JP3824987B2 - 基板処理装置および基板処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」という)の一方主面に処理液を供給して該一方主面に対して所定の基板処理を施す基板処理装置および該装置を装備する基板処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の基板処理装置として、例えば基板が載置される回転台の表面から少し浮かせた状態で基板を水平保持し、その基板の両主面のうち上方を向いた一方主面(上面)にフォトレジスト液、洗浄液、リンス液、エッチング液などの処理液を供給して上面に対して所定の基板処理を施す基板処理装置が知られている。この基板処理装置では、基板が載置される回転台の上に複数個の基板支持ピンを立設し、これらの基板支持ピンで基板の端縁を位置決め保持している。そして、処理液の供給を受けた基板を回転させることで、その処理液が上面全体に広がり均一な表面処理が実行される。
【0003】
このように従来装置では、基板が回転台の表面から少し浮いた状態で保持されるので、基板が回転台に当接して載置された場合に生じる基板の他方主面(下面)の損傷や汚染を避けることができる。しかしながら、その一方において、基板処理中に飛散した処理液のミストが基板の下面に回り込んで付着し、基板の下面が汚染されるという別異の問題が生じる。そこで、基板と回転台との間に上下移動部材を配設することで上記問題の解決を図る技術が提案されている(例えば、特許文献1 参照)。
【0004】
この特許文献1に記載された基板処理装置では、ミストが発生する基板処理中においては、基板と回転台との間に配設されている上下移動部材が駆動手段によって上方(上昇位置)に駆動される。これによって、基板の下面と上下移動部材の上面の間隔が狭くなるので、発生したミストが基板の下面に回り込むのを防止する。また、ミストが発生しない状態、すなわち基板の搬入/搬出のために回転台が停止しているときには、上下移動部材が下方(下降位置)に駆動され、基板の下面と回転台との間隔が広くなる。その結果、搬送アーム等を使って容易に基板を搬送することができる。
【0005】
【特許文献1 】
特許第2845738号公報(第2−4 頁、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、上下移動部材の外形は完全な円形となっており、しかも上下移動部材は基板よりも若干大きめに形成されている。このため、上下移動部材の周縁部が基板からはみ出てしまい、ミストの飛散している雰囲気(基板の周囲)に露出することとなる。その結果、基板処理中に発生するミストが周縁部で跳ね返り、基板の下面側に飛散してしまうことがあった。
【0007】
また、特許文献1では上下移動部材を基板と同程度の大きさに設定することも記載されているが、この場合にも、次のような問題が生じることがあった。すなわち、この種の基板処理装置が処理対象としている基板には、特殊形状が施されている場合が多い。例えば基板としての半導体ウエハでは、ウエハ面内の結晶学的基準方位を示すために、ノッチやオリエンテーションフラットなどの切欠部が形成されている。つまり、半導体ウエハは、円盤形状を有した半導体基体の周縁部に切欠部を形成してなるものであり、その外形は完全な円盤形状ではなく、略円盤形状となっている。これに対し、特許文献1に記載の装置では、上下移動部材の外形は完全な円形となっており、しかも上下移動部材は基板と同程度の大きさに設定されている。このため、上下移動部材の一部が切欠部を介してミストの飛散している雰囲気(基板の周囲)に露出することとなる。その結果、基板処理中に発生するミストが露出部で跳ね返り、基板の下面側に飛散してしまうことがあった。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、処理中に発生したミストが基板の他方主面に付着することを効果的に防止して基板処理を良好に行うことができる基板処理装置および基板処理システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、その周縁部に基板切欠部が形成された略円盤状基板の一方主面に処理液を供給して該一方主面に対して所定の基板処理を施す基板処理装置であって、上記目的を達成するため、基板を支持する基板支持手段と、基板支持手段により支持されている基板の他方主面に対向させながら基板に近設された雰囲気遮断部材とを備えるとともに、雰囲気遮断部材を以下のように構成している。
【0010】
この発明の第1の態様では、その外形が基板と同一あるいは基板より小径の円形となっている部材により雰囲気遮断部材が構成されている。したがって、基板の他方主面に対向させながら基板に近設された雰囲気遮断部材については、基板からはみ出すことがなくなる。また、該部材の周縁部に基板切欠部に対応させて遮断部材切欠部が設けられているため、基板切欠部を通過したミストはさらに遮断部材切欠部を通過することとなる。このように、雰囲気遮断部材へのミストの衝突がなくなり、基板の他方主面側へのミスト侵入が防止され、その結果、基板の他方主面へのミスト付着が防止される。
【0011】
ここで、処理液が供給された基板を回転手段により回転させると、基板の一方主面上の処理液に対して遠心力が加わり、処理液を該一方主面全体に広げて均一な基板処理を行うことができる。このとき、基板切欠部が雰囲気遮断部材の周縁部と対向するのを防止するために、基板切欠部および遮断切欠部を対向させた状態のまま、基板と雰囲気遮断部材とを回転させるのが望ましい。
【0012】
また、この発明の第2の態様では、雰囲気遮断部材の外形は次の不等式、つまり、
(半径)≦(基板の中心から基板切欠部までの距離)
を満足する半径の円形であり、しかも、雰囲気遮断部材は、その中心軸が基板の中心軸と一致するように配置されている。したがって、雰囲気遮断部材の周縁部は基板からはみ出すことなく、しかも基板切欠部よりも中心軸側に位置している。すなわち、基板切欠部が如何なる位置にあったとしても、ミストの飛散する雰囲気への雰囲気遮断部材の露出が防止される。このため、雰囲気遮断部材へのミストの衝突がなくなり、基板の他方主面側へのミスト侵入が防止され、その結果、基板の他方主面へのミスト付着が防止される。
【0013】
ここで、処理液が供給された基板を回転手段により回転させると、基板の一方主面上の処理液に対して遠心力が加わり、処理液を該一方主面全体に広げて均一な基板処理を行うことができる。このように基板を回転させる際、基板とともに雰囲気遮断部材を回転させるのが望ましい。特に、基板と雰囲気遮断部材とを同一回転数で回転させると、基板に対して余分な外力が作用するのを防止することができ、より良好な基板処理を行うことができる。
【0014】
なお、上記した発明では、その周縁部に基板切欠部が形成された略円盤状基板を処理対象としているが、種々の形状を有する基板に対しても本発明を適用することができる。すなわち、本発明は、所定形状を有する板状部材の周縁部に基板切欠部を設けてなる基板の一方主面に処理液を供給して該一方主面に対して所定の基板処理を施す基板処理装置であって、上記目的を達成するため、基板を支持する基板支持手段と、基板支持手段により支持されている基板の他方主面に対向させながら基板に近設された雰囲気遮断部材とを備えるとともに、雰囲気遮断部材を以下のように構成している。
【0015】
この発明の第3の態様では、雰囲気遮断部材は、その外形が板状部材と同一または板状部材よりも小さな略相似形となっている部材で構成されるとともに、該部材の周縁部に基板切欠部に対応させて遮断部材切欠部を設けたものである。したがって、第1の態様と同様に、雰囲気遮断部材の周縁部が基板からはみ出すことなく、また基板切欠部を通過したミストはさらに遮断部材切欠部を通過することとなる。このため、雰囲気遮断部材へのミストの衝突がなくなり、基板の他方主面側へのミスト侵入が防止され、その結果、基板の他方主面へのミスト付着が防止される。
【0016】
また、この発明の第4の態様では、雰囲気遮断部材の外形が板状部材に対して下記の不等式で示される相似比、つまり
(相似比)≦Wsb/(Wsb+Wnt)
ただし、
Wsb…基板の中心から切欠部までの距離、
Wnt…基板の中心から切欠部に向かう切込形成方向における切込部の切込深さ、
の略相似形となっており、しかも、雰囲気遮断部材は、その中心軸が基板の中心軸と一致するように配置されている。このように構成された雰囲気遮断部材も、第2の態様と同様に、雰囲気遮断部材の周縁部は基板からはみ出すことなく、しかも基板切欠部よりも中心軸側に位置しているので、ミストの飛散する雰囲気への雰囲気遮断部材の露出が防止される。したがって、雰囲気遮断部材へのミストの衝突がなくなり、基板の他方主面側へのミスト侵入が防止され、その結果、基板の他方主面へのミスト付着が防止される。
【0017】
また、この発明にかかる基板処理システムは、上記目的を達成するため、請求項1ないし8のいずれかに記載の基板処理装置と同一構成を有する処理ユニットと、処理ユニットに対して基板を搬送する搬送ユニットとを備えている。これによって基板の他方主面へのミスト付着を効果的に防止しながら、基板の一方主面に対して処理液による基板処理を確実に実行することができる。
【0018】
さらに、基板を反転させる反転ユニットをさらに備えると、必要に応じて基板を反転位置決めすることができ、基板処理システムの汎用性を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。また、図2は、図1の基板処理装置を上方から見た部分平面図である。この基板処理装置では、半導体ウエハなどの基板Sの両主面のうち一方主面S1に対して純水や薬液などのリンス液が本発明の「処理液」として供給されて一方主面S1についてリンス処理が施される一方、他方主面S2についてはリンス処理中に発生するミストが付着するのを以下のようにして防止している。すなわち、この基板処理装置は、基板Sの一方主面S1のみに対して本発明の「基板処理」としてリンス処理を実行する装置である。
【0020】
この基板処理装置は、基板Sよりも若干大きな平面サイズを有するスピンベース1を有している。このスピンベース1の上面には、基板Sよりも若干小さな平面サイズを有する雰囲気遮断部材2が固着されている。また、この雰囲気遮断部材2の周縁には、図2に示すように、8個の支持ピン3がほぼ等角度間隔で配置されている。そして、各支持ピン3が基板Sの端部と当接可能となっており、これら8個の支持ピン3によって基板Sを一方主面S1を上方に向けた状態で、かつ略水平状態で支持される。このように、この実施形態では、8個の支持ピン3が本発明の「基板支持手段」として機能しているが、基板支持手段の構成はこれに限定されるものではなく、基板をスピンベースから少し浮いた状態で支持するものであれば、如何なる構成のものを採用してもよい。
【0021】
また、支持ピン3により支持された基板Sが水平方向に移動するのを防止するために、4つの保持部材4a〜4dがスピンベース1の周縁部に設けられている。これら4つの保持部材4a〜4dのうち保持部材4a、4bは基板Sと当接して保持する保持ピン41Aが固定された固定保持部材であるのに対し、保持部材4c、4dは保持ピン41Bが可動する可動保持部材である。
【0022】
図3は保持部材の構成を示す図である。固定保持部材4a、4bでは、同図(a)に示すように、スピンベース1に対してウエイト42が固定されるとともに、そのウエイト42の上面に固定ピンホルダ43が取り付けられている。そして、その固定ピンホルダ43により固定保持ピン41Aが固定的に保持されている。
【0023】
一方、可動保持部材4c、4dでは、同図(b)に示すように、スピンベース1に対してシャフト44が軸受45により回動軸心46回りに回動自在に軸支されている。また、このシャフト44の上端部に可動ピンホルダ47が取り付けられるとともに、この可動ピンホルダ47に可動保持ピン41Bが回動軸心46から偏心して取り付けられている。このため、装置全体を制御する制御ユニット(図示省略)からの動作信号に応じてマグネット48が作動すると、このマグネット48の電磁力を受けてシャフト44と可動ピンホルダ47が回動軸心46回りに回動駆動される。その結果、保持ピン41が回動軸心46に対して偏心移動して基板Sの端面に対して離当接する。なお、同図(b)は可動保持ピン41Bが離間した状態を示しており、この状態で支持ピン3に対する基板Sの搬入出を行う。そして、基板Sが支持ピン3に載置された後、マグネット48の作動により可動保持ピン41Bを偏心移動させることで基板Sの側面と当接する基板保持位置まで位置決めする。これによって、可動保持ピン41Bは基板Sを固定保持ピン41Aとで挟み込んで水平方向に保持する。このように、この実施形態では、8つの支持ピン3で基板Sを略水平状態に支持するとともに、4つの保持ピン41A、41A、41B、41Bで基板Sの水平方向の移動を規制している。
【0024】
また、スピンベース1には、図1に示すように、本発明の「回転手段」に相当するモータ51の出力回転軸52が連結されており、モータ51の作動に伴って回転する。これによって、スピンベース1の上方で支持ピン3および保持ピン41A、41Bにより保持されている基板Sはスピンベース1および雰囲気遮断部材2とともに回転軸心11回りに回転する。
【0025】
こうして回転駆動される基板Sの一方主面S1に対してリンス液を供給すべく、リンス液供給ノズル6が雰囲気遮断部材2の斜め上方位置に配置されている。このリンス液供給ノズル6には、図示を省略するリンス液圧送ユニットが接続されている。そして、後述するようなタイミングでリンス液圧送ユニットからリンス液が圧送されてくると、リンス液供給ノズル6から支持ピン3により支持された基板Sの一方主面S1に向けて吐出される。また、こうしてリンス液が供給された基板Sを回転駆動すると、リンス液が遠心力により基板Sの一方主面S1の全体に広がり、リンス処理が実行される。このとき、基板Sから振り切られる液体を回収するために、スピンベース1を取り囲むようにカップ部7が設けられている。ここでは、基板Sからリンス液を振り切るためには、基板Sの回転数を下限回転数よりも高く設定する必要があり、この実施形態では基板Sたる半導体ウエハとリンス液たる純水との濡れ性を考慮して基板Sの回転数を300rpm以上に設定している。なお、「下限回転数」とは基板から処理液を振り切るために要する最低限の回転数を意味しており、基板の大きさや、基板の一方主面と処理液との濡れ性などに基づき定まる値である。
【0026】
また、この実施形態では、支持ピン3により基板Sを支持しているため、基板Sと雰囲気遮断部材2との間隔が狭くなっている。このため、その隙間に搬送ロボットのアームなどを挿入することができない。そこで、リフト機構8を設け、以下の基板搬送、つまり、
・未処理基板Sの搬送ロボットからの受け取り、
・受け取った未処理基板Sの支持ピン3への載置、
・リンス処理を受けた処理済基板Sの支持ピン3からの受け取り、
・受け取った処理済基板Sの搬送ロボットへの引渡し
を行う。この実施形態では、リフト機構8は、上下方向に延びる6本のリフタピンスタンド81と、各リフタピンスタンド81の上端部に取り付けられた支持部82と、それらのリフタピンスタンド81の下端側でリフタピンスタンド81を相互に連結する連結プレート83と、連結プレート83を上下方向に移動させるエアシリンダなどのアクチュエータ84とを備えている。
【0027】
そして、制御ユニットからの動作指令に応じてアクチュエータ84が作動するのに応じて連結プレート83が上方に移動すると、6本のリフタピンスタンド81が一体的に上昇する。ここで、支持部82が支持ピン3よりも高い位置まで移動すると、支持ピン3から基板Sを受け取る。このとき、支持部82は支持ピン3に代わり基板Sの周縁部を支持する。また、その上限位置まで移動すると、図1に示すように、支持部82が処理済基板Sを保持したまま、雰囲気遮断部材2から上方に離れた基板受渡し位置P81まで移動し、搬送ロボットに処理済基板Sの引渡しが可能となる。
【0028】
また、この基板受渡し位置P81では、搬送ロボットから未処理基板Sを受け取ることが可能となっている。そして、未処理基板Sを受け取った後、制御ユニットからの動作指令に応じてアクチュエータ84が逆方向に作動するのに応じて連結プレート83が下方に移動すると、6本のリフタピンスタンド81が一体的に下降する。ここで、支持部82が支持ピン3よりも低い位置まで移動すると、支持ピン3に未処理基板Sが載置される。また、その下限位置P82まで移動すると、カップ部7よりも低い位置に収まり、リンス処理が可能となる。
【0029】
この実施形態では、リフタピンスタンド81および支持部82がカップ部7と干渉するのを防止するために、カップ部7にはリフタピンスタンド81および支持部82が通過するための通過孔71が設けられている。これに対応して通過孔71の開閉を制御するシャッター85が設けられている。すなわち、各通過孔71の近傍にシャッター85がカップ部7に対して回動軸心86回りに回動自在に軸支されている。そして、図示を省略するシャッター用アクチュエータの作動に連動してシャッター85が制御ユニットにより開閉制御される。このため、リンス処理中では、リフタピンスタンド81および支持部82がカップ部7よりも低い位置に収まるとともに、各通過孔71はシャッター85で塞がれて、カップ部7の内部雰囲気がリフト機構8に流れ込むのを確実に防止することができる。ここで、シャッター85を開閉駆動するシャッター用アクチュエータとしては、エアシリンダ、ソレノイド、モータなどを用いていることができる。
【0030】
さらに、この実施形態では、昇降機構9が設けられてカップ部7およびリフト機構8を一体的に昇降可能となっている。この昇降機構9は、リフト機構8のアクチュエータ84とカップ部7とに連結された昇降テーブル91を有している。また、この昇降テーブル91には、複数本のエアシリンダなどのアクチュエータ92が接続されている。このため、制御ユニットからの昇降指令に応じてアクチュエータ92が作動すると、昇降テーブル91が昇降駆動され、カップ部7およびリフト機構8が一体的に昇降移動する。例えば、図1はアクチュエータ92により昇降テーブル91が下限位置P92に移動した状態を示しており、基板Sの搬入出が可能となっている。また、アクチュエータ92により昇降テーブル91が同図中の1点鎖線で示す上限位置P91に移動すると、この昇降テーブル91の上昇移動に伴ってカップ部7およびリフト機構8が一体的に上昇してリンス処理が可能となる。図4は、そのリンス処理が可能な状態を示している。
【0031】
このように構成された基板処理装置では、制御ユニットのメモリに予め記憶されているプログラムにしたがって制御ユニットが装置各部を制御して、未処理基板の搬入、リンス処理、および処理済基板の搬出を行う。
【0032】
まず、昇降テーブル91が下限位置P92に位置決めされた状態(図1)で、未処理基板Sの搬入が行われる(未処理基板の搬入)。具体的には、図示を省略するシャッター用アクチュエータの作動によりシャッター85が開いた後、リフタ用アクチュエータ84の作動によりリフタピンスタンド81が上昇する。そして、基板受渡し位置P81で搬送ロボットから未処理基板Sを受け取ると、アクチュエータ84が逆方向に作動して未処理基板Sの周縁部を支持部82で支持しながらリフタピンスタンド81が一体的に下降する。このため、支持部82が支持ピン3よりも低い位置まで移動した時点で支持ピン3に未処理基板Sが載置される。これに続いて、可動保持部材4c、4dの保持ピン41Bが基板保持位置に移動して基板Sをしっかりと保持する。なお、リフタピンスタンド81が下限位置P82まで移動すると、カップ部7よりも低い位置に収まると、シャッター85を閉じる。
【0033】
このシャッター85の閉成から適当な時間が経過すると、カップ部7をリンス位置まで上昇させた後、リンス処理を実行する。すなわち、図4に示すように、アクチュエータ92により昇降テーブル91を上限位置P91に移動させた後、リンス液供給ノズル6から支持ピン3により支持された基板Sの一方主面S1に向けてリンス液を吐出するとともに、モータ51を作動させて基板Sを回転軸心11回りに回転させる。これによってリンス処理が実行される(リンス処理)。
【0034】
このリンス処理が完了すると、基板Sを回転させたままリンス液供給ノズル6からのリンス液の供給を停止して基板Sに付着する液体を振り切り、乾燥させる。そして、この回転乾燥処理が完了すると、モータ51を停止させて基板Sを静止させる。さらに、アクチュエータ92により昇降テーブル91を下限位置P92に移動させた後、シャッター85の開成とともに、リフタ用アクチュエータ84の作動によりリフタピンスタンド81を上昇させる。これにより、支持部82が支持ピン3よりも高い位置まで移動した時点で、支持ピン3から支持部82に処理済基板Sが移載され、基板受渡位置P81に位置決めされる。そして、処理済基板Sが搬送ロボットに引渡され、装置から搬出される(処理済基板の搬出)。なお、基板搬出が行われると、上記と同様にして、リフタピンスタンド81をカップ部7よりも低い位置に収めるとともに、シャッター85を閉じる。
【0035】
このような一連の動作を繰り返すことで複数の基板Sについて、一方主面S1に対するリンス処理を連続的に行うことができる。
【0036】
次に、雰囲気遮断部材2の構成について、図1、図2および図5を参照しつつ詳述する。図5は雰囲気遮断部材の周縁付近の構成を示す図であり、同図(a)は支持ピン装着部位の近傍を示し、同図(b)は支持ピン未装着部位の近傍を示している。雰囲気遮断部材2はスピンベース1の上面に設けられており、その上面24を基板対向面として支持ピン3に支持された基板Sの他方主面(下面)S2に対向させながら基板Sから離間配置されている。つまり、雰囲気遮断部材2は基板2に近設されている。そして、この雰囲気遮断部材2は、円盤状の平板部材21と、この平板部材21の周囲を取り囲むように配置されたドーナツ状の円環部材22とをボルト・ナットなどの締結部材23で締結してなるものであり、既に上述したように全体の平面サイズは基板Sよりも若干小さくなっている。なお、このように平面サイズを設定している理由については後で詳述する。
【0037】
また、この雰囲気遮断部材2の両主面のうち基板Sと対向する基板対向面24では、基板Sの略中央部と対向する中央領域241は平面であり、基板Sの周縁部と対向する周縁領域242は基板対向面24の周縁に向かうにしたがって基板Sに近接する傾斜面となっている。このため、基板Sと雰囲気遮断部材2とで挟まれた微小空間SPは中央部で比較的広がっているものの、基板Sの周縁に向かう方向Rにしたがって徐々に狭まっており、雰囲気遮断部材2の周縁では基板Sと雰囲気遮断部材2との微小隙間CLは微小間隔Dh、例えば0.3mm〜1mm、好ましくは0.3mm〜0.8mmとなっている。
【0038】
以上のように、この実施形態では、雰囲気遮断部材2により基板Sの他方主面(下面)S2を基板Sの周囲、つまりミスト飛散雰囲気から遮断しており、リンス処理中に発生したミストが基板Sの他方主面S2側に侵入するのを防止することができる。
【0039】
また、次に説明するように微小空間SPをミスト飛散雰囲気(基板Sの周囲)よりも陽圧にすることでミスト侵入をさらに効果的に防止している。すなわち、この雰囲気遮断部材2の略中央部には、図1および図2に示すように、貫通孔25が設けられている。この貫通孔25は出力回転軸52の中空部に配置された配管53と接続されており、ガス供給ユニット10から圧送されてくる窒素ガスや不活性ガスなどの雰囲気ガスが配管53および貫通孔25を介して微小空間SPに送られる。しかも、基板対向面24はその周縁に向かう方向Rに進むにしたがって基板Sに近接しているため、貫通孔25を介して圧送されてきた雰囲気ガスは微小空間SPの周縁付近で圧縮されて圧力が上昇する。その結果、微小空間SPはミスト飛散雰囲気よりも陽圧となり、基板Sの他方主面S2側へのミスト侵入が効果的に防止される。
【0040】
ここで、微小隙間CLを例えば0.3mm〜0.5mmに設定した場合、種々の実験やコンピュータ・シミュレーションなどによりミスト侵入を防止するために必要な雰囲気ガスの流量を求めたところ、その必要流量は20(リットル/min)以上であった。また、微小隙間CLを例えば0.5mm〜1mmに設定した場合、同流量は100(リットル/min)以上であった。このように、微小隙間CLが広がるのにつれて、雰囲気ガスの流量を高めればよいのであるが、200(リットル/min)以上の雰囲気ガスを供給した場合、基板Sが支持ピン3から浮き上がり、基板姿勢が不安定となってしまう。したがって、最大流量としては200(リットル/min)程度に止める必要があり、それに対応して微小隙間CLを1mm以下に設定する必要がある。
【0041】
一方、微小隙間CLが狭くなると、雰囲気ガスの必要流量は少なくなるのであるが、0.3mm未満に設定すると、毛細管現象によりリンス液が空間SP内に侵入してしまう。したがって、微小隙間CLを0.3mm以上に設定する必要がある。
【0042】
さらに、基板対向面24を上記のように形成したことで微小隙間CLから噴出する雰囲気ガスの流速は高まり、ミストの飛散速度より速くなる。このことはミスト侵入の防止に有利に作用することとなり、基板Sの他方主面S2へのミスト付着の防止をより確実なものとすることができる。
【0043】
ここで、雰囲気遮断部材2の平面サイズを基板Sよりも若干小さく設定している理由について図6を参照しつつ説明する。まず第1には、雰囲気遮断部材2が基板Sよりも大きな平面サイズを有している場合には、水平方向において雰囲気遮断部材2の周縁部が基板Sよりもはみ出してしまい、雰囲気遮断部材2の基板対向面24の一部(傾斜面である周縁領域242)がミスト飛散雰囲気(基板の周囲)に露出することとなる。そのため、リンス処理中に発生するミストが周縁領域242で跳ね返り、基板Sの他方主面(下面)S2側に飛散してしまう。これに対し、雰囲気遮断部材2の平面サイズを基板Sと同一またはそれよりも小さく設定することでミスト飛散雰囲気への基板対向面24の露出がなくなり、上記問題を解消することができる。この観点のみからいえば、雰囲気遮断部材2を基板Sと同一サイズに設定してもよい。
【0044】
しかしながら、既に「発明が解決しようとする課題」の項で詳述したように、基板Sにはノッチやオリエンテーションフラットなどの基板切欠部が施されている場合が多く、これを考慮して雰囲気遮断部材2の平面サイズを設定するのが望ましい。ここでは、図6に示すように基板Sとしての半導体ウエハにウエハ面内の結晶学的基準方位を示すためのノッチNTが形成されている場合について検討する。
【0045】
まず、雰囲気遮断部材2を基板Sと同一サイズに設定した場合、同図(a)に示すように、ノッチNTを介して雰囲気遮断部材2の基板対向面24の一部(周縁領域242)がミスト飛散雰囲気(基板の周囲)に露出することとなる。そのため、リンス処理中に発生するミストが周縁領域242で跳ね返り、基板Sの他方主面(下面)S2側に飛散してしまう。これに対し、同図(b)に示すように径方向RにおけるノッチNTの幅Wntだけ雰囲気遮断部材2の平面サイズを小さくすると、ミスト飛散雰囲気への基板対向面24の露出がなくなり、上記問題を解消することができる。したがって、この点を考慮すると、雰囲気遮断部材2の平面サイズをノッチNTの幅Wnt以上分だけ基板Sよりも小さく設定するのが好ましい。この点について、図7を参照してさらに詳しく説明する。
【0046】
図7は基板のノッチと雰囲気遮断部材との関係を示す斜視図である。ここでは、本発明の「基板切欠部」に相当するノッチNTと雰囲気遮断部材2との関係を明確にするため、ノッチNTを拡大するとともに基板Sと雰囲気遮断部材2との離間距離を広げて図示している。基板Sは所定形状(ここでは、円盤形状)を有する板状部材の周縁部にノッチNTを形成してなるものである。ここでは、基板Sの中心からノッチNTに向かう切込形成方向RにおけるノッチNTの切込深さは上記した幅Wntに相当している。また、基板Sの中心からノッチNTまでの距離は板状部材の半径から切込深さWntを引いた値、つまり距離Wsbとなっている。
【0047】
そこで、この実施形態では、雰囲気遮断部材2の外形を、次の不等式、つまり、
(半径r)≦(基板Sの中心からノッチNTまでの距離Wsb)
を満足する半径の円形に設定している。しかも、雰囲気遮断部材2の中心軸112が基板Sの中心軸11Sと一致するように雰囲気遮断部材2は配置されている。したがって、雰囲気遮断部材2の周縁部は水平方向において基板Sからはみ出すことなく、しかもノッチNTよりも中心軸側に位置している。すなわち、ノッチNTが如何なる位置にあったとしても、ミストの飛散する雰囲気への雰囲気遮断部材2の露出が防止される。このため、雰囲気遮断部材2へのミストの衝突がなくなり、基板Sの他方主面S2側へのミスト侵入が防止され、その結果、基板Sの他方主面S2へのミスト付着を効果的に防止することができる。
【0048】
なお、雰囲気遮断部材2の平面サイズ(半径r)の下限値については、基板Sの他方主面S2の表面状態に応じて設定すればよい。すなわち、他方主面S2のうちミスト付着を確実に防止しなければならない被保護領域は基板中央部分であるため、雰囲気遮断部材2の周縁が被保護領域の外側に位置するという条件を満足する範囲内で平面サイズの下限値を設定することができる。
【0049】
また、基板SのノッチNTの影響を防止するためには、図6(c)や図8に示すように、基板SのノッチNTに対応して雰囲気遮断部材2の周縁にノッチ26を形成するとともに、基板SのノッチNTと雰囲気遮断部材2のノッチ26とが対向するように配置した状態のままリンス処理を実行するように構成してもよい。こうすることで、図6(b)および図7の場合と同様に、ミスト飛散雰囲気への基板対向面24の露出がなくなり、上記問題を解消することができる。以下、図8を参照しつつ詳述する。
【0050】
図8は基板のノッチと雰囲気遮断部材のノッチとの関係を示す斜視図である。ここでは、本発明の「基板切欠部」に相当するノッチNTと本発明の「遮断部材切欠部」に相当するノッチ26との関係を明確にするため、両ノッチNT、26を拡大するとともに基板Sと雰囲気遮断部材2との離間距離を広げて図示している。基板Sは上記したように所定形状(ここでは、円盤形状)を有する板状部材の周縁部にノッチNTを形成してなるものである。
【0051】
そこで、この実施形態では、雰囲気遮断部材2の外形を板状部材と同一または板状部材よりも小さな略相似形となっている部材27で構成されるとともに、該部材27の周縁部にノッチNTに対応させてノッチ(遮断部材切欠部)26を設けたものである。したがって、基板Sの他方主面S2に対向させながら基板Sに近設された雰囲気遮断部材2については、水平方向において基板Sからはみ出すことがなくなる。また、該部材27の周縁部にノッチNTに対応させてノッチ26が設けられているため、ノッチNTを通過したミストはさらにノッチ(遮断部材切欠部)26を通過することとなる。このように、雰囲気遮断部材2へのミストの衝突がなくなり、基板Sの他方主面S2側へのミスト侵入が防止され、その結果、基板Sの他方主面S2へのミスト付着を効果的に防止することができる。
【0052】
さらに、上記したようにリフト機構8のリフタピンスタンド81および支持部82が雰囲気遮断部材2を通過して上昇するため、これを考慮して雰囲気遮断部材2の平面サイズを設定するのが望ましい。例えば雰囲気遮断部材2がリフタピンスタンド81および支持部82の移動経路と干渉しないように、雰囲気遮断部材2の平面サイズを小さく設定することができる。また、一部を切り欠くように形成することができる。
【0053】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、中央領域241と周縁領域242とからなる基板対向面24を有する雰囲気遮断部材2を用いているが、雰囲気遮断部材2の外形が上記実施形態のように形成されている限り、基板対向面の形状はこれに限定されるものではない。
【0054】
また、上記実施形態では、平板部材21と円環部材22とを締結部材23で締結することで雰囲気遮断部材2を構成しているが、3つ以上の部材により雰囲気遮断部材を構成したり、逆に一の部材により雰囲気遮断部材を構成するようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、その周縁部にノッチNTが形成された略円盤状基板Sを処理対象としているが、種々の形状を有する基板に対しても本発明を適用することができる。すなわち、本発明は、所定形状を有する板状部材の周縁部に基板切欠部を設けてなる基板の一方主面に処理液を供給して該一方主面に対して所定の基板処理を施す基板処理装置に適用することができ、基板を支持する基板支持手段と、基板支持手段により支持されている基板の他方主面に対向させながら基板に近設された雰囲気遮断部材とを備えるとともに、雰囲気遮断部材を以下のように構成することで上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
他の実施形態として、雰囲気遮断部材の外形が板状部材に対して下記の不等式で示される相似比、つまり
(相似比)≦Wsb/(Wsb+Wnt)
の略相似形となっており、しかも、雰囲気遮断部材が、その中心軸が基板の中心軸と一致するように配置されるように構成してもよい。このように構成された雰囲気遮断部材も、図7に示す実施形態と同様に、雰囲気遮断部材の周縁部は基板からはみ出すことなく、しかも基板切欠部よりも中心軸側に位置しているので、ミストの飛散する雰囲気への雰囲気遮断部材の露出が防止される。したがって、雰囲気遮断部材へのミストの衝突がなくなり、基板の他方主面側へのミスト侵入が防止されるため、基板の他方主面へのミスト付着を効果的に防止することができる。
【0057】
また、別の実施形態として、雰囲気遮断部材として、その外形が板状部材と同一または板状部材よりも小さな略相似形となっている部材で構成されるとともに、該部材の周縁部に基板切欠部に対応させて遮断部材切欠部を設けたものを用いることができる。このように構成された雰囲気遮断部材も、図8に示す実施形態と同様に、雰囲気遮断部材は基板からはみ出すことなくなり、また基板切欠部を通過したミストはさらに遮断部材切欠部を通過することとなる。したがって、雰囲気遮断部材へのミストの衝突がなくなり、基板の他方主面側へのミスト侵入が防止されるため、基板の他方主面へのミスト付着を効果的に防止することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、スピンベース1上に雰囲気遮断部材2を設けているが、スピンベース1を本発明の「雰囲気遮断部材」として機能するように構成してもよい。この場合、スピンベース1の外形を上記実施形態と同様に構成すればよい。
【0059】
また、上記実施形態では、基板にリンス液を供給してリンス処理する基板処理装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、基板の一方主面に処理液を供給して所定の基板処理を行う基板処理装置全般に適用することができる。そして、本発明を適用することで基板処理中に発生したミストが基板の他方主面に付着することを効果的に防止して基板処理を良好に行うことができる。特に、超音波振動を印加した処理液を用いる基板処理装置、気体と液体との混合物を処理液として用いる基板処理装置、あるいは高圧処理液を基板の一方主面に供給する基板処理装置などではミスト発生量が比較的多いため、これらの基板処理装置に本発明を適用することは、基板の他方主面へのミスト付着を防止する上で非常に効果的である。
【0060】
また、この発明にかかる基板処理装置を単体で使用してもよいが、他の基板処理を実行する基板処理装置、基板を搬送する搬送ユニットやインデクサ部などと組み合わせて基板処理システムを構築してもよい。その一例として、例えば図9に示す基板処理システムがある。以下、図9および図10を参照しつつ、この発明にかかる基板処理システムの一実施形態について説明する。
【0061】
図9はこの発明にかかる基板処理システムの一実施形態を示す図である。この基板処理システムは、収容容器110に収容されている基板Sを取出し、その基板の裏面(回路が形成されていない面)に対してリンス処理を施した後、再び収容容器110に戻すシステムである。
【0062】
この基板処理システムでは、図9に示すように上手側(図9の左側)にインデクサ部IDが設けられる一方、インデクサ部IDの下手側(図9の右手側)に基板Sの裏面(本発明の「一方主面」に相当)に対してリンス処理を施すプロセス部PPが設けられている。
【0063】
このインデクサ部IDでは、基板Sを収容するための収容容器110が4個X方向に一列で配置されるとともに、その配列方向Xに沿って従来より多用されている基板搬送ロボット120が移動し、一の収容容器110に収容されているリンス処理前の基板Sを取り出してプロセス部PPに搬送したり、プロセス部PPからリンス処理済の基板Sを受け取って収容容器110に収容する。なお以下の説明便宜のために、各図には、上下方向Zと、収容容器110の配列方向Xとに直交する方向を「Y方向」とするXYZ直角座標軸が示されている。
【0064】
インデクサ部IDの(+Y)側に配置されたプロセス部PPでは、その略中央部にセンターロボット200が配置されている。このセンターロボット200については従来より多用されている基板搬送ロボットと同一構成を有するものを用いることができ、本発明の「搬送ユニット」として機能する。また、このセンターロボット200の周囲に、上記実施形態にかかる基板処理装置と同一構成を有する裏面洗浄ユニット300A〜300Dおよび反転ユニット400が配設されている。なお、ここでは、本発明の「処理ユニット」に相当する裏面洗浄ユニット300A〜300Dについての説明は省略する。
【0065】
図10は、図9の基板処理システムに設けられた反転ユニットの構成を示す図であり、同図(a)は反転ユニットを上方より見た平面図であり、同図(b)は同図(a)のD−D線断面図である。この反転ユニット400はセンターロボット200との間で基板Sを受渡すための一対の基板チャック401、401を有している。この基板チャック対401、401は互いに対向して離間配置されている。また、各基板チャック401はロータリーシリンダ402のロッド403の先端部に取付けられており、ロッド403のX方向移動に伴いX方向に移動し、またロッド403の回転動作に伴いロッド403回りに180゜回転する。
【0066】
このため、相互に離間している基板チャック対401、401の間に未処理の基板Sがインデクサ部IDの基板搬送ロボット120とセンターロボット200によって搬送されてくると、両ロッド403が伸長して同図に示すように基板チャック対401、401が基板Sを挟持した後、センターロボット200が退避する。そして、両ロッド403が180゜回転する。これによって、収容容器110からそのままローディングされた状態、つまり回路などが形成された表面(本発明の「他方主面」に相当)S2を上方に向けた状態で搬送されてきた基板Sは反転されてフェースダウン状態となり、基板Sの裏面S1が上方を向いた状態となる。そして、このフェースダウン状態のまま反転ユニット400は基板Sをセンターロボット200に受け渡す。
【0067】
一方、裏面洗浄ユニット300A〜300Dからフェースダウン状態のままセンターロボット200により、リンス処理済の基板Sが反転ユニット400に搬送されてくると、未処理基板Sに対する反転動作と同様にして、リンス処理済基板Sを反転させる。これによって、基板Sはフェースアップ状態、つまり回路などが形成された表面S2を上方に向けた状態に戻る。そして、反転ユニット400はこの基板Sを基板搬送ロボット120に受け渡す。
【0068】
このように構成された基板処理システムに対して、基板表面S2を上方に向けた状態で複数枚の基板Sを収容した収容容器110がAGV(automated guided vehicle)等の運搬装置によりインデクサ部IDに搬送されてくると、以下のようにして各基板Sに対して裏面洗浄を行う。ここでは、1枚の基板Sに着目して該システムの動作について説明する。
【0069】
まず、基板搬送ロボット120が収容容器110からフェースアップ状態のまま基板Sを取出し、センターロボット200に受け渡した後、このセンターロボット200が基板Sを反転ユニット400に搬送する(ローディング)。そして、この基板Sを受けた反転ユニット400は、基板Sを反転させた後、フェースダウン状態でセンターロボット200に受け渡す。このセンターロボット200は4つの裏面洗浄ユニット300A〜300Dの一に搬入する。
【0070】
センターロボット200から未処理基板Sを受け取った裏面洗浄ユニットは、上記した実施形態にかかる基板処理装置と同一動作を実行して基板Sの裏面S1をリンス処理する(裏面洗浄)。このとき、上記基板処理装置と同様に、雰囲気遮断部材2により基板Sの表面(他方主面)S2をミスト飛散雰囲気から遮断するとともに、微小空間SPをミスト飛散雰囲気(基板Sの周囲)よりも陽圧にし、しかも微小隙間CLから噴出する雰囲気ガスの流速を高めているので、リンス処理中に発生したミストが基板Sの表面S2に付着するのを効果的に防止することができる。また、基板Sの周縁部にノッチNTが設けられていることに対応して雰囲気遮断部材2を上記実施形態と同様に構成しているので、ノッチNTを通過したミストが雰囲気遮断部材2に衝突するのを防止することができ、基板Sの表面S2側へのミスト侵入を防止することができる。つまり、基板Sの表面S2へのミスト付着を確実に防止しながら、基板Sの裏面S1のみをリンス処理することができ、良好な裏面洗浄を行うことができる。
【0071】
裏面洗浄が完了すると、センターロボット200が処理済の基板Sを受け取り、反転ユニット400に搬送する。そして、この反転ユニット400により基板Sをフェースアップ状態にした後、この基板Sをセンターロボット200が受け取り、さらに基板搬送ロボット120に受け渡した後、この基板搬送ロボット120が収容容器110に戻す(アンローディング)。
【0072】
なお、この実施形態にかかる基板処理システムでは、「処理ユニット」として4つの裏面洗浄ユニット300A〜300Dを装備しているが、その個数や配置などについては任意である。また、基板処理システムとしては、上記実施形態にかかる基板処理装置と同一構成を有する処理ユニットと、該処理ユニットに基板を搬送する搬送ユニットとを少なくとも設けているものであれば、上記作用効果が得られる。したがって、処理ユニットおよび搬送ユニット以外に、他のユニットを追加して基板処理システムを構築するようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、基板の周縁部に切欠部が設けられていることに対応した形状を有する雰囲気遮断部材を用いているので、雰囲気遮断部材へのミストの衝突がなくなり、基板の他方主面側へのミスト侵入を防止することができる。その結果、基板の他方主面へのミスト付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の基板処理装置を上方から見た部分平面図である。
【図3】保持部材の構成を示す図である。
【図4】図1の基板処理装置のリンス動作を示す図である。
【図5】雰囲気遮断部材の周縁付近の構成を示す図である。
【図6】基板のノッチと雰囲気遮断部材との関係を示す図である。
【図7】基板のノッチと雰囲気遮断部材との関係を示す斜視図である。
【図8】基板のノッチと雰囲気遮断部材のノッチとの関係を示す斜視図である。
【図9】この発明にかかる基板処理システムの一実施形態を示す図である。
【図10】図9の基板処理システムに設けられた反転ユニットの構成を示す図である。
【符号の説明】
2,27…雰囲気遮断部材
21…平板部材(雰囲気遮断部材)
22…円環部材(雰囲気遮断部材)
26…ノッチ(遮断部材切欠部)
51…モータ(回転手段)
200…センターロボット(搬送ユニット)
300A〜300D…裏面洗浄ユニット(処理ユニット)
400…反転ユニット
NT…ノッチ(基板切欠部)
S1…(基板の)一方主面
S2…(基板の)他方主面
S…基板

Claims (10)

  1. その周縁部に基板切欠部が形成された略円盤状基板の一方主面に処理液を供給して該一方主面に対して所定の基板処理を施す基板処理装置において、
    前記基板を支持する基板支持手段と、
    前記基板支持手段により支持されている前記基板の他方主面に対向させながら前記基板に近設された雰囲気遮断部材とを備え、
    前記雰囲気遮断部材は、その外形が前記基板と同一あるいは前記基板より小径の円形となっている部材で構成されるとともに、該部材の周縁部に前記基板切欠部に対応させて遮断部材切欠部を設けたものであることを特徴する基板処理装置。
  2. 前記処理液が供給された前記基板とともに前記雰囲気遮断部材を、前記基板切欠部および前記遮断切欠部を対向させた状態のまま、回転させる回転手段をさらに備えた請求項1記載の基板処理装置。
  3. その周縁部に基板切欠部が形成された略円盤状基板の一方主面に処理液を供給して該一方主面に対して所定の基板処理を施す基板処理装置において、
    前記基板を支持する基板支持手段と、
    前記基板支持手段により支持されている前記基板の他方主面に対向させながら前記基板に近設された雰囲気遮断部材とを備え、
    前記雰囲気遮断部材の外形は下記半径の円形であり、しかも、
    前記雰囲気遮断部材は、その中心軸が前記基板の中心軸と一致するように配置されていることを特徴する基板処理装置。
    (半径)≦(前記基板の中心から前記基板切欠部までの距離)
  4. 前記処理液が供給された前記基板を回転させる回転手段をさらに備えた請求項3記載の基板処理装置。
  5. 前記回転手段は、前記基板とともに前記雰囲気遮断部材を回転させる請求項4記載の基板処理装置。
  6. 前記基板切欠部はノッチまたはオリエンテーションフラットである請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理装置。
  7. 所定形状を有する板状部材の周縁部に基板切欠部を設けてなる基板の一方主面に処理液を供給して該一方主面に対して所定の基板処理を施す基板処理装置において、
    前記基板を支持する基板支持手段と、
    前記基板支持手段により支持されている前記基板の他方主面に対向させながら前記基板に近設された雰囲気遮断部材とを備え、
    前記雰囲気遮断部材は、その外形が前記板状部材と同一または前記板状部材よりも小さな略相似形となっている部材で構成されるとともに、該部材の周縁部に前記基板切欠部に対応させて遮断部材切欠部を設けたものであることを特徴する基板処理装置。
  8. 所定形状を有する板状部材の周縁部に切欠部を設けてなる基板の一方主面に処理液を供給して該一方主面に対して所定の基板処理を施す基板処理装置において、
    前記基板を支持する基板支持手段と、
    前記基板支持手段により支持されている前記基板の他方主面に対向させながら前記基板に近設された雰囲気遮断部材とを備え、
    前記雰囲気遮断部材の外形が前記板状部材に対して下記の相似比の略相似形となっており、しかも、
    前記雰囲気遮断部材は、その中心軸が前記基板の中心軸と一致するように配置されていることを特徴する基板処理装置。
    (相似比)≦Wsb/(Wsb+Wnt)
    ただし、
    Wsb…前記基板の中心から前記切欠部までの距離、
    Wnt…前記基板の中心から前記切欠部に向かう切込形成方向における前記切込部の切込深さ
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の基板処理装置と同一構成を有する処理ユニットと、
    前記処理ユニットに対して基板を搬送する搬送ユニットと
    を備えることを特徴とする基板処理システム。
  10. 基板を反転させる反転ユニットをさらに備える請求項9記載の基板処理システム。
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