JP3829429B2 - 多気筒内燃機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は多気筒内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関から排出される窒素酸化物(以下、NOX )を浄化するための排気浄化装置が公知である。例えば、特開平6−117225号公報にはNOX を浄化するために、NOX と炭化水素(以下、HC)とを触媒表面に吸着してNOX およびHCを活性化し、この活性化したNOX とHCとを反応させることによりNOX を浄化するNOX 選択還元触媒(以下、NOX 触媒)を具備する排気浄化装置が開示されている。この排気浄化装置ではHCをNOX 触媒に供給するために、機関駆動用燃料を噴射するための主噴射とは別個に該主噴射後に副噴射を実行する。これら主噴射と副噴射とは同一の燃料噴射弁で実行される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知の排気浄化装置では、各気筒に対応して取り付けられた燃料噴射弁は共通の燃料分配手段に接続されている。したがって一つの気筒における副噴射の実行と他の気筒における主噴射の実行との間の時間間隔が短いと、副噴射のみ或いは主噴射のみが実行されたときに比べて燃料分配手段内の圧力が小さくなる。このため副噴射および主噴射により各燃料噴射弁から所望量の燃料を気筒内に供給することができない。したがって本発明の目的は主噴射および副噴射により所望量の燃料を気筒内に供給することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために一番目の発明によれば、複数の気筒と、各気筒内にそれぞれ燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、これら燃料噴射弁に燃料を分配するための共通の燃料分配手段と、排気通路に配置された触媒を備えた排気浄化装置とを具備する多気筒内燃機関であって、各気筒において、当該多気筒内燃機関を駆動するための燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する主噴射と、前記触媒に燃料を供給するために前記主噴射の後に該主噴射とは別個に燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する副噴射とを実行する多気筒内燃機関において、一つの気筒における主噴射の実行と他の気筒における副噴射の実行との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以上となるように主噴射または副噴射の実行時期を制御する。
【0005】
上記課題を解決するために二番目の発明によれば、複数の気筒と、各気筒内にそれぞれ燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、これら燃料噴射弁に燃料を分配するための共通の燃料分配手段と、排気通路に配置された触媒を備えた排気浄化装置とを具備する多気筒内燃機関であって、各気筒において、当該多気筒内燃機関を駆動するための燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する主噴射と、前記触媒に燃料を供給するために前記主噴射の後に該主噴射とは別個に燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する副噴射とを実行する多気筒内燃機関において、一つの気筒における主噴射の実行と他の気筒における副噴射の実行との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以下であるとき、主噴射または副噴射により噴射される燃料量を増大する。
【0006】
上記課題を解決するために三番目の発明によれば、複数の気筒と、各気筒内にそれぞれ燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、これら燃料噴射弁に燃料を分配するための共通の燃料分配手段と、排気通路に配置された触媒を備えた排気浄化装置とを具備する多気筒内燃機関であって、各気筒において、当該多気筒内燃機関を駆動するための燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する主噴射と、前記触媒に燃料を供給するために前記主噴射の後に該主噴射とは別個に燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する副噴射とを実行する多気筒内燃機関において、前記燃料分配手段内の燃圧を検出する圧力検出手段をさらに具備し、該圧力検出手段により検出された圧力に基づいて主噴射または副噴射の少なくとも一方の実行時期が決定され、前記圧力検出手段による検出の実行と主噴射または副噴射の実行との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以上となるように前記圧力検出手段による検出または主噴射あるいは副噴射の実行時期を制御する。
【0007】
上記課題を解決するために四番目の発明によれば、複数の気筒と、各気筒内にそれぞれ燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、これら燃料噴射弁に燃料を分配するための共通の燃料分配手段と、排気通路に配置された触媒を備えた排気浄化装置とを具備する多気筒内燃機関であって、各気筒において、当該多気筒内燃機関を駆動するための燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する主噴射と、前記触媒に燃料を供給するために前記主噴射の後に該主噴射とは別個に燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する副噴射とを実行する多気筒内燃機関において、前記燃料分配手段内の燃圧を検出する圧力検出手段をさらに具備し、該圧力検出手段により検出された圧力に基づいて主噴射または副噴射の少なくとも一方の実行時期が決定され、前記圧力検出手段による検出の実行と主噴射または副噴射の実行との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以下であるとき、主噴射または副噴射により噴射される燃料量を増大する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に共通の内燃機関の排気浄化装置の構成を示す図である。図1において、1は機関本体、♯1、♯2、♯3および♯4はそれぞれ機関本体1内に形成された第一気筒、第二気筒、第三気筒および第四気筒、2a、2b、2cおよび2dはそれぞれ対応する気筒♯1〜♯4内に機関駆動用燃料および排気ガス浄化用燃料を供給するための第一燃料噴射弁、第二燃料噴射弁、第三燃料噴射弁および第四燃料噴射弁、3は機関本体1に接続された吸気通路、4は吸気通路3に接続されたインテークマニホルドである。インテークマニホルド4には吸入空気量を算出するために吸入空気圧を検出する吸気圧センサ5が取り付けられる。また、本発明の内燃機関はクランク角を検出するクランク角センサ6を具備する。各燃料噴射弁2a〜2dはこれら燃料噴射弁2a〜2dに共通の燃料分配手段、すなわちコモンレール30に接続される。コモンレール30はポンプPを介して燃料タンク31に接続される。コモンレール30内には燃料タンク31により予め定められた圧力に加圧された燃料が蓄積される。また、コモンレール30にはコモンレール30内の燃料の圧力を検出するための圧力検出手段として燃圧センサ32が取り付けられる。
【0009】
第一気筒♯1、第二気筒♯2、第三気筒♯3および第四気筒♯4にはそれぞれ対応して第一排気枝管7a、第二排気枝管7b、第三排気枝管7cおよび第四排気枝管7dが接続される。第一排気枝管7aと第二排気枝管7bと第四排気枝管7dとは機関本体1の下流側の上流側合流部8において合流せしめられ、集合管9に接続される。集合管9と第三排気枝管7cとは上流側合流部8のさらに下流側の下流側合流部10において合流せしめられる。なお、本明細書において『上流』および『下流』とは排気ガスの流れに沿った方向について用いられる用語である。
【0010】
本発明の内燃機関は吸入される空気量を増大するために吸入空気を過給する過給機11を具備する。過給機11はインテークマニホルド4の上流側の吸気通路3に配置された吸気側タービンホイール11aと、下流側合流部10の下流側の排気通路20内に配置された排気側タービンホイール11bとを具備する。本発明では各気筒から排出された排気ガスが合流する位置に排気側タービンホイール11bが配置されているため、排気側タービンホイール11bを通過する排気ガス量が多く、過給機11の過給効果を最大限に維持することができる。
【0011】
吸気側タービンホイール11aと排気側タービンホイール11bとは一つのシャフト11cにより互いに連結される。排気側タービンホイール11bはこの排気側タービンホイール11bの回転面と平行な方向から排気ガスを受けて回転せしめられ、回転面に対して垂直な方向へ向けて排気ガスを排出する。一方、吸気側タービンホイール11aは排気側タービンホイール11bの回転に伴い回転せしめられ、この吸気側タービンホイール11aの回転面に対して垂直な方向から空気を引き込み、回転面と平行な方向へ向けて吸入空気を送りだす。
【0012】
排気側タービンホイール11bの下流側の排気通路20には内燃機関から排出される窒素酸化物(以下、NOX )を浄化するための排気浄化触媒12が配置される。本発明の排気浄化触媒12は、NOX と炭化水素(以下、HC)とを触媒表面に吸着してNOX およびHCを活性化し、この活性化したNOX とHCとを反応させることによりNOX を浄化するNOX 選択還元触媒(以下、NOX 触媒)である。NOX 触媒12の上流端部分には該上流端部分の温度を検出する上流側温度センサ13が配置され、NOX 触媒12の下流端部分には該下流側部分の温度を検出する下流側温度センサ14が配置される。
【0013】
第四排気枝管7dには排気ガスを吸入空気中に導入するための排気循環管15が接続される。排気循環管15の他端はインテークマニホルド4に接続される。排気循環管15には吸入空気中への排気ガスの導入の有無を制御するための排気循環弁16が配置される。排気循環弁16は三方弁17を介して吸引ポンプ18および大気に連通される。排気循環弁16は機関運転状態に応じて開閉制御される。三方弁17により排気循環弁16と大気とが連通せしめられると排気循環弁16内に大気圧がかかり排気循環弁16は閉弁せしめられる。一方、三方弁17により排気循環弁16と吸引ポンプ18とが連通せしめられると排気循環弁16内に負圧がかかり排気循環弁16が開弁せしめられる。これにより排気ガスが吸入空気中に導入される。内燃機関において生成されるNOX 量は燃焼時の火炎伝播速度が大きいほど多くなる。また、NOX 生成量は燃焼時の燃焼温度が高いほど多くなる。一方、不活性ガスは燃焼時の火炎伝播を緩慢にするため、燃焼時の火炎伝播速度は吸入空気中の不活性ガス量が多いほど小さくなる。また、不活性ガスは燃焼時の熱を吸収するため、燃焼時の燃焼温度は吸入空気中の不活性ガス量が多いほど低くなる。したがって不活性ガスであるCO2 やH2 Oを含んだ排気ガスが吸入空気に導入されると、燃焼時の火炎伝播速度が小さくなり且つ燃焼時の燃焼温度が低く抑制されるため、燃焼に伴うNOX の生成が抑制される。
【0014】
図1において制御装置(ECU)40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41を介して相互に接続されたCPU(マイクロプロセッサ)42、ROM(リードオンメモリ)43、RAM(ランダムアクセスメモリ)44、B−RAM(バックアップランダムアクセスメモリ)45、入力ポート46、出力ポート47およびクロック発生器48を具備する。吸気圧センサ5、上流側温度センサ13、下流側温度センサ14および燃圧センサ32の出力電圧はそれぞれ対応するAD変換器49を介して入力ポート46に入力される。また、クランク角センサ6の出力電圧は直接入力ポート46に入力される。一方、出力ポート47はそれぞれ対応する駆動回路50を介して各燃料噴射弁2a〜2dおよび三方弁17に接続される。
【0015】
次に本発明に共通の内燃機関の作動について説明する。初めに各気筒♯1〜♯4の圧縮行程の予め定められたクランク角度(以下、燃圧検出時期)においてコモンレール30内の燃圧が燃圧センサ32により検出される。なお、本願において各気筒におけるクランク角度零度は各気筒における排気上死点である。次に圧縮上死点の直前において予噴射(図2の符号A)が実行される。予噴射は気筒内において生成されるNOX 量の低減および気筒において生じる騒音の低減のために実行される噴射である。次に予噴射により供給された燃料が着火した後の圧縮上死点付近の予め定められたクランク角度(以下、主噴射時期)において主噴射(図2の符号B)が実行される。主噴射は機関駆動のために実行される噴射である。なお、各気筒における予噴射および主噴射は第一気筒♯1、第三気筒♯3、第四気筒♯4、第二気筒♯2の順で実行される。また、予噴射により各燃料噴射弁から噴射すべき燃料量は予め定められた量に設定される。一方、主噴射により各燃料噴射弁から噴射すべき燃料量はアクセルペダル(図示せず)の踏込量に基づいて決定される。また、予噴射および主噴射により各燃料噴射弁から噴射すべき燃料量を供給するために各燃料噴射弁を開弁する開弁時間はコモンレール30内の燃圧に基づいて決定される。
【0016】
次に本発明では排気循環弁16が開弁しているときには第三気筒♯3における主噴射実行後に該主噴射とは別個に第三気筒♯3の膨張行程または排気行程(以下、副噴射時期)において副噴射(図2の符号C)を実行する。一方、排気循環弁16が閉弁しているときには各気筒♯1〜♯4における主噴射の実行後に該主噴射とは別個に各気筒♯1〜♯4の膨張行程または排気行程において副噴射を実行する。副噴射により各燃料噴射弁2a〜2cから供給された排気ガス浄化用のHC(以下、浄化用HC)は排気ガスによりNOX 触媒12に到達せしめられる。排気ガス中のNOX は供給された浄化用HCの還元作用によりNOX 触媒12において浄化される。なお、副噴射の実行時期は各気筒♯1〜♯4内の温度およびコモンレール30内の燃圧に基づいて決定される。また、副噴射により各燃料噴射弁から噴射すべき燃料量は吸気圧センサ5およびクランク角センサ6の出力から推定したNOX 量と、上流側温度センサ13および下流側温度センサ14の出力とに基づいて決定される。また、副噴射により各燃料噴射弁2a〜2dから噴射すべき燃料量を供給するために各燃料噴射弁2a〜2dを開弁する開弁時間はコモンレール30内の燃圧に基づいて決定される。なお、図2は排気循環弁が閉弁しているときにおける内燃機関の作動を示す。
【0017】
次に本発明の第一実施形態の排気浄化装置の作動を説明する。なお、以下の説明において、『或る気筒』を『先行気筒』と、『先行気筒において実行される主噴射』を『先行気筒主噴射』と、『先行気筒主噴射を実行する時期』を『先行気筒主噴射時期』と、『先行気筒主噴射が実行される気筒と同一の気筒において実行される副噴射』を『先行気筒副噴射』と、『先行気筒副噴射を実行する時期』を『先行気筒副噴射時期』という。また、『先行気筒における燃焼行程に続いて燃焼行程が行われる気筒』を『後続気筒』と、『後続気筒において実行される主噴射』を『後続気筒主噴射』と、『後続気筒主噴射を実行する時期』を『後続気筒主噴射時期』と、『後続気筒主噴射が実行される気筒と同一の気筒において実行される副噴射』を『後続気筒副噴射』と、『後続気筒副噴射を実行する時期』を『後続気筒副噴射時期』という。
【0018】
第一実施形態では先行気筒副噴射時期と後続気筒主噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短いときには、前記先行気筒副噴射時期を変更する。詳細には後続気筒主噴射の後に先行気筒副噴射が実行される予定であるときに後続気筒主噴射時期と先行気筒副噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短い場合には、先行気筒副噴射時期を後続気筒主噴射時期より前記予め定められた時間間隔だけ遅らせる。しかしながら、先行気筒副噴射時期を遅らせると吸気行程において先行気筒副噴射が実行されてしまう場合には、先行気筒副噴射時期を後続気筒主噴射時期より前記予め定められた時間間隔だけ早くする。
【0019】
一方、後続気筒主噴射の前に先行気筒副噴射が実行される予定であるときに先行気筒副噴射時期と後続気筒主噴射時期との間の時間間隔が前記予め定められた時間間隔より短い場合には、先行気筒副噴射時期を後続気筒主噴射時期より早める。しかしながら、先行気筒副噴射時期を早めると先行気筒副噴射時期と先行気筒主噴射時期との間の時間間隔が前記予め定められた時間間隔より短くなる場合には、先行気筒副噴射時期を後続気筒主噴射時期より前記予め定められた時間間隔だけ遅くする。なお、本願では予め定められた時間間隔は主噴射または副噴射が実行されたときに低下したコモンレール内の燃圧が予め定められた燃圧に戻るのに要する時間に設定される。
したがって第一実施形態によればコモンレール内の燃圧が予め定められた圧力以下に低下することが抑制される。このため主噴射および副噴射により所望量の燃料を各燃料噴射弁から各気筒に噴射することができる。
【0020】
図3および図4のフローチャートを参照して第一実施形態の排気浄化装置の作動を詳細に説明する。なお、以下の説明においてnは先行気筒、mは後続気筒の気筒番号を示す。
初めに図2のステップS110において排気循環弁16が開弁しているか否かを判別する。ステップS110において排気循環弁16が開弁していると判別すると、ステップS112に進んで各データの気筒表示用添字nに3をセットし、図3のステップS125に進む。一方、ステップS110において排気循環弁16が閉弁していると判別すると、ステップS114に進む。
ステップS114ではnが1である(n=1)か否かを判別する。n=1であると判別すると、ステップS112に進んでnに3をセットし、図3のステップS125に進む。一方、ステップS114においてn≠1であると判別すると、ステップS116に進む。
【0021】
ステップS116ではnが3である(n=3)か否かを判別する。ステップS116においてn=3であると判別すると、ステップS118に進んでnに4を、気筒表示用添字mに3をセットし、図3のステップS125に進む。一方、ステップS116においてn≠3であると判別すると、ステップS120に進む。
ステップS120ではnが4である(n=4)か否かを判別する。ステップS120においてn=4であると判別すると、ステップS122に進んでnに2を、mに4をセットし、図3のステップS125に進む。一方、ステップS120においてn≠4であると判別すると、ステップS124に進んでnに1を、mに2をセットし、図3のステップS125に進む。
【0022】
図3のステップS125では、第n気筒内の温度Tn、NOX 触媒12の上流端部分の温度Tu、NOX 触媒12の下流端部分の温度Td、第m気筒における燃料噴射弁の開弁時間算出用のコモンレール30内の燃圧Pcm、インテークマニホルド4内の吸気圧力Piおよびクランク角度CAを検出し、ステップS126に進む。
ステップS126ではステップS125において検出したデータに基づいて第n気筒における副噴射により燃料噴射弁から噴射すべき燃料量FSnおよび第n気筒における副噴射時期(先行気筒副噴射時期)tSnを算出し、ステップS128に進む。
ステップS128では他のルーチン(図示せず)により算出した第n気筒における主噴射時期(先行気筒主噴射時期)tMnおよび第m気筒における主噴射時期(後続気筒主噴射時期)tMmを読み込み、ステップS130に進む。
【0023】
ステップS130では第n気筒における副噴射時期(先行気筒副噴射時期)tSnと第m気筒における主噴射時期(後続気筒主噴射時期)との間の時間間隔|tSn−tMm|が予め定められた時間間隔α以上(|tSn−tMm|≧α)であるか否かを判別する。
ステップS130において|tSn−tMm|≧αであると判別したときには、後続気筒主噴射後に先行気筒副噴射が実行されるとき或いは先行気筒副噴射後に後続気筒主噴射が実行されるときにコモンレール内の燃圧が予め定められた燃圧以上に維持されていると判断し、ステップS132に進んでステップS126において算出したtSnを先行気筒副噴射時期としてセットし、処理を終了する。一方、ステップS130において|tSn−tMm|<αであると判別したときには、後続気筒主噴射後に先行気筒副噴射が実行されるとき或いは先行気筒副噴射後に後続気筒主噴射が実行されるときにコモンレール内の燃圧が予め定められた燃圧より低く、後続気筒主噴射および先行気筒副噴射により所望の燃料量が噴射できないと判断し、ステップS134に進む。
【0024】
ステップS134ではtSnがtMm以上(tSn≧tMm)であるか否かを判別する。すなわちステップS134によれば先行気筒副噴射が後続気筒主噴射の後に実行されるか否かが判別される。ステップS134においてtSn≧tMmであると判別したときには、先行気筒副噴射が後続気筒主噴射の後に実行されると判断し、ステップS136に進む。一方、ステップS134においてtSn<tMmであると判別したときには、先行気筒副噴射が後続気筒主噴射の前に実行されると判断し、ステップS142に進む。
【0025】
ステップS136ではtMmにαを加えた値が第n気筒におけるクランク角度720度以下(tMm+α≦720°)であるか否かを判別する。すなわちステップS136によれば先行気筒副噴射時期を遅らせたときに先行気筒副噴射時期が吸気行程にあるか否かが判別される。ステップS136においてtMm+α≦720°であると判別したときには、遅らせた先行気筒副噴射時期が吸気行程にないと判断し、ステップS138に進んで先行気筒副噴射時期としてtSnにtMm+αをセットして先行気筒副噴射時期を遅らせ、処理を終了する。一方、ステップS136においてtMm+α>720°であると判別したときには、遅らせた先行気筒副噴射時期が吸気行程にあると判断し、ステップS140に進んで先行気筒副噴射時期としてtSnにtMm−αをセットして先行気筒副噴射時期を早め、処理を終了する。
【0026】
ステップS142ではtMmからαを引いた値からtMnを引いた値が予め定められた時間間隔α以上{(tMm−α)−tMn≧α}であるか否かを判別する。すなわちステップS142によれば先行気筒副噴射時期を早めたときに先行気筒主噴射時期と該先行気筒副噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以上であるか否かが判別される。ステップS142において(tMm−α)−tMn≧αであると判別したときには、早めた先行気筒副噴射時期と先行気筒主噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以上であると判断し、ステップS144に進んで先行気筒副噴射時期としてtSnにtMm−αをセットして先行気筒副噴射時期を早め、処理を終了する。ステップS142において(tMm−α)−tMn<αであると判別したときには、早めた先行気筒副噴射時期と先行気筒主噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短いと判断し、ステップS146に進んで先行気筒副噴射時期としてtSnにtMm+αをセットして先行気筒副噴射時期を遅らせ、処理を終了する。
【0027】
なお、第一実施形態では副噴射を実行する時期を変更したが、主噴射を実行する時期を変更したり、主噴射を実行する時期および副噴射を実行する時期を変更してもよい。
【0028】
ところで副噴射が実行されたとき、コモンレール内の燃圧が低下する。また、第一実施形態では予噴射、主噴射および副噴射により各燃料噴射弁から噴射すべき燃料量を供給するために各燃料噴射弁を開弁する開弁時間はコモンレール内の燃圧に基づいて決定される。したがって第一実施形態において先行気筒副噴射時期と後続気筒における燃料噴射弁の開弁時間を算出するためにコモンレール内の燃圧を検出する時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短いときには、噴射すべき燃料量を供給するのに必要な開弁時間を正確に算出することができない。したがって第二実施形態の目的は、第一実施形態の目的に加えて、噴射すべき燃料量を供給するのに必要な開弁時間を正確に算出することにある。
【0029】
第二実施形態の内燃機関の排気浄化装置を説明する。なお、以下の説明において、『後続気筒における燃料噴射弁の開弁時間を算出するためにコモンレール内の燃圧を検出すること』を『後続気筒燃圧検出』と、『後続気筒燃圧検出を実行する時期』を『後続気筒燃圧検出時期』という。
第二実施形態では先行気筒副噴射時期と後続気筒燃圧検出時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短いときには、先行気筒副噴射時期を変更する。詳細には後続気筒燃圧検出の後に先行気筒副噴射が実行される予定であるときに後続気筒燃圧検出時期と先行気筒副噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短い場合には、先行気筒副噴射時期を後続気筒燃圧検出時期より前記予め定められた時間間隔だけ遅らせる。しかしながら、先行気筒副噴射時期を遅らせると吸気行程において該先行気筒副噴射が実行されてしまう場合には、先行気筒副噴射時期を後続気筒燃圧検出時期より前記予め定められた時間間隔だけ早くする。
【0030】
一方、後続気筒燃圧検出の前に先行気筒副噴射が実行される予定であるときに後続気筒燃圧検出時期と先行気筒副噴射時期との間の時間間隔が前記予め定められた時間間隔より短い場合には、先行気筒副噴射時期を後続気筒燃圧検出時期より早める。しかしながら、先行気筒副噴射時期を早めると先行気筒副噴射時期と先行気筒主噴射時期との間の時間間隔が前記予め定められた時間間隔より短くなる場合には、先行気筒副噴射時期を後続気筒燃圧検出時期より前記予め定められた時間間隔だけ遅くする。
【0031】
したがって第二実施形態によればコモンレール内の燃圧を検出するときに副噴射によりコモンレール内の燃圧が低下していることが抑制される。このため噴射すべき燃料量を供給するのに必要な開弁時間が正確に算出できる。
【0032】
図5および図6のフローチャートを参照して第二実施形態の排気浄化装置の作動を詳細に説明する。なお、ステップS210〜ステップS226は第一実施形態のステップS110〜ステップS126に対応するため、説明は省略する。
ステップS228では他のルーチン(図示せず)により算出した第n気筒における主噴射時期(先行気筒主噴射時期)tMnを読み込み、ステップS230に進む。
ステップS230では第n気筒における副噴射時期(先行気筒副噴射時期)tSnと第m気筒に対応した燃料噴射弁の開弁時間を算出するためにコモンレール内の燃圧を検出する時期(後続気筒燃圧検出時期)tPcmとの間の時間間隔|tSn−tPcm|が予め定められた時間間隔α以上(|tSn−tPcm|≧α)であるか否かを判別する。
【0033】
ステップS230において|tSn−tPcm|≧αであると判別されたときには、後続気筒燃圧検出後に先行気筒副噴射が実行されるとき或いは先行気筒副噴射後に後続気筒燃圧検出が実行されるときにコモンレール内の燃圧が予め定められた燃圧以上に維持されていると判断し、ステップS232に進んでステップS226において算出された先行気筒副噴射時期としてtSnをセットし、処理を終了する。一方、ステップS230において|tSn−tPcm|<αであると判別されたときには、後続気筒燃圧検出後に先行気筒副噴射が実行されるとき或いは先行気筒副噴射後に後続気筒燃圧検出が実行されるときにコモンレール内の燃圧が予め定められた燃圧より低く、有効な燃圧が検出されないと判断し、ステップS234に進む。
【0034】
ステップS234ではtSnがtPcm以上(tSn≧tPcm)であるか否かを判別する。したがってステップS234によれば先行気筒副噴射が後続気筒燃圧検出の後に実行されるか否かが判別される。ステップS234においてtSn≧tPcmであると判別したときには、先行気筒副噴射が後続気筒燃圧検出の後に実行されると判断し、ステップS236に進む。一方、ステップS234においてtSn<tPcmであると判別したときには、先行気筒副噴射が後続気筒燃圧検出の前に実行されると判断し、ステップS242に進む。
【0035】
ステップS236ではtPcmにαを加えた値が第n気筒におけるクランク角度720度以下(tPcm+α≦720°)であるか否かを判別する。すなわちステップS236によれば先行気筒副噴射時期を遅らせたときに先行気筒副噴射時期が吸気行程にあるか否かが判別される。ステップS236においてtPcm+α≦720°であると判別したときには、遅らせた先行気筒副噴射時期が吸気行程にないと判断し、ステップS238に進んで先行気筒副噴射時期としてtSnにtPcm+αをセットして先行気筒副噴射時期を遅らせ、処理を終了する。一方、ステップS236においてtPcm+α>720°であると判別したときには、遅らせた先行気筒副噴射時期が吸気行程にあると判断し、ステップS240に進んで先行気筒副噴射時期としてtSnにtPcm−αをセットして先行気筒副噴射時期を早め、処理を終了する。
【0036】
ステップS242ではtPcmからαを引いた値からtMnを引いた値が予め定められた時間間隔α以上{(tPcm−α)−tMn≧α}であるか否かを判別する。したがってステップS242によれば先行気筒副噴射時期を早めたときに先行気筒副噴射時期と先行気筒主噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以上であるか否かが判別される。ステップS242において(tPcm−α)−tMn≧αであると判別されたときには、早めた先行気筒副噴射時期と先行気筒主噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以上であると判断し、ステップS244に進んで先行気筒副噴射時期としてtSnにtPcm−αをセットして先行気筒副噴射時期を早め、処理を終了する。ステップS242において(tPcm−α)−tMn<αであると判別したときには、早めた先行気筒副噴射時期と先行気筒主噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短いと判断し、ステップS246に進んで先行気筒副噴射時期としてtSnにtPcm+αをセットして先行気筒副噴射時期を遅らせ、処理を終了する。
【0037】
なお、第二実施形態では副噴射を実行する時期を変更したが、燃圧を検出する時期を変更したり、燃圧を検出する時期および副噴射を実行する時期を変更してもよい。
【0038】
ところで副噴射により気筒内に噴射された燃料は気筒内の熱により熱分解される。NOX 触媒におけるNOX 浄化率は触媒温度と燃料の熱分解の度合いとに依存する。また、燃料の熱分解の度合いは気筒内の温度、すなわち副噴射時期に依存する。したがってNOX 触媒における浄化作用を最適に維持するためには副噴射時期が重要である。しかしながら、第一実施形態および第二実施形態のように副噴射時期を変更すると、適切に熱分解された燃料を得ることができない可能性がある。したがって第三実施形態の目的は副噴射時期を変更することなく、主噴射および副噴射により所望量の燃料を気筒内に供給することにある。
【0039】
本発明の第三実施形態の排気浄化装置の作動を説明する。第三実施形態では先行気筒副噴射時期と後続気筒主噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短いときには後続気筒主噴射および先行気筒副噴射により噴射すべき燃料量を増大する。
したがって第三実施形態によれば副噴射時期を変更することなく、主噴射および副噴射により所望量の燃料を気筒内に供給できる。
【0040】
図7および図8のフローチャートを参照して第三実施形態の排気浄化装置の作動を詳細に説明する。なお、ステップS310〜ステップS326は第一実施形態のステップS110〜ステップS126に対応するため、説明は省略する。
ステップS328ではステップS326において算出された第n気筒における副噴射時期(先行気筒副噴射時期)tSnをセットし、ステップS330に進む。
ステップS330では他のルーチン(図示せず)において算出された第n気筒における主噴射時期(後続気筒主噴射時期)tMmを読み込み、ステップS332に進む。
ステップS332では第n気筒における副噴射時期(先行気筒副噴射時期)tSnと第m気筒における主噴射時期(後続気筒主噴射時期)tMmとの間の時間間隔|tSn−tMm|が予め定められた時間間隔α以上(|tSn−tMm|≧α)であるか否かを判別する。
【0041】
ステップS332において|tSn−tMm|≧αであると判別したときには、後続気筒主噴射後に先行気筒副噴射が実行されるとき或いは先行気筒副噴射後に後続気筒主噴射が実行されるときにコモンレール内の燃圧が予め定められた燃圧以上に維持されていると判断し、処理を終了する。一方、ステップS332において|tSn−tMm|<αであると判別したときには、後続気筒主噴射後に先行気筒副噴射が実行されるとき或いは先行気筒副噴射後に後続気筒主噴射が実行されるときにコモンレール内の燃圧が予め定められた燃圧より低く、後続気筒主噴射および先行気筒副噴射により所望の燃料量が噴射できないと判断し、ステップS334に進む。
【0042】
ステップS334ではFMmに予め定められた第一の値K1を掛けた値をFMmにセットして後続気筒主噴射により噴射すべき燃料量を増大し、FSnに予め定められた第二の値K2を掛けた値をFSnにセットして先行気筒副噴射により噴射すべき燃料量を増大し、処理を終了する。
なお、噴射すべき燃料量を増大する手段としては燃料噴射弁の開弁時間を増大することや、コモンレール内の燃圧を増大することが考えられる。
【0043】
ところで副噴射が実行されたときはコモンレール内の燃圧が低下する。また、第三実施形態では予噴射、主噴射および副噴射により各燃料噴射弁から噴射すべき燃料量を供給するために各燃料噴射弁を開弁する開弁時間はコモンレール内の燃圧に基づいて決定される。したがって第三実施形態において後続気筒燃圧検出時期と先行気筒副噴射時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短いときには、噴射すべき燃料量を供給するのに必要な開弁時間を正確に算出することができない。したがって第四実施形態の目的は、第三実施形態の目的に加えて、噴射すべき燃料量を供給するのに必要な開弁時間を正確に算出することにある。
【0044】
本発明の第四実施形態の排気浄化装置の作動を説明する。第四実施形態では先行気筒副噴射時期と後続気筒燃圧検出時期との間の時間間隔が予め定められた時間間隔より短いときには、検出された燃圧を増大する。
したがって第四実施形態によれば副噴射時期を変更することなく、噴射すべき燃料量を供給するのに必要な開弁時間を正確に算出できる。
【0045】
図9および図10のフローチャートを参照して第四実施形態の排気浄化装置の作動を詳細に説明する。なおステップS410〜ステップS426は第一実施形態のステップS110〜ステップS126に対応するため、説明は省略する。
ステップS428ではステップS426において算出された第n気筒における副噴射時期(先行気筒気筒副噴射時期)tSnをセットし、ステップS432に進む。
ステップS432では先行気筒副噴射時期tSnと後続気筒燃圧検出時期tPcmとの間の時間間隔|tSn−tPcm|が予め定められた時間間隔α以上(|tSn−tPcm|≧α)であるか否かを判別する。
ステップS432において|tSn−tPcm|≧αであると判別したときには、先行気筒副噴射が実行されるとき或いは後続気筒燃圧検出が実行されるときにコモンレール内の燃圧が予め定められた燃圧以上に維持されていると判断し、処理を終了する。一方、ステップS432において|tSn−tPcm|<αであると判別したときには、先行気筒副噴射が実行されるとき或いは後続気筒燃圧検出が実行されるときにコモンレール内の燃圧が予め定められた燃圧より低く、有効な燃圧が検出できないと判断し、ステップS434に進む。
ステップS434ではPcmに予め定められた第三の値K3を掛けた値を後続気筒燃圧としてPcmにセットして後続気筒燃圧を増大し、処理を終了する。
【0046】
なお、燃料噴射弁から噴射される燃料量を正確に制御するために、本発明の第一実施形態から第四実施形態を組み合わせることも可能である。
【0047】
【発明の効果】
一番目から四番目の発明によれば、燃料噴射弁から各気筒内に所望量の燃料を正確に噴射することができる。
さらに二番目および四番目の発明によれば、副噴射の実行時期を変更することなく、燃料噴射弁から各気筒内に所望量の燃料を正確に噴射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に共通の内燃機関の排気浄化装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の予噴射、主噴射および副噴射の噴射時期を説明する図である。
【図3】第一実施形態の排気浄化装置の作動のフローチャートの一部である。
【図4】第一実施形態の排気浄化装置の作動のフローチャートの一部である。
【図5】第二実施形態の排気浄化装置の作動のフローチャートの一部である。
【図6】第二実施形態の排気浄化装置の作動のフローチャートの一部である。
【図7】第三実施形態の排気浄化装置の作動のフローチャートの一部である。
【図8】第三実施形態の排気浄化装置の作動のフローチャートの一部である。
【図9】第四実施形態の排気浄化装置の作動のフローチャートの一部である。
【図10】第四実施形態の排気浄化装置の作動のフローチャートの一部である。
【符号の説明】
1…機関本体
7a…第一排気枝管
7b…第二排気枝管
7c…第三排気枝管
7d…第四排気枝管
9…集合管
11…過給機
11a…吸気側タービンホイール
11b…排気側タービンホイール
12…NOX 触媒
15…排気循環管
16…排気循環弁
17…三方弁
20…排気通路
30…コモンレール
32…燃圧センサ
Claims (4)
- 複数の気筒と、各気筒内にそれぞれ燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、これら燃料噴射弁に燃料を分配するための共通の燃料分配手段と、排気通路に配置された触媒を備えた排気浄化装置とを具備する多気筒内燃機関であって、各気筒において、当該多気筒内燃機関を駆動するための燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する主噴射と、前記触媒に燃料を供給するために前記主噴射の後に該主噴射とは別個に燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する副噴射とを実行する多気筒内燃機関において、一つの気筒における主噴射の実行と他の気筒における副噴射の実行との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以上となるように主噴射または副噴射の実行時期を制御することを特徴とする多気筒内燃機関。
- 複数の気筒と、各気筒内にそれぞれ燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、これら燃料噴射弁に燃料を分配するための共通の燃料分配手段と、排気通路に配置された触媒を備えた排気浄化装置とを具備する多気筒内燃機関であって、各気筒において、当該多気筒内燃機関を駆動するための燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する主噴射と、前記触媒に燃料を供給するために前記主噴射の後に該主噴射とは別個に燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する副噴射とを実行する多気筒内燃機関において、一つの気筒における主噴射の実行と他の気筒における副噴射の実行との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以下であるとき、主噴射または副噴射により噴射される燃料量を増大することを特徴とする多気筒内燃機関。
- 複数の気筒と、各気筒内にそれぞれ燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、これら燃料噴射弁に燃料を分配するための共通の燃料分配手段と、排気通路に配置された触媒を備えた排気浄化装置とを具備する多気筒内燃機関であって、各気筒において、当該多気筒内燃機関を駆動するための燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する主噴射と、前記触媒に燃料を供給するために前記主噴射の後に該主噴射とは別個に燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する副噴射とを実行する多気筒内燃機関において、前記燃料分配手段内の燃圧を検出する圧力検出手段をさらに具備し、該圧力検出手段により検出された圧力に基づいて主噴射または副噴射の少なくとも一方の実行時期が決定され、前記圧力検出手段による検出の実行と主噴射または副噴射の実行との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以上となるように前記圧力検出手段による検出または主噴射あるいは副噴射の実行時期を制御することを特徴とする多気筒内燃機関。
- 複数の気筒と、各気筒内にそれぞれ燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、これら燃料噴射弁に燃料を分配するための共通の燃料分配手段と、排気通路に配置された触媒を備えた排気浄化装置とを具備する多気筒内燃機関であって、各気筒において、当該多気筒内燃機関を駆動するための燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する主噴射と、前記触媒に燃料を供給するために前記主噴射の後に該主噴射とは別個に燃料を燃料噴射弁から気筒内に噴射する副噴射とを実行する多気筒内燃機関において、前記燃料分配手段内の燃圧を検出する圧力検出手段をさらに具備し、該圧力検出手段により検出された圧力に基づいて主噴射または副噴射の少なくとも一方の実行時期が決定され、前記圧力検出手段による検出の実行と主噴射または副噴射の実行との間の時間間隔が予め定められた時間間隔以下であるとき、主噴射または副噴射により噴射される燃料量を増大することを特徴とする多気筒内燃機関。
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