JP3823887B2 - 無呼吸症候群の検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、睡眠時無呼吸症候群による、就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態を検査する無呼吸症候群の検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の、睡眠時無呼吸症候群による無呼吸状態の検査装置として、例えば特開2001−37742号に記載されたものがある。
【0003】
この従来装置は、寝具の下部に挿入された複数の感圧素子を有するセンサシート、制御器、及び就寝者の呼吸数、血中酸素飽和度の低下回数等の表示を行うモニタとを備える。制御器は、各感圧素子の出力する荷重信号から、就寝者の呼吸数に対応する周波数帯域の信号成分である呼吸体動信号を生成する。この呼吸体動信号の振幅の変化パターンから、閉塞性無呼吸時に発生する血中酸素飽和度の低下を判定するとともに、その血中酸素飽和度の低下の回数をモニタに表示する。
【0004】
例えば、睡眠に伴う喉筋肉の弛緩等により喉部が閉塞し、肺に酸素が供給されない閉塞性無呼吸状態では、就寝者の呼吸動作は行なわれるが、喉部の閉塞により酸素が肺に供給されない。そして、肺へ酸素が供給されないため血中酸素飽和度が低下して所定の低濃度レベルに到達すると、一時的に就寝者が覚醒して、非常に深い呼吸動作が行われることになる。このため、従来装置では、呼吸体動信号の振幅が急激に増大したことを捉えて、閉塞性無呼吸状態、ひいては血中酸素飽和度の低下と判定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、睡眠時無呼吸症候群の中には、酸素が肺に全く供給されない閉塞性無呼吸症や中枢性無呼吸症以外に、就寝者の気道が狭窄して、酸素の供給量が不足する低呼吸症もある。低呼吸症の場合も、睡眠時に酸素の供給量が不足するため、その患者に閉塞性無呼吸症と類似の症状が観られる場合がある。従って、無呼吸症候群の検査装置としては、無呼吸症に加えて、低呼吸症も検査できることが求められる。
【0006】
しかしながら、従来装置のように呼吸体動信号の振幅が急激に増大したことを捉えて、無呼吸状態を判定する場合、低呼吸状態では、無呼吸状態ほどの大きな呼吸体動信号の振幅変化が生じない場合があるため、低呼吸状態を高精度に判定することができない。
【0007】
この場合、呼吸体動信号の振幅変化から低呼吸状態も検出すべく、低呼吸状態と判定するための振幅変化の閾値を小さく設定すると、例えば体の微動による呼吸変化を低呼吸状態と誤って判定してしまう場合があり、低呼吸状態の検出精度を向上することはできない。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点を鑑みてなされたもので、無呼吸状態に加えて低呼吸状態も高精度に判定することが可能な無呼吸症候群の検査装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の無呼吸症候群の検査装置は、就寝者の呼吸による体動に応じた、寝具に加わる荷重変化を呼吸信号として生成する呼吸信号生成手段と、前記呼吸信号の周波数の変化に基づいて、就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定する判定手段とを備え、判定手段は、呼吸信号の振幅の変化もモニタするものであり、呼吸信号の振幅が低下し、その後、当該呼吸信号の振幅が増大し、かつ振幅が低下した時の呼吸信号の周波数に対して、振幅が増大したときの呼吸信号の周波数が高くなったとき、呼吸信号の振幅低下状態を就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態と判定することを特徴とする。
【0010】
無呼吸状態もしくは低呼吸状態が発生した場合、不足した酸素供給量を補うために、回復呼吸動作が行われることは共通である。但し、無呼吸状態の場合、低呼吸状態よりも強い回復呼吸動作が行なわれることが多いため、呼吸信号の振幅の変化状態から無呼吸状態及び低呼吸状態の両方を高精度に検出することは困難である。
【0011】
本発明者は、無呼吸状態及び低呼吸状態の時に行なわれる回復呼吸動作の強さには差があるが、両回復呼吸動作とも、その呼吸の速さが、通常の呼吸の速さに比較して明らかに速くなっている点に着目した。このため、請求項1に記載の検査装置は、呼吸信号の周波数の変化に加え、呼吸信号の振幅の変化もモニタし、呼吸信号の振幅が低下し、その後、当該呼吸信号の振幅が増大し、かつ振幅が低下した時の呼吸信号の周波数に対して、振幅が増大したときの呼吸信号の周波数が高くなったとき、呼吸信号の振幅低下状態を就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態と判定する。
【0013】
無呼吸状態及び低呼吸状態の後には、ともに回復呼吸動作が行なわれる。従って、無呼吸状態もしくは低呼吸状態から回復呼吸動作への変化を、呼吸信号の周波数の変化及び呼吸信号の振幅の変化の両方を用いて判定することにより、無呼吸状態もしくは低呼吸状態の判定精度を一層向上することができる。
【0014】
請求項2に記載したように、前記判定手段は、呼吸信号における複数の振幅の平均値を算出し、その平均値の差から前記呼吸信号の振幅の変化を判別することが好ましい。
【0015】
このようにすると、例えば周期性四肢運動のように、単発的にノイズ成分として呼吸信号に作用し、その呼吸信号の振幅が大きくなった場合でも、そのノイズ成分を減衰させることができるため、呼吸信号の振幅の変化に関する判別の精度を向上できる。
【0016】
請求項3及び請求項4に記載したように、前記判定手段は、前記呼吸信号の振幅の変化比が1.4以上であったとき、前記呼吸信号の振幅が低下状態から増大状態に変化したと判別し、また、前記呼吸信号の周期が、0.5s以上短くなったとき、前記呼吸信号の周波数が低周波数から高周波数へ変化したと判別することが好ましい。被験者に対する実際の検査結果において、上述した閾値を用いることにより、非常に高い精度で無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定することができることを確認したためである。
【0017】
請求項5に記載したように、前記判定手段は、前記呼吸信号の振幅が増大し、かつ周波数が高くなる期間が所定期間よりも短い場合、前記無呼吸状態もしくは低呼吸状態との判定を行なわないことが好ましい。
【0018】
上述した周期性四肢運動のようなノイズ成分による誤判定を確実に防止するためである。
【0019】
請求項6に記載したように、前記判定手段が、前記就寝者は無呼吸状態もしくは低呼吸状態であると判定した回数を算出する算出手段を備えることが好ましい。これにより、無呼吸状態もしくは低呼吸状態の発生状況を容易に把握することができる。
【0020】
請求項7に記載したように、前記就寝者の胸部と腹部における、呼吸による体動に応じた荷重変化の位相の関係に基づいて、無呼吸状態と低呼吸状態とを判別する判別手段を備えることが好ましい。無呼吸状態と低呼吸状態とを区別して検査するができれば、その症状に対する適切な対応を取りえるためである。なお、無呼吸状態と低呼吸状態との具体的な判別手法としては、請求項8に記載したように、前記就寝者の胸部と腹部における、呼吸による体動に応じた荷重変化の位相が略同位相であるとき、低呼吸状態と判別し、略逆位相であるとき、無呼吸状態と判別するものである。
【0021】
請求項9に記載したように、前記就寝者の前記寝具における荷重分布に基づいて、前記就寝者の寝姿を判定する寝姿判定手段を備えることが好ましい。無呼吸状態もしくは低呼吸状態が発生した寝姿が特定できると、治療の際の有用な情報となるためである。従って、請求項10に記載したように、前記算出手段は、前記寝姿判定手段によって判定された寝姿別に、無呼吸状態もしくは低呼吸状態の回数を算出することが好ましい。
さらに、請求項11に記載したように、前記呼吸信号生成手段による呼吸信号、前記判定手段による判定結果、前記算出手段による算出結果の少なくとも1つを記憶する記憶手段を備えることが好ましい。すなわち、就寝者の就寝中は、呼吸信号の生成及び記憶を行い、その後、記憶した呼吸信号を用いて無呼吸状態もしくは低呼吸状態の判定を行なっても良いし、呼吸信号の生成と同時に無呼吸状態もしくは低呼吸状態の判定を行なってその判定結果を記憶しても良いし、さらに、無呼吸状態もしくは低呼吸状態の発生回数を記憶しても良い。いずれの場合にも、治療の指針となる有用な情報を提供することができる。さらに、請求項12に記載したように、前記記憶手段は、前記判別手段による判別結果、前記寝姿判定手段による寝姿の判定結果を記憶しても良い。
【0022】
請求項13に記載の無呼吸症候群の検査装置は、就寝者の呼吸による体動に応じた、寝具に加わる荷重変化を呼吸信号として生成する呼吸信号生成手段と、
前記呼吸信号の周波数の変化に基づいて、前記就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定する判定手段とを備え、
前記呼吸信号生成手段は、前記就寝者の前記寝具における荷重分布が変化している間は、前記呼吸信号の生成を中止することを特徴とする。
就寝者の寝具における荷重分布が変化している間は、就寝者が寝返り等を行なっており、無呼吸状態もしくは低呼吸状態と判定される状態ではないため、呼吸信号を生成する必要がないためである。
【0023】
請求項14に記載の無呼吸症候群の検査装置は、就寝者の呼吸による体動に応じた、寝具に加わる荷重変化を呼吸信号として生成する呼吸信号生成手段と、
前記呼吸信号の周波数の変化に基づいて、前記就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定する判定手段と、
前記寝具に加わる荷重の状態に基づいて、前記就寝者の在離床を判別する在離床判別手段とを備え、
前記呼吸信号生成手段は、前記在離床判別手段によって離床と判別されている場合、前記呼吸信号の生成を中止することを特徴とする。
離床と判別されている場合は、正確な呼吸信号を生成することができないため、呼吸信号生成手段は呼吸信号の生成を中止するのである。
【0024】
具体的な在離床の判別方法としては、請求項15に記載したように、前記寝具の所定面積以上に荷重が加わっていない場合、離床と判別しても良いし、請求項16に記載したように、前記就寝者の呼吸による体動に応じた荷重変化が生じていない場合、離床と判別しても良い。
【0025】
請求項17に記載したように、前記呼吸信号生成手段による呼吸信号、前記判定手段による判定結果の少なくとも1つを記憶する記憶手段を備えることが好ましい。すなわち、就寝者の就寝中は、呼吸信号の生成及び記憶を行い、その後、記憶した呼吸信号を用いて無呼吸状態もしくは低呼吸状態の判定を行なっても良いし、呼吸信号の生成と同時に無呼吸状態もしくは低呼吸状態の判定を行なってその判定結果を記憶しても良い。いずれの場合にも、治療の指針となる有用な情報を提供することができる。さらに、請求項18に記載したように、前記記憶手段は、前記在離床判別手段による在離床の判別結果を記憶しても良い。また、請求項19に記載したように、前記記憶手段に記憶された情報を報知する報知手段を備えても良い。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態としての無呼吸症候群の検査装置Aを使用する際の設置状態を示す図であり、図2は、検査装置Aの概略構成図である。
【0028】
図1に示すように、ベッド1は、敷布団等の寝具10を載置するための載置部11と、載置部11の端部から立設された背板部12とからなる。検査装置Aは、ベッド1の載置部11に設置された寝具10の下部に挿入されて使用される。なお、検査装置Aは、ベッド1上に就寝者が横になったときに就寝者の胸部から腹部の位置に対応するように、載置部11の中央部より背板部12側に設置される。
【0029】
図2に示すように、検査装置Aは、シート部2と制御部3とからなる。シート部2は、2枚のシート状の保護部材21間に、複数の(本例では3つの)センサシート22と、センサシート22毎に設けられたセンサ選択部23とを挟装して構成されている。
【0030】
センサシート22は、印加荷重に応じて電気抵抗が変化(減少)する感圧素子221を略等間隔に複数個(本例では3つのシート合計で162個)シート状部材に配置したものである。なお、図2では、各感圧素子221とセンサ選択部23とを電気的に接続する配線パターンの図示を省略している。
【0031】
つまり、各感圧素子221を含む回路に電圧が印加されているときに、印加荷重に応じて感圧素子221の電気抵抗が変化することにより、感圧素子221による降下電圧値が増減するので、この降下電圧値の変化に基づいて印加荷重を各感圧素子221毎に独立して検出できるものである。
【0032】
制御部3は、図3のブロック図に示すように、A/D変換器31、マイコン32、メモリ33及び表示部34によって構成される。そして、制御部3においては、センサシート22の各感圧素子221の荷重信号をセンサ選択部23によって順次選択していき、A/D変換器31によってアナログ値である荷重信号をデジタル値に変換した値(以下、AD値)をマイコン32に取り込む。このとき、マイコン32は、入力すべき荷重信号を切り換えるためにセンサ選択部23にスイッチング信号を与える。このような動作を繰り返すことにより、マイコン32は、全ての感圧素子221から周期的に荷重信号を取り込みメモリ33に記憶させる。
【0033】
そして、マイコン32は記憶された荷重信号に基づき、後述する手順に従って処理を行い、呼吸曲線(呼吸信号)を生成するとともに、その呼吸曲線に基づいて判定される無呼吸状態や低呼吸状態の発生回数や時間等を表示部34に出力する。表示部34では、呼吸曲線、無呼吸状態や低呼吸状態の発生回数や時間等を数値あるいはグラフ表示する。
【0034】
以上のような構成により、就寝者は、特殊なセンサを直接身体に装着することなく、自覚できない睡眠時の無呼吸状態や低呼吸状態等の無呼吸症候群による呼吸障害を確認することが可能になる。
【0035】
次に、本検査装置Aの作動を、図4〜図8の制御フローチャート及び図9,図10の波形図を用いて説明する。
【0036】
図4の制御フローチャートは、就寝者が就寝しているときに、各感圧素子221によって検出されたセンサ信号(荷重信号)が全てメモリ33内に格納されている場合に、それらのセンサ信号から就寝者の呼吸による体動に応じた呼吸曲線を生成するものである。しかし、センサ信号の検出と同期して、呼吸曲線を生成することも、もちろん可能である。
【0037】
まず、ステップS10において、各感圧素子221によって出力されたセンサ信号を順次読み込む。ステップS11では、読み込んだセンサ信号に基づいて、就寝者の寝姿が変化するような体動の有無の判定を行なう。これは、そのような体動が生じている場合、センサ信号から、呼吸による体動に応じた呼吸曲線を生成することが困難であるためである。従って、体動ありと判定された場合には、ステップS10に戻り、周期的に検出され記憶されているセンサ信号の中から、新たなセンサ信号を読み込む。なお、体動判定は、図5に示す体動判定フローに従ってなされるが、その説明は後述する。
【0038】
そして、ステップS11にて体動なしと判定されると、ステップS12に進み、各感圧素子221のセンサ信号を周波数解析するために高速フーリエ変換(FFT)する。次に、ステップS13において、呼吸周波数成分(0.2〜0.5Hz)におけるパワースペクトルの大きさにより、呼吸に伴う体動に応じた荷重変化を検出している感圧素子221を複数抽出する。
【0039】
次に、ステップS14において、上記呼吸周波数成分領域のパワースペクトルが最も大きい(すなわち、呼吸に伴う体動による荷重変化が最も大きい)感圧素子221を特定し、位相差を求める際の基準センサとする。
【0040】
次に、ステップS15において、基準センサと呼吸に伴う体動に応じた荷重変化を検出している感圧素子221とがそれぞれ出力するセンサ信号の位相差を求める。このとき、基準センサが出力するセンサ信号に対し、-1/4π〜1/4πの範囲内に位相差が入る信号を同位相の信号とする。また、基準センサが出力する荷重信号に対し、3/4π〜-3/4πの範囲内に位相差が入る信号を逆位相の信号とする。なお、それ以外の位相差を持つ信号は呼吸曲線の算出には使用されない。
【0041】
ステップS16では、基準センサに対して同位相の信号を出力する感圧素子221からのセンサ信号を、基準センサのセンサ信号に対してそのまま加算するとともに、基準センサに対して逆位相の信号を出力する感圧素子221のセンサ信号同士を位相反転後に加算する。そして、ステップS17では、基準センサ、同位相の信号を出力する感圧素子、及び逆位相の信号を出力する感圧素子のセンサ信号を全て加算することによって呼吸曲線を得る。
【0042】
ステップS18では、就寝者が在床しているか否かを判定する在離床判定が行なわれる。これは、在床時のみ、無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定するための呼吸曲線として採用することにより、無呼吸状態もしくは低呼吸状態の判定精度を向上するためである。従って、ステップS18にて離床と判定された場合、ステップS17にて導出された呼吸曲線は、無呼吸解析フローへ出力されるデータから削除される。なお、在離床の判定は、図6に示す在離床判定フローに従ってなされるが、その説明は後述する。
【0043】
ステップS19では、後述するステップS22にて読み込んだセンサ信号に対して、ステップS11と同様の体動判定を行なう。そして、体動があったと判定された場合には、ステップS10に戻り、新たなセンサ信号を読み込み、ステップS11にて再度体動判定を行なう。すなわち、体動ありと判別されている間は、読み込んだセンサ信号は、無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定するための呼吸曲線を作成するためのセンサ信号として利用されない。これにより、寝返り等の体動の影響を受けることなく、呼吸による体動のみを示すセンサ信号から呼吸曲線を作成することができる。一方、ステップS19にて体動なしと判定されると、ステップS20にて就寝者の寝姿が判定される。これは、寝姿により無呼吸状態や低呼吸状態の起こり易さに変化が生じる場合があるため、無呼吸症や低呼吸症の状態を知る上で有用な情報となるためである。なお、寝姿の判定は、図7に示す寝姿判定フローに従ってなされるが、その説明は後述する。
【0044】
ステップS21では、ステップS17にて作成した呼吸曲線の情報を、後述する無呼吸解析フローに出力する。無呼吸解析フローでは、呼吸曲線に基づき無呼吸状態及び低呼吸状態の検出を行なうとともに、その無呼吸状態及び低呼吸状態の単位時間当たりの発生回数を算出する。
【0045】
ステップS22では、新たなセンサ信号の読み込みを行なう。この場合、寝返り等の体動が生じていない限り、上述した基準センサは変更されないため、荷重信号の読み込み後は、ステップS16の処理に戻る。
【0046】
次に、体動判定フローについて、図5に基づいて説明する。
【0047】
まず、ステップS30では、各感圧素子221が所定以上の荷重を検出しているか否かによって、各感圧素子221における圧力分布状態を2値画像化した2値画像(α)をメモリから読み出す。すなわち、この2値画像(α)は、就寝者によって寝具10等に加えられている圧力の分布を示すものである。この2値画像(α)は寝返り等の体動が生じる毎に、後述するステップS35にて更新され、メモリに記憶されている。
【0048】
次に、ステップS31にて、最新の各感圧素子221のセンサ信号を所定値と比較することにより、各感圧素子221における圧力分布を2値画像(β)化する。そして、ステップS32において、過去の2値画像(α)と現在の2値画像(β)とを比較することにより、各感圧素子221における圧力分布状態に変化があったか否かを判別する。この場合、例えば、荷重を検出する感圧素子221の数が所定数以上相違する場合、あるいは、荷重を検出する感圧素子221の位置について、所定数以上の感圧素子221分ずれている場合等、過去の2値画像(α)と現在の2値画像(β)との間に一定以上の変化があったと判別する。
【0049】
ステップS32にて、過去の2値画像(α)と現在の2値画像(β)との間に一定以上の変化があったと判別された場合、ステップS33にて体動ありと設定される。一方、ステップS32にて、過去の2値画像(α)と現在の2値画像(β)との間に変化なしと判別された場合には、ステップS34にて体動なしと設定される。なお、ステップS33にて体動ありと設定された場合、引き続きステップS35の処理を行い、現在の2値画像(β)によって過去の2値画像(α)を更新し、その更新した2値画像(α=β)をメモリに記憶しておく。
【0050】
次に、在離床判定フローについて、図6に基づいて説明する。
【0051】
まず、ステップS40では、各感圧素子221の中で、一定値以上の大きさの荷重を検出している感圧素子221を抽出する。そして、ステップS41にて、その抽出した感圧素子221の数が一定数以上であるか否かを判別する。ここで、就寝者によって寝具10の所定面積以上に荷重が加わっていない場合、離床と判別することができる。従って、ステップS41では、寝具10の所定面積以上に荷重が加わっていることを、荷重を検出している感圧素子221の数によって判別するのである。
【0052】
ステップS42では、荷重を検出している感圧素子221として抽出された各感圧素子221のセンサ信号が、呼吸周波数で変化しているか否かを判別する。一定数以上の感圧素子221が荷重を検出していても、就寝者以外の何らかの物体が寝具10上に置かれていることも考えられる。従って、就寝者の在床を確実に判定するために、荷重を検出している感圧素子221から出力されるセンサ信号が、呼吸による荷重の変化を示しているか否かを判別するのである。
【0053】
ステップS41及びステップS42において、ともに「Yes」と判定された場合のみ、ステップS44に進み、就寝者は在床していると結論付けられる。一方、ステップS41及びステップS42のどちらか一方で「No」と判定されると、ステップS43にて、就寝者は離床していると結論付けられる。
【0054】
次に、寝姿判定フローについて、図7を用いて説明する。なお、寝姿は、初期状態として仰臥位もしくは腹臥位に設定されている。
【0055】
ステップS50では、就寝者の体重による荷重が印加されている感圧素子221のセンサ値の集合(x)をメモリから読み出す。このセンサ値の集合(x)には、就寝者の体重による荷重が印加されている感圧素子221の数と、各感圧素子221への印加荷重の両方が含まれている。この感圧素子221のセンサ値の集合(x)は寝姿が変化したと判別される毎に、後述するステップS58にて更新され、メモリに記憶される。
【0056】
次に、ステップS51にて、最新の各感圧素子221のセンサ信号に基づいて、就寝者の体重による荷重が印加されている感圧素子221を抽出し、そのセンサ値の集合(y)を算出する。次に、ステップS52では、過去の荷重検出感圧素子集合(x)の総数を1.1倍した値よりも、現在の荷重検出感圧素子集合(y)総数が大きいか否かを判定する。このステップS52において「Yes」と判定された場合、就寝者の寝具10に触れる体面積が増えたのであるから、ステップS54にて、寝姿は、側臥位から仰臥位もしくは腹臥位に変化したものと設定される。
【0057】
ステップS52で「No」と判定された場合には、ステップS53に進み、現在の就寝者の体重を検出している感圧素子221のセンサ集合の中から、最も大きなセンサ信号(yの最大値)を選定し、かつ、過去の就寝者の体重を検出している感圧素子221に関しても、同様に最も大きなセンサ信号(xの最大値)を選定する。そして、xの最大値を0.8倍した値よりもyの最大値が小さいか否かを判低する。このとき「Yes」と判定された場合には、寝具10に加わる単位面積当たりの荷重が大きく減少したのであるから、就寝者は、側臥位から仰臥位もしくは腹臥位に寝姿を変えたと考えられる。従って、ステップS54にて、寝姿を仰臥位もしくは腹臥位に設定する。ステップS53にて「No」と判定された場合には、ステップS55に進む。
【0058】
ステップS55では、過去の荷重検出感圧素子集合(x)の総数を0.9倍した値よりも、現在の荷重検出感圧素子集合(y)の総数が小さいか否かを判定する。このステップS55において「Yes」と判定された場合、就寝者の寝具10に触れる体面積が減少したのであるから、ステップS57にて、寝姿は、仰臥位もしくは腹臥位から側臥位に変化したものと設定される。
【0059】
ステップS55で「No」と判定された場合には、ステップS56に進み、前述のxの最大値を1.2倍した値よりもyの最大値が大きいか否かを判低する。このとき「Yes」と判定された場合には、寝具10に加わる単位面積当たりの荷重が大きく増加したのであるから、就寝者は、仰臥位もしくは腹臥位から側臥位に寝姿を変えたと考えられる。従って、ステップS57にて、寝姿を側臥位に設定する。ステップS56にて「No」と判定された場合には、ステップS59にて、寝姿には変化無しと設定する。
【0060】
ステップS54もしくはステップS57にて、寝姿の変化が設定された場合には、ステップS58にて、その最新の寝姿に対応する荷重検出感圧素子集合(y)を過去の荷重検出感圧素子集合(x)に代入して、荷重検出感圧素子集合(x)を更新する。
【0061】
次に、無呼吸解析フローに関して、図8を用いて説明する。
【0062】
ステップS60では、図4の呼吸解析フローによって生成された呼吸曲線の1波長分のデータを読み込む。そして、ステップS61にて、読み込んだ1波長の振幅を算出する。
【0063】
ステップS62では、過去の3波長の振幅の平均値を算出するとともに、この算出した振幅平均を極大値に設定する。そして、ステップS63では、過去の15個の振幅平均の中で最も小さい値を持つ振幅平均を極小値として設定する。これら極大値及び極小値の設定の一例を図9の波形図に示す。
【0064】
ステップS64では、極大値は、極小値を2.7倍した値以上であるか否かを判定する。このとき、「Yes」と判定されると、極大値の発生直前において無呼吸状態もしくは低呼吸状態が生じていたとみなし、ステップS66にて無呼吸状態の回数をカウントするためのカウント値を1増加させる。
【0065】
一方、ステップS64にて「No」と判定された場合、ステップS65に進む。ステップS65では、極大値は、極小値を2.0倍した値以上であり、かつ、極小値における呼吸曲線の周期が、極大値における周期に0.5秒を加えた値よりも長いか判定する。このステップS65にて「Yes」と判定された場合には、無呼吸状態もしくは低呼吸状態が生じていたとみなし、ステップS66に進む。一方、ステップS65にて「No」と判定された場合には、ステップS67に進む。
【0066】
なお、周期の判定に関しては、極小値及び極大値を算出した3波長の呼吸曲線の内の最新の1波長の周期等、いずれかの一波長の周期を比較しても良いし、極小値及び極大値を算出した3波長の周期の平均周期を算出し、その平均周期同士を比較しても良い。
【0067】
ステップS67では、全ての呼吸曲線に関して無呼吸状態もしくは低呼吸状態の判定が終了したか否かを判定し、まだ全ての呼吸曲線に関しての判定がなされていない場合は、ステップS60に戻る。
【0068】
最後にステップS68にて、ステップS66にてカウントした無呼吸状態もしくは低呼吸状態のカウント値に基づいて、単位時間当たりの無呼吸・低呼吸回数を算出する。この単位時間当たりの無呼吸・低呼吸回数は、呼吸解析フローにて判定された在離床判定結果、寝姿判定結果、及び呼吸曲線とともに、表示器34に表示される。図12に、その表示の一例を示す。なお、図12の表示例では、呼吸曲線は省略されている。図12に示すように、時間経過に伴う、在床時における単位時間当たりの無呼吸・低呼吸回数が表示されるとともに、寝姿の判定結果を合わせて表示することにより、寝姿別の無呼吸・低呼吸回数の把握が可能となっている。なお、寝姿別の無呼吸・低呼吸回数の合計や単位時間当たりの平均無呼吸・低呼吸回数を算出して、それを表示しても良い。
【0069】
上述した無呼吸解析フローにおいては、呼吸曲線の振幅の変化から無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定する(ステップS64)ことに加えて、呼吸曲線の振幅の変化と周期(周波数)の変化に基づいて無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定した(ステップS65)。
【0070】
ここで、無呼吸状態と低呼吸状態とを厳密に区別することは困難であるが、一般的には、無呼吸状態の方が、低呼吸状態に比較して、無呼吸・低呼吸状態の後に呼吸回復のために行なわれる回復呼吸動作が強い傾向にある。従って、上記のステップS64は、無呼吸状態が生じ、かつその無呼吸状態の後に強い回復呼吸動作が行なわれたことを判定することを主な目的とするものである。
【0071】
しかし、低呼吸状態の場合には、その後の回復呼吸動作が相対的に小さい場合があるため、呼吸曲線の振幅の変化のみに依存したのでは、低呼吸状態を高精度に判別できない場合が生ずる。そこで本発明者は、無呼吸状態及び低呼吸状態の後に行なわれる回復呼吸動作の呼吸の速さが、通常の呼吸の速さに比較して明らかに速くなっている点に着目した。
【0072】
図10は、低呼吸状態が発生し、その後回復呼吸動作が行なわれたときの呼吸曲線の様子を示す波形図である。図10に示されるように、低呼吸状態時には、呼吸曲線の振幅が減少するとともに、周波数も低下する。そして、低呼吸状態後の回復呼吸動作時には、振幅が増大するとともに周波数も上昇する。
【0073】
従って、呼吸曲線の振幅の変化に加えて、呼吸曲線の周波数(周期)の変化も加味することにより、低呼吸状態の発生も高精度に判定できるようになる。そして、上記のステップS65は、低呼吸状態が生じ、かつその低呼吸状態の後に相対的に小さな回復呼吸動作が行なわれたことを判定することを主な目的とするものである。
【0074】
なお、上述した無呼吸解析フローでは、呼吸曲線の振幅の変化から無呼吸・低呼吸状態を判定するステップ(ステップS64)、及び呼吸曲線の振幅の変化と周期(周波数)の変化に基づいて無呼吸・低呼吸状態を判定するステップ(ステップS65)を設けていたが、ステップS64は省略しても良い。無呼吸・低呼吸状態とも、ステップS65によって判定することができるためである。さらに、周期(周波数)の変化のみに基づいて、無呼吸・低呼吸状態を判定しても良い。
【0075】
また、上述した無呼吸解析フローにおいては、呼吸曲線の3波長の振幅平均から求められる極大値及び極小値の差を判定するために、極小値に乗ずる係数として、ステップS64では2.7、ステップS65では2.0の値を用いていた。しかしながら、この係数として、1.4以上の値を用いて無呼吸・低呼吸状態の判定を行なったところ、血中酸素飽和度、口・鼻の気流、胸部の動き、腹部の動き等を検出して無呼吸・低呼吸状態を判定する確定診断装置による判定結果との相関が、0.9以上になるとの結果が出ている。従って、その係数としては1.4以上であれば良い。
【0076】
また、上述した無呼吸解析フローにおいては、呼吸曲線の3波長の振幅を平均化して振幅平均を算出した。このように複数の波長の振幅の平均を求めることにより、例えば、周期性四肢運動のように、単発的にノイズ成分として呼吸信号に作用し、その呼吸信号の振幅が大きくなった場合でも、そのノイズ成分を減衰させることができるため、呼吸信号の振幅の変化に基づき無呼吸状態等を判定する場合、その判定精度を向上できる。なお、振幅を平均化する波長の数は上述の3個に限られるものではなく、2個、もしくは4個以上の波長の振幅を平均化しても良い。さらに、個々の波長の振幅を平均化することなく、極大値として用いることができることはもちろんである。
【0077】
また呼吸曲線の周期(周波数)の変化を求める場合にも、上述したように複数波長の周期(周波数)を平均化することにより、ノイズによる誤判定を抑制できる。
【0078】
なお、判定精度の一層の向上を図るため、極大値が生じた際の呼吸信号の振幅の変化を監視し、図11に示すように、その振幅の変化が所定時間以内に収束してしまった場合には、呼吸回復のための回復呼吸動作が生じたのではなく、他の要因によるノイズと判断しても良い。これは、無呼吸状態あるいは低呼吸状態が発生した後の回復呼吸動作は、強く速い呼吸が複数回続くものであるためである。
【0079】
さらに、極小値以前の所定期間における、呼吸信号の振幅の変化傾向を監視し、単調な振幅増加傾向等、呼吸信号の振幅の低下が認められない場合には、無呼吸・低呼吸と判定しないことが好ましい。これにより、一層、無呼吸・低呼吸状態の判定制度を向上できる。
【0080】
また、上述した実施形態は、時間経過に伴う、呼吸曲線及び単位時間当たりの無呼吸・低呼吸の発生回数を表示器34に表示するものであった。しかしながら、表示器34にその他の情報を併せて表示しても良いし、その結果を所定の記憶媒体に記録したり、印刷する機能を有するものであっても良い。
【0081】
併せて表示すべき情報としては、呼吸曲線に寝返り等の体動の期間を表示したり、睡眠時の呼吸数や睡眠時間等の睡眠情報等が挙げられる。
【0082】
また、図13に示すように、胸部と腹部の荷重変化を検出する感圧素子のセンサ信号の位相の関係が、無呼吸状態では逆位相となり、低呼吸状態では同位相になる傾向にある。そこで、無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定したときの、胸部と腹部のセンサ信号の位相関係から、無呼吸状態であるのか低呼吸状態であるのかを判別し、これらを区分けして記憶及び表示しても良い。
【0083】
さらに、上述の実施形態では、呼吸曲線の周期(周波数)が低周波から高周波に変化したことを、無呼吸状態もしくは低呼吸状態の判定の1要件としていたが、呼吸曲線の周期(周波数)が高周波から低周波に変化したことを検出して、無呼吸状態もしくは低呼吸状態と判定しても良い。この場合には、無呼吸状態もしくは低呼吸状態の発生後に呼吸回復動作が行なわれて、その後、通常の呼吸動作に戻る状態を検出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての無呼吸症候群の検査装置Aを使用する際の設置状態を示す図である。
【図2】検査装置Aの概略構成図である。
【図3】図1に示す検査装置Aにおける、制御部の回路構成を示すブロック図である。
【図4】呼吸解析フローを示すフローチャートである。
【図5】体動判定フローを示すフローチャートである。
【図6】在離床判定フローを示すフローチャートである。
【図7】寝姿判定フローを示すフローチャートである。
【図8】無呼吸解析フローを示すフローチャートである。
【図9】極大値及び極小値の設定の一例を示す波形図である。
【図10】低呼吸状態が発生し、その後回復呼吸動作が行なわれたときの呼吸曲線の様子を示す波形図である。
【図11】呼吸曲線の振幅の変化が所定時間以内に収束してしまった場合の様子を示す波形図である。
【図12】表示器34における、表示の一例を示す図である。
【図13】胸部と腹部の荷重変化を検出する感圧素子のセンサ信号の位相の関係が、無呼吸状態では逆位相となり、低呼吸状態では同位相になる傾向にあることを示す波形図である
【符号の説明】
A…無呼吸症候群の検査装置A
2…シート部
3…制御部
22…センサシート
221…感圧素子
34…表示機
Claims (19)
- 就寝者の呼吸による体動に応じた、寝具に加わる荷重変化を呼吸信号として生成する呼吸信号生成手段と、
前記呼吸信号の周波数の変化に基づいて、前記就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定する判定手段とを備え、
前記判定手段は、前記呼吸信号の振幅の変化もモニタするものであり、前記呼吸信号の振幅が低下し、その後、当該呼吸信号の振幅が増大し、かつ振幅が低下した時の前記呼吸信号の周波数に対して、振幅が増大したときの呼吸信号の周波数が高くなったとき、前記呼吸信号の振幅低下状態を前記就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態と判定することを特徴とする無呼吸症候群の検査装置。 - 前記判定手段は、前記呼吸信号における複数の振幅の平均値を算出し、その平均値の差から前記呼吸信号の振幅の変化を判別することを特徴とする請求項1に記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記判定手段は、前記呼吸信号の振幅の変化比が1.4以上であったとき、前記呼吸信号の振幅が低下状態から増大状態に変化したと判別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記判定手段は、前記呼吸信号の周期が、0.5s以上短くなったとき、前記呼吸信号の周波数が低周波数から高周波数へ変化したと判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記判定手段は、前記呼吸信号の振幅が増大し、かつ周波数が高くなる期間が所定期間よりも短い場合、前記無呼吸状態もしくは低呼吸状態との判定を行なわないことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記判定手段が、前記就寝者は無呼吸状態もしくは低呼吸状態であると判定した回数を算出する算出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記就寝者の胸部と腹部における、呼吸による体動に応じた荷重変化の位相の関係に基づいて、無呼吸状態と低呼吸状態とを判別する判別手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記判別手段は、前記就寝者の胸部と腹部における、呼吸による体動に応じた荷重変化の位相が略同位相であるとき、低呼吸状態と判別し、略逆位相であるとき、無呼吸状態と判別することを特徴とする請求項7に記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記就寝者の前記寝具における荷重分布に基づいて、前記就寝者の就寝時の寝姿を判定する寝姿判定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記算出手段は、前記寝姿判定手段によって判定された寝姿別に、無呼吸状態もしくは低呼吸状態の回数を算出することを特徴とする請求項9に記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記呼吸信号生成手段による呼吸信号、前記判定手段による判定結果、前記算出手段による算出結果の少なくとも1つを記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれかに記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記記憶手段は、さらに、前記判別手段による判別結果、前記寝姿判定手段による寝姿の判定結果を記憶することを特徴とする請求項11に記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 就寝者の呼吸による体動に応じた、寝具に加わる荷重変化を呼吸信号として生成する呼吸信号生成手段と、
前記呼吸信号の周波数の変化に基づいて、前記就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定する判定手段とを備え、
前記呼吸信号生成手段は、前記就寝者の前記寝具における荷重分布が変化している間は、前記呼吸信号の生成を中止することを特徴とする無呼吸症候群の検査装置。 - 就寝者の呼吸による体動に応じた、寝具に加わる荷重変化を呼吸信号として生成する呼吸信号生成手段と、
前記呼吸信号の周波数の変化に基づいて、前記就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態を判定する判定手段と、
前記寝具に加わる荷重の状態に基づいて、前記就寝者の在離床を判別する在離床判別手段とを備え、
前記呼吸信号生成手段は、前記在離床判別手段によって離床と判別されている場合、前記呼吸信号の生成を中止することを特徴とする無呼吸症候群の検査装置。 - 前記在離床判別手段は、前記寝具の所定面積以上に荷重が加わっていない場合、離床と判別することを特徴とする請求項14に記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記在離床判別手段は、前記就寝者の呼吸による体動に応じた荷重変化が生じていない場合、離床と判別することを特徴とする請求項14に記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記呼吸信号生成手段による呼吸信号、前記判定手段による判定結果の少なくとも1つを記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項14乃至請求項16のいずれかに記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記記憶手段は、さらに、前記在離床判別手段による在離床の判別結果を記憶することを特徴とする請求項17に記載の無呼吸症候群の検査装置。
- 前記記憶手段に記憶された情報を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1 1 、請求項12、請求項17または請求項18に記載の無呼吸症候群の検査装置。
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