JP3831185B2 - タイミング再生装置および復調器、ならびに可変分周回路 - Google Patents

タイミング再生装置および復調器、ならびに可変分周回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信に用いられる復調器に関するものであり、特に、常に受信データのナイキスト点をサンプリングするように再生クロックの位相を制御するタイミング再生装置および復調器、ならびに当該タイミング再生装置および復調器に用いられる可変分周回路、に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のタイミング再生装置および復調器について説明する。従来のタイミング再生装置としては、たとえば、文献「ディジタル衛星通信」(VIJAY K.BHARGAVA, DAVID HACCOUN, ROBERT MATYAS, PETER P. NUSPL著 ジャテック出版,pp136-139)に記載された、「2値量子化ディジタルPLL(Binary Quantized Digital Phase-Locked Loop)」がある。
【0003】
図23は、上記タイミング再生装置を含む従来の復調器の構成を示す図である。図23において、1はアンテナであり、2は周波数変換部であり、100はタイミング再生部(上記タイミング再生装置に対応)であり、4はデータ判定部であり、11はサンプリング部であり、12は非線形変換部であり、13は位相比較部であり、14は平均化部であり、111は(N+k)分周部であり、112は原振クロック生成部である。
【0004】
つぎに、上記従来の復調器の動作を説明する。ここでは、変調方式として、QPSK変調方式を採用する。まず、アンテナ1を介してQPSK変調が施された無線信号を受け取った周波数変換部2では、当該無線信号の周波数を無線周波数からベースバンド周波数に変換し、周波数変換後の信号として、ベースバンド信号の同相成分I(t)と直交成分Q(t)とを出力する。
【0005】
タイミング再生部100では、内部でサンプリングしたベースバンド信号Ii,Qi (ただし、Iはサンプリング後のベースバンド信号の同相成分であり、Qはサンプリング後のベースバンド信号の直交成分であり、i=1,2,3・・・である)を用い、受信データのナイキスト点に対する再生クロックの位相の進み/遅れを求め、進んでいる場合は再生クロックの位相を遅らせ、遅れている場合は再生クロックの位相を進ませる。なお、従来技術では、位相比較部13、平均化部14、および(N+k)分周部111でPLL(Phase Locked Loop)を構成する。ここでは、常に再生クロックの立上がりエッジが受信データのナイキスト点をサンプリングするように、再生クロックの位相を制御する。
【0006】
データ判定部4では、上記サンプリング後のベースバンド信号を用いて、送信されてきたデータを判定し、判定後のデータを復調データとして出力する。
【0007】
ここで、タイミング再生部100の動作を詳細に説明する。まず、サンプリング部11では、受け取ったアナログのベースバンド信号を、後段の(N+k)分周部111から出力される再生クロックの立上がりエッジと立下りエッジのタイミングでサンプリングし、ディジタル信号に変換する。なお、再生クロックの周期がシンボル周期Tであるため、データのサンプリング周期はT/2となる。
【0008】
図24は、サンプリング部11の構成を示す図である。図24において、121,122,123,124はA/D変換器であり、125,126はDフリップフロップである。ここでは、A/D変換器121が、再生クロック立上がりエッジでベースバンド信号の同相成分I(t)をサンプリングし、A/D変換器122が、再生クロック立下がりエッジでベースバンド信号の同相成分I(t)をサンプリングする。同様に、A/D変換器123が、再生クロック立上がりエッジでベースバンド信号の直交成分Q(t)をサンプリングし、A/D変換器124が、再生クロック立下がりエッジでベースバンド信号の同相成分Q(t)をサンプリングする。また、Dフリップフロップ125では、A/D変換器121出力のデータを再生クロックの立下りエッジでリタイミングする。同様に、Dフリップフロップ126では、A/D変換器123出力のデータを再生クロックの立下りエッジでリタイミングする。
【0009】
つぎに、非線形変換部12では、ベースバンド信号I(t),Q(t)に非線形処理を施して、シンボル周波数fs(=1/T)成分を有する信号α(t)に変換する。非線形処理としては、たとえば、次式に基づく振幅差分処理がある。
Figure 0003831185
【0010】
図25および図26は、たとえば、QPSK変調におけるタイミング再生用プリアンブルパターンとして広く用いられている“1100”パターン受信時のベースバンド信号を示す図である。詳細には、図25は、“1100”パターン受信時のベースバンド信号を複素平面で表記した場合を示し、この場合、点Aと点Bを1シンボル周期で交互に繰り返す信号となる。ただし、θcはキャリア位相である。また、図26は、θc=45.0[deg],“1100”パターンの受信ベースバンド信号波形を示し、ナイキスト点は時刻n(=1,2,3,・・・)シンボルに位置する。
【0011】
また、図27は、上記信号を式(1)に基づいて非線形変換した場合の波形を示す図である。図27の結果から、非線形変換後のα(t)はシンボル周期Tで増減を繰り返す波形であり、シンボル周波数fs(=1/T)成分を豊富に有していることが判る。なお、上記非線形処理は、時間的に連続的な信号に対する処理であり、実際に非線形変換部12に入力される信号は、離散的なデータIi,Qiである。よって、非線形変部12における処理は、上記式(1)の処理と等価な次式(2)で行われる。
αi=((Ii−Ii-12 (Qi−Qi-121/2 (2)
ただし、iが奇数のときのIi,Qiは、再生クロックの立上がりエッジでサンプリングされたデータを表し、iが偶数のときのIi,Qiは、再生クロックの立下がりエッジでサンプリングされたデータを表す。
【0012】
つぎに、位相比較部13では、再生クロックの立上がりエッジでサンプリングされたデータI2j-1,Q2j-1(j=1,2,3,…)から求まる、
α2j-1=((I2j-1−I2j-22 (Q2j-1−Q2j-221/2 (3)
と、再生クロック立下がりエッジでサンプリングされたデータI2j,Q2j(j=1,2,3,…)から求まる、
α2j=((I2j−I2j-12 (Q2j−Q2j-121/2 (4)
と、を比較する。
【0013】
このとき、位相比較部13では、α2j-1とα2jとの関係に応じて、位相の進み(LEAD)および遅れ(LAG)を表す信号を出力する。すなわち、位相比較部13では、
(1)α2j-1<α2jの場合、具体的にいうと、図28の場合、再生クロックの位相がナイキスト点より遅れていると判定し、LEAD=“0”,LAG=“1”を出力する。
(2)α2j-1>α2jの場合、具体的にいうと、図29の場合、再生クロックの位相がナイキスト点より進んでいると判定し、LEAD=“1”,LAG=“0”を出力する。
(3)α2j-1=α2jの場合、再生クロックの立上がり位置がナイキスト点と一致していると判定し、LEAD=“0”,LAG=“0”を出力する。
【0014】
つぎに、平均化部14では、上記位相の進み/遅れを平均化し、平均的に位相が進んでいる場合は再生クロックの位相を遅らせる命令(UP=“0”,DOWN=“1”)を、平均的に位相が遅れている場合は再生クロックの位相を進ませる命令(UP=“1”,DOWN=“0”)を、後段の(N+k)分周部111に通知する。上記平均化部14は、アップダウンカウンタおよび比較器で構成されるランダムウォークフィルタで実現でき、たとえば、アップダウンカウンタの値をX,フィルタの時定数を決定する定数をY,位相比較部13出力の位相検出値をD=(LEAD−LAG)∈{−1,0,+1}とすると、ランダムウォークフィルタは、アップダウンカウンタ値の初期値X=Yから、1シンボル毎にカウント値をX→X+Dに更新し、以下の動作を行う。
(1)カウント値XがX=0となったら、UP=“1”,DOWN=“0”を出力し、同時にカウント値Xを初期値X=Yにセットする。
(2)カウント値XがX=2Yとなったら、UP=“0”,DOWN=“1”を出力し、同時にカウント値Xを初期値X=Yにセットする。
(3)カウント値Xが、0<X<2Yの範囲では、UP=“0”,DOWN=“0”を出力する。
【0015】
つぎに、原振クロック生成部112では、シンボル周波数fsのN倍の周波数を有する原振クロックを出力する。すなわち、原振クロックの周波数fclkとシンボル周波数fsとの関係は、fclk=Nfsである。
【0016】
最後に、(N+k)分周部111では、たとえば、再生クロックの位相制御信号をk=(UP−DOWN)=(−1,0,1)とした場合、原振クロックを(N+k)分周(可変分周)し、当該分周したクロックを再生クロックとして出力する。具体的にいうと、たとえば、k=0(すなわち、UP=“0”,DOWN=“0”)の場合、再生クロックは、原振クロックをN分周して生成されるため、シンボル周期T=1/fsと一致する。また、K=−1(すなわち、UP=“0”,DOWN=“1”)の場合、再生クロックは、原振クロックを(N+1)分周して生成されるため、再生クロックの周期がT(N+1)/Nとなる。また、K=+1(すなわち、UP=“1”,DOWN=“0”)の場合、再生クロックは、原振クロックを(N−1)分周して生成されるため、再生クロックの周期がT(N−1)/Nとなる。
【0017】
つぎに、上記(N+k)分周部111の動作を詳細に説明する。図30は、上記(N+k)分周部111の構成を示す図である。図30において、201は同期ロード値生成部であり、202は同期ロード値選択部であり、203はロードパルス生成部であり、204は(log2N)bitカウンタである。
【0018】
同期ロード値生成部201では、あらかじめ3つのデータUP_DATA=(N−2),ST_DATA=(N−1),DW_DATA=0を出力する。そして、同期ロード値選択部202では、UP,DOWN信号に基づいて、3つのデータUP_DATA,ST_DATA,DW_DATAのなかからいずれか一つをLOAD_DATAとして出力する。
UP=“1”,DOWN=“0”;
LOAD_DATA=UP_DATA=(N−2) (5)
UP=“0”,DOWN=“1”;
LOAD_DATA=DW_DATA=0 (6)
UP=“0”,DOWN=“0”;
LOAD_DATA=ST_DATA=(N−1) (7)
【0019】
(log2N)bitカウンタ204では、後述するロードパルス生成部203から入力されるLOAD_PULSE信号の論理が“0”の場合に、原振クロックの立上がりエッジに同期して、ダウンカウント動作を行う。一方、LOAD_PULSE信号の論理が“1”の場合には、LOAD_DATAを同期ロードする。なお、(log2N)bitカウンタ204では、カウント値の最上位ビット(MSB)を再生クロックとして出力する。
【0020】
ロードパルス生成部203では、上記カウンタ値を入力とし、同期ロードパルスLOAD_PULSEを出力する。LOAD_PULSEは、通常論理“0”であるが、(log2N)bitカウンタ204から出力されるカウンタ値が“0”を示した場合に、原振クロックの1周期分だけ論理“1”を出力する。したがって、再生クロックの周期は、LOAD_PULSEによって異なり、LOAD_DATA=(N−1)の場合はT(シンボル周期)となり、LOAD_DATA=0の場合はT(N+1)/Nとなり、LOAD_DATA=(N−2)の場合はT(N−1)/Nとなる。
【0021】
ここで、(N+k)分周部111の動作を、N=16の場合を例として説明する。なお、ここでは、(N+k)分周=(16+k)分周となり、さらに(log2N)bitカウンタ204が4ビットダウンカウンタとなる。
図31は、UP=“0”,DOWN=“0”時(無制御時)の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、LOAD_DATA=ST_DATA=(16−1)=15が、4 (=log216)ビットダウンカウンタに同期ロードされる。4ビットダウンカウンタに“15”を同期ロードするタイミングは、図中に示すように、LOAD_PULSEが論理“1”を示す位置である。すなわち、“15”を同期ロードする時の4ビットダウンカウンタの動作は、“通常時の0”から“15”へのダウンカウントと同一の動作となる。したがって、再生クロックは、原振クロックを16分周して生成され、1周期がT(fclk=16fs)となる。
【0022】
また、図32は、UP=“0”,DOWN=“1”時(位相を遅らせる)の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、LOAD_DATA=DW_DATA=0が、4ビットダウンカウンタに同期ロードされる。4ビットダウンカウンタに“0”を同期ロードするタイミングは、図30と同様であり、図中に示すように、LOAD_PULSEが論理“1”を示す位置である。すなわち、“0”を同期ロードする時の4ビットダウンカウンタの動作は、“0”→“0”となり、原振クロックを17分周して再生クロックを生成する動作と等価になる。したがって、再生クロックの周期が17T/16となり、再生クロックの位相は、2π(T/16)だけ遅れることとなる。
【0023】
また、図33は、UP=“1”,DOWN=“0”時(位相を進ませる)の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、LOAD_DATA=UP_DATA=(16−2)=14が、4ビットダウンカウンタに同期ロードされる。4ビットダウンカウンタに“14”を同期ロードするタイミングは、図30と同様であり、図中に示すように、LOAD_PULSEが論理“1”を示す位置である。すなわち、“14”を同期ロードする時の4ビットダウンカウンタの動作は、“0”→“14” となり、原振クロックを15分周して再生クロックを生成する動作と等価になる。したがって、再生クロックの周期が15T/16となり、再生クロックの位相は、2π(T/16)だけ進むこととなる。
【0024】
このように、従来の復調器においては、(N+k)分周部111が、再生クロックの立上がりエッジがナイキスト点をサンプリングするように、当該再生クロックの位相を制御する。このとき、位相制御のステップ幅は、T/N(上記例の場合はT/16)となる。また、従来の復調器においては、再生クロックの位相が遅れている場合、“←”の方向に再生クロックの位相を進ませ、一方、再生クロックの位相が進んでいる場合は、“→”の方向に再生クロックの位相を遅らせている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、タイミング再生部を有する従来の復調器においては、(N+k)分周部111が、原振クロックで高速に動作するため、近年の広帯域無線通信システムのようにシンボルレート(=シンボル周波数fs)が数十〜数百Mbaud(=MHz)になると、動作速度が速くなりすぎ、安価なデバイスでは実現できない、という問題点があった。特にディジタル無線通信システムにおいて、良好なビット誤り率特性を実現するためには、位相制御のステップ幅が「T/N≦T/16」であること、すなわち、原振クロックの周波数fclkが「fclk≧16fs」であること、が望ましい。この場合、(N+k)分周部111では、少なくともシンボルレートの16倍の速度を要する。したがって、fs=25MHzと仮定すると、(N+k)分周部111は、動作速度が400MHzと非常に高速になるため、CMOSデバイスで実現することが非常に困難となり、(N+k)分周部111のみ、高価なECLデバイス等を使用せざるを得ない。
【0026】
また、上記のように、(N+k)分周部111の動作周波数が高くなると、復調器の消費電力が増加する、という問題点もあった。
【0027】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、可変分周部の低コスト化、かつ、従来と同等の詳細な位相制御ステップ幅を実現しつつ回路動作の低速化を実現可能なタイミング再生装置を得ること、また、広帯域無線通信を行う場合においても、ビット誤り率特性の向上、低コスト化、および低消費電力化、を実現可能な復調器、を得ることを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるタイミング再生装置にあっては、原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように当該再生クロックの位相を制御する構成とし、さらに、前記可変分周手段は、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタ(後述する実施の形態の第1の(log2M)bitカウンタ26に相当)と、前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第2のカウンタ(第2の(log2M)bitカウンタ27に相当)と、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方のカウンタ出力をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段(1bitカウンタ21、マスク信号生成部22、同期ロード値出力部23、第1のロードパルス生成部24、第2のロードパルス生成部25に相当)、前記マスク信号にしたがっていずれか一方のカウンタ出力をマスクし、マスクが解除されている他方のカウンタ出力を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段(第1のマスク部28、第2のマスク部29、クロック合成部30に相当)と、を備えることを特徴とする。
【0029】
つぎの発明にかかるタイミング再生装置にあっては、原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように当該再生クロックの位相を制御する構成とし、さらに、前記可変分周手段は、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、前記第1のカウンタと同様に動作し、さらに、上位n番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタ(第2の(log2M)bitカウンタ32に相当)と、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方のカウンタ出力をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段(1bitカウンタ21、マスク信号生成部22、同期ロード値出力部23、第1のロードパルス生成部24、第2のロードパルス生成部31に相当)と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方のカウンタ出力をマスクし、マスクが解除されている他方のカウンタ出力を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段(第1のマスク部28、Dフリップフロップ33、第2のマスク部29、クロック合成部30に相当)と、を備えることを特徴とする。
【0030】
つぎの発明にかかるタイミング再生装置にあっては、さらに、前記再生クロックの立上がりエッジおよび立下りエッジを用いて、受信アナログベースバンド信号をシンボルレートの2倍の速度でA/D変換し、その結果を受信ディジタルベースバンド信号として出力するサンプリング手段(サンプリング部11に相当)と、前記受信ディジタルベースバンド信号を非線形変換する非線形変換手段(非線形変換部12に相当)と、前記非線形変換後の出力と前記再生クロックの位相とを比較する位相比較手段(位相比較部13に相当)と、前記位相比較結果を平均化する平均化手段(平均化部14に相当)と、シンボルレートのM倍の周波数を有する原振クロックを生成する原振クロック生成手段(原振クロック生成部16に相当)と、を備え、前記可変分周手段((M+k/2)分周部15に相当)は、前記位相の進み/遅れに関する命令に応じて、原振クロックをM+k/2(k∈{−1,0,+1})分周し、いずれか一方の上位n=1番目のビットの信号(MSB)を再生クロックとして出力することを特徴とする。
【0031】
つぎの発明にかかるタイミング再生装置にあっては、原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように当該再生クロックの位相を制御する構成とし、さらに、前記可変分周手段は、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタ(第1の(log2M)bitカウンタ51に相当)と、前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を出力する第2のカウンタ(第2の(log2M)bitカウンタ52に相当)と、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクし、マスクが解除されている他方の上位n+1番目のビットの信号を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段(第1のマスク部53、第2のマスク部54、クロック合成部30に相当)と、を備えることを特徴とする。
【0032】
つぎの発明にかかるタイミング再生装置にあっては、原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように当該再生クロックの位相を制御する構成とし、さらに、前記可変分周手段は、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタ(第2の(log2M)bitカウンタ62に相当)と、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段(1bitカウンタ21、マスク信号生成部22、同期ロード値出力部23、第1のロードパルス生成部24、第2のロードパルス生成部61に相当)と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクし、マスクが解除されている他方の上位n+1番目のビットの信号を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段(第1のマスク部53、Dフリップフロップ63、第2のマスク部54、クロック合成部30に相当)と、を備えることを特徴とする。
【0033】
つぎの発明にかかるタイミング再生装置にあっては、さらに、前記2倍再生クロックの立上がりエッジを用いて、受信アナログベースバンド信号をシンボルレートの2倍の速度でA/D変換し、その結果を受信ディジタルベースバンド信号として出力するサンプリング手段(サンプリング部11aに相当)と、前記受信ディジタルベースバンド信号を非線形変換する非線形変換手段と、前記非線形変換後の出力と前記再生クロックの位相とを比較する位相比較手段と、前記位相比較結果を平均化する平均化手段と、シンボルレートのM倍の周波数を有する原振クロックを生成する原振クロック生成手段と、を備え、前記可変分周手段((M/2+k/2)分周部41に相当)は、前記位相の進み/遅れに関する命令に応じて、原振クロックをM/2+k/2(k∈{−1,0,+1})分周し、いずれか一方の上位n+1=2(n=1)番目のビットの信号を2倍再生クロックとして出力し、さらに前記第1のカウンタが出力する上位n=1番目のビットの信号を再生クロックとして出力することを特徴とする。
【0034】
つぎの発明にかかるタイミング再生装置にあっては、前記位相比較手段、前記平均化手段、および前記可変分周手段で、PLLを構成することを特徴とする。
【0035】
つぎの発明にかかる復調器にあっては、原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように位相制御された当該再生クロックを用いて、当該受信データを復調する構成とし、さらに、前記可変分周手段は、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方のカウンタ出力をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方のカウンタ出力をマスクし、マスクが解除されている他方のカウンタ出力を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0036】
つぎの発明にかかる復調器にあっては、原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように位相制御された当該再生クロックを用いて、当該受信データを復調する構成とし、前記可変分周手段は、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、前記第1のカウンタと同様に動作し、さらに、上位n番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方のカウンタ出力をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方のカウンタ出力をマスクし、マスクが解除されている他方のカウンタ出力を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0037】
つぎの発明にかかる復調器にあっては、さらに、無線信号を受信するアンテナ(アンテナ1に相当)と、前記無線信号を受信アナログベースバンド信号に周波数変換する周波数変換手段(周波数変換部2に相当)と、前記再生クロックの立上がりエッジおよび立下りエッジを用いて、前記受信アナログベースバンド信号をシンボルレートの2倍の速度でA/D変換し、その結果を受信ディジタルベースバンド信号として出力するサンプリング手段と、前記受信ディジタルベースバンド信号を非線形変換する非線形変換手段と、前記非線形変換後の出力と前記再生クロックの位相とを比較する位相比較手段と、前記位相比較結果を平均化する平均化手段と シンボルレートのM倍の周波数を有する原振クロックを生成する原振クロック生成手段と、前記再生クロックを用いて、前記受信ディジタルベースバンド信号を判定し、判定後のデータを復調データとして出力するデータ復調手段と、を備えることを特徴とする。
【0038】
つぎの発明にかかる復調器にあっては、原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように位相制御された当該再生クロックを用いて、当該受信データを復調する構成とし、さらに、前記可変分周手段は、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクし、マスクが解除されている他方の上位n+1番目のビットの信号を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0039】
つぎの発明にかかる復調器にあっては、原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように位相制御された当該再生クロックを用いて、当該受信データを復調する構成とし、さらに、前記可変分周手段は、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクし、マスクが解除されている他方の上位n+1番目のビットの信号を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0040】
つぎの発明にかかる復調器にあっては、さらに、無線信号を受信するアンテナと、前記無線信号を受信アナログベースバンド信号に周波数変換する周波数変換手段と、前記2倍再生クロックの立上がりエッジを用いて、前記受信アナログベースバンド信号をシンボルレートの2倍の速度でA/D変換し、その結果を受信ディジタルベースバンド信号として出力するサンプリング手段と、前記受信ディジタルベースバンド信号を非線形変換する非線形変換手段と、前記非線形変換後の出力と前記再生クロックの位相とを比較する位相比較手段と、前記位相比較結果を平均化する平均化手段と、シンボルレートのM倍の周波数を有する原振クロックを生成する原振クロック生成手段と、前記再生クロックを用いて、前記受信ディジタルベースバンド信号を判定し、判定後のデータを復調データとして出力するデータ復調手段と、を備えることを特徴とする。
【0041】
つぎの発明にかかる可変分周回路にあっては、原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方のカウンタ出力をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方のカウンタ出力をマスクし、マスクが解除されている他方のカウンタ出力を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0042】
つぎの発明にかかる可変分周回路にあっては、原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、前記第1のカウンタと同様に動作し、さらに、上位n番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方のカウンタ出力をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方のカウンタ出力をマスクし、マスクが解除されている他方のカウンタ出力を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0043】
つぎの発明にかかる可変分周回路にあっては、原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクし、マスクが解除されている他方の上位n+1番目のビットの信号を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0044】
つぎの発明にかかる可変分周回路にあっては、原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、いずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクするためのマスク信号と、前記所定のロード値と、を生成し、さらに、当該ロード値を適当なタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、前記マスク信号にしたがっていずれか一方の上位n+1番目のビットの信号をマスクし、マスクが解除されている他方の上位n+1番目のビットの信号を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるタイミング再生装置および復調器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0046】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる復調器の構成を示す図である。図1において、1はアンテナであり、2は周波数変換部であり、3はタイミング再生部であり、4はデータ判定部であり、11はサンプリング部であり、12は非線形変換部であり、13は位相比較部であり、14は平均化部であり、15は可変分周回路として動作する(M+k/2)分周部であり、16は原振クロック生成部である。
【0047】
つぎに、上記復調器の動作を簡単に説明する。ここでは、変調方式として、QPSK変調方式を採用する。まず、アンテナ1を介してQPSK変調が施された無線信号を受け取った周波数変換部2では、当該無線信号の周波数を無線周波数からベースバンド周波数に変換し、周波数変換後の信号として、ベースバンド信号の同相成分I(t)と直交成分Q(t)とを出力する。
【0048】
タイミング再生部3では、内部でサンプリングしたベースバンド信号Ii,Qi (ただし、Iはサンプリング後のベースバンド信号の同相成分であり、Qはサンプリング後のベースバンド信号の直交成分であり、i=1,2,3・・・である)を用い、受信データのナイキスト点に対する再生クロックの位相の進み/遅れを求め、進んでいる場合は再生クロックの位相を遅らせ、遅れている場合は再生クロックの位相を進ませる。なお、ここでは、位相比較部13、平均化部14、および(M+k/2)分周部15でPLL(Phase Locked Loop)を構成する。ここでは、常に再生クロックの立上がりエッジが受信データのナイキスト点をサンプリングするように、再生クロックの位相を制御する。
【0049】
ただし、タイミング再生部3では、先に説明したタイミング再生部100とは異なり、従来の1/2の周波数(すなわち、fclk=Nfs/2)の原振クロックを用いて、タイミング再生部100と同等な位相制御ステップ幅Tc=T/N(T:シンボル周期、N=1,2,3,・・・)を実現する。
【0050】
データ判定部4では、上記サンプリング後のベースバンド信号を用いて、送信されてきたデータを判定し、判定後のデータを復調データとして出力する。
【0051】
ここで、本実施の形態のタイミング再生部3の動作を詳細に説明する。まず、サンプリング部11では、従来同様、受け取ったアナログのベースバンド信号を、後段の(M+k/2)分周部15から出力される再生クロックの立上がりエッジと立下りエッジのタイミングでサンプリングし、ディジタル信号に変換する。なお、再生クロックの周期がシンボル周期Tであるため、データのサンプリング周期はT/2となる。
【0052】
つぎに、非線形変換部12では、従来同様、ベースバンド信号I(t),Q(t)に非線形処理を施して、シンボル周波数fs(=1/T)成分を有する信号α(t)に変換する。なお、非線形処理としては、たとえば、先に説明した式(1)に基づく振幅差分処理がある。
【0053】
つぎに、位相比較部13では、再生クロックの立上がりエッジでサンプリングされたデータI2j-1,Q2j-1(j=1,2,3,…)から求まる前述の式(3)と、再生クロック立下がりエッジでサンプリングされたデータI2j,Q2j(j=1,2,3,…)から求まる前述の式(4)と、を比較する。
【0054】
このとき、位相比較部13では、α2j-1とα2jとの関係に応じて、位相の進み(LEAD)および遅れ(LAG)を表す信号を出力する。すなわち、位相比較部13では、
(1)α2j-1>α2jの場合、再生クロックの位相がナイキスト点より遅れていると判定し、LEAD=“0”,LAG=“1”を出力する(図28参照)。
(2)α2j-1<α2jの場合、再生クロックの位相がナイキスト点より進んでいると判定し、LEAD=“1”,LAG=“0”を出力する(図29参照)。
(3)α2j-1=α2jの場合、再生クロックの立上がり位置がナイキスト点と一致していると判定し、LEAD=“0”,LAG=“0”を出力する。
【0055】
つぎに、平均化部14では、上記位相の進み/遅れを平均化し、平均的に位相が進んでいる場合は再生クロックの位相を遅らせる命令(UP=“0”,DOWN=“1”)を、平均的に位相が遅れている場合は再生クロックの位相を進ませる命令(UP=“1”,DOWN=“0”)を、後段の(M+k/2)分周部15に通知する。上記平均化部14は、アップダウンカウンタおよび比較器で構成されるランダムウォークフィルタで実現でき、たとえば、アップダウンカウンタの値をX,フィルタの時定数を決定する定数をY,位相比較部13出力の位相検出値をD=(LEAD−LAG)∈{−1,0,+1}とすると、ランダムウォークフィルタは、アップダウンカウンタ値の初期値X=Yから、1シンボル毎にカウント値をX→X+Dに更新し、以下の動作を行う。
(1)カウント値XがX=0となったら、UP=“1”,DOWN=“0”を出力し、同時にカウント値Xを初期値X=Yにセットする。
(2)カウント値XがX=2Yとなったら、UP=“0”,DOWN=“1”を出力し、同時にカウント値Xを初期値X=Yにセットする。
(3)カウント値Xが、0<X<2Yの範囲では、UP=“0”,DOWN=“0”を出力する。
【0056】
つぎに、原振クロック生成部16では、シンボル周波数fs(=1/T)のM(=1,2,3,…)倍の周波数を有する原振クロックを出力する。すなわち、原振クロックの周波数fclkとシンボル周波数fsとの関係は、fclk=Mfsである。
【0057】
最後に、(M+k/2)分周部15では、たとえば、再生クロックの位相制御信号をk=(UP−DOWN)=(−1,0,1)とした場合、原振クロックを(M+k/2)分周(可変分周)し、当該分周したクロックを再生クロックとして出力する。具体的にいうと、たとえば、k=0(すなわち、UP=“0”,DOWN=“0”)の場合、再生クロックは、原振クロックをM分周して生成されるため、シンボル周期T=1/fsと一致する。また、k=−1(すなわち、UP=“0”,DOWN=“1”)の場合、再生クロックは、原振クロックを(M+1/2)分周して生成されるため、再生クロックの周期がT(M+1/2)/Mとなり、T/2Mだけ長くなる。また、k=+1(すなわち、UP=“1”,DOWN=“0”)の場合、再生クロックは、原振クロックを(M−1/2)分周して生成されるため、再生クロックの周期がT(M−1/2)/Mとなり、T/2Mだけ短くなる。
【0058】
すなわち、(M+k/2)分周部15では、再生クロックの位相を遅らせる命令(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合、再生クロックの位相を2π(T/2M)だけ遅らせるように動作し、再生クロックの位相を進ませる命令(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合、再生クロックの位相を2π(T/2M)だけ進めるように動作し、このとき、当該位相制御のステップ幅がT/2Mとなる。
【0059】
また、(M+k/2)分周部15では、上記位相制御ステップ幅T/2M=T/N(従来技術の位相制御ステップ幅)とした場合、M=N/2の関係が成立する。また、本実施の形態の原振クロック周波数はfclk=Mfsであり、従来技術における原振クロック周波数はfclk=Nfsである。
【0060】
以上のことから、本実施の形態では、従来技術と同等の位相制御ステップ幅を実現しながら、原振クロックの周波数を従来例の原振クロック周波数の1/2にすることができる。
【0061】
つぎに、上記(M+k/2)分周部15の動作を詳細に説明する。図2は、上記(M+k/2)分周部15の構成を示す図である。図2において、21は1bitカウンタであり、22はマスク信号生成部であり、23は同期ロード値出力部であり、24は第1のロードパルス生成部であり、25は第2のロードパルス生成部であり、26は第1の(log2M)bitカウンタであり、27は第2の(log2M)bitカウンタであり、28は第1のマスク部であり、29は第2のマスク部であり、30はクロック合成部であり、ここでは、原振クロックの立ち上がりエッジで動作する第1の(log2M)bitカウンタ26と、原振クロックの立ち下がりエッジで動作する第2の(log2M)bitカウンタ27と、を同時に動作させ、各カウンタの最上位ビット(MSB)の論理和(OR)を、再生クロックとして出力する。なお、再生クロックの位相制御は、後述する所定の同期ロード手順および各MSBのマスク制御、によって実現される。
【0062】
まず、1bitカウンタ21では、そのレジスタ値をC∈{0,1}とした場合、UP,DOWN信号に対してつぎの処理を行う。
(1)UP=“1”,DOWN=“0”:C→not(C)
(2)UP=“0”,DOWN=“1”:C→not(C)
(3)UP=“0”,DOWN=“0”:C→C
図3は、1bitカウンタ21の動作を示す図である。ただし、Cの初期値は“0”である。
【0063】
同期ロード値出力部23では、以下のように、UP,DOWN信号、およびレジスタCの値に応じて、所定のデータR_LOAD_DATA,F_LOAD_DATAを出力する。
(1)UP=“0”,DOWN=“1”,C=“0”→“1”の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=M−1
(2)UP=“0”,DOWN=“1”,C=“1”→“0”の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=0
(3)UP=“1”,DOWN=“0”,C=“0”→“1”の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=M−2
(4)UP=“1”,DOWN=“0”,C=“1”→“0”の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=M−1
(5)UP=“0”,DOWN=“0”,C=“0”(変化なし)の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=M−1
(6)UP=“0”,DOWN=“0”,C=“1”(変化なし)の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=M−1
【0064】
なお、R_LOAD_DATAおよびF_LOAD_DATAは、上記のように、いずれも同じ値を示すが、UP,DOWN信号、およびレジスタCの値によって、変化タイミングが前後する。具体的にいうと、以下のように動作する。
(1)UP=“0”,DOWN=“1”,C=“0”→“1”の場合:
同時に変化
(2)UP=“0”,DOWN=“1”,C=“1”→“0”の場合:
R_LOAD_DATAが先に変化
(3)UP=“1”,DOWN=“0”,C=“0”→“1”の場合:
F_LOAD_DATAが先に変化
(4)UP=“1”,DOWN=“0”,C=“1”→“0”の場合:
同時に変化
【0065】
マスク信号生成部22では、レジスタ値Cの変化に応じて、2つのマスク信号R_MSK,F_MSKを、以下の論理で出力する。
(1)C=“0”→“1”の場合:
R_MSK=“1”→“0”,F_MSK=“0”→“1”
(2)C=“1”→“0”の場合:
R_MSK=“0”→“1”,F_MSK=“1”→“0”
ただし、R_MSK,F_MSKについては同時に変化させる必要はなく、データ変化の際に、両者が論理“1”となる状態を、1シンボル周期T程度オーバーラップさせることとしてもよい。
【0066】
第1の(log2M)bitカウンタ26では、同期ロードパルスR_LOAD_PULSEが論理“1”を示さない限り、原振クロックの立上がりエッジに同期してダウンカウント動作を行う。同様に、第2の(log2M)bitカウンタ27でも、同期ロードパルスF_LOAD_PULSEが論理“1”を示さない限り、原振クロックの立下がりエッジに同期してダウンカウント動作を行う。
【0067】
第1のロードパルス生成部24は、原振クロックの立上がりエッジで動作し、後段の第1の(log2M)bitカウンタ26のカウンタ値に応じて、同期ロードパルスR_LOAD_PULSEを出力する。同期ロードパルスR_LOAD_PULSEは、通常は論理“0”を示すが、後段の第1の(log2M)bitカウンタ26から入力されるカウンタ値が“0”を示した場合に、原振クロックの1周期分だけ論理“1”を示す。一方、第2のロードパルス生成部25は、原振クロックの立下がりエッジで動作し、後段の第2の(log2M)bitカウンタ27のカウンタ値に応じて、同期ロードパルスF_LOAD_PULSEを出力する。同期ロードパルスF_LOAD_PULSEは、通常は論理“0”を示すが、後段の第2の(log2M)bitカウンタ27から入力されるカウンタ値が“0”を示した場合に、原振クロックの1周期分だけ論理“1”を示す。
【0068】
第1のマスク部28では、第1の(log2M)bitカウンタ26出力の最上位ビット(MSB)と、マスク信号生成部22から出力されるR_MSKと、の論理積(AND)をとり、その結果を原振クロックの立上がりでリタイミングして出力する。同様に、第2のマスク部29では、第2の(log2M)bitカウンタ27出力の最上位ビット(MSB)と、マスク信号生成部22から出力されるF_MSKと、の論理積(AND)をとり、その結果を原振クロックの立下がりでリタイミングして出力する。
【0069】
クロック合成部30では、第1のマスク部28と第2のマスク部29から出力される信号の論理和(OR)を求め、その結果を再生クロックとして出力する。
【0070】
つぎに、M=8を一例とした場合の、上記(M+k/2)分周部15の一連の動作を、図面に基づいて詳細に説明する。この場合、各(log2M)bitカウンタは、それぞれ3(=log28)bitダウンカウンタとなる。なお、R_MSKおよびF_MSKの論理“1”のオーバーラップ時間は、シンボル周期Tとする。
【0071】
図4は、UP=“0”,DOWN=“0”,C=“0”(変化なし)である場合の動作を示すタイミングチャートである。たとえば、レジスタCが“0”で、無制御時の場合、第1の(log2M)bitカウンタ26では、R_LOAD_PULSEによって、常にR_LOAD_DATA=“7”が同期ロードされるため、ダウンカウントが行われる。そのため、第1の(log2M)bitカウンタ26の最上位ビット(MSB)の周期は、常にシンボル周期Tとなる。同様に、第2の(log2M)bitカウンタ27でも、F_LOAD_PULSEによって、常にF_LOAD_DATA=“7”が同期ロードされるため、常にダウンカウントが行われる。そのため、第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBの周期も、常にシンボル周期Tとなる。
【0072】
このとき、レジスタCが“0”であるため、すなわち、F_MSK=“0”となるため、第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBは、第2のマスク部29における論理積によってマスクされ、その後、原振クロックの立下りでリタイミングされる。一方、R_MSK=“1”となるため、第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBは、第1のマスク部28にてマスクされることなく原振クロックの立上りでリタイミングされる。
【0073】
したがって、レジスタCが“0”、かつ無制御時の場合は、図4に示すように、第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBが、再生クロックとなる。
【0074】
図5は、UP=“0”,DOWN=“1”,C=“0”→“1”である場合の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、再生クロックの位相を遅らせる動作について説明する。なお、再生クロックの位相を遅らせる動作については、レジスタCの値(∈{0,1})によって異なるが、ここでは、レジスタ値Cが“0”の状態であった場合を想定する。
【0075】
たとえば、図4に示す状態(レジスタ=0)から、再生クロックの位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合、DOWN信号は、再生クロックの立下りエッジに同期してその論理が変化する。ここでは、UP=“0”,DOWN=“0”からUP=“0”,DOWN=“1”へ変化するため、その後、レジスタCは、“0”→“1”となる。さらに、マスク信号生成部22の出力は、レジスタCの変化に連動して、R_MSK信号が“1”→“0”,F_MSK信号が“0”→“1”に変化する。
【0076】
このとき、R_LOAD_DATAおよびF_LOAD_DATAが“7”であるため、図4と同様、各(log2M)bitカウンタは、いずれもダウンカウント動作を行い、各MSBの周期も常にシンボル周期Tとなる。
【0077】
一方、再生クロックの周期は、マスク信号R_MSKとF_MSKの論理が切り替わるため、変化する。すなわち、第2のマスク部29の出力は、上記ようにマスクが解除されるため、図5に示すように、常に論理“0”の状態から、原振クロックの立下がりでリタイミングされた第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBに変化する。逆に、第1のマスク部28の出力は、マスクが開始されるため、原振クロックの立上がりでリタイミングされた第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBから、論理“0”の状態に変化する。
【0078】
これにより、第1のマスク部28の出力と第2のマスク部29の出力との論理和である再生クロックの位相が変化する。具体的にいうと、図5に示すように、一回だけ再生クロックの周期が17T/16となり、それ以外は周期Tとなる。
【0079】
このように、レジスタCが“0”の状態のときに、位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合、(M+k/2)分周部15では、位相を原振クロックの半周期分(=2πT/16)だけ遅らせた再生クロックを出力することとなる。
【0080】
図6は、UP=“0”,DOWN=“0”,C=“1”(変化なし)である場合の動作を示すタイミングチャートである。たとえば、レジスタCが“1”で、無制御時の場合、第1の(log2M)bitカウンタ26では、R_LOAD_PULSEによって、常にR_LOAD_DATA=“7”が同期ロードされるため、ダウンカウントが行われる。そのため、第1の(log2M)bitカウンタ26の最上位ビット(MSB)の周期は、常にシンボル周期Tとなる。同様に、第2の(log2M)bitカウンタ27でも、F_LOAD_PULSEによって、常にF_LOAD_DATA=“7”が同期ロードされるため、常にダウンカウントが行われる。そのため、第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBの周期も、常にシンボル周期Tとなる。
【0081】
このとき、レジスタCが“1”であるため、すなわち、R_MSK=“0”となるため、第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBは、第1のマスク部28における論理積によってマスクされ、その後、原振クロックの立下りでリタイミングされる。一方、F_MSK=“1”となるため、第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBは、第2のマスク部29にてマスクされることなく原振クロックの立上りでリタイミングされる。
【0082】
したがって、レジスタCが“1”、かつ無制御時の場合は、図6に示すように、第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBが、再生クロックとなる。
【0083】
図7は、UP=“0”,DOWN=“1”,C=“1”→“0”である場合の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、再生クロックの位相を遅らせる動作について説明する。なお、再生クロックの位相を遅らせる動作については、レジスタCの値(∈{0,1})によって異なるが、ここでは、レジスタ値Cが“0”→“1”に変化後、無制御時(UP=“0”,DOWN=“0”)の状態に遷移し、その後、その状態から位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合を想定する。
【0084】
たとえば、図6に示す状態(レジスタC=1)から、再生クロックの位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合、DOWN信号は、再生クロックの立下りエッジに同期してその論理が変化する。ここでは、UP=“0”,DOWN=“0”からUP=“0”,DOWN=“1”へ変化するため、その後、レジスタCは、“1”→“0”となる。さらに、マスク信号生成部22の出力は、レジスタCの変化に連動して、R_MSK信号が“0”→“1”,F_MSK信号が“1”→“0”に変化する。
【0085】
このとき、R_LOAD_DATAおよびF_LOAD_DATAは、“7”→“0”となり、かつR_LOAD_DATAが先に“7”→“0”に変化する。また、各データの変化のタイミング、および各(log2M)bitカウンタの同期ロードのタイミングは、図7に示す通り、先に第1の(log2M)bitカウンタ26に“0”がロードされ、その後、第2の(log2M)bitカウンタ27に“0”がロードされる。そのため、第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBも、第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBも、“0”の同期ロード時においてはシンボル周期が9T/8となり、それ以外の“7”の同期ロード時においてはシンボル周期がTとなる。
【0086】
一方、再生クロックの周期は、マスク信号R_MSK,F_MSKの論理が反転するため、変化する。具体的にいうと、17T/16になる。すなわち、第1のマスク部28の出力は、マスクが解除されるため、図7に示すように、常に論理“0”の状態から、原振クロックの立上がりでリタイミングされた第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBに変化する。逆に、第2のマスク部29の出力は、マスクが開始されるため、原振クロックの立下がりでリタイミングされた第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBから、論理“0”の状態に変化する。そして、第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBは、“0”の同期ロードによって、その周期が一回だけシンボル周期が9T/8となり、一方で、第2の(log2M)bitカウンタ27への“0”の同期ロードが行われていない。その結果、第1のマスク部28から出力されるクロックの位相は、第2のマスク部29から出力されるクロックの位相と比較して、2π(T/16)だけ遅れた関係となる。
【0087】
これにより、第1のマスク部28の出力と第2のマスク部29の出力との論理和である再生クロックの位相が変化する。具体的にいうと、図7に示すように、一回だけ再生クロックの周期が17T/16となり、それ以外は周期Tとなる。そして、第2のマスク部29の出力がマスク信号F_MSKによって論理“0”の状態になると、第2の(log2M)bitカウンタ27への“0”の同期ロードによって、その周期も一回だけ9T/8となる。その結果、再び、第1のマスク部28から出力されるクロックの位相は、第2のマスク部29から出力されるクロックの位相と比較して、2π(T/16)だけ進んだ関係に戻される。
【0088】
このように、レジスタCが“1”の状態のときに、位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合、(M+k/2)分周部15では、位相を原振クロックの半周期分(=2πT/16)だけ遅らせた再生クロックを出力することとなる。
【0089】
図8は、UP=“1”,DOWN=“0”,C=“0”→“1”である場合の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、再生クロックの位相を進ませる動作について説明する。なお、再生クロックの位相を進ませる動作については、レジスタCの値(∈{0,1})によって異なるが、ここでは、レジスタ値Cが“0”の状態であった場合を想定する。
【0090】
たとえば、図4に示す状態(レジスタC=0)から、再生クロックの位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合、UP信号は、再生信号の立下りエッジに同期してその論理が変化する。ここでは、UP=“0”,DOWN=“0からUP=“1”,DOWN=“0”へ変化するため、その後、レジスタCは、“0”→“1”となる。さらに、マスク信号生成部22の出力は、レジスタCの変化に連動して、R_MSK信号が“1”→“0”,F_MSK信号が“0”→“1”に変化する。
【0091】
このとき、R_LOAD_DATAおよびF_LOAD_DATAは、“7”→“6”となり、かつF_LOAD_DATAが先に“7”→“6”に変化する。また、各データの変化のタイミング、および各(log2M)bitカウンタの同期ロードのタイミングは、図8に示す通り、先に第2の(log2M)bitカウンタ27に“6”がロードされ、その後、第1の(log2M)bitカウンタ26に“6”がロードされる。そのため、第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBも、第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBも、“6”の同期ロード時においてはシンボル周期が7T/8となり、それ以外の“7”の同期ロード時においてはシンボル周期がTとなる。
【0092】
一方、再生クロックの周期は、マスク信号R_MSK,F_MSKの論理が反転するため、変化する。具体的にいうと、15T/16になる。すなわち、第2のマスク部29の出力は、マスクが解除されるため、図8に示すように、常に論理“0”の状態から、原振クロックの立下がりでリタイミングされた第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBに変化する。逆に、第1のマスク部28の出力は、マスクが開始されるため、原振クロックの立上がりでリタイミングされた第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBから、論理“0”の状態に変化する。そして、第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBは、“6”同期ロードによって、その周期が一回だけ7T/8となり、一方で、第1の(log2M)bitカウンタ26への“6”の同期ロードが行われていない。その結果、第1のマスク部28から出力されるクロックの位相は、第2のマスク部29から出力されるクロックの位相と比較して、2π(T/16)だけ遅れた関係となる。
【0093】
これにより、第1のマスク部28の出力と第2のマスク部29の出力との論理和である再生クロックの位相が変化する。具体的にいうと、図8に示すように、一回だけ再生クロックの周期が15T/16となり、それ以外は周期Tとなる。そして、第1のマスク部28の出力がマスク信号R_MSKによって論理“0”の状態になると、第1の(log2M)bitカウンタ26への“6”の同期ロードによって、その周期も一回だけ7T/8となる。その結果、再び、第1のマスク部28から出力されるクロックの位相は、第2のマスク部29から出力されるクロックの位相と比較して、2π(T/16)だけ進んだ関係に戻される。
【0094】
このように、レジスタCが“0”の状態のときに、位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合、(M+k/2)分周部15では、位相を原振クロックの半周期分(2πT/16)だけ進ませた再生クロックを出力することとなる。
【0095】
図9は、UP=“1”,DOWN=“0”,C=“1”→“0”である場合の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、再生クロックの位相を進ませる動作について説明する。なお、再生クロックの位相を進ませる動作については、レジスタCの値(∈{0,1})によって異なるが、ここでは、レジスタ値Cが“0”→“1”に変化後、無制御時(UP=“0”,DOWN=“0”)の状態に遷移し、その後、その状態から位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合を想定する。
【0096】
たとえば、図6に示す状態(レジスタC=1)から、再生クロックの位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合、UP信号は、再生クロックの立下りエッジに同期してその論理が変化する。ここでは、UP=“0”,DOWN=“0”からUP=“1”,DOWN=“0”へ変化するため、レジスタCは、“1”→“0”となる。さらに、マスク信号生成部22の出力は、レジスタCの変化に連動して、R_MSK信号が“0”→“1”,F_MSK信号が“1”→“0”に変化する。
【0097】
このとき、R_LOAD_DATAおよびF_LOAD_DATAが“7”であるため、各(log2M)bitカウンタは、いずれもダウンカウント動作を行い、各MSBの周期も常にシンボル周期Tとなる。
【0098】
一方、再生クロックの周期は、マスク信号R_MSK,F_MSKの論理が切り替わるため、変化する。すなわち、第1のマスク部28の出力は、マスクが解除されるため、常に論理“0”の状態から、原振クロックの立上がりでリタイミングされた第1の(log2M)bitカウンタ26のMSBに変化する。逆に、第2のマスク部29の出力は、マスクが開始されるため、原振クロックの立下がりでリタイミングされた第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBから、論理“0”の状態に変化する。
【0099】
これにより、第1のマスク部28の出力と第2のマスク部29の出力との論理和である再生クロックの位相が変化する。具体的にいうと、図9に示すように、一回だけ再生クロックの周期が15T/16となり、それ以外は周期Tとなる。
【0100】
このように、レジスタCが“1”の状態のときに、位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合、(M+k/2)分周部15では、位相を原振クロックの半周期分(=2πT/16)だけ進ませた再生クロックを出力することとなる。
【0101】
以上、ここでは、(M+k/2)分周部15における位相を遅らせる動作を、(UP=“0”,DOWN=“0”)→(UP=“0”,DOWN=“1”)→(UP=“0”,DOWN=“0”)→(UP=“0”,DOWN=“1”)の順に入力された制御信号を一例として説明した(図4〜図7参照)。また、(M+k/2)分周部15における位相を進ませる動作を、(UP=“0”,DOWN=“0”)→(UP=“1”,DOWN=“0”)→(UP=“0”,DOWN=“0”)→(UP=“1”,DOWN=“0”)の順に入力された制御信号を一例として説明した(図4、図6、図8、図9参照)。
【0102】
なお、実際の位相制御は、遅れ制御、進み制御がランダムに生じるため、上記以外の状態遷移も考えられる。図10は、(M+k/2)分周部15における位相制御動作の状態遷移を示す図である。たとえば、k=UP−DOWN(∈{0,±1})とした場合、(M+k/2)分周部15における位相制御の状態は、図10に示す通り、図4〜図9に対応した6状態の中を遷移することになる。この場合、平均化部14は、2段以上の段数を有するランダムウォークフィルタを想定し、さらに、前段の平均化部は、2シンボル以上連続してk=+1またはk=−1を出力しないことを前提とする。これにより、位相制御の状態遷移は、k=±1の位相制御が生じた場合に、図4の無制御状態から、2通りの位相制御状態(図5,図8)を経て図6の無制御状態へ遷移し、または図6の無制御状態から、2通りの位相制御状態(図7,図9)を経て図4の無制御状態へ遷移する。なお、上記構成により、位相制御状態(図5,図7,図8,図9)に、2シンボル以上連続して状態が留まることはない。
【0103】
以上述べた一連の動作により、本実施の形態のタイミング再生部3では、シンボル周波数fsのM倍の周波数(=Mfs)を有する原振クロックを用いて、再生クロックの位相を、その立上がりエッジがナイキスト点をサンプリングするように制御する。このとき、当該位相制御のステップ幅は、原振クロックの半周期に相当するT/2M(上記例M=8の場合はT/16となる)となる。
【0104】
したがって、タイミング再生部3の位相制御ステップ幅T/2Mが従来技術において説明した位相制御ステップ幅T/Nと等しい場合、本実施の形態のタイミング再生部3では、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を実現しつつ、原振クロックの周波数や、可変分周部である(M+k/2)分周部15の動作速度を、従来技術の1/2に低減することができる。
【0105】
このように、本実施の形態においては、広帯域無線通信システムのようにシンボルレートが数十Mbaudと高く、従来技術では可変分周部の動作速度が高くなりすぎてタイミング再生部のすべての回路を安価なCMOSゲートアレイで構成できない場合でも、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を維持しながら、動作速度を低減できるため、タイミング再生部3のすべての回路をCMOSゲートアレイで構成できる。また、本実施の形態においては、動作速度を従来技術の1/2に低減できるため、タイミング再生部3の消費電力、ひいては復調器全体の消費電力、を大幅に低減することもできる。
【0106】
また、本実施の形態の復調器においては、広帯域無線通信システムにおいても、タイミング位相制御ステップ幅を短くできるため、低位相ジッタ(低い位相の揺らぎ)による良好なビット誤り率特性を実現できる。また、本実施の形態の復調器においては、タイミング再生部3を含む装置全体をCMOSゲートアレイで構成できるため、低コスト化、LSI,FPGAによる集積化、および小型化を実現することができる。
【0107】
また、本実施の形態においては、(M+k/2)分周部15を、QPSK変調後の信号を受信する無線通信用復調器のタイミング再生に適用したが、(M+k/2)分周部15は、これに限らず、ディジタル回路で構成されるディジタルPLL(Phase Locked Loop)であれば、どのような回路にも適用することができる。この場合、(M+k/2)分周部15は、PLLのVCOに相当する役割を果たし、位相制御ステップ幅を従来技術と同程度に抑えつつ(同程度の性能を実現しつつ)、ディジタルPLLの動作速度を半減できるため、PLLの低消費電力化、小型化、および低コスト化を実現できる。
【0108】
なお、本実施の形態では、ロードするデータが(M−1)の場合においても、2つのカウンタへの同期ロードを行っているが、(M−1)ロード時における2つのカウンタの動作は、ダウンカウント動作と等価であるため、この場合については同期ロードを行わないように制御動作を変更することとしてもよい。
【0109】
また、本実施の形態においては、各ロードパルス生成部が、対応する(log2M)bitカウンタの値が“0”を示した場合に、各ロードパルスを原振クロックの1周期分(論理“1”)にわたって出力していたが、同期ロードのタイミングは、上記“0”に限定する必要はない。たとえば、各(log2M)bitカウンタの値をY∈{0,1,2,・・・M−1}とした場合、(log2M)bitカウンタの値が“Y”となった場合に、各ロードパルスを原振クロックの1周期分にわたって出力し、以下のように、同期ロードデータを出力することとしてもよい。
(1)UP=“0”,DOWN=“1”,C=“0”→“1”の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=(Y−1)modM
(2)UP=“0”,DOWN=“1”,C=“1”→“0”の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=Y
(3)UP=“1”,DOWN=“0”,C=“0”→“1”の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=(Y−2)modM
(4)UP=“1”,DOWN=“0”,C=“1”→“0”の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=(Y−1)modM
(5)UP=“0”,DOWN=“0”,C=“0”(変化なし)の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=(Y−1)modM
(6)UP=“0”,DOWN=“0”,C=“1”(変化なし)の場合:
R_LOAD_DATA=F_LOAD_DATA=(Y−1)modM
【0110】
また、各信号(UP信号,DOWN信号など)の論理は、最終的に上記動作と等価になれば、本実施の形態で述べた論理である必要はない。たとえば、無制御時をUP=“1”,DOWN=“1”に変更し、位相を遅らせる場合をUP=“1”,DOWN=“0”に変更し、位相を進ませる場合をUP=“0”,DOWN=“1”に変更することとしてもよい。また、たとえば、R_MSK信号とF_MSK信号の論理を反転させ、第1のマスク部28が、第1の(log2M)bitカウンタ26出力のMSBとR_MSK信号との論理和(OR)をとって最上位ビットの信号をマスクし、同様に、第2のマスク部29が、第2の(log2M)bitカウンタ27出力のMSBとF_MSK信号とのORをとって最上位ビットの信号をマスクし、最後に、クロック合成部30が、マスク後信号の論理積(AND)を求め、その結果を再生クロックとしてもよい。
【0111】
また、各(log2M)bitカウンタについては、ダウンカウンタである必要はなく、アップカウンタであってもよい。その場合、上記ダウンカウンタの場合の動作と等価になるように、たとえば、同期ロードパルスLOAD_PULSEのタイミングや、同期ロードデータR_LOAD_DATA,F_LOAD_DATAの値を変更する。
【0112】
実施の形態2.
図11は、実施の形態2の(M+k/2)分周部15の構成を示す図である。この(M+k/2)分周部15を用いた場合においても、前述の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。図11において、31は第2のロードパルス生成部であり、32は第2の(log2M)bitカウンタであり、33はDフリップフロップである。なお、復調器の構成としては、前述の図1と同様である。また、図11において、前述の実施の形態1の図2と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0113】
たとえば、前述の実施の形態1においては、第1の(log2M)bitカウンタ26が原振クロックの立上がりエッジで、第2の(log2M)bitカウンタ27が原振クロックの立下がりエッジで、それぞれ動作し、かつ、通常時(図4、図6参照)第1の(log2M)bitカウンタ26出力の位相が、原振クロックの半周期分だけ第2の(log2M)bitカウンタ27出力の位相より進んだタイミング関係であった。この両者のタイミング関係を実現するためには、第2の(log2M)bitカウンタ27に与えるリセット信号のタイミングを、第1の(log2M)bitカウンタ26に与えるリセット信号のタイミングより、原振クロックの半周期分だけ遅らせる処理が必要であり、この場合、2つのリセット信号を生成する回路が必要であった。
【0114】
また、前述の実施の形態1においては、シンボルレートの高速化に伴って(M+k/2)分周部15の動作速度が速くなると、各カウンタに入力する各リセット信号の時間遅延差を、原振クロックの半周期程度に維持することが困難となり、誤差が増大する。たとえば、(時間遅延差)=(原振クロックの半周期+誤差)とすると、誤差が原振クロックの半周期を越えた場合に、両者のタイミング関係がくずれ、タイミング再生部3が誤動作してしまう場合がある。そのため、シンボルレートが高い場合には、2つのカウンタにおける各リセット信号の時間遅延差を極力“0”にするため、各カウンタやリセット信号生成回路等の配置配線を工夫する必要があった。
【0115】
そこで、本実施の形態では、2つの(log2M)bitカウンタを両方とも原振クロックの立上がりエッジで動作させ、どちらか一方の(log2M)bitカウンタの最上位ビットを、原振クロックの立下りでリタイミングする。具体的にいうと、第2の(log2M)bitカウンタ32の後段に原振クロックの立下りエッジで動作するDフリップフロップ33を配置することで、実施の形態1と等価な回路を実現する。
【0116】
すなわち、第2のロードパルス生成部31は、原振クロックの立上りエッジで動作すること以外、前述の第2のロードパルス生成部25と同等の動作を行い、同様に、第2の(log2M)bitカウンタ32も、原振クロックの立上りエッジで動作すること以外、前述の第2の(log2M)bitカウンタ27と同等の動作を行う。また、Dフリップフロップ33は、原振クロックの立上がりで変化する第2の(log2M)bitカウンタ32のMSBを、原振クロックの立下がりでリタイミングする。
【0117】
このように、本実施の形態においては、Dフリップフロップ33から出力される信号と、前述の第2の(log2M)bitカウンタ27のMSBが、入力されるUP,DOWN信号に対して全く同じように変化する。これにより、本実施の形態においては、前述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、2つの(log2M)bitカウンタに与えるリセット信号が一つでよいため、実施の形態1で必要な2つのリセット信号を生成するための回路が不要となり、回路規模が低減できる。
【0118】
また、本実施の形態においては、2つの(log2M)bitカウンタやロードパルス生成部が、原振クロックの立上がりエッジで動作するため、各(log2M)bitカウンタに入力するリセット信号の時間遅延誤差に対する許容量が2倍となり、回路の配置配線が容易になる。
【0119】
実施の形態3.
図12は、本発明にかかる復調器の実施の形態3の構成を示す図である。図12において、3aはタイミング再生部であり、11aはサンプリング部であり、41は可変分周回路として動作する(M/2+k/2)分周部であり、4aはデータ判定部である。なお、前述の実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0120】
つぎに、上記復調器の動作を簡単に説明する。ここでは、変調方式として、QPSK変調方式を採用する。たとえば、タイミング再生部3aでは、内部でサンプリングしたベースバンド信号Ii,Qi (ただし、Iはサンプリング後のベースバンド信号の同相成分であり、Qはサンプリング後のベースバンド信号の直交成分であり、i=1,2,3・・・である)を用い、受信データのナイキスト点に対する再生クロックの位相の進み/遅れを求め、進んでいる場合は再生クロックの位相を遅らせ、遅れている場合は再生クロックの位相を進ませる。なお、ここでは、位相比較部13、平均化部14、および(M/2+k/2)分周部41でPLL(Phase Locked Loop)を構成する。ここでは、常に上記再生クロックの2倍の周波数をもつ2倍再生クロックの立上がりエッジが受信データのナイキスト点をサンプリングするように、2倍再生クロックを制御する。
【0121】
データ判定部4aでは、上記再生クロックを用いて、サンプリング後のベースバンド信号を2サンプル毎に間引いてナイキスト点データを抽出し、当該ナイキスト点データを用いて受信データを判定し、判定後のデータを復調データとして出力する。
【0122】
ここで、本実施の形態のタイミング再生部3aの動作を詳細に説明する。なお、ここでは、前述の実施の形態1と動作の異なる、サンプリング部11aおよび(M/2+k/2)分周部41について説明を行う。
【0123】
前述のサンプリング部11は、再生クロックの立上がりエッジで(I,Q)データをサンプリングするために2個のA/D変換器を必要とし、また、再生クロックの立下がりエッジで(I,Q)データをサンプリングするために2個のA/D変換器を必要とし、計4個のA/D変換器が必要であった。そこで、本実施の形態においては、後段の(M/2+k/2)分周部41から出力される2倍再生クロック(=再生クロックの2倍の周波数を有し、かつ位相制御ステップ幅T/2Mで位相制御されるクロック)の立上がりエッジを用いてデータをサンプリングすることで、サンプリング部11aにおける回路規模の低減を図る。
【0124】
図13は、実施の形態3のサンプリング部11aの構成を示す図である。図13において、46,47はA/D変換器である。このサンプリング部11aは、前述のサンプリング部11と同様、データをシンボルレートの2倍の速度でサンプリングが、ここでは、後段の(M/2+k/2)分周部41から出力される2倍再生クロックを用いてデータをサンプリングする。これにより、各A/D変換器(47,47)の動作速度が、実施の形態1におけるA/D変換器の動作速度の2倍となるため、サンプリングに必要なA/D変換器が2個となり、サンプリング部11aの回路規模を1/2程度に低減できる。
【0125】
図14は、上記(M/2+k/2)分周部41の構成を示す図である。なお、図2と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。図14において、51は第1の(log2M)bitカウンタであり、52は第2の(log2M)bitカウンタであり、53は第1のマスク部であり、54は第2のマスク部であり、ここでは、第1の(log2M)bitカウンタ51のMSBを「再生クロック」として出力し、さらに、各カウンタの上位2番目のビットの論理和(OR)を「2倍再生クロック」として出力する。
【0126】
第1の(log2M)bitカウンタ51では、同期ロードパルスR_LOAD_PULSEが論理“1”を示さない限り、原振クロックの立上がりエッジに同期してダウンカウント動作を行い、出力のMSBを再生クロックとして出力し、さらに、上位2番目のビットを後続の第1のマスク部53に対して出力する。また、第2の(log2M)bitカウンタ52では、同期ロードパルスF_LOAD_PULSEが論理“1”を示さない限り、原振クロックの立下がりエッジに同期してダウンカウント動作を行い、上位2番目のビットを後続の第2のマスク部54に対して出力する。
【0127】
第1のマスク部53では、第1の(log2M)bitカウンタ51出力の上位2番目のビットと、マスク信号生成部22から出力されるR_MSKと、の論理積(AND)をとり、その結果を原振クロックの立上がりでリタイミングして出力する。同様に、第2のマスク部54では、第2の(log2M)bitカウンタ52出力の最上位ビット(MSB)と、マスク信号生成部22から出力されるF_MSKと、の論理積(AND)をとり、その結果を原振クロックの立下がりでリタイミングして出力する。
【0128】
クロック合成部30では、第1のマスク部53と第2のマスク部54から出力される信号の論理和(OR)を求め、その結果を2倍再生クロックとして出力する。
【0129】
つぎに、M=8を一例とした場合の、上記(M/2+k/2)分周部41の一連の動作を、図面に基づいて詳細に説明する。この場合、各(log2M)bitカウンタは、それぞれ3(=log28)bitダウンカウンタとなる。なお、R_MSKおよびF_MSKの論理“1”のオーバーラップ時間は、シンボル周期T/2とする。
【0130】
図15は、UP=“0”,DOWN=“0”,C=“0”(変化なし)である場合の動作を示すタイミングチャートである。たとえば、レジスタCが“0”で、無制御時の場合、第1の(log2M)bitカウンタ51では、R_LOAD_PULSEによって、常にR_LOAD_DATA=“7”が同期ロードされるため、ダウンカウントが行われる。そのため、第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットの周期は、常にシンボル周期T/2となる。同様に、第2の(log2M)bitカウンタ52でも、F_LOAD_PULSEによって、常にF_LOAD_DATA=“7”が同期ロードされるため、常にダウンカウントが行われる。そのため、第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットの周期も、常にシンボル周期T/2となる。
【0131】
このとき、レジスタCが“0”であるため、すなわち、F_MSK=“0”となるため、第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットは、第2のマスク部54における論理積によってマスクされ、その後、原振クロックの立下りでリタイミングされる。一方、R_MSK=“1”となるため、第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットは、第1のマスク部53にてマスクされることなく原振クロックの立上りでリタイミングされる。
【0132】
したがって、レジスタCが“0”、かつ無制御時の場合は、図15に示すように、第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットが、2倍再生クロックとなる。
【0133】
図16は、UP=“0”,DOWN=“1”,C=“0”→“1”である場合の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、2倍再生クロックの位相を遅らせる動作について説明する。なお、2倍再生クロックの位相を遅らせる動作については、レジスタCの値(∈{0,1})によって異なるが、ここでは、レジスタ値Cが“0”の状態であった場合を想定する。
【0134】
たとえば、図15に示す状態(レジスタ=0)から、2倍再生クロックの位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合、DOWN信号は、2倍再生クロックの立上がりエッジに同期してその論理が変化する。ここでは、UP=“0”,DOWN=“0”からUP=“0”,DOWN=“1”へ変化するため、その後、レジスタCは、“0”→“1”となる。さらに、マスク信号生成部22の出力は、レジスタCの変化に連動して、R_MSK信号が“1”→“0”,F_MSK信号が“0”→“1”に変化する。
【0135】
このとき、R_LOAD_DATAおよびF_LOAD_DATAが“7”であるため、図15と同様、各(log2M)bitカウンタは、いずれもダウンカウント動作を行い、各上位2番目のビットの周期も常にシンボル周期T/2となる。
【0136】
一方、2倍再生クロックの周期は、マスク信号R_MSKとF_MSKの論理が切り替わるため、変化する。すなわち、第2のマスク部54の出力は、上記ようにマスクが解除されるため、図16に示すように、常に論理“0”の状態から、原振クロックの立下がりでリタイミングされた第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットに変化する。逆に、第1のマスク部53の出力は、マスクが開始されるため、原振クロックの立上がりでリタイミングされた第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットから、論理“0”の状態に変化する。
【0137】
これにより、第1のマスク部53の出力と第2のマスク部54の出力との論理和である2倍再生クロックの位相が変化する。具体的にいうと、図16に示すように、一回だけ2倍再生クロックの周期が4.5T/8(=9T/16)となり、それ以外は周期T/2となる。
【0138】
このように、レジスタCが“0”の状態のときに、位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合、(M/2+k/2)分周部41では、位相を原振クロックの半周期分(=2πT/16)だけ遅らせた2倍再生クロックを出力することとなる。
【0139】
図17は、UP=“0”,DOWN=“0”,C=“1”(変化なし)である場合の動作を示すタイミングチャートである。たとえば、レジスタCが“1”で、無制御時の場合、第1の(log2M)bitカウンタ51では、R_LOAD_PULSEによって、常にR_LOAD_DATA=“7”が同期ロードされるため、ダウンカウントが行われる。そのため、第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットの周期は、常にシンボル周期T/2となる。同様に、第2の(log2M)bitカウンタ52でも、F_LOAD_PULSEによって、常にF_LOAD_DATA=“7”が同期ロードされるため、常にダウンカウントが行われる。そのため、第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットの周期も、常にシンボル周期T/2となる。
【0140】
このとき、レジスタCが“1”であるため、すなわち、R_MSK=“0”となるため、第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットは、第1のマスク部53における論理積によってマスクされ、その後、原振クロックの立下りでリタイミングされる。一方、F_MSK=“1”となるため、第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットは、第2のマスク部54にてマスクされることなく原振クロックの立上りでリタイミングされる。
【0141】
したがって、レジスタCが“1”、かつ無制御時の場合は、図17に示すように、第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットが、2倍再生クロックとなる。
【0142】
図18は、UP=“0”,DOWN=“1”,C=“1”→“0”である場合の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、2倍再生クロックの位相を遅らせる動作について説明する。なお、2倍再生クロックの位相を遅らせる動作については、レジスタCの値(∈{0,1})によって異なるが、ここでは、レジスタ値Cが“0”→“1”に変化後、無制御時(UP=“0”,DOWN=“0”)の状態に遷移し、その後、その状態から位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合を想定する。
【0143】
たとえば、図17に示す状態(レジスタC=1)から、2倍再生クロックの位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合、DOWN信号は、2倍再生クロックの立上がりエッジに同期してその論理が変化する。ここでは、UP=“0”,DOWN=“0”からUP=“0”,DOWN=“1”へ変化するため、その後、レジスタCは、“1”→“0”となる。さらに、マスク信号生成部22の出力は、レジスタCの変化に連動して、R_MSK信号が“0”→“1”,F_MSK信号が“1”→“0”に変化する。
【0144】
このとき、R_LOAD_DATAおよびF_LOAD_DATAは、“7”→“0”となり、かつR_LOAD_DATAが先に“7”→“0”に変化する。また、各データの変化のタイミング、および各(log2M)bitカウンタの同期ロードのタイミングは、図18に示す通り、先に第1の(log2M)bitカウンタ51に“0”がロードされ、その後、第2の(log2M)bitカウンタ52に“0”がロードされる。そのため、第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットも、第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットも、“0”の同期ロード時においてはシンボル周期が9T/8となり、それ以外の“7”の同期ロード時においてはシンボル周期がTとなる。
【0145】
一方、2倍再生クロックの周期は、マスク信号R_MSK,F_MSKの論理が反転するため、変化する。具体的にいうと、9T/16になる。すなわち、第1のマスク部53の出力は、マスクが解除されるため、図18に示すように、常に論理“0”の状態から、原振クロックの立上がりでリタイミングされた第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットに変化する。逆に、第2のマスク部54の出力は、マスクが開始されるため、原振クロックの立下がりでリタイミングされた第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットから、論理“0”の状態に変化する。そして、第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットは、“0”の同期ロードによって、その周期が一回だけシンボル周期が9T/16となり、一方で、第2の(log2M)bitカウンタ52への“0”の同期ロードが行われていない。その結果、第1のマスク部53から出力されるクロックの位相は、第2のマスク部54から出力されるクロックの位相と比較して、2π(T/16)だけ遅れた関係となる。
【0146】
これにより、第1のマスク部53の出力と第2のマスク部54の出力との論理和である2倍再生クロックの位相が変化する。具体的にいうと、図18に示すように、一回だけ2倍再生クロックの周期が9T/16となり、それ以外は周期T/2となる。そして、第2のマスク部54の出力がマスク信号F_MSKによって論理“0”の状態になると、第2の(log2M)bitカウンタ52への“0”の同期ロードによって、その周期も一回だけ9T/8となる。その結果、再び、第1のマスク部53から出力されるクロックの位相は、第2のマスク部54から出力されるクロックの位相と比較して、2π(T/16)だけ進んだ関係に戻される。
【0147】
このように、レジスタCが“1”の状態のときに、位相を遅らせる制御信号(UP=“0”,DOWN=“1”)が入力された場合、(M/2+k/2)分周部41では、位相を原振クロックの半周期分(=2πT/16)だけ遅らせた2倍再生クロックを出力することとなる。
【0148】
図19は、UP=“1”,DOWN=“0”,C=“0”→“1”である場合の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、2倍再生クロックの位相を進ませる動作について説明する。なお、2倍再生クロックの位相を進ませる動作については、レジスタCの値(∈{0,1})によって異なるが、ここでは、レジスタ値Cが“0”の状態であった場合を想定する。
【0149】
たとえば、図15に示す状態(レジスタC=0)から、2倍再生クロックの位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合、UP信号は、2倍再生信号の立上がりエッジに同期してその論理が変化する。ここでは、UP=“0”,DOWN=“0からUP=“1”,DOWN=“0”へ変化するため、その後、レジスタCは、“0”→“1”となる。さらに、マスク信号生成部22の出力は、レジスタCの変化に連動して、R_MSK信号が“1”→“0”,F_MSK信号が“0”→“1”に変化する。
【0150】
このとき、R_LOAD_DATAおよびF_LOAD_DATAは、“7”→“6”となり、かつF_LOAD_DATAが先に“7”→“6”に変化する。また、各データの変化のタイミング、および各(log2M)bitカウンタの同期ロードのタイミングは、図19に示す通り、先に第2の(log2M)bitカウンタ52に“6”がロードされ、その後、第1の(log2M)bitカウンタ51に“6”がロードされる。そのため、第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットも、第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットも、“6”の同期ロード時においてはシンボル周期が7T/8となり、それ以外の“7”の同期ロード時においてはシンボル周期がTとなる。
【0151】
一方、再生クロックの周期は、マスク信号R_MSK,F_MSKの論理が反転するため、変化する。具体的にいうと、7T/16になる。すなわち、第2のマスク部54の出力は、マスクが解除されるため、図19に示すように、常に論理“0”の状態から、原振クロックの立下がりでリタイミングされた第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットに変化する。逆に、第1のマスク部53の出力は、マスクが開始されるため、原振クロックの立上がりでリタイミングされた第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットから、論理“0”の状態に変化する。そして、第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットは、“6”同期ロードによって、その周期が一回だけ7T/8となり、一方で、第1の(log2M)bitカウンタ51への“6”の同期ロードが行われていない。その結果、第1のマスク部53から出力されるクロックの位相は、第2のマスク部54から出力されるクロックの位相と比較して、2π(T/16)だけ遅れた関係となる。
【0152】
これにより、第1のマスク部53の出力と第2のマスク部54の出力との論理和である2倍再生クロックの位相が変化する。具体的にいうと、図19に示すように、一回だけ2倍再生クロックの周期が7T/16となり、それ以外は周期T/2となる。そして、第1のマスク部53の出力がマスク信号R_MSKによって論理“0”の状態になると、第1の(log2M)bitカウンタ51への“6”の同期ロードによって、その周期も一回だけ7T/8となる。その結果、再び、第1のマスク部53から出力されるクロックの位相は、第2のマスク部54から出力されるクロックの位相と比較して、2π(T/16)だけ進んだ関係に戻される。
【0153】
このように、レジスタCが“0”の状態のときに、位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合、(M/2+k/2)分周部41では、位相を原振クロックの半周期分(2πT/16)だけ進ませた2倍再生クロックを出力することとなる。
【0154】
図20は、UP=“1”,DOWN=“0”,C=“1”→“0”である場合の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、2倍再生クロックの位相を進ませる動作について説明する。なお、2倍再生クロックの位相を進ませる動作については、レジスタCの値(∈{0,1})によって異なるが、ここでは、レジスタ値Cが“0”→“1”に変化後、無制御時(UP=“0”,DOWN=“0”)の状態に遷移し、その後、その状態から位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合を想定する。
【0155】
たとえば、図17に示す状態(レジスタC=1)から、2倍再生クロックの位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合、UP信号は、2倍再生クロックの立上がりエッジに同期してその論理が変化する。ここでは、UP=“0”,DOWN=“0”からUP=“1”,DOWN=“0”へ変化するため、レジスタCは、“1”→“0”となる。さらに、マスク信号生成部22の出力は、レジスタCの変化に連動して、R_MSK信号が“0”→“1”,F_MSK信号が“1”→“0”に変化する。
【0156】
このとき、R_LOAD_DATAおよびF_LOAD_DATAが“7”であるため、各(log2M)bitカウンタは、いずれもダウンカウント動作を行い、各上位2番目のビットの周期も常にシンボル周期T/2となる。
【0157】
一方、2倍再生クロックの周期は、マスク信号R_MSK,F_MSKの論理が切り替わるため、変化する。すなわち、第1のマスク部53の出力は、マスクが解除されるため、常に論理“0”の状態から、原振クロックの立上がりでリタイミングされた第1の(log2M)bitカウンタ51の上位2番目のビットに変化する。逆に、第2のマスク部54の出力は、マスクが開始されるため、原振クロックの立下がりでリタイミングされた第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットから、論理“0”の状態に変化する。
【0158】
これにより、第1のマスク部53の出力と第2のマスク部54の出力との論理和である2倍再生クロックの位相が変化する。具体的にいうと、図20に示すように、一回だけ2倍再生クロックの周期が7T/16となり、それ以外は周期T/2となる。
【0159】
このように、レジスタCが“1”の状態のときに、位相を進ませる制御信号(UP=“1”,DOWN=“0”)が入力された場合、(M/2+k/2)分周部41では、位相を原振クロックの半周期分(=2πT/16)だけ進ませた2倍再生クロックを出力することとなる。
【0160】
なお、第1の(log2M)bitカウンタ51のMSBである再生クロックは、2倍再生クロックの立上がりエッジでサンプリングされたデータのなかから、再生クロックの立上がりエッジでサンプリングされたデータと、再生クロックの立下がりエッジでサンプリングされたデータと、の判別に使用するため、位相比較部13およびデータ判定部4aに入力される。
【0161】
以上、ここでは、(M/2+k/2)分周部41における位相を遅らせる動作を、(UP=“0”,DOWN=“0”)→(UP=“0”,DOWN=“1”)→(UP=“0”,DOWN=“0”)→(UP=“0”,DOWN=“1”)の順に入力された制御信号を一例として説明した(図15〜図18参照)。また、(M/2+k/2)分周部41における位相を進ませる動作を、(UP=“0”,DOWN=“0”)→(UP=“1”,DOWN=“0”)→(UP=“0”,DOWN=“0”)→(UP=“1”,DOWN=“0”)の順に入力された制御信号を一例として説明した(図15、図17、図19、図20参照)。
【0162】
なお、実際の位相制御は、遅れ制御、進み制御がランダムに生じるため、上記以外の状態遷移も考えられる。図21は、(M/2+k/2)分周部41における位相制御動作の状態遷移を示す図である。たとえば、k=UP−DOWN(∈{0,±1})とした場合、(M/2+k/2)分周部41における位相制御の状態は、図21に示す通り、図15〜図20に対応した6状態の中を遷移することになる。この場合、平均化部14は、2段以上の段数を有するランダムウォークフィルタを想定し、さらに、前段の平均化部は、2シンボル以上連続してk=+1またはk=−1を出力しないことを前提とする。これにより、位相制御の状態遷移は、k=±1の位相制御が生じた場合に、図15の無制御状態から、2通りの位相制御状態(図16,図19)を経て図17の無制御状態へ遷移し、または図17の無制御状態から、2通りの位相制御状態(図18,図20)を経て図15の無制御状態へ遷移する。なお、上記構成により、位相制御状態(図16,図18,図19,図20)に、2シンボル以上連続して状態が留まることはない。
【0163】
以上述べた一連の動作により、本実施の形態のタイミング再生部3aでは、シンボル周波数fsのM倍の周波数(=Mfs)を有する原振クロックを用いて、2倍再生クロックの位相を、その立上がりエッジがナイキスト点をサンプリングするように制御する。このとき、当該位相制御のステップ幅は、原振クロックの半周期に相当するT/2M(上記例M=8の場合はT/16となる)となる。
【0164】
したがって、タイミング再生部3aの位相制御ステップ幅T/2Mが従来技術において説明した位相制御ステップ幅T/Nと等しい場合、本実施の形態のタイミング再生部3aでは、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を実現しつつ、原振クロックの周波数や、可変分周部である(M/2+k/2)分周部41の動作速度を、従来技術の1/2に低減することができる。
【0165】
このように、本実施の形態においては、広帯域無線通信システムのようにシンボルレートが数十Mbaudと高く、従来技術では可変分周部の動作速度が高くなりすぎてタイミング再生部のすべての回路を安価なCMOSゲートアレイで構成できない場合でも、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を維持しながら、動作速度を低減できるため、タイミング再生部3aのすべての回路をCMOSゲートアレイで構成できる。また、本実施の形態においては、動作速度を従来技術の1/2に低減できるため、タイミング再生部3aの消費電力、ひいては復調器全体の消費電力、を大幅に低減することもできる。
【0166】
さらに、本実施の形態においては、サンプリング部11aが、後段の(M/2+k/2)分周部41から出力される2倍再生クロックを用いてデータをサンプリングする。これにより、A/D変換器の動作速度が、実施の形態1におけるA/D変換器の動作速度の2倍となるため、サンプリングに必要なA/D変換器が2個となり、サンプリング部11aの回路規模を1/2程度に低減できる。
【0167】
また、本実施の形態の復調器においては、広帯域無線通信システムにおいても、タイミング位相制御ステップ幅を短くできるため、低位相ジッタ(低い位相の揺らぎ)による良好なビット誤り率特性を実現できる。また、本実施の形態の復調器においては、タイミング再生部3aを含む装置全体をCMOSゲートアレイで構成できるため、低コスト化、LSI,FPGAによる集積化、および小型化を実現することができる。
【0168】
また、本実施の形態においては、(M/2+k/2)分周部41を、QPSK変調後の信号を受信する無線通信用復調器のタイミング再生に適用したが、(M/2+k/2)分周部41は、これに限らず、ディジタル回路で構成されるディジタルPLL(Phase Locked Loop)であれば、どのような回路にも適用することができる。この場合、(M/2+k/2)分周部41は、PLLのVCOに相当する役割を果たし、位相制御ステップ幅を従来技術と同程度に抑えつつ(同程度の性能を実現しつつ)、ディジタルPLLの動作速度を半減できるため、PLLの低消費電力化、小型化、および低コスト化を実現できる。
【0169】
なお、本実施の形態では、ロードするデータが(M−1)の場合においても、2つのカウンタへの同期ロードを行っているが、(M−1)ロード時における2つのカウンタの動作は、ダウンカウント動作と等価であるため、この場合については同期ロードを行わないように制御動作を変更することとしてもよい。
【0170】
また、本実施の形態においては、各ロードパルス生成部が、対応する(log2M)bitカウンタの値が“0”を示した場合に、各ロードパルスを原振クロックの1周期分(論理“1”)にわたって出力していたが、同期ロードのタイミングは、上記“0”に限定する必要はない。
【0171】
また、各信号(UP信号,DOWN信号など)の論理は、最終的に上記動作と等価になれば、本実施の形態で述べた論理である必要はない。
【0172】
また、各(log2M)bitカウンタについては、ダウンカウンタである必要はなく、アップカウンタであってもよい。
【0173】
実施の形態4.
図22は、実施の形態4の(M/2+k/2)分周部41の構成を示す図である。この(M/2+k/2)分周部41を用いた場合においても、前述の実施の形態3と同様の効果を得ることができる。図22において、61は第2のロードパルス生成部であり、62は第2の(log2M)bitカウンタであり、63はDフリップフロップである。なお、復調器の構成としては、前述の図12と同様である。また、図22において、前述の実施の形態3の図14と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0174】
たとえば、前述の実施の形態3においては、第1の(log2M)bitカウンタ51が原振クロックの立上がりエッジで、第2の(log2M)bitカウンタ52が原振クロックの立下がりエッジで、それぞれ動作し、かつ、通常時(図15、図17参照)第1の(log2M)bitカウンタ51出力の位相が、原振クロックの半周期分だけ第2の(log2M)bitカウンタ52出力の位相より進んだタイミング関係であった。この両者のタイミング関係を実現するためには、第2の(log2M)bitカウンタ52に与えるリセット信号のタイミングを、第1の(log2M)bitカウンタ51に与えるリセット信号のタイミングより、原振クロックの半周期分だけ遅らせる処理が必要であり、この場合、2つのリセット信号を生成する回路が必要であった。
【0175】
また、前述の実施の形態3においては、シンボルレートの高速化に伴って(M/2+k/2)分周部41の動作速度が速くなると、各カウンタに入力する各リセット信号の時間遅延差を、原振クロックの半周期程度に維持することが困難となり、誤差が増大する。たとえば、(時間遅延差)=(原振クロックの半周期+誤差)とすると、誤差が原振クロックの半周期を越えた場合に、両者のタイミング関係がくずれ、タイミング再生部3aが誤動作してしまう場合がある。そのため、シンボルレートが高い場合には、2つのカウンタにおける各リセット信号の時間遅延差を極力“0”にするため、各カウンタやリセット信号生成回路等の配置配線を工夫する必要があった。
【0176】
そこで、本実施の形態では、2つの(log2M)bitカウンタを両方とも原振クロックの立上がりエッジで動作させ、どちらか一方の(log2M)bitカウンタの上位2番目のビットを、原振クロックの立下りでリタイミングする。具体的にいうと、第2の(log2M)bitカウンタ62の後段に原振クロックの立下りエッジで動作するDフリップフロップ63を配置することで、実施の形態3と等価な回路を実現する。
【0177】
すなわち、第2のロードパルス生成部61は、原振クロックの立上りエッジで動作すること以外、前述の第2のロードパルス生成部25と同等の動作を行い、同様に、第2の(log2M)bitカウンタ62も、原振クロックの立上りエッジで動作すること以外、前述の第2の(log2M)bitカウンタ52と同等の動作を行う。また、Dフリップフロップ63は、原振クロックの立上がりで変化する第2の(log2M)bitカウンタ62の上位2番目のビットを、原振クロックの立下がりでリタイミングする。
【0178】
このように、本実施の形態においては、Dフリップフロップ63から出力される信号と、前述の第2の(log2M)bitカウンタ52の上位2番目のビットが、入力されるUP,DOWN信号に対して全く同じように変化する。これにより、本実施の形態においては、前述の実施の形態3と同様の効果が得られるとともに、さらに、2つの(log2M)bitカウンタに与えるリセット信号が一つでよいため、実施の形態3で必要な2つのリセット信号を生成するための回路が不要となり、回路規模が低減できる。
【0179】
また、本実施の形態においては、2つの(log2M)bitカウンタやロードパルス生成部が、原振クロックの立上がりエッジで動作するため、各(log2M)bitカウンタに入力するリセット信号の時間遅延誤差に対する許容量が2倍となり、回路の配置配線が容易になる。
【0180】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、広帯域無線通信システムのようにシンボルレートが数十Mbaudと高く、従来技術では可変分周部の動作速度が高くなりすぎてCMOSゲートアレイで構成できない場合でも、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を維持しながら、動作速度を低減できるため、可変分周手段を安価なCMOSゲートアレイで構成することが可能なタイミング再生装置を得ることができる、という効果を奏する。また、同様の理由から、消費電力を大幅に低減することが可能なタイミング再生装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0181】
つぎの発明によれば、さらに、2つのカウンタに与えるリセット信号を一種類に統一でき、2つのリセット信号を生成するための回路が不要となるため、回路規模を低減可能なタイミング再生装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0182】
つぎの発明によれば、帯域無線通信システムのようにシンボルレートが数十Mbaudと高く、従来技術では可変分周部の動作速度が高くなりすぎてCMOSゲートアレイで構成できない場合でも、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を維持しながら、動作速度を低減できるため、すべての回路を安価なCMOSゲートアレイで構成することが可能なタイミング再生装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0183】
つぎの発明によれば、広帯域無線通信システムのようにシンボルレートが数十Mbaudと高く、従来技術では可変分周部の動作速度が高くなりすぎてCMOSゲートアレイで構成できない場合でも、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を維持しながら、動作速度を低減できるため、可変分周手段を安価なCMOSゲートアレイで構成することが可能なタイミング再生装置を得ることができる、という効果を奏する。また、同様の理由から、消費電力を大幅に低減することが可能なタイミング再生装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0184】
つぎの発明によれば、さらに、2つのカウンタに与えるリセット信号を一種類に統一でき、2つのリセット信号を生成するための回路が不要となるため、回路規模を低減可能なタイミング再生装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0185】
つぎの発明によれば、サンプリング手段が、後段の可変分周手段から出力される2倍再生クロックを用いてデータをサンプリングする。これにより、A/D変換器の動作速度が2倍となり、サンプリングに必要なA/D変換器の個数を削減できるため、サンプリング手段の回路規模を1/2程度に低減することが可能なタイミング再生装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0186】
つぎの発明によれば、可変分周手段が、PLLのVCOに相当する役割を果たし、位相制御ステップ幅を従来技術と同程度に抑えつつ(同程度の性能を実現しつつ)、ディジタルPLLの動作速度を半減できるため、PLLの低消費電力化、小型化、および低コスト化を実現できる、という効果を奏する。
【0187】
つぎの発明によれば、広帯域無線通信システムのようにシンボルレートが数十Mbaudと高く、従来技術では可変分周部の動作速度が高くなりすぎてCMOSゲートアレイで構成できない場合でも、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を維持しながら、動作速度を低減できるため、可変分周手段を安価なCMOSゲートアレイで構成することが可能な復調器を得ることができる、という効果を奏する。また、同様の理由から、消費電力を大幅に低減することが可能な復調器を得ることができる、という効果を奏する。
【0188】
つぎの発明によれば、さらに、2つのカウンタに与えるリセット信号を一種類に統一でき、2つのリセット信号を生成するための回路が不要となるため、回路規模を低減可能な復調器を得ることができる、という効果を奏する。
【0189】
つぎの発明によれば、広帯域無線通信システムにおいても、タイミング位相制御ステップ幅を短くできるため、低位相ジッタ(低い位相の揺らぎ)による良好なビット誤り率特性を実現することが可能な復調器を得ることができる、という効果を奏する。また、本実施の形態の復調器においては、タイミング再生部を含む装置全体をCMOSゲートアレイで構成できるため、低コスト化、LSIやFPGAによる集積化、および小型化を実現することが可能な復調器を得ることができる、という効果を奏する。
【0190】
つぎの発明によれば、広帯域無線通信システムのようにシンボルレートが数十Mbaudと高く、従来技術では可変分周部の動作速度が高くなりすぎてCMOSゲートアレイで構成できない場合でも、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を維持しながら、動作速度を低減できるため、可変分周手段を安価なCMOSゲートアレイで構成することが可能な復調器を得ることができる、という効果を奏する。また、同様の理由から、消費電力を大幅に低減することが可能な復調器を得ることができる、という効果を奏する。
【0191】
つぎの発明によれば、さらに、2つのカウンタに与えるリセット信号を一種類に統一でき、2つのリセット信号を生成するための回路が不要となるため、回路規模を低減可能な復調器を得ることができる、という効果を奏する。
【0192】
つぎの発明によれば、サンプリング手段が、後段の可変分周手段から出力される2倍再生クロックを用いてデータをサンプリングする。これにより、A/D変換器の動作速度が2倍となり、サンプリングに必要なA/D変換器の個数を削減できるため、サンプリング手段の回路規模を1/2程度に低減することが可能な復調器を得ることができる、という効果を奏する。
【0193】
つぎの発明によれば、従来技術では動作速度が高くなりすぎてCMOSゲートアレイで構成できない場合でも、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を維持しながら、動作速度を低減できるため、安価なCMOSゲートアレイで構成することが可能な可変分周回路を得ることができる、という効果を奏する。また、同様の理由から、消費電力を大幅に低減することが可能な可変分周回路を得ることができる、という効果を奏する。
【0194】
つぎの発明によれば、さらに、2つのカウンタに与えるリセット信号を一種類に統一でき、2つのリセット信号を生成するための回路が不要となるため、回路規模を低減可能な可変分周回路を得ることができる、という効果を奏する。
【0195】
つぎの発明によれば、従来技術では動作速度が高くなりすぎてCMOSゲートアレイで構成できない場合でも、従来技術と同程度の位相制御ステップ幅を維持しながら、動作速度を低減できるため、安価なCMOSゲートアレイで構成することが可能な可変分周回路を得ることができる、という効果を奏する。また、同様の理由から、消費電力を大幅に低減することが可能な可変分周回路を得ることができる、という効果を奏する。
【0196】
つぎの発明によれば、さらに、2つのカウンタに与えるリセット信号を一種類に統一でき、2つのリセット信号を生成するための回路が不要となるため、回路規模を低減可能な可変分周回路を得ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる復調器の実施の形態1の構成を示す図である。
【図2】 実施の形態1の(M+k/2)分周部の構成を示す図である。
【図3】 1bitカウンタの動作を示す図である。
【図4】 UP=“0”,DOWN=“0”,C=“0”(変化なし)である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】 UP=“0”,DOWN=“1”,C=“0”→“1”である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】 UP=“0”,DOWN=“0”,C=“1”(変化なし)である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】 UP=“0”,DOWN=“1”,C=“1”→“0”である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】 UP=“1”,DOWN=“0”,C=“0”→“1”である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】 UP=“1”,DOWN=“0”,C=“1”→“0”である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】 (M+k/2)分周部における位相制御動作の状態遷移を示す図である。
【図11】 実施の形態2の(M+k/2)分周部の構成を示す図である。
【図12】 本発明にかかる復調器の実施の形態3の構成を示す図である。
【図13】 実施の形態3のサンプリング部の構成を示す図である。
【図14】 実施の形態3の(M/2+k/2)分周部の構成を示す図である。
【図15】 UP=“0”,DOWN=“0”,C=“0”(変化なし)である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図16】 UP=“0”,DOWN=“1”,C=“0”→“1”である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図17】 UP=“0”,DOWN=“0”,C=“1”(変化なし)である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図18】 UP=“0”,DOWN=“1”,C=“1”→“0”である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図19】 UP=“1”,DOWN=“0”,C=“0”→“1”である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図20】 UP=“1”,DOWN=“0”,C=“1”→“0”である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図21】 (M/2+k/2)分周部における位相制御動作の状態遷移を示す図である。
【図22】 実施の形態4の(M/2+k/2)分周部の構成を示す図である。
【図23】 タイミング再生装置を含む従来の復調器の構成を示す図である。
【図24】 サンプリング部の構成を示す図である。
【図25】 QPSK変調におけるタイミング再生用プリアンブルパターン受信時のベースバンド信号を示す図である。
【図26】 QPSK変調におけるタイミング再生用プリアンブルパターン受信時のベースバンド信号を示す図である。
【図27】 非線形変換の一例を示す図である。
【図28】 再生クロックの位相が遅れている場合の一例を示す図である。
【図29】 再生クロックの位相が進んでいる場合の一例を示す図である。
【図30】 可変分周部の構成を示す図である。
【図31】 可変分周部の動作を示すタイミングチャートである。
【図32】 可変分周部の動作を示すタイミングチャートである。
【図33】 可変分周部の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 アンテナ、2 周波数変換部、3,3a タイミング再生部、4,4a データ判定部、11,11a サンプリング部、12 非線形変換部、13 位相比較部、14 平均化部、15 (M+k/2)分周部、16 原振クロック生成部、21 1bitカウンタ、22 マスク信号生成部、23 同期ロード値出力部、24 第1のロードパルス生成部、25 第2のロードパルス生成部、26 第1の(log2M)bitカウンタ、27 第2の(log2M)bitカウンタ、28 第1のマスク部、29 第2のマスク部、30 クロック合成部、31は第2のロードパルス生成部、32 第2の(log2M)bitカウンタ、33 Dフリップフロップ、41 (M/2+k/2)分周部、46,47 A/D変換器、51 第1の(log2M)bitカウンタ、52 第2の(log2M)bitカウンタ、53 第1のマスク部、54 第2のマスク部、61 第2のロードパルス生成部、62 第2の(log2M)bitカウンタ、63 Dフリップフロップ。

Claims (17)

  1. 原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように当該再生クロックの位相を制御するタイミング再生装置において、
    前記可変分周手段は、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、
    前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記カウンタ出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各カウンタ出力を個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記再生クロック出力手段を動作させることによって、再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とするタイミング再生装置。
  2. 原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように当該再生クロックの位相を制御するタイミング再生装置において、
    前記可変分周手段は、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、
    前記第1のカウンタと同様に動作し、さらに、上位n番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記カウンタ出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各カウンタ出力を個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記再生クロック出力手段を動作させることによって、再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とするタイミング再生装置。
  3. さらに、
    前記再生クロックの立上がりエッジおよび立下りエッジを用いて、受信アナログベースバンド信号をシンボルレートの2倍の速度でA/D変換し、その結果を受信ディジタルベースバンド信号として出力するサンプリング手段と、
    前記受信ディジタルベースバンド信号を非線形変換する非線形変換手段と、
    前記非線形変換後の出力と前記再生クロックの位相とを比較する位相比較手段と、
    前記位相比較結果を平均化する平均化手段と、
    シンボルレートのM倍の周波数を有する原振クロックを生成する原振クロック生成手段と、
    を備え、
    前記可変分周手段は、前記位相の進み/遅れに関する命令に応じて、原振クロックをM+k/2(k∈{−1,0,+1})分周し、各カウンタの上位n=1番目のビットの信号(MSB)の合成結果を再生クロックとして出力することを特徴とする請求項1または2に記載のタイミング再生装置。
  4. 原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように当該再生クロックの位相を制御するタイミング再生装置において、
    前記可変分周手段は、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、
    前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記上位n+1番目のビットの信号出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに。当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各上位n+1番目のビットの信号出力個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記2倍再生クロック出力手段を動作させることによって、2倍再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とするタイミング再生装置。
  5. 原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように当該再生クロックの位相を制御するタイミング再生装置において、
    前記可変分周手段は、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記上位n+1番目のビットの信号出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各上位n+1番目のビットの信号出力個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記2倍再生クロック出力手段 を動作させることによって、2倍再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とするタイミング再生装置。
  6. さらに、
    前記2倍再生クロックの立上がりエッジを用いて、受信アナログベースバンド信号をシンボルレートの2倍の速度でA/D変換し、その結果を受信ディジタルベースバンド信号として出力するサンプリング手段と、
    前記受信ディジタルベースバンド信号を非線形変換する非線形変換手段と、
    前記非線形変換後の出力と前記再生クロックの位相とを比較する位相比較手段と、
    前記位相比較結果を平均化する平均化手段と、
    シンボルレートのM倍の周波数を有する原振クロックを生成する原振クロック生成手段と、
    を備え、
    前記可変分周手段は、前記位相の進み/遅れに関する命令に応じて、原振クロックをM/2+k/2(k∈{−1,0,+1})分周し、各カウンタの上位n+1=2(n=1)番目のビットの信号の合成結果を2倍再生クロックとして出力し、さらに前記第1のカウンタが出力する上位n=1番目のビットの信号を再生クロックとして出力することを特徴とする請求項4または5に記載のタイミング再生装置。
  7. 前記位相比較手段、前記平均化手段、および前記可変分周手段で、PLLを構成することを特徴とする請求項3または6に記載のタイミング再生装置。
  8. 原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように位相制御された当該再生クロックを用いて、当該受信データを復調する復調器において、
    前記可変分周手段は、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、
    前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記カウンタ出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各カウンタ出力を個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記再生クロック出力手段を動作させることによって、再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とする復調器。
  9. 原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように位相制御された当該再生クロックを用いて、当該受信データを復調する復調器において、
    前記可変分周手段は、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、
    前記第1のカウンタと同様に動作し、さらに、上位n番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記カウンタ出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各カウンタ出力を個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記再生クロック出力手段を動作させることによって、再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とする復調器。
  10. さらに、
    無線信号を受信するアンテナと、
    前記無線信号を受信アナログベースバンド信号に周波数変換する周波数変換手段と、
    前記再生クロックの立上がりエッジおよび立下りエッジを用いて、前記受信アナログベースバンド信号をシンボルレートの2倍の速度でA/D変換し、その結果を受信ディジタルベースバンド信号として出力するサンプリング手段と、
    前記受信ディジタルベースバンド信号を非線形変換する非線形変換手段と、
    前記非線形変換後の出力と前記再生クロックの位相とを比較する位相比較手段と、
    前記位相比較結果を平均化する平均化手段と、
    シンボルレートのM倍の周波数を有する原振クロックを生成する原振クロック生成手段と、
    前記再生クロックを用いて、前記受信ディジタルベースバンド信号を判定し、判定後のデータを復調データとして出力するデータ復調手段と、
    を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の復調器。
  11. 原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように位相制御された当該再生クロックを用いて、当該受信データを復調する復調器において、
    前記可変分周手段は、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、
    前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記上位n+1番目のビットの信号出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各上位n+1番目のビットの信号出力個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記2倍再生クロック出力手段を動作させることによって、2倍再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とする復調器。
  12. 原振クロックを分周して再生クロックを生成する可変分周手段を備え、受信データのナイキスト点をサンプリングするように位相制御された当該再生クロックを用いて、当該受信データを復調する復調器において、
    前記可変分周手段は、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記上位n+1番目のビットの信号出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各上位n+1番目のビットの信号出力個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記2倍再生クロック出力手段を動作させることによって、2倍再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とする復調器。
  13. さらに、
    無線信号を受信するアンテナと、
    前記無線信号を受信アナログベースバンド信号に周波数変換する周波数変換手段と、
    前記2倍再生クロックの立上がりエッジを用いて、前記受信アナログベースバンド信号をシンボルレートの2倍の速度でA/D変換し、その結果を受信ディジタルベースバンド信号として出力するサンプリング手段と、
    前記受信ディジタルベースバンド信号を非線形変換する非線形変換手段と、
    前記非線形変換後の出力と前記再生クロックの位相とを比較する位相比較手段と、
    前記位相比較結果を平均化する平均化手段と、
    シンボルレートのM倍の周波数を有する原振クロックを生成する原振クロック生成手段と、
    前記再生クロックを用いて、前記受信ディジタルベースバンド信号を判定し、判定後のデータを復調データとして出力するデータ復調手段と、
    を備えることを特徴とする請求項11または12に記載の復調器。
  14. 原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、
    前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記カウンタ出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各カウンタ出力を個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記再生クロック出力手段を動作させることによって、再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理ま たは遅らせる処理を行うことを特徴とする可変分周回路。
  15. 原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号を出力する第1のカウンタと、
    前記第1のカウンタと同様に動作し、さらに、上位n番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記カウンタ出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各カウンタ出力を個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を再生クロックとして出力する再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記再生クロック出力手段を動作させることによって、再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とする可変分周回路。
  16. 原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、
    前記原振クロックの立下がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を出力する第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記上位n+1番目のビットの信号出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各上位n+1番目のビットの信号出力個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記2倍再生クロック出力手段を動作させることによって、2倍再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とする可変分周回路。
  17. 原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n番目のビットの信号(再生クロック)と上位n+1番目のビットの信号とを出力する第1のカウンタと、
    前記原振クロックの立上がりエッジで動作し、ロードパルスの入力により所定のロード値を同期ロードし、さらにカウント値における上位n+1番目のビットの信号を原振クロックの立下りエッジでリタイミングする第2のカウンタと、
    受け取った位相の進み/遅れに関する命令に応じて、個別に前記上位n+1番目のビットの信号出力をマスクするためのマスク信号の生成処理、前記所定のロード値として基準値および当該基準値±1を出力する制御、を行い、さらに、当該ロード値を規定のカウンタ値のタイミングで同期ロードさせるためのロードパルスを生成するカウンタ制御手段と、
    前記マスク信号にしたがって各上位n+1番目のビットの信号出力個別にマスクし、マスク後の出力の合成結果を2倍再生クロックとして出力する2倍再生クロック出力手段と、
    を備え
    前記カウンタ制御手段により生成された前記各マスク信号、前記ロード値および前記ロードパルスに基づいて、前記第1、第2のカウンタおよび前記2倍再生クロック出力手段を動作させることによって、2倍再生クロックの位相を原振クロックの半周期分だけ進める処理または遅らせる処理を行うことを特徴とする可変分周回路。
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