時に生じる温度変化によって育成された
シリコン単結晶Sにスリップ転位がもたらされないよ
う、今度は徐々に結晶径を小さくして縮径部を形成した
後に、シリコン単結晶Sをシリコン融液Mから切り離す
ものである。
【0052】その後、静かにシリコン単結晶Sを上部育
成炉16まで巻き上げ、ゲートバルブ42を閉じて結晶
温度が常温近くまで放冷されるのを待ち、上部育成炉1
6から取り出しシリコン単結晶Sを炉外へと移動する。
【0053】そして、シリコン単結晶Sを育成炉12か
ら取り出し後にシリコン単結晶製造装置10を停止する
場合は、シリコン単結晶Sが上部育成炉16まで巻き上
げられたところで加熱ヒータ22の電源を切り、巻き上
げられた結晶を放冷すると同時に、育成炉本体14内部
の降温も行い育成炉12を常温に戻す作業をする。
【0054】育成炉12あるいは育成炉本体14を常温
に戻すには、まずゲートバルブ42を閉じて上部育成炉
16と育成炉本体14を分離し、石英製ルツボ18に残
されているシリコン融液Mの表面が固化するまで、育成
炉本体14の上方から不活性ガスGを流し、融液から蒸
発するシリコンの酸化物が炉内で付着しないよう育成炉
12の外部へと排出を継続する。
【0055】シリコン融液Mの表面が固化、あるいはシ
リコン融液M全体が固化したところで育成炉12内部の
圧力を降温に適した圧力に調整し、育成炉12内圧が安
定したら排ガス管開閉弁40とガス導入管開閉弁48
a,48bを閉じて、育成炉12を密封し育成炉12内
の降温を継続する。
【0056】そして、育成炉本体14の炉内圧力を監視
しながら、加熱ヒータ22の電源を切った後、密封した
状態で3時間以上放置することにより、育成炉本体14
の温度が所定の値まで低下するのを待つ。但し、育成炉
12を密封し降温している間に炉内圧力が変化した場合
には、一時的に密封をといて圧力を調整して所望の値と
し降温を行うのが望ましい。
【0057】育成炉本体14内の温度が500℃程度以
下になったところで、育成炉12の圧力を外気圧と同じ
圧力(常圧)に調整し育成炉12を開放して、内部に配
置された加熱ヒータ22あるいは断熱材28等の炉内部
材を取り出し、炉内部材や炉壁14a,16a等に付着
したシリコンの酸化物を除去したり、交換が必要となっ
た消耗品を取り替える等の整備作業を行い、次のシリコ
ン単結晶Sの育成準備を整えて作業を終了する。
【0058】なお、シリコン単結晶製造装置10の育成
炉12の構造は、育成するシリコン単結晶Sの品種や特
性によって随時変更されるものであり、シリコン単結晶
製造装置10の熱量は、その大きさや育成炉12の構造
によって変化する。従って、本発明の方法により育成炉
12の内部を降温する時間は、3時間程度以上であれば
かなり低い温度まで低下させることができるが、熱容量
が大きな育成炉12を有するシリコン単結晶製造装置1
0では、更に密封時間を長く取ることにより確実に炉内
の降温を行う必要があり、育成炉12の降温時間はその
構造や大きさによって、適宜選択されるべきものであ
る。
【0059】
【実施例】以下、実施例並びに比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定して解
釈されるものではない。
【0060】(実施例1)図1と同様のシリコン単結晶
の育成装置を用いて、本発明の方法を実施した。まず、
シリコン単結晶製造装置の石英製ルツボにシリコン単結
晶の原料となる多結晶シリコンを40kg仕込み、育成
炉内をアルゴンガスに置換して200hPaの減圧状態
に保ち、加熱ヒータを発熱させ多結晶シリコンの融解を
行いシリコン融液を得た。
【0061】その後、炉内を200hPa程度の減圧状
態に維持しアルゴンガス200リットル/minを流通
しつつ、シリコン融液の温度が安定したところで引上げ
ワイヤーを降ろし、先端部に取り付けられた種結晶を融
液表面に接融し、種結晶とルツボを反対方向に回転させ
ながら引上げワイヤーを巻き取り、種結晶の下方に直径
が略15cmのシリコン単結晶を育成した。育成したシ
リコン単結晶は、常温まで放冷冷却し炉外へ取り出して
重量を測定したところ26kgの重量を有していた。
【0062】シリコン単結晶を上部育成炉に収容した後
に育成作業を終えるため、育成炉のゲートバルブを閉じ
育成炉本体を密封できる状態にて、加熱ヒータの電源を
落としシリコン融液が固化するのを待った。この時、シ
リコン融液からの酸化物を炉外へ排出するために、育成
炉本体の圧力を200hPaとし200リットル/mi
nのアルゴンガスを流しておいた。
【0063】加熱ヒータの電源を落とした後、30分程
度でシリコン融液の表面全面が固化したので、育成炉本
体の圧力を500hPaまで上げ、圧力が安定したとこ
ろでアルゴンガスの送入を止め、育成炉本体を密封し炉
内の降温を継続した。この状態で加熱ヒータの電源を切
ってから3.5時間放置した後に、育成炉を開放して炉
内に配置された炉内部材の温度測定を行った。
【0064】この時の炉内部材の温度測定値は、450
℃前後の値を示していた。温度測定を終えた後、育成炉
から炉内部材を取り出して炉内の解体清掃等の整備作業
を行った。この時、育成炉の降温が不十分であったこと
による炉内部材の酸化が認められるかどうかを目視によ
り検査したが、特に炉内部材に異常は観察されず適切に
育成炉の冷却が行われたことを確かめた。
【0065】(実施例2)図1に示すシリコン単結晶の
製造装置を用いて、実施例1と同様に石英製ルツボに多
結晶シリコンを40kg入れ、重量が同様に約26kg
のシリコン単結晶を育成した。そして、シリコン単結晶
を上部育成に収容してゲートバルブを閉じ、加熱ヒータ
の電源を落として育成炉の降温作業に移った。
【0066】この際、育成炉本体の圧力を800hPa
となるようにアルゴンガスの送入量を調整し育成炉本体
を密封し、加熱ヒータの電源を落としたところから3.
5時間放置して、育成炉を開放し育成炉の炉内部材の温
度を測定したところ360℃まで低下しており、育成炉
の降温効果を高めるには、育成炉を密封する圧力が高い
方がより効果的であることを確かめた。
【0067】(実施例3)なお、後で追試を行い確認し
たところ、実施例2の条件で育成炉にある炉内部材の温
度が500℃以下程度まで下がるのに必要な時間は、図
1に示すシリコン単結晶製造装置では、加熱ヒータの電
源を落として降温を開始してから3時間程度以上を経た
後であることがわかった。
【0068】(実施例4)次に、図1に示すシリコン単
結晶製造装置の炉内部材を、より熱容量の大きなものに
換えてシリコン単結晶の育成を行った。育成したシリコ
ン単結晶は、上記実施例と同様に石英製ルツボに40k
gの多結晶シリコンを仕込み、加熱溶融し引上げたとこ
ろ重量が約26kgのものであった。そして、シリコン
単結晶を上部育成炉に収容してゲートバルブを閉じ、加
熱ヒータの電源を切り育成炉の降温を行った。
【0069】育成炉本体の降温時の圧力は、送入するア
ルゴンガスを800hPaに調整し、加熱ヒータの電源
を切ってから3.5時間が経った後に、育成炉を開放し
て育成炉内部材の温度を確認したところ、450℃前後
の値を示した。また、育成炉から炉内部材を取り出し、
酸化物を取り除いた後で炉内部材の状態を観察したが、
高温時に空気と接触したことによる酸化痕等は見られ
ず、良好な状態で放冷を終了したことがわかった。
【0070】(実施例5)次に本発明の方法を、直径2
00mm以上のシリコン単結晶を育成するための、図1
と同様の構造であるが、大型のシリコン単結晶製造装置
に用いた場合の効果について確認を行った。始めに、シ
リコン単結晶製造装置の石英製ルツボに多結晶シリコン
を100kgを入れ、育成炉をアルゴンガスで満たし炉
内圧力を200hPaに調節し、アルゴンガスを300
リットル/min送入しながら加熱溶融し、種結晶をシ
リコン融液に浸漬した後、静かに引上げて直径が200
mmのシリコン単結晶を育成した。この時引上げた単結
晶の重量は約82kgであった。
【0071】単結晶育成が終了後は、単結晶を上部育成
炉まで巻き上げたゲートバルブを閉じ、加熱ヒータ電源
を切って、炉内圧力と不活性ガス流量を育成時の状態に
保ちながらシリコン融液の表面が固化するのを待った。
そして、シリコン融液表面が固化したところで不活性ガ
スを止め、炉内圧力を800hPaまで上げて育成炉本
体を密封し、炉内温度が500℃以下となるまで降温し
た。
【0072】そして、加熱ヒータの電源を落としてから
4.5hr後に育成炉を開放し、炉内部材の温度を測定
したところ500℃以下の温度まで下がっており、また
酸化したような痕も見つからず問題なく降温が行われた
ことを確認した。
【0073】(比較例1)図1に示す実施例1に使用し
た装置と同じ製造装置を用いて、育成炉本体を放冷する
際にシリコン単結晶を育成した時の炉内圧力と同程度の
圧力で、不活性ガスを流しながら装置内の放冷を行っ
た。
【0074】まず、実施例1と同じく石英製ルツボに多
結晶シリコンを40kg入れ、育成炉内をアルゴンガス
に置換して200hPaの減圧状態に保った後に、加熱
ヒータを発熱させて多結晶シリコンを融解しシリコン融
液とした。そして、育成炉を200hPa程度の減圧状
態に維持しアルゴンガスを200リットル/min炉内
に流しながら、直径が略15cmで重量が約26kgの
シリコン単結晶を引上げた。
【0075】その後、育成したシリコン単結晶を上部育
成炉に保持し、ゲートバルブを閉じて、加熱ヒータの電
源を切って、アルゴンガス200リットル/minを炉
内に流しながら育成炉本体の降温を行った。この時の育
成炉本体の圧力は、200hPaであった。
【0076】200hPaの圧力で、アルゴンガスを流
しながら加熱ヒータの電源を切った後3.5時間経過し
た時点で育成炉の降温を止め、炉を開放して炉内部材の
温度を測定したところ、550℃近くの値を示した。そ
して、常温まで部材温度が低下してから炉内部材に付着
した酸化物を取り除く際に、炉内部材の状態を目視によ
り確認したところ、部材の一部に育成炉を開放した時に
十分に温度が低下していないために酸化したと思われる
痕跡が観察された。不活性ガスを流しながら低い圧力で
育成炉を降温する方法では、3.5時間の放冷では育成
炉の温度を十分に下げられないことがわかった。
【0077】(比較例2)比較例1と同じ条件で追試を
行ったところ、降温を終了し育成炉を開放した時に炉内
部材に酸化が生じない500℃以下となる温度まで育成
炉を降温するには、4時間以上の降温時間が必要である
ことを確認した。
【0078】また、比較例2において、炉内降温時の不
活性ガスの使用量と消費電力の違いを実施例1と比べた
ところ、育成炉に不活性ガスを流しながら低圧に保持し
て降温を行ったことにより、不活性ガス36kリットル
と電力45kWhを余分に消費していた。
【0079】(比較例3)実施例4に示す、シリコン単
結晶製造装置の炉内部材をより熱容量の大きなものに換
えた装置を用いて、200hPaの炉内圧力で200リ
ットル/minのアルゴンガスを流しながら降温を行っ
た場合は、500℃以下の温度に育成炉が冷えるまで
4.5hr程度の時間を要した。この時、実施例4に対
して余分に使用した不活性ガスの量は48kリットルで
あり、電力は60kWhが多く消費された。
【0080】(比較例4)実施例5に示す図1の装置と
同じ構造の直径200mm以上のシリコン単結晶を育成
するための大型の製造装置を用いて、同様に直径が20
0mmで約82kgのシリコン単結晶の引上げを行い、
その後の育成炉本体の降温では、単結晶育成時と同じ2
00hPaの炉内圧力で、アルゴンガスを300リット
ル/min流通しながら降温を行った場合の降温時間
は、加熱ヒータの電源を落としてから5.5時間程度必
要であった。この時の不活性ガスと電力は、アルゴンガ
スが約90kリットル、電力が約150kWh、実施例
5の降温条件より多く消費された。なお、上記した実施
例及び比較例におけるアルゴンガスの量は、常温での体
積で表示されている。
【0081】以上の結果から、単結晶の引上げを終了し
育成炉の温度を下げる降温作業においては、育成炉内の
圧力を単結晶育成時よりも高くして放冷を行った方が、
同じ構造の装置であればより短時間で効率的に炉内部材
の温度を下げることが可能であることが確かめられた。
【0082】また、育成炉の降温時に炉内に不活性ガス
を流すことなく密封した状態で炉内の降温を行ってもそ
の効果に変わりはなく、降温時に不活性ガスを育成炉に
流すことなく降温を行っても問題ないことがわかった。
そして、本発明の方法を用いれば、降温時の不活性ガス
と電力を抑制できることが確認された。
【0083】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されるものではない。上述の実施の形態は単なる例示で
あり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想
と実質的に同一な構成を有し、同様の効果を奏するもの
はいかなるものであっても、本発明の技術的範囲に包含
されることは勿論である。
【0084】例えば、本発明のシリコン単結晶の製造方
法を、シリコン融液に磁場を印加することなくシリコン
融液からシリコン単結晶を引上げるCZ法を例に挙げて
説明したが、シリコン単結晶製造装置の育成炉の外側に
磁石を配置して、シリコン融液に磁場を印加しながらシ
リコン単結晶の育成を図るMCZ法によるシリコン単結
晶の製造においても、同様の効果が得られることは言う
までもない。
【0085】
【発明の効果】以上述べたごとく、CZ法を用いたシリ
コン単結晶の育成において本発明の製造方法を用いれ
ば、シリコン単結晶の製造終了後のシリコン単結晶製造
装置の放冷を短時間で効率的に行うことが可能となり、
シリコン単結晶製造装置の利用効率の向上を図ることが
できる。
【0086】また、シリコン単結晶製造装置の育成炉の
降温に必要とされる不活性ガスの量も少なく抑えられる
ため、シリコン単結晶の製造に必要とされる原料コスト
が低減されるし、育成炉を減圧に保つために排気ポンプ
等の運転をする必要が無いので、シリコン単結晶育成に
用いられる消費電力も低下させられる。
【0087】そして、本発明の方法は、直径が300m
mを超えるような大型のシリコン単結晶を育成する育成
炉の容積が大きな、高い熱容量を有するシリコン単結晶
製造装置において、その効果を十分に発揮するものであ
り、これらの効果によってシリコン単結晶の生産性が高
まると同時に、製造コストを抑えたシリコン単結晶が生
産可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシリコン単結晶の製造方法を実施す
るためのシリコン単結晶製造装置の一つの実施の形態を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
10:シリコン単結晶製造装置、12:育成炉、14:
育成炉本体、14a,16a:炉壁、14b:底壁、1
6:上部育成炉、18:石英製ルツボ、20:黒鉛製ル
ツボ、22:加熱ヒータ、24:金属電極、26:黒鉛
電極、28:断熱材、30:ルツボ支持軸、32:ルツ
ボ軸駆動機構、34:底部断熱材、36:排ガス管、3
8:圧力制御装置、40:排ガス管開閉弁、42:ゲー
トバルブ、44a,44b:ガス導入管、46:ガス流
量制御装置、48a,48b:ガス導入管開閉弁、5
0:引上げワイヤー、52:ワイヤー巻取り機構、5
4:種結晶、56:種ホルダー、G:不活性ガス、M:
シリコン融液、S:シリコン単結晶、W:冷却水。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小磯 隆浩 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番 信越半導体株式会社白河工場内 (72)発明者 吉田 勝浩 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番 信越半導体株式会社白河工場内 (72)発明者 鈴木 英明 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番 信越半導体株式会社白河工場内 (72)発明者 須釜 俊夫 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番 信越半導体株式会社白河工場内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF10 EG30 PA16 5F053 AA12 AA25 AA48 DD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 育成炉を備えたシリコン単結晶製造装置
    を用いたチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製
    造方法であって、シリコン単結晶引上げ終了後の該育成
    炉の降温を、該育成炉の内部に不活性ガスを流通させる
    ことなく密封した状態で行うことを特徴するシリコン単
    結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したシリコン単結晶の製
    造方法であって、前記育成炉の内部の圧力を常圧〜40
    0hPaとなる範囲の圧力で密封し、シリコン単結晶引
    上げ終了後の該育成炉の降温を行うことを特徴とするシ
    リコン単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載したシリ
    コン単結晶の製造方法であって、前記育成炉の内部の温
    度が500℃以下になるまで該育成炉を密封して降温す
    ることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記
    載したシリコン単結晶の製造方法であって、前記育成炉
    を密封する不活性ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを用い
    たことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載したシリコン単結晶の製造方法であって、前記育成炉
    の密封は、加熱ヒータへの電力供給を停止し、ルツボに
    収容されたシリコン融液が固化した後で行うことを特徴
    とするシリコン単結晶の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102206853A (zh) * 2011-05-20 2011-10-05 浙江星宇能源科技有限公司 一种从单晶炉中取出单晶棒的方法
CN103266348A (zh) * 2013-05-03 2013-08-28 江苏海翔化工有限公司 快速节能单晶硅拉制停炉工艺
CN104562184A (zh) * 2015-01-26 2015-04-29 麦斯克电子材料有限公司 一种氩气填充稳流装置

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