JP3820384B2 - 単独分離系統安定化方法及び単独分離系統安定化システム - Google Patents

単独分離系統安定化方法及び単独分離系統安定化システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統においてルート断事故により単独分離系統が発生した場合に、分離系統内を安定に運転するために電源制限または負荷制限を行って安定化を図る単独分離系統安定化方法及び単独分離系統安定化システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、特開平07−241035号公報に示された従来の単独分離系統安定化方法を基にした系統安定化制御装置の構成図である。
【0003】
図において、1B〜1Cは分離系統内の母線、2A、2Bは分離系統内の送電線、3A〜3Hは遮断器、4A〜4Gは送電線電流を取り込むためのセンサ(変流器)、5A、5Bは母線電圧を取り込むためのセンサ(変成器)、6A〜6Gは遮断器情報や電流・電圧を取り込むための入力ケーブル、7A〜7Cは電源制限(電源遮断)及び負荷制限(負荷遮断)の指令信号を出すための出力ケーブル、8A〜8Cは分離系統内の負荷、9A〜9Cは分離系統内の発電機、10は送電線2Aや母線1A、1Bの分離故障によって分離系統が主系統から分離された場合に、発電機9A〜9Cまたは負荷8A〜8Cを遮断することによって、分離系統内の周波数及び電圧を維持するための系統安定化装置である。11は母線1Bへの無効電力の供給または母線1Bから無効電力を消費することによって、母線1Bの電圧を調整する調相設備、12は中央給電指令所、13Aは中央給電指令所12から系統安定化装置に10に系統情報を伝達する通信路である。
【0004】
系統安定化装置10は、分離系統内の母線電圧、負荷量、発電機出力、連系線潮流、投入されている調相量等を入力ケーブル6A〜6Fから得て、潮流計算を一定時間毎に実施する。
【0005】
送電線2Aが遮断され、分離系統に系統分離が発生すると、系統安定化装置10は例えば入力ケーブル6A、6Bを通じて得られる信号から、送電線2Aが遮断され、系統分離が発生したことを認識し、系統分離発生前の分離系統の各種情報を基にして単独分離系統内の潮流計算(周波数変動を考慮できる潮流計算)を実施し、系統分離発生後の単独分離系統の周波数及び電圧を算出し、それぞれの値が運用許容値を逸脱している場合には、許容値内で運用できるように制御量を算出し、出力ケーブル7A、7Bを通じて発電機9A〜9C及び負荷8A〜8Cに制御指令を出力する。
【0006】
この従来の系統安定化装置では、周波数、電圧の変動範囲と運用許容値から制御の要否を判断し、制御の必要があれば発電機または負荷のいずれかの遮断、あるいHS調相制御、もしくはその両方を行い、周波数及び電圧を制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の分離系統制御装置は上記のように構成され、過渡的な周波数制御、分離系統内の安定化制御における発電機または負荷の遮断量の低減に対してはなんら考慮されていないので、必要以上に大きな遮断量になっている場合があるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するものであり、単独系周波数維持に必要な発電機遮断量、または、負荷遮断量を低減し、高品質の電力供給が可能な単独分離系統安定化方法及び単独分離系統安定化システムの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る単独分離系統安定化方法は、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化方法において、
上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1ステップ、
上記第1ステップの潮流計算の結果、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線の負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっているか否かを判断する第2ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっていない場合には、上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第3ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっている場合には、無制御で上記系統安定化装置を定常運転とする第4ステップ、
上記第3ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が下降側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させ、上記第1ステップの潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最低値を求め、該運用可能な最低値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第5ステップ、
上記第3ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が上昇側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させて上記第1ステップの潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最高値を求め、該運用可能な最高値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第6ステップ、
を備えたものである。
【0010】
また、上記第1ステップにおいて、系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性、脱落量を推定し、該推定した負荷の電圧静特性及び脱落量と上記分離系統における系統分離発生前の情報とに基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施するものである。
【0011】
また、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化方法において、
上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1ステップ、
上記第1ステップにおいて計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、該ボトム周波数制御の処理を実行せず、上記算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷遮断を実施したと仮定して、上記負荷遮断のパターンを変化させ上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ボトム周波数を再々算出し、該再々算出したボトム周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第3ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、該ピーク周波数制御の処理を実行せず、上記算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、発電機遮断を実施したと仮定して、上記発電機遮断のパターンを変化させ上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ピーク周波数を再々算出し、該再々算出したピーク周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第4ステップ、
を備えたものである。
【数9】
Figure 0003820384
【数10】
Figure 0003820384
【0012】
また、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化方法において、
上記系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性、脱落量を推定し、該推定した負荷の電圧静特性及び脱落量と上記分離系統における系統分離発生前の情報とに基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1ステップ、
上記第1ステップにおいて計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第3ステップ、
上記第3ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第4ステップ、
上記第4ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返してボトム周波数対策としての調相制御及び負荷遮断パターンを決定する第5ステップ、
上記第4ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、ボトム周波数対策としての調相制御を決定する第6ステップ、
上記第3ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1ステップの潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断する第7ステップ、
上記第7ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっている場合は、無制御で上記系統安定化装置を定常運転する第8のステップ、
上記第7ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていない場合は、上記負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第9ステップ、
上記第9ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっている場合は、該収束周波数対策としての調相制御を実施する第10ステップ、
上記第9ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっていない場合、上記第6ステップで決定したボトム周波数対策としての調相制御、及び上記第5ステップで決定したボトム周波数対策としての上記調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンで上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲になっているか否かを判断する第11ステップ、
上記第11ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっている場合は、上記第11ステップの潮流計算で用いたボトム周波数対策としての制御パターンを実施する第12ステップ、
上記第11ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算を繰り返して収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンを決定し、該収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと上記第6ステップで決定したボトム周波数対策としての調相制御、及び上記第5ステップで決定したボトム周波数対策としての上記調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと制御量を比較し、制御量が大きい制御パターンを実施する第13ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第14ステップ、
上記第14ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第15ステップ、
上記第15ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の発電機遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返してピーク周波数対策としての調相制御及び発電機遮断パターンを決定する第16ステップ、
上記第15ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、ピーク周波数対策としての調相制御を決定する第17ステップ、
上記第14ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1ステップの潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断する第18ステップ、
上記第18ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっている場合は、無制御で上記系統安定化装置を定常運転する第19のステップ、
上記第18ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていない場合は、上記負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第20ステップ、
上記第20ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっている場合は、該収束周波数対策としての調相制御を実施する第21ステップ、
上記第20ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっていない場合、上記第17ステップで決定したピーク周波数対策としての調相制御、及び上記第16ステップで決定したピーク周波数対策としての上記調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンで上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲になっているか否かを判断する第22ステップ、
上記第22ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっている場合は、上記第22ステップの潮流計算で用いたピーク周波数対策としての制御パターンを実施する第23ステップ、
上記第22ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっていない場合は、予め準備した複数の発電機遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算を繰り返して収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンを決定し、該収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンと上記第17ステップで決定したピーク周波数対策としての調相制御、及び上記第16ステップで決定したピーク周波数対策としての上記調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンと制御量を比較し、制御量が大きい制御パターンを実施する第24ステップ、
を備えたものである。
【数11】
Figure 0003820384
【数12】
Figure 0003820384
【0013】
本発明に係る単独分離系統安定化システムは、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化システムにおいて、
上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1手段、
上記第1手段の潮流計算の結果、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線の負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっているか否かを判断する第2手段、
上記第2手段において、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっていない場合には、上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断し、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっている場合には、無制御で上記系統安定化装置を定常運転とする第3手段、
上記第3手段において、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が下降側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させ、上記第1手段の潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最低値を求め、該運用可能な最低値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施し、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が上昇側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させて上記第1手段の潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最高値を求め、該運用可能な最高値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第4手段、
を備えたものである。
【0014】
また、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化システムにおいて、
上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1手段、
上記第1手段において計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2手段、
上記第2手段において、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、該ボトム周波数制御の処理を実行せず、上記算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷遮断を実施したと仮定して、上記負荷遮断のパターンを変化させ上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ボトム周波数を再々算出し、該再々算出したボトム周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施し、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、該ピーク周波数制御の処理を実行せず、上記算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、発電機遮断を実施したと仮定して、上記発電機遮断のパターンを変化させ上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ピーク周波数を再々算出し、該再々算出したピーク周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第3手段、
を備えたものである。
【数13】
Figure 0003820384
【数14】
Figure 0003820384
【0015】
また、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化システムにおいて、
上記系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性、脱落量を推定し、該推定した負荷の電圧静特性及び脱落量と上記分離系統における系統分離発生前の情報とに基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1手段、
上記第1手段において計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2手段、
上記第2手段において、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第3手段、
上記第3手段において、ボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1手段の潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断し、ピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、ピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1手段の潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断する第4手段、
上記第4手段において、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返してボトム周波数対策としての調相制御及び負荷遮断パターンを決定し、上記ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、ボトム周波数対策としての調相制御を決定し、上記再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の発電機遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返してピーク周波数対策としての調相制御及び発電機遮断パターンを決定し、上記第4手段において、上記再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、ピーク周波数対策としての調相制御を決定し、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていない場合は、上記負荷母線電圧を運用可能な最低値または最高値に誘導すると仮定して上記第1手段の潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていると判断した場合は、無制御で上記系統安定化装置を定常運転する第5手段、
上記第5手段において、収束周波数が許容範囲に収まっている場合は、該収束周波数対策としての調相制御を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっていない場合、上記第5手段で決定したボトム周波数対策またはピーク周波数対策としての調相制御、及び負荷遮断パターンの制御パターンで上記第1手段の潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲になっているか否かを判断する第6手段、
上記第6手段において、収束周波数が許容範囲になっている場合は、上記第6手段の潮流計算で用いたボトム周波数対策としての制御パターンを実施し、収束周波数が許容範囲になっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1手段の潮流計算を繰り返して収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンを決定し、該収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと上記第5手段で決定したボトム周波数対策またはピーク周波数対策としての調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと制御量とを比較し、制御量が大きい制御パターンを実施する第7手段、
を備えたものである。
【数15】
Figure 0003820384
【数16】
Figure 0003820384
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る分離系統安定化システムの実施の形態1を示す構成図である。
【0017】
図において、1Aは主系統側母線、1Bは負荷母線、1Cは発電機母線、2A、2Bは分離系統内の送電線、3A〜3Hは遮断器、4A〜4Gは送電線電流を取り込むためのセンサ(変流器)、5A、5Bは母線電圧を取り込むためのセンサ(変成器)、6A〜6Gは遮断器情報や電流・電圧を取り込むための入力ケーブル、7A〜7Cは電源制限(電源遮断)、負荷制限(負荷遮断)及び調相制御の指令信号を出すための出力ケーブル、8A〜8Cは分離系統内の負荷、9A〜9Cは分離系統内の発電機、10は送電線2Aや母線1A、1Bの分離故障によって分離系統が主系統側から分離された場合に、発電機9A〜9Cまたは負荷8A〜8Cを遮断すること及び調相設備11に調相投入量または遮断量を指令することによって、分離系統内の周波数及び電圧を維持するための系統安定化装置であり、調相設備11は母線1Bへの無効電力の供給または母線1Bから無効電力を消費することで、母線1Bの電圧を調整する。12は中央給電指令所、13Aは中央給電指令所12から系統安定化装置に10に系統情報を伝達する通信路、13Bは調相設備11の調相投入量を系統安定化装置10に伝達する通信路である。
【0018】
上記図1の構成において、例えば、送電線2Aでルート断に至る故障が発生し、単独分離系統が発生した場合(母線1Aと母線1Bとの接続が分断された場合)、系統安定化装置10は、遮断器3Aまたは遮断器3Bの遮断情報を入力ケーブル6A、6Bを通して取り込むことによって、単独分離系統が発生したことを認識して、安定化制御(負荷制限、電源制限及び調相制御)を実施する。
【0019】
図2は、系統安定化装置10において実行される安定化制御の制御論理フローチャートである。同図に従って安定化制御の方法を説明する。
【0020】
ステップST1:分離系統における系統分離発生前(事前)において、入力ケーブル6C〜6G及び通信路13Bから得られる系統情報及び分離系統内の母線電圧、負荷量、発電機出力、連系線潮流及び調相投入量、並びに伝送路13Aを通して得られる中央給電指令所12からの情報(例えば、系統容量等)等から、潮流計算用のデータを収集する。
【0021】
ステップST2:送電線2Aがルート断となったことを認識する。
【0022】
ステップST3:ステップST1で収集したデータを基に系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する。
【0023】
ステップST4:ステップST3で実施した潮流計算の結果、分離系統内の周波数偏差及び母線電圧偏差が許容範囲内に収まっているか否かを判断し、収まっている場合にはステップST23に進み、分離系統が無制御で運用可能と判断して、系統安定化装置10を定常状態に戻す。その他の場合にはステップST5に進む。
【0024】
ステップST5:許容値から逸脱した周波数偏差が上昇側か否かを判断し、上昇側の場合はステップST15に進み、その他の場合はステップST6に進む。但し、母線電圧偏差のみ許容値を逸脱した場合には、周波数偏差が上昇側か否かで判断し、上昇側の場合はステップST15に進み、その他の場合はステップST6に進む。また、母線電圧偏差のみ許容値を逸脱し、かつ周波数偏差がゼロの場合には系統分離発生前の調相投入量を考慮して、つまり調相設備の余力によって電圧を高めまたは低めに誘導するのかを判断して、ステップST6またはステップST15に進むものとする。
【0025】
ステップST6:調相設備のある母線電圧を想定した最低値に誘導すると仮定して、ステップST3の潮流計算を実施する。このステップST6により、見かけ上の負荷量を低減し(負荷量は一般に電圧値に比例して変化する。分離系統内の負荷特性については、系統分離発生前に制定しておくものとする)、単独分離系統内の発電供給量不足を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、母線電圧値を想定する最低値に誘導することで周波数偏差が上昇側の許容範囲を逸脱した場合には、許容範囲内に収まる電圧値になるまで誘導する低めの電圧値を調相設備の調整により段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返すこととする。なお、誘導する電圧値の値は系統運用の基準によって予め決定しておくものとする。
【0026】
ステップST7:ステップ6で実施した潮流計算における周波数偏差が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップST14に進み、その他の場合はステップST8に進む。
【0027】
ステップST8:カウンタiを1にセットする。
【0028】
ステップST9:予め想定した負荷遮断パターンiを実施したと仮定して、潮流計算を実施する。この際、ステップST6で仮定した負荷母線電圧の低めの誘導処理も同時に実施する。なお、負荷遮断パターンについては、予め他の方法によりパターン化し、負荷遮断の優先パターンも同時に決定しておくものとする。
【0029】
ステップST10:ステップST9で実施した潮流計算の周波数偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲であればステップST13へ進み、その他の場合はステップ11へ進む。
【0030】
ステップST11:ステップST9で想定した負荷遮断パターンの次のパターンがまだ存在するか否かを判定し、負荷遮断パターンが存在する場合はステップST12へ進み、その他の場合はステップST13へ進む。
【0031】
ステップST12:ステップST9で想定した負荷遮断パターンのカウンタiを次のパターンに進める。
【0032】
ステップST13:ステップST9で想定した負荷遮断と調相制御を実施すべく、負荷8A〜8Cの遮断、及び出力ケーブル7Aを通して調相設備11の調整指令を実施する。
【0033】
ステップST14:ステップST7及びステップST16で周波数偏差が許容範囲であった場合、調相制御を実施すべく、出力ケーブル7A、7Cを通して調相設備11の調整指令を実施する。
【0034】
ステップST15:調相設備のある母線電圧を想定した最高値に誘導すると仮定して、ステップST3の潮流計算を実施する。このステップST15により、見かけ上の負荷量を増大し(負荷量は一般に電圧値に比例して変化する。分離系統内の負荷特性については、事前に整定しておくものとする。)、単独分離系統内の発電供給量過剰を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、負荷母線電圧値を想定する最高値に誘導することによって周波数偏差が低下側の許容範囲を逸脱した場合は、許容範囲に収まる電圧値になるまで誘導する高めの電圧値を調相設備の調整により段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返すこととする。なお、誘導する最高電圧の値は、系統運用の基準により予め決定しておくものとする。
【0035】
ステップST16:ステップ15で実施した潮流計算における周波数偏差が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップST14に進み、調相制御を実施し、その他の場合はステップST17へ進む。
【0036】
ステップST17:カウンタnを1にセットする。
【0037】
ステップST18:予め想定した発電機遮断パターンnを実施したと仮定して、潮流計算を実施する。この際、ステップST15で仮定した負荷母線電圧の高めの誘導処理も同時に実施する。なお、発電機遮断パターンも同時に決定しておくものとする。
【0038】
ステップST19:ステップST18で実施した潮流計算の周波数偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲であればステップST22へ進み、その他の場合はステップST20へ進む。
【0039】
ステップST20:ステップST18で想定した発電機遮断パターンの次のパターンがまだ存在するか否かを判定し、発電機遮断パターンが存在する場合はステップST21に進み、その他の場合にはステップST22に進む。
【0040】
ステップST21:ステップST18で想定した発電機遮断パターンのカウンタnを次のパターンに進める。
【0041】
ステップST22:ステップST18で想定した発電機遮断と調相制御を実施すべく、出力ケーブル7B、7Cを通して発電機9A〜9Cの遮断及び調相設備11の制御指令を実施する。
【0042】
ステップST23:ステップST4で周波数偏差及び電圧変動が許容範囲であった場合、分離系統が無制御で運用可能と判断してステップST24に進む。
【0043】
ステップST24:全ての分離系統処理が完了したと判断して、安定化装置10を定常状態に戻す。
【0044】
本実施の形態においては、分離系統発生時に、当該分離系統の調相すべき負荷母線電圧を周波数低下時には低めに誘導し、周波数上昇時には高めに誘導し、見かけ上の負荷量を調整することによって、分離系統の需給アンバランスを低減し、負荷遮断または発電機遮断量を最小化でき、高品質の電力供給が可能になる。
【0045】
なお、本実施の形態に係る単独分離系統安定化システムは、上記各ステップを実行する手段を系統安定化装置10が備えているものである。また、上記各ステップを実行する手段を系統安定化装置10と連係させて備えているようにしてもよい。
【0046】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、分離系統における負荷特性を分離系統発生前に整定して制御を実施したが、本実施の形態は、分離系統に至る故障発生時のオンラインデータから負荷特性を推定して、精度の高い分離系統安定化制御をするものである。
【0047】
図3は、本実施の形態における安定化制御の制御論理フローチャートであり、同図に従って安定化制御の方法を説明する。
【0048】
例えば、図1を参照し、送電線2Aでルート断に至る故障が発生し、単独分離系統が発生(母線1Aと母線1Bが分断されることを意味する。)した場合には、遮断器3Aまたは遮断器3Bの遮断情報を入力ケーブル6A、6Bを通して取り込むことにより、系統安定化装置10は単独分離系統発生を認識し、以下のステップによって安定化処理を実施する。
【0049】
ステップST1:系統分離発生前における、入力ケーブル6C〜6G及び通信路13Bから得られる系統情報及び分離系統内の母線電圧、負荷量、発電機出力、連系線潮流及び調相投入量、並びに伝送路13Aを通して得られる中央給電指令所12からの情報(例えば、系統容量等)等から、潮流計算用のデータを収集する。
【0050】
ステップST2:送電線2Aがルート断となったことを認識する。
【0051】
ステップST3:系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性及び脱落量を推定する。
【0052】
ステップST4:ステップST1で収集したデータとステップST3で推定した負荷の電圧静特性及び脱落量を基に分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算をする。
【0053】
ステップST5:ステップST4で実施した潮流計算の結果において、分離系統内の周波数偏差及び母線電圧偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲に収まっている場合にはステップST24に進み、分離系統が無制御で運用可能と判断して分離系統処理を完了(ステップST25)し、その他の場合にはステップST6に進む。
【0054】
ステップST6:許容値から逸脱した周波数偏差が上昇側か否かを判断し、上昇側の場合はステップST16に進み、その他の場合はステップST7に進む。但し、母線電圧偏差のみ許容値を逸脱した場合には、周波数偏差が上昇側か否かで判断し、上昇側の場合はステップST16に進み、その他の場合はステップST7に進む。また、母線電圧偏差のみ許容値を逸脱し、かつ周波数偏差がゼロの場合には分離系統発生前の調相投入量を考慮して、つまり調相設備の余力によって電圧を高めまたは低めに誘導するのかを判断して、ステップST7またはステップST16に進むものとする。
【0055】
ステップST7:調相設備のある母線電圧を想定した最低値に誘導すると仮定して、ステップST4の潮流計算を実施する。このステップST7により、見かけ上の負荷量を低減し(負荷量はステップST3で推定した負荷の電圧静特性を用いて見かけ上の負荷量を調整する)、単独分離系統内の発電供給量不足を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、母線電圧値を想定する最低値に誘導することで周波数偏差が上昇側の許容範囲を逸脱した場合には、許容範囲に収まる電圧値になるまで誘導する低めの電圧値を調相設備の調整により段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返すこととする。なお、誘導する電圧値の値は系統運用の基準によって予め決定しておくものとする。
【0056】
ステップST8:ステップ7で実施した潮流計算における周波数偏差が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップST15に進み、調相制御を実施し、分離系統処理を完了(ステップST25)し、その他の場合はステップST9に進む。
【0057】
ステップST9:カウンタiを1にセットする。
【0058】
ステップST10:予め想定した負荷遮断パターンiを実施したと仮定して、潮流計算を実施する。この際、ステップST7で仮定した母線電圧の低めの誘導処理も同時に実施する。なお、負荷遮断パターンについては、予め他の方法によりパターン化し、負荷遮断の優先パターンも同時に決定しておくものとする。
【0059】
ステップST11:ステップST10で実施した潮流計算の周波数偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲であればステップST14へ進み、想定した負荷遮断と調相制御を実施し、分離系統処理を完了(ステップST25)し、その他の場合はステップ12へ進む。
【0060】
ステップST12:ステップST10で想定した負荷遮断パターンの次のパターンがまだ存在するか否かを判定し、負荷遮断パターンが存在する場合はステップST13へ進み、その他の場合はステップST14へ進み、想定した負荷遮断と調相制御を実施し、分離系統処理を完了(ステップST25)する。
【0061】
ステップST13:ステップST10で想定した負荷遮断パターンのカウンタiを次のパターンに進める。
【0062】
ステップST14:ステップST10で想定した負荷遮断と調相制御を実施すべく、出力ケーブル7A、7Cを通して負荷8A〜8Cの遮断、及び調相設備11の調整指令を実施する。
【0063】
ステップST15:ステップST8及びステップST17で周波数偏差が許容範囲であった場合、調相制御を実施すべく、出力ケーブル7A、7Cを通して調相設備11の調整指令を実施する。
【0064】
ステップST16:調相設備のある母線電圧を想定した最高値に誘導すると仮定して、ステップST4の潮流計算を実施する。このステップST16により、見かけ上の負荷量を増大し(負荷量はステップST3で推定した負荷の電圧静特性を用いて見かけ上の負荷量を調整する。)、単独分離系統内の発電供給量過剰を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、負荷母線電圧値を想定する最高値に誘導することによって周波数偏差が低下側の許容範囲を逸脱した場合は、許容範囲に収まる電圧値になるまで誘導する高めの電圧値を調相設備の調整により段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返すこととする。なお、誘導する電圧の値は、系統運用の基準により予め決定しておくものとする。
【0065】
ステップST17:ステップ16で実施した潮流計算における周波数偏差が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップST15に進み、調相制御を実施し、分離系統処理を完了(ステップST25)し、その他の場合はステップST18へ進む。
【0066】
ステップST18:カウンタnを1にセットする。
【0067】
ステップST19:予め想定した発電機遮断パターンnを実施したと仮定して、潮流計算を実施する。この際、ステップST16で仮定した負荷母線電圧の高めの誘導処理も同時に実施する。なお、発電機遮断パターンも同時に決定しておくものとする。
【0068】
ステップST20:ステップST19で実施した潮流計算の周波数偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲であればステップST21へ進み、その他の場合はステップST23へ進む。
【0069】
ステップST21:ステップST19で想定した発電機遮断パターンの次のパターンがまだ存在するか否かを判定し、発電機遮断パターンが存在する場合はステップST22に進み、その他の場合にはステップ23に進み、想定した調相制御及び発電機遮断を実施し、分離系統処理を完了(ステップST25)する。
【0070】
ステップST22:ステップST19で想定した発電機遮断パターンのカウンタnを次のパターンに進める。
【0071】
ステップST23:ステップST19で想定した発電機遮断と調相制御を実施すべく、出力ケーブル7B、7Cを通して発電機8A〜8Cの遮断及び調相設備11の制御指令を実施する。
【0072】
ステップST24:分離系統が無制御で運用可能と判断してステップST25に進む。
【0073】
ステップST25:全ての分離系統処理が完了したと判断して、安定化装置10を定常状態に戻す。
【0074】
以上のように、本実施の形態においては、分離系統内の負荷の電圧静特性及び負荷脱落量をオンラインデータより推定し、分離系統の潮流計算を実施して分離系統の安定化制御を行うようにしたので、高品質の電力供給が可能になる。
【0075】
なお、本実施の形態に係る単独分離系統安定化システムは、上記各ステップを実行する手段を系統安定化装置10が備えているものである。また、上記各ステップを実行する手段を系統安定化装置10と連係させて備えているようにしてもよい。
【0076】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、分離系統における潮流計算を実施し、その計算における収束時の周波数及び電圧値を制御するものであったが、本実施の形態は、潮流計算で算出した収束時の周波数に予め整定したピーク時の発電機出力特性を組み込んで潮流計算を行うことによって、最高周波数(周波数上昇局面におけるピーク値)及び最低周波数(周波数低下局面におけるボトム値)を算出し、調相制御によって最高周波数または最低周波数を制御して、精度の高い分離系統運用を実施するものである。
【0077】
図4は、本実施の形態における安定化制御の制御論理フローチャートであり、同図に従って安定化制御の方法を説明する。
【0078】
例えば、図1を参照し、送電線2Aでルート断に至る故障が発生し、単独分離系統が発生(母線1Aと母線1Bが分断されることを意味する。)した場合には、遮断器3Aまたは遮断器3Bの遮断情報を入力ケーブル6A、6Bを通して取り込むことにより、系統安定化装置10は単独分離系統発生を認識し、以下のステップによって安定化処理を実施する。
【0079】
ステップST1:分離系統発生前における、入力ケーブル6C〜6G及び通信路13Bから得られる系統情報及び分離系統内の母線電圧、負荷量、発電機出力、連系線潮流及び調相投入量、並びに伝送路13Aを通して得られる中央給電指令所12からの情報(例えば、系統容量等)等から、潮流計算用のデータを収集する。
【0080】
ステップST2:送電線2Aがルート断となったことを認識する。
【0081】
ステップST3:ステップST1で収集したデータを基に分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算をする。
【0082】
ステップST4:ステップST3で実施した潮流計算の周波数変動が上昇側か否かを判断し、上昇側であればステップST15へ、その他の場合にはステップST5へ進む。
【0083】
ステップST5:ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を変形した下記式(1’)を、ステップST3の潮流計算で算出した収束時の周波数に組み込んでボトム周波数を算出する。下記式(1’)のRは、通常、収束時の周波数に対する値を使用して計算されるが、ボトム周波数の算出のために予め発電機毎にシミュレーションによってボトム周波数時の発電機諸量(発電機出力、発電機初期出力、分離系統周波数偏差)及び所定数(発電機定格出力)を下記式(1’)に代入することによって求めておくものとする。なお、下記式(1’)のRは、需給アンバランス率Ruと発電機の初期出力PGOによって変化するため、図5に示すグラフのように最小2乗法などによって、関数化しておくものとする。
【0084】
【数17】
Figure 0003820384
【0085】
【数18】
Figure 0003820384
【0086】
ステップST6:ステップ5で算出した分離系統ボトム周波数が許容範囲であるか否かを判断し、許容範囲である場合はステップST25に進み、過渡周波数制御の処理を終了し、その他の場合はステップST7に進む。
【0087】
ステップST7:調相設備のある母線電圧に対して調相制御を行うことにより、電圧値を想定した最低値に誘導して、ステップST5の潮流計算を実施する。このステップST7により、見かけ上の負荷量を低減し(負荷量は一般に電圧値に比例して変化する。分離系統内の負荷特性については、分離系統発生前に制定しておくものとする)、単独分離系統内の発電供給量不足を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、負荷母線電圧値を想定する最低値に誘導することで周波数偏差が上昇側の許容範囲を逸脱した場合には、許容範囲に収まる電圧値になるまで誘導する低めの電圧値を調相設備の調整により段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返すこととする。なお、誘導する電圧値の値は系統運用の基準によって予め決定しておくものとする。
【0088】
ステップST8:ステップST7で実施した潮流計算における周波数偏差が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップST25に進み、過渡周波数制御の処理を終了し、その他の場合はステップST9に進む。
【0089】
ステップST9:カウンタiを1にセットする。
【0090】
ステップST10:予め想定した負荷遮断パターンiを実施したと仮定して、潮流計算を実施する。この際、ステップST7で仮定した負荷母線電圧の低めの誘導処理も同時に実施する。なお、負荷遮断パターンについては、予め他の方法によりパターン化し、負荷遮断の優先パターンも同時に決定しておくものとする。
【0091】
ステップST11:ステップST10で実施した潮流計算の周波数偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲内であればステップST14へ進み、想定した調相制御及び負荷遮断を実施して過渡周波数制御の処理を完了(ステップST25)し、その他の場合はステップST12へ進む。
【0092】
ステップST12:ステップST10で想定した負荷遮断パターンの次のパターンがまだ存在するか否かを判定し、負荷遮断パターンが存在する場合はステップST13へ進み、その他の場合はステップST14へ進んで想定した調相制御及び負荷遮断を実施して過渡周波数制御の処理を完了(ステップST25)する。
【0093】
ステップST13:ステップST10で想定した負荷遮断パターンのカウンタiを次のパターンに進める。
【0094】
ステップST14:ステップST10で想定した負荷遮断と調相制御を実施すべく、出力ケーブル7A、7Cを通して負荷8A〜8Cの遮断、及び調相設備11の調整指令を実施する。
【0095】
ステップST15:ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を、ステップST3で実施した潮流計算で算出された収束時の周波数に組み込んで、ピーク周波数を算出する。下記式(2)のRは、通常、収束時の周波数に対する値を使用して計算されるが、ピーク周波数の算出のために予め発電機毎にシミュレーションによってピーク周波数時の発電機諸量(発電機出力、発電機初期出力、分離系統周波数偏差)及び所定数(発電機定格出力)を下記式(2)に代入することによって求めておくものとする。なお、下記式(2)のRは、需給アンバランス率Rと発電機の初期出力RGOによって変化するため、Rの場合と同様に、最小2乗法などによって関数化しておくものとする。
【0096】
【数19】
Figure 0003820384
【0097】
ステップST16:ステップ15で算出したピーク周波数が許容範囲であるか否かを判断し、許容範囲である場合はステップST25へ進んで過渡周波数制御の処理を完了(ステップST25)し、その他の場合はステップST17へ進む。
【0098】
ステップST17:調相設備のある負荷母線電圧に対して調相制御を行うことによって、想定した最高値に誘導して、ステップST15の潮流計算を実施する。これにより、見かけ上の負荷量を増大し(負荷量は一般に電圧値に比例して変化する。分離系統内の負荷特性については、事前に整定しておくものとする。)、単独分離系統内の発電供給量過剰を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、負荷母線電圧値を想定する最高値に誘導することによって周波数偏差が低下側の許容範囲を逸脱した場合は、許容範囲に収まる電圧値になるまで誘導する高めの電圧値を調相設備の調整により段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返すこととする。なお、誘導する電圧の値は、系統運用の基準により予め決定しておくものとする。
【0099】
ステップST18:ステップ17で実施した潮流計算における周波数偏差が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップST25に進んで過渡周波数制御の処理を完了(ステップST25)し、その他の場合はステップST19へ進む。
【0100】
ステップST19:カウンタnを1にセットする。
【0101】
ステップST20:予め想定した発電機遮断パターンnを実施したと仮定して、潮流計算を実施する。この際、ステップST17で仮定した負荷母線電圧の高めの誘導処理も同時に実施する。なお、発電機遮断パターンについては、予め他の方法によってパターン化し、発電機遮断の優先パターンも同時に決定しておくものとする。
【0102】
ステップST21:ステップST20で実施した潮流計算の周波数偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲であればステップST25へ進んで過渡周波数制御の処理を完了(ステップST25)し、その他の場合はステップST22へ進む。
【0103】
ステップST22:ステップST20で想定した発電機遮断パターンの次のパターンがまだ存在するか否かを判定し、発電機遮断パターンが存在する場合はステップST23に進み、その他の場合にはステップ24に進んで想定した調相制御及び発電機遮断を実施して過渡周波数制御の処理を完了(ステップST25)する。
【0104】
ステップST23:ステップST20で想定した発電機遮断パターンのカウンタnを次のパターンに進める。
【0105】
ステップST24:ステップST20で想定した発電機遮断と調相制御を実施すべく、出力ケーブル7B、7Cを通して発電機9A〜9Cの遮断及び調相設備11の制御指令を実施する。
【0106】
ステップST25:過渡周波数(ピークまたはボトム周波数)制御の処理を終了する。
【0107】
本実施の形態では、潮流計算における発電機出力と周波数の関係をピーク周波数とボトム周波数用に対応した式に代替したので、分離系統のピーク周波数とボトム周波数を見かけ上の負荷量の増減によって制御可能になり、負荷遮断量または発電機遮断量を低減することができ、高品質の電力供給ができる。
【0108】
なお、本実施の形態に係る単独分離系統安定化システムは、上記各ステップを実行する手段を系統安定化装置10が備えているものである。また、上記各ステップを実行する手段を系統安定化装置10と連係させて備えているようにしてもよい。
【0109】
実施の形態4.
上記実施の形態1では、分離系統における潮流計算を実施し、その収束周波数及び電圧値を制御するものであったが、本実施の形態は、最高周波数及び最低周波数と収束周波数を許容値内に同時に制御するものである。
【0110】
図6及び図7は、本実施の形態における安定化制御の制御論理フローチャートであり、同図に従って安定化制御の方法を説明する。
【0111】
例えば、図1を参照し、送電線2Aでルート断に至る故障が発生し、単独分離系統が発生(母線1Aと母線1Bが分断されることを意味する。)した場合には、遮断器3Aまたは遮断器3Bの遮断情報を入力ケーブル6A、6Bを通して取り込むことにより、系統安定化装置10は単独分離系統発生を認識し、以下のステップによって安定化処理を実施する。
【0112】
ステップST1:分離系統発生前における、入力ケーブル6C〜6Gから得られる系統情報、通信路13Bから得られる分離系統内の母線電圧、負荷量、発電機出力、連系線潮流及び調相投入量、並びに伝送路13Aを通して得られる中央給電指令所12からの情報(例えば、系統容量等)等から、潮流計算用のデータを収集する。
【0113】
ステップST2:送電線2Aがルート断となったことを認識する。
【0114】
ステップST3:分離系統発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性及び脱落量を推定する。
【0115】
ステップST4:ステップST1で収集したデータとステップST3で推定した負荷の電圧静特性及び脱落量を基に分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算をする。
【0116】
ステップST5:許容値から逸脱した周波数偏差が上昇側か否かを判断し、上昇側の場合はステップST19に進み、その他の場合はステップST6に進む。但し、負荷母線電圧偏差のみ許容値を逸脱した場合には、周波数偏差が上昇側か否かで判断し、負荷母線電圧偏差のみ許容値を逸脱し、かつ周波数偏差がゼロの場合には事前の調相投入量を考慮して、つまり調相設備の余力によって電圧を高めまたは低めに誘導するのかを判断して、ステップST6またはステップST19に進むものとする。
【0117】
ステップST6:ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する上記式(1’)を、ステップST4で実施した潮流計算で求めた収束時の周波数に組み込んでボトム周波数を算出する。上記式(1’)のRは、通常、収束時の周波数に対する値を使用して計算されるが、ボトム周波数の算出のために予め発電機毎にシミュレーションによってボトム周波数時の発電機諸量(発電機出力、発電機初期出力、分離系統周波数偏差)及び所定数(発電機定格出力)を上記式(’)に代入することによって求めておくものとする。なお、上記式(1’)のRは、需給アンバランス率Ruと発電機の初期出力RGOによって変化するため、図5に示すグラフのように最小2乗法などによって、関数化しておくものとする。
【0118】
ステップST7:ステップ4で算出したボトム周波数が許容範囲であるか否かを判断し、許容範囲である場合はステップST18に進んでボトム周波数対策は無制御であることをセットしておき、その他の場合はステップST8に進む。
【0119】
ステップST8:調相設備のある負荷母線電圧に対して調相制御を行うことにより、電圧値を想定した最低値に誘導して、ステップST6の潮流計算を実施する。このステップST8により、見かけ上の負荷量を低減し(負荷量は一般に電圧値に比例して変化する。)、単独分離系統内の発電供給量不足を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、負荷母線電圧値を想定する最低値に誘導することで周波数偏差が上昇側の許容範囲を逸脱した場合には、許容範囲に収まる電圧値になるまで誘導する低めの電圧値を調相設備の調整により段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返すこととする。なお、誘導する電圧値の値は系統運用の基準によって予め決定しておくものとする。
【0120】
ステップST9:ステップST8で実施した潮流計算における周波数偏差が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップST17に進んで計算した結果が調相制御のみのパターンであることを記憶しておき、その他の場合はステップST10に進む。
【0121】
ステップST10:予め決定した負荷遮断パターンテーブルを参照して、負荷遮断パターンの選択を準備する。
【0122】
ステップST11:カウンタiを1にセットする。
【0123】
ステップST12:予め想定した負荷遮断パターンiを実施したと仮定して、潮流計算を実施する。この際、ステップST6で仮定した負荷母線電圧の低めの誘導処理も同時に実施する。なお、負荷遮断パターンについては、予め他の方法によりパターン化し、負荷遮断の優先パターンも同時に決定しておくものとする。
【0124】
ステップST13:ステップST12で実施した潮流計算の周波数偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲であればステップST16へ進んで想定した負荷遮断と調相制御パターンをボトム周波数対策用の制御パターンとして決定し、記憶しておき、その他の場合はステップ14へ進む。
【0125】
ステップST14:ステップST12で想定した負荷遮断パターンの次のパターンがまだ存在するか否かを判定し、負荷遮断パターンが存在する場合はステップST15へ進み、その他の場合はステップST16へ進んで想定した負荷遮断と調相制御パターンをボトム周波数対策用の制御パターンとして決定し、記憶しておく。
【0126】
ステップST15:ステップST12で想定した負荷遮断パターンのカウンタiを次のパターンに進める。
【0127】
ステップST16:ステップST12で想定した負荷遮断と調相制御パターンをボトム周波数対策用の制御パターンとして決定し、記憶しておく。
【0128】
ステップST17:ステップST8で実施した潮流計算の結果が調相制御のみの制御パターンを記憶しておく。
【0129】
ステップST18:ボトム周波数の対策としては、無制御であることをセットしておく。
【0130】
ステップST19:ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する上記式(2)を、ステップST3で実施した潮流計算に組み込んで、ピーク周波数を算出する。上記式(2)のRHは、通常、収束時の周波数に対する値を使用して計算されるが、ピーク周波数の算出のために予め発電機毎にシミュレーションによってピーク周波数時の発電機諸量(発電機出力、発電機初期出力、分離系統周波数偏差)及び所定数(発電機定格出力)を上記式(2)に代入することによって求めておくものである。なお、上記式(2)のRHは、需給アンバランス率Ruと発電機の初期出力RGOによって変化するため、RLの場合と同様に、最小2乗法などによって関数化しておくものとする。
【0131】
ステップST20:ステップST19で算出した分離系統ピーク周波数が許容範囲であるか否かを判断し、許容範囲である場合はステップST31へ進んでピーク周波数の対策としては、無制御であることをセットしておき、その他の場合はステップST21へ進む。
【0132】
ステップST21:調相設備のある負荷母線電圧に対して調相制御を行うことによって、想定した最高値に誘導すると仮定して、ステップST19の潮流計算を実施する。このステップST21により、見かけ上の負荷量を増大し(負荷量は一般に電圧値に比例して変化する。分離系統内の負荷特性については、事前に整定しておくものとする。)、単独分離系統内の発電供給量過剰を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、負荷母線電圧値を想定する最高値に誘導することによって周波数偏差が低下側の許容範囲を逸脱した場合は、許容範囲に収まる電圧値になるまで誘導する高めの電圧値を調相設備の調整により段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返すこととする。なお、誘導する電圧の値は、系統運用の基準により予め決定しておくものとする。
【0133】
ステップST22:ステップST21で実施した潮流計算におけるピーク周波数が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップST30に進んで実施した潮流計算の結果が調相制御のみの制御パターンを記憶しておき、その他の場合にはステップST23に進む。
【0134】
ステップST23:予め決定した発電機パターンテーブルを参照して、発電機遮断パターンの選択を準備する。
【0135】
ステップST24:カウンタnを1にセットする。
【0136】
ステップST25:予め想定した発電機遮断パターンnを実施したと仮定して、潮流計算を実施する。この際、ステップST21で仮定した母線電圧の高めの誘導処理も同時に実施する。なお、発電機遮断パターンについては、予め他の方法によりパターン化し、発電機遮断の優先パターンも同時に決定しておくものとする。
【0137】
ステップST26:ステップST25で実施した潮流計算のピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲であればステップST29へ進んで想定した負荷遮断と調相制御パターンをピーク周波数対策用の制御パターンとして決定し、記憶しておき、その他の場合はステップST27へ進む。
【0138】
ステップST27:ステップST25で想定した発電機遮断パターンの次のパターンがまだ存在するか否かを判定し、発電機遮断パターンが存在する場合はステップST28に進み、その他の場合にはステップ29に進んで想定した負荷遮断と調相制御パターンをピーク周波数対策用の制御パターンとして決定し、記憶しておく。
【0139】
ステップST28:ステップST25で想定した発電機遮断パターンのカウンタnを次のパターンに進める。
【0140】
ステップST29:ステップST25で想定した負荷遮断と調相制御パターンをピーク周波数対策用の制御パターンとして決定し、記憶する。
【0141】
ステップST30:ステップST21で実施した潮流計算の結果の調相制御のみの制御パターンを記憶する。
【0142】
ステップST31:ピーク周波数の対策としては、無制御であることをセットする。
【0143】
ステップST32:ボトム周波数対策の制御パターンが無制御であるか否かを判断し、無制御パターンである場合はステップST37へ進んでボトム周波数対策で選択した制御パターンで収束対策用の潮流計算を実施し、その他の場合はステップST33へ進む。
【0144】
ステップST33:収束周波数用の潮流計算を無制御で実施する。
【0145】
ステップST34:ステップST33で実施した潮流計算の結果、分離系統内の収束時の周波数偏差及び母線電圧偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、収まっている場合はステップST64へ進んで全ての分離系統処理を完了し、その他の場合はステップST35へ進む。
【0146】
ステップST35:調相設備のある負荷母線電圧に対して調相制御を行うことによって、想定した最低値に誘導したと仮定して、ステップST33の潮流計算を実施する。このステップST35により、見かけ上の負荷量を低減し(負荷量はステップST3で推定した負荷の電圧静特性を用いて見かけ上の負荷量を調整する)、単独分離系統内の発電供給量不足を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、負荷母線電圧値を想定する最低値に誘導することによって、周波数偏差が上昇側の許容範囲を逸脱した場合は許容範囲に収まる電圧値になるまで誘導する低めの電圧値を調相設備の調整によって段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返す。なお、誘導する電圧値の値は系統運用の基準によって予め決定しておく。
【0147】
ステップST36:ステップST35で実施した潮流計算における収束周波数偏差が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップ38へ進んでステップST17で保持した調相制御パターンと比較して制御量の大きい方の制御を実施し、その他の場合はステップ37へ進む。
【0148】
ステップST37:ボトム周波数対策で選択した制御パターンで収束対策用の潮流計算を実施する。
【0149】
ステップST38:ステップST17で保持した制御パターンとステップST35で仮定した調相制御量とを比較し、制御量の大きい方の制御を実施し、ステップST64へ進む。
【0150】
ステップST39:ステップST37で実施した潮流計算の結果、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、収まっている場はステップST40へ進み、その他の場合はステップST41へ進む。
【0151】
ステップST40:ボトム周波数対策で決定した制御パターンで制御すれば収束周波数も許容値内に制御できることを判断して、ボトム周波数時の制御パターンを実施すべく、出力ケーブル7A、7Cを通して負荷8A〜8Cの遮断及び調相設備11の調整指令を実施する。
【0152】
ステップST41:負荷遮断パターンを参照し、優先順位の1番高い制御パターンをセットする。
【0153】
ステップST42:ステップST41でセットした制御パターンに従って、収束周波数用の潮流計算を実施する。
【0154】
ステップST43:ステップST42で実施した潮流計算の周波数偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容版範囲内であればステップST46へ進んで収束周波数対策としての調相制御と負荷遮断パターンを決定し、その他の場合はステップST44へ進む。
【0155】
ステップST44:ステップST42で想定した負荷遮断パターンが存在する場合はステップST45へ進み、その他の場合はステップST46へ進んで収束周波数対策としての調相制御と負荷遮断パターンを決定する。
【0156】
ステップST45:ステップST42で想定した負荷遮断パターンの次のパターンをセットする。
【0157】
ステップST46:収束周波数対策としての調相制御と負荷遮断パターンを決定する。
【0158】
ステップST47:ステップST16で決定した制御パターンとステップST46で決定した制御パターンを比較して、制御量の大きい制御を実施すべく、出力ケーブル7A、7Cを通して負荷8A〜8Cの遮断、及び調相設備11の調整指令を実施する。
【0159】
ステップST48:ピーク周波数対策の制御パターンが無制御であるか否かを判断し、無制御パターンである場合はステップST53へ進んでピーク周波数対策で選択した制御パターンで収束対策用の潮流計算を実施し、その他の場合はステップST49へ進む。
【0160】
ステップST49:収束周波数用の潮流計算を無制御で実施する。
【0161】
ステップST50:ステップST49で実施した潮流計算の結果、分離系統内の収束時の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲に収まっていることを判断し、収まっている場合はステップST64へ進んで全ての分離系統処理を完了し、その他の場合はステップST51へ進む。
【0162】
ステップST51:調相設備のある負荷母線電圧に対して調相制御を行うことにより、想定した最高値に誘導して、ステップST49の潮流計算を実施する。このステップST51により、見かけ上の負荷量を増大し(負荷量はステップST3で推定した負荷の電圧静特性を用いて見かけ上の負荷量を調整する)、単独分離系統内の発電供給量過剰を緩和できるか否かの判断基準となる計算を実施する。但し、母線電圧値を想定する最高値に誘導することで周波数偏差が低下側の許容範囲を逸脱した場合は、許容範囲に収まる電圧値になるまで誘導する高めの電圧値を調相設備の調整により段階的に変更し、再度潮流計算を繰り返す。なお、誘導する電圧値の値は系統運用の基準により予め決定しておく。
【0163】
ステップST52:ステップ51で実施した潮流計算における周波数偏差が許容範囲か否かを判断し、許容範囲である場合はステップST54に進んでステップST30で保持した制御パターンと比較して制御量の大きい方の制御を実施し、その他の場合はステップST53へ進む。
【0164】
ステップST53:ピーク周波数対策で選択した制御パターンで収束対策用の潮流計算を実施する。
【0165】
ステップST54:ステップST30で保持した制御パターンとステップST51で仮定した調相制御量とを比較し、制御量の大きい方の制御を実施してステップST64に進む。
【0166】
ステップST55:ステップST53で実施した潮流計算の結果、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲であればステップST57へ進み、その他の場合はステップST56へ進む。
【0167】
ステップST56:発電機遮断パターンを参照し、優先順位の1番高い制御パターンをセットする。
【0168】
ステップST57:ピーク周波数対策で決定した制御パターンで制御すれば収束周波数も許容範囲内に制御できると判断して、ピーク周波数時の制御パターンを実施すべく、出力ケーブル7B、7Cを通して発電機9A〜9Cの遮断及び調相設備11の調整指令を実施する。
【0169】
ステップST58:ステップST56でセットした制御パターンに従って、収束周波数用の潮流計算を実施する。
【0170】
ステップST59:ステップST58で実施した潮流計算の周波数偏差が許容範囲に収まっているか否かを判断し、許容範囲内であればステップST62へ進み、その他の場合はステップ60へ進む。
【0171】
ステップST60:ステップST58で想定した発電機遮断パターンの次のパターンが存在するか否かを判定し、発電機遮断パターンが存在する場合はステップST61へ進み、その他の場合はステップST62へ進む。
【0172】
ステップST61:ステップST58で想定した発電機遮断パターンの次のパターンをセットする。
【0173】
ステップST62:収束周波数対策としての調相制御と負荷遮断パターンを決定する。
【0174】
ステップST63:ステップST29で決定した制御パターンとステップST62で決定した制御パターンを比較して、制御量の大きい制御を実施すべく、出力ケーブル7B、7Cを通して発電機9A〜9Cの遮断及び調相設備11の調整指令を実施する。
【0175】
ステップST64:全ての分離系統処理が完了したことを判断して、安定化装置10を定常状態に戻す。
【0176】
以上のように、本実施の形態によれば、収束周波数と過渡周波数(最高周波数及び最低周波数)を制御するようにしたので、より精度の高い分離系統制御が可能になる。
【0177】
なお、本実施の形態に係る単独分離系統安定化システムは、上記各ステップを実行する手段を系統安定化装置10が備えているものである。また、上記各ステップを実行する手段を系統安定化装置10と連係させて備えているようにしてもよい。
【0178】
【発明の効果】
本発明に係る単独分離系統安定化方法によれば、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化方法において、
上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1ステップ、
上記第1ステップの潮流計算の結果、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線の負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっているか否かを判断する第2ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっていない場合には、上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第3ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっている場合には、無制御で上記系統安定化装置を定常運転とする第4ステップ、
上記第3ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が下降側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させ、上記第1ステップの潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最低値を求め、該運用可能な最低値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第5ステップ、
上記第3ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が上昇側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させて上記第1ステップの潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最高値を求め、該運用可能な最高値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第6ステップ、
を備えたものであるので、分離系統の需給アンバランスを低減し、負荷遮断または発電機遮断量を最小化でき、高品質の電力供給が可能になる。
【0179】
また、上記第1ステップにおいて、系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性、脱落量を推定し、該推定した負荷の電圧静特性及び脱落量と上記分離系統における系統分離発生前の情報とに基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施するものであるので、より高品質の電力供給が可能になる。
【0180】
また、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化方法において、
上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1ステップ、
上記第1ステップにおいて計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、該ボトム周波数制御の処理を実行せず、上記算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷遮断を実施したと仮定して、上記負荷遮断のパターンを変化させ上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ボトム周波数を再々算出し、該再々算出したボトム周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第3ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、該ピーク周波数制御の処理を実行せず、上記算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、発電機遮断を実施したと仮定して、上記発電機遮断のパターンを変化させ上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ピーク周波数を再々算出し、該再々算出したピーク周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第4ステップ、
を備えたものであるので、負荷遮断量または発電機遮断量を低減でき、高品質の電力供給ができる。
【数20】
Figure 0003820384
【数21】
Figure 0003820384
【0181】
また、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化方法において、
上記系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性、脱落量を推定し、該推定した負荷の電圧静特性及び脱落量と上記分離系統における系統分離発生前の情報とに基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1ステップ、
上記第1ステップにおいて計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第3ステップ、
上記第3ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第4ステップ、
上記第4ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返してボトム周波数対策としての調相制御及び負荷遮断パターンを決定する第5ステップ、
上記第4ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、ボトム周波数対策としての調相制御を決定する第6ステップ、
上記第3ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1ステップの潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断する第7ステップ、
上記第7ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっている場合は、無制御で上記系統安定化装置を定常運転する第8のステップ、
上記第7ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていない場合は、上記負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第9ステップ、
上記第9ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっている場合は、該収束周波数対策としての調相制御を実施する第10ステップ、
上記第9ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっていない場合、上記第6ステップで決定したボトム周波数対策としての調相制御、及び上記第5ステップで決定したボトム周波数対策としての上記調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンで上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲になっているか否かを判断する第11ステップ、
上記第11ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっている場合は、上記第11ステップの潮流計算で用いたボトム周波数対策としての制御パターンを実施する第12ステップ、
上記第11ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算を繰り返して収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンを決定し、該収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと上記第6ステップで決定したボトム周波数対策としての調相制御、及び上記第5ステップで決定したボトム周波数対策としての上記調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと制御量を比較し、制御量が大きい制御パターンを実施する第13ステップ、
上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第14ステップ、
上記第14ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第15ステップ、
上記第15ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の発電機遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返してピーク周波数対策としての調相制御及び発電機遮断パターンを決定する第16ステップ、
上記第15ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、ピーク周波数対策としての調相制御を決定する第17ステップ、
上記第14ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1ステップの潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断する第18ステップ、
上記第18ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっている場合は、無制御で上記系統安定化装置を定常運転する第19のステップ、
上記第18ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていない場合は、上記負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第20ステップ、
上記第20ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっている場合は、該収束周波数対策としての調相制御を実施する第21ステップ、
上記第20ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっていない場合、上記第17ステップで決定したピーク周波数対策としての調相制御、及び上記第16ステップで決定したピーク周波数対策としての上記調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンで上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲になっているか否かを判断する第22ステップ、
上記第22ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっている場合は、上記第22ステップの潮流計算で用いたピーク周波数対策としての制御パターンを実施する第23ステップ、
上記第22ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっていない場合は、予め準備した複数の発電機遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算を繰り返して収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンを決定し、該収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンと上記第17ステップで決定したピーク周波数対策としての調相制御、及び上記第16ステップで決定したピーク周波数対策としての上記調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンと制御量を比較し、制御量が大きい制御パターンを実施する第24ステップ、
を備えたものであので、負荷遮断量または発電機遮断量を低減でき、より高品質の電力供給ができる。
【数22】
Figure 0003820384
【数23】
Figure 0003820384
【0182】
本発明に係る単独分離系統安定化システムによれば、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化システムにおいて、
上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1手段、
上記第1手段の潮流計算の結果、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線の負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっているか否かを判断する第2手段、
上記第2手段において、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっていない場合には、上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断し、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっている場合には、無制御で上記系統安定化装置を定常運転とする第3手段、
上記第3手段において、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が下降側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させ、上記第1手段の潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最低値を求め、該運用可能な最低値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施し、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が上昇側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させて上記第1手段の潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最高値を求め、該運用可能な最高値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第4手段、
を備えたものであるので、分離系統の需給アンバランスを低減し、負荷遮断または発電機遮断量を最小化でき、精度の高い分離系統運用が可能になる。
【0183】
また、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化システムにおいて、
上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1手段、
上記第1手段において計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2手段、
上記第2手段において、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、該ボトム周波数制御の処理を実行せず、上記算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷遮断を実施したと仮定して、上記負荷遮断のパターンを変化させ上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ボトム周波数を再々算出し、該再々算出したボトム周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施し、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、該ピーク周波数制御の処理を実行せず、上記算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、発電機遮断を実施したと仮定して、上記発電機遮断のパターンを変化させ上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ピーク周波数を再々算出し、該再々算出したピーク周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第3手段、
を備えたものであるので、負荷遮断量または発電機遮断量を低減でき、高品質の電力供給ができる。
【数24】
Figure 0003820384
【数25】
Figure 0003820384
【0184】
また、電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化システムにおいて、
上記系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性、脱落量を推定し、該推定した負荷の電圧静特性及び脱落量と上記分離系統における系統分離発生前の情報とに基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1手段、
上記第1手段において計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2手段、
上記第2手段において、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第3手段、
上記第3手段において、ボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1手段の潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断し、ピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、ピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1手段の潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断する第4手段、
上記第4手段において、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返してボトム周波数対策としての調相制御及び負荷遮断パターンを決定し、上記ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、ボトム周波数対策としての調相制御を決定し、上記再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の発電機遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返してピーク周波数対策としての調相制御及び発電機遮断パターンを決定し、上記第4手段において、上記再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、ピーク周波数対策としての調相制御を決定し、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていない場合は、上記負荷母線電圧を運用可能な最低値または最高値に誘導すると仮定して上記第1手段の潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていると判断した場合は、無制御で上記系統安定化装置を定常運転する第5手段、
上記第5手段において、収束周波数が許容範囲に収まっている場合は、該収束周波数対策としての調相制御を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっていない場合、上記第5手段で決定したボトム周波数対策またはピーク周波数対策としての調相制御、及び負荷遮断パターンの制御パターンで上記第1手段の潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲になっているか否かを判断する第6手段、
上記第6手段において、収束周波数が許容範囲になっている場合は、上記第6手段の潮流計算で用いたボトム周波数対策としての制御パターンを実施し、収束周波数が許容範囲になっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1手段の潮流計算を繰り返して収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンを決定し、該収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと上記第5手段で決定したボトム周波数対策またはピーク周波数対策としての調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと制御量とを比較し、制御量が大きい制御パターンを実施する第7手段、
を備えたものであるので、負荷遮断量または発電機遮断量を低減でき、より高品質の電力供給ができる。
【数26】
Figure 0003820384
【数27】
Figure 0003820384

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る分離系統安定化システムの実施の形態1を示す構成図である。
【図2】 実施の形態1における、安定化制御の制御論理フローチャートである。
【図3】 実施の形態2における、安定化制御の制御論理フローチャートである。
【図4】 実施の形態3における、安定化制御の制御論理フローチャートである。
【図5】 実施の形態3における、ボトム周波数の調定率を例示する図である。
【図6】 実施の形態4における、安定化制御の制御論理フローチャートである。
【図7】 実施の形態4における、安定化制御の制御論理フローチャートである。
【図8】 従来の分離系統安定化装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1A 主系統母線、1B 負荷母線、1C 発電機母線、
2A,2B 分離系統内送電線、3A〜3H 遮断器、
4A〜4G センサ(変流器)、5A,5B センサ(変成器)、
6A〜6G 入力ケーブル、7A〜7C 出力ケーブル、8A〜8C 負荷、
9A〜9C 発電機、10 系統安定化装置、11 調相設備、
12 中央給電指令所、13A,13B 通信路。

Claims (7)

  1. 電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化方法において、
    上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1ステップ、
    上記第1ステップの潮流計算の結果、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線の負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっているか否かを判断する第2ステップ、
    上記第2ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっていない場合には、上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第3ステップ、
    上記第2ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっている場合には、無制御で上記系統安定化装置を定常運転とする第4ステップ、
    上記第3ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が下降側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させ、上記第1ステップの潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最低値を求め、該運用可能な最低値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第5ステップ、
    上記第3ステップにおいて、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が上昇側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させて上記第1ステップの潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最高値を求め、該運用可能な最高値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第6ステップ、
    を備えたことを特徴とする単独分離系統安定化方法。
  2. 上記第1ステップにおいて、系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性、脱落量を推定し、該推定した負荷の電圧静特性及び脱落量と上記分離系統における系統分離発生前の情報とに基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施することを特徴とする請求項1記載の単独分離系統安定化方法。
  3. 電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化方法において、
    上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1ステップ、
    上記第1ステップにおいて計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2ステップ、
    上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、該ボトム周波数制御の処理を実行せず、上記算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷遮断を実施したと仮定して、上記負荷遮断のパターンを変化させ上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ボトム周波数を再々算出し、該再々算出したボトム周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第3ステップ、
    上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、該ピーク周波数制御の処理を実行せず、上記算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、発電機遮断を実施したと仮定して、上記発電機遮断のパターンを変化させ上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ピーク周波数を再々算出し、該再々算出したピーク周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第4ステップ、
    を備えたことを特徴とする単独分離系統安定化方法。
    Figure 0003820384
    Figure 0003820384
  4. 電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化方法において、
    上記系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性、脱落量を推定し、該推定した負荷の電圧静特性及び脱落量と上記分離系統における系統分離発生前の情報とに基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1ステップ、
    上記第1ステップにおいて計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2ステップ、
    上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第3ステップ、
    上記第3ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第4ステップ、
    上記第4ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返してボトム周波数対策としての調相制御及び負荷遮断パターンを決定する第5ステップ、
    上記第4ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、ボトム周波数対策としての調相制御を決定する第6ステップ、
    上記第3ステップにおいて、ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1ステップの潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断する第7ステップ、
    上記第7ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっている場合は、無制御で上記系統安定化装置を定常運転する第8のステップ、
    上記第7ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていない場合は、上記負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第9ステップ、
    上記第9ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっている場合は、該収束周波数対策としての調相制御を実施する第10ステップ、
    上記第9ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっていない場合、上記第6ステップで決定したボトム周波数対策としての調相制御、及び上記第5ステップで決定したボトム周波数対策としての上記調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンで上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲になっているか否かを判断する第11ステップ、
    上記第11ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっている場合は、上記第11ステップの潮流計算で用いたボトム周波数対策としての制御パターンを実施する第12ステップ、
    上記第11ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算を繰り返して収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンを決定し、該収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと上記第6ステップで決定したボトム周波数対策としての調相制御、及び上記第5ステップで決定したボトム周波数対策としての上記調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと制御量を比較し、制御量が大きい制御パターンを実施する第13ステップ、
    上記第2ステップにおいて、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1ステップの潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第14ステップ、
    上記第14ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第15ステップ、
    上記第15ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の発電機遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返してピーク周波数対策としての調相制御及び発電機遮断パターンを決定する第16ステップ、
    上記第15ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、ピーク周波数対策としての調相制御を決定する第17ステップ、
    上記第14ステップにおいて、ピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1ステップの潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断する第18ステップ、
    上記第18ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっている場合は、無制御で上記系統安定化装置を定常運転する第19のステップ、
    上記第18ステップにおいて、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていない場合は、上記負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第20ステップ、
    上記第20ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっている場合は、該収束周波数対策としての調相制御を実施する第21ステップ、
    上記第20ステップにおいて、収束周波数が許容範囲に収まっていない場合、上記第17ステップで決定したピーク周波数対策としての調相制御、及び上記第16ステップで決定したピーク周波数対策としての上記調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンで上記第1ステップの潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲になっているか否かを判断する第22ステップ、
    上記第22ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっている場合は、上記第22ステップの潮流計算で用いたピーク周波数対策としての制御パターンを実施する第23ステップ、
    上記第22ステップにおいて、収束周波数が許容範囲になっていない場合は、予め準備した複数の発電機遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1ステップの潮流計算を繰り返して収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンを決定し、該収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンと上記第17ステップで決定したピーク周波数対策としての調相制御、及び上記第16ステップで決定したピーク周波数対策としての上記調相制御及び発電機遮断パターンの制御パターンと制御量を比較し、制御量が大きい制御パターンを実施する第24ステップ、
    を備えたことを特徴とする単独分離系統安定化方法。
    Figure 0003820384
    Figure 0003820384
  5. 電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化システムにおいて、
    上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1手段、
    上記第1手段の潮流計算の結果、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線の負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっているか否かを判断する第2手段、
    上記第2手段において、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっていない場合には、上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断し、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっている場合には、無制御で上記系統安定化装置を定常運転とする第3手段、
    上記第3手段において、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が下降側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させ、上記第1手段の潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最低値を求め、該運用可能な最低値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施し、上記分離系統内の周波数偏差及び負荷母線電圧偏差が許容範囲内に収まっておらず、上記周波数偏差が上昇側である場合には、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定し、上記負荷母線電圧のレベルを変化させて上記第1手段の潮流計算を繰り返すことによって上記運用可能な最高値を求め、該運用可能な最高値にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第4手段、
    を備えたことを特徴とする単独分離系統安定化システム。
  6. 電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化システムにおいて、
    上記分離系統における系統分離発生前の情報に基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1手段、
    上記第1手段において計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2手段、
    上記第2手段において、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、該ボトム周波数制御の処理を実行せず、上記算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷遮断を実施したと仮定して、上記負荷遮断のパターンを変化させ上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ボトム周波数を再々算出し、該再々算出したボトム周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施し、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、該ピーク周波数制御の処理を実行せず、上記算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていなければ、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていれば、上記再算出したボトム周波数制御の処理を実行し、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていなければ、発電機遮断を実施したと仮定して、上記発電機遮断のパターンを変化させ上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返して、ピーク周波数を再々算出し、該再々算出したピーク周波数にしたがって上記負荷母線に上記調相制御を実施する第3手段、
    を備えたことを特徴とする単独分離系統安定化システム。
    Figure 0003820384
    Figure 0003820384
  7. 電力系統における分離系統の系統分離の発生にともない、該分離系統内の発電機の発電供給量または負荷の負荷量、または無効電力供給による調相設備の調相制御量を系統安定化装置で制御して上記分離系統を安定化する単独分離系統安定化システムにおいて、
    上記系統分離発生後のオンラインデータを用いて分離系統内の負荷の電圧静特性、脱落量を推定し、該推定した負荷の電圧静特性及び脱落量と上記分離系統における系統分離発生前の情報とに基づき、系統分離した分離系統に対して周波数偏差を考慮した潮流計算を実施する第1手段、
    上記第1手段において計算した上記周波数偏差が上昇側であるか否かを判断する第2手段、
    上記第2手段において、上記周波数偏差が下降側である場合は、ボトム周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(1)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでボトム周波数を算出し、該算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、上記周波数偏差が上昇側である場合は、ピーク周波数に対応した発電機出力を決定する下記式(2)を上記第1手段の潮流計算に組み込んでピーク周波数を算出し、該算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断する第3手段、
    上記第3手段において、ボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最低値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算によってボトム周波数を再算出し、該再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1手段の潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断し、ピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、負荷母線電圧を運用可能な最高値に誘導すると仮定して、上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算によってピーク周波数を再算出し、該再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、ピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、上記第1手段の潮流計算を無制御パターンで実施して、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっているか否かを判断する第4手段、
    上記第4手段において、上記再算出したボトム周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1手段の潮流計算に下記式(1)を組み込んだ潮流計算を繰り返してボトム周波数対策としての調相制御及び負荷遮断パターンを決定し、上記ボトム周波数が許容範囲に収まっている場合は、ボトム周波数対策としての調相制御を決定し、上記再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっていない場合は、予め準備した複数の発電機遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1手段の潮流計算に下記式(2)を組み込んだ潮流計算を繰り返してピーク周波数対策としての調相制御及び発電機遮断パターンを決定し、上記第4手段において、上記再算出したピーク周波数が許容範囲に収まっている場合は、ピーク周波数対策としての調相制御を決定し、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていない場合は、上記負荷母線電圧を運用可能な最低値または最高値に誘導すると仮定して上記第1手段の潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっているか否かを判断し、周波数偏差及び電圧変動が許容範囲に収まっていると判断した場合は、無制御で上記系統安定化装置を定常運転する第5手段、
    上記第5手段において、収束周波数が許容範囲に収まっている場合は、該収束周波数対策としての調相制御を実施し、収束周波数が許容範囲に収まっていない場合、上記第5手段で決定したボトム周波数対策またはピーク周波数対策としての調相制御、及び負荷遮断パターンの制御パターンで上記第1手段の潮流計算を実施し、収束周波数が許容範囲になっているか否かを判断する第6手段、
    上記第6手段において、収束周波数が許容範囲になっている場合は、上記第6手段の潮流計算で用いたボトム周波数対策としての制御パターンを実施し、収束周波数が許容範囲になっていない場合は、予め準備した複数の負荷遮断のパターンを実施したと仮定して上記第1手段の潮流計算を繰り返して収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンを決定し、該収束周波数対策としての調相制御または調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと上記第5手段で決定したボトム周波数対策またはピーク周波数対策としての調相制御及び負荷遮断パターンの制御パターンと制御量とを比較し、制御量が大きい制御パターンを実施する第7手段、
    を備えたことを特徴とする単独分離系統安定化システム。
    Figure 0003820384
    Figure 0003820384
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