JP3820814B2 - 動圧軸受及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型モータに多用される動圧軸受とその製造方法に係り、特に、動圧溝が円筒状の内面に形成されたラジアル軸受面を有する動圧軸受の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型モータでは、スピンドルを動圧軸受を介して非接触に支持することが多い。その種の動圧軸受として、例えば当該スピンドルが挿通される円筒状の穴を有する合成樹脂製の軸受部材を備え、その穴の内周面をラジアル軸受面としてこれに動圧溝が形成された動圧軸受が、特開平4−8909号公報、特開平7−190048号公報に開示されている。
【0003】
これら従来例の合成樹脂製の軸受部材は、ラジアル軸受面の動圧溝形状に対応する形状のピン溝が形成されているコアピンを有する所定の金型を使用して射出成形で形成され、その際に円筒状穴の内周面にラジアル動圧溝が同時に形成される。その動圧溝の深さは、軸径, 軸受隙間,使用する動圧流体により異なるが、通常、2〜12μm程度である。射出した樹脂が固化した後、金型から離型されて所定形状,サイズの動圧溝を有する軸受部材が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、射出成形後の軸受部材の離型方法及び動圧溝部やランド部のエッヂの形状等については全く触れていないが、しかし、軸受部材を射出成形してその円筒状穴の内周面に動圧溝を形成する場合は、金型から離型する際に軸受部材は軸方向に押し出されるため、動圧溝は必然的に無理抜きになる。
【0005】
これをそのまま無理抜きすると、▲1▼動圧溝が変形したり、或いは動圧溝を有する軸受部材の内周面(ラジアル軸受面)にキズが付いてしまう。▲2▼さらに、動圧溝を無理抜きにより離型するため離型圧力が大きくなり、離型のために軸受部材が押される部分が変形することもある。▲3▼特に、動圧軸受に要求される寸法精度と軸受部材に要求される剛性を達成するためには、高弾性率の材料を使用する必要があるが、高弾性率の材料ほど上記無理抜きが困難になる等の問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであり、動圧軸受に要求される寸法精度と軸受部材に要求される剛性とを満たす6GPa以上の弾性率の材料を用いて軸受部材を射出成形しても、無理抜きによる変形, キズ等が発生せず、精度良く成形できて軸受性能を十分満足しうる動圧軸受を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る本発明は、円筒状の内周面にラジアル軸受面を有し、該ラジアル軸受面に動圧溝を有する軸受部材を備えた動圧軸受において、前記軸受部材の材料の弾性率が6GPa以上であり、且つ前記動圧溝の少なくとも溝底角部が面取りされ又はだらされて略R形状になっていることを特徴とする。
【0008】
ここに、前記軸受部材のラジアル軸受面の動圧溝において、溝底角部の面取り量又はだらし量を動圧溝深さの5〜40%とすることができる。さらに、「動圧溝とそのランド部との境目のエッジ部分」(以下、省略して「動圧溝のエッジ部」という)が面取りされ又はだらされて略R形状になっているものとすることができる。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る発明である動圧軸受の製造方法は、円筒状の内周面にラジアル軸受面を有すると共に該ラジアル軸受面に動圧溝を有する軸受部材を射出成形により成形するにあたって、前記軸受部材の動圧溝付きのラジアル軸受面を形成するコアピンは、前記「動圧溝形状に対応する形状のピン溝とそのランド部との境目のエッジ部」(以下、省略して「ピン溝のエッジ部」という)を面取り又はだらして略R形状とされ、そのコアピンを挿入した金型のキャビテイ内に弾性率6GPa以上の材料を射出注入して成形し、成形された前記軸受部材を無理抜きにより金型より離型することを特徴とする。
【0010】
ここで、本発明の動圧軸受の製造に使用するコアピンは、ピン溝のエッジ部の面取り量又はだらし量を、ピン溝深さの5〜40%とすることができる。
コアピンのピン溝のエッジ部の面取り量又はだらし量がピン溝深さの5%より小さいと面取り効果が小さくなり、製品軸受部材のラジアル動圧溝におけるランド部や成形後離型のために押される部分(例えばフランジ部)が変形する。一方、コアピンのピン溝のエッジ部の面取り量又はだらし量がピン溝深さの40%より大きいと、製品軸受部材におけるラジアル動圧溝の溝底の平らな面が少なくなりすぎて動圧軸受としての性能が低下する。
【0011】
また、前記コアピンは、ピン溝のエッジ部のみでなく溝底角部も面取り又はだらされて略R形状とされたものとすることができる。このように、両方の面取りを行うことは、特に製品軸受部材におけるラジアル軸受面の動圧溝ランド部分のエッジの変形防止に効果的である。
本発明の動圧軸受は、射出成形される軸受部材の材料の弾性率が6GPa以上と高くても、コアピンのピン溝のエッジ部が面取又はだらされて略R形状になっているため、コアピンから無理抜きに離型するときの離型圧力が小さくなる。また、成形された軸受部材のラジアル軸受面を離型時にコアピンが通過する際に、ピン溝のエッジ部で動圧溝のランド部(凸)がキズつけられることもない。
【0012】
かくして、本発明によれば、変形もせず、キズもなく、精度良く成形された弾性率6GPa以上の軸受部材を有する動圧軸受を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の動圧軸受の射出成形用金型の一例を示した要部断面図である。この金型はピンポイントゲート方式の3枚プレート構成の金型であり、固定側はスプール1aを有するスプールブッシュ1, ランナーロックピン2が取り付けられている固定側取付板3、ランナーストリッパプレート4、固定側キャビテイ5を有する固定側型板6等からなり、キャビテイ5にはランナー5a, ゲート5b, 円筒底面部5cが形成されている。
【0014】
可動側は可動側キャビテイ7を有する可動側型板8等からなり、キャビテイ7にはフランジ7a, 円筒部7bが形成されている。さらに、その円筒部7b内にに挿入されるコアピン9及び前記フランジ7aを押圧するエジェクタピンを備えている。コアピン9は、先端面にスラスト軸受形成部9a、それに続く外周面に動圧発生用の溝を形成するべくラジアル動圧軸受形成部9bを備えている。なお、可動側の他の型部品( ガイドピン, サポートピン, スペーサブロック, 可動側取付板, エジェクターピンを取り付けたエジェクタープレート, リターンピン, バネなど)や3枚プレートを作動させるための引張リンク, プラボルト, ストップボルト, 金型温調用ヒータなどは図示を省略している。
【0015】
図2(a)はコアピン9の側面図で、外周面にラジアル動圧軸受形成部9bを備え、そこにはラジアル動圧溝用のピン溝MR が形成されている。同図(b)にピン溝MR 及びそのランド部Lの拡大断面図を示す。成形された製品動圧軸受では、コアピン9のピン溝MR (凹部)が動圧溝ランド部(凸部)になり、反対にコアピン9のランド部Lが動圧溝になる。
【0016】
この拡大図(b)に示すように、コアピン9のピン溝MR のエッジ部Eが略R形状に面取りされている。このように動圧溝用のピン溝MR のエッジ部Eを略R形状に面取りすることにより、射出成形時に製品軸受部材を金型から離型する時の離型圧力が低減され、軸受部材の動圧溝の変形や動圧溝を含むラジアル軸受面にキズをつけることもなく精度良く成形できる。また、離型が円滑に行えるのでエジエクターピン10等により直接押される部分(この場合はフランジ部)が過大な押圧力で変形することもない。
【0017】
図3(a)は成形した樹脂製軸受部材の縦断面図、同図(b)はその部分拡大図である。この製品軸受部材20は、図1の射出成形型と図2のコアピン9とを用いて射出成形されたものであり、円筒部20aの内周面20nにラジアル動圧溝21とランド部(凸状)22とを有するラジアル動圧部Rが設けられると共に、それに続く円筒部底面20bにスラスト軸受部Sが設けられた、ラジアル・スラスト一体の樹脂製の動圧軸受部材である。なお、図では外径部にフランジ20Fが設けられているがフランジ20Fはなくともよい。円筒部内周面20nはコアピン9の形状が転写されており、コアピン9のラジアル動圧溝用のピン溝MR が軸受部材20ではランド部(凸)22になっている。
【0018】
先に述べたように、コアピン9のピン溝MR のエッジ部Eが略R形状に面取りされているため、軸受部材20では動圧溝部21の溝底角部21eが略R形状の面取りとなっており、動圧溝部21以外の部分も動圧溝部21とほぼ同じ深さの凹部23となっている。実際の使用にあたっては、動圧溝21以外の凹部23は潤滑油溜まりの役目を果たす。
【0019】
上記の金型を用いて動圧軸受の軸受部材を射出成形すると、図示されない射出成型機の射出ノズルから金型内に射出された溶融樹脂は、スプール1a, ランナー5aを経て、固定型キャビテイ5に設けられている円筒底面部5cのほぼ中心に設けられた1点ピンポイントゲート5bから固定側キャビテイ5に流入して円筒底部に充填され、次に可動側キャビテイ7のフランジ部7aの円周方向に均一に充填された後、円筒部7bに順次充填される。
【0020】
このように円筒底面部5cのほぼ中心の1点ピンポイントゲート5bにより充填されるため、円筒部7bに充填される時の溶融樹脂先端は、円周方向に均一に揃った状態で軸方向に順次充填されるから、ウエルドが生じることがなく、射出圧力も均一にかかる。
そして、保圧, 冷却後成型機の型開きにより可動側が移動し、PL(パーティング面)が開き、ゲート部5bが切断されて、製品である動圧軸受の軸受部材は可動側キャビテイ7に残る。次に、図外の引張リンク, プラボルト, ストップボルトにより固定側型板6とランナーストリッパープレイト4間及びランナーストリッパープレイト4と固定側取付板3間が開く。可動側キャビテイ7からの製品の離型は、フランジ面7aをエジエクターピン10により突き出すことにより行っている。よって、コアピン9の外周面のラジアル動圧軸受形成部9bにより製品である軸受部材の円筒状の内周面に形成されているラジアル動圧溝は、無理抜きにより離型される。なお、製品軸受部材20の内周面20nのラジアル動圧溝21は、コアピン9の外周面にラジアル動圧軸受形成部9bを加工するだけで良いため、溝パターンの設計が自由に出来る。なお、突き出し位置はフランジ面7aに限られず、製品軸受部材の開口部端面をエジェクターピンやスリーブで突き出しても良い。
【0021】
図4に、本発明の他の実施の形態を示す。同図(a)はコアピンの要部拡大断面図、同図(b)はそのコアピンを使用して成形された樹脂製軸受部材の要部拡大断面図である。なお、第1の実施の形態と同一または相当部分には同一の符号を付している。
図2,図3に示す第1の実施の形態の場合と異なるところは、コアピン9のラジアル動圧溝用のピン溝MR の溝底角部9c及び樹脂製軸受部材20のランド部22のエッジ22Eとの両方とも、略R形状の面取りがしてある点である。このように両方の面取りを行うことにより、特に樹脂製軸受部材20のランド部(凸部)22のエッジ22Eの変形防止に効果を発揮する。
【0022】
上記第1,第2の各実施の形態における略R形状の面取り量は、動圧溝深さの5〜40%としている。5%より小さいと成形された樹脂製軸受部材20の離型時に、そのランド部22に変形や傷が生じる。この離型時の変形やキズに対しては面取り量は大きい程良いが、40%より大きいと動圧軸受としての性能が低下するため上限を40%としている。
【0023】
次に、本発明の樹脂製軸受部材の成形について行った比較実験を説明する。
実験に使用した材料と弾性率を下記に示す。
弾性率2.5GPa;ポリアセタール( 充填材なし)
3.9 ;ポリフエニレンサルファイド( 充填材なし)
5.5 ;ポリアセタール(ガラスファイバー約30重量%充填)
6.0 ;ポリブチレンテレフタレート(ガラスファイバー約20重量%充填)
7.8 ;ポリフェニレンサルファイド(カーボンファイバー約30重量%十ポリテトラフルオロエチレン充填)
8.0 ;ポリブチレンテレフタレート(カラスファイバー約30重量%充境)
13.7 ;ポリフエニレンサルファイド(ガラスファイバー約40重量%充填)
14.7 ;ポリフエニレンサルファイド(カラスファイバー約35重量%十炭酸カルシウム充填)
18.0 ;ポリフェニレンサルファイド(ガラスファイバー約40重量%十炭酸カルシウム充填)
図5は、材料の弾性率と成形精度(軸受部材内径の円筒度)との関係を示す実験結果である。弾性率が6GPa以上であれば動圧軸受の軸受部材に要求される円筒度精度の3μmを満たしている。この結果から、本発明にあっては軸受部材の要求精度を満たすべく材料の弾性率を6GPa以上とする。
【0024】
図6(a),(b),(c)に、コアピン9の動圧溝用のピン溝MR (溝深さを2μm,6μm,10μm,12μmの4種類とした)のエッジ部EのR形状面取り量を種々変えて成形した軸受部材20による離型実験の結果を示す。各図とも、横軸に使用した材料の弾性率、縦軸にコアピンのピン溝MR の溝深さを目盛っている。
【0025】
図6(a)はコアピン9のピン溝MR の面取り無しの場合、図6(b)は面取り量が溝深さの3〜4%の場合、図6(c)は面取り量が溝深さの5%の場合である。
判定:
○印;製品軸受部材の離型による内径の変形,キズ及び離型時に直接押す部分( フランジ部など)の変形がないもの。
【0026】
×印;前記の変形が1つでも起こったもの。
図6の結果から、動圧軸受の樹脂製軸受部材に要求される成形精度と剛性を満たす6GPa以上の弾性率の材料であっても、コアピンの動圧溝用のピン溝MR のエッジ部EのR形状面取り量が溝深さの5%未満の場合には、離型による製品内径面(動圧溝を有するラジアル軸受面)の変形,キズ及び離型時に直接押す部分( フランジ部20Fなど) の変形が起こる可能性があり、したがってコアピンの動圧溝用のピン溝MR のエッジ部EのR形状面取り量は溝深さの5%以上にするのが良いことがわかる。
【0027】
なお、本発明の動圧軸受の軸受部材に使用される樹脂材料は、マトリクス樹脂として耐熱性を有し、かつ成形精度が得られ、高温においても剛性を維持できる樹脂材料が好ましい。こうした樹脂材料として、ポリフエニレンサルファイド樹脂の他、ポリブチレンテレフタレート樹脂, ポリエチレンテレフタレート樹脂等を例示することができる。
【0028】
また、動圧軸受としての性能を更に向上させるべく、成形精度を向上させ、線膨張係数を小さく押さえ、温度によるラジアル隙間の変化を小さくするため、樹脂材料に粉末状や繊維状の強化材を配合することが好ましい。この粉末状の強化材としてガラス粉末, ガラスビーズ, シリカ, 炭酸カルシウム、繊維状の強化材としてガラス繊維, カーボン繊維等を例示できる。
【0029】
動圧軸受においては、その軸受部材に支持されるロータ軸の回転初期と停止時には、軸と軸受部材であるスリーブとが接触する。さらに、軸受部材底面のスラスト軸受と軸端面とは回転時常時接触する。そのため、耐摩耗性も要求される。したがって耐摩耗性, 摺動性を改良する充填材を配合することがより好ましい。この充填材として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末や炭化フェノール粒子などが例示できる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせることもできる。
【0030】
また、動圧軸受の軸受部材の外形形状は実施の形態に限られるものではなく、異形でもよく、フランジなどが設けられていてもいなくても良い。
また、動圧溝のパターンも、実施の形態のヘリングボーン状に限られるものではなく、動圧軸受として機能する溝パターンおよび溝幅比であれば良い。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、動圧軸受の軸受部材を、弾性率6GPa以上の材料を用い、且つラジアル軸受面となる内径面の動圧溝を形成するコアピンのピン溝のエッジ部を略R形状として射出成形により形成したため、軸受部材を金型から雛型する時の離型圧力が低減されてコアピンから容易に無理抜きして離型でき、しかも動圧溝の変形や動圧溝を含む内径面にキズをつけることもなく、さらに離型時にエジエクターピン等により直接押される部分が変形することもなく、動圧軸受に要求される成形精度と剛性を満たした精度の良い動圧軸受が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動圧軸受の軸受部材射出成形用の成形型の一例を示す要部断面図である。
【図2】本発明の動圧軸受の軸受部材射出成形時に使用するコアピンを示し、(a)は側面図、(b)はその要部拡大断面図である。
【図3】本発明の動圧軸受の射出成形された軸受部材を示し、(a)は側面の断面図、(b)はその要部拡大断面図である。
【図4】(a)は本発明に用いるコアピンの他の実施の形態の要部拡大断面図、(b)はそのコアピンを用いて射出成形された軸受部材の要部拡大断面図である。
【図5】軸受部材の材料の弾性率と成形された製品の内径の円筒度との関係を求めたグラフである。
【図6】コアピンのピン溝深さを種々変えて行った軸受部材の射出成形実験において、そのピン溝のエッジ部のR形状面取り量と離型した成形品の変形,キズの有無との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20 軸受部材
20a 円筒部
20b 底部
R ラジアル動圧軸受部
S スラスト軸受部
21 ラジアル動圧溝
21e 溝底角部(略R形状)
22 ランド
23 動圧溝以外の凹部
Claims (2)
- 円筒状の内周面にラジアル軸受面を有し、該ラジアル軸受面に動圧溝を有する軸受部材を備えた動圧軸受において、前記動圧溝の少なくとも溝底角部が面取りされ又はだらされて略R形状になっており、前記溝底角部の面取り量又はだらし量は前記動圧溝の深さの5〜40%であるとともに、前記軸受部材は弾性率が6GPa以上である樹脂を射出成形し無理抜きにより金型から離型して得られたものであることを特徴とする動圧軸受。
- 円筒状の内周面にラジアル軸受面を有すると共に該ラジアル軸受面に動圧溝を有する軸受部材を射出成形により成形する動圧軸受の製造方法において、
前記軸受部材の動圧溝付きのラジアル軸受面を形成するコアピンは、前記動圧溝形状に対応する形状のピン溝のエッジ部を面取り又はだらして略R形状とされ、前記ピン溝のエッジ部の面取り量又はだらし量は前記ピン溝の深さの5〜40%であり、そのコアピンを挿入した金型のキャビテイ内に弾性率6GPa以上の樹脂を射出注入して成形し、成形された前記軸受部材を無理抜きにより金型より離型することを特徴とする動圧軸受の製造方法。
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