JP3822001B2 - コネクタボックス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコネクタボックスに関するものである。
【0002】
【発明の背景】
近年、小型化技術の進歩により情報処理機器、とりわけノート型パーソナルコンピュータ等の小型情報処理機器、あるいは可搬型情報処理機器の処理性能が向上しており、これに伴い、その用途も多様になってきている。これらの小型情報処理機器にあっては、移動性、あるいは可搬性に対する要求が高いために装置の小型化が強く求められるものであり、小型化のために、情報処理機器には中央演算処理部と必要な入出力装置のみを搭載し、このほかの機能は追加的に外部接続装置として装置に連結して使用する使用態様が取られる。
【0003】
コネクタボックスは主として情報処理機器の可搬性、小型化の要求と、外部接続装置の接続可能性(拡張性)を同時に満たすもので、必要時に情報処理機器に連結され、外部接続装置への接続コネクタを提供する。コネクタボックスを介した外部接続装置の接続を採用することにより、上述したように、情報処理機器の小型化と拡張性の向上が図られるだけでなく、外部接続装置の接続操作性の改善ももたらされる。すなわち、情報処理機器に予め形成されたコネクタに個別に外部接続装置を接続する場合に比して、予め外部接続装置をコネクタボックスに接続しておけば、コネクタボックスのみの情報処理機器への着脱によりすべての外部接続装置の接続、分離を一度に行うことができる。この結果、例えば、オフィス外では可搬型情報処理機器を単体状態で情報収集装置として使用し、オフィス内では予めプリンタ等の出力装置、あるいはメインコンピュータ装置に接続されたコネクタボックスを連結するだけで、紙媒体へのデータの出力、あるいはメインコンピュータへのデータ移送を行うことが可能になる。
【0004】
また、各種信号系を扱う複数のコネクタの接続ピンを一個のコネクタにまとめ、情報処理機器側に配置するように構成された場合には、情報処理機器に複数のコネクタを配置する必要がなく、より小型化が可能になるという利点もある。また、コネクタボックスは、I/Oボックスやポートリプリケータと称されることもある。
【0005】
【従来の技術】
携帯性に優れ、かつ、外部拡張にも優れた可搬型情報処理装置としては、従来、特開平10-116133号公報記載のものが知られている。
【0006】
この従来例において、情報処理装置は下部筐体に上部筐体(表示部)を開き戸式に回転自在に連結して構成されるノート型パーソナルコンピュータで、不使用時には、上部筐体を下部筐体上に積層させるように回転させることにより机上等での専有面積を小さくしたり、あるいは可搬性を確保することができる。下部筐体の背面には外部キーボード、マウス、あるいはCRT、液晶表示装置等の外部表示装置、さらには、プリンタ等への接続部を同一のコネクタケース内に収容した特別の接続コネクタが配置され、外部接続装置はコネクタボックスを介して小型情報処理機器に接続される。
【0007】
コネクタボックスは情報処理機器側のコネクタの形成面に対応する接続面と、該接続面に対向する対向面とを有して矩形ボックス形状に形成され、接続面に情報処理機器側のコネクタにプラグイン接続される対応コネクタが、対向面には外部接続装置へのコネクタが複数設けられる。上記対応コネクタの両側には、情報処理機器側に設けられたガイド穴に嵌合可能なガイドピンと締結体が設けられ、ガイド穴により所定位置に導かれた対応コネクタは、締結体の締結作用により情報処理機器側のコネクタからの脱離が防止される。
【0008】
締結体は、ねじ部を先端に備えたネジ棒部と、ネジ棒部を軸方向に摺動可能に収容する本体部と、本体部内に装着されてネジ棒部を外方に付勢する圧縮コイルバネとから構成される。ネジ棒部と本体部とは回転方向に一体とされており、ネジ棒部は本体部への回転操作により回転する。締結体によるコネクタボックスの情報処理機器への固定は、本体部を操作してネジ棒部を情報処理機器側の雌ネジ部にねじ込んで行われ、ねじ込み操作により圧縮スプリングは縮退してネジ山同士の接触部に初期応力を付与し、緩み止めが行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来例はコネクタボックスの情報処理機器への着脱に、締結体のねじ込み操作が必要なために、着脱操作が面倒である上に、締結体のねじ込みを忘れて運用していると、情報処理機器を机上で動かした時にコネクタが脱離してしまうという欠点がある。
【0010】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたもので、操作信頼性が高く、かつ、着脱操作が簡単なコネクタボックス、およびこれを連結した情報処理装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記目的は、
情報処理機器2に設けられた機器側コネクタ3に接続される装置接続用コネクタ1と、
前記情報処理機器2に係脱する係合部5と、
該係合部5を情報処理機器2との係合解除方向に駆動操作可能な操作部7とを備え、
装置接続用コネクタ1の機器側コネクタ3への接続により外部接続装置の配線を情報処理機器2に連結させるとともに、係合部5の係合により前記コネクタ1、3同士の接続状態を維持するコネクタボックスであって、
飛び出し状態で情報処理機器2の対応面を押圧し、コネクタ1、3同士を接続解除方向に相対移動させる解除子6を有し、
該解除子6は、操作部7への係合部5係合解除方向への操作力を受けて前記飛び出し方向に駆動され
かつ、前記操作部7への操作力を解除子6に伝達する中継レバー18を有し、
前記操作部7は、カム面7cと操作突起7dが設けられた回転操作自在なプレート体により形成され、
前記係合部5は、回転自在な一対のフック部材15の先端を爪形状にして形成され、
操作部7の操作によりカム面7cを回転させてフック部材15後端側に形成される押圧面15bを押圧し、係合部5を係合解除方向に回転させるとともに、操作部7の操作ストローク終端近傍において中継レバー18先端に形成される操作部対応突起18cに操作突起7dを衝接させ、中継レバー18の他端に形成される解除子対応突起18bにより解除子6を押し出し、情報処理機器2側に飛び出させるコネクタボックスを提供することにより達成される。
【0012】
コネクタボックスの係合部5は機器側コネクタ3と装置接続用コネクタ1が嵌合した状態で情報処理に装置に係合しており、両コネクタの嵌合状態を維持する。
【0013】
操作部7は上記係合部5を係合解除方向に操作し、かつ、解除子6を飛び出し状態に操作することが可能であり、情報処理機器2への連結状態で操作部7を操作すると、係合部5が解除されるとともに、解除子6は飛び出し方向に移動する。解除子6は飛び出し状態に移行する途上で情報処理機器2の対応面、すなわち、機器側コネクタ3が設けられる面を押圧することによってコネクタボックス4をコネクタ同士の嵌合解除方向に移動させる。
【0014】
したがってこの発明によれば、例えば机上で情報処理機器2を動かした場合でも、不用意にコネクタが脱離することがなくなり、接続信頼性が向上する。また、情報処理機器2からの取り外し操作は、操作部7を操作するだけで行うことができるために、操作が簡単になる。
【0015】
なお、本発明によるコネクタボックス4は、情報処理機器2に接続されて外部接続装置への接続用コネクタを提供する機能を有していれば足り、通常、I/Oボックス、ポートリプリケータと呼ばれる装置も含まれる。また、外部接続装置への接続用コネクタを有するならば、内部に例えばバッテリ、あるいは通信用回路、外部記憶装置等が収容されるものも含まれる。さらに、使用対象となる情報処理機器2は少なくとも入出力、およびデータ処理ができるものであればデスクトップ型パーソナルコンピュータを始めとして、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型コンピュータ、携帯型情報端末、携帯型情報処理装置、携帯端末等と呼ばれる各種の可搬型情報処理機器2が含まれる。
【0016】
また、本発明による係合部5は少なくともコネクタ同士の嵌合状態を維持可能な程度の連結強度で情報処理機器2との連結が確保されるものであれば足りるが、コネクタの嵌合操作に伴って情報処理機器2に弾発的に係合するように構成した場合には、コネクタボックス4を情報処理機器2に押し付けるだけで情報処理機器2への装着が可能になるために、装着操作性を向上させることができる。さらに、解除子6は情報処理機器2の対応面を押圧し、コネクタボックス4をコネクタの嵌合解除方向に移動させることができれば種々の構成を取ることができるが、装置接続用コネクタ1の嵌合方向に進退可能に構成する場合には、コネクタの脱離時にコンタクトピンに曲げ方向の力が加わらないために、ピン曲がり等を防止できる。操作部7の操作方向はスライド式、プッシュ式、プル式、回転式等適宜決定可能であるが、回転式にすると、レバー比を有効に利用でき、小さな操作力でコネクタの離脱を行うことが可能になる。
【0017】
さらに、コネクタボックス4に連結手段8を設けた場合には、用途によって係合部5のみによる簡易な接続と、連結手段8による強固な接続を選択して利用することが可能になり、自由度が向上する。
【0018】
上述したコネクタボックス4を使用することにより、
機器側コネクタ3が設けられた情報処理機器2と、
係合部5により前記情報処理機器2に分離可能に連結されて連結状態において機器側コネクタ3に接続する装置接続用コネクタ1が形成されるとともに、前記係合部5を係合解除方向に駆動させる操作部7が形成されたコネクタボックス4とからなり、
該コネクタボックス4に形成された外部接続用コネクタ9を介して外部接続装置を情報処理機器2に接続可能な情報処理装置であって、
前記コネクタボックス4には、情報処理機器2側に突出して機器側コネクタ3と装置接続用コネクタ1を接続解除する解除子6が形成され、
該解除子6は、操作部7への係合部5係合解除方向への操作力を受けて前記突出方向に駆動され
かつ、前記係合部5は水平回転自在な一対のフック部材15の先端を爪形状にして形成され、
前記操作部7には回転操作によりフック部材15後端側に形成される押圧面15bを押圧し、係合部5を係合解除方向に回転させるカム面7cが形成される情報処理装置を得ることができ、この場合、
前記情報処理機器2は下部筐体2aに表示部2bを起立、重合操作可能に連結して形成されるとともに、操作部7は起立状態にある表示部2bの背面に配置することにより操作信頼性を向上させることができる。すなわち、操作部7は表示部2bを起立させて情報処理機器2を使用している状態では表示部2bに隠れて操作しづらいために、外部接続装置とのアクセス中における不用意なコネクタボックス4の離脱操作が行われることがなくなる。とりわけ、この種情報処理機器2においては、表示部2bを下部筐体2aに重ねた状態でサスペンドモードに自動的に移行するように構成されるために、表示部2bを下部筐体2a上に重ね合わせた状態ではケーブルの挿抜が可能な状態となっており、この状態で操作部7が使用者に見える状態となる本発明においては外部接続装置が活性挿抜に対応していなくても、安全な挿抜可能タイミングを利用者に正確に知らせることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、情報処理装置は、情報処理機器2にコネクタボックス4を連結して構成される。この実施の形態において情報処理機器2はノート型パーソナルコンピュータ等の可搬型情報処理機器であり、下部筐体2aの一端縁に表示部2bを回動自在に連結して構成される。
【0020】
下部筐体2aの表面には手前側にパームレスト部2cが形成され、その中央部にクリックボタン2dが配置される。また、下部筐体2aの奥側には入力装置としてのキートップマトリクス2eが配置され、その中央部には、ポインティングディバイスとしての操作突起2fが配置される。下部筐体2aの側壁部には、メインスイッチ2g、内蔵音源回路のボリューム調整ダイアル2h、および外部電源入力部2j、さらには、図示しないが所望により、装置の稼動状態を示す液晶表示部、あるいは赤外線通信部等が配置される。
【0021】
表示部2bは中央部に液晶パネルによる表示面2kを有し、一端縁が下部筐体2aに回転操作自在に連結される。表示部2bの連結は例えばチルト機構等を介して行われ、表示部2bは下部筐体2aに対して任意の回転角度姿勢を維持することができる。また、表示部2bの開放側端縁には該表示部2bを下部筐体2a上に重ねるように回転させた際に下部筐体2aの係止孔に係止するフックリング2mが設けられ、下部筐体2a上に重ねた状態で情報処理機器2はサスペンドモードに自動的に移行し、内部での情報処理操作が中断、終了する。
【0022】
上記下部筐体2aの背面壁には機器側コネクタ3が配置される。機器側コネクタ3は、後述する各種の外部接続装置への接続端子を同一のコネクタシェル内に収容して形成される。この機器側コネクタ3は下部筐体2aの背面壁であって、幅方向一端部に形成される。
【0023】
コネクタボックス4は、図2以下に示すように、中空ボックス形状のボックスケース4a内に配線基板10を収容して形成される。ボックスケース4aは情報処理機器2の幅方向寸法にほぼ一致する長さを有し、情報処理機器2への対面壁4bには装置接続用コネクタ1が、反対壁面に複数の外部装置接続用コネクタ9、9・・が配置される。装置接続用コネクタ1は、ボックスケース4aの長手両端を情報処理機器2の幅方向両端に合致させた状態で機器側コネクタ3に一致するように先端がコネクタボックス4から飛び出した状態で取り付けられる。また、コネクタボックス4は種々の信号が通過することを考慮して、ボックスケース4a内にはシールドが施される。図示の例において、ボックスケース4aは、下部カバー11と上部カバー12とを連結して形成され、下部カバー11には下部シールドプレート11aが、上部カバー12には上部シールドプレート12aが各々固定される(図3参照)。
【0024】
配線基板10はボックスケース4a内に収容可能な細長矩形状をなし、一側長縁に上記装置接続用コネクタ1が、対向側縁に複数の外部装置接続用コネクタ9が各々固定され、図示しない配線パターンにより装置接続用コネクタ1と外部装置接続用コネクタ9が接続される。配線基板10には周囲にグランドパッド10aが形成されたねじ挿通孔10bが設けられ、上下カバー11、12を締結するネジ13によりボックスケース4a内に固定される。
【0025】
外部装置接続用コネクタ9は、情報処理機器2に連結される外部接続装置に対応して複数設けられ、例えば、USB(Universal SerialBus)ケーブル接続用コネクタ、マウス、キーボード接続用コネクタ、プリンタ、あるいはモデム等のシリアル機器接続用コネクタ、SCSI(SmallComputer System Interface)ケーブル接続用コネクタ、フロッピーディスクドライブ接続用コネクタ、CRT、あるいは液晶表示装置等のディスプレイ装置接続用コネクタ、LANケーブル等の通信ケーブル接続用コネクタが使用される。これらの複数の外部接続用コネクタの信号線は、図示しない配線パターンにより、装置接続用コネクタ1である一つのコネクタにまとめられている。すなわち、複数のポート(コネクタ)と一つのコネクタを連結している。
【0026】
また、コネクタボックス4は情報処理機器2への機械的連結手段としての係合部5と、係合部5を解除するための解除手段14とを有する。係合部5は上記外部装置接続用コネクタ9が装置接続用コネクタ1に嵌合した状態で情報処理機器2に係合し、以降、情報処理機器2からの脱離を防止するように構成される。この実施の形態において、係合部5は配線基板10上に立設される一対の支軸10c、10c周りに水平回転自在に連結される一対のフック部材15の先端に形成される。フック部材15は一端にバネかけ部15aを有し、他端を装置接続用コネクタ1の挿抜方向に直交する方向に膨隆させて爪形状を形成して係合部5とされる。各フック部材15は係合部5を背向させた状態で装着され、図4に示すように、対向するバネかけ部15aに掛け渡される引っ張りスプリング16により係合部5が離間する方向(図4における矢印A方向)に付勢される。一方、情報処理機器2側には、上記係合部5が係合可能な係合孔17が設けられ、係合部5を係合孔17内に押し込むと、係合部5の斜面5aは一旦係合孔17の周縁に干渉した後、引っ張りスプリング16の弾性に抗して内方に移動し、この後、引っ張りスプリング16の弾性復元力により再び原位置方向に復帰し、係合孔17の周縁に弾発的に係合する。
【0027】
なお、図示の例では係合部5は爪形状に形成される場合が示されているが、このほかに、例えば、係合部5を装置接続用コネクタ1の挿抜方向に直交する方向にスライド操作可能な板体に開設される開口として形成し、板体のスライド操作によって開口周縁を情報処理機器2側に設けた係止爪に係脱させるなど、種々の機構を利用できる。
【0028】
解除手段14は、上記係合部5を係合解除方向に操作する操作部7と、解除子6と、操作部7への操作力を解除子6に伝達する中継レバー18とを有し、操作部7を操作すると、まず、係合部5が情報処理機器2との係合状態を解除し、次いで、中継レバー18により解除子6が駆動されて情報処理機器2側に飛び出して情報処理機器2の対応面を押圧する。
【0029】
この実施の形態において、操作部7はボックスケース4aの天井面に形成された凹部4c内に嵌合可能なプレート体であり、両側端縁で、情報処理機器2側の辺縁近傍に突設されるヒンジピン7aと、裏面中央部に突設される円弧状膨隆部7bとを備える。円弧状膨隆部7bの外周は上記ヒンジピン7aと同心の円弧面であり、操作部7は、図5に示すように、ヒンジピン7aが上部カバー12裏面に形成されたピン受け凹部12bに嵌合し(図5(a)参照)、円弧状膨隆部7bの外周が配線基板10上に固定されたヒンジブロック19のヒンジ受け凹部19a上に摺動自在に載置されて(図5(b)参照)回転自在に装着される。また、操作部7の裏面にはカム面7cと、操作突起7dが設けられ、図6に示すように、カム面7cに上記フック部材15の押圧面15bが当接する。
【0030】
なお、図面の煩雑さを避けるために、図6以下では説明の対象となっている部品のみを図示し、他の部品は図示を省略する。
【0031】
上述したようにフック部材15は引っ張りスプリング16により係合部5が離反する方向に付勢されており、該引っ張りスプリング16の付勢力により押圧面15bはカム面7cに圧接し、操作部7のがたつきを防止する。
【0032】
解除子6はガイドブロック部6aの一端面に押圧ボス6bを突設したピース状部材であり、ガイドブロック部6aが配線基板10上に固定されたガイドレール20によりガイドされて装置接続用コネクタ1の挿抜方向に移動する(図3参照)。
【0033】
図7に示すように、中継レバー18はレバー主体部18aの両端から表裏反対方向に解除子対応突起18bと操作部対応突起18cとを有し、レバー主体部18aの中心近傍において支軸10cに回転自在に連結される。支軸10cへの枢着状態において解除子対応突起18bの先端は解除子6のガイドブロック部6aの背面に当接するとともに、操作部対応突起18cの先端が操作部7の操作突起7dに対応する。
【0034】
図4に示す、係合部5が情報処理機器2に係合した状態から操作部7を図5、図6の矢印B方向、すなわち手前側(情報処理機器2側)に引き上げると、操作部7は円弧状膨隆部7bの外周がヒンジブロック19のヒンジ受け凹部19aに摺接しながらヒンジピン7a周りに回転する。操作部7の回転により、カム面7cがフック部材15の押圧面15bを押圧し、図6(b)示すように、フック部材15は引っ張りスプリング16の弾性に抗して係合部5が接近する方向、すなわち、情報処理機器2との係合が解除される方向に回転する。一方、図7、8に示すように、操作突起7dは操作部7の操作ストローク終端近傍、正確には係合部5の係合解除動作が終了する直前、あるいは係合解除動作終了後において中継レバー18の操作部対応突起18cに衝接し、中継レバー18を回転させる。中継レバー18の回転により解除子対応突起18bはガイドブロック部6aに衝接し、その後、解除子6をボックスケース4a外に押し出す(図7参照)。ボックスケース4a外に押し出された解除子6の押圧ボス6bは情報処理機器2の対応面を押し付けることから、コネクタボックス4はその反力により後方に移動し、装置側コネクタと装置接続用コネクタ1との嵌合は完全に、あるいはその直前まで解除される。なお、図7、図8において情報処理機器2のコネクタボックス4との接合面(対応面)を鎖線で示す。
【0035】
この後、コネクタボックス4を完全に情報処理機器2から離脱させ、操作部7への操作力を解除すると、まず、引っ張りスプリング16の弾性復元力によりフック部材15が図6(a)に示す初期位置(係合部5が係合可能な位置)に復帰するとともに、フック部材15により操作部7が初期位置に復帰し、さらに、操作部7の復帰動作により中継レバー18、および解除子6に対する拘束が解除され、解除子6のボックスケース4a内への没入が許容される。
【0036】
さらにこの実施の形態において、係合部5を備えたフック部材15は上記装置接続用コネクタ1の両端位置に加え、図3に示すように、ボックスケース4aの幅方向反対端近傍にも配置される。この係合部5’はボックスケース4a外方を向いて配置され、内方(図3における矢印C方向)に回転駆動されて情報処理機器2との係合が解除される。フック部材15’を操作部7の操作により係脱操作するために、隣接するフック部材15、15’は連結部材21を介して連結される。この結果、コネクタボックス4は幅方向両端において情報処理機器2に連結されることとなり、コネクタ嵌合部へのねじり等の異常負荷の発生が防止される。
【0037】
加えて、コネクタボックス4は情報処理機器2への連結手段8を備える。連結手段8は係合部5のみによる簡易な連結に比して、より強固なコネクタボックス4と情報処理機器2の結合を提供し、例えば、予めコネクタボックス4のみを装着した状態でオフィス外に出かけ、オフィス外で所望の外部接続機器をコネクタボックス4に接続して使用する場合などに有効である。
【0038】
図示の例で連結手段8は一端に情報処理機器2側の雌ネジ部2n(図1参照)にねじ込み可能なねじ杆8aを備え、他端に操作頭部8bを有しており、コネクタボックス4の両端にネジ受けピース22を介して保持される。
【0039】
したがってこの実施の形態によれば、外出先からオフィス等に戻ってきて収集データの出力等を行う場合には、コネクタボックス4を情報処理機器2の背面壁に押し付けるだけで簡単にコネクタボックス4の連結が完了する。この状態で、係合部5は情報処理機器2に係合状態となっているために、机上を移動させたり、あるいは短い距離を移動させても不用意にコネクタボックス4が脱離することがない。コネクタボックス4を連結した状態での長距離の移動時には、連結手段8を併用した連結も可能であり、用途によって連結方法を適宜選択することができる。
【0040】
また、操作部7は、表示部2bを起立させて情報処理機器2を運用している際には、表示部2bの背面に隠れているために、不用意に操作部7を操作してコネクタボックス4を外してしまうことがなくなり、誤操作のおそれがない。さらに、操作部7はボックスケース4aの天井面に配置されているために、表示部2bを回転させて下部筐体2a上に重ね合わせた際には、利用者が目視することができ、情報処理機器2を動かすことなく直ちに折り重ねられた表示部2b越しに操作部7を操作することができ、脱離操作性も良好である。加えて、一般にこの種の情報処理機器2は表示部2bを畳むとバッテリ消耗を防止するためにサスペンドモードに自動的に移行するために、操作部7を操作してコネクタボックス4を外しても、外部接続装置に影響を与えることがなく、操作信頼性が向上する。
【0041】
なお、以上においては、情報処理機器2の背面に装置側コネクタが配置される場合を示したが、情報処理装置の側面、あるいは底面に装置側コネクタを配置した場合であっても、情報処理装置の装置側コネクタ形成面をコネクタボックス4の連結面とし、解除子6を装置側コネクタの嵌合方向に一致させるように上述した構成を変更するだけでそのまま適用させることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、外部接続装置を高い信頼性で、かつ、簡単に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す斜視図で、(a)は情報処理機器を正面方向から見た図、(b)は背面方向から見た図を示す。
【図2】コネクタボックスの斜視図で、(a)は全体斜視図、(b)は上部カバーを外した状態を示す図である。
【図3】コネクタボックスの分解斜視図である。
【図4】コネクタボックスの要部を示す平面図である。
【図5】操作部を示す図で、(a)は斜視図、(b)は図4を5B-5B線に沿って切断した時の操作部と上部カバーとの関係を示す図、(c)は図4を5C-5C線に沿って切断した時の操作部と上部カバーとの関係を示す図である。
【図6】係合部の動作を示す図で、(a)は係合状態にある際に操作部を裏面から見た図、(b)は(a)の右側面図、(c)は係合解除状態にある際に操作部を裏面から見た図、(d)は(c)の右側面図である。
【図7】解除子の動作を示す図で、(a)解除子が動作しない際の操作部を裏面から見た図、(b)は(a)の7B-7B線断面図である。
【図8】解除子の動作を示す図で、(a)解除子が動作した際の操作部を裏面から見た図、(b)は(a)の8B-8B線断面図である。
【符号の説明】
1 装置接続用コネクタ
2 情報処理機器
2a 下部筐体
2b 表示部
3 機器側コネクタ
4 コネクタボックス
5 係合部
6 解除子
7 操作部
8 連結手段
9 外部装置接続用コネクタ

Claims (4)

  1. 情報処理機器に設けられた機器側コネクタに接続される装置接続用コネクタと、
    前記情報処理機器に係脱する係合部と、
    該係合部を情報処理機器との係合解除方向に駆動操作可能な操作部とを備え、
    装置接続用コネクタの機器側コネクタへの接続により外部接続装置の配線を情報処理機器に連結させるとともに、係合部の係合により前記コネクタ同士の接続状態を維持するコネクタボックスであって、
    飛び出し状態で情報処理機器の対応面を押圧し、コネクタ同士を接続解除方向に相対移動させる解除子を有し、
    該解除子は、操作部への係合部係合解除方向への操作力を受けて前記飛び出し方向に駆動され
    かつ、前記操作部への操作力を解除子に伝達する中継レバーを有し、
    前記操作部は、カム面と操作突起が設けられた回転操作自在なプレート体により形成され、
    前記係合部は、回転自在な一対のフック部材の先端を爪形状にして形成され、
    操作部の操作によりカム面を回転させてフック部材後端側に形成される押圧面を押圧し、係合部を係合解除方向に回転させるとともに、操作部の操作ストローク終端近傍において中継レバー先端に形成される操作部対応突起に操作突起を衝接させ、中継レバーの他端に形成される解除子対応突起により解除子を押し出し、情報処理機器側に飛び出させるコネクタボックス。
  2. 機器側コネクタが設けられた情報処理機器と、
    係合部により前記情報処理機器に分離可能に連結されて連結状態において機器側コネクタに接続する装置接続用コネクタが形成されるとともに、前記係合部を係合解除方向に駆動させる操作部が形成されたコネクタボックスとからなり、
    該コネクタボックスに形成された外部接続用コネクタを介して外部接続装置を情報処理機器に接続可能な情報処理装置であって、
    前記コネクタボックスには、情報処理機器側に突出して機器側コネクタと装置接続用コネクタを接続解除する解除子が形成され、
    該解除子は、操作部への係合部係合解除方向への操作力を受けて前記突出方向に駆動され、
    かつ、前記係合部は水平回転自在な一対のフック部材の先端を爪形状にして形成され、
    前記操作部には回転操作によりフック部材後端側に形成される押圧面を押圧し、係合部を係合解除方向に回転させるカム面が形成される情報処理装置。
  3. 前記情報処理機器は下部筐体に表示部を起立、重合操作可能に連結して形成されるとともに、コネクタボックスは起立状態にある表示部の背面側に前記操作部を配置して情報処理機器背面側に連結される請求項2記載の情報処理装置。
  4. 前記操作部は、一端縁近傍に突設されるヒンジピン周りに回転自在なプレート体を引き上げ方向に垂直回転操作自在にコネクタボックス上面に装着して形成される請求項3記載の情報処理装置。
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