JP3821097B2 - 電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塵埃を吸引する電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の電気掃除機用吸込具は、吸込口内に極細繊維を使用した起毛布を横幅のベルト状に形成した回転起毛布を、その内部に配設した主動ドラムと従動ドラムにて回転自在に構成し、さらに主動ドラムを回転させる駆動源を内設したものであり、被掃除面に対して軟らかい弾力性が得られしかも極めてソフトな感触によりぞうきんがけと同様の作用が得られ、傷付けが解消できると共にベルト状の回転起毛布を吸込具の往復動作に関係なく回転させる駆動源を内設したものであり、被掃除面に対して拭き、掃き、磨きの作用が得られることにより、特に汚れのひどい被掃除面に対して短時間に効率よく掃除作業が行えるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−70868号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、回転起毛布を回転させる駆動源を内設させる必要があり吸込具の大型、重量化になっていた。また、ベルトもしくはギアなどの機構が必要なため複雑になり単価が高くなるという問題があった。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、小型、軽量、低価格で拭き、掃き、磨き性能が高い電気掃除機用吸込具および電気掃除機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、塵埃を吸引する吸口体と、前記吸口体に着脱自在で且つその先端に延長管が着脱自在な吸込具と、前記吸込具に設けられ塵埃を吸引する開口を有する吸込室と、前記吸込室に臨んで設けられた回転子と、前記回転子の表面に設けられた起毛布とを備え、前記起毛布に前記吸込室内に流れ込む気流および/または前記吸込室内を流れる気流が直接当たることにより、前記回転子が回転する電気掃除機用吸込具としたもので、起毛布に直接気流が当たることで、回転子を回転させるため、モータ等の機械的駆動源が不要であり、小型、軽量、低価格で拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、塵埃を吸引する吸口体と、前記吸口体に着脱自在で且つその先端に延長管が着脱自在な吸込具と、前記吸込具に設けられ塵埃を吸引する開口を有する吸込室と、前記吸込室に臨んで設けられた回転子と、前記回転子の表面に設けられた起毛布とを備え、前記起毛布に前記吸込室内に流れ込む気流および/または前記吸込室内を流れる気流が直接当たることにより、前記回転子が回転する電気掃除機用吸込具としたもので、回転子を、起毛布に直接気流が当たることで、回転させるため、モータ等の機械的駆動源が不要であり、小型、軽量、低価格で拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の発明は、起毛布の繊維を倒伏させるとともに、前記倒伏している繊維の先端側から、気流を起毛布に当てるもので、倒伏している繊維の先端側から、気流を起毛布に当てることで、倒伏している繊維が風受けとなり、強い回転力が得られ、拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0009】
本発明の請求項3に記載の発明は、起毛布を回転子の外周に螺旋状に巻きつけたもので、起毛布を螺旋状に巻きつけることにより、起毛布のつなぎ目に気流が入り易くなることで、風を受けやすくなり、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載の発明は、掃除機本体が内蔵する吸引風を発する電動送風機を備え、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具の吸込室と前記電動送風機とが連通する電気掃除機としたもので、使用性の高い電気掃除機を提供できる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を、図1〜図4を用いて説明する。
【0012】
本実施形態は、図1に示すような床移動型の電気掃除機1について示すものである。この電気掃除機1は、塵埃を吸引する吸口体13と前記吸口体13に着脱自在な吸込具3を有し、先端に前記吸込具3を着脱可能に装着した延長管2は、手元ハンドル4に連結され、前記手元ハンドル4に接続されたホース6は、ホース継ぎ手5によって掃除機本体7に連結されている。なお、吸口体13と吸込具3は、前記吸口体13に前記吸込具3を装着した状態でも、また、前記吸口体13から前記吸込具3を外した状態の前記吸込具3単独でも、被掃除面の塵埃を吸引でき、前記掃除機本体7の集塵部(図示せず)に塵埃を移送できる構成となっている。
【0013】
吸込具3は、図2に示すように、極細繊維の紡績布からなるカット繊維状の起毛布を巻きつけられた2個の回転子8a、8bを、塵埃を吸引する開口を有する吸込室7に臨んで設けている。回転子8a、8bの外周に巻き付けられた起毛布の繊維は、図3に示すように、回転軸8cに対して略垂直方向(回転方向とは反対方向)の一方向に倒伏されており、かつ螺旋状に巻きつけられている。また、起毛布の繊維長は4mm、太さは直径0.1mm、材質はナイロンの繊維で構成されており、起毛布の繊維には硬化剤なるシリコーンまたはワックスを塗布している。さらに、図4に示すように、吸込具3の先端部には開閉可能なように、風量調節部である風量調節弁9が設けられ、弾性体なるバネ10によって保持されている。
【0014】
なお、本実施例においては、回転子は2個設けられているが、1個でも、また2個以上を有していても、以下に述べる拭き、掃き効果は十分発揮できる。
【0015】
上記構成における動作は、以下の通りである。
【0016】
掃除機本体7を動作させると、前記掃除機本体7に内蔵されている電動送風機(図示せず)が作動し、吸込室11に向かって吸引風aが流れる。その後、前記吸引風aは、回転子8a、8bの起毛布に衝突することで、風圧により回転子8a、8bを回転させる。なお、本実施例においては、被掃除面と吸込具3の下面の隙間より、前記吸込室11へと流入する吸引風aによって回転させるものであるが、さらに、前記吸込具3の側面に開口を設け、前記開口より吸引風aを前記吸込室11内に流入させ、前記吸込室11内に流入させた吸引風により、前記回転子8a、8bを回転させる構成としてもよい。
【0017】
また、回転子8a、8bの外周に巻き付けられた起毛布の繊維は、回転軸8cに対して略垂直方向(回転方向とは反対方向)に倒伏されており、吸引風aは、その倒伏された起毛布の先端側から、前記回転子8a、8bに衝突するため、倒伏している繊維が風受けとなり、強い回転力が得られる。なお、吸引風aは、その倒伏された起毛布の先端側から、前記回転子8a、8bに衝突するが、起毛布の繊維の根元側から吸引風aが流入しなければ、回転力は得られるが、前記起毛布の先端に対して、吸引風aが左右方向に各々略45°の範囲で流入するのが望ましい。
【0018】
また、風量調節弁9は、吸引風により押され、吸込室11の前方が開き、バネ10と力のバランスが取れる位置で静止する。これにより、風量が大きい時は吸込室11内を開放に近づけ、回転子8a、8bの回転数を下げることによる騒音防止、または風量が少ない時は、吸込室11内を密閉に近づけ回転子8a、8bの回転数を上げることにより、拭き、掃き、磨き性能の向上が実現できる。
【0019】
以上により、本実施例においては、外周に起毛布を巻き付けた回転子8a、8bを、空気の流れだけで回転させることができるため、モータ等の機械的駆動源が不要であり、小型、軽量、低価格で拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0020】
また、起毛布の繊維に直接空気を当てて回転させるため、起毛布のみの構成でその他に機構部品を用いないため、構造が単純で、信頼性が高く低価格な吸込具を提供することができる。
【0021】
また、起毛布の繊維を、回転軸に対して略垂直方向(回転方向とは反対方向)に倒伏させることにより、風圧を受けることができることで、風を受けやすくなり、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0022】
次に、起毛布の繊維を、一方向(回転軸に対して略垂直方向(回転方向とは反対方向))に倒伏させることによって、空気が当たった時だけ繊維が起き、風車のように風を受けやすくなり、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0023】
また、起毛布を回転子の外周に螺旋状に巻きつけたもので、起毛布を螺旋状に巻きつけることにより、起毛布のつなぎ目に向かって気流が衝突することで、風を受けやすくなり、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0024】
さらに、起毛布の繊維に硬化剤を塗布したもので、起毛布の繊維が風を受けた時に、起毛布の繊維の腰が強いため、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0025】
さらに、同じ密度でも繊維長が4mm未満だと十分な回転力が得られず拭き、掃き、磨き性能が低い。そこで繊維長を4mm以上とすることによって、風をより大きな面積で受けるため、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。但し、製造上、今現在では繊維長は30mm以下しか製造できない。
【0026】
また、同じ繊維長でも繊維太さを直径0.1mmより大きくすると、起毛布の密度が薄くなってしまい十分な回転力が得られず拭き、掃き、磨き性能が低い。そこで繊維太さを直径0.1mm以下に細くすることにより起毛布の繊維をより密度濃く配設することができ風をより大きな面積で受けるため、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。但し、製造上、今現在では繊維太さは直径0.02mm以上しか製造できない。
【0027】
次に、起毛布の繊維の材質をナイロンとすることにより羊毛等の天然繊維よりも耐久性が高く、低価格な吸込具を提供することができる。
【0028】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例を図5を用いて説明する。なお、上記実施例と同一構成部品には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0029】
図5において、回転子8aは起毛布とともに、風受部なる羽根12を具備している。
【0030】
上記構成における動作は以下の通りである。
【0031】
掃除機本体7を動作させたとき発生した吸引風は、回転子8a、8bの起毛布とともに、羽根12に風圧による動力を伝達することで、前記回転子8a、8bは回転し、被掃除面の塵埃を拭き、掃き、磨いた後、塵埃は、延長管2、手元ハンドル4、ホース6、ホース継ぎ手5を通して掃除機本体7に吸引される。
【0032】
起毛布の繊維以外に、回転子8aを回転させるために、空気を当てるための羽根12を設けることにより、起毛布だけでなく風を受けても変形せず漏れのない羽根によって風を受けることができるため、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0033】
なお、本実施例では回転子8aに羽根12を直接設け動力を伝達する構成としたが、羽根12が前記回転子8aに直接設けられてなく、ベルト等の伝達機構を用いて回転子8aに動力を伝達するものであっても同様の効果が得られるものである。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、小型、軽量、低価格で拭き、掃き、磨き性能が高い電気掃除機用吸込具および電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示す電気掃除機の斜視図
【図2】 同電気掃除機用吸込具の下面図
【図3】 同電気掃除機用吸込具の回転子の斜視図
【図4】 同電気掃除機用吸込具の側断面図
【図5】 本発明の第2の実施例を示す電気掃除機用吸込具の回転子の斜視図
【符号の説明】
1 電気掃除機
3 吸込具
7 掃除機本体
8a、8b 回転子
9 風量調節弁
11 吸込室
Claims (4)
- 塵埃を吸引する吸口体と、前記吸口体に着脱自在で且つその先端に延長管が着脱自在な吸込具と、前記吸込具に設けられ塵埃を吸引する開口を有する吸込室と、前記吸込室に臨んで設けられた回転子と、前記回転子の表面に設けられた起毛布とを備え、前記起毛布に前記吸込室内に流れ込む気流および/または前記吸込室内を流れる気流が直接当たることにより、前記回転子が回転する電気掃除機用吸込具。
- 起毛布の繊維を倒伏させるとともに、前記倒伏している繊維の先端側から、気流を起毛布に当てる請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
- 起毛布を回転子の外周に螺旋状に巻きつけた請求項1または2に記載の電気掃除機用吸込具。
- 掃除機本体が内蔵する吸引風を発する電動送風機を備え、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具の吸込室と前記電動送風機とが連通する電気掃除機。
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