JP3830391B2 - ヒートシールフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヒートシールフィルムに関する。該ヒートシールフィルムはカバーテープ等に好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
容器を密封するヒートシールフィルムは、例えばキャリアテープに代表される電子部品の包装をはじめ多様な分野で用いられている。電子部品はキャリアテープに収納され、ヒートシールフィルムで蓋をされ、再び使用される際、実装工程においてカバーテープを引き剥がしながらキャリアテープから取り出され、基盤に実装される。実装工程は高速化が進められているがカバーテープもそれに絶えることが要求される。剥離強度が高くなるとカバーテープは切れやすくなる。カバーテープが切れると内容物が取り出せず実装トラブルとなる。カバーテープのような積層フィルムにおいては各層間の接着強度が不十分であるとデラミネーションが起こり、これをきっかけとしてフィルム全体が裂けたり切れやすくなる。WO 01/15897A1には、基材層/二軸延伸ポリエチレンテレフタレート層、第2層/ポリエチレン樹脂層、第3層/ポリオレフィン系樹脂層、第4層/シーラント層の構成であるヒートシールフィルムが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高速で剥離しても切れにくいヒートシールフィルムを提供するものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明は二軸延伸フィルムからなる基材層、低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンを含有し、直鎖状低密度ポリエチレンが低密度ポリエチレンとの合計に対して20重量%以上70重量%以下である中間層およびシーラント層を有するヒートシールフィルムである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
基材層の二軸延伸フィルムとしては、例えば二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂フィルム、ポリスチレンフィルムやポリアミドフィルム等がある。二軸延伸したポリエステル樹脂フィルムを好適に用いることができる。帯電防止剤が塗布または練り込まれた帯電防止処理された、あるいはコロナ処理された二軸延伸フィルムを用いることもできる。
【0006】
中間層は低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンの混合物を含有している。直鎖状低密度ポリエチレンの混合割合が低密度ポリエチレンとの合計に対して20重量%以上70重量%以下が好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンの割合が低いと隣接する層との接着強度が低くなり、剥離時の切れが起こりやすくなる。直鎖状低密度ポリエチレンの割合が高いと製造時に成膜が困難となり一定の厚さの中間層を得にくくなる。
【0007】
ここで低密度ポリエチレンとは、密度が0.910〜0.930g/cm3のものであり、その分子構造に短鎖及び長鎖の分岐構造を有するものである。一般には高圧法、中・低圧法により製造される。
直鎖状低密度ポリエチレンとは、低密度ポリエチレンの一種であるが、中・低圧法により製造されコモノマーとしてα−オレフィンがエチレンモノマーと共重合されたポリエチレンを言う。その分子構造は低密度ポリエチレンと異なり、短鎖の分岐を持つ直線状となる。共重合させるコモノマーとしては、C4〜C8のα−オレフィンが用いられる。中でもC6(1−ヘキセン)〜C8(1−オクテン)のものが好ましい。低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンは市販のものを用いることができる。
【0008】
シーラント層はスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体とエチレン−α−オレフィンランダム共重合体からなるものが好ましく、更に耐衝撃性ポリスチレンを併用することができる。
スチレン系炭化水素が50重量%以上であるスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体5〜50重量%、スチレン系炭化水素が50重量%未満であるスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体5〜70重量%、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体5〜50重量%が好ましい範囲であるが、更に前記樹脂組成物との合計に対して耐衝撃性ポリスチレンを50重量%以下の割合で併用することができる。
【0009】
スチレン系炭化水素とは例えばスチレン、α−メチルスチレン、各種アルキル置換スチレンなどであり、なかでもスチレンを好適に用いることができる。また、共役ジエン系炭化水素とはイソプレン、ブタジエンおよびこれらの不飽和結合部に水素が添加したものなどが挙げられる。これらのブロック共重合体はそれぞれ1種用いることができるが、2種類以上を併用することもできる。
エチレン−αオレフィンランダム共重合体のαオレフィンとは、例えばプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどが挙げられる。
耐衝撃性ポリスチレンとしては、スチレン系炭化水素重合体に共役ジエン系炭化水素重合体とからなりマトリックスを形成するスチレン系炭化水素重合体と共役ジエン系炭化水素重合体からなる軟質成分粒子が分散して存在しているものである。
【0010】
スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体及び耐衝撃性ポリスチレンは市販のものを用いることができる。
【0011】
本発明では中間層とシーラント層の間にポリオレフィン系樹脂からなる第2の中間層を設けることができる。ポリオレフィン系樹脂としては前述の低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンをそれぞれ単独であるいは混合物として好適に用いることができる。混合比は特に限定するものではない。
【0012】
本発明の樹脂組成物に熱安定剤や滑剤といった加工助剤や、帯電防止剤やフィラーを添加することができる。
【0013】
本発明で得られたヒートシールフィルムは、電子部品の保管、輸送、装着に関して汚染から保護し電子回路基板に実装するために整列、取り出せる機能を有する包装体に用いることができる。とくに電子部品キャリアテープ用カバーテープやあるいは電子部品搬送用袋に好適に用いることができる。
【0016】
(実施例3)
ヒートシール用樹脂混合物(シーラント層)として(a)スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(電気化学工業社製デンカクリアレン、スチレン含量80重量%、ブタジエン含量20重量%)40重量部、(b)エチレン−ブテン−1ランダム共重合体(三井化学社製タフマーA)25重量部、(c)スチレン−ブタジエンブロック共重合体(日本合成ゴム社製STRレジン、スチレン含量40重量%、ブタジエン含量60重量%)25重量部、(d)耐衝撃性ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製東洋スチロールHI)10重量部をハンドブレンドし、40mm押出機にてコンパウンド化し樹脂組成物(e)を得た。次にこの樹脂組成物をインフレーション法により総厚30μmのフィルムを得た。さらにこのフィルムを押出ラミネート法により、低密度ポリエチレン樹脂(宇部興産社製UBEポリエチレン)50重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(宇部興産社製UMERIT)50重量%の混合物(厚み15μm)を介して、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)と積層させてヒートシールフィルムを得た。
【0018】
(比較例3〜4)
実施例3の低密度ポリエチレン樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンの混合物において、直鎖状低密度ポリエチレンの割合をそれぞれ10%、80%とした以外は実施例と同様の操作を行いヒートシールフィルムを得た。
【0019】
(比較例5)
実施例3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を、エチレン−1−ブテン共重合体とした以外は実施例3と同様の操作を行った。
【0020】
以上の得られたフィルムに対して、以下に示す評価を行った。
剥離時のフィルム切れ評価
シールヘッド幅0.5mm×2、シール圧力0.4MPa、シール速度2回/秒の条件にてシール温度を調節し、それぞれ剥離強度が100、130、160gとなるようにヒートシールフィルムを電子包装材用のポリスチレン系キャリアテープにシールし評価用サンプルを得た。これらサンプルについて手により高速でカバーテープをはがし、その際カバーテープが切れなかったものを○、切れたものを×とした。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】
キャリアテープとの剥離強度が100〜160gのいずれの場合においても実施例ではテープ切れは発生しなかった。それに対して中間層に低密度ポリエチレンを10重量%しか含有しない比較例1から3は130℃、160℃では手により高速でキャリアテープから剥がすとテープ切れを起した。カバーテープをゆっくり剥がした場合比較例でもテープ切れは起きない。しかし、高速で剥離した場合実施例と明らかに差異が見られる。このような差異の原因は明らかでないが、中間層とシーラント層の接着性の差が影響するのではないかと考えられる。
本発明のヒートシールフィルムは剥離を行った際にフィルム切れが起こりにくいので、電子部品包装容器であるカバーフィルム等に好適に使用することができる。
Claims (5)
- 二軸延伸フィルムからなる基材層、低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンを含有し、直鎖状低密度ポリエチレンが低密度ポリエチレンとの合計に対して20重量%以上70重量%以下である中間層およびスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素とのブロック共重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体を含有するシーラント層を有するヒートシールフィルムにおいて、シーラント層をインフレーション法で製造するヒートシールフィルム。
- シーラント層が更に耐衝撃性ポリスチレンを含有する請求項1に記載のヒートシールフィルム。
- 帯電防止処理がなされている請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載のヒートシールフィルム。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のヒートシールフィルムからなる電子部品キャリアテープ用カバーテープ。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のヒートシールフィルムからなる電子部品搬送用袋。
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