JP3820124B2 - 流体動圧軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑流体を用いる流体動圧軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、軸部材とスリーブ部材とを相対的に回転自在に支持するために、両者間に介在させた潤滑オイルの流体圧力を利用した流体動圧軸受が用いられている。この種の流体動圧軸受は、軸部材とスリーブ部材との間に、スラスト荷重を支持するためのスラスト流体動圧軸受手段と、ラジアル荷重を支持するためのラジアル流体動圧手段とが配設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の流体動圧軸受では、次の通りの解決すべき問題が存在する。即ち、従来の流体動圧軸受では、潤滑オイルは必要最小限のオイルを保持するのみであり、従って使用によるオイル漏れ等によって軸受手段のオイルが減少し、比較的短期間に軸受が寿命となる。
【0004】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その課題は、外部への潤滑オイルの漏れを防止又は低減することができる流体動圧軸受を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、軸部材と、該軸部材に対して相対的に回転自在であるスリーブ部材と、該軸部材と該スリーブ部材との間に介在されたラジアル流体動圧軸受手段と、を具備する流体動圧軸受において、該ラジアル流体動圧軸受手段は潤滑流体を含み、該ラジアル流体動圧軸受手段の少なくとも一部は大気に解放され、該解放部は、遠心力により助長される前記潤滑流体のマイグレーションを防止するマイグレーション防止手段を備える。
【0006】
マイグレーション防止手段により、潤滑流体の流出を防止することができる。従って、軸受の焼き付きを防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による流体動圧軸受の実施例について説明する。
図1は、本発明による流体動圧軸受の一実施例を示している。図1において、軸部材118には、その中央部において一端から軸線方向に延びる孔162が設けられ、この孔162の他端には軸線方向に対して実質上垂直に延びる連通孔164が設けられている。孔162及び連通孔164は、充填部材が挿入されることなくこれら自体で保持チャネルを構成し、この保持チャネルの一端が軸部材118の一端面に開口し、その他端が一対のラジアル流体動圧軸受124及び126の間に開口している。尚、ラジアル流体動圧軸受手段124及び126の流体動圧溝はスリーブ部材120の内周面に軸線方向に間隔を置いて形成されている。
【0008】
この例では、孔162の開口部にテーパ部166が設けられている。テーパ部166においては、その断面積は外方(図1において下方)に向けて漸次増大しており、孔162に保持されたオイルに対してテーパシールとして作用する。かくテーパ部166を設けるようにした場合にも、テーパ部166の外側に、流体保持部の間隙よりも大きい間隙の大断面部が存在し、オイル中の気泡等はテーパ部166において空気とオイルに分離され、分離された空気のみが開口を通してモータ外部に排出される。また、孔162の開口には、蓋部材148が配設される。
【0009】
かくの通りのモータにおいても、軸部材118に保持チャネルが設けられ、この保持チャネルにオイルが毛細管現象によって保持されるので、スラスト及び/又はラジアル流体動圧軸受手段においてオイルが減少したときに、かかる保持チャネルから自動的に毛細管現象によってオイルが順次補給される。また、孔162の一端部にテーパ部166が設けられているので、オイルの漏れが防止される。尚、この場合、オイルが自動的に補給されるように、孔162及び連通孔164の内径(流体を保持する流体保持部お間隙)がスラスト及びラジアル流体動圧軸受手段の軸受部の間隙よりも大きくなるように設定することが重要である。
【0010】
図1及び図2(a)の構成において、軸部材118の両端部には、スリーブ部120と対向する面にも、例えば、10゜〜30゜のテーパ170aが形成されており、テーパ170aとスリーブ部120a対向面から形成されるテーパ部170は、ラジアル流体動圧軸受124、126のオイルのテーパシールとして機能する。
なお、テーパ170aはスリーブ部120に配置してもよい。
【0011】
図1及び図2(a)に示すようにテーパ部170を設けた場合でも、スリーブ部120の回転中に、オイルに軸方向の流出力が働き、オイルのマイグレーションが助長される可能性がある。
即ち、軸部材118が固定され、スリーブ部120が回転する場合には、図2(b)に示すように、潤滑オイルのスリーブ部120に近い部分には大きい遠心力Faが作用し、軸部材118に近い部分には小さい遠心力Fbが作用する。従って、オイルは二点鎖線で示すとおり、スリーブ部120側において下方に広がるようになる。
【0012】
また、軸部材118が回転し、スリーブ部120が固定されている場合には、図2(c)に示すように、潤滑オイルのスリーブ部120に近い部分には小さい遠心力Fcが作用し、軸部材118に近い部分には大きい遠心力Fdが作用するが、この場合でも、オイルは二点鎖線で示すとおり、スリーブ部120側において下方に広がるようになる。
【0013】
これらの問題を解決するためには、テーパ部170に潤滑オイルの遠心力によるマイグレーションを防止するための手段、例えば、図2(d)に示すように、テーパ170aに対向する部分に周回溝171を形成すればよい。モータ回転時に下方に広がったオイルは溝171に収容されると共に段差172により流出が阻止される。一方、モータが停止すると、テーパ部170における毛細管現象により、オイルは図2(b)又は(c)に実線で示すように保持される。この段差172の深さは30〜50μmに設定すれば十分である。
【0014】
また、図2(e)に示すように、溝171を設けず、段差172のみを配置すれば更に良い。
【0015】
図3(a)に示すように、溝171を、へリングボーン状等のラジアル流体動圧溝173を加工する際の逃げとして使用してもよい。
また、図3(b)に示すように、溝171を設けずに、段差172のみを配置してもよい。
【0016】
また、図3(c)に示すように、段差172を螺旋状に傾斜を設けて形成し、オイルに加わる遠心力Feと段差172の回転により、オイルに流出力と反対方向の力Ffを加えて、マイグレーションを防止してもよい。段差172の傾斜方向及び傾斜角度は、モータの回転方向及び回転速度等より適宜調整する。
【0017】
以上、本発明に従う流体動圧軸受の実施例について説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変形乃至修正が可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の流体軸受手段においては、マイグレーション防止手段により潤滑流体の流出を防止できるので、潤滑流体の減少による焼き付きが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う流体動圧軸受の実施例の一部を示す断面図。
【図2】(a)は、テーパ部の拡大断面図、
(b)は、軸部材が固定され、スリーブ部が回転する場合の潤滑オイルの広がりを説明する図、
(c)は、軸部材が回転し、スリーブ部が固定されている場合の潤滑オイルの広がりを説明する図、
(d)は、テーパ部に対向する部分に周回溝を形成した構成を示す図、
(e)は、周回溝を設けず、段差のみを配置した構成を示す図である。
【図3】(a)は、マイグレーション防止用の溝をラジアル流体動圧溝172のワークの逃げとして用いた例を示す図、
(b)は、(a)に示す構成の変形例を示す図、
(c)マイグレーション防止用の段差に傾斜を設けた図である。
【符号の説明】
118 軸部材
120 スリーブ部材
124、126 ラジアル流体動圧軸受手段
171 溝部
172 段差
Claims (4)
- 軸部材と、該軸部材に対して相対的に回転自在であるスリーブ部材と、該軸部材と該スリーブ部材との間に介在されたラジアル流体動圧軸受手段と、を具備する流体動圧軸受において、該ラジアル流体動圧軸受手段は潤滑流体を含み、該ラジアル流体動圧軸受手段の少なくとも一部は大気に解放され、該解放部は、遠心力により助長される潤滑流体のマイグレーションを防止するマイグレーション防止手段を備え、
該マイグレーション防止手段は、前記潤滑流体に作用する遠心力により潤滑流体が流出することを防止するための段差を備え、
該段差に対向する部分には、マイグレーションにより流出した前記潤滑流体を、回転停止時に、表面張力により、前記ラジアル流体動圧軸受手段に再収容する再収容手段を備え、
該再収容手段は、前記ラジアル流体動圧軸受手段の大気に開口する開口部に配置され、軸方向外側に向けてその断面積が漸次増大するテーパシール手段を備える、ことを特徴とする流体動圧軸受。 - 軸部材と、該軸部材に対して相対的に回転自在であるスリーブ部材と、該軸部材と該スリーブ部材との間に介在されたラジアル流体動圧軸受手段と、を具備する流体動圧軸受において、該ラジアル流体動圧軸受手段は潤滑流体を含み、該ラジアル流体動圧軸受手段の少なくとも一部は大気に解放され、該解放部は、遠心力により助長される潤滑流体のマイグレーションを防止するマイグレーション防止手段を備え、
該マイグレーション防止手段は、前記潤滑流体に作用する遠心力により流出した潤滑流体を収容するとともに外部に流出することを防止する溝を備え、
該溝に対向する部分には、マイグレーションにより流出した前記潤滑流体を、回転停止時に、表面張力により、前記ラジアル流体動圧軸受手段に再収容する再収容手段を備え、
該再収容手段は、前記ラジアル流体動圧軸受手段の大気に開口する開口部に配置され、軸方向外側に向けてその断面積が漸次増大するテーパシール手段を備える、ことを特徴とする流体動圧軸受。 - 軸部材と、該軸部材に対して相対的に回転自在であるスリーブ部材と、該軸部材と該スリーブ部材との間に介在されたラジアル流体動圧軸受手段と、を具備する流体動圧軸受において、該ラジアル流体動圧軸受手段は潤滑流体を含み、該ラジアル流体動圧軸受手段の少なくとも一部は大気に解放され、該解放部は、遠心力により助長される潤滑流体のマイグレーションを防止するマイグレーション防止手段を備え、
該マイグレーション防止手段は、回転により、前記潤滑流体に流出力とは逆方向の力を付与する手段を備え、
該力を付与する手段に対向する部分には、マイグレーションにより流出した前記潤滑流体を、回転停止時に、表面張力により、前記ラジアル流体動圧軸受手段に再収容する再収容手段を備え、
該再収容手段は、前記ラジアル流体動圧軸受手段の大気に開口する開口部に配置され、軸方向外側に向けてその断面積が漸次増大するテーパシール手段を備える、ことを特徴とする流体動圧軸受。 - 軸部材と、該軸部材に対して相対的に回転自在であるスリーブ部材と、該軸部材と該スリーブ部材との間に介在されたラジアル流体動圧軸受手段と、を具備する流体動圧軸受において、該ラジアル流体動圧軸受手段は潤滑流体を含み、該ラジアル流体動圧軸受手段の少なくとも一部は大気に解放され、該解放部は、遠心力により助長される潤滑流体のマイグレーションを防止するマイグレーション防止手段を備え、
該マイグレーション防止手段は、軸方向に螺旋状に形成され、回転により、前記潤滑流体に流出力とは逆方向の力を付与する段差を備え、
該段差に対向する部分には、マイグレーションにより流出した前記潤滑流体を、回転停止時に、表面張力により、前記ラジアル流体動圧軸受手段に再収容する再収容手段を備え、
該再収容手段は、前記ラジアル流体動圧軸受手段の大気に開口する開口部に配置され、 軸方向外側に向けてその断面積が漸次増大するテーパシール手段を備える、ことを特徴とする流体動圧軸受。
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JP2001263427A JP3820124B2 (ja) | 1995-04-10 | 2001-08-31 | 流体動圧軸受 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11000095 | 1995-04-10 | ||
JP2001263427A JP3820124B2 (ja) | 1995-04-10 | 2001-08-31 | 流体動圧軸受 |
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Family Applications (1)
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JP2001263427A Expired - Lifetime JP3820124B2 (ja) | 1995-04-10 | 2001-08-31 | 流体動圧軸受 |
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-
2001
- 2001-08-31 JP JP2001263427A patent/JP3820124B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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