JP3823382B2 - シャッター用駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動シャッターにおけるシャッターカーテンの巻き取り及び巻き戻しを行う巻取軸に連動連結されたシャッター用駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動シャッターは、シャッターカーテンの巻き取り及び巻き戻しを、巻取軸に連結された駆動モータを内蔵する駆動装置によってこの巻取軸を回動させることで行うが、この駆動装置と巻取軸とは、シャッターカーテンを収納するシャッターケース内に配設されるようになっており、これら駆動装置と巻取軸とを並列させ、駆動装置の出力軸と巻取軸とをチェーンにて連結させる構成とすることで、省スペース化を図るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した巻取軸と駆動装置との配置構造では、駆動装置は、減速ギアと駆動モータを制御する制御回路基板とを備えた構成とされたユニット構造とされており、塵埃などの付着防止を目的としてこれらが露出しないように矩形箱状のケースにて覆われる構成とされ、そして、シャッターケースは、通常、長方箱状に形成されており、このシャッターケース内の巻取軸の配設位置に対して、前記駆動装置の配設位置は、シャッターケース内における巻取軸に沿った下部内隅部とされており、これにより、駆動装置のケース角部が巻取軸に近接した状態での並設となり、このシャッターケース内における駆動装置周辺のデッドスペースを大きく取ってしまう欠点があった。
【0004】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、シャッターケース内の巻取軸と駆動装置との配置関係を改善し、このシャッターケース内に形成されるデッドスペースを縮減させることの可能なシャッター用駆動装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明のシャッター用駆動装置は、シャッターカーテンSを巻き取る巻取軸9に対し並列して配設され、該巻取軸9と連動連結されて、該巻取軸9を回転駆動させる駆動軸22を有する駆動装置1であって、外側を形成するケース14の形状が、少なくとも前記巻取軸9に近接し該巻取軸9と対向する傾斜面21が長手方向に沿って有する多角柱形状に形成され、該長手方向がシャッターケース2内に配設される前記巻取軸9に沿うように該巻取軸9と並行して前記シャッターケース2の内隅部2Bに配設されており、前記巻取軸9の中心軸線から該巻取軸9に巻回される前記シャッターカーテンSの最大巻き径の半径よりやや長い距離となる位置に前記傾斜面21が位置し、前記ケース14内には、電動モータ11、減速ギア部12、制御部13が直列に収納され、該ケース14の長手方向一端側14aには、前記減速ギア部12を介して電動モータ11の出力軸に連動連結される前記駆動軸22が延出し、ケース14の長手方向他端14bには、前記制御部13に配設されているコネクタ16や端子、調節ツマミなどが表出していることを特徴とする。
なお、前記ケース14の形状は、前記傾斜面21と、前記シャッターケース2の内隅部2Bにおける両内壁面2aに当接する2面とを有する多角柱形状に形成されることとしてもよい。
また、前記ケース14は、前記シャッターケース2の底板4上に前記ケース14の底板18が対向して当接し載置状態に配置され、前記シャッターケース2の底板4と正面板5とで形成される下部内隅部2Bに位置して前記2面が当接することとしても良い。
【0006】
さらに、この発明のシャッター用駆動装置では、前記巻取軸9の前記シャッターケース2内での取付位置は、側板7板面の略中央に位置するとともに、該シャッターケース2の背面板6側の一方の上側隅部2Uにやや近接した位置とされることとしても良い。
また。前記シャッターケース2の内隅部2Bと、前記ケース14との間には、空間26が形成されることとしても良い。
【0007】
このような構成により、シャッターケース2内において、駆動装置1は、そのケース14の外形に巻取軸9に対向し近接される傾斜面21を有することから、巻取軸9と駆動装置1との間隔を縮小することが可能となり、シャッターケース2のデッドスペースが縮減され、このシャッターケース2のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるシャッター用駆動装置の実施の形態を示す側断面図である。
【0009】
まず、本発明のシャッター用駆動装置1が配設されるシャッター装置におけるシャッターケース2について説明する。
【0010】
シャッターケース2は、例えばそれぞれ略短冊矩形状の天板3,底板4,正面板5,背面板6及び略矩形状の左右側板7により略長方箱状に形成されているとともに、底板4の一部がスリット状に開口8し、図1に示すように、住宅などの建物の窓部などを構成する開口部の上縁に沿う外壁面Wに、スリット状開口8が建物開口部に近接するように固定され、この外壁面Wに水平に配設されている。
【0011】
左右の側板7には、対向する内面にそれぞれ軸受(図示せず)が配設され、巻取軸9の端部を支持するようになっており、すなわち、このシャッターケース2内に、巻取軸9が水平に渡設されるように配設される。
【0012】
なお、この巻取軸9のシャッターケース2内における取付位置は、側板7板面の略中央に位置するとともに、図1に示すように、建物の外壁面Wと接する背面板6側の一方の上側隅部2Uにやや接近した位置とされている。
【0013】
そして、この巻取軸9には従動スプロケット10が取り付けられており、後述するシャッター用駆動装置1と連動連結される。
【0014】
次に、シャッター用駆動装置1は、電動モータ11と減速ギア部12と制御部13とを備えるとともに、これらを内蔵するケース14とで構成されている。
【0015】
減速ギア部12は、電動モータ11の出力軸に連結されるギア群にて構成されており、電動モータ11の出力軸側にこの電動モータ11と略一体となるように配設されている。
【0016】
また、制御部13は、制御回路基板15を有し、この回路基板15上に、変圧器や制御回路などを構成する電子部品などが搭載されるとともに、外部の電源(商用電源)や操作スイッチなどと接続するための接続端子やコネクタ16が配設されている。そしてこの制御部13は、前記電動モータ11と電気的に接続されるようになっている。
【0017】
なお、この制御部13の制御回路基板15は、短冊状にやや長尺な長方形状に形成され、基板15上に搭載される電子部品などのうち、高さの大きい部品17は、短幅方向の中央寄りに配設される。
【0018】
そして、これら電動モータ11,減速ギア部12、及び制御部13は、ケース14に収納される。
【0019】
このケース14は、図1及び図2に示すように、その外側が、底板18,天板19,一対の側板20にて長尺な直方体状に形成されるとともに、本実施の形態では、天板19側となる上部に位置する長手方向に沿う一対の稜部が約45°の面取り角にて面取り形成されて、一対の傾斜面21を形成し、断面略六角形状に形成された六角柱形状とされている。
【0020】
そして、このケース14内に、電動モータ11,減速ギア部12及び制御部13が直列に収納される。
【0021】
ケース14の一端側半部14aには、電動モータ11と減速ギア部12とが内蔵され、減速ギア部12を介して電動モータ11の出力軸に連動連結される駆動軸22が延出しており、この駆動軸22には駆動スプロケット23が取り付けられている。
なお、この駆動スプロケット23の外径は、駆動軸22に取り付けられた状態で、ケース14の外側より突出しないよう設定される。
【0022】
また、ケース14の他端側半部14bには制御部13が配設され、図2に示すように、このケース14の底板18に沿って回路基板15が取り付けられ、この制御部13に配設されているコネクタ16や端子、調節ツマミなどがケースの他端より表出するようになっている。
【0023】
なお、この実施の形態の駆動装置1では、図1に示すように、ケース14の一方の傾斜面21には、取付片24が突設されている。
【0024】
そして、この駆動装置1は、前述したシャッターケース2の内部に配設される。
配設状態は、シャッターケース2の底板4上にケース14の底板18が対向して当接し載置状態に配置されるとともに、図1に示すように、このシャッターケース2の底板4と正面板5とで形成される下部内隅部2Bに位置し、取付片24が正面板5の内壁面2aに固定されて、かつ、長手方向が巻取軸9に沿うように、この巻取軸9と並列して配設される。
【0025】
これにより、この駆動装置1の外側を形成するケース14の上部に形成される他方の傾斜面21が、図1に示すように前記巻取軸9と対向するようになる。
なお、巻取軸9の中心軸線と、駆動軸22の中心軸線との距離は、巻取軸9に巻回されるシャッターカーテンSの最大巻径によって決定され、この最大巻径の半径よりやや長い距離となる位置に、駆動装置1の傾斜面21が位置するよう設定される。
【0026】
そして、駆動装置1の駆動スプロケット23と、巻取軸9の従動スプロケット10とは、チェーンなどの連結部材25にて連結され、駆動装置1の回転駆動力が巻取軸9に伝達される。
【0027】
従ってこのように構成されたシャッター用駆動装置によれば、外側を形成するケース14の形状を六角柱形状とし、その外側面をシャッターケース2の内隅部2Bにおける内壁面2aに当接させるとともに、傾斜形成された面21を巻取軸9に対向するように形成したので、シャッターケース2内にて、巻取軸9と駆動装置1とは互いに近接させて配設することが可能となり、すなわち、巻取軸9と駆動装置1の駆動軸22との軸間距離を短く設定することが可能となり、これにより、シャッターケース2内のデッドスペース、すなわち無駄な容積部分が縮小でき、これら巻取軸9と駆動装置1とが収容されるシャッターケース1の外形状を小型化することが可能となる。
そして、シャッターケース2の小型化を図ることが可能となることから、建物への配設状態の意匠性も良好となる。
【0028】
なお、上述した実施の形態では、駆動装置1のケース14の傾斜面21を一対で構成し、ケース14の外形を六角柱形状とした例について述べたが、この傾斜面21は、少なくとも一か所でよく、すなわち、巻取軸9に近接し対向する面21を有する構成とすればよく、図3(a)〜(e)に示すように、三角柱形状や四角柱形状,五角柱形状,六角柱形状などに形成してもよい。
【0029】
また、図4(a)〜(c)に示すように、上述した実施の形態の駆動装置1の配置状態を変え、構成させてもよい。この場合、図4(b),(c)に示すように、シャッターケース2の内隅部2Bと駆動装置1のケース14との間に空間26を形成させることで、この空間26内を電源線などを挿通させることが可能となる。
【0030】
なお、この場合も、少なくとも巻取軸9に近接し、この巻取軸9と対向する面21を有する構成とし、好ましくは、この面21と、シャッターケース2の内隅部2Bにおける内壁面2aに当接する面を有する構成とする。
【0031】
さらに、上述した実施の形態では、駆動装置1の配設位置を下部の内隅部2Bとした例について述べたが、図5に示すように、上部の内隅部2Uに配設してもよく、上記同様の効果を得ることが可能である。
【0032】
また、巻取軸に対向する面を1つの傾斜面にて構成させる例について述べたが、図6に示すように、巻取軸9に対向する面21を凹形状となる2つ以上の面にて構成させてもよい。
この場合は、駆動装置1のケース14内のスペース、すなわち容積を多く形成できることとなる。
【0033】
さらに、上述した実施の形態では、駆動装置1のケース14を1つの箱状に形成し、このケース14内に電動モータ11や減速ギア部12,制御部13を内蔵させる例について述べたが、それぞれ別体構成とし、ケース14となる外形がそれぞれ同形状とされて、互いに連結させることで、1つの駆動装置1となり、組上がった外側の形状が1つの多角柱形状とされていれば、上記同様の効果を得ることが可能である。
【0034】
また、上述した実施の形態では、シャッターケース2の形状を、矩形状の板部材3,4,5,6,7にて長方箱状に形成した例について述べたが、このシャッターケース2の外形はこれに限定されることはなく、例えば意匠性を備えた曲面を有する形状のシャッターケース等として構成した場合でも上記同様の効果を得られるものである。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるシャッター用駆動装置によれば、外側を形成するケースの形状を多角柱形状とし、その外側面の長手方向に沿う面を傾斜面とし巻取軸に近接させこの巻取軸と対向するように形成したので、シャッターケース内にて、巻取軸と駆動装置とは互いに近接させて配設することが可能となり、すなわち、巻取軸と駆動装置の駆動軸との軸間距離を短く設定することが可能となり、そして、シャッターケース内の内隅部に配設したので、これにより、シャッターケース内のデッドスペース、すなわち無駄な容積部分が縮小でき、これら巻取軸と駆動装置とが収容されるシャッターケースの外形状を小型化することが可能となる。
【0036】
また、この駆動装置のケースの外側に、巻取軸と対向する傾斜面と、シャッターケースの内隅部における内壁面に当接する2面とを形成させることで、駆動装置はシャッターケース内にて安定して配設が可能となるとともに、このシャッターケース内のデッドスペースを縮小でき、かつ、駆動装置のケース内において十分な空間を形成することができ、例えばこのケース内に配設される電子部品が、高さを有するものであってもその配設が可能となり、すなわち、スペース効率のよい駆動装置およびシャッターケースとすることが可能となる。
【0037】
さらに、シャッターケースの内隅部とケースとの間に空間を形成させることで、この空間内に電源線などを挿通させることが可能となる
そして、シャッターケースの小型化を図ることが可能となることから、このシャッターケースの建物への配設状態の意匠性も良好となり、シャッター装置としてコンパクト化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシャッター用駆動装置の実施の形態を示す側断面図
【図2】同駆動装置の概略側面図
【図3】(a)〜(e)他の実施の形態を示す側断面図
【図4】(a)〜(c)他の実施の形態を示す側断面図
【図5】他の実施の形態を示す側断面図
【図6】他の実施の形態を示す側断面図
【符号の説明】
1…駆動装置
2…シャッターケース
2a…内壁面
2B,2U…内隅部
9…巻取軸
14…ケース
21…面(傾斜面)
22…駆動軸
S…シャッターカーテン

Claims (5)

  1. シャッターカーテンを巻き取る巻取軸に対し並列して配設され、該巻取軸と連動連結されて、該巻取軸を回転駆動させる駆動軸を有する駆動装置であって、外側を形成するケースの形状が、少なくとも前記巻取軸に近接し該巻取軸と対向する傾斜面長手方向に沿って有する多角柱形状に形成され、該ケースの長手方向がシャッターケース内に配設される前記巻取軸に沿うように該巻取軸と並行して、該ケースが前記シャッターケースの内隅部に配設されており、前記巻取軸の中心軸線から該巻取軸に巻回される前記シャッターカーテンの最大巻き径の半径よりやや長い距離となる位置に前記傾斜面が位置し、前記ケース内には、電動モータ、減速ギア部、制御部が直列に収納され、該ケースの長手方向一端側には、前記減速ギア部を介して電動モータの出力軸に連動連結される前記駆動軸が延出し、ケースの長手方向他端には、前記制御部に配設されているコネクタや端子、調節ツマミが表出していることを特徴とするシャッター用駆動装置。
  2. 前記ケースの形状は、前記傾斜面と、前記シャッターケースの内隅部における両内壁面に当接する2面とを有する多角柱形状に形成されることを特徴とする請求項1記載のシャッター用駆動装置。
  3. 前記ケースは、前記シャッターケースの底板上に前記ケースの底板が対向して当接し載置状態に配置され、前記シャッターケースの底板と正面板とで形成される下部内隅部に位置して前記2面が当接することを特徴とする請求項2記載のシャッター用駆動装置。
  4. 前記巻取軸の前記シャッターケース内での取付位置は、側板板面の略中央から、該シャッターケースの背面板側の一方の上側隅部にやや接近した位置とされることを特徴とする請求項1,2,3のいずれか1つに記載のシャッター用駆動装置。
  5. 前記シャッターケースの内隅部と、前記ケースとの間には、空間が形成されることを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載のシャッター用駆動装置。
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