JP3827580B2 - 携帯通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の筐体にそれぞれ表示部を有する携帯通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機、コードレスホン、ハンドヘルドPC、通信機能付き携帯ゲーム機、ポケットベル等の携帯通信装置が日常生活の中で使用されるようになってきた。これらの携帯通信装置では、その筐体に設けられた操作キーと表示部により、各種操作を行い、電話番号、メール、動/静止画などの情報を見ることができる。
【0003】
最近では携帯通信装置の使い方が多様化しており、例えば画像添付メールの作成や閲覧、インターネットウェブ閲覧、ゲーム画面の表示、デジタルカメラ/ビデオによる取り込み画像(静止画/動画)の表示と編集、ワープロや表計算などのビジネスソフトの操作などが要求されるようになってきた。
【0004】
上記の操作は、複数の表示画面を用いて行うことが望ましい。例えば、画像添付メールにおける画像と文章、インターネットウェブにおける前ページ(メニューページ)と次ページ、ゲームにおける複数の視点や場面からの表示などが挙げられる。また、取り込み画像の編集およびビジネスソフトの操作においては、画像全体と編集したいところの拡大画面などが挙げられる。
【0005】
ところが、携帯通信装置は携帯に便利な程度に小型化されているので、その筐体に操作キーや表示部を設けると、その分、表示部はどうしても小さくなってしまう。さらに複数の表示部を設けることはなおさら困難であった。従って、1つの表示部を適宜、切り替えて複数画面を表示することになるが、一度に一画面しか見ることができないので、操作が煩わしいものとなっていた。
【0006】
このため、従来、携帯通信装置において、各情報をわかりやすく表示させるための提案がなされてきた。例えば以下のようなものが挙げられる。
【0007】
特開平10-293638号には、複数の情報要素を含む構造化情報を構造化して表示させ、選択した情報要素を横スクロールさせることにより、情報要素をできるだけ多く一度に見られるとともに任意の情報要素の全文を必要に応じて見られるようにした表示方法が開示されている。
【0008】
特開平11-196159号には、携帯型通信装置の機能一覧、機能説明あるいは設定方法などを、外部表示装置に表示させることによって、情報量が多い状態で一度に表示することが記載されている。
【0009】
特開平9-247250号には、装置本体のディスプレイ側の面に蓋体を開閉動自在に設け、この蓋体の表面側に上記複数の操作釦を設ける一方、上記装置本体の上記蓋体で隠れる面に他のディスプレイを配置して、装置本体にパーソナルコンピュータ等を接続することなく、該装置本体の他のディスプレイにより情報量の多いデータを表示することができることが記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の携帯通信装置には以下のような問題点がある。
【0011】
すなわち、特開平10-293638号に開示されている表示方法は、小さな画面に表示させる情報の画面上での割り振りを工夫したものに過ぎず、根本的に表示画面を大きくするものではなかった。
【0012】
特開平11-196159号に記載の携帯型通信装置の場合、通信装置の他に表示装置も持ち歩かなければならず、嵩張るため携帯には不向きである。
【0013】
特開平9-247250号に記載の携帯電話機は、蓋体を開いた際に蓋体の表面側に設けられた操作釦が使用できなくなるため、不便であるだけでなく、キー配列が制限される。また、蓋体を開いた状態で、装置全体が大きくなり使い辛い。
【0014】
従って、本発明の目的は上記の問題点を解消して、同時に複数の画面を操作する場合でも表示が見易く、使い勝手の良い携帯通信装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の携帯通信装置は、上記の問題点を解消するための手段として、以下の構成をなすものである。
【0016】
本発明の携帯通信装置は、第1筐体と第2筐体とを有しており、前記第1筐体は第1表示部を有し、前記第2筐体は第2表示部と操作部を有し、前記第1表示部と前記第2表示部を同時に見ることができる第1の使用状態、および前記第1表示部と前記操作部を同時に見ることができる第2の使用状態のそれぞれの使用状態とすることができるように、前記第1筐体と前記第2筐体の位置関係を可変に連結する連結部を有し、前記連結部は、前記第1の使用状態から前記第2の使用状態へ、または前記第2の使用状態から前記第1の使用状態へ変更するときに3方向へ動作することを特徴とする。
すなわち、本発明の携帯通信装置は、少なくとも第1表示部を有する第1筐体と、第2表示部と操作部を備えた第2筐体とを有し、これら筐体の互いの位置関係が可変に接合されている。そして、前記位置関係を変更することにより、第1表示部と第2表示部とを同時に見ることができるものである。上記のような構成とすることにより、必要なときに複数の画面を表示させることができるようになる。このため、表示が見易くなり、装置の操作性が向上する。
【0017】
本発明の携帯通信装置は、上記に加えて以下のような構成とすることができる。
・第1表示部と操作部(第2筐体の第2表示部とは異なる面に設けられている。)とを同時に見ることができる位置関係に変更できるように、第1筐体と第2筐体が接合されている。このことにより、複数の画面表示が必要でないときは、第1表示部を見ながら各種操作を行うことができ、複数画面優先か操作優先かを適宜選択して使用することが可能となる。
・第1筐体は第1連結部を有し、第2筐体は第2連結部を有し、前記第1連結部と前記第2連結部は互いに回動可能に連結されている。このような構成により、小さな動作で簡単に第1筐体と第2筐体の位置関係を変更することができるようになる。
・第1筐体と第2筐体とが折り畳み可能に接合されている。携帯通信装置の未使用時にこのようにすると、省スペース化されるので携帯時に嵩張らない。また、第1または第2表示部が表を向くように折り畳めば、次回使用しようとするときに、事前に情報、例えば情報発信源(電話の発信者、メールの送り主等)などを、専用の表示部を別途設けることなく確認することができるという利点を有する。
・前記連結部は、前記第1筐体と前記第2筐体とを折り畳むときに2方向へ動作する。
・前記連結部は、前記第2の使用状態のとき第2筐体に設けられた溝部に当接する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の携帯通信装置の詳細について説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態の1つである携帯通信装置の全体構成を示す図である。
【0020】
本携帯通信端末は第1筐体1と第2筐体2を有している。第1筐体1の表面(A面6)には文字または画像情報を表示するための第1表示部3、受話音声を聞くための受話器4が設けられている。
【0021】
第2筐体2の表面(C面8)には、文字または画像情報を表示するための第2表示部10、および使用者の送話音を受ける送話器11が設けられている。また、連結器13を接続するための接続部201が設けられている。さらに、第2筐体2の接続部201に近い方の端面には、溝17が設けられており、後述する第2の使用形態において連結器13が第2筐体2の端面と干渉しないようになっている。
【0022】
図2は図1の携帯通信装置をa方向から見た図である。
【0023】
第1筐体1の裏面(B面7)には、アンテナ5、および呼出し音を出力するためのスピーカ18が設置されており、また、バッテリー12が着脱自在に装着されている。さらに、連結器13を接続するための接続部101が設けられており、連結部13を介して第1筐体1と第2筐体2とが連結されるようになっている。
【0024】
第2筐体2の裏面(D面9)には、操作キー15と、送話器16が設けられている。操作キー15にはテンキー、カーソルキー、ファンクションキー等があり、機能的に配置されている。
【0025】
図3は、図1,2における接続部101,201と連結器13との接合の様子を示す図である。
【0026】
連結器13は、第1連結器1301と第2連結器1302により構成されており、互いに軸1309を中心に回動できるように、それぞれの一端同士が連結部1303で接続されている。第1連結器1301の他方の端部側面および接続部101には、軸1310に沿って穴1304が空いている。穴1304にはピン1305が嵌合され、第1連結器1301と接続部101が軸1310を中心に回動できるように接続されている。第2連結器1302の他方の端部側面と接続部201についても、軸1306に沿って穴1307が貫通している。穴1307にはピン1308が嵌合されており、第2連結器1302と接続部201が軸1306を中心に回転できるように接続されている。
【0027】
なお、接続部101の上面が第1筐体1のB面7に、接続部201の下面が第2筐体のC面8に、それぞれ形成されている。また、接続部101、第1連結器1301、第2連結器1302、接続部201には、内部を貫通する連通孔(図示せず)が設けられており、当該連通孔に第1筐体1と第2筐体2との間の信号をやり取りするための信号線が配線されている。
【0028】
図4は、連結器13の連結部1303の分解図である。
【0029】
第1連結器1301の連結部1303には、嵌合凸部1311が形成されており、その先端には外径が嵌合凸部1311よりもわずかに大きい係止部1312が設けられている。また、嵌合凸部1311側面には、回転規制突起1313およびスリット1317が設けられている。
【0030】
第2連結器1302の連結部1303には、嵌合凹部1314が形成されており、その奥には内径が勘合凹部1314よりもわずかに大きい係止溝1315が形成されている。また、勘合凹部1314内壁面には当該内壁面円周に沿って、該円周の半分の長さだけ回転規制溝1316が設けられている。
【0031】
勘合凸部1311と嵌合凹部1314とが勘合することにより、第1連結器1301と第2連結器1302とが連結されるようになっている。その際、勘合凸部1311にはスリット1317が設けられているので、係止部1312は軸1309の方向に変形することにより上記勘合が可能になっている。
【0032】
勘合凸部1311と嵌合凹部1314が勘合されると、係止部1312は係止溝1315に、回転規制突起1313は回転規制溝1316にそれぞれ嵌め込まれた状態になる。このことにより、第1連結部1301と第2連結部1302は、連結部1303で半回転できるようになる。ここで、回転規制溝1316の端部を少し深くしておけば、スリット1317により勘合凸部1311が変形可能になっていることにより、回転規制突起1313が当該端部に勘合されるので、位置決めできるようになる。
【0033】
なお、連結器13は上記の通り半回転に規制されているため、第1筐体1と第2筐体とを結ぶ信号線が捩れてしまうことがない。
【0034】
本発明の携帯通信装置は、軸1309を中心とした回転と、軸1306,1310を中心とした回転により、第1筐体1のA面6、B面7と、第2筐体2のC面8、D面9とを使用目的によって組み合わせることができる。
【0035】
例えば、第1の使用形態として、図1に示すように、第1筐体1のA面6と第2筐体2のC面8が表向きになるよう組み合わせたものが挙げられる。
【0036】
この第1の使用形態においては、第1表示部3と第2表示部10とを同時に見ることができるので、それぞれの表示部に適宜、様々な情報を表示させることができる。例えば、第1表示部3に画像情報を表示させ、第2表示部10に文字情報を表示させることにより、その画像情報の説明文を読んだり、画像を見ながら文章入力したりすることが可能となり、使い勝手が向上する。さらに、第1表示部3に画像情報を表示させ、第2表示部10に別の画像や視点を変えた画像を表示させることにより、より多くの情報を取り込むこともできる。また、第1表示部3に入力中の文章などの文字情報を表示させ、第2表示部10に漢字変換候補などの編集情報を大きく表示させることも可能である。
【0037】
画面の操作は第2筐体2のD面9(この場合、裏面)にある操作キー15、例えばカーソルキー等を手探りで操作することにより行なうことができる。
【0038】
第2の使用形態としては、図5に示すように、第1筐体1のA面6と第2筐体2のD面9が表向きとなるように組み合わせたものが挙げられる。
【0039】
この第2の使用形態においては、第1表示部3と操作キー15が表向きになっているので、画面を見ながら電話番号の登録、メール作成など、文字入力が伴う細かい操作を行なうことができる。また、文字入力が伴わないものについても、操作性が向上する。
【0040】
第1の使用形態から第2の使用形態へ変更するには、まず、第1筐体1を図1の矢印Eの方向へ持ち上げる。次いで、第2筐体2を連結器13の軸1309を回転軸として回転させる。さらに第1筐体1を図5の矢印Fの方向へ移動させることによって行なわれる。このとき、連結器13の一部は溝17にはめ込まれた状態になる(図6)。第2の使用形態から第1の使用形態へ変更するときも、上記と同様の操作で行なうことができる。
【0041】
本発明の携帯通信装置は未使用時には、第1筐体1と第2筐体2を連結部13で折り畳むことができる。折り畳みの操作は、第1の使用形態においては、まず、第1筐体1を図1の矢印Eの方向へ持ち上げ、次いで矢印Gまたは矢印Hの方向へ倒せば良い。第2の使用形態においても同様の操作で折り畳むことができる。
【0042】
上記のうち、矢印Hの方向へ折り畳んだ場合は、図7に示されるように、第1表示部3または第2表示部10が外側に向いているため、電話およびメールの着信時に着信通知や相手の名前などのメッセージを表示することにより、着信のチェック漏れが無くなる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の携帯通信装置によれば、必要なときに複数の画面を表示させることができるようになり、表示が見易くなり、装置の操作性が向上する。さらに、複数の画面表示が必要でないときは、第1表示部と操作キーを見ながら各種操作を行なうことができる。すなわち、複数画面優先か操作優先かを適宜選択して使用することが可能となる。
【0044】
また、第1筐体と第2筐体の位置関係を小さな動作で簡単に変更することができる。
【0045】
その他、携帯通信装置を折り畳んで携帯することができ、折り畳んだ状態で例えば情報発信源(電話の発信者、メールの送り主等)などを、専用の表示部を別途設けることなく確認することができる。
【0046】
これらのことから、本発明の携帯通信装置は複数の画面を操作する場合でも表示が見易く、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1つである形態携帯通信装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1の携帯通信装置をa方向から見た図である。
【図3】第1筐体および第2筐体のそれぞれの接続部と、連結器との接合の様子を示す図である。
【図4】連結器の分解図である。
【図5】第2の使用形態における、本発明の携帯通信装置の全体構成を示す図である。
【図6】第2の使用形態における、本発明の携帯通信装置を連結器13のある方から見た図である。
【図7】本発明の実施の形態の1つである携帯通信装置を折り畳んだ図である。
Claims (5)
- 第1筐体と第2筐体とを有しており、前記第1筐体は第1表示部を有し、前記第2筐体は第2表示部と操作部を有し、
前記第1表示部と前記第2表示部を同時に見ることができる第1の使用状態、および前記第1表示部と前記操作部を同時に見ることができる第2の使用状態のそれぞれの使用状態とすることができるように、前記第1筐体と前記第2筐体の位置関係を可変に連結する連結部を有し、
前記連結部は、前記第1の使用状態から前記第2の使用状態へ、または前記第2の使用状態から前記第1の使用状態へ変更するときに3方向へ動作することを特徴とする携帯通信装置。 - 前記第1筐体は第1連結部を有し、前記第2筐体は第2連結部を有し、
前記第1連結部と前記第2連結部は互いに回動可能に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯通信装置。 - 前記第1筐体と前記第2筐体とが折り畳み可能に接合されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の携帯通信装置。
- 前記連結部は、前記第1筐体と前記第2筐体とを折り畳むときに2方向へ動作することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の携帯通信装置。
- 前記連結部は、前記第2の使用状態のとき第2筐体に設けられた溝部に当接することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯通信装置。
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