JP3820093B2 - ごみ焼却施設及び排ガス冷却方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ごみを焼却するごみ焼却施設、及びごみを焼却するとき発生した排ガスを冷却する排ガス冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各地にごみ焼却施設が設置されており、これらのごみ焼却施設では、一般に、高温(例えば900℃〜950℃程度)でごみが焼却される。この焼却の際には、灰塵が含まれている高温の排ガスが発生する。しかし、この排ガスは、後工程での排ガス処理(大気汚染物質の除去処理等)の容易化およびダイオキシン類の低減化のために減温塔内で冷却される。
【0003】
排ガスを冷却する技術の一つとして、霧状の冷却水を排ガスに直接に噴射する技術が知られている。この技術によれば、高温の排ガスに噴射された冷却水は排ガスから熱を奪ってこの排ガスを冷却する。冷却水を構成する多数の水滴それぞれは、排ガスからの熱によってその表面から水分が蒸発して小さくなりながら、完全に蒸発して消滅する。
【0004】
ところで、噴射された冷却水は、噴射の勢いで排ガス中を進行する。この進行の途中で、上述したように、冷却水は蒸発して消滅するが、冷却水は進行している間に排ガス中の灰などに吸収される。冷却水を吸収した灰(湿灰)は、周囲の壁などに付着することが多い。この付着量が非常に多くなると、湿灰が排ガスの通路を閉塞するトラブルが発生することもある。
【0005】
このように湿灰が壁などに多量に付着した場合、付着した湿灰を除去する除去作業が必要となる。除去作業のためには、ごみ焼却施設の操業が一時的に停止され、また、除去作業の費用もかかる。
【0006】
そこで、噴射された冷却水の水滴をできるだけ微細化して冷却水を早期に完全に蒸発させるために、冷却水と共に加圧空気(アトマイジング空気)を噴射して噴射された冷却液を微細化(微粒化)する技術が提案されている。この技術では、噴射された加圧空気は直ちに膨張して水滴同士の合体等を防止する作用と、噴射された水滴を細粒化する作用とを有する。このため、水滴は排ガス中で早期に消滅する。従って、排ガスを冷却するための減温塔に水滴が滞留する時間は短いので、発生する湿灰の量は、加圧空気を噴射せずに冷却水のみを噴射する技術よりも減少する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冷却水と共に加圧空気を噴射する技術であっても、排ガス通路の周囲の壁などに湿灰が付着して、排ガスの通路が塞がれるトラブルが発生することもある。このため、水滴の滞留時間をさらに短縮する技術が求められる。
【0008】
ところで、冷却水や加圧空気を噴出するノズルでは、低温(例えば160℃以下の温度)で腐食が速やかに進行し易い。図12に、管壁温度と腐食速度の関係を示す。図12のグラフは、Von.K.Fubler,H.Leibund,H.Spuhn:MITTELUNGEN DER VGB 48 HeftApril 1968.「Korrosionen un Mull Verbrennungs Kesseln」から引用したものである。この図から、上記した減温塔の鉄皮の温度が露点温度(約160℃)以下のときは、腐食速度が急速に速くなることが分かる。この温度領域での腐食は低温腐食と呼ばれており、ノズルが早期に劣化する原因となる。従って、上記のように常温で冷却水を噴射した場合、ノズルが低温腐食し易い。
【0009】
そこで、従来は、非腐食性ガス(例えば、腐食性ガスを含まない空気)でノズルの周囲を覆ってノズルの低温腐食を防止している。しかし、この技術では、ノズルの周囲を完全に非腐食性ガスで覆う構造にすることが難しく、ノズルが部分的に低温腐食することは免れない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、湿灰に起因するトラブルを防止すると共に低温腐食も防止したごみ焼却施設及び排ガス冷却方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のごみ焼却施設は、ごみを焼却することにより発生した排ガスに冷却液を噴射する冷却液噴射手段を備えたごみ焼却施設において、
(1)前記冷却液噴射手段から冷却液を噴射するに先立って該冷却液を加熱する冷却液加熱手段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
ここで、上記のごみ焼却施設は、
(2)前記冷却液が所定温度になるように制御する冷却液温度制御装置を備えてもよい。
【0013】
また、上記のごみ焼却施設は、
(3)噴射された冷却液を微細化するアトマイジング空気を噴射するアトマイジング空気噴射手段と、
(4)該アトマイジング空気噴射手段からアトマイジング空気を噴射するに先立って該アトマイジング空気を加熱するアトマイジング空気加熱手段とを備えてもよい。
【0014】
さらに、
(5)前記冷却液加熱手段に代えて、前記アトマイジング空気加熱手段を備えてもよい。
【0015】
さらにまた、
(6)前記冷却液加熱手段は、前記排ガスの熱によって前記冷却液を加熱するものであってもよい。
【0016】
さらにまた、
(7)前記アトマイジング空気加熱手段は、前記排ガスの熱によって前記アトマイジング空気を加熱するものであってもよい。
【0017】
さらにまた、上記のごみ焼却施設は、
(8)前記アトマイジング空気が所定温度になるように制御する空気温度制御装置を備えてもよい。
【0018】
また、上記目的を達成するための本発明の排ガス冷却方法は、ごみを焼却することにより発生した排ガスに冷却液を噴射してこの排ガスを冷却する排ガス冷却方法において、
(9)前記冷却液を噴射するに先立って該冷却液を加熱することを特徴とするものである。
【0019】
さらに、
(10)前記冷却液を加熱する際に、80℃以上99℃以下の範囲内の温度に該冷却液を加熱してもよい。
【0020】
さらにまた、
(11)前記冷却液を加熱する際に、95℃以上99℃以下の範囲内の温度に該冷却液を加熱してもよい。
【0021】
さらにまた、
(12)前記冷却液を噴射する際に、噴射された冷却液を微細化する空気も噴射してもよい。
【0022】
さらにまた、
(13)前記空気を噴射する際に、該空気を加熱した後に噴射してもよい。
【0023】
さらにまた、
(14)前記冷却液を加熱せずに、噴射する前記空気のみを加熱してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、本発明のごみ焼却施設の一実施形態を説明する。
【0025】
図1は、ごみ焼却施設の一例を示す模式図である。
【0026】
ごみ焼却施設10には、ごみを焼却するごみ焼却炉12が備えられている。このごみ焼却炉12に隣接して廃熱ボイラ14が設置されている。ごみ焼却炉12では、ごみを焼却するときに高温の燃焼ガスが発生する。発生した燃焼ガスは廃熱ボイラ14に導かれる。この廃熱ボイラ14では、燃焼ガスで水を加熱して蒸気を発生させる。
【0027】
廃熱ボイラ14に隣接して、燃焼ガス(排ガス)を冷却する減温塔30が設置されている。減温塔30では、廃熱ボイラ14を通過した排ガスが冷却される。ごみ焼却施設10では減温塔30における冷却技術に特徴があり、この点については後述する。
【0028】
減温塔30に隣接して、減温塔30を通過した排ガスから塵などを集める集塵機16が設置されている。また、集塵機16の近くには、集塵機16から燃焼ガスを吸引して排出する誘引送風機18が設置されている。誘引送風機18に隣接して煙突20が設置されている。誘引送風機18によって集塵機16から吸引された排ガスは煙突20を通って大気に放出される。
【0029】
図2及び図3を参照して、上記した減温塔30と従来の減温塔50とを比較しながら説明する。
【0030】
図2は、本発明のごみ焼却施設に備えられた減温塔を示す模式図である。図3は、従来の減温塔を示す模式図である。
【0031】
先ず、減温塔30と減温塔50が共通して備えている機器を説明する。
【0032】
減温塔30と減温塔50は、これらの内部に冷却水(本発明にいう冷却液の一例である)を噴射するためのノズル(いわゆる一流体ノズル)32,52が取り付けられている。図2及び図3では、一つのノズルだけが示されているが、一般には、複数のノズルが取り付けられる。これらのノズル32,52の構造は同一である。なお、腐食防止などのために冷却水に薬液を混ぜた冷却液を噴射してもよい。
【0033】
また、減温塔30と減温塔50の近くにはそれぞれ、ノズル32,52から噴射される冷却水用の水槽34,54が設置されている。水槽34,54の近くにはそれぞれ、水槽34,54から冷却水を吸い上げてノズルから噴射させる噴射水ポンプ36,56が設置されている。
【0034】
上記したノズル32,52からは冷却水の一部が戻る構造になっている。この一部の冷却水は配管37,57を通って温度調節弁38,58を経て水槽34,54に戻される。なお、温度調節弁38,58には、制御器39,59が接続されている。制御器39,59は、減温塔30,50から排出された排ガスの温度に基づいて温度調節弁38,58の開閉の程度(開閉度)を調節する。例えば、減温塔30,50から排出された排ガスの温度が設定温度よりも高くなったときは、温度調節弁38,58をやや閉じて冷却水の戻る量を少なくし、ノズル32,52から噴射される冷却水の量を多くする。これにより、排ガスの温度が一定に保たれる。
【0035】
上記した減温塔30と減温塔50の相違点を説明する。
【0036】
減温塔30には、噴射水ポンプ36から出た冷却水を加熱する熱交換器40が設置されている。熱交換器40には、冷却水の温度を制御するための冷却水温度調節弁42が接続されている。この冷却水温度調節弁42の開閉度は、熱交換器40から出た後の冷却水の温度に基づいて冷却水温度制御器44によって調節される。熱交換器40には、例えば廃熱ボイラ14(図1参照)から高温の蒸気が供給され、この蒸気によって冷却水が加熱される。このような熱交換器40、冷却水温度調節弁42、及び冷却水温度制御器44は、従来の減温塔50には設置されていない。なお、冷却水温度調節弁42と冷却水温度制御器44によって、本発明にいう冷却液温度制御装置の一例が構成される。
【0037】
また、減温塔30では、熱交換器40によって80℃以上99℃以下の範囲内の温度に加熱された冷却水がノズル32から噴射される。即ち、冷却水はノズルから噴射されるに先立って加熱される。冷却水を加熱する温度は、減温塔30の運転圧力における沸点近傍の温度(95℃以上99℃以下の範囲内の温度)であることが好ましい。
【0038】
減温塔30と減温塔50では、上述したように、ノズル32,52から噴射される冷却水の温度が相違する。この温度の相違に起因してノズル32,52から噴射された後の冷却水の挙動が相違してくる。この相違を、図4及び図5を参照して説明する。
【0039】
図4は、本発明のごみ焼却施設が有する減温塔の内部に噴射された冷却水の挙動を示す模式図である。図5は、従来の減温塔の内部に噴射された冷却水の挙動を示す模式図である。
【0040】
図4に示すように、減温塔30では、加熱された冷却水がノズル32から噴射される。ノズル32から噴射された冷却水は多数の水滴粒子の集合体であり、各水滴粒子は、例えば95℃以上99℃以下の範囲内の温度(水滴粒子の沸点に近い温度)に加熱されている。また、冷却水はノズル32から高速で噴射され、ノズル32から所定距離(比較的短い距離)までの第Iゾーンにおいては、冷却水の存在する領域は動圧分だけ負圧になっている。このため、第Iゾーンでは、ノズル32から噴射された冷却水にその周辺の排ガスが誘引される(引き込まれる)。
【0041】
上記のように第Iゾーンにおいては排ガスが誘引されるので、冷却水を構成する各水滴粒子に排ガスの熱が伝達される。このようにして、その沸点に近い温度まで既に加熱されている各水滴粒子が更に加熱されるので、各水滴粒子が早期に蒸発し始める(気化し始める)。
【0042】
排ガスは、冷却水によって冷却されると共に各水滴粒子が気化する際の潜熱によっても冷却される。この状態で各水滴粒子はノズル32の前方に進行して、第Iゾーンに隣接する第IIゾーンでは各水滴粒子が完全に蒸発する。このように、各水滴粒子は早期に蒸発して消滅するので、排ガス中に存在する灰(飛灰)が水滴粒子を吸収しにくく、湿灰も発生しにくい。従って、湿灰が排ガスの通路などに堆積しにくい。また、冷却水が加熱されているのでノズル32などが低温腐食することが防止される。
【0043】
一方、図5に示す減温塔50では、常温の冷却水がノズル52から噴射される。ノズル52から噴射された冷却水は多数の水滴粒子の集合体である。冷却水はノズル52から高速で噴射されて、ノズル52から所定距離までの第Iゾーンにおいては、冷却水の存在する領域は動圧分だけ負圧になっている。このため、第Iゾーンでは、ノズル52から噴射された冷却水にその周辺の排ガスが誘引される。
【0044】
冷却水はノズル52の前方に更に進行し、第IIゾーンでは、排ガスが多数の水滴粒子の中で拡散する。この状態で排ガスと多数の水滴粒子はノズル52の前方に更に進行し、第IIIゾーンにおいて、排ガスの熱が各水滴粒子に伝達される。これにより、各水滴粒子はその表面から蒸発すると共に排ガスが冷却される。
【0045】
この状態で排ガスと多数の水滴粒子はノズル52の更に前方に進行し、第IVゾーンにおいて、多数の水滴粒子によって排ガスが本格的に冷却されると共に多数の水滴粒子は加熱される。この加熱に伴って各水滴粒子はその表面からさらに蒸発して粒子径が小さくなり、完全に蒸発して消滅する。なお、ノズル52からこの完全に蒸発するまでの空間では、冷却水が多数の水滴粒子として存在するので、冷却水は肉眼でも白色のものとして観測される。
【0046】
上記したように、ノズル52から噴射された冷却水は常温であるので、ノズル52から遠く離れた第IVゾーンにおいて完全に蒸発して消滅する。即ち、各水滴粒子はノズル52から遠く離れた位置まで飛散し、その後に蒸発して消滅する。このため、排ガス中に存在する灰(飛灰)が水滴粒子を吸収し易く、湿灰が発生し易い。従って、湿灰が排ガスの通路などに堆積し易い。また、冷却水が常温であるのでノズル52などが低温腐食し易い。
【0047】
上記した例では、ノズル32,52として一流体ノズル(冷却液だけを噴射するノズル)を用いた例を説明した。次に、冷却液と共にアトマイジング空気を噴射する二流体ノズルの例を、図6及び図7を参照して説明する。
【0048】
図6は、本発明のごみ焼却施設に備えられた減温塔に二流体ノズルが取り付けられた例を示す模式図である。図7は、従来の減温塔に二流体ノズルが取り付けられた例を示す模式図である。これらの図では、図2と図3に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0049】
先ず、減温塔30と減温塔50が共通して備えている機器を説明する。
【0050】
減温塔30と減温塔50は、これらの内部に冷却水(本発明にいう冷却液の一例である)を噴射するためのノズル(いわゆる二流体ノズル)62,82が取り付けられている。図6と図7では、一つのノズルだけが示されているが、一般には、複数のノズルが取り付けられる。これらのノズル62,82の構造は同一である。
【0051】
また、減温塔30と減温塔50にはそれぞれ、水槽34,54や噴射水ポンプ36,56が設置されている。これらの装置は、図2,図3に示すものと同様のものである。また、減温塔30には、熱交換器40を出てノズル62に向かう冷却水の量を調節する調節弁64が取り付けられている。この調節弁64には、調節弁64の開閉度を調節する制御器66が接続されている。制御器66は、減温塔30から排出された排ガスの温度に基づいて調節弁64の開閉の程度を調節する。
【0052】
また、ノズル62,82からは冷却水が噴射されるだけでなく、噴射された冷却水を微細化(微粒化)するアトマイジング空気も噴射される。アトマイジング空気をノズル62,82から噴射するために、ノズル62,82には空気圧縮器68,88(圧縮空気源)が接続されている。
【0053】
上記した減温塔30と減温塔50の相違点を説明する。
【0054】
減温塔30には、上記した熱交換器40や冷却水温度調節弁42などが取り付けられているが、上述したように、このような装置は減温塔50には取り付けられていない。また、減温塔30では、空気圧縮器68から出た後の圧縮空気(アトマイジング空気)を熱交換器70(本発明にいう空気加熱手段の一例である)で加熱する。従って、加熱されたアトマイジング空気がノズル62から減温塔30の内部に冷却液と共に噴射される。即ち、アトマイジング空気はノズル62から噴射されるに先立って加熱されることとなる。なお、減温塔30の二流体ノズルでは、アトマイジング空気を加熱せずに使用する場合もある。
【0055】
アトマイジング空気は、熱交換器70によって例えば200℃以上300℃以下の範囲内の温度に加熱される。熱交換器70には、例えば排ガスボイラ14(図1参照)から高温の蒸気が供給される。アトマイジング空気の温度を調節するに当たっては、熱交換器70を出た後のアトマイジング空気の温度に基づいて空気温度制御器72が温度調節弁74の開閉度を調節する。これにより、熱交換器70に供給される高温の蒸気の量が調節されてアトマイジング空気の温度が制御される。なお、上記した熱交換器40,70に代えて、蒸気以外の熱源を利用したヒータなどを設置してもよい。
【0056】
減温塔30と減温塔50では、上述したように、ノズル62,82から噴射される冷却水及びアトマイジング空気の温度が相違する。この温度の相違に起因してノズル62,82から噴射された後の冷却水の挙動が相違してくる。この相違を、図8及び図9を参照して説明する。
【0057】
図8は、本発明のごみ焼却施設が有する減温塔の内部に噴射された冷却水とアトマイジング空気の挙動を示す模式図である。図9は、従来の減温塔の内部に噴射された冷却水とアトマイジング空気の挙動を示す模式図である。
【0058】
図8に示すように、減温塔30では、加熱された冷却水と加熱されたアトマイジング空気がノズル62から噴射される。ノズル62から噴射された冷却水は多数の水滴粒子の集合体であり、各水滴粒子は、例えば95℃以上99℃以下の範囲内の温度(減温塔30内における水滴粒子の沸点に近い温度)に加熱されている。また、ノズル62からはアトマイジング空気も噴射される。噴射されたアトマイジング空気は噴射直後に膨張する。これにより、噴射された多数の水滴粒子が微細化される。
【0059】
冷却水はノズル62から高速で噴射され、ノズル62から所定距離(比較的短い距離)までの第Iゾーンにおいては、冷却水と空気の存在する領域は動圧分だけ負圧になっている。このため、第Iゾーンでは、ノズル62から噴射された冷却水と空気に排ガスが誘引される。
【0060】
上記のように第Iゾーンにおいては、排ガスが誘引されるので、冷却水を構成する各水滴粒子に排ガスの熱が伝達されると共に、アトマイジング空気の膨張によって各水滴粒子が微細化される。このようにして、その沸点に近い温度まで既に加熱されている各水滴粒子が更に加熱されると共に、アトマイジング空気の膨張によって各水滴粒子が微細化されるので、各水滴粒子が早期に蒸発し始める(気化し始める)。
【0061】
排ガスは、冷却水によって冷却されると共に各水滴粒子が気化する際の潜熱によっても冷却される。この状態で各水滴粒子はノズル62の前方に進行して、第Iゾーンに隣接する第IIゾーンでは各水滴粒子が完全に蒸発して消滅する。このように、各水滴粒子は早期に蒸発して消滅するので、排ガス中に存在する灰(飛灰)が水滴粒子を吸収しにくく、湿灰も発生しにくい。従って、湿灰が排ガスの通路などに堆積しにくい。また、冷却水及びアトマイジング空気が加熱されているので、ノズル62などが低温腐食することが防止される。
【0062】
一方、図9に示すように、減温塔50では、常温の冷却水とアトマイジング空気がノズル82から噴射される。ノズル82から噴射された冷却水は多数の水滴粒子の集合体である。冷却水とアトマイジング空気はノズル82から高速で噴射されて、ノズル82から所定距離までの第Iゾーンにおいては、冷却水とアトマイジング空気(既に膨張している)の存在する領域は動圧分だけ負圧になっている。このため、第Iゾーンでは、ノズル82から噴射された冷却水とアトマイジング空気に排ガスが誘引される。
【0063】
冷却水とアトマイジング空気はノズル82の前方に更に進行し、第IIゾーンでは、排ガスが多数の水滴粒子の中で拡散する。この状態で排ガスと多数の水滴粒子はノズル82の前方に更に進行し、第IIIゾーンにおいて、排ガスの熱が各水滴粒子に伝達され、各水滴粒子が加熱されると共に排ガスが冷却される。
【0064】
この状態で排ガスと多数の水滴粒子はノズル82の前方に更に進行し、第IVゾーンにおいて、多数の水滴粒子によって排ガスが本格的に冷却されると共に多数の水滴粒子が加熱される。この加熱に伴って各水滴粒子はその表面からさらに蒸発して粒子径が小さくなり、完全に蒸発して消滅する。なお、ノズル82からこの完全に蒸発するまでの空間では、冷却水が多数の水滴粒子として存在するので、冷却水は肉眼でも白色のものとして観測される。
【0065】
上記したように、ノズル82から噴射された冷却水は常温であるので、ノズル82から遠く離れた第IVゾーンにおいて完全に蒸発して消滅する。即ち、各水滴粒子はノズル82から遠く離れた位置まで飛散し、その後に蒸発して消滅する。このため、排ガス中に存在する灰が水滴粒子を吸収し易く、湿灰が発生し易い。従って、湿灰が排ガスの通路などに堆積し易い。また、冷却水及びアトマイジング空気が常温であるので、ノズル82などが低温腐食し易い。
【0066】
図10を参照して、二流体ノズルが取り付けられた減温塔の他の例を説明する。
【0067】
図10は、二流体ノズルが取り付けられた減温塔の他の例を示す模式図である。この図では、図6に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0068】
図6に示す減温塔30では、噴射水ポンプ36を出た冷却水を熱交換器70で加熱したが、図10に示す減温塔90では、水槽34に貯えられている冷却水を熱交換器92で加熱する。水槽34には、配管94を通して常温の水が供給される。水槽34に設置された熱交換器92には、例えば廃熱ボイラ14(図1参照)から高温の蒸気が供給される。この蒸気によって水槽34内の冷却水が加熱される。この熱交換器92に接続された配管96には温度調節弁98が取り付けられている。温度調節弁98には、この温度調節弁98の開閉度を調節する冷却水温度制御器100が接続されている。温度調節弁98と冷却水温度制御器100によって、本発明にいう冷却液温度制御装置の一例が構成されている。
【0069】
冷却水温度制御器100は、水槽34内の冷却水の温度に基づいて温度調節弁98の開閉度を調節する。これにより、水槽34内の冷却水は所定温度に加熱される。加熱された冷却水は噴射水ポンプ36によって複数のノズル62(図10では2つのノズルを示す)から噴射される。なお、熱交換器92を通った蒸気からは配管102を通してドレンが集められる。
【0070】
ところで、減温塔90の内壁面は排ガスが直接に接触する部分であり、この内壁面にはキャスタ(耐火物)104が貼られている。このキャスタ104の外周面は鉄板106で覆われている。鉄板106の外周面には、保温材108が貼り付けられている。減温塔90では、鉄板106と保温材108の間にパイプ110が巻き付けられている。
【0071】
パイプ110には空気ブロワ112から常温のアトマイジング空気が送り込まれる。パイプ110に送り込まれたアトマイジング空気は減温塔90で加熱されてノズル62に送られる。従って、ノズル62から噴射されるアトマイジング空気は、この噴射に先立って加熱されることとなる。この場合の加熱温度は鉄板106や保温材108などの温度に依存するが、100℃を超える温度となる。ここでは、減温塔90やパイプ110が、本発明にいう空気加熱手段の一例である。
【0072】
上記した図10で示すように冷却水とアトマイジング空気を加熱してノズル62から噴射することにより、図6に示す減温塔30と同様の効果を奏する。
【0073】
図11を参照して、二流体ノズルが取り付けられた更に他の減温塔の例を説明する。
【0074】
図11は、二流体ノズルが取り付けられた減温塔の更に他の例を示す模式図である。この図では、図10に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0075】
図10に示す減温塔90では、鉄板106と保温材108の間にパイプ110を巻き付けたが、図11に示す減温塔120では、キャスタ104と鉄板106の間にパイプ122を巻き付けた点に特徴がある。このように鉄板106の内周面にパイプ122を巻き付け、このパイプ122に空気ブロワ112から常温のアトマイジング空気を送り込むことにより、アトマイジング空気をいっそう高温に加熱できる。なお、図10に示す減温塔90と図11に示す減温塔120とでは、パイプ122を除く他の構造は同一である。
【0076】
上述したように加熱された冷却水やアトマイジング空気をノズルから噴射する場合と、加熱されずに常温のままの冷却水や空気をノズルから噴射する場合とでは、噴射ノズルから減温塔内に吹き込まれた霧状の冷却水粒子は、吹き込まれる際の温度の相違により挙動が異なり、減温塔内に液体として滞在する時間に差が生じ、その結果発生する湿灰の量に差が生じる。また、これら2つの場合では、排ガスが冷却される温度などにも差が生じる。このような各種の差を測定した試験例を、表1と表2を参照して説明する。
【0077】
表1と表2では、試験1から試験5までの試験結果が示されている。試験1から試験3までは二流体ノズルを用いた場合であり、試験4,5は一流体ノズルを用いた場合である。
【0078】
【表1】
Figure 0003820093
【0079】
【表2】
Figure 0003820093
試験1では、排ガスを冷却する冷却水の温度を20℃(常温)とし、アトマイジング空気の温度も20℃とした従来の排ガス冷却方法である。
【0080】
試験2では、排ガスを冷却する冷却水の温度を98℃とし、アトマイジング空気の温度を100℃とした。試験2の方法は本発明の排ガス冷却方法であり、冷却水及びアトマイジング空気双方が加熱された後に噴射された。
【0081】
また、試験3では、排ガスを冷却する冷却水の温度を98℃とし、アトマイジング空気の温度を220℃とした。試験3の方法は本発明の排ガス冷却方法であり、冷却水及びアトマイジング空気双方が加熱された後に噴射された。
【0082】
上記した試験1から試験3までにおいては、表1に示すように、減温塔に入る排ガスの量を一定とした。減温塔入口ガス流量(Wet)は、排ガス中の水分をガス量中に含めた流量である。この減温塔入口ガス流量は、JIS Z 8808に規定されたピトー管法により、入口ダクトで測定された。
【0083】
一方、減温塔入口ガス流量(Dry)は、排ガス中の水分をガス量中に含めない流量である。この減温塔入口ガス流量は、JIS Z 8808に規定された吸湿管法で水分測定し、Wetの値から水分を差し引いて得られた。減温塔において、排ガスは271℃(減温塔の入口における温度)から170℃(減温塔の出口における温度)まで冷却された。
【0084】
減温塔入口ガス温度は、JIS Z 8704に規定されたK型熱電対により、入口ダクトで測定された。一方、減温塔出口ガス温度は、JIS Z 8704に規定されたK型熱電対により、出口ダクトで測定された。また、噴射水温度は、デジタル温度計によって噴射水配管の温度を測定することにより得られた。アトマイジング空気温度は、デジタル温度計によって空気配管の温度を測定することにより得られた。
【0085】
また、噴射水ノズル一本当たりの水量は、オリフィス流量計で総水量を計測し、この総水量から計算して得られた。アトマイジング空気量は、空気圧縮機の性能から計算して得られた。気水比は、計算から得られた。交換熱量は、入口及び出口におけるエンタルピーの差から計算して得られた。
【0086】
表2において、噴霧水滴の径は、ノズル先端から300mmの位置で光学測定して得られた。また、完全蒸発までの所要時間は、計算により得られた。時間差間に進む距離は、計算により得られた。完全蒸発までの飛距離は、計算により得られた。
【0087】
表2に示すように、試験2,3ではノズルから噴射される冷却水及びアトマイジング空気の温度が試験1の場合よりも高い。このため、噴射された冷却水の量は、試験2,3では試験1に比べて14%〜15%程度増えた。また、試験3では、アトマイジング空気の温度が220℃であり、この温度は、減温塔の出口における排ガスの温度よりも高い。このため、アトマイジング空気による交換熱量はマイナスの値を示したが、水噴霧による交換熱量に比べて微少であり、無視できる程度のものである。
【0088】
試験4は、一流体ノズルを用い、排ガスを冷却する冷却水の温度を20℃(常温)とした従来の排ガス冷却方法である。
【0089】
試験5では、一流体ノズルを用い、排ガスを冷却する冷却水の温度を98℃とした。試験5の方法は本発明の排ガス冷却方法であり、冷却水は加熱された後に噴射された。
【0090】
試験4と試験5では、表1に示すように、減温塔に入る排ガスの量を一定とした。減温塔入口ガス流量(Wet)は、排ガス中の水分をガス量中に含めた流量である。一方、減温塔入口ガス流量(Dry)は、排ガス中の水分をガス量中に含めない流量である。減温塔において、排ガスは271℃(減温塔の入口における温度)から170℃(減温塔の出口における温度)まで冷却された。
【0091】
試験5ではノズルから噴射される冷却水の温度が試験4の場合よりも高い。このため、噴射された冷却水の量は、試験5では試験4に比べて約13.6%増えた。しかし、試験5では、噴射されて冷却水が完全に蒸発するまでの時間は、試験4の場合に比べて4.6%減少した。この減少の時間は数値的には僅差に見える。しかし、この時間の短縮による湿灰の発生を抑制する効果や、ノズルなどの低温腐食を防止する効果は大きい。
【0092】
上記した試験1から試験5で判明したことは、二流体ノズルでは高温のアトマイジング空気を噴射できるので、二流体ノズルを用いた方が、一流体ノズルを用いるよりも、噴射された冷却水が完全に蒸発するまでの時間を短縮できる。従って、一流体ノズルを用いるよりも二流体ノズルを用いた方が、本発明による湿灰の発生を抑制する効果やノズルなどの低温腐食を防止する効果が高い。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のごみ焼却施設によれば、噴射された冷却液が加熱されているので、この冷却液が加熱されていないときに比べて冷却液は短時間で蒸発する。このため、排ガスに含まれている灰などが冷却液の水分を吸収しにくく、湿灰が発生しにくい。このため、排ガスが通過する領域に多量の湿灰が堆積したりこの領域が湿灰で閉塞したりすることが防止される。また、噴射された冷却液が加熱されているので、この冷却液を噴射するノズルなどの低温腐食を防止できる。
【0094】
ここで、上記冷却液加熱手段は、上記冷却液に熱を与えてこの冷却液を加熱する熱交換器である場合は、簡易な構成の加熱手段が得られる。
【0095】
さらに、上記冷却液が所定温度になるように制御する冷却液温度制御装置を備えた場合は、湿灰の発生を最小限に抑えられる温度になるように冷却液を加熱できるので、湿灰の発生を最小限に抑えられる。
【0096】
また、本発明のごみ焼却施設によれば、加熱された冷却液とこの冷却液を微細化する空気(アトマイジング空気)を同時に噴射するので、冷却液は更に短時間で蒸発する。このため、排ガスに含まれている灰などが冷却液の水分を吸収しにくく、湿灰が非常に発生しにくい。このため、排ガスが通過する領域に多量の湿灰が堆積したりこの領域が湿灰で閉塞したりすることがいっそう確実に防止される。また、噴射された冷却液が加熱されているので、この冷却液を噴射するノズルなどの低温腐食を防止できる。
【0097】
ここで、上記冷却液加熱手段に代えて、上記空気を噴射するに先立ってこの空気を加熱する空気加熱手段を備えた場合は、加熱された空気が、噴射された冷却液を加熱するので、上記と同様に、湿灰が非常に発生しにくい。また、上記と同様に、ノズルなどの低温腐食を防止できる。
【0098】
また、ごみ焼却施設が、上記空気を噴射するに先立ってこの空気を加熱する空気加熱手段を備えた場合は、冷却液及び空気双方が加熱されて噴射されるので、冷却液は更に短時間で蒸発する。このため、排ガスに含まれている灰などが冷却液の水分を吸収しにくく、湿灰が極めて発生しにくい。このため、排ガスが通過する領域に多量の湿灰が堆積したりこの領域が湿灰で閉塞したりすることがいっそう確実に防止される。また、噴射された冷却液と空気が加熱されているので、この冷却液を噴射するノズルなどの低温腐食を防止できる。
【0099】
さらに、上記冷却液加熱手段は、上記冷却液に熱を与えてこの冷却液を加熱する熱交換器であり、上記空気加熱手段は、上記空気に熱を与えてこの空気を加熱する熱交換器である場合は、簡易な構成の冷却液加熱手段及び空気加熱手段が得られる。
【0100】
さらにまた、上記空気加熱手段は、上記排ガスの熱によって上記空気を加熱するものである場合は、低コストの空気加熱手段が得られる。
【0101】
さらにまた、ごみ焼却施設は、上記冷却液が所定温度になるように制御する冷却液温度制御装置を備えた場合は、湿灰の発生を最小限に抑えられる温度になるように冷却液を加熱できるので、湿灰の発生を最小限に抑えられる。
【0102】
さらにまた、ごみ焼却施設は、上記空気が所定温度になるように制御する空気温度制御装置を備えた場合は、湿灰の発生を最小限に抑えられる温度になるように空気を加熱できるので、湿灰の発生を最小限に抑えられる。
【0103】
また、本発明の排ガス冷却方法によれば、加熱された冷却液を噴射するので、冷却液が加熱されていないときに比べて冷却液は短時間で蒸発する。このため、排ガスに含まれている灰などが冷却液の水分を吸収しにくく、湿灰が発生しにくい。このため、排ガスが通過する領域に多量の湿灰が堆積したりこの領域が湿灰で閉塞したりすることが防止される。また、噴射された冷却液が加熱されているので、この冷却液を噴射するノズルなどの低温腐食を防止できる。
【0104】
ここで、上記冷却液を加熱する際に、80℃以上99℃以下の範囲内の温度にこの冷却液を加熱する場合は、冷却液が高温に加熱されるので、冷却液がいっそう短時間で蒸発する。また、低温腐食をいっそう確実に防止できる。
【0105】
また、上記冷却液を加熱する際に、95℃以上99℃以下の範囲内の温度にこの冷却液を加熱する場合は、冷却液が高温に加熱されるので、冷却液がいっそう短時間で蒸発する。また、低温腐食をいっそう確実に防止できる。
【0106】
さらに、上記冷却液を噴射する際に、噴射された冷却液を微細化する空気も噴射する場合は、噴射された空気によって冷却液が微細化されるので、冷却液がさらにいっそう短時間で蒸発する。
【0107】
さらにまた、上記空気を噴射する際に、この空気を加熱した後に噴射する場合は、空気も加熱されるので、湿灰がいっそう発生しにくい。また、ノズル等の低温腐食もいっそう確実に防止される。
【0108】
さらにまた、上記冷却液を加熱せずに、噴射する上記空気のみを加熱する場合は、上記と同様に、湿灰が発生しにくく、また、ノズル等の低温腐食も確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ごみ焼却施設の一例を示す模式図である。
【図2】本発明のごみ焼却施設に備えられた減温塔を示す模式図である。
【図3】従来の減温塔を示す模式図である。
【図4】本発明のごみ焼却施設が有する減温塔の内部に噴射された冷却水の挙動を示す模式図である。
【図5】従来の減温塔の内部に噴射された冷却水の挙動を示す模式図である。
【図6】本発明のごみ焼却施設に備えられた減温塔に二流体ノズルが取り付けられた例を示す模式図である。
【図7】従来の減温塔に二流体ノズルが取り付けられた例を示す模式図である。
【図8】本発明のごみ焼却施設が有する減温塔の内部に噴射された冷却水とアトマイジング空気の挙動を示す模式図である。
【図9】従来の減温塔の内部に噴射された冷却水とアトマイジング空気の挙動を示す模式図である。
【図10】二流体ノズルが取り付けられた減温塔の他の例を示す模式図である。
【図11】二流体ノズルが取り付けられた減温塔の更に他の例を示す模式図である。
【図12】管壁温度と腐食速度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ごみ焼却施設
30,90,120 減温塔
32,62 ノズル
34 水槽
36 噴射水ポンプ
38,64 温度調節弁
39,66 制御器
40,70,92 熱交換器
42,98 冷却水温度調節弁
44,100 冷却水温度制御器
68,112 空気圧縮機(ブロワ)
72 アトマイジング空気温度制御器
74 温度調節弁
110,122 パイプ

Claims (6)

  1. ごみを焼却することにより発生した排ガスに冷却液を噴射する冷却液噴射手段を備えたごみ焼却施設において、
    前記冷却液噴射手段から冷却液を噴射するに先立って該冷却液を加熱する冷却液加熱手段と、
    前記冷却液噴射手段から噴射された冷却液を微細化するアトマイジング空気を噴射するアトマイジング空気噴射手段と、
    該アトマイジング空気噴射手段からアトマイジング空気を噴射するに先立って該アトマイジング空気を加熱するアトマイジング空気加熱手段とを備えたことを特徴とするごみ焼却施設。
  2. 前記冷却液加熱手段及び前記アトマイジング空気加熱手段は、
    前記排ガスの熱によって前記冷却液及び前記アトマイジング空気を加熱するものであることを特徴とする請求項1に記載のごみ焼却施設。
  3. ごみを焼却することにより発生した排ガスに冷却液を噴射してこの排ガスを冷却する排ガス冷却方法において、
    前記冷却液を噴射するに先立って該冷却液を、95℃以上99℃以下の範囲内の温度に加熱することを特徴とする排ガス冷却方法。
  4. 前記冷却液を噴射する際に、
    噴射された冷却液を微細化する空気も噴射することを特徴とする請求項3に記載の排ガス冷却方法。
  5. 前記空気を噴射する際に、
    該空気を加熱した後に噴射することを特徴とする請求項に記載の排ガス冷却方法。
  6. 前記冷却液を加熱せずに、噴射する前記空気のみを加熱することを特徴とする請求項に記載の排ガス冷却方法。
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