JP3824156B2 - 額縁のコーナー連結装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、縦横フレームの突き合わせを締め付ける額縁のコーナー連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
額縁の縦横フレームを枠組みするには、隣接する双方のフレームに挿入されるL字形の連結金具が用いられ、一般的にフレームにネジ止め等によって固定されるが、単なる固定だけでは両フレームの突き合わせを締め付けることにはならないので、その締め付けも同時になされる手段が講じられることがある。それには様々な態様があるが、一例として、この出願人が既に提案した実公平4−20294号公報に記載したものを挙げることができる。
【0003】
同公報に記載される額縁のコーナー連結装置は、額縁の各コーナーにL字形連結金具を用いる他に、L字形連結金具の両端方向に対応して1対の連結固定金具を用いるもので、これによると、L字形連結金具には両挿入板にそれぞれ雌ネジ片を設け、連結固定金具にはその雌ネジ片に螺入する締めネジの頭部が掛かる切欠が設けられる。この切欠に保持した締めネジをコーナー双方からL字形連結金具の各雌ネジ片に螺入することによりフレームの連結がなされ、このときに、締めネジが頭部で連結固定金具と一体の両フレームを突き合わせ方向に引き寄せ、これによって突き合わせが締め付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の額縁のコーナー連結装置によれば、一個のL字形連結金具に対して両フレームを引く媒体として1対の連結固定金具が用いられるので、それだけ部品点数が多くなるだけでなく、連結固定金具をフレームに固定する手数を要するために、コスト高となり省力化に適しなかった。また、連結固定金具がビスによりフレームの内側に固定されるが、その締めが緩いと、連結操作時に締める締めネジの力でずれるおそれがあり、この点において、両フレームの突き合わせに均等性が得られるという信頼性に乏しかった。
【0005】
この発明は、上記の額縁のコーナー連結装置の改良に係わるもので、L字形連結金具の他には、連結固定金具のような別の金具を要しなく、しかも、両フレームの突き合わせに均等性が確実に得られる額縁のコーナー連結装置を提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、額縁のコーナー部において縦横フレームの双方に挿入するL字形連結金具に、その両挿入板の先端に額縁裏側に面して先方へ低く傾斜する雌ネジ片をそれぞれ内向して突設し、縦横フレームには、その雌ネジ片に螺入する締めネジが頭部で掛かるよう切欠を設け、締めネジがネジの力で切欠に掛かることにより両フレームを突き合わせ方向に押圧するように構成したことを特徴とする額縁のコーナー連結装置を提供するものである。
【0007】
額縁のコーナー連結装置を上記のように構成したから、縦横フレームを連結するには、その双方にL字形連結金具の挿入板を嵌入してから、両挿入板に有する雌ネジ片に螺着される締めネジを締めると、その頭部がフレームの切欠に掛かることにより、ネジの力で頭部がフレームをコーナー方向へ押し付ける。この切欠は、プレス加工により予め正確に形成しておくことにより、それを基準として両フレームの突き合わせの均等性及び正確性が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明において、フレーム1の設けられる切欠11に締めネジ9の頭部が掛かることにより、ネジの力がこれに及ぶものであるが、その切欠11が形成される部片については、特に限定するものではないが、実施例に示すように特に縦幅片19であると、V字形の切欠11が締めネジ9の頭部を受ける強度において適している。また、切欠11には締めネジ9の頭部が片側で掛かるので、両持ちに掛かるように、雌ネジ片7に起立片23をストッパーとして突設すると(請求項2)、フレーム1,1の突き合わせに緩みを招く切欠11部分の変形が防止され、さらに、締めネジに傾かない安定性が得られると同時に過剰な締め付けが防止され、両フレーム1,1の突き合わせの均等性も得られやすい。
【0009】
また、締めネジ9の頭部がそのままで掛かるようにしても良いが、座金10付きであると(請求項3)、それによる無理な力の吸収があるので、突き合わせの均等性が得られやすくなり、また、切欠11部分の変形や反復による磨耗が防止される。
【0010】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、L字形連結金具の他には、別途金具を用いないため、部品点数が少なくなると同時に手数が省けるため、額縁の安価な提供と省力化に適し、しかも、締めネジの頭部が掛かる切欠の位置がずれなく確定しているため、両フレームの突き合わせに左右均等性が確実に得られるという優れた効果がある。
【0011】
【実施例】
次に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】
図面は一実施例を示したもので、その額縁のコーナー連結装置は、縦横フレーム1,1が突き合うコーナー部に、その双方に挿入されるよう鋼鉄板をプレス加工してなるL字形連結金具3が用いられ、その両挿入板5,5には雌ネジ片7,7が形成され、フレーム1,1には、その雌ネジ片7,7に螺入する締めネジ9,9の頭部が掛かるようにその位置に切欠11,11が設けられる。
【0013】
フレーム1は、アルミ押出成形により、側壁13の一端に内向屈曲してなる前面壁15が形成された概略L字形断面構造であって、側壁13の内面にL字形連結金具3の挿入板5が嵌まる蟻溝15が形成される。蟻溝15は、開口を狭める一対の突部片17,18により形成され、そのうち、裏側位置の上の突部片17がT字形断面に形成され、その縦幅片19に切欠11が45度のV字形に形成される。
【0014】
L字形連結金具3は、両挿入板5,5の先端が裏側に面するようほぼ45度の斜面に形成され、その斜端縁21,21において90度に内側に屈折して雌ネジ片7,7が形成され、雌ネジ片7に連続して外側に90度に屈折する起立片23が形成される。雌ネジ片7には、裏側に近い上端部にネジ孔25が設けられ、起立片23には、ネジ孔25に近い箇所の屈折部に切欠部27を設けてある。フレーム1,1の切欠11は、その掛止縁11aが起立片23の先端の掛止縁23aと丁度並列するように設けられる。
【0015】
L字形連結金具3をその双方の蟻溝15,15に挿入するときに、予め締めネジ9,9を雌ネジ片7,7に浅く螺入しておく。それから両フレーム1,1を突き合わせながら締めネジ9,9を深く螺入すると、締めネジ9が頭部で切欠11に引っ掛かり、ねじ込みの力により両フレーム1,1が突き合うように締め付けられる。
【0016】
このときに締めネジ9の頭部が切欠11と起立片23との両方に掛かるために、起立片23がストッパーとなって過剰な締め付けが防止され、しかも、締めネジ9の頭部が両持ちとなり傾かなく安定するし、起立片23がストッパーとして効きすぎると、切欠部27があることに伴う変形により無理な力が吸収される。また、締めネジ9には座金10が用いられているので、締めネジ9の頭部の回転摩擦が直接フレーム1の切欠11部分やL字形連結金具3の起立片23に及ばないことから、それらの変形や、繰り返し使用による磨耗が防止され、さらに、締めネジ9を回転する無理な力がこの座金10で吸収される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による額縁のコーナー連結装置を示す同コーナー部の分解斜視図である。
【図2】同コーナー部における連結状態を示す斜視図である。
【図3】同連結状態を示す図2のA−A線矢視の断面図である。
【図4】同実施例におけるL字形連結金具の平面図である。
【符号の説明】
1 フレーム
3 L字形連結金具
5 挿入板
7 雌ネジ片
9 締めネジ
10 座金
11 切欠
11a 掛止縁
23 起立片
23a 掛止縁
Claims (3)
- 額縁のコーナー部において縦横フレームの双方に挿入するL字形連結金具に、その両挿入板の先端に額縁裏側に面して先方へ低く傾斜する雌ネジ片をそれぞれ内向して突設し、縦横フレームには、その雌ネジ片に螺入する締めネジが頭部で掛かるよう切欠を設け、締めネジがネジの力で切欠に掛かることにより両フレームを突き合わせ方向に押圧するように構成したことを特徴とする額縁のコーナー連結装置。。
- L字形連結金具において、雌ネジ片の端に起立片を締めネジのストッパーとして突設し、締めネジの頭部が切欠と起立片とに両持ちで掛かるように、起立片の掛止縁と切欠の掛止縁とが同時に掛かる位置決めに形成されていることを特徴とする請求項1記載の額縁のコーナー連結装置。
- 締めネジが切欠と起立片との双方に掛かる座金付きであることを特徴とする請求項1又は2記載の額縁のコーナー連結装置。
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