JP3830447B2 - 自動変速機用歯車変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力部、遊星歯車組、摩擦要素および出力部を有して構成し、遊星歯車組によりエンジンからの回転を減速および増速すると共に、摩擦要素を適宜締結・解放することにより複数の変速段を得ることのできる自動変速機用歯車変速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動変速機用歯車変速装置は、サンギヤと、ピニオンギヤ(プラネタリピニオン)と、ピニオンギヤを支持するキャリアおよびリングギヤからなる遊星歯車機構と、複数の摩擦要素とから構成され、複数の摩擦要素を適宜締結・解放することにより選択された変速段を達成している。ところで、上記の遊星歯車機構の内、二つのサンギヤと、該二つのサンギヤの各々と噛み合うピニオンギヤと、前記2つのサンギヤの間に配置され、かつ、回転を入力または出力するセンターメンバおよびピニオンシャフトを支持するサイドメンバを有するキャリアと、ピニオンギヤと噛み合う一つのリングギヤとを有する、いわゆるダブルサンギヤ型遊星歯車組を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平2-245564号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のダブルサンギヤ型遊星歯車組においては、これら二つのキャリアおよびセンターメンバを同一の板厚で形成している。そのため、ダブルサンギヤ型遊星歯車組が大型化し、これに伴って自動変速機自体が大型化するという問題が生じる。
【0005】
本発明は、ダブルサンギヤ型遊星歯車組を用いた自動変速機用歯車変速装置において、上記の問題点を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
これらの目的のため、本発明による自動変速機用歯車変速装置は、請求項1に記載の如く、
動力源からの動力回転が入力される入力部と、
前記動力回転が変速された後の変速回転を出力する出力部と、
該入出力部間に多数の動力伝達経路を提供可能とする複数の遊星歯車組と、
該複数の遊星歯車組が前記動力伝達経路の内一つを選択して対応変速比で前記入力部からの回転を変速し、前記出力部へ出力し得るようになすための選択的に断接可能な複数の摩擦要素とを具え、
前記複数の摩擦要素の締結・解放の組み合わせにより少なくとも2速の変速段を選択可能とした自動変速機用歯車変速装置であって、
前記複数の遊星歯車組の内一つの遊星歯車組を、
二つのサンギヤと、
該二つのサンギヤのそれぞれと噛み合う共通のピニオンギヤと、
前記二つのサンギヤの間に配置した、該遊星歯車組外からの回転を入力される、または該遊星歯車組外へ回転を出力するセンターメンバと、
前記ピニオンギヤを回転可能に支持するピニオンシャフトと、
該ピニオンシャフトをその両端で支持するキャリアプレートを有するキャリアと、
前記ピニオンギヤと噛み合うリングギヤとを具えるダブルサンギヤ型遊星歯車組とした自動変速機用歯車変速装置において、
前記複数の摩擦要素の内、締結時に他の摩擦要素よりも大きなトルクを伝達可能な摩擦要素と前記キャリアプレートとを連結し、
前記複数の摩擦要素の内、締結時に前記大きなトルクを伝達する摩擦要素よりも小さいトルクを伝達する他の摩擦要素と前記センターメンバとを連結し、
前記センターメンバの板厚を前記キャリアプレートの板厚よりも薄くしたことを特徴とするものである。
【0007】
また本発明による自動変速機用歯車変速装置は、請求項2に記載の如く、
動力源からの動力回転が入力される入力部と、
前記動力回転が変速された後の変速回転を出力する出力部と、
該入出力部間に多数の動力伝達経路を提供可能とする複数の遊星歯車組と、
該複数の遊星歯車組が前記動力伝達経路の内一つを選択して対応変速比で前記入力部からの回転を変速し、前記出力部へ出力し得るようになすための選択的に断接可能な複数の摩擦要素とを具え、
前記複数の摩擦要素の締結・解放の組み合わせにより少なくとも2速の変速段を選択可能とした自動変速機用歯車変速装置であって、
前記複数の遊星歯車組の内一つの遊星歯車組を、
二つのサンギヤと、
該二つのサンギヤのそれぞれと噛み合う共通のピニオンギヤと、
前記二つのサンギヤの間に配置した、該遊星歯車組外からの回転を入力される、または該遊星歯車組外へ回転を出力するセンターメンバと、
前記ピニオンギヤを回転可能に支持するピニオンシャフトと、
該ピニオンシャフトをその両端で支持するキャリアプレートを有するキャリアと、
前記ピニオンギヤと噛み合うリングギヤとを具えるダブルサンギヤ型遊星歯車組とした自動変速機用歯車変速装置において、
前記センターメンバからの前記キャリアへの回転入力および該キャリアから該センターメンバへの回転出力を、該センターメンバの内径側および外径側の双方で行うことを可能とし、
センターメンバを、その内径側と外径側とで異なる板厚に構成したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の効果】
本発明による自動変速機用歯車変速装置は、ダブルサンギヤ型遊星歯車組を用いたものにおいて、このダブルサンギヤ型遊星歯車組のピニオンギヤを支持するキャリアプレート(キャリア)を、自動変速機を構成する複数の摩擦要素の内、締結時に大きなトルクを伝達する役割を果たす摩擦要素と連結し、一方センターメンバは、キャリアプレートと連結する摩擦要素よりも小さいトルクを伝達する役割を果たす他の摩擦要素と連結し、しかもセンターメンバの肉厚(板厚)をキャリアプレートの肉厚よりも薄くしている。
【0009】
このダブルサンギヤ型遊星歯車組は、ピニオンギヤの両側をそれぞれ支持するキャリアプレートと、センターメンバの内径側および外径側の計4箇所からキャリアに対して回転入出力が可能な形態を取るものであるが、上述した構成とすることにより、本来、ピニオンシャフトを支持するために剛性が必要なキャリアプレートは、その肉厚が過度に厚くなることがない。また、センターメンバはキャリアプレートに比べて小さいトルクの伝達しか行わないことから、その肉厚を薄くすることで二つのサンギヤとピニオンギヤとの噛み合い長さを軸方向寸法の増大無しに確保できるため、センターメンバの肉厚が必要以上に厚くなることによってピニオンギヤの軸線方向の寸法が増大し、ダブルサンギヤ型遊星歯車組が大型化することを有効に防ぐことが可能となる。
【0010】
また本発明による自動変速機用歯車変速装置においては、センターメンバの内径側および外径側の双方で回転の入出力が可能となるようにすると共に、このセンターメンバの肉厚を内径側と外径側とで異なるように構成している。それによって、歯車変速装置における動力伝達経路の設計の自由度を向上させると共に、自動変速機自体の小型化をも可能とする。
【0011】
さらに本発明による自動変速機用歯車変速装置の好適な実施形態においては、請求項3に記載の如く、前記センターメンバの外径側を、前記摩擦要素の内、締結時に他の摩擦要素よりも大きなトルクを伝達可能な摩擦要素と連結し、内径側を、前記摩擦要素の内、締結時に前記大きなトルクを伝達する前記摩擦要素よりも小さいトルクを伝達する他の摩擦要素と連結し、前記内径側の板厚を前記外径側の板厚よりも薄くしても良い。
【0012】
このダブルサンギヤ型遊星歯車組は、ピニオンギヤの両側をそれぞれ支持するキャリアプレートと、センターメンバの内径側および外径側の計4箇所からキャリアに対して回転入出力が可能な形態を取るものであるが、上述した構成とすることにより、大きなトルクを伝達する摩擦要素とセンターメンバの外径側とを連結することにより、変速機ケース内で空間的に余裕のある外径側の肉厚を厚くし、一方、内径側は外径側と連結する摩擦要素よりも小さいトルク伝達を行う他の摩擦要素と結合し、内径側の肉厚を外径側よりも薄くしている。
【0013】
それによって、二つのサンギヤとピニオンギヤとの噛み合い長さを軸方向寸法の増大無しに確保できるため、センターメンバの肉厚が必要以上に厚くなることによるピニオンギヤの軸線方向の寸法が増大し、ダブルサンギヤ型遊星歯車組が大型化することを有効に防ぐことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る自動変速機用歯車変速装置を模式的に示すものであり、G1は第1遊星歯車組、G2は第2遊星歯車組、G3は第3遊星歯車組、M1は第1連結メンバ、M2は第2連結メンバ、C1は第1クラッチ、C2は第2クラッチ、C3は第3クラッチ、B1は第1ブレーキ、B2は第2ブレーキ、Inputは入力部(入力軸1)、Outputは出力部(出力歯車2)である。
【0016】
この自動変速機用歯車変速装置(減速シングルピニオンタイプという)は、図1の左端部(入力部Inputに近い端部)より順次、シングルピニオン型遊星歯車組で構成した減速装置としての第1遊星歯車組G1、シングルピニオン型の第2遊星歯車組G2、ダブルサンギヤ型の第3遊星歯車組G3を同軸に配置し、第1遊星歯車組G1により減速用遊星歯車組を構成し、第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3により変速用遊星歯車組を構成する。
【0017】
第1遊星歯車組G1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、これらギヤS1,R1に噛み合う第1ピニオンP1を回転自在に支持する第1キャリアPC1とを有するシングルピニオン型遊星歯車組(減速用遊星歯車組)とする。また第2遊星歯車組G2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、これらギヤS2,R2に噛み合う第2ピニオンP2を回転自在に支持する第2キャリアPC2とを有するシングルピニオン型遊星歯車組とする。
【0018】
第3遊星歯車組G3は、入力部Inputに近い側における第3サンギヤS3および入力部Inputから遠い側における第4サンギヤS4と、これらサンギヤS3,S4の各々に噛み合う共通な第3ピニオンP3と、この第3ピニオンP3を回転自在に支持する第3キャリアPC3と、第3ピニオンP3に噛み合う1個の第3リングギヤR3とを有するダブルサンギヤ型遊星歯車組とする。ここで第3サンギヤS3および第4サンギヤS4は同軸に配置するが、歯数を必ずしも同じにする必要はない。また第3キャリアPC3には、これと結合してサンギヤS3,S4の間から径方向内方へ延在するセンターメンバCMと、第3キャリアPC3から径方向外方へ延在するアウターメンバOMとを設け、アウターメンバOMを実際には後で詳述する特異な配置とする。なおセンターメンバCMは、第3キャリアPC3と一体であり、且つ、第3ピニオンP3の配列ピッチ円上にあって隣り合う第3ピニオンP3間に存在する空間を貫通するよう、またサンギヤS3,S4の間から径方向内方へ延在するよう配置する。
【0019】
入力部Inputは入力軸1で構成し、この入力軸1を第1リングギヤR1に結合すると共に、動力源としての図示しないエンジンに同じく図示していないトルクコンバータを経て結合し、エンジン回転が入力軸1から第1リングギヤR1に入力されるようにすす。出力部Outputは出力歯車2で構成し、これを、第2キャリアPC2および第3リングギヤR3の結合に供されてこれらの結合体を成す第2連結メンバM2に同軸に結合し、出力歯車2からの変速機出力回転を、図示しないファイナルギヤ組およびディファレンシャルギヤ装置を介して車両の駆動輪に伝達することとしている。なお第1連結メンバM1は、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とを一体的に結合する連結メンバで、これらサンギヤの結合体を構成する。
【0020】
減速用遊星歯車組G1における第1サンギヤS1は、変速機ケース3に結合して常時固定とし、第1キャリアPC1は第1クラッチC1により第2リングギヤR2に適宜結合可能とするほか、第2クラッチC2により第2サンギヤS2に適宜結合可能とする。第3キャリアPC3のセンターメンバCMは、第3クラッチC3により入力軸1に適宜結合し得るようにする。ダブルサンギヤ型遊星歯車組G3における第3キャリアPC3のアウターメンバOMは、第1ブレーキB1により適宜変速機ケース3に結合可能にして第3キャリアPC3を適宜固定可能とし、第4サンギヤS4は、第2ブレーキB2により適宜変速機ケース3に結合可能にして第4サンギヤS4を適宜固定可能とする。以上の構成により、エンジンからの動力回転は入力軸1から減速遊星歯車組G1の第1リングギヤR1へ入力され、減速された回転が第1ピニオンP1から第1クラッチC1または第2クラッチC2を介して変速用遊星歯車組へ出力される、あるいは入力軸1から第3クラッチC3を介して直接変速用遊星歯車組へ入力されることとなる。
【0021】
上記の構成とした歯車変速装置は、クラッチC1,C2,C3およびブレーキB1,B2を図2に示す組み合わせにより締結(○印で示す)させたり、開放(無印)させることにより、対応する変速段(前進第1速〜第6速、および後退)を選択することができ、これらクラッチおよびブレーキには、当該変速用の締結論理を実現する変速制御用のコントロールバルブボディー(図示せず)を接続する。変速制御用のコントロールバルブボディーとしては、油圧制御タイプ、電子制御タイプ、およびこれらを組み合わせた併用式のものが採用される。
【0022】
以下に、上記歯車変速装置の変速作用を図2〜図6に基づいて説明する。図2は、上記した歯車変速装置における変速要素の締結論理を示し、図3は、該歯車変速装置における回転メンバの変速段ごとの回転状態を示す共線図、図4〜図6は該歯車変速装置の各変速段でのトルク伝達経路を示す説明図である。図3において、最も太い線は第1遊星歯車組G1の共線図、次に太い線は第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3よりなる変速用遊星歯車組の共線図である。図4〜図6においては、クラッチ・ブレーキ・メンバのトルク伝達経路を太線で示し、トルク伝達を行うギヤにハッチングを付して示した。
【0023】
(第1速)
前進第1速は図2に示すように、第1クラッチC1と第1ブレーキB1の締結により得られる。この第1速では、第2遊星歯車組G2において、第1クラッチC1の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2リングギヤR2に入力される。一方、第3遊星歯車組G3においては、第1ブレーキB1の締結により、第3キャリアPC3がケースに固定されるため、第3リングギヤR3からの出力回転に対し、第3サンギヤS3の回転は、回転方向が逆方向の減速回転となる。そして、この第3サンギヤS3の回転は、第1連結メンバM1を介し、第2遊星歯車組G2の第2サンギヤS2に伝達される。
【0024】
よって、第2遊星歯車組G2においては、第2リングギヤR2から正方向の減速回転が入力され、第2サンギヤS2から逆方向の減速回転が入力されることになり、第2リングギヤR2からの減速回転をさらに減速した回転が、第2キャリアPC2から第2連結メンバM2を経由して出力歯車2へ出力される。すなわち第1速は、図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第3キャリアPC3の回転を停止する第1ブレーキB1の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を減速して出力歯車2から出力する。
【0025】
この第1速でのトルク伝達経路は、図4(a)に示す通りであり、太線で示す第1クラッチC1、第1ブレーキB1および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1、第2遊星歯車組G2、および第3遊星歯車組G3(第4サンギヤS4を除く)にトルクが作用することになる。つまり第1速では、第1遊星歯車組G1と、第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3とがトルク伝達に関与する。
【0026】
このとき、第3キャリアPC3は第1ブレーキと締結するために比較的強い負荷(反力)が加わるため、それに対応した強度が必要となる。一方、センターメンバCMは、後述するように第3クラッチC3が高速の変速段のときにしか締結しないため、第3キャリアPC3と比較して小さい負荷しか加わらない。そこで、本発明においては、これら第3キャリアPC3とセンターメンバCMが、それぞれに加わる負荷に応じた形状および構成を取るようにしている。なお、これについては後に詳述する。
【0027】
(第2速)
第2速は図2に示すように、第1速で締結されていた第1ブレーキB1を解放し、第2ブレーキB2を締結する掛け替えにより、従って第1クラッチC1および第2ブレーキB2の締結により得ることができる。この第2速では、第2遊星歯車組G2において、第1クラッチC1の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2リングギヤR2に入力される。一方、第3遊星歯車組G3においては、第2ブレーキB2の締結により、第4サンギヤS4がケースに固定されるため、第3ピニオンP3により連結されている第3サンギヤS3が固定される。そして、第1連結メンバM1を介し第3サンギヤS3と連結されている第2サンギヤS2がケースに固定される。
【0028】
よって第2遊星歯車組G2においては、第2リングギヤR2から正方向の減速回転が入力され、第2サンギヤS2が固定されることになり、第2リングギヤR2からの減速回転を更に減速した回転が、第2キャリアPC2から第2連結メンバM2を経由して出力歯車2へ出力される。すなわち第2速は、図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第4サンギヤS4の回転を停止する第2ブレーキB2の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を減速(但し、第1速よりも高速)として出力歯車2から出力する。
【0029】
この第2速でのトルク伝達経路は図4(b)に示す通りであり、太線で示す第1クラッチC1、第2ブレーキB2および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1および第2遊星歯車組G2とにトルクが作用することになる。なお、第3遊星歯車組G3については、固定である両サンギヤS3,S4の回りを、非拘束の第3ピニオンP3が第3リングギヤR3の出力回転に伴って公転するだけであり、回転メンバとして機能してもトルク伝達には関与しない。
【0030】
(第3速)
第3速は図2に示すように、第2速で締結されていた第2ブレーキB2を解放し、第2クラッチC2を締結する掛け替えにより、従って第1クラッチC1および第2クラッチC2の締結により得ることができる。この第3速では第2遊星歯車組G2において、第1クラッチC1の締結により第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2リングギヤR2に入力される。同時に、第2クラッチC2の締結により、この減速回転が第2遊星歯車組G2の第2サンギヤS2に入力される。よって第2遊星歯車組G2においては、第2リングギヤR2と第2サンギヤS2とから同一の減速回転が入力されることで、両ギヤR2,S2と一体に回転する第2キャリアPC2から第2連結メンバM2を経由して出力歯車2へ減速回転(第1遊星歯車組G2の減速回転に同じ)が出力される。
【0031】
すなわち第3速は図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2サンギヤS2への入力回転とする第2クラッチC2の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を減速(=第1遊星歯車組G1の減速比)して出力歯車2から出力する。この第3速でのトルク伝達経路は図4(c)に示す通りであり、太線で示す第1クラッチC1、第2クラッチC2および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1および第2遊星歯車組G3とにトルクが作用することになる。すなわち、第3遊星歯車組G3はトルク伝達に何ら関与しない。
【0032】
(第4速)
第4速は図2に示すように、3速で締結されていた第2クラッチC2を解放し、第3クラッチC3を締結する掛け替えにより、従って第1クラッチC1および第3クラッチC3の締結により得られる。この第4速では、第2遊星歯車組G2において第1クラッチC1の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2リングギヤR2に入力される。一方第3遊星歯車組G3においては、第3クラッチC3の締結により、入力軸1からの入力回転がセンターメンバCMを介して第3キャリアPC3に入力される。このため、第3サンギヤS3の回転は、第3リングギヤR3の出力回転よりも増速され、この第3サンギヤS3の増速回転は、第1連結メンバM1を介して第2サンギヤS2に伝達される。
【0033】
よって第2遊星歯車組G2においては、第2リングギヤR2から減速回転が入力され、第2サンギヤS2から増速回転が入力されることになり、第2リングギヤR2からの減速回転を増速した回転(但し、入力回転よりも低回転)が、第2キャリアPC2から第2連結メンバM2を経由して出力歯車2へ出力される。すなわち第4速は、図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第2リングギヤR2への入力回転とする第1クラッチC1の締結点と、第3キャリアPC3の回転を入力回転とする第3クラッチC3の締結点とを結ぶ線によって規定され、入力軸1から入力された回転を僅かに減速して出力歯車2から出力する。この第4速でのトルク伝達経路は図5(a)に示す通りであり、太線で示す第1クラッチC1、第3クラッチC3および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1、第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3(第4サンギヤS4を除く)とにトルクが作用することになる。
【0034】
(第5速)
第5速は図2に示すように、4速で締結されていた第1クラッチC1を解放し、第2クラッチC2を締結する掛け替えにより、従って第2クラッチC2および第3クラッチC3の締結により得られる。この第5速では第2クラッチC2の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2サンギヤS2および第1連結メンバM1を介して第3サンギヤS3に入力される。同時に、第3クラッチC3の締結により、入力軸1からの入力回転がセンターメンバCMを介して第3キャリアPC3に入力される。
【0035】
よって第3遊星歯車組G3においては、第3キャリアPC3に入力回転が入力され、第3サンギヤS3に第1遊星歯車組G1からの減速回転が入力されることになり、入力回転よりも増速した回転が、第3リングギヤR3から第2連結メンバM2を経由して出力歯車2へ出力される。すなわち第5速は、図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第3サンギヤS3への入力回転とする第2クラッチC2の締結点と、第3キャリアPC3の回転を入力回転とする第3クラッチC3の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を僅かに増速して出力歯車2から出力する。この第5速でのトルク伝達経路は図5(b)に示す通りであり、太線で示す第2クラッチC2、第3クラッチC3および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1および第3遊星歯車組G3(第4サンギヤS4を除く)にトルクが作用することになる。
【0036】
(第6速)
第6速は図2に示すように、第5速で締結されていた第2クラッチC2を解放し、第2ブレーキB2を締結する掛け替えにより、従って第3クラッチC3および第2ブレーキB2の締結により得られる。この第6速では第3クラッチC3の締結により、入力軸1からの入力回転が第3遊星歯車組G3のセンターメンバCMを介して第3キャリアPC3に入力される。また第2ブレーキB2の締結により、第3遊星歯車組G3の第4サンギヤS4がケースに固定される。
【0037】
よって第3遊星歯車組G3においては、第3キャリアPC3に入力回転が入力され、第4サンギヤS4がケースに固定されることになり、入力回転よりも増速した回転が、第3リングギヤR3から第2連結メンバM2を経由して出力歯車2へ出力される。すなわち第6速は、図3の共線図に示すように、第3キャリアPC3の回転を入力回転とする第3クラッチC3の締結点と、第4サンギヤS4をケースに固定とする第2ブレーキB2の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を増速して出力歯車2から出力する。この第6速でのトルク伝達経路は図5(c)に示す通りであり、太線で示す第3クラッチC3、第2ブレーキB2および各メンバと、ハッチングで示す第3遊星歯車組G3(但し、第3サンギヤS3を除く)とにトルクが作用することになる。
【0038】
(後退)
後退の変速段は図2に示すように、第2クラッチC2と第1ブレーキB1を締結することにより得られる。この後退変速段では、第2クラッチC2の締結により、第1遊星歯車組G1からの減速回転が第2サンギヤS2および第1連結メンバM1を介して第3サンギヤS3に入力される。一方第1ブレーキB1の締結により、第3キャリアPC3がケースに固定される。よって第3遊星歯車組G3においては、第3サンギヤS3に正方向の減速回転が入力され、第3キャリアPC3がケースに固定となり、第3リングギヤR3からは減速した逆回転が、第2連結メンバM2を経由して出力歯車2へ出力される。すなわち後退変速段は図3の共線図に示すように、第1遊星歯車組G1からの減速回転を第3サンギヤS3への入力回転とする第2クラッチC2の締結点と、第3キャリアPC3の回転を停止する第1ブレーキB1の締結点とを結ぶ線にて規定され、入力軸1から入力された回転を逆方向に減速して出力歯車2から出力する。
【0039】
この後退変速段でのトルク伝達経路は図6に示す通りであり、太線で示す第2クラッチC2、第1ブレーキB1および各メンバと、ハッチングで示す第1遊星歯車組G1および第3遊星歯車組G3(但し、第4サンギヤS4を除く)とにトルクが作用することになる。
【0040】
図7は、上記した歯車変速装置の実態構成を具える自動変速機の断面図であり、以下、これを基に上記した歯車変速装置の実態構成を詳述する。なお、図7では歯車変速装置を、図1,図4〜図6のスケルトン図と入出力部が左右逆位置となった状態で示す。図示の変速機ケース3内に、入力軸1および中間軸4を同軸相対回転可能な突合せ状態にして横架し、これら入力軸1および中間軸4を変速機ケース3に対し個々に回転自在に支持する。入力軸1に近い変速機ケース3の前端開口を、ポンプハウジング5およびポンプカバー6よりなるポンプケースにより塞ぎ、このポンプケースに入力軸1を貫通して軸承すると共に入力軸1の突出端にトルクコンバータ(図示せず)を介して動力源であるエンジン(図示せず)を駆動結合する。
【0041】
入力軸1から遠い中間軸4の後端は、変速機ケース3の後端における端蓋7に回転自在に支持する。変速機ケース3の軸線方向中程に中間壁8を設け、この中間壁8に出力歯車2を回転自在に支持し、中間壁8の中心孔に中空軸9を介して入力軸1および中間軸4の突合せ嵌合部を回転自在に支持する。
【0042】
ポンプハウジング5およびポンプカバー6よりなるポンプケースと、中間壁8との間に画成された前部空所内に、第1遊星歯車組G1を配置すると共にこの第1遊星歯車組G1を包囲するよう設けて第3クラッチC3を配置する。第1遊星歯車組G1は、サンギヤS1をポンプカバー6に固設して常時回転不能とし、リングギヤR1を入力軸1から径方向外方へ延在するフランジ10に結合する。入力軸1に近い中間軸4の前端から径方向外方へ延在させてリングギヤR1を包囲するようクラッチドラム11を設け、該クラッチドラム11の内周およびリングギヤR1の外周にそれぞれスプライン嵌合したクラッチプレートの交互配置になるクラッチパック12を設け、これらで第3クラッチC3を構成する。なお第3クラッチC3のクラッチピストン13は、第1遊星歯車組G1と対面するクラッチドラム11の端壁に嵌合し、ポンプカバー6および入力軸1並びに中間軸4に穿った油路14からの作動油圧を受けてストロークすることで第3クラッチC3を締結し得るものとする。中空軸9の前端から径方向外方へ延在し、その後第3クラッチC3を包囲するようなドラム状となした連結部材9aを設け、該連結部材9aの前端をキャリアPC1に結合する。
【0043】
中間壁8および端蓋7間に画成した後部空所内には、第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3と、第1クラッチC1および第2クラッチC2と、第1ブレーキB1および第2ブレーキB2とを以下のように配置する。第2遊星歯車組G2および第3遊星歯車組G3は中間軸4上に配置するが、第2遊星歯車組G2を第3遊星歯車組G3よりも入力軸1に近い側に位置させる。第2遊星歯車組G2のサンギヤS2および第3遊星歯車組G3のサンギヤS3を第1連結メンバM1により一体化すると共に、中間軸4上に回転自在に支持する。中空軸9の中ほどから径方向外方へ延在し、その後軸線方向後方へ延在して第2リングギヤR2の外周に至るクラッチドラム15を設け、該クラッチドラム15の内周およびリングギヤR2の外周にそれぞれスプライン嵌合したクラッチプレートの交互配置になるクラッチパック16を設け、これらで第1クラッチC1を構成する。
【0044】
上記のようにして第2遊星歯車組G2の外周に配置した第1クラッチC1よりも入力軸1に近い側に第2クラッチC2を配置するため、第2サンギヤS2の入力軸寄りの外縁に径方向外方へ延在するクラッチハブ17を固設し、該クラッチハブ17の外周とクラッチドラム15の内周にそれぞれスプライン嵌合したクラッチプレートの交互配置になるクラッチパック18を設け、これらで第2クラッチC2を構成する。なお、第1クラッチC1のクラッチピストン19および第1クラッチC2のクラッチピストン20は、クラッチピストン19の内側でクラッチピストン20が摺動するダブルピストンとして第1クラッチC1から遠い第2クラッチC2の側にまとめて配置し、それによってクラッチピストン20を第2遊星歯車組G2と対面するクラッチドラム15の端壁に嵌合する。これらクラッチピストン19,20は、中間壁8および中空軸9に穿った個々の油路21(図では1個の油路のみが見えている)からの作動油圧を受けてストロークすることで第1クラッチC1および第2クラッチC2を個別に締結し得るものとする。
【0045】
第3遊星歯車組G3は前記したごとくダブルサンギヤ型遊星歯車組とするが、リングギヤR3の歯幅をピニオンP3の歯幅よりも小さくしてリングギヤR3を第2遊星歯車組G2に近い端部においてピニオンP3に噛合するよう位置させ、リングギヤR3を第2遊星歯車組G2のキャリアPC2に第2連結メンバM2で結合する時この連結メンバM2を短くし得るようになす。上記リングギヤR3の外周には、第1クラッチC1および第2クラッチC2のクラッチドラム15を包囲するよう配置した筒状連結メンバ22の一端を結着し、該筒状連結メンバ22の他端を出力歯車2に結着する。
【0046】
そして第3遊星歯車組G3のキャリアPC3は、ピニオンP3を回転可能に支持するピニオンシャフトPS3の両側での支持を司る第1および第2サイドメンバSM1,SM2(キャリアプレート)と、該第1サイドメンバSM1に結合され、前記したごとくサンギヤS3,S4間を経て径方向内方へ延在するセンターメンバCMとから構成されており、第1サイドメンバSM1は、ピニオンP3の軸線方向中程位置においてリングギヤR3の端面に沿うよう径方向外方へ延在するアウターメンバOMと外径位置において結着している。センターメンバCMは中間軸4に駆動結合し、これによりキャリアPC3をセンターメンバCMおよび中間軸4を経て第3クラッチC3のクラッチドラム11に結合する。アウターメンバOMには、その外周に結合してブレーキハブ23を設け、このブレーキハブ23を筒状連結メンバ22の外周に配置して中間壁8に接近する前方へ延在させる。ブレーキハブ23の前端における外周および変速機ケース3の内周にスプライン嵌合したブレーキプレートの交互配置になるブレーキパック24を設け、これにより第1ブレーキB1を構成し、この第1ブレーキB1を、ブレーキパック24の後方において変速機ケース3内に嵌合したブレーキピストン25により適宜締結可能にする。
【0047】
ブレーキハブ23の後端に被さるようブレーキハブ26を設け、該ブレーキハブ26の後端壁26aを第3遊星歯車組G3の背後に沿うよう円周方向内方に延在させ、このブレーキハブ後端壁26aの内周を第3遊星歯車組G3のサンギヤS4に結合する。ブレーキハブ26の外周および変速機ケース3の内周にスプライン嵌合したブレーキプレートの交互配置になるブレーキパック27を設け、これにより第2ブレーキB2を構成し、この第2ブレーキB2を、ブレーキパック27の後方において変速機ケース3内に嵌合したブレーキピストン28により適宜締結可能にする。以上により、第1ブレーキB1および第2ブレーキB2はそれぞれ、第1クラッチC1および第2クラッチC2の外周に配置されると共に、第2ブレーキB2よりも第1ブレーキB1が入力軸1(第1遊星歯車組G1)の近くに配置されるが、これら第1ブレーキB1および第2ブレーキB2は第3遊星歯車組G3よりも第2遊星歯車組G2寄りに配置する。
【0048】
なお、図1、図4〜図6のスケルトン図では省略したが、第1ブレーキB1を構成するブレーキハブ23の前端と変速機ケース3との間にはワンウェイクラッチOWCを設け、第1ブレーキB1の解放状態でこのワンウェイクラッチOWCによる第3キャリアPC3の一方向回転阻止で前進第1速状態が得られるようにする。但しこのワンウェイクラッチOWCによる第1速では、エンジンブレーキ時における第3キャリアPC3の逆方向回転をワンウェイクラッチOWCが許容するためエンジンブレーキが得られず、エンジンブレーキ要求時は第1ブレーキB1を締結して第3キャリアPC3の当該逆方向回転を阻止するようになす。また変速機ケース3内には別に、入力軸1および中間軸4と平行なカウンターシャフト29を回転自在に支持して設け、これにカウンターギヤ30およびファイナルドライブピニオン31を一体成形し、カウンターギヤ30を出力歯車2に噛合させ、ファイナルドライブピニオン31に図示しない車両駆動輪間のディファレンシャルギヤ装置を噛合させる。
【0049】
ここで、図7の下半分、すなわち図の一点鎖線で示す中心軸線よりも下側の部分に着目すると、第3遊星歯車組G3の第3キャリアPC3を構成する第1サイドメンバSM1は、内径位置においてセンターメンバCMと連結しており、一方外径位置においては第2サイドメンバSM2およびアウターメンバOMと連結している。
【0050】
この自動変速機においては、第1サイドメンバSM1の肉厚tS1および第2サイドメンバSM2の肉厚tS2と比較して、センターメンバCMの肉厚tCが薄くなっている。これは、先に第1速の変速動作の説明で述べたように、第3キャリアPC3と結合したサイドメンバ(キャリアプレート)から延在しているアウターメンバOMが第1速時には第1ブレーキB1と結合し、変速機ケース3に固定されることとなる。そのためアウターメンバOM、サイドメンバSM、さらには第3キャリアPC3には比較的高い力の負荷(反力トルク)が加わる。そのため、この負荷に耐えうるだけの肉厚が必要となる。しかしながら、サイドメンバSMはピニオンシャフトPS3を支持するために比較的厚肉に形成されているため、第1ブレーキB1と結合することによる寸法の増加が抑制される。
【0051】
一方、センターメンバCMは、連結している第3クラッチC3が第3速以上の場合にのみ締結するものであり、しかも伝達するトルクは原則用遊星歯車組G1を介したトルクではないため比較的小さい負荷しか加わらない。それゆえ、センターメンバCMの肉厚は、サイドメンバSMおよびアウターメンバOMと比較して薄くすることが可能である。このセンターメンバCMの肉厚tCを薄くする事で、二つのサンギヤS3,S4の間隔を狭めることができ、それによって第3ピニオンP3の軸線方向の寸法をも小さくすることが可能となる。その結果、第3遊星歯車組G3を小型化することができ、さらには自動変速機自体の小型化に寄与するものとなる。
【0052】
図8は、本発明による自動変速機用歯車変速装置の第2の実施形態に係る実態構成を具える自動変速機の断面図である。この自動変速機の構成も基本的には先の図7に示したものと同様であるため、共通する要素については同一の符号で示している。
【0053】
図8に示す自動変速機で着目すべきことは、まず、第3遊星歯車組G3の第3キャリアPC3が、第3ピニオンシャフトPS3を両端でそれぞれ支持する二つの第1および第2サイドメンバSM1,SM2からなり、各サイドメンバがセンターメンバCMと結合していることである。また、二つのサンギヤS3,S4の間に配置したセンターメンバCMが、内径側部材CM1および外径側部材CM2を結合したものとなっており、外径側部材CM2がサイドメンバSM1,SM2と溶接によって結合する(溶接箇所を符号wで示す)。さらに、センターメンバCMの外径側部材CM2はアウターメンバOMとしても機能している。
【0054】
さらに、センターメンバCMの内径側部材CM1の肉厚tC1が、軸方向(肉厚方向)の空間に余裕のある外径側部材CM2の肉厚tC2よりも薄くなっている。このようにすることによっても、前述した第1の実施形態と同様、部材に加わる負荷に応じた肉厚を設定することとなり、またセンターメンバCMの内径側、すなわち二つのサンギヤS3,S4に挟まれる部分の肉厚を薄くすることにより、第3遊星歯車組G3を小型化し得て、自動変速機自体の小型化に寄与することができる。
【0055】
図9は、本発明による自動変速機用歯車変速装置の第3の実施形態に係る実態構成を具える自動変速機の断面図である。この自動変速機の構成も基本的には先の図7および図8に示したものと同様であるため、共通する要素については同一の符号で示している。
【0056】
図9に示す自動変速機は、基本的には図8に示したものと同様のものであるが、図8に示した自動変速機では、センターメンバCMを独立した内径側部材CM1および外径側部材CM2を結合したものとなっているが、ここでは、これら部材CM1,CM2を一体成形したものとしている。このセンターメンバCMも、内径側部材CM1に相当する部分の肉厚が外径側部材CM2に相当する部分の肉厚よりも薄くなっているが、この薄肉化は、センターメンバCM全体を一体成形した後、あるいは同時に切削加工またはプレス加工等により行うことが可能である。
【0057】
図10は、図9の自動変速機の第3遊星歯車組G3におけるセンターメンバCMの外観を示すものである。この図では明示されていないが、中心部(すなわち中間軸4が通過する部分)からサンギヤS3,S4の外周からわずかに径方向外側の範囲までが内径側部材CM1に相当する部分であり、そこからさらに径方向外側が外径側部材CM2に相当する部分である。また、センターメンバCMの外縁部は第1ブレーキB1のブレーキハブと結合する。前述したようにセンターメンバCMはキャリアPC3(サイドメンバSM)と溶接によって結合するが、その溶接箇所を図の符号wで示す。ここでは、溶接箇所wは、この実施形態では第3遊星歯車組G3が3個の第3ピニオンP3を有することとしているため、3個のピニオンP3が貫通する位置の間の3箇所となっている。
【0058】
図11は、図9の自動変速機の第3遊星歯車組G3におけるサイドメンバSMの一方の外観を示すものである。サイドメンバSMは基部33に中心孔34と、その周囲に第3ピニオンシャフトPS3が嵌合するピニオンシャフト孔35を3箇所設けている。また、基部33から中心軸線方向に突出するアーム36を3本設け、これらアーム36と基部33とでサイドメンバSM(SM1)を構成する。アーム36の突端部36aは溶接によって前述のセンターメンバCMと結合する。なお、その溶接箇所が先の図9および図10に符号wで示した箇所である。
【0059】
図12は、本発明による自動変速機用歯車変速装置の第4の実施形態に係る実態構成を具える自動変速機の断面図である。この自動変速機の構成も基本的には先の各実施形態と同様であるため、共通する要素については同一の符号で示している。
【0060】
図12の自動変速機も図9に示した第3の実施形態と同様に、センターメンバCMを、肉厚の異なる内径側部材CM1および外径側部材CM2を一体成形したものとしている。さらに、ここでは、センターメンバCMとサイドメンバSM1,SM2とが、それぞれ2箇所(符号w1,w2で示す)で溶接されている。
【0061】
図13は、図12の自動変速機の第3遊星歯車組G3におけるセンターメンバCMの外観を示すものである。この図でも明示されていないが、中心部(すなわち中間軸4が通過する部分)からサンギヤS3,S4の外周からわずかに径方向外側の範囲までが内径側部材CM1に相当する部分であり、そこからさらに径方向外側が外径側部材CM2に相当する部分である。また、センターメンバCMの外縁部は第1ブレーキB1のブレーキハブと結合する。前述したようにセンターメンバCMはキャリアPC3(サイドメンバSM)と2箇所の溶接箇所によって結合するが、その溶接箇所を図の符号w1,w2で示す。ここでも、これら溶接箇所w1,w2は、この実施形態では第3遊星歯車組G3が3個の第3ピニオンP3を有することとしているため、それぞれ3個のピニオンP3が貫通する位置の間の3箇所となっている。
【0062】
図14は、サイドメンバSMの一方の外観を示すものである。このサイドメンバSMは基部37に中心孔38と、その周囲に第3ピニオンP3のシャフトが嵌合するピニオンシャフト孔39を3箇所設けている。また、基部37から中心軸線方向に突出する外側アーム40および内側アーム41をそれぞれ3本づつ設け、これらアーム40,41と基部37とでサイドメンバSM(SM1)を構成する。外側アーム40の突端部40aおよび内側アーム41の突端部41aは、それぞれ溶接によって前述のセンターメンバCMと結合する。なお、その溶接箇所が先の図12および図13に符号w1,w2で示した箇所である。
【0063】
このような構成を取る場合、センターメンバCMとサイドメンバSM1,SM2とが、共にセンターメンバCMの内径側と外径側とで溶接により結合することとなる。そのため、キャリアPC3の剛性を高めることができる。
【0064】
図15は、本発明による自動変速機用歯車変速装置の第5の実施形態に係る実態構成を具える自動変速機の、第3遊星歯車組G3のセンターメンバCMの外観を示すものである。このセンターメンバCMも、基本的には前述した第3および第4の実施形態のものと同じ形状を有しているが、溶接箇所wが略コ字型となっている。すなわち、この実施形態においては、図示しないキャリアPC3に形成したアームが断面略コ字型に突出し、このアームの突端部がセンターメンバCMと溶接されるものとなっている。
【0065】
このような構成とした場合、アームの内側が箱状となり、ここに油溜まり42が形成される。したがって、この油溜まり42とピニオンシャフトとを連通させる油路(パイプ)を追加して設けることにより、キャリアPC3の剛性を向上させることに加え、ピニオンシャフトへの油の供給がより適切に行われ、ピニオンシャフトの潤滑性能を向上させることができると言う効果をも得られることとなる。
【0066】
図16〜図18は、本発明による自動変速機用歯車変速装置の第6の実施形態に係る実態構成を具える自動変速機におけるキャリアPC3を示すものであり、図16はサイドメンバSMの外観を、図17はセンターメンバCMの外観を、また図18は図17のA-A線に沿った断面をそれぞれ示すものであり、本実施形態は第1の実施形態のキャリアPC3の構造に対して、サイドメンバSMの一方がアウターメンバOMと結合する点は同じであるが、センターメンバCMに二つのサイドメンバSMが結合する点が異なる。
【0067】
図16に示すサイドメンバSMは、図11に示したものと同型であり、基部43に中心孔44と、その周囲に第3ピニオンP3のシャフトが嵌合するピニオンシャフト孔45を3箇所設けている。また、基部43から中心軸線方向に突出するアーム46を3本設け、これらアーム46と基部43とでサイドメンバSM(SM1)を構成する。アーム46の突端部46aは溶接によって後述するセンターメンバCMと結合すると共に、外周面の網掛けで示した部分wにおいてアウターメンバOMと溶接等により結合する。
【0068】
図17に示すセンターメンバCMは、前述した各実施形態におけるものとは異なり、円盤状の本体にピニオンP3が通過するための凹部47を形成した形状となっている。また、符号wで示す外縁部においてサイドメンバSMのアーム46の突端部46aと溶接によって結合する。
【0069】
センターメンバCMの中心部には、さらにフランジ48を形成している。図18に示すように、フランジ48は二つのサンギヤS3,S4の間に配置されると共に、中心軸線CL方向に突出する円筒状部48aを有している。この円筒状部48aが中間軸4とスプライン嵌合する。なお、これまで説明していなかったが、前述の各実施形態におけるセンターメンバCMもまた、こうしたフランジを有していることは、図7〜図9および図12を参照すれば明白であろう。
【0070】
さて、センターメンバCMをかかる形状とすることにより、これまで述べてきた各実施形態と同様の効果が得られると共に、センターメンバCMをよりコンパクトにすることが可能となり、第3遊星歯車組G3、さらには自動変速機自体の小型化により一層寄与し得るものとなる。
【0071】
以上説明したように、本発明による自動変速機用歯車変速装置は、変速用遊星歯車組としてダブルサンギヤ型遊星歯車組を用いたものにおいて、このダブルサンギヤ型遊星歯車組の小型化を図ることができ、自動変速機自体の小型化に寄与し得るものとなり、さらには、ダブルサンギヤ型遊星歯車組を構成するキャリアおよびサイドメンバの形状を工夫することにより、キャリアの剛性を向上させる、ピニオンシャフトの潤滑性能を向上させるといった効果も得られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る自動変速機用歯車変速装置を模式的に示すスケルトン図である。
【図2】 同歯車変速装置における変速用摩擦要素の締結と選択変速段との関係を示す締結論理説明図である。
【図3】 同歯車変速装置の選択変速段ごとの変速状態を示す共線図である。
【図4】 同歯車変速装置の変速段ごとのトルク伝達経路を示し、
(a)は、前進第1速時のトルク伝達経路を示す図1と同様のスケルトン図、
(b)は、前進第2速時のトルク伝達経路を示す図1と同様のスケルトン図、
(c)は、前進第3速時のトルク伝達経路を示す図1と同様のスケルトン図である。
【図5】 同歯車変速装置の変速段ごとのトルク伝達経路を示し、
(a)は、前進第4速時のトルク伝達経路を示す図1と同様のスケルトン図、
(b)は、前進第5速時のトルク伝達経路を示す図1と同様のスケルトン図、
(c)は、前進第6速時のトルク伝達経路を示す図1と同様のスケルトン図である。
【図6】 同歯車変速装置の後退変速段選択時におけるトルク伝達経路を示す図1と同様のスケルトン図である。
【図7】 図1〜図6に示す歯車変速装置の実態構成を具える自動変速機を示す展開断面図である。
【図8】 本発明の第2の実施形態に係る自動変速機用歯車変速装置の実態構成を具える自動変速機を示す展開断面図である。
【図9】 本発明の第3の実施形態に係る自動変速機用歯車変速装置の実態構成を具える自動変速機を示す展開断面図である。
【図10】 図9の自動変速機の第3遊星歯車組におけるセンターメンバの外観を示す正面図である。
【図11】 図9の自動変速機の第3遊星歯車組におけるサイドメンバの外観を示す斜視図である。
【図12】 本発明の第4の実施形態に係る自動変速機用歯車変速装置の実態構成を具える自動変速機を示す展開断面図である。
【図13】 図12の自動変速機の第3遊星歯車組におけるセンターメンバの外観を示す正面図である。
【図14】 図12の自動変速機の第3遊星歯車組におけるサイドメンバの外観を示す斜視図である。
【図15】 本発明による自動変速機用歯車変速装置の第5の実施形態に係る実態構成を具える自動変速機の、第3遊星歯車組のセンターメンバの外観を示す正面図である。
【図16】 本発明による自動変速機用歯車変速装置の第6の実施形態に係る実態構成を具える自動変速機の、第3遊星歯車組のサイドメンバの外観を示す斜視図である。
【図17】 本発明による自動変速機用歯車変速装置の第6の実施形態に係る実態構成を具える自動変速機の、第3遊星歯車組のセンターメンバの外観を示す正面図である。
【図18】 図17のA-A線に沿った断面図である。
【符号の説明】
G1 第1遊星歯車組
G2 第2遊星歯車組
G3 第3遊星歯車組
M1 第1連結メンバ
M2 第2連結メンバ
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
C3 第3クラッチ
C4 第4クラッチ
B1 第1ブレーキ
B2 第2ブレーキ
Input 入力部
1 入力軸
Output 出力部
2 出力歯車
S1 第1サンギヤ
R1 第1リングギヤ
P1 第1ピニオン
P1a 第1ピニオン
P1b 第1ピニオン
PC1 第1キャリア
S2 第2サンギヤ
R2 第2リングギヤ
P2 第2ピニオン
PC2 第2キャリア
S3 第2サンギヤ
S4 第4サンギヤ
P3 第3ピニオン
PC3 第3キャリア
R3 第3リングギヤ
CM センターメンバ
OM アウターメンバ
SM サイドメンバ(キャリアプレート)
ENG エンジン(動力源)
T/C トルクコンバータ
3 変速機ケース
4 中間軸
5 ポンプハウジング
6 ポンプカバー
7 端蓋
8 中間壁(出力歯車支持壁)
9 中空軸
9a ドラム状連結部材
10 フランジ
11 クラッチドラム
12 クラッチパック
13 クラッチピストン
14 第3クラッチ作動油路
15 クラッチドラム
16 クラッチパック
17 クラッチハブ
18 クラッチパック
19 クラッチピストン
20 クラッチピストン
21 第1クラッチまたは第2クラッチ作動油路
22 筒状連結メンバ
23 ブレーキハブ
24 ブレーキパック
25 ブレーキピストン
26 ブレーキハブ
26a ブレーキハブ後端壁
27 ブレーキパック
28 ブレーキピストン
29 カウンターシャフト
30 カウンターギヤ
31 ファイナルドライブピニオン
32 クラッチハブ
33,37,43 ダブルサンギヤ型遊星歯車組のサイドメンバの基部
34,38,44 サイドメンバの中心孔
35,39,45 サイドメンバのピニオンシャフト孔
36,40,41,46 サイドメンバのアーム
42 油溜まり
47 ダブルサンギヤ型遊星歯車組のセンターメンバの凹部
48 センターメンバのフランジ

Claims (3)

  1. 動力源からの動力回転が入力される入力部と、
    前記動力回転が変速された後の変速回転を出力する出力部と、
    該入出力部間に多数の動力伝達経路を提供可能とする複数の遊星歯車組と、
    該複数の遊星歯車組が前記動力伝達経路の内一つを選択して対応変速比で前記入力部からの回転を変速し、前記出力部へ出力し得るようになすための選択的に断接可能な複数の摩擦要素とを具え、
    前記複数の摩擦要素の締結・解放の組み合わせにより少なくとも2速の変速段を選択可能とした自動変速機用歯車変速装置であって、
    前記複数の遊星歯車組の内一つの遊星歯車組を、
    二つのサンギヤと、
    該二つのサンギヤのそれぞれと噛み合う共通のピニオンギヤと、
    前記二つのサンギヤの間に配置した、該遊星歯車組外からの回転を入力される、または該遊星歯車組外へ回転を出力するセンターメンバと、
    前記ピニオンギヤを回転可能に支持するピニオンシャフトと、
    該ピニオンシャフトをその両端で支持するキャリアプレートを有するキャリアと、
    前記ピニオンギヤと噛み合うリングギヤとを具えるダブルサンギヤ型遊星歯車組とした自動変速機用歯車変速装置において、
    前記複数の摩擦要素の内、締結時に他の摩擦要素よりも大きなトルクを伝達可能な摩擦要素と前記キャリアプレートとを連結し、
    前記複数の摩擦要素の内、締結時に前記大きなトルクを伝達する摩擦要素よりも小さいトルクを伝達する他の摩擦要素と前記センターメンバとを連結し、
    前記センターメンバの板厚を前記キャリアプレートの板厚よりも薄くしたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
  2. 動力源からの動力回転が入力される入力部と、
    前記動力回転が変速された後の変速回転を出力する出力部と、
    該入出力部間に多数の動力伝達経路を提供可能とする複数の遊星歯車組と、
    該複数の遊星歯車組が前記動力伝達経路の内一つを選択して対応変速比で前記入力部からの回転を変速し、前記出力部へ出力し得るようになすための選択的に断接可能な複数の摩擦要素とを具え、
    前記複数の摩擦要素の締結・解放の組み合わせにより少なくとも2速の変速段を選択可能とした自動変速機用歯車変速装置であって、
    前記複数の遊星歯車組の内一つの遊星歯車組を、
    二つのサンギヤと、
    該二つのサンギヤのそれぞれと噛み合う共通のピニオンギヤと、
    前記二つのサンギヤの間に配置した、該遊星歯車組外からの回転を入力される、または該遊星歯車組外へ回転を出力するセンターメンバと、
    前記ピニオンギヤを回転可能に支持するピニオンシャフトと、
    該ピニオンシャフトをその両端で支持するキャリアプレートを有するキャリアと、
    前記ピニオンギヤと噛み合うリングギヤとを具えるダブルサンギヤ型遊星歯車組とした自動変速機用歯車変速装置において、
    前記センターメンバからの前記キャリアへの回転入力および該キャリアから該センターメンバへの回転出力を、該センターメンバの内径側および外径側の双方で行うことを可能とし、
    センターメンバを、その内径側と外径側とで異なる板厚に構成したことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記センターメンバの外径側を、前記摩擦要素の内、締結時に他の摩擦要素よりも大きなトルクを伝達可能な摩擦要素と連結し、内径側を、前記摩擦要素の内、締結時に前記大きなトルクを伝達する前記摩擦要素よりも小さいトルクを伝達する他の摩擦要素と連結し、
    前記内径側の板厚を前記外径側の板厚よりも薄くしたことを特徴とする自動変速機用歯車変速装置。
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