JP2001065570A - 動圧軸受及びその製造方法 - Google Patents

動圧軸受及びその製造方法

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JP2001065570A JP23690499A JP23690499A JP2001065570A JP 2001065570 A JP2001065570 A JP 2001065570A JP 23690499 A JP23690499 A JP 23690499A JP 23690499 A JP23690499 A JP 23690499A JP 2001065570 A JP2001065570 A JP 2001065570A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】6GPa以上の弾性率の材料を用いて軸受部材
を射出成形しても、無理抜きによる変形, キズ等が発生
せず、精度良く成形できて軸受性能を十分満足しうる動
圧軸受を提供する。 【解決手段】円筒状の内周面20nにラジアル軸受面R
とラジアル動圧溝21を有する軸受部材20を射出成形
により成形するにあたり、軸受部材20のラジアル軸受
面Rを形成するコアピン9は、ラジアル動圧溝21の形
状に対応する形状のピン溝MR のエッジ部9cを面取り
又はだらして略R形状とされ、そのコアピン9を挿入し
た金型のキャビテイ内に弾性率6GPa以上の材料を射
出注入して成形し、成形後に軸受部材20を無理抜きに
より金型より離型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型モータに多用
される動圧軸受とその製造方法に係り、特に、動圧溝が
円筒状の内面に形成されたラジアル軸受面を有する動圧
軸受の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】小型モータでは、スピンドルを動圧軸受
を介して非接触に支持することが多い。その種の動圧軸
受として、例えば当該スピンドルが挿通される円筒状の
穴を有する合成樹脂製の軸受部材を備え、その穴の内周
面をラジアル軸受面としてこれに動圧溝が形成された動
圧軸受が、特開平4−8909号公報、特開平7−19
0048号公報に開示されている
【0003】これら従来例の合成樹脂製の軸受部材は、
ラジアル軸受面の動圧溝形状に対応する形状のピン溝が
形成されているコアピンを有する所定の金型を使用して
射出成形で形成され、その際に円筒状穴の内周面にラジ
アル動圧溝が同時に形成される。その動圧溝の深さは、
軸径, 軸受隙間,使用する動圧流体により異なるが、通
常、2〜12μm程度である。射出した樹脂が固化した
後、金型から離型されて所定形状,サイズの動圧溝を有
する軸受部材が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、射出
成形後の軸受部材の離型方法及び動圧溝部やランド部の
エッヂの形状等については全く触れていないが、しか
し、軸受部材を射出成形してその円筒状穴の内周面に動
圧溝を形成する場合は、金型から離型する際に軸受部材
は軸方向に押し出されるため、動圧溝は必然的に無理抜
きになる。
【0005】これをそのまま無理抜きすると、動圧溝
が変形したり、或いは動圧溝を有する軸受部材の内周面
(ラジアル軸受面)にキズが付いてしまう。さらに、
動圧溝を無理抜きにより離型するため離型圧力が大きく
なり、離型のために軸受部材が押される部分が変形する
こともある。特に、動圧軸受に要求される寸法精度と
軸受部材に要求される剛性を達成するためには、高弾性
率の材料を使用する必要があるが、高弾性率の材料ほど
上記無理抜きが困難になる等の問題がある。
【0006】そこで、本発明は、このような従来技術の
問題点に着目してなされたものであり、動圧軸受に要求
される寸法精度と軸受部材に要求される剛性とを満たす
6GPa以上の弾性率の材料を用いて軸受部材を射出成
形しても、無理抜きによる変形, キズ等が発生せず、精
度良く成形できて軸受性能を十分満足しうる動圧軸受を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る本発明は、円筒状の内周面にラジ
アル軸受面を有し、該ラジアル軸受面に動圧溝を有する
軸受部材を備えた動圧軸受において、前記軸受部材の材
料の弾性率が6GPa以上であり、且つ前記動圧溝の少
なくとも溝底角部が面取りされ又はだらされて略R形状
になっていることを特徴とする。
【0008】ここに、前記軸受部材のラジアル軸受面の
動圧溝において、溝底角部の面取り量又はだらし量を動
圧溝深さの5〜40%とすることができる。さらに、
「動圧溝とそのランド部との境目のエッジ部分」(以
下、省略して「動圧溝のエッジ部」という)が面取りさ
れ又はだらされて略R形状になっているものとすること
ができる。
【0009】また、本発明の請求項2に係る発明である
動圧軸受の製造方法は、円筒状の内周面にラジアル軸受
面を有すると共に該ラジアル軸受面に動圧溝を有する軸
受部材を射出成形により成形するにあたって、前記軸受
部材の動圧溝付きのラジアル軸受面を形成するコアピン
は、前記「動圧溝形状に対応する形状のピン溝とそのラ
ンド部との境目のエッジ部」(以下、省略して「ピン溝
のエッジ部」という)を面取り又はだらして略R形状と
され、そのコアピンを挿入した金型のキャビテイ内に弾
性率6GPa以上の材料を射出注入して成形し、成形さ
れた前記軸受部材を無理抜きにより金型より離型するこ
とを特徴とする。
【0010】ここで、本発明の動圧軸受の製造に使用す
るコアピンは、ピン溝のエッジ部の面取り量又はだらし
量を、ピン溝深さの5〜40%とすることができる。コ
アピンのピン溝のエッジ部の面取り量又はだらし量がピ
ン溝深さの5%より小さいと面取り効果が小さくなり、
製品軸受部材のラジアル動圧溝におけるランド部や成形
後離型のために押される部分(例えばフランジ部)が変
形する。一方、コアピンのピン溝のエッジ部の面取り量
又はだらし量がピン溝深さの40%より大きいと、製品
軸受部材におけるラジアル動圧溝の溝底の平らな面が少
なくなりすぎて動圧軸受としての性能が低下する。
【0011】また、前記コアピンは、ピン溝のエッジ部
のみでなく溝底角部も面取り又はだらされて略R形状と
されたものとすることができる。このように、両方の面
取りを行うことは、特に製品軸受部材におけるラジアル
軸受面の動圧溝ランド部分のエッジの変形防止に効果的
である。本発明の動圧軸受は、射出成形される軸受部材
の材料の弾性率が6GPa以上と高くても、コアピンの
ピン溝のエッジ部が面取又はだらされて略R形状になっ
ているため、コアピンから無理抜きに離型するときの離
型圧力が小さくなる。また、成形された軸受部材のラジ
アル軸受面を離型時にコアピンが通過する際に、ピン溝
のエッジ部で動圧溝のランド部(凸)がキズつけられる
こともない。
【0012】かくして、本発明によれば、変形もせず、
キズもなく、精度良く成形された弾性率6GPa以上の
軸受部材を有する動圧軸受を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。図1は、本発明の動圧軸受の
射出成形用金型の一例を示した要部断面図である。この
金型はピンポイントゲート方式の3枚プレート構成の金
型であり、固定側はスプール1aを有するスプールブッ
シュ1, ランナーロックピン2が取り付けられている固
定側取付板3、ランナーストリッパプレート4、固定側
キャビテイ5を有する固定側型板6等からなり、キャビ
テイ5にはランナー5a, ゲート5b, 円筒底面部5c
が形成されている。
【0014】可動側は可動側キャビテイ7を有する可動
側型板8等からなり、キャビテイ7にはフランジ7a,
円筒部7bが形成されている。さらに、その円筒部7b
内にに挿入されるコアピン9及び前記フランジ7aを押
圧するエジェクタピンを備えている。コアピン9は、先
端面にスラスト軸受形成部9a、それに続く外周面に動
圧発生用の溝を形成するべくラジアル動圧軸受形成部9
bを備えている。なお、可動側の他の型部品( ガイドピ
ン, サポートピン, スペーサブロック, 可動側取付板,
エジェクターピンを取り付けたエジェクタープレート,
リターンピン,バネなど)や3枚プレートを作動させる
ための引張リンク, プラボルト, ストップボルト, 金型
温調用ヒータなどは図示を省略している。
【0015】図2(a)はコアピン9の側面図で、外周
面にラジアル動圧軸受形成部9bを備え、そこにはラジ
アル動圧溝用のピン溝MR が形成されている。同図
(b)にピン溝MR 及びそのランド部Lの拡大断面図を
示す。成形された製品動圧軸受では、コアピン9のピン
溝MR (凹部)が動圧溝ランド部(凸部)になり、反対
にコアピン9のランド部Lが動圧溝になる。
【0016】この拡大図(b)に示すように、コアピン
9のピン溝MR のエッジ部Eが略R形状に面取りされて
いる。このように動圧溝用のピン溝MR のエッジ部Eを
略R形状に面取りすることにより、射出成形時に製品軸
受部材を金型から離型する時の離型圧力が低減され、軸
受部材の動圧溝の変形や動圧溝を含むラジアル軸受面に
キズをつけることもなく精度良く成形できる。また、離
型が円滑に行えるのでエジエクターピン10等により直
接押される部分(この場合はフランジ部)が過大な押圧
力で変形することもない。
【0017】図3(a)は成形した樹脂製軸受部材の縦
断面図、同図(b)はその部分拡大図である。この製品
軸受部材20は、図1の射出成形型と図2のコアピン9
とを用いて射出成形されたものであり、円筒部20aの
内周面20nにラジアル動圧溝21とランド部(凸状)
22とを有するラジアル動圧部Rが設けられると共に、
それに続く円筒部底面20bにスラスト軸受部Sが設け
られた、ラジアル・スラスト一体の樹脂製の動圧軸受部
材である。なお、図では外径部にフランジ20Fが設け
られているがフランジ20Fはなくともよい。円筒部内
周面20nはコアピン9の形状が転写されており、コア
ピン9のラジアル動圧溝用のピン溝MRが軸受部材20
ではランド部(凸)22になっている。
【0018】先に述べたように、コアピン9のピン溝M
R のエッジ部Eが略R形状に面取りされているため、軸
受部材20では動圧溝部21の溝底角部21eが略R形
状の面取りとなっており、動圧溝部21以外の部分も動
圧溝部21とほぼ同じ深さの凹部23となっている。実
際の使用にあたっては、動圧溝21以外の凹部23は潤
滑油溜まりの役目を果たす。
【0019】上記の金型を用いて動圧軸受の軸受部材を
射出成形すると、図示されない射出成型機の射出ノズル
から金型内に射出された溶融樹脂は、スプール1a, ラ
ンナー5aを経て、固定型キャビテイ5に設けられてい
る円筒底面部5cのほぼ中心に設けられた1点ピンポイ
ントゲート5bから固定側キャビテイ5に流入して円筒
底部に充填され、次に可動側キャビテイ7のフランジ部
7aの円周方向に均一に充填された後、円筒部7bに順
次充填される。
【0020】このように円筒底面部5cのほぼ中心の1
点ピンポイントゲート5bにより充填されるため、円筒
部7bに充填される時の溶融樹脂先端は、円周方向に均
一に揃った状態で軸方向に順次充填されるから、ウエル
ドが生じることがなく、射出圧力も均一にかかる。そし
て、保圧, 冷却後成型機の型開きにより可動側が移動
し、PL(パーティング面)が開き、ゲート部5bが切
断されて、製品である動圧軸受の軸受部材は可動側キャ
ビテイ7に残る。次に、図外の引張リンク, プラボル
ト, ストップボルトにより固定側型板6とランナースト
リッパープレイト4間及びランナーストリッパープレイ
ト4と固定側取付板3間が開く。可動側キャビテイ7か
らの製品の離型は、フランジ面7aをエジエクターピン
10により突き出すことにより行っている。よって、コ
アピン9の外周面のラジアル動圧軸受形成部9bにより
製品である軸受部材の円筒状の内周面に形成されている
ラジアル動圧溝は、無理抜きにより離型される。なお、
製品軸受部材20の内周面20nのラジアル動圧溝21
は、コアピン9の外周面にラジアル動圧軸受形成部9b
を加工するだけで良いため、溝パターンの設計が自由に
出来る。なお、突き出し位置はフランジ面7aに限られ
ず、製品軸受部材の開口部端面をエジェクターピンやス
リーブで突き出しても良い。
【0021】図4に、本発明の他の実施の形態を示す。
同図(a)はコアピンの要部拡大断面図、同図(b)は
そのコアピンを使用して成形された樹脂製軸受部材の要
部拡大断面図である。なお、第1の実施の形態と同一ま
たは相当部分には同一の符号を付している。図2,図3
に示す第1の実施の形態の場合と異なるところは、コア
ピン9のラジアル動圧溝用のピン溝MR の溝底角部9c
及び樹脂製軸受部材20のランド部22のエッジ22E
との両方とも、略R形状の面取りがしてある点である。
このように両方の面取りを行うことにより、特に樹脂製
軸受部材20のランド部(凸部)22のエッジ22Eの
変形防止に効果を発揮する。
【0022】上記第1,第2の各実施の形態における略
R形状の面取り量は、動圧溝深さの5〜40%としてい
る。5%より小さいと成形された樹脂製軸受部材20の
離型時に、そのランド部22に変形や傷が生じる。この
離型時の変形やキズに対しては面取り量は大きい程良い
が、40%より大きいと動圧軸受としての性能が低下す
るため上限を40%としている。
【0023】次に、本発明の樹脂製軸受部材の成形につ
いて行った比較実験を説明する。実験に使用した材料と
弾性率を下記に示す。 弾性率2.5GPa;ポリアセタール( 充填材なし) 3.9 ;ポリフエニレンサルファイド( 充填材なし) 5.5 ;ポリアセタール(ガラスファイバー約30重量%充填) 6.0 ;ポリブチレンテレフタレート(ガラスファイバー約20 重量%充填) 7.8 ;ポリフェニレンサルファイド(カーボンファイバー約3 0重量%十ポリテトラフルオロエチレン充填) 8.0 ;ポリブチレンテレフタレート(カラスファイバー約30 重量%充境) 13.7 ;ポリフエニレンサルファイド(ガラスファイバー約40 重量%充填) 14.7 ;ポリフエニレンサルファイド(カラスファイバー約35 重量%十炭酸カルシウム充填) 18.0 ;ポリフェニレンサルファイド(ガラスファイバー約40 重量%十炭酸カルシウム充填) 図5は、材料の弾性率と成形精度(軸受部材内径の円筒
度)との関係を示す実験結果である。弾性率が6GPa
以上であれば動圧軸受の軸受部材に要求される円筒度精
度の3μmを満たしている。この結果から、本発明にあ
っては軸受部材の要求精度を満たすべく材料の弾性率を
6GPa以上とする。
【0024】図6(a),(b),(c)に、コアピン
9の動圧溝用のピン溝MR (溝深さを2μm,6μm,
10μm,12μmの4種類とした)のエッジ部EのR
形状面取り量を種々変えて成形した軸受部材20による
離型実験の結果を示す。各図とも、横軸に使用した材料
の弾性率、縦軸にコアピンのピン溝MR の溝深さを目盛
っている。
【0025】図6(a)はコアピン9のピン溝MR の面
取り無しの場合、図6(b)は面取り量が溝深さの3〜
4%の場合、図6(c)は面取り量が溝深さの5%の場
合である。 判定: ○印;製品軸受部材の離型による内径の変形,キズ及び
離型時に直接押す部分( フランジ部など)の変形がない
もの。
【0026】×印;前記の変形が1つでも起こったも
の。図6の結果から、動圧軸受の樹脂製軸受部材に要求
される成形精度と剛性を満たす6GPa以上の弾性率の
材料であっても、コアピンの動圧溝用のピン溝MRのエ
ッジ部EのR形状面取り量が溝深さの5%未満の場合に
は、離型による製品内径面(動圧溝を有するラジアル軸
受面)の変形,キズ及び離型時に直接押す部分( フラン
ジ部20Fなど) の変形が起こる可能性があり、したが
ってコアピンの動圧溝用のピン溝MR のエッジ部EのR
形状面取り量は溝深さの5%以上にするのが良いことが
わかる。
【0027】なお、本発明の動圧軸受の軸受部材に使用
される樹脂材料は、マトリクス樹脂として耐熱性を有
し、かつ成形精度が得られ、高温においても剛性を維持
できる樹脂材料が好ましい。こうした樹脂材料として、
ポリフエニレンサルファイド樹脂の他、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂, ポリエチレンテレフタレート樹脂等
を例示することができる。
【0028】また、動圧軸受としての性能を更に向上さ
せるべく、成形精度を向上させ、線膨張係数を小さく押
さえ、温度によるラジアル隙間の変化を小さくするた
め、樹脂材料に粉末状や繊維状の強化材を配合すること
が好ましい。この粉末状の強化材としてガラス粉末, ガ
ラスビーズ, シリカ, 炭酸カルシウム、繊維状の強化材
としてガラス繊維, カーボン繊維等を例示できる。
【0029】動圧軸受においては、その軸受部材に支持
されるロータ軸の回転初期と停止時には、軸と軸受部材
であるスリーブとが接触する。さらに、軸受部材底面の
スラスト軸受と軸端面とは回転時常時接触する。そのた
め、耐摩耗性も要求される。したがって耐摩耗性, 摺動
性を改良する充填材を配合することがより好ましい。こ
の充填材として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末
や炭化フェノール粒子などが例示できる。これらは、1
種又は2種以上を組み合わせることもできる。
【0030】また、動圧軸受の軸受部材の外形形状は実
施の形態に限られるものではなく、異形でもよく、フラ
ンジなどが設けられていてもいなくても良い。また、動
圧溝のパターンも、実施の形態のヘリングボーン状に限
られるものではなく、動圧軸受として機能する溝パター
ンおよび溝幅比であれば良い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
動圧軸受の軸受部材を、弾性率6GPa以上の材料を用
い、且つラジアル軸受面となる内径面の動圧溝を形成す
るコアピンのピン溝のエッジ部を略R形状として射出成
形により形成したため、軸受部材を金型から雛型する時
の離型圧力が低減されてコアピンから容易に無理抜きし
て離型でき、しかも動圧溝の変形や動圧溝を含む内径面
にキズをつけることもなく、さらに離型時にエジエクタ
ーピン等により直接押される部分が変形することもな
く、動圧軸受に要求される成形精度と剛性を満たした精
度の良い動圧軸受が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動圧軸受の軸受部材射出成形用の成形
型の一例を示す要部断面図である。
【図2】本発明の動圧軸受の軸受部材射出成形時に使用
するコアピンを示し、(a)は側面図、(b)はその要
部拡大断面図である。
【図3】本発明の動圧軸受の射出成形された軸受部材を
示し、(a)は側面の断面図、(b)はその要部拡大断
面図である。
【図4】(a)は本発明に用いるコアピンの他の実施の
形態の要部拡大断面図、(b)はそのコアピンを用いて
射出成形された軸受部材の要部拡大断面図である。
【図5】軸受部材の材料の弾性率と成形された製品の内
径の円筒度との関係を求めたグラフである。
【図6】コアピンのピン溝深さを種々変えて行った軸受
部材の射出成形実験において、そのピン溝のエッジ部の
R形状面取り量と離型した成形品の変形,キズの有無と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20 軸受部材 20a 円筒部 20b 底部 R ラジアル動圧軸受部 S スラスト軸受部 21 ラジアル動圧溝 21e 溝底角部(略R形状) 22 ランド 23 動圧溝以外の凹部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の内周面にラジアル軸受面を有
    し、該ラジアル軸受面に動圧溝を有する軸受部材を備え
    た動圧軸受において、前記軸受部材の材料の弾性率が6
    GPa以上であり、且つ前記動圧溝の少なくとも溝底角
    部が面取りされ又はだらされて略R形状になっているこ
    とを特徴とする動圧軸受。
  2. 【請求項2】 円筒状の内周面にラジアル軸受面を有す
    ると共に該ラジアル軸受面に動圧溝を有する軸受部材を
    射出成形により成形する動圧軸受の製造方法において、 前記軸受部材の動圧溝付きのラジアル軸受面を形成する
    コアピンは、前記動圧溝形状に対応する形状のピン溝の
    エッジ部を面取り又はだらして略R形状とされ、そのコ
    アピンを挿入した金型のキャビテイ内に弾性率6GPa
    以上の材料を射出注入して成形し、成形された前記軸受
    部材を無理抜きにより金型より離型することを特徴とす
    る動圧軸受の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006029214A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Fuji Koki Corp 排水ポンプ
US7309229B2 (en) 2004-11-26 2007-12-18 Fujitsu Limited Mold die

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