JP3831968B2 - 光学的素子の製造方法 - Google Patents
光学的素子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3831968B2 JP3831968B2 JP06176896A JP6176896A JP3831968B2 JP 3831968 B2 JP3831968 B2 JP 3831968B2 JP 06176896 A JP06176896 A JP 06176896A JP 6176896 A JP6176896 A JP 6176896A JP 3831968 B2 JP3831968 B2 JP 3831968B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light emitting
- layer
- light
- vapor
- reservoir
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的素子の製造方法に関し、例えば、自発光の平面型ディスプレイであって、特に、有機薄膜を電界発光層に用いる有機電界発光ディスプレイに好適な光学的素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア指向の商品を初めとして、人間と機械とのインターフェースの重要性が高まってきている。人間がより快適に効率良く機械操作するためには、操作される機械からの情報を誤りなく、簡潔に、瞬時に、充分な量で取り出す必要があり、そのために、ディスプレイを初めとする様々な表示素子について研究が行われている。
【0003】
また、機械の小型化に伴い、表示素子の小型化、薄型に対する要求も日々、高まっているのが現状である。
【0004】
例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、ノート型ワードプロセッサなどの、表示素子一体型であるラップトップ型情報処理機器の小型化には目を見張る進歩があり、それに伴い、その表示素子である液晶ディスプレイに関しての技術革新も素晴らしいものがある。
【0005】
今日、液晶ディスプレイは、様々な製品のインターフェースとして用いられており、ラップトップ型情報処理機器はもちろんのこと、小型テレビや時計、電卓を初めとして、我々の日常使用する製品に多く用いられている。
【0006】
これらの液晶ディスプレイは液晶が低電圧駆動、低消費電力であるという特徴を生かし、小型から大容量表示デバイスに至るまで、人間と機械のインターフェースとして、表示素子の中心として研究されてきた。
【0007】
しかし、この液晶ディスプレイは自発光性でないため、バックライトを必要とし、このバックライト駆動に、液晶を駆動するよりも大きな電力を必要とするため、結果的に内蔵蓄電池等では使用時間が短くなり、使用上の制限がある。
【0008】
更に、液晶ディスプレイは、視野角が狭いため、大型ディスプレイ等の大型表示素子には適していないと共に、液晶分子の配向状態による表示方法であるので、視野角の中においても、角度によりコントラストが変化してしまうのも大きな問題である。
【0009】
また、駆動方式から考えれば、駆動方式の一つであるアクティブマトリクス方式は、動画を扱うに十分な応答速度を示すが、TFT(薄膜トランジスタ)駆動回路を用いるため、画素欠陥により画面サイズの大型化が困難である。TFT駆動回路を用いることは、コストダウンの点から考えても好ましくない。
【0010】
別の駆動方式である、単純マトリクス方式は、低コストである上に画面サイズの大型化が比較的容易であるが、動画を扱うに十分な応答速度を有していないという問題がある。
【0011】
これに対し、自発光性表示素子は、プラズマ表示素子、無機電界発光素子、有機電界発光素子等が研究されている。
【0012】
プラズマ表示素子は低圧ガス中でのプラズマ発光を表示に用いたもので、大型化、大容量化に適しているが、薄型化、コストの面での問題を抱えている。また、駆動に高電圧の交流バイアスを必要とし、携帯用デバイスには適していない。
【0013】
無機電界発光素子は、緑色発光ディスプレイ等が商品化されたが、プラズマ表示素子と同様に、交流バイアス駆動であり、駆動には数百V必要であり、またフルカラー化は困難であると思われる。
【0014】
一方、有機化合物による電界発光現象は、1960年代前半に、強く螢光を発生するアントラセン単結晶へのキャリア注入による発光現象が発見されて以来、長い期間、研究されてきたが、低輝度、単色で、しかも単結晶であったため、有機材料へのキャリア注入という基礎的研究として行われていた。
【0015】
しかし、1987年にEastman Kodak 社のTangらが低電圧駆動、高輝度発光が可能なアモルファス発光層を有する積層構造の有機薄膜電界発光素子を発表して以来、各方面で、R、G、Bの三原色の発光、安定性、輝度上昇、積層構造、作製方法等の研究開発が盛んに行われている。
【0016】
さらに、有機材料の特徴であるが、分子設計等により様々な新規材料が発明され、直流低電圧駆動、薄型、自発光性等の優れた特徴を有する、有機電界発光表示素子のカラーディスプレイへの応用研究も盛んに行われ始めている。
【0017】
有機電界発光素子(以下、有機EL素子と称することがある。)は、1μm以下の膜厚であり、電流を注入することにより電気エネルギーを光エネルギーに変換して面状に発光するなど、自発光型の表示デバイスとして理想的な特徴を有している。
【0018】
図22は、従来の有機EL素子10の一例を示す。この有機EL素子10は、透明基板(例えばガラス基板)6上に、ITO(Indium tin oxide)透明電極5、ホール輸送層4、発光層3、電子輸送層2、陰極(例えばアルミニウム電極)1を例えば真空蒸着法で順次製膜したものである。
【0019】
そして、陽極である透明電極5と陰極1との間に直流電圧7を選択的に印加することによって、透明電極5から注入されたキャリアとしてのホールがホール輸送層4を経て、また陰極1から注入された電子が電子輸送層2を経て移動し、電子−ホールの再結合が生じ、ここから所定波長の発光8が生じ、透明基板6の側から観察できる。
【0020】
発光層3には、例えばアントラセン、ナフタリン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン等の発光物質を使用してよい。これは、電子輸送層2に含有させることができる。
【0021】
図23は、別の従来例を示すものであり、この例においては、発光層3を省略し、電子輸送層2に上記の発光物質を含有させ、電子輸送層2とホール輸送層4との界面から所定波長の発光18が生じるように構成した有機EL素子20を示すものである。
【0022】
図24は、上記の有機EL素子の具体例を示す。即ち、各有機層(ホール輸送層4、発光層3又は電子輸送層2)の積層体を陰極1と陽極5との間に配するが、これらの電極をマトリクス状に交差させてストライプ状に設け、輝度信号回路30、シフトレジスタ内蔵の制御回路31によって時系列に信号電圧を印加し、多数の交差位置(画素)にてそれぞれ発光させるように構成している。
【0023】
従って、このような構成により、ディスプレイとして勿論、画像再生装置としても使用可能となる。なお、上記のストライプパターンを赤(R)、緑(G)、青(B)の各色毎に配し、フルカラー又はマルチカラー用として構成することができる。
【0024】
こうした有機EL素子を用いた、複数の画素からなる表示デバイスにおいて、発光する有機薄膜層2、3、4は一般に、透明電極5と金属電極1との間に挟まれており、透明電極5側に発光する。
【0025】
しかし、上記のような有機EL素子も、なお未解決の問題を有している。
【0026】
例えば、有機EL素子のカラーディスプレイへの応用を行う上で、R、G、Bの三原色の安定した発光は必要不可欠な条件である。しかし、現在の段階では、緑色発光材料以外には、ディスプレイに応用可能な十分な安定性、色度、輝度等を兼ね備えた赤色、及び青色材料についての報告はなく、各方面で検討されているのが実情である。また、緑色発光材料として有望なアルミニウム−キノリン錯体は色度が若干ずれているのが現状である。
【0027】
従って、理想的には発光層が単体の有機材料で構成され、発光するのが望ましいが、色度や輝度等の改善にはホスト−ゲスト系の発光層(ホスト材料:主たる発光材料、ゲスト材料:添加される発光材料)を作製し、調節することが必要不可欠である。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のようなホスト材料及びゲスト材料の如き各発光材料を組み合わせて、特に印加電圧に応じて発光波長が変化し、一つの素子で様々な発光波長が得られる発光素子の如き光学的素子を比較的簡単に作製することが可能な製造方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、発光波長が互いに異なる第1の発光材料及び第2の発光材料を気化させ、これらの発光材料を含有する発光部分を少なくとも一部に有する発光領域を有機層の少なくとも一部分として電極上に形成するに際し、前記第1の発光材料として、
前記第2の発光材料よりも高い気化温度又は低い気化温度を有し、
かつ、電子輸送性及びホール輸送性のうち少なくとも電子輸送性又はホール輸送性を 有する
発光材料を使用する、光学的素子の製造方法において、
第1蒸気流出孔を有する第1貯留部と、この第1貯留部から分離されかつ第2蒸気流 出孔を有する第2貯留部と、前記第1貯留部及び前記第2貯留部上に第2蒸気流出孔を 有する空洞部とからなる単一の蒸着ボートを使用し、
前記第1貯留部に前記第1の発光材料を収容すると共に、前記第2貯留部に前記第2 の発光材料を収容した状態で、前記単一の蒸着ボートを加熱することによって前記第1 の発光材料及び前記第2の発光材料を共通に加熱して、前記第1の発光材料の蒸気を前 記第1蒸気流出孔から前記空洞部内へ流出させると共に、前記第2の発光材料の蒸気を 前記第2蒸気流出孔から前記空洞部内へ流出させ、これらの第1の発光材料及び/又は 第2の発光材料の各蒸気を前記第3蒸気流出孔から流出させて前記電極上に導びく
ことを特徴とする、光学的素子の製造方法に係るものである。
【0030】
本発明の光学的素子の製造方法に用いる装置として、発光波長が互いに異なる第1の発光材料及び第2の発光材料を気化させ、これらの発光材料を含有する発光部分を少なくとも一部に有する発光領域を有機層の少なくとも一部分として電極上に形成するに際し、前記第1の発光材料として、
前記第2の発光材料よりも高い気化温度又は低い気化温度を有し、
かつ、電子輸送性及びホール輸送性のうち少なくとも電子輸送性又はホール輸送性を 有する
発光材料を使用する、光学的素子の製造方法を実施するのに用いられる装置において、
第1蒸気流出孔を有する第1貯留部と、この第1貯留部から分離されかつ第2蒸気流 出孔を有する第2貯留部と、前記第1貯留部及び前記第2貯留部上に第3蒸気流出孔を 有する空洞部とからなる単一の蒸着ボートと、
前記第1貯留部に前記第1の発光材料を収容すると共に、前記第2貯留部に前記第2 の発光材料を収容した状態で、前記単一の蒸着ボートを加熱することによって前記第1 の発光材料及び前記第2の発光材料を共通に加熱する加熱手段と
を有する装置を用いることが望ましい。
【0031】
本発明の光学的素子の製造方法によれば、各発光材料を同一の蒸着ボートから気化させるので、作製プロセス上においても、設備の面においても負担が少なく、真空一貫プロセスで特性の良い有機電界発光素子等の光学的素子を比較的簡単に作製することが可能になる。
そして、作製された光学的素子は、気化温度が互いに異なる上記の第1及び第2の発光材料を組み合わせることによって、発光領域中の各材料の濃度に分布が生じるように成膜できるため、特に印加電圧に応じて発光波長が変化し、一つの素子で様々な発光波長が得られる可変調発光素子の如き光学的素子となる。
【0035】
本発明においては、前記第1貯留部と前記第2貯留部とを仕切り板で仕切ると共に前記第1蒸気流出孔及び前記第2蒸気流出孔をそれぞれ有する中蓋で覆い、前記第3蒸気流出孔を有する上蓋で前記中蓋を覆うことによって前記空洞部を形成するのがよい。
また、前記第1蒸気流出孔から流出する前記第1の発光材料の蒸気と、前記第2蒸気流出孔から流出する前記第2の発光材料の蒸気との少なくとも一方を前記第3蒸気流出孔から流出させることによって、前記第1の発光材料及び前記第2の発光材料を含有する発光部分と、この発光部分の下又は上に隣接し、前記第1の発光材料又は前記第2の発光材料を主成分とする他の発光部分とを前記有機層の少なくとも前記一部分として前記電極上に形成するのがよい。
【0039】
なお、本発明において、上記の「発光領域」とは、「第1の発光材料及び第2の発光材料の両方を含有する発光部分を少なくとも一部に有し、また有機層の少なくとも一部分を構成する領域」のことである。
【0040】
また、「気化」とは、「昇華:固体が直接気体になる現象、及び蒸発:液体又は固体が液体になってから気体になる現象」の両方を含む概念である。
【0041】
本発明によって製造される光学的素子は、上記の第2の発光材料の含有量が発光領域において制御され、そして、その厚み方向に濃度勾配を有することが望ましい。
【0042】
上記の光学的素子は、前記第1の発光材料が前記第2の発光材料よりも高い気化温度を有しかつ電子輸送性を有する場合、印加電圧に応じて、その発光スペクトルの色度の変化が実現される。
【0043】
上記の素子は、光学的に透明な基体上に、透明電極、有機ホール輸送層、有機発光層及び/又は有機電子輸送層、及び金属電極が積層されていることが望ましい。
【0044】
これにより、上記の素子は、好適な有機電界発光素子として構成され、カラーディスプレイ用の素子としても好適なものとなる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0049】
図1は、本発明の第1の実施例による有機EL素子の要部の断面図である。
【0050】
本実施例では、図1(a)に示すように、ガラス基板6上にITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極5を真空蒸着法により形成し、その上に順次、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル)(構造式は図6参照)よりなるホール輸送層4、アモルファス性(以下、同様)のホスト−ゲスト系発光層3、アルミニウムカソード電極1を真空蒸着法により積層し、有機電界発光素子21を作製している。
【0051】
従って、前述した図23と同様に、この有機電界発光層を有する素子は、発光層3が電子輸送層(又はホール輸送層)としての作用を兼ね備えたシングルヘテロ型の有機電界発光素子である。
【0052】
この実施例によれば、発光層3をホスト−ゲスト系発光層として、ホスト材料にアルミニウム−キノリン錯体であるAlq3 (トリス(8−キノリノール)アルミニウム)(構造式は図4参照)を用い、ホスト材料よりも昇華温度の低いゲスト材料の組み合わせとしてレーザー色素として一般に用いられているDCM(4−ジシアノメチレン−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−2−メチル−4H−ピラン)(構造式は図5参照)を用い、重量比でAlq3 /DCM=6/1の組成比(後述する蒸着ボート中での組成比)で蒸着し、赤色発光素子を作製したものである。
【0053】
図1(a)のA部を拡大して示した(b)図のように、発光層3は基本的にはAlq3 主成分の層3a、Alq3 +DCMの混合層3b、及びDCM主成分の層3cの3つの層から構成されている。
【0054】
これらの各層は後述する蒸着装置及び蒸着方法により作製したものであるが、目的とする発光波長が得られるように、ホスト材料として昇華温度の高いAlq3 を用い、ゲスト材料として昇華温度の低いDCMをドープしていることが重要である。
【0055】
即ち、蒸着に際して温度を上げていく場合、まず昇華温度の低いDCMが主として昇華して層3cとして蒸着し、続いて昇華温度の高いAlq3 も昇華し始めてAlq3 とDCMとの混合物が層3bとして蒸着し、DCMが昇華し終われば最後にAlq3 が主として蒸着した層3aが形成される。
【0056】
しかし、厳密には層3cは、TPD層4との界面においてはDCMを主成分とする層であり、DCM主成分の層3cとAlq3 +DCMの層3bとの界面に近づくに伴って、徐々にAlq3 中のDCMの量が減少することになるが、DCMの含有率が高い層である。
【0057】
また、Alq3 主成分の層3aは、Alq3 +DCMの層3bとの界面近傍においてはまだDCMが混ざっており、これが漸減して金属電極1との界面においてはAlq3 がほぼ 100%となり、Alq3 の含有率が高く、電子輸送性を有する層として形成される。
【0058】
上記のように、本実施例の発光層3は、Alq3 +DCMの層3bと、これに隣接した発光領域部分を構成する一方側のDCM主成分の層3cと、発光領域及び電子輸送性を兼ね備えた他方側のAlq3 主成分の層3aとからなっている。そして、これらの全てが発光層の各領域を形成している。
【0059】
また、上記したものとは反対に、ホスト材料の昇華温度より昇華温度の高いゲスト材料をホスト材料にドープすることもできる。この場合はホスト材料が始めに昇華して蒸着するため、ホスト材料はホール輸送性を有するものとして形成される必要がある。
【0060】
上記のように、ホスト材料にドープするゲスト材料の含有量は、後述する真空蒸着装置により任意に制御することができる。これにより、積層される厚み方向に含有されるゲスト材料の濃度勾配も任意に形成することができ、或いは、その配置も任意の位置に配することができる。
【0061】
発光層3の構成も、上記した図1(b)以外に、例えば同図(c)のように、DCM主成分の層3cのない構造にすることもできる。これにより、上記のものとは異なった波長の発光を得ることも可能である。
【0062】
これにより、様々な素子構造を有する有機EL素子の作製が可能となり、様々な発光波長が得られ、広範囲の波長領域から任意の発色を作り出すことができる。
【0063】
図2は、上記したホスト材料及びゲスト材料を蒸着させるための蒸着材料の蒸着ボートの断面図であり、図3はその分解斜視図である。
【0064】
図示の如く、この蒸着ボート32は、仕切り板36で仕切られた第1貯留槽35a及び第2貯留槽35bを有する本体35と、蒸気流出孔37、38を有する中蓋34と、蒸気流出孔39を有する上蓋33とにより構成されている。
【0065】
そして、図2に示すように、中蓋34の蒸気流出孔37は本体35の第1貯留槽35a上に位置し、同じく蒸気流出孔38は第2貯留槽35b上に位置している。また、上蓋33は空洞33aを形成している。
【0066】
従って、第1貯留槽35aにはホスト材料を入れ、第2貯留槽35bにはゲスト材料を入れると、昇華温度に達して気化した材料はそれぞれの上部に設けられた蒸気流出孔37又は38から流出し、単独で、又は上蓋33の空洞33aで混合されて、上蓋33の蒸気流出孔39から外部へ流出する。
【0067】
例えば、昇華温度の高い材料を貯留槽35aに、昇華温度の低い材料を貯留槽35bに入れ、蒸着を行うと、まず貯留槽35bからの材料が優先的に気化し、次に両者から気化が生じるため、得られた蒸着膜には所望の濃度分布が形成されることになる。
【0068】
そして、このような容器は、図7のような真空蒸着装置11の中に蒸着源として配置されている。この装置の内部には、アーム12の下に固定された一対の支持手段13が設けられ、この双方の固定手段13、13の間には、透明ガラス基板6を下向きにし、マスク22をセットできるステージ機構(図示省略)が設けられている。そして、ガラス基板及びマスク22の下方には、支軸14aに支持されたシャッター14が配置され、その下方に所定個数の各種蒸着源32又は28を配置する。各蒸着源は、電源29による抵抗加熱方式で加熱される。この加熱には、必要に応じてEB(電子線)加熱方式等も使用される。
【0069】
上記の装置において、マスク22は画素用であり、シャッター14はホスト材料及びゲスト材料用である。そして、シャッター14は支軸14aを中心に回動し、ホスト材料及びゲスト材料の昇華温度に合わせて、材料の蒸気流を遮断するためのものである。
【0070】
従って、蒸着に際し、例えば、ホスト材料の昇華温度が高く、ゲスト材料の昇華温度が低い場合は、最初はシャッター14を開放しておけば、加熱によってまずゲスト材料が昇華し、基板6上に蒸着する。こうしてゲスト材料が所定の厚みに形成されるが、ホスト材料の昇華までに時間がかかる場合には、一旦シャッター14を閉じて蒸発したゲスト材料を装置外へ排出し、ホスト材料の昇華が始まった時点でシャッター14を開放すれば、ホスト材料とゲスト材料との混合物が蒸着されることになる。
【0071】
図8は、上記の真空蒸着装置により作製した有機EL素子9の具体例を示す平面図である。即ち、サイズLが30mm×30mmのガラス基板6上に、サイズlが2mm×2mmのITO透明電極5を上記した真空蒸着装置により約 100nmの厚さで蒸着後に、全面にSiO2 30を蒸着し、これを所定の画素パターンにエッチングして多数の開口31を形成し、ここに透明電極5をそれぞれ露出させる。従って、SiO2 によって2mm×2mmの発光領域(画素)PXに対し蒸着マスク22を用いて各有機層4、3及びアルミニウム電極1を順次形成する。発光層3については、上記したシャッター14を併用してよい。
【0072】
この真空蒸着装置11においては、上記した図8のような多数の画素を有するもの以外に、サイズの大きい画素を単独に形成することもできる。
【0073】
図9は、上記のようにAlq3 (ホスト材料)及びDCM(ゲスト材料)を用いて、上記した真空蒸着装置により、図1に示した如き発光層を形成し、この層内におけるAlq3 とDCMとの分光特性を示すグラフである。
【0074】
これによれば、発光層3の層構造としては、まず昇華温度の低いDCMが昇華して蒸着し、DCM主成分の層が0〜30nmの蒸着厚み範囲において形成され、続いて昇華温度の高いAlq3 が昇華して蒸着し、蒸着膜厚60〜90nmではAlq3 の主成分の層が形成される。即ち、60〜90nmの蒸着厚みになれば、DCMは殆ど昇華し終わり、Alq3 が 100%に近い状態と考えてよい。
【0075】
この結果、DCMの場合は膜厚が0〜30nmにおいて吸光度が高く、波長が 500nm付近で吸収ピークを示す。
【0076】
一方、Alq3 の場合は、膜厚が60〜90nm(シャッターを開放し続けた状態で蒸着したときの厚みとする。)において吸光度が高く、波長 400nm付近に吸収ピークを示す。
【0077】
図10は、図9におけるDCMの分光特性の詳細であり、厚み10nm毎の分光特性を示したものである。これによれば、最初にDCMが昇華して蒸着し、ホール輸送層(図1参照)との界面近傍となる膜厚が0〜10nmにおける特性曲線15a、及び膜厚が10〜20nmにおける特性曲線15b、膜厚が20〜30nmにおける特性曲線15cで示されるように、膜厚0〜30nmのときに 450〜500nm の波長で吸収ピークを示し、0〜30nmの膜厚部分ではDCMが主成分であることが分かる。
【0078】
図11は、上記した構造の有機EL素子21のしきい値電圧特性を示すグラフである。図示の如く、電圧が10V位までは電流は殆ど流れず、10Vを過ぎて徐々に流れ始め、15V過ぎから急速に流れ出す。即ち、しきい値電圧特性が良好であることを示している。
【0079】
図12は、図1(b)に示した有機EL素子21において、両電極1−5間の印加電圧に対する発光波長の変化を色度座標に示したものである。即ち、赤色領域で赤色(R)に発色した発光R1 が、印加電圧の増加に伴って短波長側へ移行し、発光R2 にスペクトルの色度が変化し、更に発光R3 に発光スペクトルの色度が変化し、オレンジ色に近付いたことを示している。
【0080】
これは、印加電圧の増加に伴って、素子21において発光中心(再結合中心)がアノード側からカソード側へシフトすること、即ち、発光中心がDCMによる長波長側からAlq3による短波長側へ移行し、R3の発光位置においてはAlq3による緑色が加味されるため、全体として赤色からオレンジ色に近付いていくことを顕著に示すものである。
【0081】
次に、上記した本実施例による有機EL素子21の製造方法を説明する。
【0082】
まず、30mm×30mmのガラス基板6上に膜厚約 100nmで設けたITO透明電極5上に、SiO2 蒸着により2mm×2mmの発光領域以外をマスクした有機電界発光素子作製用のセルを作製する。
【0083】
次に、このセルを図7に示した真空蒸着装置に入れ、蒸着マスクを用い、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル)を真空蒸着法により真空下で約50nmの厚みに蒸着(蒸着速度2〜4Å/sec)し、ホール輸送層4を作製する。
【0084】
次いで、ホスト−ゲスト系発光層用として、ホスト材料にアルミニウム−キノリン錯体であるAlq3 (トリス(8−キノリノール)アルミニウム)を用い、ホスト材料よりも昇華温度の低いゲスト材料にレーザー色素として一般に用いられているDCMを用い、重量比でAlq3 /DCM=6/1の組成比で図2及び図3のTa蒸着ボート32に分け置き、蒸着装置11内にセットする。
【0085】
そして、上記の蒸着されたホール輸送層4上にホスト−ゲスト系発光材料を層3c、3bとしてまず約30nmの厚み(蒸着速度2〜4Å/sec)に蒸着した後、シャッター14を閉じ、蒸着レートはそのまま一定に保ちながら30nm分を空昇華させる。その後、再びシャッター14を開け、20nmの厚みに蒸着して発光層3cを形成し、合計膜厚が50nmになるようにホスト−ゲスト系発光層3を作製する。
【0086】
前述したように、これにより、図1(b)に示す如く、最初の厚さ30nmの蒸着層として、昇華温度の低いDCMによるDCM主成分の層3c、続いて昇華温度の高いAlq3 も昇華し始めて両者が混合されたAlq3 +DCM混合層3bが形成される。そして、厚さ30nm分の空昇華によってDCMは殆ど消失し、最後の厚さ20nmの蒸着時にはAlq3 主成分の層3aが形成される。
【0087】
その後に、カソード電極としてアルミニウムを約2kÅの厚みに蒸着(蒸着速度11〜13Å/sec)して金属電極1を形成し、有機電界発光素子21を作製する。
【0088】
こうして作製された有機電界赤色発光素子の特性を測定したところ、印加電圧8Vの時の最大発光波長は 650nmであり、スペクトルの形状からDCMが発光中心となっていることが明らかである。また、15Vの印加電圧に対して約1200cd/m2の輝度を得ることができた。
【0089】
この素子の特徴として、分光スペクトルの測定結果から、ホール輸送層4との界面に特異的にDCMがAlq3 の中にドープされた発光層を形成していることが明らかであり、印加電圧の増加に伴い、発光スペクトルの色度がCIE色度座標上でAlq3 の発光である緑色の成分が増加し、結果的にオレンジ色に近付いたと考えられる(図12参照)。
【0090】
このことは、印加電圧の増加に伴って、発光に寄与する電子とホールの再結合中心が、ホール輸送層4と発光層との界面からカソード電極側にシフトしたことによるものと考えられる。従って、この素子は、印加電圧に応じて、赤色発光からオレンジ色発光に色度が変化する発光素子である特徴を持っているものと考えられる。
【0091】
この実施例によれば、ホスト材料の昇華温度がゲスト材料の昇華温度よりも高いため、形成されるアモルファス性発光層にゲスト材料含有率の高い部分とホスト材料含有率の高い部分とが蒸着の進行と共に形成されることにより、ホスト材料含有率の高い部分が電子輸送層を兼ねると共に、ゲスト材料含有率の高い部分により特異な発光を生じることができる。従って、1つの素子により、ゲスト材料による可変調、高輝度の発光が得られる。
【0092】
しかも、一つの真空蒸着装置の中で、一つの蒸着ボート32を用いて、短時間に容易かつ連続的に真空一貫プロセスで蒸着することが可能であるから、従来の真空蒸着装置を特に変更することなしに、ホスト材料及びゲスト材料を発光層の積層方向における任意の部位に配し、ゲスト材料の濃度勾配も任意に制御でき、様々な素子構造の有機EL素子を作製することができる。
【0093】
これにより、印加電圧の上昇に伴って発光波長が変化する発光素子が作製され、様々な発光色及び輝度の発光波長を安定して作りだすことができる。なお、他の発光色(G、B)についても、上記の赤色(R)と同様にして発光層を形成し、R、G、B三原色のフルカラー又はマルチカラーの素子を作製できることは勿論である(以下、同様)。
【0094】
そして、本実施例における上記した各効果は、後述する他の実施例においても同様に得られるものである。
【0095】
本実施例の製造方法に反し、従来では、有機電界発光素子を作製するプロセスにおいては真空蒸着法を用いることが多く、真空一貫プロセスで、ホスト材料と共にゲスト分子を二元蒸着するためには蒸着ソースが少なくとも2つは必要になり、電子輸送層、ホール輸送層、カソード電極を積層して有機電界発光素子を構成することを考えると、多くの蒸着ソースが整った蒸着機で作製する必要がある。
【0096】
そして、フルカラーディスプレイへの応用において、電子輸送層、ホール輸送層、カソード電極を共通の材料を用いて構成することを考えても、発光層としてR、G、Bの三原色を考えれば、全部で6つの蒸着ソース(電子輸送層、ホール輸送層、カソード電極、R、G、Bの各発光層)が必要になってくる。このことは、真空一貫プロセスでフルカラーディスプレイを作製することが困難であることを示している。
【0097】
図13は、本発明の第2の実施例による有機EL素子を示し、(a)はその要部の断面図であり、(b)は(a)のB部の拡大図である。
【0098】
本実施例においては、ホスト−ゲスト系発光層として、ホスト材料にアルミニウム−キノリン錯体であるAlq3 (トリス(8−キノリノール)アルミニウム)を用い、ホスト材料よりも昇華温度の低いゲスト材料にNile Red(Lambda Physik 社製)(構造式は図14参照)を用い、赤色発光素子を作製する。Ta蒸着ボートに重量比でAlq3 /Nile Red=5/1の組成比で分け置き、発光層材料とする。
【0099】
上述した第1の実施例と同様に形成した透明電極5上に、第1の実施例と同じ方法でTPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル)を真空蒸着法により真空下で約50nmの厚みに蒸着(蒸着速度2〜4Å/sec)し、ホール輸送層4を形成する。
【0100】
次いで、この蒸着されたホール輸送層4の上に、ホスト−ゲスト系発光層として、層3e、3dをまず約35nmの厚み(蒸着速度2〜4Å/sec)に蒸着した後、シャッター14を閉じ、蒸着レートはそのまま一定に保ちながら30nm分を空昇華させる。その後、再びシャッター14を開け、15nmの厚みに蒸着して層3aを形成し合計膜厚が50nmになるようにホスト−ゲスト系発光層3を作製する。
【0101】
これにより、図13(b)に示すように、最初の厚さ35nmの蒸着層として、昇華温度の低いNile RedによるNile Red主成分の層3e、続いて、昇華温度の高いAlq3 も昇華し始めて両者が混合されたAlq3 +Nile Red混合層3dが形成される。そして、厚さ30nm分の空昇華によってNile Redは殆ど消失し、最後の厚さ15nmの蒸着によりAlq3 主成分の層3aが形成される。その後にカソード電極としてアルミニウムを約2kÅの厚みに蒸着(蒸着速度11〜13Å/sec)して金属電極1を形成し、有機電界発光素子22を作製する。
【0102】
こうして作製された有機電界赤色発光素子の特性を測定したところ、印加電圧9Vの時の最大発光波長は 615nmであり、スペクトルの形状からNile Redが発光中心となっていることが明らかである。また、15Vの印加電圧に対して約 700cd/m2の輝度を得ることができた。
【0103】
この素子の特徴として、分光スペクトルの測定結果からホール輸送層4との界面に特異的にNile RedがAlq3 の中にドープされた発光層を形成していることが明らかであり、印加電圧の増加に伴い、発光スペクトルの色度がCIE色度座標上でAlq3 の発光である緑色の成分が増加し、結果的にオレンジ色に近付いたと考えられる。
【0104】
このことは、印加電圧の増加に伴って、発光に寄与する電子とホールの再結合中心が、ホール輸送層4と発光層との界面からカソード電極側にシフトしたことによるものと考えられる。従って、この素子は、赤色発光からオレンジ色発光に色度が変化する発光素子である特徴を持っているものと考えられる。
【0105】
図15は、本発明の第3の実施例による有機EL素子を示し、(a)はその要部の断面図であり、(b)は(a)のC部の拡大図である。
【0106】
本実施例においては、ホスト−ゲスト系発光層として、ホスト材料にガリウム−キノリン錯体であるGaq3 (トリス(8−キノリノール)ガリウム)を用い、ホスト材料よりも昇華温度の低いゲスト材料にレーザー色素として一般に用いられているDCMを用い、赤色発光素子を作製する。Ta蒸着ボートに重量比でGaq3 /DCM=6/1の組成比で分け置き、発光層材料とする。
【0107】
次に、上述した第1の実施例と同様に形成した透明電極5上に、第1の実施例と同じ方法でTPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル)を真空蒸着法により真空下で約50nmの厚みに蒸着(蒸着速度2〜4Å/sec)し、ホール輸送層4を形成する。
【0108】
この蒸着されたホール輸送層4の上に、ホスト−ゲスト系発光層として、層3c、3gをまず約30nmの厚み(蒸着速度2〜4Å/sec)に蒸着した後、シャッター14を閉じ、蒸着レートはそのまま一定に保ちながら30nm分を空昇華させる。その後、再びシャッター14を開け、20nmの厚みに蒸着して層3fを形成し、合計膜厚が50nmになるようにホスト−ゲスト系発光層3を作製する。
【0109】
これにより、図15(b)に示すように、最初の厚さ30nmの蒸着層として、昇華温度の低いDCMによるDCM主成分の層3c、続いて、昇華温度の高いGaq3 も昇華し始めて両者が混合されたGaq3 +DCM混合層3gが形成される。そして、厚さ30nm分の空昇華によってDCMは殆ど消失し、最後の厚さ20nmの蒸着によりGaq3 主成分の層3fが形成される。
【0110】
その後に、カソード電極としてアルミニウムを約2kÅの厚みに蒸着(蒸着速度11〜13Å/sec)して、金属電極1を形成し、有機電界発光素子23を作製する。
【0111】
こうして作製された有機電界赤色発光素子の特性を測定したところ、印加電圧8Vの時の最大発光波長は 650nmであり、スペクトルの形状からDCMが発光中心となっていることが明らかである。また、15Vの印加電圧に対して約1400cd/m2の輝度を得ることができた。
【0112】
この素子の特徴として、分光スペクトルの測定結果から、ホール輸送層4との界面に特異的にDCMがGaq3 の中にドープされた発光層を形成していることが明らかであり、印加電圧の増加に伴い、発光スペクトルの色度がCIE色度座標上でGaq3 の発光である緑色の成分が増加し、結果的にオレンジ色に近付いたと考えられる。
【0113】
このことは、印加電圧の増加に伴って、発光に寄与する電子とホールの再結合中心が、ホール輸送層4と発光層との界面からカソード電極側にシフトしたことによるものと考えられる。
【0114】
図16は、本発明の第4の実施例による有機EL素子を示し、(a)はその要部の断面図であり、(b)は(a)のD部の拡大図である。
【0115】
本実施例においては、ホスト−ゲスト系発光層として、ホスト材料にガリウム−キノリン錯体であるGaq3 (トリス(8−キノリノール)ガリウム)を用い、そして、ホスト材料よりも昇華温度の低いゲスト材料にレーザー色素として一般に用いられているNile Redを用い、赤色発光素子を作製する。Ta蒸着ボートに重量比でGaq3 /Nile Red=6/1の組成比で分け置き、発光層材料とする。
【0116】
次に、上述した第1の実施例と同様に形成した透明電極5上に、第1の実施例と同じ方法でTPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル)を真空蒸着法により真空下で約50nmの厚みに蒸着(蒸着速度2〜4Å/sec)し、ホール輸送層4を形成する。
【0117】
次いで、この蒸着されたホール輸送層4の上にホスト−ゲスト系発光層として、層3e、3hをまず約30nmの厚み(蒸着速度2〜4Å/sec)に蒸着した後、シャッター14を閉じ、蒸着レートはそのまま一定に保ちながら30nm分を空昇華させる。その後、再びシャッター14を開け、20nmの厚みに蒸着して層3fを形成し、合計膜厚が50nmになるようにホスト−ゲスト系発光層3を作製する。
【0118】
これにより、図16(b)に示すように、最初の厚さ30nmの蒸着層として、昇華温度の低いNile RedによるNile Red主成分の層3e、続いて、昇華温度の高いGaq3 が昇華し始めて両者が混合されたGaq3 +Nile Red混合層3hが形成される。そして、厚さ30nm分の空昇華によってNile Redは殆ど消失し、最後の厚さ20nmの蒸着によりGaq3 主成分の層3fが形成される。
【0119】
その後に、カソード電極としてアルミニウムを約2kÅの厚みに蒸着(蒸着速度11〜13Å/sec)して、金属電極1を形成し、有機電界発光素子24を作製する。
【0120】
こうして作製された有機電界赤色発光素子の特性を測定したところ、印加電圧8Vの時の最大発光波長は 615nmであり、スペクトルの形状からNile Redが発光中心となっていることが明らかである。また、15Vの印加電圧に対して約1300cd/m2の輝度を得ることができた。
【0121】
この素子の特徴として、分光スペクトルの測定結果から、ホール輸送層4との界面に特異的にNile RedがGaq3 の中にドープされた発光層を形成していることが明らかであり、印加電圧の増加に伴い、発光スペクトルの色度がCIE色度座標上でGaq3 の発光である緑色の成分が増加し、結果的にオレンジ色に近付いたと考えられる。
【0122】
このことは、印加電圧の増加に伴って、発光に寄与する電子とホールの再結合中心がホール輸送層4と発光層との界面からカソード電極側にシフトしたことによるものと考えられる。
【0123】
図17は、本発明の第5の実施例による有機EL素子であり、(a)はその要部の断面図であり、(b)は(a)のE部の拡大図である。
【0124】
この実施例においては、ホスト−ゲスト系発光層として、ホスト材料にアルミニウム−キノリン錯体であるAlq3 (トリス(8−キノリノール)アルミニウム)を用い、ホスト材料よりも昇華温度の低いゲスト材料にレーザー色素として一般に用いられているDCMを用い、赤色発光素子を作製する。Ta蒸着ボートに重量比でAlq3 /DCM=6/1の組成比で分け置き、発光層材料とする。
【0125】
次に、上述した第1の実施例と同様に形成した透明電極5上に、第1の実施例と同じ方法で、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル)を真空蒸着法により真空下で約50nmの厚みに蒸着(蒸着速度2〜4Å/sec)し、ホール輸送層4を形成する。
【0126】
次いで、この蒸着されたホール輸送層4の上に、Alq3のみを10nmの厚みに層3a’として蒸着する。このAlq3上にホスト−ゲスト系発光層として、層3c、3bを約30nmの厚み(蒸着速度2〜4Å/sec)に蒸着した後、シャッター14を閉じ、蒸着レートはそのまま一定に保ちながら30nm分を空昇華させる。その後、再びシャッター14を開け、10nmの厚みに蒸着して層3aを形成し、合計膜厚が50nmになるようにAlq3+ホスト−ゲスト系発光層3を作製する。即ち、この発光層だけで4層構造をなしていることになる。
【0127】
この場合、図17(b)に示すように、まず、Alq3 のみを入れた容器から(或いは、図2及び図3に示した蒸着ボート32において蒸気流出孔38のみを適当な遮蔽手段で閉じて)Alq3 を昇華させてAlq3 主成分の層3a’を形成後、図2及び図3に示した如き容器Ta蒸着ボート32を用い、厚さ30nmの蒸着層として、昇華温度の低いDCMによるDCM主成分の層3c、続いて、昇華温度の高いAlq3 が昇華して、両者が混合されたAlq3 +DCM混合層3bが形成される。そして、厚さ30nm分の空昇華によってDCMは殆ど消失し、最後の厚さ10nmの蒸着によりAlq3 主成分の層3aが形成される。
【0128】
その後に、カソード電極としてアルミニウムを約2kÅの厚みに蒸着(蒸着速度11〜13Å/sec)して、金属電極1を形成し、有機電界発光素子25を作製する。
【0129】
こうして作製された有機電界赤色発光素子の特性を測定したところ、印加電圧15Vの時の最大発光波長は 650nmであり、スペクトルの形状からDCMが発光中心となっていることが明らかである。また、15Vの印加電圧に対して約 900cd/m2の輝度を得ることができた。
【0130】
この素子の特徴として、分光スペクトルの測定結果から、発光層3の積層方向における中心部分に特異的にDCMがAlq3 の中にドープされた発光層を形成していることである。従って、印加電圧の増加に伴い、発光スペクトルの色度がCIE色度座標上でAlq3 の発光である緑色からDCMの発光である赤色の成分が増加し、結果的に薄緑色からオレンジ色を経て赤色に近付いたと考えられる。
【0131】
このことは、印加電圧の増加に伴って、発光に寄与する電子とホールの再結合中心が、ホール輸送層4と発光層3の界面からカソード電極側にシフトしたことによるものと考えられる。従って、この素子は、高印加電圧時に高輝度で赤色発光を得ることができる発光層の構造を有していると考えられる。
【0132】
図18は、本発明の第6の実施例による有機EL素子であり、(a)はその要部の断面図であり、(b)は(a)の下部の拡大図である。
【0133】
この実施例においては、ホスト−ゲスト系発光層として、ホスト材料にアルミニウム−キノリン錯体であるAlq3 (トリス(8−キノリノール)アルミニウム)を用い、ホスト材料よりも昇華温度の低いゲスト材料にC540(クマリン540)(構造式は図19参照)を用い、緑色発光素子を作製する。Ta蒸着ボートに重量比でAlq3 /C540 =7/1の組成比で分け置き、発光層材料とする。
【0134】
次に、上述した第1の実施例と同様に形成した透明電極5上に、第1の実施例と同じ方法で、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル)を真空蒸着法により真空下で約50nmの厚みに蒸着(蒸着速度2〜4Å/sec)し、ホール輸送層4を形成する。
【0135】
次いで、この蒸着されたホール輸送層4の上に、ホスト−ゲスト系発光層として、層3j、3iをまず約35nmの厚み(蒸着速度2〜4Å/sec)に蒸着した後、シャッター14を閉じ、蒸着レートはそのまま一定に保ちながら30nm分を空昇華させる。その後、再びシャッター14を開け、15nmの厚みに蒸着して層3aを形成し、合計膜厚が50nmになるようにホスト−ゲスト系発光層3を作製する。
【0136】
これにより、図18(b)に示すように、最初の厚さ35nmの蒸着層として、昇華温度の低いクマリンC540 によるクマリンC540 主成分の層3j、続いて、昇華温度の高いAlq3 が昇華して両者が混合されたAlq3 +クマリンC540 混合層3iが形成される。そして、厚さ30nm分の空昇華によってクマリンC540 は殆ど消失し、最後の厚さ15nmの蒸着によりAlq3 主成分の層3aが形成される。
【0137】
その後に、カソード電極としてアルミニウムを約2kÅの厚みに蒸着(蒸着速度11〜13Å/sec)して、金属電極1を形成し、有機電界発光素子26を作製する。
【0138】
こうして作製された有機電界赤色発光素子の特性を測定したところ、印加電圧9Vの時の最大発光波長は 535nmであり、スペクトルの形状からC540 が発光中心となっていることが明らかである。また、15Vの印加電圧に対して約1150cd/m2の輝度を得ることができた。
【0139】
この素子の特徴として、分光スペクトルの測定結果から、ホール輸送層4との界面に特異的にC540 がAlq3 の中にドープされた発光層を形成していることが明らかであり、Alq3 が本来呈する最大発光波長 520nm近辺の発光波長をC540 が長波長化し、CIE色度座標上での色度を改善する結果となっている。
【0140】
図20は、本発明の第7の実施例による有機EL素子であり、(a)はその要部の断面図、(b)は(a)のG部の拡大図である。
【0141】
この実施例においては、ホスト−ゲスト系発光層として、ホスト材料にTPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル)を用い、ホスト材料よりも昇華温度の高いゲスト材料としてC450(クマリン450)(構造式は図21参照)を用い、青色発光素子を作製する。Ta蒸着ボートに重量比でTPD/C450 =5/1の組成比で分け置き、発光層材料とする。
【0142】
次に、上述した各実施例とは異なり、上述した第1の実施例と同様に形成した透明電極5上に、第1の実施例と同じ方法で、ホール輸送性のホスト−ゲスト系発光層3m、3lをまず約35nmの厚み(蒸着速度2〜4Å/sec)に蒸着した後、シャッター14を閉じ、蒸着レートはそのまま一定に保ちながら30nm分を空昇華させる。
【0143】
その後、再びシャッター14を開け、15nmの厚みに蒸着して層3kを形成し、合計膜厚が50nmになるようにホスト−ゲスト系発光層3を作製する。次に、ジメチルバソフェナントロリンを真空蒸着法により真空下で約50nmの厚みに蒸着(蒸着速度2〜4Å/sec)し、電子輸送層2を形成する。
【0144】
これにより、図20(b)に示すように、最初の厚さ35nmの蒸着層として、昇華温度の低いホスト材料のTPDによるTPD主成分の層3m、続いて、昇華温度の高いゲスト材料のクマリンC450 が昇華して両者が混合されたTPD+クマリンC450 混合層3lが形成される。そして、厚さ30nm分の空昇華によってTPDが殆ど消失し、最後の厚さ15nmの蒸着によりクマリンC450 主成分の層3kが形成される。
【0145】
その後に、カソード電極としてアルミニウムを約2kÅの厚みに蒸着(蒸着速度11〜13Å/sec)して、金属電極1を形成し、青色用の有機電界発光素子27を作製する。
【0146】
こうして作製された有機電界青色発光素子の特性を測定したところ、印加電圧12Vの時の最大発光波長は 445nmであり、スペクトルの形状からC450 が発光中心となっていることが明らかである。また、18Vの印加電圧に対して約 400cd/m2の輝度を得ることができた。
【0147】
この素子の特徴として、分光スペクトルの測定結果から、ホール輸送層を兼ねるTPDを主成分とする層3mとジメチルバソフェナントロリン層2との間における層3m側に特異的にクマリンC450 がドープされた発光層3lを形成し、これが発光波長を短波長化(青色化)していることが明らかである。
【0148】
以上、本発明の実施例を説明したが、上述した実施例は本発明の技術的思想に基づいて様々に変形することができる。
【0149】
例えば、上述した発光材料において、ゲスト材料としては、昇華性をもつ材料であれば何でもよく、また螢光性を有する色素に限定されない。例えば、キナクリドンのような顔料でもよく、これに合うホスト材料を目的に応じて選択すればよい。
【0150】
また、上述した実施例においては、青色用としてC450(クマリン450)を用いたが、赤色用として、C445(クマリン445)やC540(クマリン540)を用いてもよく、複数を混ぜ合わせてもよい。更に、DCMとクマリンとの共蒸着でもよい。この場合のホスト材料としては、C450 よりも螢光波長が短波長であるPTP(p-Terphenyl)、PQP(p-Quaterphenyl)、QUI、BBQ(BiBuQ)、t−ブチル−PBD等のレーザー色素を用いてよい。
【0151】
また、発光層の作製方法については、例えば積層方向の任意の部位にドープを行うためには、ホスト−ゲスト材料の組み合わせを考えて、蒸着する順番を工夫すればよい。また、ドープされた部分のゲスト材料の濃度勾配を制御するためには、蒸着速度を変えればよい。また、発光層は、蒸着以外にも、昇華又は気化を伴う他の成膜方法でも形成可能である。発光層は、シングルヘテロ構造やダブルヘテロ構造(図20参照)を有していてよい。
【0152】
アノード電極、電子輸送層、ホール輸送層、カソード電極等の材料は上記に限るものではなく、例えばホール輸送層であるならば、ベンジジン誘導体、スチリルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体等のホール輸送性有機物質を用いてもよい。同様に、電子輸送層には、ペリレン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体等の電子輸送性有機物質を用いてもよい。
【0153】
また、カソード電極材料については、効率良く電子を注入するために、電極材料の真空準位からの仕事関数の小さい金属を用いるのが好ましく、アルミニウム以外にも、例えば、インジウム、マグネシウム、銀、カルシウム、バリウム、リチウム等の低仕事関数金属を単体で、または他の金属との合金として安定性を高めて使用してもよい。
【0154】
また、アノード電極側から有機電界発光を取り出すため、アノード電極には透明電極であるITOを用いたが、効率良くホールを注入するために、アノード電極材料の真空準位からの仕事関数が大きいもの、例えば金、二酸化スズ−アンチモン混合物、酸化亜鉛−アルミニウム混合物の電極を用いてもよい。
【0155】
なお、上述した実施例は、モノカラー用の有機ELを主として説明したが、発光材料を選択することによって、R、G、Bの三色を発光するフルカラー用、又はマルチカラー用の有機EL素子を上述した方法で作製することができる。その他、本発明はディスプレイ用としてだけでなく、光源用としても使用可能な有機EL素子に適用できると共に、他の光学的用途にも適用することができる。
【0156】
【発明の作用効果】
本発明は、上述した如く、発光領域の少なくとも一部分が第1の発光材料と第2の発光材料とを含有し、これらの発光材料による発光波長が互いに異なると共に、前記第1の発光材料が、前記第2の発光材料よりも高い(或いは低い)気化温度を有し、かつ、電子輸送性及びホール輸送性のうち少なくとも電子輸送性(或いはホール輸送性)を有する光学的素子の製造において、
第1蒸気流出孔を有する第1貯留部と、この第1貯留部から分離されかつ第2蒸気流 出孔を有する第2貯留部と、前記第1貯留部及び前記第2貯留部上に第3蒸気流出孔を 有する空洞部とからなる単一の蒸着ボートを使用し、
前記第1貯留部に前記第1の発光材料を収容すると共に、前記第2貯留部に前記第2 の発光材料を収容した状態で、前記単一の蒸着ボートを加熱することによって前記第1 の発光材料及び前記第2の発光材料を共通に加熱して、前記第1の発光材料の蒸気を前 記第1蒸気流出孔から前記空洞部内へ流出させると共に、前記第2の発光材料の蒸気を 前記第2蒸気流出孔から前記空洞部内へ流出させ、これらの第1の発光材料及び/又は 第2の発光材料の各蒸気を前記第3蒸気流出孔から流出させて前記電極上に導びくようにしているので、発光領域の形成時に前記第1又は第2の発光材料の含有率を適宜に変化若しくは分布させることができ、特に印加電圧に応じて発光波長が変化し、一つの素子で様々な発光波長が得られる可変調発光素子の如き光学的素子を提供することができる。
【0157】
しかも、気化温度の異なる第1の発光材料と第2の発光材料を同一の蒸着ボートにおいて共通に加熱して気化させ、発光領域を形成しているので、作製プロセス上においても、設備の面においても負担が少なく、真空一貫プロセスで特性の良い有機電界発光素子等の光学的素子を比較的簡単に作製することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による有機EL素子を示し、(a)は要部の断面図、(b)は(a)のA部拡大図、(c)は同A部を他の構成にした拡大図である。
【図2】同実施例による蒸着ボートの断面図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】同実施例に使用したAlq3 (ホスト材料)の構造式である。
【図5】同実施例に使用したDCM(ゲスト材料)の構造式である。
【図6】同実施例に使用したTPD(ホール輸送材料)の構造式である。
【図7】同実施例に使用した真空蒸着装置の概略断面図である。
【図8】同実施例による有機EL素子の平面図である。
【図9】同実施例によるAlq3 及びDCMの分光特性を示すグラフである。
【図10】図9におけるDCMの分光特性の詳細を示すグラフである。
【図11】同実施例による有機EL素子のしきい値電圧特性を示すグラフである。
【図12】同実施例による有機EL素子の色度座標図である。
【図13】本発明の第2の実施例による有機EL素子を示し、(a)は要部の断面図、(b)は(a)のB部拡大図である。
【図14】同実施例に使用したNile Red(ゲスト材料)の構造式である。
【図15】本発明の第3の実施例による有機EL素子を示し、(a)は要部の断面図、(b)は(a)のC部拡大図である。
【図16】本発明の第4の実施例による有機EL素子を示し、(a)は要部の断面図、(b)は(a)のD部拡大図である。
【図17】本発明の第5の実施例による有機EL素子を示し、(a)は要部の断面図、(b)は(a)のE部拡大図である。
【図18】本発明の第6の実施例による有機EL素子を示し、(a)は要部の断面図、(b)は(a)のF部拡大図である。
【図19】同実施例に使用したC540(クマリン540)(ゲスト材料)の構造式である。
【図20】本発明の第7の実施例による有機EL素子を示し、(a)は要部の断面図、(b)は(a)のG部拡大図である。
【図21】同実施例に使用したC450(クマリン450)(ゲスト材料)の構造式である。
【図22】従来の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。
【図23】同他の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。
【図24】同有機EL素子の具体例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…金属電極(カソード)、2…電子輸送層、3…発光層、
3a…Alq3 主成分の層、3b…Alq3 +DCM混合層、
3c…DCM主成分の層、3d…Alq3 +Nile Red混合層、
3e…Nile Red主成分の層、3f…Gaq3 主成分の層、
3g…Gaq3 +DCM混合層、3h…Gaq3 +Nile Red混合層、
3i…Alq3 +C540 混合層、3j…C540 主成分の層、
3k…C450 主成分の層、3l…TPD+C450 混合層、
3m…TPD主成分の層、4…ホール輸送層、
5…ITO透明電極(アノード)、6…ガラス基板、
10、20、21、22、23、24、25、26、27…有機EL素子、
11…真空蒸着装置、13…支持手段、14…シャッター、28、32…蒸着源、
32…蒸着ボート(蒸着源)、33…上蓋、34…中蓋、35a…第1貯留槽、
35b…第2貯留槽、36…仕切板、37、38、39…蒸気流出孔、PX…画素
Claims (9)
- 発光波長が互いに異なる第1の発光材料及び第2の発光材料を気化させ、これらの発光材料を含有する発光部分を少なくとも一部に有する発光領域を有機層の少なくとも一部分として電極上に形成するに際し、前記第1の発光材料として、
前記第2の発光材料よりも高い気化温度又は低い気化温度を有し、
かつ、電子輸送性及びホール輸送性のうち少なくとも電子輸送性又はホール輸送性を 有する
発光材料を使用する、光学的素子の製造方法において、
第1蒸気流出孔を有する第1貯留部と、この第1貯留部から分離されかつ第2蒸気流 出孔を有する第2貯留部と、前記第1貯留部及び前記第2貯留部上に第3蒸気流出孔を 有する空洞部とからなる単一の蒸着ボートを使用し、
前記第1貯留部に前記第1の発光材料を収容すると共に、前記第2貯留部に前記第2 の発光材料を収容した状態で、前記単一の蒸着ボートを加熱することによって前記第1 の発光材料及び前記第2の発光材料を共通に加熱して、前記第1の発光材料の蒸気を前 記第1蒸気流出孔から前記空洞部内へ流出させると共に、前記第2の発光材料の蒸気を 前記第2蒸気流出孔から前記空洞部内へ流出させ、これらの第1の発光材料及び/又は 第2の発光材料の各蒸気を前記第3蒸気流出孔から流出させて前記電極上に導びく
ことを特徴とする、光学的素子の製造方法。 - 前記第1貯留部と前記第2貯留部とを仕切り板で仕切ると共に前記第1蒸気流出孔及び前記第2蒸気流出孔をそれぞれ有する中蓋で覆い、前記第3蒸気流出孔を有する上蓋で前記中蓋を覆うことによって前記空洞部を形成する、請求項1に記載した光学的素子の製造方法。
- 前記第1蒸気流出孔から流出する前記第1の発光材料の蒸気と、前記第2蒸気流出孔から流出する前記第2の発光材料の蒸気との少なくとも一方を前記第3蒸気流出孔から流出させることによって、前記第1の発光材料及び前記第2の発光材料を含有する発光部分と、この発光部分の下又は上に隣接し、前記第1の発光材料又は前記第2の発光材料を主成分とする他の発光部分とを前記有機層の少なくとも前記一部分として前記電極上に形成する、請求項1に記載した光学的素子の製造方法。
- 前記第2の発光材料の含有量を前記発光領域において制御する、請求項1〜3のいずれか1項に記載した光学的素子の製造方法。
- 前記第2の発光材料の含有量に前記発光領域の厚み方向において濃度勾配を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載した光学的素子の製造方法。
- 前記第1の発光材料が前記第2の発光材料よりも高い気化温度を有しかつ電子輸送性を有する場合、印加電圧に応じて、その発光スペクトルの色度が変化する前記光学的素子を製造する、請求項4に記載した光学的素子の製造方法。
- 光学的に透明な基体上に、透明電極、有機ホール輸送層、有機発光層及び/又は有機電子輸送層及び金属電極を積層する、請求項1〜3のいずれか1項に記載した光学的素子の製造方法。
- 有機電界発光素子を製造する、請求項7に記載した光学的素子の製造方法。
- カラーディスプレイ用の前記有機電界発光素子を製造する、請求項8に記載した光学的素子の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06176896A JP3831968B2 (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 光学的素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06176896A JP3831968B2 (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 光学的素子の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09232077A JPH09232077A (ja) | 1997-09-05 |
| JP3831968B2 true JP3831968B2 (ja) | 2006-10-11 |
Family
ID=13180632
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06176896A Expired - Fee Related JP3831968B2 (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 光学的素子の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3831968B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100867495B1 (ko) * | 2000-11-24 | 2008-11-06 | 도레이 가부시끼가이샤 | 발광 소자 재료 및 이를 이용한 발광 소자 |
| SG2009086778A (en) | 2000-12-28 | 2016-11-29 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | Luminescent device |
| TW545080B (en) | 2000-12-28 | 2003-08-01 | Semiconductor Energy Lab | Light emitting device and method of manufacturing the same |
| US20020139303A1 (en) * | 2001-02-01 | 2002-10-03 | Shunpei Yamazaki | Deposition apparatus and deposition method |
| US20030010288A1 (en) * | 2001-02-08 | 2003-01-16 | Shunpei Yamazaki | Film formation apparatus and film formation method |
| US7432116B2 (en) * | 2001-02-21 | 2008-10-07 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method and apparatus for film deposition |
| JP2005050747A (ja) * | 2003-07-31 | 2005-02-24 | Ulvac Japan Ltd | 蒸着源、成膜装置、及び成膜方法 |
| TWI475737B (zh) * | 2006-03-08 | 2015-03-01 | Semiconductor Energy Lab | 發光元件、發光裝置及電子裝置 |
| JP5084305B2 (ja) * | 2006-03-08 | 2012-11-28 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 発光素子、発光装置並びに電子機器 |
| JP4978034B2 (ja) * | 2006-03-15 | 2012-07-18 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子 |
| TWI477195B (zh) | 2007-04-27 | 2015-03-11 | Semiconductor Energy Lab | 發光裝置的製造方法 |
| JP4974036B2 (ja) * | 2009-11-19 | 2012-07-11 | 株式会社ジャパンディスプレイセントラル | 有機el装置の製造方法 |
-
1996
- 1996-02-23 JP JP06176896A patent/JP3831968B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09232077A (ja) | 1997-09-05 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3852509B2 (ja) | 電界発光素子及びその製造方法 | |
| JP3924648B2 (ja) | 有機電界発光素子 | |
| US6633122B2 (en) | Electroluminescence device with multiple laminated bodies having common materials and process for producing the same | |
| US6010796A (en) | Electroluminescent device | |
| Parthasarathy et al. | A full‐color transparent metal‐free stacked organic light emitting device with simplified pixel biasing | |
| EP0884370A2 (en) | Color conversion material, and organic electroluminescent color display using the same | |
| JPH09127885A (ja) | 表示素子 | |
| CN100392888C (zh) | 有机电致发光显示器件 | |
| JP2001291591A (ja) | 有機電界発光素子及び発光装置 | |
| JP3672127B2 (ja) | 光学的素子の製造方法及び光学的素子 | |
| JPH09232077A (ja) | 光学的素子及びその製造方法 | |
| JP3669333B2 (ja) | 有機電界発光素子及び表示装置 | |
| JPH11204259A (ja) | 電界発光素子 | |
| JPH09256142A (ja) | 成膜装置 | |
| JPH11329731A (ja) | 有機電界発光素子 | |
| JP2000012227A (ja) | 有機電界発光素子 | |
| JP2008227182A (ja) | 表示装置 | |
| JP4210872B2 (ja) | 電界発光素子及びその製造方法 | |
| KR100547056B1 (ko) | 전계발광소자 | |
| JP3848646B2 (ja) | 有機発光素子 | |
| JP2000091077A (ja) | 有機電界発光素子 | |
| JPH10189238A (ja) | 光学的素子及びその製造方法 | |
| JP4692257B2 (ja) | 色変換膜およびそれを用いた多色発光有機elデバイス | |
| JPH11329730A (ja) | 有機電界発光素子 | |
| JP2000012225A (ja) | 有機電界発光素子 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040903 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040907 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041019 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060111 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060309 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060403 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060426 |
|
| A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060608 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060627 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060710 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |