JP3820783B2 - 差動式スポット型熱感知器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱箱体内の空気が膨張して、感熱箱体を構成するダイヤフラムに変位を生じさせることによって火災を検出するようにした、差動式スポット型熱感知器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8〜図10を用いて従来の技術を説明する。図8は差動式スポット型熱感知器を示す断面側面図、図9は差動式スポット型熱感知器の要部を拡大した断面側面図である。図10は差動式スポット型熱感知器の発報確度が周囲温度によって変化する様子を説明する概略断面図であり、図10(a)は周囲温度の高い場合を、図10(b)は周囲温度の低い場合をそれぞれ示している。
【0003】
差動式スポット型熱感知器は、火災による周囲温度の上昇を検出して火災発生を感知するものであり、建造物の天井などに必要に応じて要所要所に分散して取り付けられる。差動式スポット型熱感知器は、図8に示すように、感熱箱体1と、ボディ2と、可動電極3と、固定電極4とを含んで構成される。
【0004】
感熱箱体1は、錆びにくい例えばステンレス材などの金属からなる、感熱板10とダイヤフラム11とダイヤフラム支持板12とから構成される。感熱板10は金属板を略お椀形に絞り加工したものである。ダイヤフラム11は略円形の金属箔で構成されてなり、その中央部は感熱箱体1内の内気圧変化に応じた変位を生ずるようにされている。ダイヤフラム支持板12は、ダイヤフラム11を支えるための、断面略L字形の環状の板金加工部材である。ダイヤフラム支持板12には、周囲温度に変化の無い場合にはダイヤフラム11に変位を生じさせないものの、周囲温度に変化が生じた場合には周囲温度の変化率に応じた変位を生じせしめるための、極めて微小な通気孔12aを設けてある。
【0005】
ダイヤフラム支持板12の内周縁には、ダイヤフラム11の外周縁が全周にわたって気密に接合される。また、ダイヤフラム支持板12の外周縁は、感熱板10の周縁に全周にわたって気密に接合される。つまり、感熱箱体1は通気孔12aを除いて気密にされており、感熱箱体1の内気圧と外気圧とは、周囲温度に変化の無い状態では等しく釣り合っているものの、周囲温度に変化が生ずると、周囲温度の変化率に応じる気圧差を生じる。そして、ダイヤフラム11は、周囲温度の変化率に応じる変位を生じる。
【0006】
ボディ2は、ABS樹脂などの合成樹脂にて成形された略円盤状のもので、ダイヤフラム11とダイヤフラム支持板12とを覆うようにして、感熱箱体1の周縁部を拘持する。具体的には、図9に示すように、感熱箱体1のダイヤフラム支持板12の外周縁をボディ2の下面の円形の凹部20に嵌入した後に、凹部20の周縁に合成樹脂製の固定用リブ21を超音波溶着することによって、感熱箱体1の周縁をボディ2にしっかりと拘持している。
【0007】
可動電極3は、導電性で且つバネ性を有する短冊状の金属板にて構成されてなり、一端は略直角に折り曲げられて接続端子2aに接続してボディ2に植設され、他端はダイヤフラム11の中央部に軽く接触するようになされ、他端のダイヤフラム11に接触しない面には接点部3aが設けられている。
【0008】
固定電極4は、導電性で短冊状の金属板にて構成されてなり、一端は直角に折り曲げられて接続端子2bに接続してボディ2に植設され、他端は接点部3aに対向する位置に達しており、他端には接点部4aが接点部3aに対向する位置に設けられる。
【0009】
上述のように構成される差動式スポット型熱感知器は次のように動作する。すなわち、周囲温度変化の無い場合にあっては、感熱箱体1の内気圧と外気圧とは通気孔12aを通しての空気の流通によって均衡して、ダイヤフラム11の変位は生じない。しかし、火災などが生じて周囲温度が上昇すると、感熱板10を介して感熱箱体1内の空気も温度上昇を生じて膨張し、膨張する空気の一部は通気孔12aを通して漏れるものの漏れ量は僅かであり、周囲温度上昇率が高いと膨張する空気量に対する漏れ量が追いつかず、感熱箱体1の内気圧が上昇し、ダイヤフラム11は膨らんで変位を生じ、可動電極3の接点部3aを押し上げる。
【0010】
従って、昼夜や季節の周囲温度変化のように比較的穏やかに周囲温度が変化する場合にあっては、接点部3aと接点部4aとが接触することはないものの、火災などが生じて周囲温度が急激に上昇する場合には、接点部3aと接点部4aとが接触して、接続端子2aと接続端子2bとの間が電気的短絡状態になり、火災発生が検出できることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の差動式スポット型熱感知器にあっては、金属製の感熱箱体1の周縁が合成樹脂製のボディ2の周縁近傍にてしっかりと拘持されている。感熱箱体1は金属製であり、堅牢で且つ熱膨張率が小さい。それに対し、ボディ2は合成樹脂製であり、比較的軟弱で且つ熱膨張率が大きい。従って、周囲温度が低温になったり高温になったりすると、熱膨張率の異なりによって、合成樹脂製であるボディ2に撓みが生ずる。
【0012】
例えば、周囲温度が高い場合には、ボディ2は全体に膨張しようとするものの、感熱箱体1を拘持している部分ではボディ2は感熱箱体1と一体になっているために膨張が阻害されて膨張することができず、結果的に図10(a)に示すように、ボディ2は中央部が上に盛り上がった状態に変形する。一方、周囲温度が低い場合には、ボディ2は全体に収縮しようとするものの、感熱箱体1を拘持している部分ではボディ2は感熱箱体1と一体になっているために収縮が阻害されて収縮することができず、結果的に図10(b)に示すように、ボディ2は中央部が下に垂れ下がった状態に変形する。なお、図10にあっては、ボディ2の変形を強調して描いてある。
【0013】
従って、周囲温度の高低によって、通常400ミクロン程度の接点部3aと接点部4aとのギャップが微妙に変化して、火災検出確度が変化してしまい、火災であるにもかかわらず接点部3aと接点部4aとが接触しなかったり、火災でもないのに接点部3aと接点部4aとが接触してしまったりする、失報や誤報が生じてしまうという問題点があった。
【0014】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、周囲温度の高低による火災検出確度の狂いを生じない、優れる差動式スポット型熱感知器を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題点を解決するため、感熱板とダイヤフラムとダイヤフラム支持板とにより外囲された金属製の感熱箱体と、感熱箱体の周縁部を拘持する合成樹脂製のボディと、周囲温度の上昇による感熱箱体内の空気膨張に伴うダイヤフラムの変位によって動作する可動電極と、ボディに設けられて可動電極が接離する固定電極と、を備える差動式スポット型熱感知器において、前記ボディの前記感熱箱体対向面側に補強リブを設けたことを特徴とする。また、前記補強リブは略放射状に設けることが好ましい。更に、前記補強リブはダイヤフラム支持板に対向する部分を前記ダイヤフラム支持板に当接する高さに設けることも好ましい。
【0016】
また、感熱板とダイヤフラムとダイヤフラム支持板とにより外囲された金属製の感熱箱体と、感熱箱体の周縁部を拘持する合成樹脂製のボディと、周囲温度の上昇による感熱箱体内の空気膨張に伴うダイヤフラムの変位によって動作する可動電極と、ボディに設けられて可動電極が接離する固定電極と、を備える差動式スポット型熱感知器において、前記ダイヤフラム支持板に当接する当接リブを前記ダイヤフラムを略包囲するように前記ボディの前記感熱箱体対向面側に設けたことを特徴とする。
【0017】
また、感熱板とダイヤフラムとダイヤフラム支持板とにより外囲された金属製の感熱箱体と、感熱箱体の周縁部を拘持する合成樹脂製のボディと、周囲温度の上昇による感熱箱体内の空気膨張に伴うダイヤフラムの変位によって動作する可動電極と、ボディに設けられて可動電極が接離する固定電極と、を備える差動式スポット型熱感知器において、前記ボディの感熱箱体対向面とは反対側面の周縁近傍部に沿って、金属製リングを設けたことを特徴とする。
【0018】
また、感熱板とダイヤフラムとダイヤフラム支持板とにより外囲された金属製の感熱箱体と、感熱箱体の周縁部を保持することによって感熱箱体を保持する感熱箱体保持部を有する合成樹脂製のボディと、周囲温度の上昇による感熱箱体内の空気膨張に伴うダイヤフラムの変位によって動作する可動電極と、ボディに設けられて可動電極が接離する固定電極と、を備える差動式スポット型熱感知器において、感熱箱体の周縁部に鍔状部を設け、前記ボディに前記鍔状部を緩嵌できる嵌合部を設け、前記鍔状部を前記嵌合部に緩嵌するとともに、前記感熱箱体を前記ボディに押圧する緩衝押圧部材を前記鍔状部と前記感熱箱体保持部との間に介在したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る差動式スポット型熱感知器の、第1の実施の形態を図1および図2に基づいて、第2の実施の形態を図3および図4に基づいて、第3の実施の形態を図5および図6に基づいて、第4の実施の形態を図7に基づいて、それぞれ詳細に説明する。
【0020】
〔第1の実施の形態〕
図1は差動式スポット型熱感知器を示す断面側面図、図2は差動式スポット型熱感知器のボディを示す正面図である。なお、図1および図2において、従来の技術にて図8乃至図10を用いて説明した差動式スポット型熱感知器と同等の箇所には同じ符号を付してある。
【0021】
この差動式スポット型熱感知器が従来のものと異なり特徴となるのは、ボディ2の下面すなわち感熱箱体1に対向する面に、補強リブ22を設けた構成である。この補強リブ22は、図2に示すように、ボディ2の下面の中央から、固定電極4と可動電極3とを避けるようにして、略放射状に形成されている。
【0022】
上述のように構成される差動式スポット型熱感知器にあっては、昼夜や季節によって周囲温度が変化して、差動式スポット型熱感知器全体が高温あるいは低温になって、金属製の感熱箱体1や合成樹脂製のボディ2に、各素材に応じた熱膨張率による膨張収縮が生じたにしても、補強リブ22が存在するためにボディ2は撓みにくくなり、接点部3aと接点部4aとのギャップの変化を少なくすることができ、火災検出確度を安定にして、火災であるにもかかわらず可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触しなかったり、火災でもないのに可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触してしまったりする、失報や誤報を防止することができる。
【0023】
〔第2の実施の形態〕
図3は差動式スポット型熱感知器を示す断面側面図、図4は差動式スポット型熱感知器のボディを示す正面図である。なお、図3および図4において、従来の技術にて図8乃至図10を用いて説明した差動式スポット型熱感知器と同等の箇所には同じ符号を付してある。
【0024】
この差動式スポット型熱感知器が従来のものと異なり特徴となるのは、ボディ2の下面すなわち感熱箱体1に対向する面に、補強リブ22と当接リブ23とを設けた構成である。この補強リブ22は、図4に示すように、ボディ2の下面の中央から、固定電極4と可動電極3とを避けるようにして、略放射状に形成されている。また、当接リブ23は、図4に示すように、ボディ2の下面の中央を中心とした略円形状に形成されている。当接リブ23は、補強リブ22よりも高くされており、ボディ2の下面周縁に感熱箱体1の周縁を拘持したときに、ちょうど当接リブ23の頂部が感熱箱体1のダイヤフラム支持板12に当接するようにされている。
【0025】
上述のように構成される差動式スポット型熱感知器にあっては、昼夜や季節によって周囲温度が変化して、差動式スポット型熱感知器全体が高温あるいは低温になって、金属製の感熱箱体1や合成樹脂製のボディ2に、各素材に応じた熱膨張率による膨張収縮が生じたにしても、補強リブ22が存在するためにボディ2は撓みにくくなるとともに、当接リブ23が堅牢な感熱箱体1を形成するダイヤフラム支持板12に当接して存在するために、周囲温度が低温になって特に図10(b)に示すようにボディ2の中央部が下に垂れ下がるように撓むのを防止することが可能になり、可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とのギャップの変化を少なくすることができ、火災検出確度を安定にして、火災であるにもかかわらず可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触しなかったり、火災でもないのに可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触してしまったりする、失報や誤報を防止することができる。
【0026】
なお、この実施の形態の差動式スポット型熱感知器にあっては、補強リブ22とは別に当接リブ23を設けているが、当接リブ23を設けずに補強リブ22のダイヤフラム支持板12に対向する部分をダイヤフラム支持板12に当接する高さにしても略同等の効果を得ることができる。また、当然ながら、当接リブ23を設けるとともに、補強リブ22のダイヤフラム支持板12に対向する部分をダイヤフラム支持板12に当接する高さにしても良いことは言うまでもない。
【0027】
〔第3の実施の形態〕
図5は差動式スポット型熱感知器を示す断面側面図、図6は差動式スポット型熱感知器のボディを示す背面図である。なお、図5および図6において、従来の技術にて図8乃至図10を用いて説明した差動式スポット型熱感知器と同等の箇所には同じ符号を付してある。
【0028】
この差動式スポット型熱感知器が従来のものと異なり特徴となるのは、ボディ2の背面に、前記ボディの感熱箱体対向面とは反対側面の周縁近傍部に沿って、感熱箱体1を構成する金属材料と同じ材料の金属製リング5を植設あるいは埋設あるいは嵌入して設けたことである。なお、図5および図6にて示す差動式スポット型熱感知器にあっては、ボディ2の背面に設けた凹部23の周縁に金属製リング5を嵌入した例を示している。
【0029】
上述のように構成される差動式スポット型熱感知器にあっては、昼夜や季節によって周囲温度が変化して、差動式スポット型熱感知器全体が高温あるいは低温になって、金属製の感熱箱体1や合成樹脂製のボディ2に、各素材に応じた熱膨張率による膨張収縮が生じたにしても、熱膨張率が感熱箱体1と等しく且つ堅牢な金属製リング5が存在するために、合成樹脂製のボディ2の膨張収縮が感熱箱体1と同程度に抑えられて、ボディ2は撓みにくくなる。
【0030】
なお、図5および図6にて示す差動式スポット型熱感知器にあっては、ボディ2の背面に設けた凹部23の周縁に金属製リング5を嵌入したものであるため、周囲温度が低温になって特に図10(b)に示すようにボディ2の中央部が下に垂れ下がるように撓むのを防止することが可能になり、可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とのギャップの変化を少なくすることができ、火災検出確度を安定にして、火災であるにもかかわらず可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触しなかったり、火災でもないのに可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触してしまったりする、失報や誤報を防止することができる。
【0031】
また、ボディ2の背面の周縁近傍に金属製リング5を植設または埋設したような場合には、ボディ2の背面に設けた凹部23の周縁に金属製リング5を嵌入した場合と異なり、周囲温度が高温になって図10(a)に示すようにボディ2の中央部が盛り上がるように撓むのを防止することが可能であるとともに、周囲温度が低温になって図10(b)に示すようにボディ2の中央部が下に垂れ下がるように撓むのも防止することが可能になり、可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とのギャップの変化を少なくすることができ、火災検出確度を安定にして、火災であるにもかかわらず可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触しなかったり、火災でもないのに可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触してしまったりする、失報や誤報を防止することができる。
【0032】
〔第4の実施の形態〕
図7は差動式スポット型熱感知器の要部を拡大した断面側面図である。なお、図7において、従来の技術にて図8乃至図10を用いて説明した差動式スポット型熱感知器と同等の箇所には同じ符号を付してある。
【0033】
この差動式スポット型熱感知器が従来のものと異なり特徴となるのは、感熱箱体1の周縁に鍔状部1aを設けるとともに、ボディ2の下面の円形の嵌合部に相当する凹部20を鍔状部1aを緩嵌できる程度に余裕をもって形成し、鍔状部1aを凹部20に緩嵌した後に、緩衝押圧部材に相当する柔らかく弾性のあるスポンジゴムなどからなるOリング6を介して、感熱箱体1の鍔状部1aがボディ2の下面に軽く当接するように、合成樹脂製の感熱箱体保持部に相当する固定用リブ21を凹部20の周縁に超音波溶着などの接着手段により取着するようにした構成である。
【0034】
Oリング6は、感熱箱体1の鍔状部1aを合成樹脂製のボディ2の凹部20の面に軽く押圧し当接せしめるものの、感熱箱体1とボディ2との間に、各素材に応じる温度膨張率の異なりによる滑り力が作用するような場合には、すぐに滑ることができるようにされている。
【0035】
上述のように構成される差動式スポット型熱感知器にあっては、昼夜や季節によって周囲温度が変化して、差動式スポット型熱感知器全体が高温あるいは低温になって、金属製の感熱箱体1や合成樹脂製のボディ2に、各素材に応じた熱膨張率による膨張収縮が生じたにしても、合成樹脂製のボディ2は、熱膨張率が小さく堅牢な感熱箱体1とは無関係に独立に略自由に膨張収縮が可能であるので、ボディ2は撓みにくくなる。
【0036】
つまり、可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とのギャップの変化を少なくすることができ、火災検出確度を安定にして、火災であるにもかかわらず可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触しなかったり、火災でもないのに可動電極3の接点部と固定電極4の接点部とが接触してしまったりする、失報や誤報を防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、金属製の感熱箱体と合成樹脂製のボディとの熱膨張率の異なりにより周囲温度の高低によって生ずるボディの撓みを防止することができ、可動電極と固定電極とのギャップの変化を少なくすることができ、火災検出確度を安定にして、火災であるにもかかわらず可動電極と固定電極とが接触しなかったり、火災でもないのに可動電極と固定電極とが接触してしまったりする、失報や誤報を防止することができる、優れる差動式スポット型熱感知器を提供できるという効果を奏する。
【0038】
請求項2または3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて更に、有効な補強を可能にできる、優れる差動式スポット型熱感知器を提供できるという効果を奏する。
【0039】
請求項4乃至6記載の発明によれば、金属製の感熱箱体と合成樹脂製のボディとの熱膨張率の異なりにより周囲温度の高低によって生ずるボディの撓みを防止することができ、可動電極と固定電極とのギャップの変化を少なくすることができ、火災検出確度を安定にして、火災であるにもかかわらず可動電極と固定電極とが接触しなかったり、火災でもないのに可動電極と固定電極とが接触してしまったりする、失報や誤報を防止することができる、優れる差動式スポット型熱感知器を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の差動式スポット型熱感知器を示す断面側面図である。
【図2】上記差動式スポット型熱感知器のボディを示す正面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態の差動式スポット型熱感知器を示す断面側面図である。
【図4】上記差動式スポット型熱感知器のボディを示す正面図である。
【図5】本発明に係る第3の実施の形態の差動式スポット型熱感知器を示す断面側面図である。
【図6】上記差動式スポット型熱感知器のボディを示す背面図である。
【図7】本発明に係る第4の実施の形態の差動式スポット型熱感知器の要部を拡大した断面側面図である。
【図8】従来の差動式スポット型熱感知器を示す断面側面図である。
【図9】上記差動式スポット型熱感知器の要部を拡大した断面側面図である。
【図10】上記差動式スポット型熱感知器の発報確度が周囲温度によって変化する様子を説明する概略断面図である。
【符号の説明】
1 感熱箱体
1a 鍔状部
10 感熱板
11 ダイヤフラム
12 ダイヤフラム支持板
2 ボディ
20 嵌合部
21 感熱箱体保持部
22 補強リブ
23 当接リブ
3 可動電極
4 固定電極
5 金属製リング
6 緩衝押圧部材
Claims (6)
- 感熱板とダイヤフラムとダイヤフラム支持板とにより外囲された金属製の感熱箱体と、感熱箱体の周縁部を拘持する合成樹脂製のボディと、周囲温度の上昇による感熱箱体内の空気膨張に伴うダイヤフラムの変位によって動作する可動電極と、ボディに設けられて可動電極が接離する固定電極と、を備える差動式スポット型熱感知器において、前記ボディの前記感熱箱体対向面側に補強リブを設けたことを特徴とする差動式スポット型熱感知器。
- 前記補強リブは略放射状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の差動式スポット型熱感知器。
- 前記補強リブはダイヤフラム支持板に対向する部分を前記ダイヤフラム支持板に当接する高さに設けたことを特徴とする請求項1記載の差動式スポット型熱感知器。
- 感熱板とダイヤフラムとダイヤフラム支持板とにより外囲された金属製の感熱箱体と、感熱箱体の周縁部を拘持する合成樹脂製のボディと、周囲温度の上昇による感熱箱体内の空気膨張に伴うダイヤフラムの変位によって動作する可動電極と、ボディに設けられて可動電極が接離する固定電極と、を備える差動式スポット型熱感知器において、前記ダイヤフラム支持板に当接する当接リブを前記ダイヤフラムを略包囲するように前記ボディの前記感熱箱体対向面側に設けたことを特徴とする差動式スポット型熱感知器。
- 感熱板とダイヤフラムとダイヤフラム支持板とにより外囲された金属製の感熱箱体と、感熱箱体の周縁部を拘持する合成樹脂製のボディと、周囲温度の上昇による感熱箱体内の空気膨張に伴うダイヤフラムの変位によって動作する可動電極と、ボディに設けられて可動電極が接離する固定電極と、を備える差動式スポット型熱感知器において、前記ボディの感熱箱体対向面とは反対側面の周縁近傍部に沿って、金属製リングを設けたことを特徴とする差動式スポット型熱感知器。
- 感熱板とダイヤフラムとダイヤフラム支持板とにより外囲された金属製の感熱箱体と、感熱箱体の周縁部を保持することによって感熱箱体を保持する感熱箱体保持部を有する合成樹脂製のボディと、周囲温度の上昇による感熱箱体内の空気膨張に伴うダイヤフラムの変位によって動作する可動電極と、ボディに設けられて可動電極が接離する固定電極と、を備える差動式スポット型熱感知器において、感熱箱体の周縁部に鍔状部を設け、前記ボディに前記鍔状部を緩嵌できる嵌合部を設け、前記鍔状部を前記嵌合部に緩嵌するとともに、前記感熱箱体を前記ボディに押圧する緩衝押圧部材を前記鍔状部と前記感熱箱体保持部との間に介在したことを特徴とする差動式スポット型熱感知器。
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