JP3821363B2 - 非接触icカード及び非接触icカードの位置検出方法 - Google Patents

非接触icカード及び非接触icカードの位置検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リーダライタから電磁誘導によって電力供給を受けて当該リーダライタと通信する非接触ICカードに関し、特に、一枚のカードで複数の利用形態に対応可能な非接触ICカード及び非接触ICカードの位置検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リーダライタから発せられる交流磁界を利用して、リーダライタと非接触で通信を行う非接触ICカードは、当該非接触ICカードをリーダライタにかざすだけで、カードの裏表や向きに依存することなくリーダライタと通信可能である。
【0003】
しかも、非接触ICカードに電池等の電源を内蔵する必要がないので、従来から各方面での利用が考えられてきている。特に、非接触ICカード内部のデータへアクセスする際の操作が簡単であるため、公共交通機関におけるチケットや入退室管理等、人が出入りする場所における管理用途として近年注目を集めている。
【0004】
また、非接触ICカードは、通常、大容量のメモリを内蔵しているので、大量のデータ及びアプリケーションを搭載することが可能であり、一枚のカードで複数のサービスを提供するといった利用方法も考えられている。
その一方で、非接触ICカード一枚当りの価格が磁気ストライプカードなどに比べて高くなる傾向があり、これにより、一枚のカードを複数の事業者で利用するといった、相乗りをする利用方法も注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の非接触ICカードの相乗り利用方法では、利用者が非接触ICカードを利用する際に、一旦窓口サイトのような場所にアクセスし、その後所望のサービスを利用するために、端末の画面などを見て所望のサービスを選択する必要がある。そのため、利用者が非接触ICカードをリーダライタにかざしてから所望のサービスを受けるまでに、人手によるサービス選択操作が必要になるなど時間及び手間がかかるという問題点があった。
【0006】
また、一枚の非接触ICカードに対して提供可能なサービスの中に、入退出サービスなどの処理時間が一定時に制限されるサービスが含まれている場合は、そのサービスに固有な専用コマンドを非接触ICカードとリーダライタに予め準備しておき、そのコマンドを受信した際に、非接触ICカード内部での処理を変更する方法も考えられる。
【0007】
しかし、この方法においても、非接触ICカードは、最初に送られくるコマンドを受信して初めて専用コマンドであることが判別できる。従って、専用コマンドを受信した後に、非接触ICカード内部での処理を分岐するための判断や非接触ICカードの動作を変更する処理が必要となるので、予め専用のコマンドにのみ対応した非接触ICカード、即ち1つのサービスにのみ対応した非接触ICカードと比べて、処理時間が長くなるという問題点もあった。
【0008】
このように、非接触ICカードは、パーソナルコンピュータや携帯端末の入力手段のような、それ自身での入力手段を持たないため、一枚の非接触ICカードで複数のサービスが受け得る非接触ICカードの場合は、所望のサービスを指定するための利用者による操作や、非接触ICカード内部での受信コマンドに基づいた判別処理などが必要となり、サービス提供に要する処理時間が長くなる傾向があった。
【0009】
そのため、非接触ICカードへのアクセスの容易さなどの理由で適用が期待されている入退室管理用途向けの非接触ICカードでは、サービス提供に要する処理時間の長さにより、上述の相乗り利用方法の実現が困難であった。
【0010】
非接触ICカードのもう一つの特徴として、アンチコリジョン機能により複数枚の非接触ICカードを同時に重ねてハンドリングすることが可能であるといった利点がある。この特徴を利用して、例えば一枚のテレホンカードで通話中に度数がなくなった場合に、もう一枚のテレホンカードを挿入して、引き続き通話を可能とするようなサービスも行われている。このように、非接触ICカードは、複数枚につき同時に利用できるという特徴がある。
【0011】
しかしながら、例えば、二枚のテレホンカードを同時に重ねて電話機に入れた場合に、リーダライタを介して非接触ICカードの情報を読み取るシステム側では、二枚のテレホンカードのどちらがリーダライタに近い位置に入れられているかといった非接触ICカードの物理的な位置関係についての情報が従来のシステムでは取得できなかった。
【0012】
そのため、二枚の非接触ICカードを利用するサービスにおいて、途中で非接触ICカードを抜き取る又は入れ換えるなどの操作をする必要がある場合に、利用者に対していずれの非接触ICカードを入れ換えるべき又は取り除くべきであるといった、木目細かいガンダンスをすることが困難であった。
【0013】
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の目的は、複数のサービスに対して一枚の非接触ICカードで対応する相乗り利用が可能であって、非接触ICカードの検出からデータアクセスまでの時間を含めた相乗り利用においての処理時間を短縮することを可能とする非接触ICカードを提供せんとするものである。
【0014】
本発明の第2の目的は、非接触ICカードを複数枚重ねてリーダライタに検出させた場合に、リーダライタで検出された非接触ICカードと他の非接触ICカードの位置関係を認識することを可能とする非接触ICカード及び非接触ICカードの位置検出方法を提供せんとするものである。
【0015】
本発明の他の目的は、明細書、図面、特に、特許請求の範囲における各請求項の記載から自ずと明らかとなろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明装置は、上記課題の解決に当たり、非接触ICカードが持つ裏表2つの面に対して、どちらか一方の面側からその非接触ICカードに近づく磁界のみを検出する磁界検出素子を非接触ICカードに内蔵させた構成手段を講じる特徴を有する。
【0017】
本発明方法は、上記課題の解決に当たり、非接触ICカードが持つ裏表2つの面に対して、どちらか一方の面側からその非接触ICカードに近づく磁界のみを検出する磁界検出素子が、磁界を検出したか否かによって、非接触ICカードの位置を判断する構成手法を講じる特徴を有する。
【0018】
更に、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する上位概念から下位概念にわたる新規な特徴的構成手段又は手法を採用することにより、上記目的を達成するように為される。
【0019】
即ち、本発明の第1の特徴は、リーダライタ側のアンテナコイルとカード側のアンテナコイルとで電磁結合により当該リーダライタから電力の供給を受け、信号を当該リーダライタと送受信する非接触ICカードであって、当該非接触ICカードの内部において、シート状の磁性体からなる磁性体シートの上面と、当該磁性体シートの上面に配置されたシート状の絶縁性物質の上面と、のいずれかの位置に、検出コイルを配置した構造からなる磁界検出素子を、少なくとも1つ備え、当該磁界検出素子の前記検出コイルに電気的に接続されて前記非接触ICカードの動作を制御する制御手段を有するICチップをも備え、当該ICチップが、前記検出コイルを貫く磁束の量が時間的に変化したときに、当該コイルに誘導された起電力を検出する機能構成を備え、前記ICチップの制御手段は、当該ICチップが前記検出コイルに誘導された起電力を検出した場合に、当該起電力を検出していない場合とは異なる手順の制御を実行する機能構成を備えてなる非接触ICカードの構成採用にある。
【0022】
本発明装置の第2の特徴は、上記本発明装置の第1の特徴における前記非接触ICカードが、その一つの表面に前記ICチップが前記検出コイルに誘導された起電力を検出した場合に実行する手順に、対応する表記がなされており、もう一つの表面に前記ICチップが前記検出コイルに誘導された起電力を検出しない場合に実行する手順に、対応する表記がなされてなる非接触ICカードの構成採用にある。
【0023】
本発明装置の第3の特徴は、上記本発明装置の第1又は第2の特徴における前記非接触ICカードが、同時に複数枚の当該非接触ICカードを検出して識別するアンチコリジョン機能を持つ前記リーダライタに対応するものであって、前記磁界検出素子を2つ以上有し、当該2つ以上の磁界検出素子の全部は、前記非接触ICカードがなす四角形平面についての縦横の直交軸におけるいずれかの対称軸上にあり、且つ、当該対称軸を当該四角形平面の中心点で二分したときの一方側に、それぞれ離れて配置されており、前記磁界検出素子の1つ以上における前記磁性体シートと前記検出コイルの位置関係は、他の前記磁界検出素子における前記磁性体シートと前記検出コイルの位置関係とは逆になってなるICチップを有してなる非接触ICカードの構成採用にある。
【0024】
本発明装置の第4の特徴は、上記本発明装置の第3の特徴における前記非接触ICカードが、偏って分散配置されている前記磁界検出素子の当該配置に関連する特定方向を認識させる印が、当該非接触ICカードの表面に表示されてなる非接触ICカードの構成採用にある。
【0025】
本発明装置の第5の特徴は、上記本発明装置の第1又は第2の特徴における前記非接触ICカードが、同時に複数枚の当該非接触ICカードを検出して識別するアンチコリジョン機能を持つ前記リーダライタに対応するものであって、前記磁界検出素子を2つ以上の偶数個有し、当該偶数個の磁界検出素子の内の2つからなる組は、前記非接触ICカードがなす四角形平面についての縦横の直交対称軸におけるいずれかの対称軸上で、或いは両方の対称軸上で、当該四角形平面の中心点を対称中心として対称となる位置に、当該2つの磁界検出素子がそれぞれ配置されており、当該組をなす2つの磁界検出素子は、当該2つの磁界検出素子における一方の磁界検出素子の前記磁性体シートと前記検出コイルの位置関係が、当該2つの磁界検出素子における他方の前記磁界検出素子の前記磁性体シートと前記検出コイルの位置関係とは逆になってなる非接触ICカードの構成採用にある。
【0026】
本発明装置の第6の特徴は、上記本発明装置の第3、第4、又は第5の特徴における前記制御手段が、前記ICチップが前記検出コイルに誘導された起電力を検出した場合に、前記リーダライタから前記非接触ICカードに送られてくるコマンドに対して応答するレスポンスの内の一つ以上に、前記磁界検出素子が磁界を検出したことを示す情報を含めて、当該リーダライタへ送信する機能構成を備えてなる非接触ICカードの構成採用にある。
【0027】
本発明方法の第1の特徴は、上記本発明装置の第3、第4、第5又は第6の特徴における前記非接触ICカードの位置検出方法が、当該非接触ICカードを複数枚、それぞれの前記磁界検出素子が重なるように向き合わせて重ねて、前期リーダライタと通信させた場合に、当該複数枚の非接触ICカードからのレスポンスの中で、当該磁界検出素子が磁界を検出したことを示す情報を含んだレスポンスを送信した非接触ICカードを、当該リーダライタに一番近い位置にある非接触ICカードと判別してなる非接触ICカードの位置検出方法の構成採用にある。
【0028】
本発明方法の第2の特徴は、上記本発明装置の第4又は第6の特徴における前記非接触ICカードの位置検出方法が、前記非接触ICカード表面に表示された印を用いて、当該非接触ICカードを複数枚、それぞれの前記磁界検出素子が重なるように向き合わせて重ねて、前期リーダライタと通信させてなる非接触ICカードの位置検出方法の構成採用にある。
【0029】
本発明方法の第3の特徴は、上記本発明装置の第5又は第6の特徴における前記非接触ICカードの位置検出方法が、当該非接触ICカードを複数枚重ねて、前期リーダライタと通信させた場合に、当該複数枚の非接触ICカードからのレスポンスの中で、当該磁界検出素子が磁界を検出したことを示す情報を含んだレスポンスを送信した非接触ICカードを、当該リーダライタに一番近い位置にある非接触ICカードと判別してなる非接触ICカードの位置検出方法の構成採用にある。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を装置例及び方法例につき説明する。
【0031】
(発明の原理)
なお、本発明は、非接触ICカードが持つ裏表2つの面に対して、どちらか一方の面側からその非接触ICカードに近づく磁界のみを検出する磁界検出素子を非接触ICカードに配置し、磁界検出素子が磁界を検出したか否かによって、非接触ICカードの動作を切替えることを可能とするものである。
【0032】
また、磁界検出素子を非接触ICカードの所定位置に複数個配置することで、複数枚の非接触ICカードを重ねてリーダライタにかざした場合に、磁界検出素子の状態によってリーダライタに一番近い位置に存在する非接触ICカードを特定することを可能とするものである。
【0033】
(装置例1)
図1は、本発明の装置例1に係る非接触ICカードの主要部をなす磁界検出素子の概念斜視図である。
図中、3,3’は磁界検出素子、101は検出コイル、102は磁性体シート、103は接続端である。
【0034】
ここで、図1(A)は、磁界検出素子3を検出コイル101と磁性体シート102で構成した例である。即ち、磁界検出素子3は、シート状の磁性体からなる磁性体シート102の上面に、検出コイル101を配置した構造となっている。そして、磁界検出素子3は、後述の図2に示すように、非接触ICカード1に内蔵されている。
【0035】
図1(B)は、磁界検出素子3’を検出コイル101、磁性体シート102及び絶縁性物質104で構成した例である。磁界検出素子3’は、磁性体シート102の上面に絶縁性物質104を配置し、更に絶縁性物質104の上面に検出コイル101を設置した構造となっている。即ち、磁性体シート102の上面と検出コイル101の間に、シート状の絶縁性物質104が挟まれている構成となっている。絶縁性物質104は、無機材料及び有機材料のいずれでもよく、例えば、紙、セロファン、テフロン(登録商標)シート、雲母などの絶縁性物質を用いる。
【0036】
図2は、本発明の装置例1に係る非接触ICカードの概念透視側面図である。図中、1は磁界検出素子3を内蔵した非接触ICカード、2はリーダライタ、4はリーダライタのアンテナコイルから発せられた交流磁界、5は非接触ICカード1に内蔵されているICチップである。ICチップ5は、検出コイル101と電気的に接続されており、検出コイル101を貫く磁束の量が時間的に変化したときに、当該検出コイル101に誘導された起電力を検出する機能を有する。
【0037】
非接触ICカード1は、リーダライタ2との電磁結合によってリーダライタ2から電力供給を受けて、リーダライタ2から発せられる交流磁界4を利用して通信する。
【0038】
図2(A)に示すように、磁界検出素子3の検出コイル101がリーダライタ2側を向いている状態、即ち、検出コイル101が磁性体シート102よりもリーダライタ2に近い状態に非接触ICカード1がなっている場合は、リーダライタ2から発せられた交流磁界4が検出コイル101を貫通した後、磁性体シート102に吸収されるので、検出コイル101の接続端103に起電力が誘起される。
【0039】
一方、図2(B)に示すように、磁界検出素子3の磁性体シート102がリーダライタ2側を向いている状態、即ち、磁性体シート102が検出コイル101よりもリーダライタ2に近い状態に非接触ICカード1がなっている場合は、リーダライタ2から発せられる交流磁界4が検出コイル101を貫く前に磁性体シート102によって吸収されるので、リーダライタ2から発せられた交流磁界4が検出コイル101まで届かず、検出コイル101の接続端103には誘導起電力は生じない。
【0040】
磁界検出素子3における検出コイル101の接続端103がICチップ5に接続されているので、非接触ICカード1におけるリーダライタ2側に向いている面によって、即ち、非接触ICカード1がリーダライタ2に対して表面を向けているか裏面を向けているかによって、ICチップ5では異なる状態を検出することが可能となる。従って、ICチップ5は、非接触ICカード1がリーダライタ2に対して表面を向けているか裏面を向けているかを判断することが可能となる。
【0041】
図3は、非接触ICカード1の基本動作を示すフローチャートである。
先ず、非接触ICカード1は、リーダライタ2から電力供給を受けない状態即ちパワーオフの状態(ST1)から、リーダライタ2から発せられた交流磁界4による電力供給を受ける状態になると、パワーオンして、リクエストコマンド(REQ)のみを受け付けるアイドル状態(ST2)に遷移する。
【0042】
上述の磁界検出素子3による状態検出は、このアイドル状態(ST2)において実行できるので、本非接触ICカード1では、二種類のアイドル状態を作り出すことが可能となる。即ち、非接触ICカード1は、非接触ICカード1がリーダライタ2に対して表面を向けている状態のアイドル状態と、非接触ICカード1がリーダライタ2に対して裏面を向けている状態のアイドル状態を作り出すことが可能となる。
【0043】
そこで、ICチップ5において、磁界検出素子3の状態に応じて非接触ICカード1のアイドル状態を切替える制御手段(図示せず)を予め組み込んでおくことで、二つの動作状態で起動可能な非接触ICカード1を実現することができる。例えば、ICチップ5の制御手段は、ICチップ5が検出コイルに誘導された起電力を検出した場合には、非接触ICカード1を入退出カードとして起動させ、起電力を検出しない場合には、特定の会員カードとして起動させる。
【0044】
なお、アイドル状態(ST2)になった後に、リクエストコマンド(REQ)を受け付けると、他のコマンドを待つ準備状態(ST3)となる。この準備状態(ST3)では、リーダライタ2が複数枚の非接触ICカード1を同時に検出し得るアンチコリジョン状態となっている。準備状態(ST3)になった後に、所定のコマンドを受けるとそのコマンドに対応した処理をする活動状態(ST4)となる。そのコマンドに対応した処理が終了すると停止状態となる(ST5)。
【0045】
(装置例2)
図4は、本発明の装置例2に係る非接触ICカード1の概念透視側面図である。
図4(A)は、二枚の非接触ICカード1,1’が同一の向きに重ねられた状態を示し、図4(B)は、二枚の非接触ICカード1,1’が互いに逆向きに重ねられた状態を示している。
【0046】
本非接触ICカード1,1’は、二枚重ねた場合に当該非接触ICカード1の位置を検出することが可能な構成となっている。
2枚の非接触ICカード1,1’は、同じ構成であって、それぞれ、磁界検出素子3a,3bが2つ具備されている。なお、磁界検出素子3を3つ以上具備させてもよい。
【0047】
ここで、磁界検出素子3aと磁界検出素子3bは、互いに異なった向きに配置されている。即ち、磁界検出素子3aの磁性体シート102と検出コイル101の位置関係は、磁界検出素子3bにおける磁性体シート102とコイル101の位置関係とは逆になっている。
リーダライタ2は、複数枚の非接触ICカード1,1’を同時に検出し得るアンチコリジョン機能を具備しているものとする。
【0048】
図4(A)に示すように、非接触ICカード1,1’を二枚重ねてリーダライタ2と通信させようとした場合は、それぞれの非接触ICカード1,1’の磁界検出素子3a,3bも同じ向きで重なり合う。このため、二枚の非接触ICカードのうちリーダライタ2から遠い位置にある非接触ICカード1’の磁界検出素子3a,3bの検出コイル101とリーダライタ2との間には、リーダライタ2に近い位置の非接触ICカード1の磁性体シート102が存在することとなる。
【0049】
そこで、リーダライタ2から遠い位置にある非接触ICカード1’では、2つの磁界検出素子3a,3bの両方の検出コイル101で誘導起電力が発生しない。
一方、リーダライタ2に近い位置にある非接触ICカード1では、2つある検出コイル101の少なくとも1つが、必ずリーダライタ2側に面して、磁性体シート102による交流磁界4の遮断を受けないので、誘導起電力を発生することとなる。
【0050】
これらにより、リーダライタ2から発せられた交流磁界4からアンテナコイル6によって電力供給を受けて動作を開始した非接触ICカード1は、その動作開始時に磁界検出素子3a,3bの状態も取得できる。
【0051】
そして、リーダライタ2から発せられたリクエストコマンドなどに対するレスポンスに、磁界検出素子3a,3bの状態を示す情報を含めて送信する機能をICチップ5に予め組み込んでおくことで、リーダライタ2から上位に位置するシステムにおいて、重ねて2枚配置されている非接触ICカード1,1’をアンチコリジョン機能によって検出する際に、どの非接触ICカード1,1’がリーダライタ2の近くに位置しているか判別することが可能となる。
【0052】
また、図4(B)に示すように、二枚の非接触ICカード1,1’が互いに逆向きに重ねられた状態においても、リーダライタ2に近い方に位置する非接触ICカード1の磁界検出素子3a,3b(本図では磁界検出素子3a)のみで誘導起電力が発生するので、各非接触ICカード1,1’の位置を検出することが可能となる。
【0053】
ただし、本実施形態の場合は、各非接触ICカード1,1’に具備される磁界検出素子3a,3bを組み込む位置は、各非接触ICカード1,1’を重ねた状態で略同じ位置となるように、非接触ICカード1,1’に存在する対称軸上などに制限することが必要となる。即ち、後述の図12〜15に示すように、磁界検出素子3a,3bを配置することが必要となる。
【0054】
(装置例3)
図5は、本発明の第3装置例に係る非接触ICカード1の概念透視平面図であり、(A)は表面を示し、(B)は裏面を示している。
本非接触ICカード1は、1つの磁界検出素子3を備えており、表面には「入退カード」と印刷されており、裏面には「会員カード」と印刷されている。そして、表面側に磁界検出素子3の検出コイル101が位置して、裏面側に磁界検出素子3の磁性体シート102が位置するように、磁界検出素子3が配置されている。
【0055】
(方法例1)
前記装置例3に適用する本実施形態の方法例1につき図面を参照して説明する。
図6は、本方法例1の実行手順を示すフローチャートである。
図7は、本方法例1の利用形態を示す模式概念図であり、(A)は入退出カードとしての利用形態、(B)は会員カードとしての利用形態を示している。
図7において、11は入退ゲート、12はパーソナルコンピュータであり、上述の実施形態の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。
【0056】
本方法例では、1つの磁界検出素子3を組み込んだ非接触ICカード1につき、そのカードが検出された後のアイドル状態での動作を、磁界検出素子3の状態によって入退管理用の専用コマンドに対応した「入退出カード」と、ISO等で規定された標準的なコマンドに対応した「会員カード」とに使い分けることを、可能としている。即ち、複数のサービスに対して一枚の非接触ICカード1で対応する相乗り利用を可能としている。
【0057】
本方法例では、磁界検出素子3の状態によって、入退出用途の「入退出カード」と、一般的な用途の「会員カード」に非接触ICカード1の動作を切替えるため、それぞれの用途に合わせて非接触ICカード1の表面に、違いが分かるような文字や図柄(図5では文字)を印刷することで、利用者が簡単に区別することが出来るようにしている。このように、カード表面及び裏面の印刷模様とそのカードの機能を一致させられることも、本発明に係る非接触ICカード1の特徴である。
【0058】
図5(A)では、磁界検出素子3の検出コイル101が見える状態となっているため、この状態で非接触ICカード1を利用者が使用するとき、すなわち検出コイル101が見える面を上に向けてリーダライタ2に対面させず非接触ICカード1を利用者が使用するときには、検出コイル101に誘導起電力が発生しない。これは、磁性体シート102によって、検出コイル101を貫こうとするリーダライタ2から発せられた交流磁界が吸収されるからである。
【0059】
本方法例では、検出コイル101が見える面を上にした場合は「入退出カード」として動作する非接触ICカード1としている。そして、非接触ICカード1のICチップ5は、磁界検出素子3に誘導起電力が発生しない状態で非接触ICカード1がアイドル状態に遷移する場合に、カードが入退出用の専用コマンドに対応する状態でコマンドを待つように、制御することとなる。
【0060】
一方、図5(B)に示すように、リーダライタ2に対面させた検出コイル101が見えない状態で、利用者が非接触ICカード1を使用するとき、すなわち磁性体シート102が見える面を上に向けて非接触ICカード1を利用するときには、磁界検出素子3に誘導起電力が発生する。そこで、この状態ではISOなどで規定される一般的なコマンドに対応した非接触ICカード1として動作するように、その制御機能をICチップ5に予め組み込んでおく。
【0061】
次に、図6を参照して、本方法例1の実行手順を説明する。
このフローチャートは、非接触ICカード1が磁界検出素子3の検出状態に応じて異なったアイドル状態に遷移するまでを示している。
【0062】
先ず、非接触ICカード1は、リーダライタ2から発せられた交流磁界4による電力供給を受けてパワーオンする(ST11)。その後、ICチップ5は、磁界検出素子3に誘導起電力が発生しているか否か判断する(ST12)。
【0063】
磁界検出素子3に誘導起電力が発生していない場合は、「入退出カード」のアイドル状態に遷移する(ST14)。この「入退出カード」のアイドル状態では、図7(A)に示すように、非接触ICカード1が入退出カードとして利用される。
【0064】
一方、ST12で、磁界検出素子3に誘導起電力が発生したと判断された場合は、「会員カード」のアイドル状態に遷移する(ST13)。この「会員カード」のアイドル状態では、図7(B)に示すように、非接触ICカード1が会員カードとして利用される。
【0065】
図8は、方法例1における非接触ICカード1とリーダライタ2と上位装置との間でのコマンド送受信を示すフロー図である。
ここで、上位装置とは、図7(A)では入退出ゲート11であり、図7(B)ではパーソナルコンピュータ12である。そして、図8(A)では、入退出ゲート11を上位装置とした場合のフロー図を示し、図8(B)では、パーソナルコンピュータ12を上位装置とした場合のフロー図を示している。
【0066】
利用者が入退出ゲート11を通過する際には、「入退カード」と印刷された面を上にしてその非接触ICカード1を図7(A)のリーダライタ2にかざすだけで、入退出ゲート12を通過することができる。
【0067】
また、この非接触ICカード1を会員カードとして利用する場合には、「会員カード」と印刷された面を上にしてその非接触ICカード1を図7(B)のリーダライタ2に挿入することで、パーソナルコンピュータ12上で会員を対象に提供されるサービスが画面上に表示され、画面上で所望のサービスを選択することで、所望のサービスを利用することができることとなる。
【0068】
これらの異なる利用形態(複数の利用形態)を持つ非接触ICカード1について、先ず、図8(A)の入退出ゲート11についての処理フローを参照して説明する。
先ず、非接触ICカード1がリーダライタ2からリクエストコマンドに相当する初期コマンドを受信すると(STa)、非接触ICカード1内部では、例えばベリファイなどの認証を行う。
【0069】
そして、非接触ICカード1は、その認証結果をリーダライタ2へレスポンスとして返送する特殊なコマンド(専用コマンド)に対応している(STb)。STbで、レスポンスとして正常終了を受信したリーダライタ2は、その正常終了を情報として上位装置である入退出ゲート11に送信する(STc)。この結果、入退出ゲート11が開いて、利用者が通行できることとなる。
【0070】
これらにより、専用コマンドを使用している非接触ICカード1をリーダライタ2かざすだけで、短時間に入退出ゲート11を開けることが可能となる。なお、本実施形態では、簡略化した場合を示しており、より複雑な処理をするような専用コマンドを使用するものであっても、本発明の作用及び効果に影響を与えることなく適用することができる。
【0071】
次に、図8(B)のパーソナルコンピュータ12についての処理フローを説明する。
ここで、非接触ICカード1は、ISO14443のタイプBの規格に準拠したモデルとする。
【0072】
先ず、リーダライタ2からリクエストコマンドを受けてから(STd)、非接触ICカード1がリーダライタ2に検出されてアクティブ状態に遷移するまでに、ATQBの返信(STe)、ATTRIBコマンドの送信(STf)、Answer to ATTRIBコマンドの返信(STg)、といった一連の処理を行う。なお、ATQB、ATTRIBコマンド及びAnswer to ATTRIBコマンドは、それぞれ、、ISO14443のタイプB規格に規定されている処理である。
【0073】
そして、非接触ICカード1がアクティブ状態に遷移した後、非接触ICカード1を検出した旨の情報を上位装置(パーソナルコンピュータ12)に送信し(STh)、これを受けた上位装置(パーソナルコンピュータ12)に組み込まれているアプリケーションソフトが非接触ICカード1を認証するためのコマンドをリーダライタ2に送信する(STi)。
【0074】
リーダライタ2は、その送信されてきたコマンドを非接触ICカード1へ送信する(STj)。当該コマンドを受信した非接触ICカード1は、認証処理を行った後、レスポンスを返信する(STk)。リーダライタ2は、受信したレスポンスを上位装置(パーソナルコンピュータ12)に送信する(STl)。その後、初めて非接触ICカード1内部のファイルにアクセスするコマンドを上位装置(パーソナルコンピュータ12)がリーダライタ2へ送信し(STm)、このコマンドをリーダライタ2が非接触ICカード1へ送信する(STn)。
【0075】
受信したコマンドに対する結果を非接触ICカード1がレスポンスとしてリーダライタ2へ返し(STo)、そのレスポンスをリーダライタ2が上位装置(パーソナルコンピュータ12)に送信する(STp)。
【0076】
これらにより、初めて上位装置(パーソナルコンピュータ12)が非接触ICカード1の内部にアクセス可能となる。この非接触ICカード1内部へのアクセスは、例えば、会員サービスにおいて必要となる情報が格納されているファイルにアクセスして読み取りをすることなどが該当し、読み取ったデータに基づいてパーソナルコンピュータ12上にメニュー表示することとなる。
【0077】
実際に非接触ICカード1の利用者がサービスの提供を受けるには、更にパーソナルコンピュータ12上に表示されたメニューから所望のサービスを選択した後になる。
【0078】
これらのように、ある用途に限定したコマンドを予め準備しておいて、そのコマンドを用いた場合には、ISO等の規格に基づいて汎用に作られた非接触ICカード1の検出やコマンドに沿って処理する場合と比較して、格段に処理時間を短縮することが可能となる。
本実施形態では、非接触ICカード1の一方の面を上にして用いた場合は入退出用の専用コマンドに対応したカードとなり、他方の面を上にして用いた場合は一般的なICカードとして動作する例を示した。
【0079】
例えば、一方の面を上にして用いた場合は公共交通用のカードとなり、他方の面を上にして用いた場合はテレホンカードとなる、といったような、両面とも専用のカードとして動作する非接触ICカード1としてもよい。また、一方の面を上にして用いた場合はISO14443規格のタイプAのカードとなり、他方の面を上にして用いた場合はISO14443規格のタイプBのカードとなる、といったような両面とも標準的な汎用のカードとして動作する非接触ICカード1としてもよい。
また、どちらの面を上にしても、アイドル状態やアンチコリジョンの方法に違いは無いが、利用するデータの格納場所(ファイル)が異なり、カードの裏か表かによって、読み出せるデータ(ファイル)を制限するといった、カードとしての動作に差が無く、セキュリティーを高める様な場合でもかまわない。
【0080】
(方法例2)
本実施形態の方法例2につき図9、図10及び図11を参照して説明する。
図9は、方法例2に適用される非接触ICカード1の概念透視平面図である。図10は、図9に示す非接触ICカード1の概念透視側面図であり、(A)は非接触ICカード1の表面1aをリーダライタ2に向けた場合を示し、(B)は非接触ICカード1の裏面1bをリーダライタ2に向けた場合を示している。
【0081】
本実施形態例の非接触ICカード1は、2つの磁界検出素子3a,3bを備えており、図4に示す非接触ICカード1と同様に、各磁界検出素子3a,3bを互いに逆向きとなるように配置している。
【0082】
そこで、図10に示すように、非接触ICカード1をリーダライタ2にかざすと、非接触ICカード1の表裏どちらの面をリーダライタ2に向けても、必ず2つの磁界検出素子3a,3bのうちのいずれかに誘導起電力が発生することとなる。そして、非接触ICカード1に内蔵されるICチップ5が誘導起電力の発生した磁界検出素子3a,3bに応じて、非接触ICカード1の動作を切替えることで、上述の方法例1と同様に、複数の異なる動作(サービス)を実行可能な非接触ICカード1が実現する。
【0083】
図11は、本方法例2の実行手順を示すフローチャートである。
同図では、本方法例2の非接触ICカード1が異なるアイドル状態に遷移するまでの処理を示している。
【0084】
先ず、非接触ICカード1は、リーダライタ2から発せられた交流磁界4による電力供給を受けてパワーオンする(ST21)。その後、非接触ICカード1のICチップ5は、磁界検出素子3a又は磁界検出素子3bに誘導起電力が発生しているか否か判断する(ST22,ST24)。
【0085】
ST22で、磁界検出素子3aに誘導起電力が発生したと判断された場合は、「会員カード」のアイドル状態に遷移する(ST23)。この「会員カード」のアイドル状態では、図7(B)に示すように、非接触ICカード1が会員カードとして利用される。
【0086】
一方、ST24で、磁界検出素子3bに誘導起電力が発生していると判断された場合は、「入退出カード」のアイドル状態に遷移する(ST24)。この「入退出カード」のアイドル状態では、図7(A)に示すように、非接触ICカード1が入退出カードとして利用される。
【0087】
これらにより、本方法例2の非接触ICカード1は、図5に示す非接触ICカード1に比べて、磁界検出素子3の数が多い分、判別機能が増え、より高い精度で非接触ICカード1の向きを検出することが可能となる。なお、本方法例2においても、非接触ICカード1が検出された後の動作については、方法例1の動作と同一である。
【0088】
(方法例3)
本実施形態の方法例3につき図12及び図13を参照して説明する。
図12は、方法例3に適用される非接触ICカード1の概念透視平面図である。
図12(A)では、非接触ICカード1の短辺縦方向の対称軸Y上に2つの磁界検出素子3a,3bを配置した例を示している。また、2つの磁界検出素子3a,3bは、縦対称軸Y上であって、非接触ICカード1の中心Oで分けた一方側(下側)に、2つとも配置されている。
【0089】
図12(B)では、非接触ICカード1の長辺横方向の対称軸X上に2つの磁界検出素子3a,3bを配置した例を示している。また、2つの磁界検出素子3a,3bは、横対称軸X上であって、非接触ICカード1の中心Oで分けた一方側(右側)に、2つとも配置されている。
【0090】
本方法例3の非接触ICカード1は、アンチコリジョンに対応した非接触ICカード1であり、非接触ICカード1を複数枚重ね合わせた場合に、2つの磁界検出素子3a,3bがそれぞれ同じ位置にくるように配置して、非接触ICカード1の位置を検出するものである。
【0091】
但し、本方法例3では、非接触ICカード1の中心Oで分けた半分の領域にしか磁界検出素子3a,3bが配置されていないので、非接触ICカード1を重ねて利用するる際には、各非接触ICカード1の向きを揃える必要がある。
そこで、図12に示すように、非接触ICカード1の表面に矢印など向きが分かる表示が印刷して、利用者が非接触ICカード1の向きを間違えることなく利用出来ることとしている。
【0092】
このように、複数枚の非接触ICカード1の向きを揃えて重ね合わせることで、磁界検出素子3a,3bが非接触ICカード1の対称軸上の同位置に配置されるので、非接触ICカード1の裏表に関係無く、磁界検出素子3a,3bが重なった状態になる。
【0093】
そこで、図4の説明で詳述したように、リーダライタ2に最も近い位置に存在する非接触ICカード1の磁界検出素子3a,3bに誘導起電力が発生する。そして、磁界検出素子3a,3bの状態を示す情報を非接触ICカード1からリーダライタ2へ送るレスポンスに含めることで、非接触ICカード1の位置を示す情報をシステム(上位装置)側へ送ることが可能となる。
【0094】
図13は、方法例3に適用される他の実施形態の非接触ICカード1の概念平面図である。
図12では、2つの磁界検出素子3a,3bを具備する非接触ICカード1を示したが、図13で示すように、より多くの磁界検出素子3を配置して、少なくとも1つの磁界検出素子3が他の磁界検出素子3とは逆向きとなるように構成すれば、図12の非接触ICカード1と同様の効果を得ることができる。
【0095】
(方法例4)
本実施形態の方法例4につき図14及び図15を参照して説明する。
図14は、方法例4に適用される非接触ICカード1の概念透視平面図である。
図14(A)では、非接触ICカード1の短辺縦方向の対称軸Y上に2つの磁界検出素子3a,3bを配置した例を示している。また、2つの磁界検出素子3aと磁界検出素子3bは、対称軸Y上であって、非接触ICカード1の中心点Oに対して対称に配置されている。
【0096】
図14(B)では、非接触ICカード1の長辺横方向の対称軸X上に2つの磁界検出素子3a,3bを配置した例を示している。また、2つの磁界検出素子3aと磁界検出素子3bは、対称軸X上であって、非接触ICカード1の中心点Oに対して対称に配置されている。
【0097】
本方法例3の非接触ICカード1は、アンチコリジョンに対応した非接触ICカード1であり、非接触ICカード1を複数枚重ね合わせた場合に、2つの磁界検出素子3a,3bがそれぞれ同じ位置にくるように配置して、非接触ICカード1の位置を検出するものである。
【0098】
本方法例4では、非接触ICカード1を複数枚重ねて配置した場合に、非接触ICカード1の向きによらず、常に、各非接触ICカード1における磁界検出素子3a,3bの位置が重なる位置(同じ位置)に来るので、利用時に非接触ICカード1の裏表や向きを意識する必要が無くなる。
【0099】
本非接触ICカード1を複数枚重ねて配置した場合に、リーダライタ2に最も近い位置にある非接触ICカード1の磁界検出素子3a,3bにのみ誘導起電力が発生するのは、上述の実施形態と同一である。この磁界検出素子3a,3bの状態を示す情報を、非接触ICカード1に送信されたコマンドに対するレスポンスに含めてリーダライタ2へ送信することで、リーダライタ2の上位にあるシステム(上位装置)で非接触ICカード1の位置を検出することが可能となる。
【0100】
図15は、方法例4に適用される他の実施形態の非接触ICカード1の概念透視平面図である。
上述の実施形態と同様に、磁界検出素子3を4個以上の偶数個用いても図14の非接触ICカード1と同様の効果を得ることができる。図15では、非接触ICカード1における縦横2つの直交対称軸Y,X上にそれぞれ2つの磁界検出素子3を配置して、合計4個配置した例を示している。
【0101】
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明は、必ずしも上記した事項に限定されるものではなく、本発明の目的を達し、下記する効果を奏する範囲において、適宜変更実施可能である。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、非接触ICカードをリーダライタにかざすだけで、当該非接触ICカードがリーダライタに対して表面を向けているか裏面を向けているか自動的に認識可能となるので、複数のサービスに対して一枚の非接触ICカードで対応する相乗り利用が可能であって、非接触ICカードの検出からデータアクセスまでの時間を含めた相乗り利用においての処理時間を短縮することが可能となる。
【0103】
また、非接触ICカードに複数の磁界検出素子を配置することで、非接触ICカードを複数枚重ねてリーダライタにかざした場合に、リーダライタに対する各非接触ICカードの位置関係を認識することが可能となり、複数枚のカードを用いるサービスで木目細かなガイダンスの提供等を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置例1に係る非接触ICカードの主要部をなす磁界検出素子の概念斜視図である。
【図2】同上の装置例1に係る非接触ICカード1の概念透視側面図である。
【図3】同上の非接触ICカード1の基本動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の装置例2に係る非接触ICカード1の概念透視側面図である。
【図5】本発明の第3装置例に係る非接触ICカード1の概念透視平面図である。
【図6】本発明の方法例1の実行手順を示すフローチャートである。
【図7】同上の本方法例1の利用形態を示す模式概念図である。
【図8】同上の本方法例1における非接触ICカード1とリーダライタ2と上位装置との間でのコマンド送受信を示すフロー図である。
【図9】本発明の方法例2に適用される非接触ICカード1の概念透視平面図である。
【図10】同上の非接触ICカード1の概念透視側面図である。
【図11】同上の本方法例2の実行手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の方法例3に適用される非接触ICカード1の概念透視平面図である。
【図13】同上の方法例3に適用される他の実施形態の非接触ICカード1の概念透視平面図である。
【図14】本発明の方法例4に適用される非接触ICカード1の概念透視平面図である。
【図15】同上の方法例4に適用される他の実施形態の非接触ICカード1の概念透視平面図である。
【符号の説明】
1,1’…非接触ICカード
2…リーダライタ
3,3’,3a,3b…磁界検出素子
4…交流磁界
5…ICチップ
6…アンテナコイル
11…入退出ゲート
12…パーソナルコンピュータ
101…検出コイル
102…磁性体シート
103…接続端
104…絶縁性物質
X,Y…対称軸
O…中心

Claims (9)

  1. リーダライタ側のアンテナコイルとカード側のアンテナコイルとで電磁結合により当該リーダライタから電力の供給を受け、信号を当該リーダライタと送受信する非接触ICカードであって、
    当該非接触ICカードの内部において、
    シート状の磁性体からなる磁性体シートの上面と、当該磁性体シートの上面に配置されたシート状の絶縁性物質の上面と、のいずれかの位置に、検出コイルを配置した構造からなる磁界検出素子を、少なくとも1つ備え、
    当該磁界検出素子の前記検出コイルに電気的に接続されて前記非接触ICカードの動作を制御する制御手段を有するICチップをも備え、
    当該ICチップは、
    前記検出コイルを貫く磁束の量が時間的に変化したときに、当該コイルに誘導された起電力を検出する機能構成を備え、
    前記ICチップの制御手段は、
    当該ICチップが前記検出コイルに誘導された起電力を検出した場合に、当該起電力を検出していない場合とは異なる手順の制御を実行する機能構成を備える

    ことを特徴とする非接触ICカード。
  2. 前記非接触ICカードは、
    その一つの表面に前記ICチップが前記検出コイルに誘導された起電力を検出した場合に実行する手順に、対応する表記がなされており、
    もう一つの表面に前記ICチップが前記検出コイルに誘導された起電力を検出しない場合に実行する手順に、対応する表記がなされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
  3. 前記非接触ICカードは、
    同時に複数枚の当該非接触ICカードを検出して識別するアンチコリジョン機能を持つ前記リーダライタに対応するものであって、前記磁界検出素子を2つ以上有し、
    当該2つ以上の磁界検出素子の全部は、
    前記非接触ICカードがなす四角形平面についての縦横の直交軸におけるいずれかの対称軸上にあり、且つ、当該対称軸を当該四角形平面の中心点で二分したときの一方側に、それぞれ離れて配置されており、
    前記磁界検出素子の1つ以上における前記磁性体シートと前記検出コイルの位置関係は、
    他の前記磁界検出素子における前記磁性体シートと前記検出コイルの位置関係とは逆になっている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触ICカード。
  4. 前記非接触ICカードは、
    偏って分散配置されている前記磁界検出素子の当該配置に関連する特定方向を認識させる印が、当該非接触ICカードの表面に表示されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の非接触ICカード。
  5. 前記非接触ICカードは、
    同時に複数枚の当該非接触ICカードを検出して識別するアンチコリジョン機能を持つ前記リーダライタに対応するものであって、前記磁界検出素子を2つ以上の偶数個有し、
    当該偶数個の磁界検出素子の内の2つからなる組は、
    前記非接触ICカードがなす四角形平面についての縦横の直交対称軸におけるいずれかの対称軸上で、或いは両方の対称軸上で、当該四角形平面の中心点を対称中心として対称となる位置に、当該2つの磁界検出素子がそれぞれ配置されており、
    当該組をなす2つに磁界検出素子は、
    当該2つの磁界検出素子における一方の磁界検出素子の前記磁性体シートと前記検出コイルの位置関係が、当該2つの磁界検出素子における他方の前記磁界検出素子の前記磁性体シートと前記検出コイルの位置関係とは逆になっている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触ICカード。
  6. 前記制御手段は、
    前記ICチップが前記検出コイルに誘導された起電力を検出した場合に、前記リーダライタから前記非接触ICカードに送られてくるコマンドに対して応答するレスポンスの内の一つ以上に、前記磁界検出素子が磁界を検出したことを示す情報を含めて、当該リーダライタへ送信する機能構成を備える、
    ことを特徴とする請求項3、4又は5に記載の非接触ICカード。
  7. 請求項3、4、5又は6に記載の非接触ICカードの位置検出方法であって、
    当該非接触ICカードを複数枚、それぞれの前記磁界検出素子が重なるように向き合わせて重ねて、前期リーダライタと通信させた場合に、当該複数枚の非接触ICカードからのレスポンスの中で、当該磁界検出素子が磁界を検出したことを示す情報を含んだレスポンスを送信した非接触ICカードを、当該リーダライタに一番近い位置にある非接触ICカードと判別する、
    ことを特徴とする非接触ICカードの位置検出方法。
  8. 請求項4又は6に記載の非接触ICカードの位置検出方法であって、
    前記非接触ICカード表面に表示された印を用いて、当該非接触ICカードを複数枚、それぞれの前記磁界検出素子が重なるように向き合わせて重ねて、
    前記リーダライタと通信させる、
    ことを特徴とする非接触ICカードの位置検出方法。
  9. 請求項5又は6に記載の非接触ICカードの位置検出方法であって、
    当該非接触ICカードを複数枚重ねて、前記リーダライタと通信させた場合に、当該複数枚の非接触ICカードからのレスポンスの中で、前記磁界検出素子が磁界を検出したことを示す情報を含んだレスポンスを送信した非接触ICカードを、当該リーダライタに一番近い位置にある非接触ICカードと判別する、
    ことを特徴とする非接触ICカードの位置検出方法。
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