JP3828596B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関用点火装置に係り、特にプラグホール内に収納される円筒形点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関用点火装置は、実開平2−92913号のCDROMに収納された実願平1−1537号明細書に記載のように、円筒形のケース内部に開磁路コアを収容し、該コアの上部に可とう性の接着剤を注入,硬化していた。このことで、コアと絶縁用樹脂とが接触せず、熱応力による樹脂のクラック等が生じないようにしてあったが、この構造では1次ボビン内に介在している空気が漏れだしてくる可能性があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、センタコアもしくは、低圧側コアの上部に可とう性樹脂を充填し、コアと絶縁用樹脂との間の熱応力によるクラックの防止を図り且つ、1次ボビンと2次ボビン間を圧入形状とし、直接、コアが絶縁用樹脂に接触する形を避けていたが、この形状では、コイルに絶縁用樹脂を真空で充填する作業時に該圧入部より、コアの積層部や、ボビン内部に介在している空気が圧入部を通過して、泡となり、コイル内部、特に、2次ボビンに巻回している2次巻線周辺に浸入する。そもそも樹脂の真空注型は、2次巻線等の高圧部に完全に樹脂を含浸させ、絶縁性を持たせるのが狙いである。そのため、真空度はシビアに管理せねばならない。今までのコイルならば構造が比較的簡単で、絶縁用樹脂も、それ程時間をかけずにコイル内部に完全に浸透させることができた。しかしながら、円筒コイルにては、図を見ても明らかな様に、絶縁用樹脂が回り込む隙間が殆ど薄く、且つ細長い。よって、樹脂の注型には、最新のコイル構造が要求される。今までのコイルでは、コアを絶縁用樹脂中に埋没しない構造が一般的で、コアに介在する空気の干渉は考慮していなく、仮にコアを埋没する構造でも、コアと絶縁用樹脂との間で、ヒートショック時にクラックが入り、コイルが破損する等の問題がある。よってコアと絶縁用樹脂とを隔離する場合に圧入による構造では、真空注型時の圧力差、約1気圧を保てず、上述のように、圧入部から空気がリークしてしまう。本円筒コイルの構造上、圧入部は、高圧部(コイル下部)となり、泡の浸入経路が、コイルの下側から気泡となってじわじわ浸入し、丁度2次巻線周辺を通る。そのため、絶縁用樹脂中に気泡が残り、絶縁性が極めて悪化するという問題があった。2次巻線部は、数十キロボルトの高圧発生部である。
【0004】
本発明は、コアと絶縁用樹脂間を完全に隔離させ、それでいて、高圧部の樹脂中に気泡を残さない構造とすることで、絶縁耐久性に優れた信頼性の高い円筒形点火装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、プラグホール内に収容される円筒形点火装置であって、円筒状の1次ボビンと1次コイルと、前記1次ボビンの中心に配置される磁路としてのセンタコアを備え、前記1次コイルの外側に2次ボビンと2次コイルが配置されており、前記円筒状の1次,2次ボビンと1次,2次コイル及び前記センタコアを収納する円筒状のケースを備え、当該ケースはその上部にイグナイタユニットを収納する部分を備え、前記イグナイタユニットは前記1次,2次コイルの上部に配置されており、前記ケース内に絶縁用樹脂が注型硬化されている円筒形の内燃機関用点火装置において、前記1次ボビンは前記イグナイタユニット側の端部にT型ポケット部を備え、前記センタコアのイグナイタユニット側の端部にはこのポケット部に配置される低圧コアを備え、前記T型ポケット部に、前記T型ポケット部内の空気の膨張を緩和するダイアフラム効果を発揮するように周囲部よりも中央部が薄肉となっているゴムを配置して前記低圧コアをカバーすることで、絶縁性樹脂を1次,2次コイル側へ注型するときの樹脂との境界を作って絶縁用樹脂と、前記コアが直接、接することがない様にして、前記ケース内に絶縁用樹脂が注型硬化されている内燃機関用点火装置とする。
【0006】
【作用】
コアに介在している空気,1次ボビン内部に残る残存空気,マグネットに介在しているガス等をゴム部から逃がし、もしくはゴム自体にてダイアフラム効果にて圧力差を吸収し、絶縁用樹脂の注型後には、コアと絶縁性樹脂との間で、熱応力の緩和材として作用する。よって、コイルの下部(高圧側)から気泡が漏れだし、高圧部に干渉することがないので、高電圧リーク等でコイルが破壊することを防止できる。
【0007】
以上により、絶縁性に優れた信頼性の高い円筒形点火装置を提供することができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【0009】
図1は本発明の実施例の構成を示す点火装置の断面図である。
【0010】
1次ボビン1は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性合成樹脂で成形され、1次コイル2が巻層されている。また、変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO)等の熱可塑性合成樹脂で成形された2次ボビン3には2次コイル4が巻層されている。1次コイル2は線径0.3〜1.0mm程度のエナメル線を一層あたり数十回ずつ、数層にわたり合計100〜300回程度積層巻されている。2次コイル4は線径0.03〜0.1mm 程度のエナメル線を用いて合計5000〜20000回程度分割巻されている。ケース5は1次ボビン1と同じような熱可塑性合成樹脂で成形されており、コネクタ部24が一体成形されている。本実施例のような円筒形点火装置の場合、長さが長くなるため成形上1°以下のテーパが必要となるため、ケース5の内径部のみテーパが設けられている。センタコア7は1次ボビンの内側に配置され、珪素鋼板をプレス積層している。サイドコア8は2次コイルの外側且つケース5の外側に配置され、薄い珪素鋼板を管状に丸めている。ただし、磁束の1ターンショートを防ぐため、サイドコア8円周上の少なくとも一箇所は切れ目を設けている。本実施例では、サイドコア8は板厚0.3〜0.7mmの珪素鋼板一枚で構成されているが、二枚以上重ねうず電流損を減らして、出力を向上することも可能である。センタコア7とサイドコア8を磁気的に結合して閉磁路を形成するために、2次コイル4の低圧側に低圧側コア18を、2次コイル4の高圧側に高圧側コア9を配置する。本実施例では、センタコア7と低圧側コア18は一体にT型にプレスされ、袋状に成形された1次ボビン1(もしくは、マグネットを1次ボビンに収容した後に接着剤等で封止)にセンタコア7底部にマグネット10を設置した状態のコアを挿入し、収容されている。そして、高圧側コア9の上部にはゴムなどの弾性部材で収容し、接着もしくは1次ボビンに設けたつめやアンダーカット等により配置させる。これにより、図1,図6,図16,図17に示すように絶縁用エポキシ樹脂6などの絶縁用樹脂と、センタコア7,低圧側コア18とを隔離することができる。また、その後、図14,図15に示すように2次ボビンに挿入し2次ボビンと1次ボビンを接着剤12aにて接着する。高圧側コア9は2次ボビン3に設けられたポケット部に収容され、可とう性樹脂を充填したり、ゴムのふたをしたりする。この時、充填した上からPBTやノリル等のふたを接着する時もある。よって、絶縁用エポキシ樹脂6と隔離されている。
高圧側コア9を収容するポケット部は2次ボビン3だけでなく1次ボビン1やケース5に設けることも可能である。さらに、ポケット部のみ別部品としてケース5に圧入あるいは接着して固定することもできる。さらに、2次ボビンや1次ボビンと一体成形すれば上記のような接着作業が不要になり、作業性が向上する。又、高圧側コア9は、応力緩和材として、ゴム55等を配置(図11に示す)すると、耐ヒートショック性をアップすることができる。更に、図12に示すように筒状の1次コイルでは、コアを挿入し2次ボビンに挿入後、1次,2次ボビンを接着させ、高圧側コア9を挿入し可とう性樹脂を充填する方法もある。閉磁路コアの一部にはコアギャップ11があり、そのコアギャップ11部には1次コイル2により形成された磁束と反対方向の磁束を磁路中に発生させるマグネット10を備えている。マグネット10は磁路中に反対方向の磁束を発生させることにより、珪素鋼板コアの磁化曲線の飽和点以下で動作させることができる。例えば、保持力5kOe以上のマグネットを使用すれば、熱による減磁が少ないため、樹脂ケースとの一体成形も可能となる。これらのコイル部構成部品はケース5の中に圧入され、Tg点が115℃〜135℃で、かつ熱膨張係数が、Tg点以下の温度範囲に於ける平均値として10〜50×10E−6/℃の銅ヒートシンクに近い値、例えば、25×10E−6/℃程度の絶縁用エポキシ樹脂6の絶縁層で高電圧を絶縁する。2次コイル4で発生した高電圧は、点火装置の長さを少しでも低減するよう長手方向に対して垂直方向に配置された過早着火防止用高圧ダイオード17,高圧端子13,スプリング14を介して点火プラグに供給される。点火プラグが挿入される部分は、シリコンゴム等のゴムブーツ15で絶縁する。シリンダヘッドカバーと接する部分にはシール用のシールゴム16が設けられている。コイル上部に設置されるイグナイタユニット20は、箱型にプレス成形された銅またはアルミ製の金属製ベース26に、パワートランジスタチップ21とハイブリッドIC回路28が内蔵されており、金属製ベース26内にはシリコンゲルが充填されている。そして、イグナイタユニット20は、ケース5に設けてあるイグナイタユニット20,位置決め用突起53,52で位置決めされる。金属製ベース26には、イグナイタ側端子22がポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性合成樹脂で一体成形されている端子台27がシリコン接着剤で接着されている。イグナイタ側端子22は1次コイル端子23,コネクタ側端子25と溶接で電気的に接続される。
【0011】
上記で説明したように、袋状構造とすることで、空気が泡となって、1次,2次ボビンの下部から発生することを防止できる。
【0012】
次に、図2の主要部品展開図を用い、本発明の構造について詳しく説明する。センタコア7は、図3に示すように珪素鋼板のプレス幅を変えてプレス積層したブロックを組合せ多角形形状とするか、図4のように珪素鋼板のプレス工程において幅を順次増減させて積層し円筒形状に近づけ断面積を増やすよう工夫してある。図3,図4は、センタコア7と低圧側コア18が別体の場合である。これとは別に図5に示すよう、センタコア7と低圧側コア18を一体にプレス積層して、本実施例のようにT型コアを形成することもできる。以上のようにT型に形成されたセンタコア7,低圧側コア18に、コアギャップ11に配置されるマグネット10を取付け、1次ボビン1の内側に収容する。1次ボビン1にはT型コアが固定されて収容されるようにT型のポケット部1aが形成されている。低圧側コア18を収容したときのサイドコア8とのギャップはケース5の肉厚と1次ボビン1の肉厚があるため1.5〜2.5mm程度になる。低圧側コア18の上部には熱応力吸収用の可とう性エポキシ樹脂12を注型するため、T型ポケット部1aの高さは、コアのT部高さよりも高くなるように構成されている。また、1次ボビン1は、図14,図15等で示されるように2次ボビン3と接着剤12a、例えばシリコン系,エポキシ系の接着剤により接着する。2次ボビン3は高圧側に高圧側コア9を収容するポケットが設けられ、図1,図11,図12,図14に示すように固定される。
【0013】
以上のように、図2に示す主要構成部品,センタコア7,低圧側コア18,1次ボビン1,2次ボビン3をケース5に組付け後、1次ボビン1のT型ポケット部1aにゴム55を配置し、低圧側コア18をカバーする。そして、図7に示すようにイグナイタユニット20をケース5に設けられている位置決め用突起52,53で横方向の位置を固定し、縦方向はケース5に乗せることで位置決めする。コネクタ側端子25aは1次コイル端子
23bと接続され、その他のコネクタ側端子25b,25cは、それぞれイグナイタ側端子22c,22bに接続される。さらに、イグナイタ側端子22aと1次コイル端子23aが接続される。1次コイル端子23a,23bは、1次ボビン1から接続する関係上、イグナイタユニット20の両サイドに配置される。次に、図8を用いて1次コイルとの接続方法を詳しく説明する。1次ボビン1には、1次コイル端子23aを固定するポケット
1bが設けられており、そのポケット1bに1次コイル端子23aが圧入固定されている。1次コイル端子23aの1次コイル巻きつけ部23a1は1次ボビン1から垂直方向にL型に曲げられており、1次コイル2の端末が巻きつけやすいように構成されている。また、イグナイタ側端子22aと溶接される側には、溶接時の応力を緩和・吸収し、1次コイル巻きつけ部23a1に応力が伝わるのを防止する目的で一部分に湾曲部23a2を設けている。イグナイタ側端子22a,22b,22c、およびコネクタ側端子25a,
25b,25cはL型に加工され、また、溶接箇所が横一列になるよう配置されているため溶接作業が容易となる。さらに、溶接作業の場合は、スパッタがコイル巻線部に飛散しないよう構成する必要があり、本実施例では、図7に示すように、イグナイタユニット
20でコイル巻線部をカバーするよう配置する。ただし、絶縁用エポキシ樹脂6の注型性や1次コイル2からの配線等に悪影響を及ぼさない範囲に配置する必要がある。さらに、スパッタの飛散する範囲をコイル巻線部から遠ざける意味から、各端子の溶接位置は、ケース5のコイル収容部5cから1mm以上とする。また、溶接する端子の先端は位置は、ケース5の端面から2〜6mm内側の位置にくるように構成し、絶縁用エポキシ樹脂6で必ず覆われるようにし、防水信頼性を確保している。
【0014】
以上のようにイグナイタユニット20を固定し、絶縁用エポキシ樹脂6を注型硬化させた後、2次ボビン3の高圧側コア9,収納ポケット3aに高圧側コア9を収納し、接着剤で固定したのちにサイドコア8をサイドコア8のバネアクションを利用してケース5に装着する。通常、エンジンのプラグホール径はφ23〜26であるため、円筒形点火装置の最大外径は、φ23以下とする。
【0015】
図9,図10はイグナイタユニット20を1チップタイプイグナイタ42にした場合である。1チップタイプイグナイタ42は放熱用の金属板である放熱板41(例えば、銅,鉄,アルミ等が考えられるが、いずれも、樹脂に埋没するため耐食性を考慮しなくても良いため、表面処理をしなくても良い)にねじ止めするか、もしくは熱伝導性に優れた接着剤か電気良導性の接着剤で固定しイグナイタ42のベース部と放熱板41とが同電位となるようにする。こうすることで電位が安定し、電波障害等の不具合を防止する。その放熱板41がケース5に設けられた位置決め用突起52,54で固定される。端子の接続方法,構成等は、図1,図7,図8に示す実施例と同様であるため説明は省略する。
【0016】
更に、図6,図14,図15等に書いてある1次ボビン下部の、マグネット10と高圧側コア9との仕切り壁を1次ボビンの1成形部にするか、もしくはシリコン系かエポキシ系接着剤等で仕切り袋状とするのは、上述の通りであるが、この仕切り寸法を0.3〜1.0mmにすることで、2次側に発生する2次電圧値がアップする。また、図13に示すように、高圧側コア9を入れないことで、作業性が飛躍的にアップするが、2次電圧値が低下するので、エンジン側の要求する2次電圧がそれ程高くないときには、コストを低く抑えられるので、この方式を採用する。
【0017】
また、図1,図16,図17等に書いてある様に、コア上部に周囲部よりも中央部が薄肉となっているゴム材を装着すれば絶縁性樹脂をコイルに注型するとき、コア7,18から発生する空気をこのゴム部から逃がすことになり、又、ダイアフラム効果により、1次ボビン内部との圧力差を吸収する。絶縁用樹脂を注型するときは、上述の如く、真空状態の作業となり、ゴム55が浮いた状態となったり、ダイアフラム効果を発揮し樹脂との境界を作りつつ空気泡を安定的に逃がしたり、空気の膨張を緩和する。よって、安定した作業が可能となる。と言うのは、空気が残存してはいけないエリアである2次コイル周辺を避け、空気を逃がすことが可能だからである。更に、上述した如く、絶縁性樹脂の注型後、大気圧に開放後、コア18と樹脂間に弾性部材(例えばニトリルゴム,スチレンブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴム,フッ素ゴム,シリコンゴム,EPDM,天然ゴム,発砲ゴム等がある。)が存在するため、熱応力の緩和が自動的に達成できる。更に、弾性部材にてコアを押さえる(固定する)ことが達成される。もし押さえを強力に必要ならば、センタコア7下部を可とう性接着剤で固定する。
【0018】
図9,図10に示した上述の1チップイグナイタは、特願平7−143439 号で記述した構造である。
【0019】
又、図1等に示してある、シールゴム16は、電気良導性(導電性)の材質となっており、エンジンに接触させる。この時、サイドコア8の上部(シールゴムと接触する部分)のみを、塗装せず、電気が通る様にしておく。こうすることで、サイドコア8に帯電した電荷をアースでき、コイルを破壊から守る。さらに、シールゴム16に換気用の穴を設ける。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、高圧部に、空気等の泡が残存しないため、更に、コアと絶縁用樹脂と隔離できるため、絶縁リークや、ヒートショックによるコイルの機能を損なわないため、常に安定した内燃機関用点火装置を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示す断面図。
【図2】 本発明の一実施例の主要構成部品の展開図。
【図3】 本発明の一実施例のコア形状図。
【図4】 本発明の一実施例のコア形状図。
【図5】 本発明の一実施例のコア形状図。
【図6】 本発明の一実施例の1次ボビンぶくみの断面図。
【図7】 本発明の一実施例のイグナイタユニットの配置図。
【図8】 本発明の一実施例の接続構造を示す断面図。
【図9】 本発明の一実施例のイグナイタユニットの配置図。
【図10】 本発明の一実施例のイグナイタユニットの配置図。
【図11】 図1に対し高圧側コア部に応力緩和材を入れた一実施例。
【図12】 図1に対し1次ボビンを袋状にせず、高圧側コアを配置したときの一実施例。
【図13】 図1に対し高圧側コアを廃止したときの一実施例。
【図14】 図1の拡大例。
【図15】 高圧側コアを2次ボビンに一体成形したときの一実施例。
【図16】 1次ボビンに弾性部材を装着した一実施例。
【図17】 1次ボビンに弾性部材を装着した一実施例。
【図18】 本発明の一実施例のコア形状図。
【符号の説明】
1…1次ボビン、1a…低圧側コア収納ポケット、1b…1次コイル端子圧入ポケット、2…1次コイル、3…2次ボビン、3a…高圧側コア収納ポケット、4…2次コイル、5…ケース、5c…コイル収容部、6…絶縁用エポキシ樹脂、7…センタコア、8…サイドコア、9…高圧側コア、10…マグネット、11…コアギャップ、13…高圧端子、14…スプリング、15…ゴムブーツ、16…導電性シールゴム、17…高圧ダイオード、18…低圧側コア、20…イグナイタユニット、21…パワートランジスタチップ、22,22a,22b,22c…イグナイタ側端子、23,23a,23b…1次コイル端子、23a1…1次コイル巻きつけ部、23a2…1次コイル端子湾曲部、24…コネクタ、25,25a,25b,25c…コネクタ側端子、26…金属製ベース、27…端子台、28…ハイブリッドIC回路、41…放熱板、42…1チップイグナイタ、43…穴、52,53,54…位置決め用突起、55…ゴム。
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関用点火装置に係り、特にプラグホール内に収納される円筒形点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関用点火装置は、実開平2−92913号のCDROMに収納された実願平1−1537号明細書に記載のように、円筒形のケース内部に開磁路コアを収容し、該コアの上部に可とう性の接着剤を注入,硬化していた。このことで、コアと絶縁用樹脂とが接触せず、熱応力による樹脂のクラック等が生じないようにしてあったが、この構造では1次ボビン内に介在している空気が漏れだしてくる可能性があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、センタコアもしくは、低圧側コアの上部に可とう性樹脂を充填し、コアと絶縁用樹脂との間の熱応力によるクラックの防止を図り且つ、1次ボビンと2次ボビン間を圧入形状とし、直接、コアが絶縁用樹脂に接触する形を避けていたが、この形状では、コイルに絶縁用樹脂を真空で充填する作業時に該圧入部より、コアの積層部や、ボビン内部に介在している空気が圧入部を通過して、泡となり、コイル内部、特に、2次ボビンに巻回している2次巻線周辺に浸入する。そもそも樹脂の真空注型は、2次巻線等の高圧部に完全に樹脂を含浸させ、絶縁性を持たせるのが狙いである。そのため、真空度はシビアに管理せねばならない。今までのコイルならば構造が比較的簡単で、絶縁用樹脂も、それ程時間をかけずにコイル内部に完全に浸透させることができた。しかしながら、円筒コイルにては、図を見ても明らかな様に、絶縁用樹脂が回り込む隙間が殆ど薄く、且つ細長い。よって、樹脂の注型には、最新のコイル構造が要求される。今までのコイルでは、コアを絶縁用樹脂中に埋没しない構造が一般的で、コアに介在する空気の干渉は考慮していなく、仮にコアを埋没する構造でも、コアと絶縁用樹脂との間で、ヒートショック時にクラックが入り、コイルが破損する等の問題がある。よってコアと絶縁用樹脂とを隔離する場合に圧入による構造では、真空注型時の圧力差、約1気圧を保てず、上述のように、圧入部から空気がリークしてしまう。本円筒コイルの構造上、圧入部は、高圧部(コイル下部)となり、泡の浸入経路が、コイルの下側から気泡となってじわじわ浸入し、丁度2次巻線周辺を通る。そのため、絶縁用樹脂中に気泡が残り、絶縁性が極めて悪化するという問題があった。2次巻線部は、数十キロボルトの高圧発生部である。
【0004】
本発明は、コアと絶縁用樹脂間を完全に隔離させ、それでいて、高圧部の樹脂中に気泡を残さない構造とすることで、絶縁耐久性に優れた信頼性の高い円筒形点火装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、プラグホール内に収容される円筒形点火装置であって、円筒状の1次ボビンと1次コイルと、前記1次ボビンの中心に配置される磁路としてのセンタコアを備え、前記1次コイルの外側に2次ボビンと2次コイルが配置されており、前記円筒状の1次,2次ボビンと1次,2次コイル及び前記センタコアを収納する円筒状のケースを備え、当該ケースはその上部にイグナイタユニットを収納する部分を備え、前記イグナイタユニットは前記1次,2次コイルの上部に配置されており、前記ケース内に絶縁用樹脂が注型硬化されている円筒形の内燃機関用点火装置において、前記1次ボビンは前記イグナイタユニット側の端部にT型ポケット部を備え、前記センタコアのイグナイタユニット側の端部にはこのポケット部に配置される低圧コアを備え、前記T型ポケット部に、前記T型ポケット部内の空気の膨張を緩和するダイアフラム効果を発揮するように周囲部よりも中央部が薄肉となっているゴムを配置して前記低圧コアをカバーすることで、絶縁性樹脂を1次,2次コイル側へ注型するときの樹脂との境界を作って絶縁用樹脂と、前記コアが直接、接することがない様にして、前記ケース内に絶縁用樹脂が注型硬化されている内燃機関用点火装置とする。
【0006】
【作用】
コアに介在している空気,1次ボビン内部に残る残存空気,マグネットに介在しているガス等をゴム部から逃がし、もしくはゴム自体にてダイアフラム効果にて圧力差を吸収し、絶縁用樹脂の注型後には、コアと絶縁性樹脂との間で、熱応力の緩和材として作用する。よって、コイルの下部(高圧側)から気泡が漏れだし、高圧部に干渉することがないので、高電圧リーク等でコイルが破壊することを防止できる。
【0007】
以上により、絶縁性に優れた信頼性の高い円筒形点火装置を提供することができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【0009】
図1は本発明の実施例の構成を示す点火装置の断面図である。
【0010】
1次ボビン1は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性合成樹脂で成形され、1次コイル2が巻層されている。また、変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO)等の熱可塑性合成樹脂で成形された2次ボビン3には2次コイル4が巻層されている。1次コイル2は線径0.3〜1.0mm程度のエナメル線を一層あたり数十回ずつ、数層にわたり合計100〜300回程度積層巻されている。2次コイル4は線径0.03〜0.1mm 程度のエナメル線を用いて合計5000〜20000回程度分割巻されている。ケース5は1次ボビン1と同じような熱可塑性合成樹脂で成形されており、コネクタ部24が一体成形されている。本実施例のような円筒形点火装置の場合、長さが長くなるため成形上1°以下のテーパが必要となるため、ケース5の内径部のみテーパが設けられている。センタコア7は1次ボビンの内側に配置され、珪素鋼板をプレス積層している。サイドコア8は2次コイルの外側且つケース5の外側に配置され、薄い珪素鋼板を管状に丸めている。ただし、磁束の1ターンショートを防ぐため、サイドコア8円周上の少なくとも一箇所は切れ目を設けている。本実施例では、サイドコア8は板厚0.3〜0.7mmの珪素鋼板一枚で構成されているが、二枚以上重ねうず電流損を減らして、出力を向上することも可能である。センタコア7とサイドコア8を磁気的に結合して閉磁路を形成するために、2次コイル4の低圧側に低圧側コア18を、2次コイル4の高圧側に高圧側コア9を配置する。本実施例では、センタコア7と低圧側コア18は一体にT型にプレスされ、袋状に成形された1次ボビン1(もしくは、マグネットを1次ボビンに収容した後に接着剤等で封止)にセンタコア7底部にマグネット10を設置した状態のコアを挿入し、収容されている。そして、高圧側コア9の上部にはゴムなどの弾性部材で収容し、接着もしくは1次ボビンに設けたつめやアンダーカット等により配置させる。これにより、図1,図6,図16,図17に示すように絶縁用エポキシ樹脂6などの絶縁用樹脂と、センタコア7,低圧側コア18とを隔離することができる。また、その後、図14,図15に示すように2次ボビンに挿入し2次ボビンと1次ボビンを接着剤12aにて接着する。高圧側コア9は2次ボビン3に設けられたポケット部に収容され、可とう性樹脂を充填したり、ゴムのふたをしたりする。この時、充填した上からPBTやノリル等のふたを接着する時もある。よって、絶縁用エポキシ樹脂6と隔離されている。
高圧側コア9を収容するポケット部は2次ボビン3だけでなく1次ボビン1やケース5に設けることも可能である。さらに、ポケット部のみ別部品としてケース5に圧入あるいは接着して固定することもできる。さらに、2次ボビンや1次ボビンと一体成形すれば上記のような接着作業が不要になり、作業性が向上する。又、高圧側コア9は、応力緩和材として、ゴム55等を配置(図11に示す)すると、耐ヒートショック性をアップすることができる。更に、図12に示すように筒状の1次コイルでは、コアを挿入し2次ボビンに挿入後、1次,2次ボビンを接着させ、高圧側コア9を挿入し可とう性樹脂を充填する方法もある。閉磁路コアの一部にはコアギャップ11があり、そのコアギャップ11部には1次コイル2により形成された磁束と反対方向の磁束を磁路中に発生させるマグネット10を備えている。マグネット10は磁路中に反対方向の磁束を発生させることにより、珪素鋼板コアの磁化曲線の飽和点以下で動作させることができる。例えば、保持力5kOe以上のマグネットを使用すれば、熱による減磁が少ないため、樹脂ケースとの一体成形も可能となる。これらのコイル部構成部品はケース5の中に圧入され、Tg点が115℃〜135℃で、かつ熱膨張係数が、Tg点以下の温度範囲に於ける平均値として10〜50×10E−6/℃の銅ヒートシンクに近い値、例えば、25×10E−6/℃程度の絶縁用エポキシ樹脂6の絶縁層で高電圧を絶縁する。2次コイル4で発生した高電圧は、点火装置の長さを少しでも低減するよう長手方向に対して垂直方向に配置された過早着火防止用高圧ダイオード17,高圧端子13,スプリング14を介して点火プラグに供給される。点火プラグが挿入される部分は、シリコンゴム等のゴムブーツ15で絶縁する。シリンダヘッドカバーと接する部分にはシール用のシールゴム16が設けられている。コイル上部に設置されるイグナイタユニット20は、箱型にプレス成形された銅またはアルミ製の金属製ベース26に、パワートランジスタチップ21とハイブリッドIC回路28が内蔵されており、金属製ベース26内にはシリコンゲルが充填されている。そして、イグナイタユニット20は、ケース5に設けてあるイグナイタユニット20,位置決め用突起53,52で位置決めされる。金属製ベース26には、イグナイタ側端子22がポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性合成樹脂で一体成形されている端子台27がシリコン接着剤で接着されている。イグナイタ側端子22は1次コイル端子23,コネクタ側端子25と溶接で電気的に接続される。
【0011】
上記で説明したように、袋状構造とすることで、空気が泡となって、1次,2次ボビンの下部から発生することを防止できる。
【0012】
次に、図2の主要部品展開図を用い、本発明の構造について詳しく説明する。センタコア7は、図3に示すように珪素鋼板のプレス幅を変えてプレス積層したブロックを組合せ多角形形状とするか、図4のように珪素鋼板のプレス工程において幅を順次増減させて積層し円筒形状に近づけ断面積を増やすよう工夫してある。図3,図4は、センタコア7と低圧側コア18が別体の場合である。これとは別に図5に示すよう、センタコア7と低圧側コア18を一体にプレス積層して、本実施例のようにT型コアを形成することもできる。以上のようにT型に形成されたセンタコア7,低圧側コア18に、コアギャップ11に配置されるマグネット10を取付け、1次ボビン1の内側に収容する。1次ボビン1にはT型コアが固定されて収容されるようにT型のポケット部1aが形成されている。低圧側コア18を収容したときのサイドコア8とのギャップはケース5の肉厚と1次ボビン1の肉厚があるため1.5〜2.5mm程度になる。低圧側コア18の上部には熱応力吸収用の可とう性エポキシ樹脂12を注型するため、T型ポケット部1aの高さは、コアのT部高さよりも高くなるように構成されている。また、1次ボビン1は、図14,図15等で示されるように2次ボビン3と接着剤12a、例えばシリコン系,エポキシ系の接着剤により接着する。2次ボビン3は高圧側に高圧側コア9を収容するポケットが設けられ、図1,図11,図12,図14に示すように固定される。
【0013】
以上のように、図2に示す主要構成部品,センタコア7,低圧側コア18,1次ボビン1,2次ボビン3をケース5に組付け後、1次ボビン1のT型ポケット部1aにゴム55を配置し、低圧側コア18をカバーする。そして、図7に示すようにイグナイタユニット20をケース5に設けられている位置決め用突起52,53で横方向の位置を固定し、縦方向はケース5に乗せることで位置決めする。コネクタ側端子25aは1次コイル端子
23bと接続され、その他のコネクタ側端子25b,25cは、それぞれイグナイタ側端子22c,22bに接続される。さらに、イグナイタ側端子22aと1次コイル端子23aが接続される。1次コイル端子23a,23bは、1次ボビン1から接続する関係上、イグナイタユニット20の両サイドに配置される。次に、図8を用いて1次コイルとの接続方法を詳しく説明する。1次ボビン1には、1次コイル端子23aを固定するポケット
1bが設けられており、そのポケット1bに1次コイル端子23aが圧入固定されている。1次コイル端子23aの1次コイル巻きつけ部23a1は1次ボビン1から垂直方向にL型に曲げられており、1次コイル2の端末が巻きつけやすいように構成されている。また、イグナイタ側端子22aと溶接される側には、溶接時の応力を緩和・吸収し、1次コイル巻きつけ部23a1に応力が伝わるのを防止する目的で一部分に湾曲部23a2を設けている。イグナイタ側端子22a,22b,22c、およびコネクタ側端子25a,
25b,25cはL型に加工され、また、溶接箇所が横一列になるよう配置されているため溶接作業が容易となる。さらに、溶接作業の場合は、スパッタがコイル巻線部に飛散しないよう構成する必要があり、本実施例では、図7に示すように、イグナイタユニット
20でコイル巻線部をカバーするよう配置する。ただし、絶縁用エポキシ樹脂6の注型性や1次コイル2からの配線等に悪影響を及ぼさない範囲に配置する必要がある。さらに、スパッタの飛散する範囲をコイル巻線部から遠ざける意味から、各端子の溶接位置は、ケース5のコイル収容部5cから1mm以上とする。また、溶接する端子の先端は位置は、ケース5の端面から2〜6mm内側の位置にくるように構成し、絶縁用エポキシ樹脂6で必ず覆われるようにし、防水信頼性を確保している。
【0014】
以上のようにイグナイタユニット20を固定し、絶縁用エポキシ樹脂6を注型硬化させた後、2次ボビン3の高圧側コア9,収納ポケット3aに高圧側コア9を収納し、接着剤で固定したのちにサイドコア8をサイドコア8のバネアクションを利用してケース5に装着する。通常、エンジンのプラグホール径はφ23〜26であるため、円筒形点火装置の最大外径は、φ23以下とする。
【0015】
図9,図10はイグナイタユニット20を1チップタイプイグナイタ42にした場合である。1チップタイプイグナイタ42は放熱用の金属板である放熱板41(例えば、銅,鉄,アルミ等が考えられるが、いずれも、樹脂に埋没するため耐食性を考慮しなくても良いため、表面処理をしなくても良い)にねじ止めするか、もしくは熱伝導性に優れた接着剤か電気良導性の接着剤で固定しイグナイタ42のベース部と放熱板41とが同電位となるようにする。こうすることで電位が安定し、電波障害等の不具合を防止する。その放熱板41がケース5に設けられた位置決め用突起52,54で固定される。端子の接続方法,構成等は、図1,図7,図8に示す実施例と同様であるため説明は省略する。
【0016】
更に、図6,図14,図15等に書いてある1次ボビン下部の、マグネット10と高圧側コア9との仕切り壁を1次ボビンの1成形部にするか、もしくはシリコン系かエポキシ系接着剤等で仕切り袋状とするのは、上述の通りであるが、この仕切り寸法を0.3〜1.0mmにすることで、2次側に発生する2次電圧値がアップする。また、図13に示すように、高圧側コア9を入れないことで、作業性が飛躍的にアップするが、2次電圧値が低下するので、エンジン側の要求する2次電圧がそれ程高くないときには、コストを低く抑えられるので、この方式を採用する。
【0017】
また、図1,図16,図17等に書いてある様に、コア上部に周囲部よりも中央部が薄肉となっているゴム材を装着すれば絶縁性樹脂をコイルに注型するとき、コア7,18から発生する空気をこのゴム部から逃がすことになり、又、ダイアフラム効果により、1次ボビン内部との圧力差を吸収する。絶縁用樹脂を注型するときは、上述の如く、真空状態の作業となり、ゴム55が浮いた状態となったり、ダイアフラム効果を発揮し樹脂との境界を作りつつ空気泡を安定的に逃がしたり、空気の膨張を緩和する。よって、安定した作業が可能となる。と言うのは、空気が残存してはいけないエリアである2次コイル周辺を避け、空気を逃がすことが可能だからである。更に、上述した如く、絶縁性樹脂の注型後、大気圧に開放後、コア18と樹脂間に弾性部材(例えばニトリルゴム,スチレンブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴム,フッ素ゴム,シリコンゴム,EPDM,天然ゴム,発砲ゴム等がある。)が存在するため、熱応力の緩和が自動的に達成できる。更に、弾性部材にてコアを押さえる(固定する)ことが達成される。もし押さえを強力に必要ならば、センタコア7下部を可とう性接着剤で固定する。
【0018】
図9,図10に示した上述の1チップイグナイタは、特願平7−143439 号で記述した構造である。
【0019】
又、図1等に示してある、シールゴム16は、電気良導性(導電性)の材質となっており、エンジンに接触させる。この時、サイドコア8の上部(シールゴムと接触する部分)のみを、塗装せず、電気が通る様にしておく。こうすることで、サイドコア8に帯電した電荷をアースでき、コイルを破壊から守る。さらに、シールゴム16に換気用の穴を設ける。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、高圧部に、空気等の泡が残存しないため、更に、コアと絶縁用樹脂と隔離できるため、絶縁リークや、ヒートショックによるコイルの機能を損なわないため、常に安定した内燃機関用点火装置を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示す断面図。
【図2】 本発明の一実施例の主要構成部品の展開図。
【図3】 本発明の一実施例のコア形状図。
【図4】 本発明の一実施例のコア形状図。
【図5】 本発明の一実施例のコア形状図。
【図6】 本発明の一実施例の1次ボビンぶくみの断面図。
【図7】 本発明の一実施例のイグナイタユニットの配置図。
【図8】 本発明の一実施例の接続構造を示す断面図。
【図9】 本発明の一実施例のイグナイタユニットの配置図。
【図10】 本発明の一実施例のイグナイタユニットの配置図。
【図11】 図1に対し高圧側コア部に応力緩和材を入れた一実施例。
【図12】 図1に対し1次ボビンを袋状にせず、高圧側コアを配置したときの一実施例。
【図13】 図1に対し高圧側コアを廃止したときの一実施例。
【図14】 図1の拡大例。
【図15】 高圧側コアを2次ボビンに一体成形したときの一実施例。
【図16】 1次ボビンに弾性部材を装着した一実施例。
【図17】 1次ボビンに弾性部材を装着した一実施例。
【図18】 本発明の一実施例のコア形状図。
【符号の説明】
1…1次ボビン、1a…低圧側コア収納ポケット、1b…1次コイル端子圧入ポケット、2…1次コイル、3…2次ボビン、3a…高圧側コア収納ポケット、4…2次コイル、5…ケース、5c…コイル収容部、6…絶縁用エポキシ樹脂、7…センタコア、8…サイドコア、9…高圧側コア、10…マグネット、11…コアギャップ、13…高圧端子、14…スプリング、15…ゴムブーツ、16…導電性シールゴム、17…高圧ダイオード、18…低圧側コア、20…イグナイタユニット、21…パワートランジスタチップ、22,22a,22b,22c…イグナイタ側端子、23,23a,23b…1次コイル端子、23a1…1次コイル巻きつけ部、23a2…1次コイル端子湾曲部、24…コネクタ、25,25a,25b,25c…コネクタ側端子、26…金属製ベース、27…端子台、28…ハイブリッドIC回路、41…放熱板、42…1チップイグナイタ、43…穴、52,53,54…位置決め用突起、55…ゴム。
Claims (3)
- プラグホール内に収容される円筒形点火装置であって、
円筒状の1次ボビンと1次コイルと、前記1次ボビンの中心に配置される磁路としてのセンタコアを備え、
前記1次コイルの外側に2次ボビンと2次コイルが配置されており、
前記円筒状の1次,2次ボビンと1次,2次コイル及び前記センタコアを収納する円筒状のケースを備え、
当該ケースはその上部にイグナイタユニットを収納する部分を備え、
前記イグナイタユニットは前記1次,2次コイルの上部に配置されており、
前記ケース内に絶縁用樹脂が注型硬化されている円筒形の内燃機関用点火装置において、
前記1次ボビンは前記イグナイタユニット側の端部にT型ポケット部を備え、前記センタコアのイグナイタユニット側の端部にはこのポケット部に配置される低圧コアを備え、前記T型ポケット部に、前記T型ポケット部内の空気の膨張を緩和するダイアフラム効果を発揮するように周囲部よりも中央部が薄肉となっているゴムを配置して前記低圧コアをカバーすることで、絶縁性樹脂を1次,2次コイル側へ注型するときの樹脂との境界を作って絶縁用樹脂と、前記コアが直接、接することがない様にして、前記ケース内に絶縁用樹脂が注型硬化されていることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項1に記載のものにおいて、
前記弾性部材はニトリルゴム,スチレンブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴム,フッ素ゴム,シリコンゴム,天然ゴム,発砲ゴムのいずれかである内燃機関用点火装置。 - 請求項1に記載のものにおいて、
前記絶縁用樹脂がエポキシ樹脂である内燃機関用点火装置。
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