JP3823334B2 - 加速ポンプ装置を備えた多連式気化器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は機関に供給する混合気の濃度及びその量を制御する気化器に関し、そのうち特に気化器が複数個側方に配置され、且つ絞り弁軸の開放動作によって加速燃料を気化器に向けて吐出する加速ポンプ装置を備えた多連式気化器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直列多気筒機関に装着される気化器としては、気化器を側方に複数個配置した多連式気化器が採用され、一方機関の急加速運転時における混合気の希薄化を防止する為に加速ポンプ装置が採用される。
又、多連式気化器を構成する各気化器を連結する為、あるいは各気化器の絞り弁開度を同一開度に調整する為に連結同調装置が採用される。
具体的に従来の加速ポンプ装置を備えた多連式気化器(二連式気化器)について図3により説明する。
気化器Cは、気化器本体1と浮子室本体2とにより形成される。
気化器本体1には、吸気路3が貫通して穿設され、この吸気路3は、気化器本体1に穿設された絞り弁軸案内孔4に回転自在に支承される絞り弁軸Sに取着されたバタフライ型の絞り弁5によって開閉制御される。
浮子室本体2は気化器本体1の下方に配置されて浮子室6を形成し、この浮子室6内には、図示せぬバルブシート、フロートバルブ、浮子、等によって一定なる燃料液面が形成保持される。
かかる気化器Cは2個側方に配置されるもので、この際、それぞれの気化器の絞り弁軸Sは一直線X−X上に配置され、且つこれらの気化器は連結同調装置Dによって連結される。
連結同調装置Dは以下よりなる。
一側方A(図3において左方)側の第1気化器C1 の第1絞り弁軸S1 の他端Saにはコ字状レバー7が取着される。
このコ字状レバー7は、第1曲げ部7Aと第2曲げ部7Bとが間隙Eをもって対向して形成されるとともに図示せぬアクセルに連結される駆動用レバー7Cが一体的に形成される。
また、このコ字状レバー7には第1の絞り弁5aを閉方向に付勢する第1の絞り弁リターンスプリングR1 が取着される。一方、前記一側方A側の第1気化器C1 より他側方B(図3において右方)側の第2気化器C2の第2絞り弁軸S2の一端SbにはL字状レバー8が取着される。
このL字状レバー8は、曲げ部8Aを有するとともに第2の絞り弁5bを閉方向に付勢する第2の絞り弁リターンスプリングR2が取着される。そしてコ字状レバー7の間隙E内にL字状レバー8の曲げ部8Aが挿入配置される。
そして、コ字状レバー7の第2曲げ部7BとL字状レバー8の曲げ部8Aの下面8Bとの間に同調スプリングFが縮設され、コ字状レバー7の第1曲げ部7Aには、L字状レバー8の曲げ部8Aの上面8Cに当接する同調スクリューGが螺着される。
又、一側方A側の第1気化器C1は駆動用レバー7Cを備えることから駆動用気化器となり、他側方B側の第2気化器C2は駆動用気化器によって開放操作される被駆動用気化器となる。
加速ポンプ装置Pは以下によって形成される。
10は筐体をポンプ室11と大気室12とに区分する区画体であり、ポンプ室11内には、吸入側逆止弁22を備えた加速燃料流入路13と、吐出側逆止弁14を備えた加速燃料吐出路15と、が開口し、更に区画体10を大気室12側に押圧する加速ポンプスプリング16が縮設される。
尚、加速燃料流入路13は浮子室6等の燃料源に連なり、加速燃料吐出路15は、第1気化器C1及び第2気化器C2の吸気路3内に開口する。
そして、区画体10にはポンプロッド17の一端が当接するもので、ポンプロッド17の他端は他側方B側の第2気化器C2の絞り弁軸S2の他端Saに取着されたポンプレバー18に取着され、これによると、絞り弁5bの開放動作に伴う第2絞り弁軸S2の開方向の回転により、ポンプレバー18、ポンプロッド17が移動して区画体10を加速ポンプスプリング16のバネ力に抗してポンプ室11側へ押圧し、ポンプ室11内の加速燃料を、加速燃料吐出路15を介して吸気路3内へ噴射供給する。
【0003】
そして、一側方A側の第1気化器C1 と他側方B側の第2気化器C2の第1絞り弁5aと第2絞り弁5bの絞り弁開度を同調するには、同調スクリューGを回転することによって行なわれる。
又、一側方A側の第1気化器C1 の駆動用レバー7Cを運転者が開放操作することによると、駆動用レバー7Cの回転力は、同調スプリングGのバネ力によって生ずる作動トルクが一側方A側の第1気化器C1のコ字状レバー7から他側方B側の第2気化器C2のL字状レバー8に伝達され、もってそれぞれの絞り弁5a,5bが同期的に開放される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、機関にあっては、その出力向上の為に4気筒機関あるいは6気筒機関が良く採用され、更にはカムチェーンを気筒の外側に配置することによって気筒間のピッチを縮少することが行なわれ、これによると多連式気化器を構成する各気化器の連装ピッチが縮少されることになる。
以上によると多連式気化器の駆動用レバーを隣接する気化器の間から気化器の外側方に配置することが望まれる。
従って、一側方A側には駆動用レバーを備えた駆動用気化器が配置され、この駆動用気化器の他側方B側に3個(4連式気化器の場合)あるいは5個(6連式気化器の場合)の被駆動用気化器が配置されることになる。
そして隣接する各気化器の絞り弁軸が連結同調装置によって連結されるとともに被駆動用気化器にはそれぞれ絞り弁を閉方向に付勢する絞り弁リターンスプリングが配置され、更に被駆動用気化器の絞り弁軸に加速ポンプ装置のポンプロッドに連結されるポンプレバーを設ける必要がある。
【0005】
本発明は、一側方に駆動用レバーが取着された駆動用気化器としての第1気化器が配置され、第1気化器の他側方に、複数の被駆動用気化器としての第2気化器、第3気化器、第4気化器が配置され、それら隣設する各気化器の絞り弁軸の対向端に連結同調装置が配置され、且つ加速ポンプ装置を備えたものにおいて、特に連結同調装置の当接部の摩耗を抑止できる加速ポンプ装置を備えた多連式気化器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
本発明は上記目的を達成する為に、単一の気化器が、一側方から他側方に向けて、第1気化器、第2気化器、第3気化器、第4気化器と側方に4個配置されるとともに第1気化器の第1絞り弁軸、第2気化器の第2絞り弁軸、第3気化器の第3絞り弁軸、第4気化器の第4絞り弁軸が一直線X−X上に配置される多連式気化器と;
第1曲げ部と第2曲げ部とが間隙をもって対向配置され、第1絞り弁軸の他端に取着されるコ字状レバーと、曲げ部を有し、第2絞り弁軸の一端に取着されるL字状レバーと、L字状レバーの曲げ部がコ字状レバーの前記間隙内に挿入配置され、L字状レバーの曲げ部の下方とコ字状レバーの第2曲げ部との間に縮設配置される第1同調スプリングと、コ字状レバーの第1曲げ部に螺着され、
L字状レバーの上面に当接配置される第1同調スクリューと、により形成される第1連結同調装置と;
第1曲げ部と第2曲げ部とが間隙をもって対向配置され、第2絞り弁軸の他端に取着されるコ字状レバーと、曲げ部を有し、第3絞り弁軸の一端に取着されるL字状レバーと、L字状レバーの曲げ部がコ字状レバーの前記間隙内に挿入配置され、L字状レバーの曲げ部の下方とコ字状レバーの第2曲げ部との間に縮設配置される第2同調スプリングと、コ字状レバーの第1曲げ部に螺着され、
L字状レバーの上面に当接配置される第2同調スクリューと、により形成される第2連結 同調装置と;
第1曲げ部と第2曲げ部とが間隙をもって対向配置され、第3絞り弁軸の他端に取着されるコ字状レバーと、曲げ部を有し、第4絞り弁軸の一端に取着されるL字状レバーと、L字状レバーの曲げ部がコ字状レバーの前記間隙内に挿入配置され、L字状レバーの曲げ部の下方とコ字状レバーの第2曲げ部との間に縮設配置される第3同調スプリングと、コ字状レバーの第1曲げ部に螺着され、
L字状レバーの上面に当接配置される第3同調スクリューと、により形成される第3連結同調装置と;
区画体によってポンプ室と大気室とに区分され、
ポンプ室内には区画体を大気室側に押圧する加速ポンプスプリングと、吸入側逆止弁を備えた加速燃料流入路と、吐出側逆止弁を備えた加速燃料吐出路とが開口し、絞り弁軸の開放回転動作がポンプロッドを介して区画体に伝達されてポンプ室を圧縮し、加速燃料吐出路を介して加速燃料を気化器に向けて噴射する加速ポンプ装置と;を備えた多連式気化器において、
もっとも一側方Aにある第1気化器 の第1絞り弁軸 の一端には、運転者によって操作される駆動用絞り弁レバーを取着するとともにもっとも他側方にある第4気化器の第4絞り弁軸の他端にポンプロッドに連結されるポンプレバーを取着し、
更に前記第1同調スプリング、第2同調スプリング、第3同調スプリングのバネ力を、第1同調スプリングのバネ>第2同調スプリングのバネ力>第3同調スプリングのバネ力としたことを特徴とする。
【0007】
【作用】
第1気化器の第1絞り弁軸に取着された駆動用絞り弁レバーが運転者によって開放されると、第1絞り弁軸の回転が第1連結同調装置により第2気化器の第2絞り弁軸に伝達され、第2絞り弁軸の回転が第2連結同調装置により第3気化器の第3絞り弁軸に伝達され、第3絞り弁軸の回転が第3連結同調装置により第4気化器の第4絞り弁軸に伝達され、これによって全ての気化器の絞り弁を同期的に全開状態に保持でき、このとき第4気化器の第4絞り弁軸に取着されたポンプレバーの回転がポンプロッドを介して加速ポンプ装置を作動し、加速ポンプ装置のポンプ作動を行なうことができる。
そして、上記各連結同調装置において、同調スプリングとそれに当接するL字状レバー、コ字状レバーの当接部の摩耗を抑止できる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図1,図2により説明する。
図1は要部縦断面図、図2は、図1のY−Y線における縦断面図、である。
本実施例は、4連式気化器を示すもので、図3と同一構造部分は同一符号を使用し説明を省略する。
単一の気化器Cは図3と同一であり、一側方Aから他側方Bに向けて、側方に4個配置される。
便宜上、一側方Aより他側方Bに向けて第1気化器C1 、第2気化器C2、第3気化器C3、第4気化器C4と呼ぶ。
それぞれの気化器には、絞り弁軸案内孔4に回転自在に支承される第1絞り弁軸S1、第2絞り弁軸S2、第3絞り弁軸S3、第4絞り弁軸S4が配置され、これらの絞り弁軸S1〜S4は同一直線X−X上に配置される。
そして、各気化器C1〜C4の吸気路3は、各絞り弁軸S1〜S4に取着される第1絞り弁5a、第2絞り弁5b、第3絞り弁5c、第4絞り弁5dによって開閉制御される。
【0009】
第1気化器C1の第1絞り弁軸S1の一側方Aの一端Sbには、運転者によって操作される駆動用レバー20が取着され、他側方Bの他端Saには、第1曲げ部7A、第2曲げ部7Bを有するコ字状レバー7が取着される。
又、駆動用絞り弁レバー20には、第1絞り弁5aを閉方向に付勢する第1絞り弁リターンスプリング21Aが係止される。
【0010】
第1気化器C1の他側方Bに隣接する第2気化器C2第2絞り弁軸S2の一端Sbには、曲げ部8Aを有するL字状レバー8が取着され、この曲げ部8Aは第1気化器C1のコ字状レバー7の間隙E内に配置される。
そして、コ字状レバー7の第2曲げ部7BとL字状レバー8の曲げ部8Aの下面8Bとの間に第1同調スプリングF1 が縮設され、第1曲げ部7AにはL字状レバー8の曲げ部8Aの上面8Cに当接する第1同調スクリューG1が螺着される。以上のコ字状レバー7、L字状レバー8によって第1連結同調装置D1が形成され、この第1連結同調装置D1によって第1気化器C1の第1絞り弁軸S1と第2気化器C2の第2絞り弁軸S2が連結されて同調される。
尚、21Bは第2絞り弁5bを閉方向に付勢する第2絞り弁リターンスプリングであり、L字状レバー8に一端が係止された。
【0011】
第2気化器C2の他側方Bに隣接する第3気化器C3の第3絞り弁軸S3の一端Sbには、曲げ部8Aを有するL字状レバー8が取着され、この曲げ部8Aは第2気化器C2のコ字状レバー7の間隙E内に配置される。
そして、コ字状レバー7の第2曲げ部7BとL字状レバー8の曲げ部8Aの下面8Bとの間に第2同調スプリングF2が縮設され、第1曲げ部7AにはL字状レバー8の曲げ部8Aの上面8Cに当接する第2同調スクリューG2が螺着される。
以上のコ字状レバー7、L字状レバー8によって第2連結同調装置D2が形成され、この第2連結同調装置D2によって第2気化器C2の第2絞り弁軸S2と第3気化器C3の第3絞り弁軸S3とが連結されて同調される。
尚、21Cは第3絞り弁5cを閉方向に付勢する第3絞り弁リターンスプリングであり、L字状レバー8に一端が係止される。
【0012】
第3気化器C3の他側方Bに隣接する第4気化器C4の第4絞り弁軸S4の一端Sbには、曲げ部8Aを有するL字状レバー8が取着され、この曲げ部8Aは第3気化器C3のコ字状レバー7の間隙E内に配置される。
そして、コ字状レバー7の第2曲げ部7BとL字状レバー8の曲げ部8Aの下面8Bとの間に第3同調スプリングF3が縮設され、第1曲げ部7AにはL字状レバー8の曲げ部8Aの上面8Cに当接する第3同調スクリューG3が螺着される。
以上のコ字状レバー7、L字状レバー8によって第3連結同調装置D3が形成され、この第3連結同調装置D3によって第3気化器C3の第3絞り弁軸S3と第4気化器C4の第4絞り弁軸S4とが連結されて同調される。
尚、21Dは第4絞り弁5dを閉方向に付勢する第4絞り弁リターンスプリングであり、L字状レバー8に一端が係止される。
【0013】
そして、加速ポンプ装置Pのポンプロッド17は、第4気化器C4の第4絞り弁軸S4の他端Saに取着されたポンプレバー18に連結される。
【0014】
以上によると、もっとも一側方A(図1においてもっとも左方)にある第1気化器C1には駆動用絞り弁レバー20が配置されたことによって駆動用気化器となり、第1気化器C1より他側方B(図1において右方)にある第2気化器C2、第3気化器C3、第4気化器C4は被駆動用気化器となる。
又、第1気化器C1の第1絞り弁軸S1と第2気化器C2の第2絞り弁軸S2とは第1連結同調装置D1によって連結され、第2気化器C2の第2絞り弁軸S2
と第3気化器C3の第3絞り弁軸S3とは第2連結同調装置D2によって連結され、第3気化器C3の第3絞り弁軸S3と第4気化器C4の第4絞り弁軸S4とは第3連結同調装置D3によって連結される。
【0015】
かかる構成よりなる本発明の加速ポンプ装置を備えた多連式気化器において、連結同調装置における同調スプリングは以下のように決定される。
まず、第2気化器C2、第3気化器C3、第4気化器C4の各絞り弁リターンスプリング21B,21C,21Dのバネ力は、第1気化器C1の駆動用絞り弁レバー20による開放操作力が解除された際において、迅速に各絞り弁5a,5b,5cを閉塞位置に復帰させる閉方向トルクを各絞り弁軸S2,S3,S4に付与する必要がある。
一方、この絞り弁リターンスプリング21B,21C,21Dのバネ力を無用に強く設定した場合、閉方向トルクを充分に備えることができる反面、駆動用絞り弁レバー20による開放操作時において極めて強い開放操作力が必要となるもので、特に二輪車用機関の如く、加速、減速運転が連続して行なわれるものにあっては運転者の疲労が増して好ましいものでなく、更には、絞り弁軸と絞り弁軸案内孔との摩擦力が大となりそれらの回転支承部における摩耗が発生して好ましいものでない。
ここで本願発明者は、絞り弁リターンスプリング21B,21C,21Dのバネ力と絞り弁の閉方向戻り特性について種々のテストを行なった結果、絞り弁の全開時において、絞り弁軸に対し5.346kg,mmの閉方向トルクを作用させるバネ力を有する絞り弁リターンスプリングが好ましいことを確認した。
そして、かかる閉方向トルクを絞り弁軸に対して付与した際において、絞り弁軸と絞り弁軸案内孔との間に0.8kg,mmの摩擦力が作用することも合わせて確認した。
【0016】
一方、加速ポンプ装置Pの加速ポンプスプリング16のバネ力にあっては、ポンプ室11に対する圧縮特性及びポンプ室11に対する吸入特性の鑑定からそのバネ力が選定され、絞り弁軸、具体的には第4絞り弁軸S4 に対し8.74kg,mmの閉方向トルクを発生させる加速ポンプスプリング16が選定された。
この加速ポンプスプリング16が強いと駆動用絞り弁レバー20の開放操作力が重くなるばかりか、加速燃料の出に遅れが生じ、一方弱いとポンプ室11内への燃料の吸入が遅れ、連続加速運転時において充分な加速燃料を吐出できないという不具合を生ずる。
【0017】
尚、駆動用絞り弁レバー20が取着された第1気化器C1における第1絞り弁リターンスプリング21Aの閉方向トルク、及び第1絞り弁軸S1における絞り弁軸案内孔4との摩擦力については、何等の制約を受けない。
これは駆動用絞り弁レバー20が運転によって機械的に操作されることによる。
【0018】
前記に基づき同調スプリングのバネ力を具体的に説明すると、第1連結同調装置D1の第1同調スプリングF1によって生起する作動トルクは、第2絞り弁リターンスプリング21B、第3絞り弁リターンスプリング21C、第4絞り弁リターンスプリング21Dによって生起する閉方向トルクの合計16.038kg,mm(5.346kg,mm×3=16.038kg,mm);と第2絞り弁軸S2、第3絞り弁軸S3、第4絞り弁軸S4、と各絞り弁軸受孔4との間に生起する摩擦力の合計2.4kg,mm(0.8kg,mm×3=2.4kg,mm)と、加速ポンプスプリング16が加速ポンプレバー18を介して第4気化器C4の第4絞り弁軸S4に作用する閉塞トルク8.74kg,mmと;を合計した閉方向トルク27.178kg,mmより大きく設定する。
例えば、この第1同調スプリングF1としてセット荷重2.476kgを有するバネを用い36.84kg,mmの閉方向トルクとする。
以上によると、第1気化器C1の駆動用絞り弁レバー20を開方向に操作した際、第1同調スプリングF1によって36.84kg,mmの閉方向トルクが第2,第3,第4気化器C2,C3,C4に作用するもので、このとき第2気化器C2〜第4気化器C4に生起する閉方向トルクの合計が27.178kg,mmであるので、第1気化器C1と、第2気化器C2〜第4気化器C4の各絞り弁を同期的にして且つ正確に全開状態に開放でき、更に又、加速ポンプ装置Pの動作も良好に行なうことができる。
【0019】
次に、第2連結同調装置D2の第2同調スプリングF2によって生起する作動トルクは、第3絞り弁リターンスプリング21C、第4絞り弁リターンスプリング21Dによって生起する閉方向トルクの合計10.692kg,mm(5.346kg,mm×2=10.692kg,mm);と第3絞り弁軸S3、第4絞り弁軸S4、と絞り弁軸受孔4との間に生起する摩擦力の合計1.6kg,mm(0.8kg,mm×2=1.6kg,mm)と、加速ポンプスプリング16が加速ポンプレバー18を介して第4気化器C4 の第4絞り弁軸S4 に作用する閉塞トルク8.74kg,mmと;を合計した閉方向トルク21.032kg,mmより大きく設定する。
例えば、この第2同調スプリングF2として第1同調スプリングF1と同一バネを用いセット荷重2.476kg、36.84kg,mmの閉方向トルクとする。
以上によると、第1気化器C1の駆動用絞り弁レバー20を開方向に操作した際、第2同調スプリングF2によって36.84kg,mmの閉方向トルクが第3,第4気化器C3,C4に作用するもので、このとき第3気化器C3,第4気化器C4に生起する閉方向トルクの合計が21.032kg,mmであるので、第1気化器C1と、第3気化器C3,第4気化器C4の各絞り弁を同期的にして且つ正確に全開状態に開放でき、更に又、加速ポンプ装置Pの動作も良好に行なうことができる。
【0020】
次に、第3連結同調装置D3の第3同調スプリングF3によって生起する作動トルクは、第4絞り弁リターンスプリング21Dによって生起する閉方向トルク5.346kg,mm と第4絞り弁軸S4と絞り弁軸受孔4との間に生起する摩擦力0.8kg,mmと、加速ポンプスプリング16が加速ポンプレバー18を介して第4気化器C4の第4絞り弁軸S4に作用する閉塞トルク8.74kg,mmと;を合計した閉方向トルク14.886kg,mmより大きく設定する。
例えば、この第3同調スプリングF3として第1同調スプリングF1と同一バネを用いセット荷重2.476kg、36.84kg,mmの閉方向トルクとする。
以上によると、第1気化器C1の駆動用絞り弁レバー20を開方向に操作した際、第3同調スプリングF3によって36.84kg,mmの閉方向トルクが第4気化器C4に作用するもので、このとき第4気化器C4に生起する閉方向トルクの合計が14.886kg,mmであるので、第1気化器C1と、第4気化器C4の絞り弁を同期的にして且つ正確に全開状態に開放でき、更に又、加速ポンプ装置Pの動作も良好に行なうことができる。
【0021】
尚、前記実施例における第1、第2、第3同調スプリングのバネ力F1、F2、F3、いいかえると閉方向トルクは全て同一としたものであるが、そのバネ力(閉方向トルク)を、前述した条件の範囲内において第1同調スプリングF1>第2同調スプリングF2>第3同調スプリングF3とすることができるもので、これによると同調スプリングのバネ力を第1気化器C1から他側方Bへ離れる第2気化器C2、第3気化器C3、第4気化器C4に向かうにつれ順次弱めることができ、これによると、同調スプリングとL字状レバー8の曲げ部8Aと、コ字状レバー7の第2曲げ部7Bとの接点部における摩耗を減少でき、更には、この部への同調スプリングの圧縮組付け性を向上できる。
【0022】
【発明の効果】
以上の如く、本発明になる加速ポンプ装置を備えた多連式気化器によると、第1気化器の駆動用絞り弁レバーを操作することによって第2気化器、第3気化器、第4気化器の絞り弁を同期的にして且つ確実に全開状態へと開放しうるものであり、絞り弁の全開開放に対する遅れがなく正確な全開状態を得ることができる。
又、前記駆動用絞り弁レバーの開放操作と同期して加速ポンプ装置を作動できるもので加速性の安定向上に寄与しうる。
又、特に連結同調装置における同調スプリングとL字状レバー、コ字状レバー、の当接部の摩耗を抑止できたもので連結同調装置の摩耗を大きく低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加速ポンプ装置を備えた多連式気化器の一実施例を示す縦断面図。
【図2】 図1のY−Y線における縦断面図。
【図3】 従来の加速ポンプ装置を備えた多連式気化器の縦断面図。
【符号の説明】
A 一側方
B 他側方
C 気化器
D 連結同調装置
E 間隙
F 同調スプリング
7 コ字状レバー
7A 第1曲げ部
7B 第2曲げ部
8 L字状レバー
8A 曲げ部
P 加速ポンプ装置
S 絞り弁軸
C1 駆動用気化器
C2 ,C3 ,C4 被駆動用気化器
20 駆動用絞り弁レバー
21 絞り弁リターンスプリング
Claims (1)
- 単一の気化器Cが、一側方Aから他側方Bに向けて、第1気化器C1、第2気化器C2、第3気化器C3、第4気化器C4と側方に4個配置されるとともに第1気化器C1の第1絞り弁軸S1、第2気化器C2の第2絞り弁軸S2、第3気化器C3の第3絞り弁軸S3、第4気化器C4の第4絞り弁軸S4が一直線X−X上に配置される多連式気化器と;
第1曲げ部7Aと第2曲げ部7Bとが間隙Eをもって対向配置され、第1絞り弁軸S1の他端Saに取着されるコ字状レバー7と、曲げ部8Aを有し、第2絞り弁軸S2の一端Sbに取着されるL字状レバー8と、L字状レバー8の曲げ部8Aがコ字状レバー7の前記間隙E内に挿入配置され、L字状レバー8の曲げ部8Aの下方8Bとコ字状レバー7の第2曲げ部7Bとの間に縮設配置される第1同調スプリングF1と、コ字状レバー7の第1曲げ部7Aに螺着され、
L字状レバー8の上面8Cに当接配置される第1同調スクリューG1と、により形成される第1連結同調装置D1と;
第1曲げ部7Aと第2曲げ部7Bとが間隙Eをもって対向配置され、第2絞り弁軸S2の他端Saに取着されるコ字状レバー7と、曲げ部8Aを有し、第3絞り弁軸S3の一端Sbに取着されるL字状レバー8と、L字状レバー8の曲げ部8Aがコ字状レバー7の前記間隙E内に挿入配置され、L字状レバー8の曲げ部8Aの下方8Bとコ字状レバー7の第2曲げ部7Bとの間に縮設配置される第2同調スプリングF2と、コ字状レバー7の第1曲げ部7Aに螺着され、
L字状レバー8の上面8Cに当接配置される第2同調スクリューG2と、により形成される第2連結同調装置D2と;
第1曲げ部7Aと第2曲げ部7Bとが間隙Eをもって対向配置され、第3絞り弁軸S3の他端Saに取着されるコ字状レバー7と、曲げ部8Aを有し、第4絞り弁軸S4の一端Sbに取着されるL字状レバー8と、L字状レバー8の曲げ部8Aがコ字状レバー7の前記間隙E内に挿入配置され、L字状レバー8の曲げ部8Aの下方8Bとコ字状レバー7の第2曲げ部7Bとの間に縮設配置される第3同調スプリングF3と、コ字状レバー7の第1曲げ部7Aに螺着され、
L字状レバー8の上面8Cに当接配置される第3同調スクリューG3と、により形成される第3連結同調装置D3と;
区画体10によってポンプ室11と大気室12とに区分され、
ポンプ室11内には区画体10を大気室12側に押圧する加速ポンプスプリング16と、吸入側逆止弁22を備えた加速燃料流入路13と、吐出側逆止弁14を備えた加速燃料吐出路15とが開口し、絞り弁軸Sの開放回転動作がポンプロッド17を介して区画体10に伝達されてポンプ室11を圧縮し、加速燃料吐出路15を介して加速燃料を気化器に向けて噴射する加速ポンプ装置Pと;を備えた多連式気化器において、
もっとも一側方Aにある第1気化器C1 の第1絞り弁軸S1 の一端Sbには、運転者によって操作される駆動用絞り弁レバー20を取着するとともにもっとも他側方Bにある第4気化器C4の第4絞り弁軸S4の他端Saにポンプロッド17に連結されるポンプレバー18を取着し、
更に前記第1同調スプリングF1、第2同調スプリングF2、第3同調スプリングF3のバネ力を、第1同調スプリングF1のバネ>第2同調スプリングF2のバネ力>第3同調スプリングF3のバネ力としたことを特徴とする加速ポンプ装置を備えた多連式気化器。
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JP03754095A JP3823334B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 加速ポンプ装置を備えた多連式気化器 |
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JPH08210188A JPH08210188A (ja) | 1996-08-20 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102392759A (zh) * | 2011-12-05 | 2012-03-28 | 成都恒高机械电子有限公司 | 一种化油器 |
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1995
- 1995-02-02 JP JP03754095A patent/JP3823334B2/ja not_active Expired - Fee Related
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