JP3819805B2 - 系統連系電力変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電源系統に他のエネルギ源を電力変換器を介して連系させ、電源系統の異常時にも安定した電力を供給する系統連系電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16および図17は、特開平11−341686号公報に示された従来の系統連系電力変換装置としての分散電源システムの構成図である。
図16に示すように、電力系統1に対し、系統連系スイッチ3を介して負荷2が接続される。また、負荷2と並列に電力変換器4が接続され、さらに電力変換器4の直流側には、充放電可能な直流電源5が接続される。電力系統1が正常である場合、系統連系スイッチ3が導通しており電力系統1から負荷2に電力が供給される。また、これと同時に電力変換器4は、直流電源5の充電・放電動作を行う。このとき、変換器制御回路8は、変換器電流検出器6で検出される電力変換器4の出力電流が電流基準値発生回路7による設定電流値に保たれるように、電力変換器4の出力すべき電圧を決定し、ゲートドライブ回路9を介して電力変換器4を制御する。
【0003】
また、電力系統1に電圧異常が発生すると、系統電圧異常検出器12にて電圧異常が検出されると共に、連系スイッチ制御回路13に系統連系スイッチ3の遮断信号が送られ、系統連系スイッチ3が開放される。同時に、変換器制御回路8は、変換器電流検出器6の出力を、電流基準発生回路7からの信号に追従させるのを止めて、連系スイッチ電流検出器14の出力に応じて、電力変換器4の電流を増加または減少させるような指令値を生成し、ゲートドライブ回路9へ入力する。このことにより、系統連系スイッチ3を流れる電流を全て電力変換器4へ引き取り、系統連系スイッチ3を流れる電流を速やかに零として、電力系統1の切り離しが完了する。
電力系統1が切り離されると、変換器制御回路8は、負荷電圧検出器10の出力が電圧基準値発生回路11により設定された電圧値に保たれるような電圧指令値を電力変換器4に与える。
【0004】
図17に示す分散電源システムでは、系統連系スイッチ3に流れる電流を連系スイッチ電流検出器14で検出し、その出力を系統電圧異常検出器12の出力と共に電流基準値発生回路7へ入力する。電力系統1に電圧異常が発生した場合、電流基準値発生回路7は、連系スイッチ電流検出器14の出力に応じて、正または負の一定の値を出力する。この出力の極性は負荷2に対する系統連系スイッチ3の電流極性と同極性とし、その絶対値は系統連系スイッチ3に流れ得る電流の最大値よりも大きくしておく。このことにより、変換器制御回路8は系統連系スイッチ3を通じて負荷2に供給されている電流よりも大きな電流を電力変換器4から流すような指令値を発生し、この指令値に電力変換器4の出力電流が一致するまでの間に系統連系スイッチ3に流れる電流は零となり、電力系統1の切り離しが完了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の系統連系電力変換装置は以上のように構成され、電力系統1の電圧異常時には、電力変換器4の出力電流によって系統連系スイッチ3に流れる電流を零にして電力系統1の切り離しを行うものである。しかしながら、系統連系スイッチ3の通電電流を検出してはいるが、その通電電流に基づいて電力変換器4への指令を所定の演算により演算させるものであり、図16で示すものでは、出力電流に系統連系スイッチ3の通電電流を上乗せした値を電力変換器4の出力電流指令とする。また図17に示したものでは、正または負の固定値を電力変換器4の出力電流指令とするものである。
このため、理想状態では系統連系スイッチ3に流れる電流を零にできるものではあるが、万一、切り離しに一度失敗すると、系統連系スイッチ3に流れる電流を速やかに零に収束させることが困難になる。このような懸念は、系統連系スイッチ3に例えば機械式スイッチを適用した場合に顕著であり、遮断直前のスイッチ電圧、通過電流変化率によってはアーク電流が完全に消滅せず、再導通する場合があり、このような切り離し失敗の場合には、逆に系統連系スイッチ3に流れる電流を増加させて遮断を不可能にすることがある。
また図18に示すように負荷2ならびに電力変換器4以外の構成要素、例えばフィルタコンデンサ15、発電設備16が接続された場合にも、上述した従来のもののように、系統連系スイッチ3の通電電流に基づいて電力変換器4の出力電流指令を所定の演算により演算させたものでは、系統連系スイッチ3に流れる電流を確実に零にして電力系統1の切り離しを行うことは困難であった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、自己消弧能力を持たない半導体スイッチや機械式スイッチを用いた連系スイッチの通電電流を、電力系統の異常時に速やかで確実に遮断して電力系統を切り離すことが可能な系統連系電力変換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る請求項1記載の系統連系電力変換装置は、系統電源と負荷とを連系スイッチを介して接続し、上記連系スイッチの上記負荷側に電力変換器を介して第2の電源を接続して、該第2の電源を上記系統電源に連系させた装置構成であって、上記系統電源の正常時には上記連系スイッチを閉とし、上記系統電源の電圧異常を検出して上記連系スイッチに開放指令を与えて該連系スイッチの開閉を制御する連系スイッチ制御手段と、該連系スイッチにおける開閉制御状態に応じてスイッチ電流指令を出力するスイッチ電流指令作成手段と、上記連系スイッチの通電電流(スイッチ電流)を検出するスイッチ電流検出手段と、上記スイッチ電流が上記スイッチ電流指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力するスイッチ電流制御手段と、該スイッチ電流制御手段からの出力を電圧指令として上記電力変換器出力側の電圧が上記電圧指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力する電圧制御手段と、該電圧制御手段からの出力を電流指令として上記電力変換器の出力電流を制御する変換器制御手段とを備えたものである。
【0008】
この発明に係る請求項2記載の系統連系電力変換装置は、系統電源と負荷とを連系スイッチを介して接続し、上記連系スイッチの上記負荷側に電力変換器を介して第2の電源を接続して、該第2の電源を上記系統電源に連系させた系統連系電力変換装置において、上記系統電源の正常時には上記連系スイッチを閉とし、上記系統電源の電圧異常を検出して上記連系スイッチに開放指令を与えて該連系スイッチの開閉を制御する連系スイッチ制御手段と、該連系スイッチにおける開閉制御状態に応じてスイッチ電流指令を出力するスイッチ電流指令作成手段と、上記連系スイッチの通電電流(スイッチ電流)を検出するスイッチ電流検出手段と、上記スイッチ電流が上記スイッチ電流指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力するスイッチ電流制御手段と、該スイッチ電流制御手段からの出力を連系電力指令として、上記第2の電源と上記系統電源との連系点より該系統電源側の連系電力が上記連系電力指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力する連系電力制御手段と、該連系電力制御手段の出力を電流指令として上記電力変換器の出力電流を制御する変換器制御手段とを備えたものである。
【0009】
この発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項1または2において、上記系統電源の電圧異常が検出されると、上記連系スイッチ制御手段により上記連系スイッチに開放指令を与えるとともに、上記スイッチ電流指令作成手段からの上記スイッチ電流指令を指令値零として該スイッチ電流の遮断を促進させるものである。
【0010】
この発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項1または2において、上記系統電源の電圧異常が検出されると、上記連系スイッチ制御手段により上記連系スイッチに開放指令を与えるとともに、上記スイッチ電流指令作成手段からの上記スイッチ電流指令を周期的に極性が変化する電流指令として該スイッチ電流の遮断を促進させるものである。
【0011】
この発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項において、系統電源が交流電源の場合、上記系統電源の電圧異常が検出されたときに上記スイッチ電流指令作成手段から出力される周期的に極性が変化する上記スイッチ電流指令は、上記電圧異常検出以前のスイッチ電流よりも周波数の高い交流電流指令である。
【0012】
この発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項において、上記系統電源の電圧異常が検出されたときに上記スイッチ電流指令作成手段から出力される周期的に極性が変化する上記スイッチ電流指令は、検出したスイッチ電流の極性と逆極性の電流指令である。
【0013】
この発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項1〜6のいずれかにおいて、上記電力変換器出力側に上記電力変換器と並列にフィルタコンデンサを接続したものである。
【0014】
この発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項1〜7のいずれかにおいて、エネルギを蓄積あるいは供給する手段を、上記第2の電源と上記系統電源との連系点に接続したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1による系統連系電力変換装置を示す構成図である。図において、1は商用電源、交流電源などに接続された電力系統、2は負荷、3は電力系統1と負荷2との間に設けられて電力系統1の電圧異常時に負荷2を電力系統1から切り離すための系統連系スイッチであり、自己消弧機能のない半導体素子あるいは機械式スイッチ等で構成される。4は構成要素である半導体スイッチ素子のスイッチング動作により制御されて電力供給する電力変換器、5は電力変換器4に直流電圧を提供する第2の電源としての、コンデンサ、電池、整流器、フライホイール等の直流電源、6は電力変換器4の出力電流を検出する変換器電流検出器、9は電力変換器4内の各半導体スイッチング素子のスイッチ状態を決定するゲートパルスを作成するゲートドライブ回路、12は電力系統1の電圧の周波数異常、振幅異常等の電圧異常を検出する系統電圧異常検出器、13は連系スイッチ3の開閉を制御する連系スイッチ制御回路、14は連系スイッチ3に流れる電流を検出するスイッチ電流検出器である。また、15はスイッチングリップルを除去する目的で電力変換器4の出力に接続されるフィルタコンデンサ、16は負荷2と並列に接続される、エネルギを蓄積あるいは供給する手段としての分散電源、発電機等の発電設備、17は与えられた変換器電流指令に基づき、電力変換器4の出力電流を制御する変換器電流制御回路、18は連系スイッチ3に流れる電流を制御するスイッチ電流制御回路、19は連系スイッチに流れる電流の目標値であるスイッチ電流指令を作成するスイッチ電流指令作成手段である。
【0016】
次に、動作を説明する。電力系統1が正常である場合、連系スイッチ3が導通しており電力系統1から負荷2に電力が供給される。また、これと同時に電力変換器4は、直流電源5の充電・放電動作を行う。このとき、変換器電流制御回路17は、変換器電流検出器6で検出される電力変換器4の出力電流が、スイッチ電流制御回路18から入力された変換器電流指令に一致するように電力変換器4の出力すべき電圧を決定し、変換器電圧指令をゲートドライブ回路9に与える。ゲートドライブ回路9では、変換器電流制御回路17の出力する変換器電圧指令に従って電力変換器4の出力すべき電圧に相当するゲートパルスを作成して、電力変換器4内の各スイッチング素子をスイッチング動作させることにより電力変換器4を制御する。また、スイッチ電流制御回路18は、連系スイッチ3が開/閉それぞれの制御状態でスイッチ電流指令を切り替えて出力するスイッチ電流指令作成手段19からのスイッチ電流指令(この場合、連系スイッチ3が閉状態の指令)を入力として、スイッチ電流検出器14で検出されるスイッチ電流が該スイッチ電流指令に一致するように電力変換器4の出力すべき電流を決定し、変換器電流指令を出力する。
【0017】
一方、電力系統1に周波数異常、振幅異常等の電圧異常が発生すると、系統電圧異常検出器12にて電圧異常が検出されると共に、連系スイッチ制御回路13に系統連系スイッチ3の遮断信号が送られ、同時にスイッチ電流指令作成手段19に系統電圧異常検出信号が送られる。連系スイッチ制御回路13は遮断信号を受けて連系スイッチ3に開放指令を与え、これにより連系スイッチ3は、開放または遮断動作を開始する。スイッチ電流指令作成手段19は、系統電圧異常検出を受けて、連系スイッチ3の遮断を促進するスイッチ電流指令に切り替えて、該スイッチ電流指令をスイッチ電流制御回路18に与える。スイッチ電流制御回路18は、スイッチ電流指令を受けてスイッチ電流検出器14で検出されるスイッチ電流が該スイッチ電流指令に一致するように電力変換器4の出力すべき電流を決定し、変換器電流指令を出力する。電力変換器4の制御は、電力系統が正常時と同様に、変換器電流指令に基づいて行われる。このため、連系スイッチ3の遮断を促進するスイッチ電流指令にスイッチ電流が一致するように電力変換器制御が行われ、スイッチ電流が速やかに遮断する。
【0018】
図2は、図1で示した系統連系電力変換装置における変換器電流制御回路17の詳細例を示す構成図である。図に示すように、変換器電流制御回路17は、電力変換器4の出力電流をフィードバック制御して変換器電流指令に追従させるもので、変換器電流指令と変換器電流(出力電流)の差分を減算器20aで求め、比例器21a、微分器22a、積分器23aの演算結果を加算器24aで加算することによって変換器電圧指令を出力する。なお、変換器電流制御回路17は電力変換器4の出力電流を制御し、変換器制御手段となるものであるが、この変換器制御手段は、DSP、CPU等のソフトウェアにて構成してもよく、同様の処理を実行できる。
スイッチ電流制御回路18においても、図2で示した変換器電流制御回路17と同様にフィードバック制御系を構成して、スイッチ電流検出器14で検出されるスイッチ電流が、スイッチ電流指令作成手段19からのスイッチ電流指令に追従するように制御する。即ち、スイッチ電流指令とスイッチ電流の偏差を求めた上で、比例器、微分器、積分器を用いてフィードバック制御系を構成することにより、スイッチ電流がスイッチ電流指令と一致するように、変換器電流指令を出力する。この場合も、スイッチ電流制御回路18は、スイッチ電流をスイッチ電流指令と一致するように制御し、スイッチ電流制御手段となるものであるが、このスイッチ電流制御手段は、DSP、CPU等のソフトウェアにて構成してもよく、同様の処理を実行できる。
【0019】
次に、スイッチ電流指令作成手段19の詳細について説明する。図3にスイッチ電流指令作成手段19の構成例を示す。図3において、25aは入力信号を切り替える切替スイッチ、26は系統連系運転時のスイッチ電流指令を作成する連系運転時電流指令作成手段、27aはある一定の固定値を出力する固定値設定器である。
系統電圧に異常がない場合、すなわち連系スイッチ3が閉状態で導通しており電力系統1が連系スイッチ3を介して連系運転されている時は、切替スイッチ25aが連系運転時電流指令作成手段26の出力を選択し、スイッチ電流指令として出力する。
連系運転時電流指令作成手段26は、電力変換器4の運転目的に応じたスイッチ電流指令を出力する。例えば、電力変換器4が昼夜の負荷平準化の目的で用いられる場合、昼間は直流電源5から電力系統1に送電するが、夜間は直流電源5を充電する必要があるので、電力系統1から有効電力が受け取れるように、すなわち電力系統1から電力変換器側に向かって有効電流となるようなスイッチ電流指令とする。発電設備16と協調運転している場合は、発電設備16の発電電力と負荷2の消費電力がバランスしており、電力系統1からの電力の授受は必要ないので零電流指令を出力する。スイッチ電流制御回路18は入力されたスイッチ電流指令に連系スイッチ3のスイッチ電流が一致するように制御するので、スイッチ電流が系統連系運転時の目的にかなうように制御される。
【0020】
電力系統1に電圧異常が発生した場合、上述したように、系統電圧異常検出器12にて電圧異常が検出され、連系スイッチ制御回路13は連系スイッチ3に開放指令を与え、これにより連系スイッチ3は、開放または遮断動作を開始する。このときスイッチ電流指令作成手段19は、系統電圧異常検出を受けて、切替スイッチ25aの入力信号を固定値設定器27aの出力に切り替えて連系スイッチ3の遮断を促進するスイッチ電流指令をスイッチ電流制御回路18に与える。固定値設定器27aの設定値は零とする。
連系スイッチ3は、自己消弧機能のない半導体素子あるいは機械式スイッチ等で構成されているため、開放もしくは遮断動作を開始しても、系統連系スイッチ電流が零になるまで通電し続けるが、スイッチ電流制御回路18は入力されたスイッチ電流指令(指令値零)に連系スイッチ3のスイッチ電流が一致するように制御するのでスイッチ電流が速やかに遮断する。
なお、スイッチ電流検出器14の検出電流に直流オフセットが含まれる場合は、固定値設定器27aの設定値を上記直流オフセットに相当する値とすればよい。
【0021】
連系スイッチ3のスイッチ電流を遮断する動作を図4を用いて説明する。
図4(a)はスイッチ電流検出器14の検出電流に直流オフセットが含まれない場合で、固定値設定器27aの設定値として零を設定する。スイッチ電流検出器14の出力はスイッチ電流と一致しており、切替スイッチ25aが連系運転時電流指令作成手段26の出力を選択している状態では、スイッチ電流指令となる連系運転時電流指令に従ってスイッチ電流は制御される。系統電圧異常が発生し切替スイッチ25aが固定値設定器27aの出力を選択すると、固定値設定器27aの設定値は零なので、スイッチ電流指令も零になる。スイッチ電流はスイッチ電流制御回路18によってスイッチ電流指令に一致するように制御されるので、零となり、連系スイッチ3は遮断し電力系統1の切り離しが完了する。
図4(b)はスイッチ電流検出器14の検出電流に直流オフセットが含まれる場合で、固定値設定器27aはスイッチ電流検出器14のオフセットに見合う値を設定値とする。実際のスイッチ電流とスイッチ電流検出器14の出力には定常偏差が存在する。系統電圧異常が発生し切替スイッチ25aが固定値設定器27aの出力を選択し、スイッチ電流検出器14の出力がスイッチ電流指令に一致すると実際のスイッチ電流は零になって連系スイッチ3の遮断が完了する。
【0022】
このように、この実施の形態では、スイッチ電流指令作成手段19とスイッチ電流制御回路18とを備えて、連系スイッチ3を流れるスイッチ電流に対して指令を作成し該指令にフィードバック制御により追従するように電力変換器4の出力電流指令を演算するため、スイッチ電流が信頼性良く速やかに指令に追従するように制御される。電力系統1の電圧異常時には、連系スイッチ3に開放指令を与えると共に、スイッチ電流指令を指令値零としてフィードバック制御することで、速やかにスイッチ電流を零に収束させることができる。このため、自己消弧機能のない半導体スイッチから成る連系スイッチ3の場合にも、また例えば機械式スイッチで構成された連系スイッチ3のアーク電流が完全に消滅せず、再導通するような場合にも、スイッチ電流を零に追従させるフィードバック制御は連続しているため、速やかにスイッチ電流を零に収束させることができ、連系スイッチ3の高速遮断を確実に行える。
また、負荷2ならびに電力変換器4以外の構成要素、例えばフィルタコンデンサ15、発電設備16が接続された場合にも、スイッチ電流をスイッチ電流指令を指令値零として同様にフィードバック制御することができ、確実な高速遮断が同様に実現できる。
【0023】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2による系統連系電力変換装置におけるスイッチ電流作成手段19の構成図である。なお、全体の装置構成は、図1で示したものと同様である。
スイッチ電流指令作成手段19は、系統連系運転時のスイッチ電流指令を作成する連系運転時電流指令作成手段26と、連系スイッチ3の遮断を促進するスイッチ電流指令を出力する交流信号発生器28とを備えて、切替スイッチ25aにより切り替えて出力する。系統電圧異常検出を受けて、切替スイッチ25aは交流信号発生器28の信号を入力信号として選択し、スイッチ電流指令として出力する。交流信号発生器28は交流信号を出力するので、スイッチ電流指令も零点を横切る交流信号となり、いずれかの零クロスで遮断が完了する。
【0024】
連系スイッチ3のスイッチ電流が遮断する動作を図6を用いて説明する。図6はスイッチ電流検出器14の検出電流に直流オフセットが含まれる場合であり、スイッチ電流検出器14の出力と実際のスイッチ電流とは定常偏差が存在する。系統電圧異常が発生し、切替スイッチ25aが交流信号発生器28の出力を選択すると、スイッチ電流指令は零点を横切る交流信号となる。交流信号発生器28から出力される交流信号は、系統連系運転時のスイッチ電流よりも十分に周波数の高いもので、しかもスイッチ電流検出器14の出力のオフセット最大値以上の振幅を持つように設定しておく。このように交流信号発生器28の出力は零点を横切る正弦波信号で、オフセット最大値以上の振幅を持つように設定されているため、スイッチ電流は零点を迎え、連系スイッチ3の遮断が完了する。
【0025】
この実施の形態では、スイッチ電流指令作成手段19に交流信号発生器28を用いるため、スイッチ電流指令も零点を横切る交流信号となり、いずれかの零クロスで遮断が完了する。最初の零クロスで遮断ができない場合も、指令に追従させるフィードバック制御は連続しているため、上記実施の形態1と同様に、速やかにスイッチ電流を零に収束させることができ、連系スイッチ3の高速遮断を確実に行える。また、負荷2ならびに電力変換器4以外の構成要素、例えばフィルタコンデンサ15、発電設備16が接続された場合にも、スイッチ電流をスイッチ電流指令に追従させるフィードバック制御を同様に行うことができ、確実な高速遮断が同様に実現できる。
さらに、この実施の形態では、スイッチ電流検出器14の出力に直流オフセットが含まれていても、交流信号発生器28の発生する交流信号の振幅を直流オフセット最大値以上に設定しておけば、直流オフセットを予め計測して補正値として与える必要はなく、また、時間と共にオフセットが変化してもオフセットの影響を受けることなく、連系スイッチ3の遮断が可能である。なお、一旦、連系スイッチ3の遮断が完了すると、スイッチ電流指令が零以外に変化してもフィードバック制御は成り立たない。
【0026】
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3による系統連系電力変換装置の構成図であり、この場合のスイッチ電流指令手段の詳細を図8に示す。
図7に示すように、検出されたスイッチ電流はスイッチ電流制御手段回路18だけでなく、スイッチ電流指令作成手段19にも入力し、スイッチ電流指令作成手段19では、入力されたスイッチ電流の検出値に応じて指令を作成する。
図8において、29は入力されたスイッチ電流検出値の符号を判定する符号判定器、25bは符号判定器の判定符号によって入力信号を切り替える切替スイッチ、27b、27cは、スイッチ電流検出値の符号に応じたスイッチ電流指令を与える固定値設定器で、固定値設定器27bは正の設定値、固定値設定器27cは負の設定値を出力する。
【0027】
連系スイッチ3のスイッチ電流が遮断する動作を図9に基づいて以下に説明する。
系統電圧異常が発生して切替スイッチ25aが切り替え動作を行うまでは、上述した上記実施の形態1、2の場合と同様である。系統電圧異常が発生すると、切替スイッチ25aが入力信号を切り替えるが、符号判定器29がスイッチ電流の極性を判定して切替スイッチ25bで固定値設定器27bもしくは固定値設定器27cのいずれかを選択する。
この場合、符号判定器29が判定するスイッチ電流の符号は、図7において電力系統1側に電流が流出する向きを正として正符号とする。切替スイッチ25bはスイッチ電流指令として負の設定値である固定値設定器27cの出力信号を選択する。即ち、連系スイッチ3を介して電力系統1側に電流が流出していることを検出して、スイッチ電流指令として負の電流指令を与えるため、スイッチ電流の極性は反転し、零クロスを作ることができる。
【0028】
通常、これによりスイッチ電流は零クロスを迎えて連系スイッチ3の遮断が完了するが、図9では、連系スイッチ3が最初の電流零点で遮断完了しない場合を示す。即ち、万一連系スイッチ3が最初の電流零点で遮断完了しなければスイッチ電流が負の値になるので、切り替えスイッチ25bが固定値設定器27bを選択し、スイッチ電流指令は正の固定値となる。スイッチ電流指令作成手段19は連系スイッチ3の遮断が完了するまでスイッチ電流指令の符号を検出したスイッチ電流の符号に応じて反転させるため、その度に電流零点を発生させ、連系スイッチ3の遮断を確実に完了させる。
【0029】
上述したようにこの実施の形態では、系統電圧異常が発生すると、スイッチ電流作成手段19において、検出したスイッチ電流の極性と逆極性のスイッチ電流指令を出力し、この指令に追従させるようにスイッチ電流をフィードバック制御するため、スイッチ電流は零クロスを迎えて連系スイッチ3の遮断が完了する。また、例えば連系スイッチ3に機械式スイッチが適用され、一度の零クロスで遮断が完了出来なかった場合でも、その時点のスイッチ電流の極性を検出してその逆極性のスイッチ電流指令を用い、該指令に追従させるフィードバック制御を連続して行っているため、自動的に再度零クロスを作るように動作して速やかにスイッチ電流を零に収束させることができる。このように、万一の遮断失敗時にも確実に遮断を完了させることができ、連系スイッチ3の高速遮断を確実に行える。
さらに、負荷2ならびに電力変換器4以外の構成要素、例えばフィルタコンデンサ15、発電設備16が接続された場合にも、スイッチ電流をスイッチ電流指令に追従させるフィードバック制御を同様に行うことができ、確実な高速遮断が同様に実現できる。
【0030】
なお、固定値設定器27b、27cの設定値は、正、負の適当な値を与えておけば、スイッチ電流は零クロスを迎えて連系スイッチ3の遮断が完了するが、図10に示す様に、検出したスイッチ電流を負の設定値を設定した比例器21bにて比例倍した値をスイッチ電流指令としてスイッチ電流指令作成手段19から出力しても良い。また、急峻な電流変化率を避けたい場合は、検出したスイッチ電流の極性を反転させた後、遅れフィルタや、ランプにて変化率を緩和させてスイッチ電流指令を作成するようにしても良い。
【0031】
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4による系統連系電力変換装置の構成図である。上記実施の形態1では、検出したスイッチ電流をスイッチ電流制御回路18に入力したが、この実施の形態では、スイッチ電流の代わりに、発電設備電流、負荷電流およびフィルタコンデンサ電流をスイッチ電流制御回路18に入力する。
図11に示すように、発電設備電流検出器30、負荷電流検出器31、フィルタコンデンサ電流検出器32を備えて、発電設備電流、負荷電流およびフィルタコンデンサ電流をそれぞれ検出し、これらの検出電流をスイッチ電流制御回路18に入力する。また、スイッチ電流制御回路18を図12に示すように構成し、発電設備電流検出器30、負荷電流検出器31およびフィルタコンデンサ電流検出器32のそれぞれの検出電流を、減算器20bを用いてスイッチ電流指令から減算することによって変換器電流指令を求める。
【0032】
図11に示すように、スイッチ電流IB、電力変換器電流IA、フィルタコンデンサ電流IC、負荷電流IL、発電設備電流ISの電流をそれぞれ矢印の向きとした場合、
IB=IS+IL+IC+IA
となる。これにより、
IA=IB−IS−IL−IC
となる。このため、上述したように発電設備電流検出器30、負荷電流検出器31およびフィルタコンデンサ電流検出器32のそれぞれの検出電流IS、IL、ICを、スイッチ電流指令から減算することによって変換器電流指令を求めると、スイッチ電流IBをスイッチ電流指令に一致させるような変換器電流指令が作成できる。また、フィルタコンデンサ電流IC、負荷電流IL、発電設備電流ISを用いて変換器電流指令を作成しているため、それらの変動の影響で制御の信頼性が劣化することが抑制できる。
【0033】
なお、発電設備電流IS、負荷電流IL、フィルタコンデンサ電流ICは、直接の検出が困難な場合、図13に示すように、発電設備電圧検出器33、負荷電圧検出器10、フィルタコンデンサ電圧検出器34を備えて各電圧を検出し、電流算出手段35a、35b、35cを用いて、それぞれの電流IS、IL、ICの値を算出しても良く、上記実施の形態4と同様の効果が得られる。この場合、インピーダンス特性をZ、検出電圧をV、電流値をIとして、
I=V/Z
により各電流値IS、IL、ICを算出できる。
【0034】
実施の形態5.
図14は、この発明の実施の形態5による系統連系電力変換装置の構成図である。図14に示すように、上記実施の形態1におけるスイッチ電流制御回路18と変換器電流制御回路17との間に、フィルタコンデンサ電力を制御するフィルタコンデンサ電圧制御回路36を備える。
フィルタコンデンサ電圧制御回路36では、フィルタコンデンサ電圧検出器34の検出したフィルタコンデンサ電圧をスイッチ電流制御回路18から出力されるフィルタコンデンサ電圧指令に追従するように、電力変換器4の出力すべき電流を決定して変換器電流指令を出力する。
フィルタコンデンサ電圧制御回路36は、フィルタコンデンサ電圧検出器34の検出したフィルタコンデンサ電圧をフィルタコンデンサ電圧指令に追従させるように制御するため、変換器電流制御回路17と同様に、フィルタコンデンサ電圧指令とフィルタコンデンサ電圧の偏差を求め、比例器、微分器、積分器を用いてフィードバック制御とすればよい。スイッチ電流指令作成手段19は上記実施の形態1と同様にスイッチ電流指令を出力し、スイッチ電流制御回路18はスイッチ電流がスイッチ電流指令に一致するようにフィルタコンデンサ電圧指令をフィルタコンデンサ電圧制御回路36に対して出力する。なお、フィルタコンデンサ電圧制御回路36は、フィルタコンデンサ電圧をフィルタコンデンサ電圧指令に一致するように制御し、フィルタコンデンサ電圧制御手段となるものであるが、このフィルタコンデンサ電圧制御手段は、DSP、CPU等のソフトウェアにて構成してもよく、同様の処理を実行できる。
【0035】
これにより、電力系統1に電圧異常がない場合、スイッチ電流は電力変換器4の運転目的に応じて制御され、電力系統1に電圧異常が発生すると、実施の形態1と同様にスイッチ電流は確実に速やかに遮断し、連系スイッチ3の遮断が完了する。
また、電力系統1に電圧異常が発生し、連系スイッチ3を開放して電力系統1と負荷2とを切り離した後、通常、電力変換器4で電圧制御を行い負荷に連続的に電力を供給することが要求されるが、この実施の形態では、常時より電圧制御を用いて運転されているので、速やかに安定した電圧制御に移行することが可能である。
【0036】
なお、この実施の形態では電力系統1が正常時にもフィルタコンデンサ電圧指令をスイッチ電流制御回路18の出力として、スイッチ電流を制御しているが、電力変換器4の運転目的によっては固定のフィルタコンデンサ電圧指令を与え、系統電圧異常発生時にスイッチ電流制御回路18からの出力に切り替えても良い。
また、フィルタコンデンサ15を備えていない場合は、電力変換器4の出力側の電圧を検出して該電圧を制御する電圧制御回路を備えても良い。
【0037】
実施の形態6.
図15は、この発明の実施の形態6による系統連系電力変換装置の構成図である。図15に示すように、上記実施の形態1におけるスイッチ電流制御回路18と変換器電流制御回路17との間に、連系電力を制御する連系電力制御回路38を備える。
連系電力制御回路38では、電力系統1と電力変換器4との連系点より系統電源側に備えた連系電力検出器37により検出された連系電力を、スイッチ電流制御回路18から出力される連系電力指令に追従するように、電力変換器4の出力すべき電流を決定して変換器電流指令を出力する。
連系電力制御回路38は、連系電力検出器37の検出した連系電力を連系電力指令に追従させるように制御するため、変換器電流制御回路17と同様に、連系電力指令と連系電力との偏差を求め、比例器、微分器、積分器を用いてフィードバック制御とすればよい。スイッチ電流指令作成手段19は上記実施の形態1と同様にスイッチ電流指令を出力し、スイッチ電流制御回路18はスイッチ電流がスイッチ電流指令に一致するように連系電力指令を連系電力制御回路38に対して出力する。なお、連系電力制御回路38は、連系電力を連系電力指令に一致するように制御し、連系電力制御手段となるものであるが、この連系電力制御手段は、DSP、CPU等のソフトウェアにて構成してもよく、同様の処理を実行できる。
【0038】
これにより、電力系統1に電圧異常がない場合、スイッチ電流は電力変換器4の運転目的に応じて制御され、電力系統1に電圧異常が発生すると、実施の形態1と同様にスイッチ電流は確実に速やかに遮断し、連系スイッチ3の遮断が完了する。
また、電力変換器4が負荷平準化の目的で利用される場合、電力系統1との連系電力の制御が要求される場合があるが、この実施の形態では連系電力制御回路38を備えているため連系電力制御が可能である。例えば、昼夜の負荷平準化の目的で連系運転されている場合、夜間は一定電力で直流電源5に電力を貯蔵するとともに、昼間は直流電源5から電力系統1に送電することによる負荷2の平準化が図れる。あるいは、発電設備16の発電電力と負荷2の消費電力とのバランスに応じて、連系電力が一定となるように制御して運転できる。
【0039】
なお、この場合も、電力変換器4の運転目的によっては固定の連系電力指令もしくは発電設備16と協調した連系電力指令を与え、系統電圧異常発生時にスイッチ電流制御回路18からの出力に連系電力指令を切り替えても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上のようにこの発明に係る請求項1記載の系統連系電力変換装置は、系統電源と負荷とを連系スイッチを介して接続し、上記連系スイッチの上記負荷側に電力変換器を介して第2の電源を接続して、該第2の電源を上記系統電源に連系させた装置構成であって、上記系統電源の正常時には上記連系スイッチを閉とし、上記系統電源の電圧異常を検出して上記連系スイッチに開放指令を与えて該連系スイッチの開閉を制御する連系スイッチ制御手段と、該連系スイッチにおける開閉制御状態に応じてスイッチ電流指令を出力するスイッチ電流指令作成手段と、上記連系スイッチの通電電流(スイッチ電流)を検出するスイッチ電流検出手段と、上記スイッチ電流が上記スイッチ電流指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力するスイッチ電流制御手段と、該スイッチ電流制御手段からの出力を電圧指令として上記電力変換器出力側の電圧が上記電圧指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力する電圧制御手段と、該電圧制御手段からの出力を電流指令として上記電力変換器の出力電流を制御する変換器制御手段とを備えたため、スイッチ電流が信頼性良く速やかに指令に追従するように制御でき、系統電源の電圧異常時に、速やかにスイッチ電流が零に収束できて連系スイッチの高速遮断を確実に行えると共に、連系スイッチの遮断後に速やかに安定した電圧制御に移行することが可能である。
【0041】
またこの発明に係る請求項2記載の系統連系電力変換装置は、系統電源と負荷とを連系スイッチを介して接続し、上記連系スイッチの上記負荷側に電力変換器を介して第2の電源を接続して、該第2の電源を上記系統電源に連系させた系統連系電力変換装置において、上記系統電源の正常時には上記連系スイッチを閉とし、上記系統電源の電圧異常を検出して上記連系スイッチに開放指令を与えて該連系スイッチの開閉を制御する連系スイッチ制御手段と、該連系スイッチにおける開閉制御状態に応じてスイッチ電流指令を出力するスイッチ電流指令作成手段と、上記連系スイッチの通電電流(スイッチ電流)を検出するスイッチ電流検出手段と、上記スイッチ電流が上記スイッチ電流指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力するスイッチ電流制御手段と、該スイッチ電流制御手段からの出力を連系電力指令として、上記第2の電源と上記系統電源との連系点より該系統電源側の連系電力が上記連系電力指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力する連系電力制御手段と、該連系電力制御手段の出力を電流指令として上記電力変換器の出力電流を制御する変換器制御手段とを備えたため、スイッチ電流が信頼性良く速やかに指令に追従するように制御でき、系統電源の電圧異常時に、速やかにスイッチ電流が零に収束できて連系スイッチの高速遮断を確実に行えると共に、連系電力が制御できる。
【0042】
またこの発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項1または2において、上記系統電源の電圧異常が検出されると、上記連系スイッチ制御手段により上記連系スイッチに開放指令を与えるとともに、上記スイッチ電流指令作成手段からの上記スイッチ電流指令を指令値零として該スイッチ電流の遮断を促進させるため、系統電源の電圧異常時に連系スイッチの遮断がさらに高速で確実に行える。
【0043】
またこの発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項1または2において、上記系統電源の電圧異常が検出されると、上記連系スイッチ制御手段により上記連系スイッチに開放指令を与えるとともに、上記スイッチ電流指令作成手段からの上記スイッチ電流指令を周期的に極性が変化する電流指令として該スイッチ電流の遮断を促進させるため、系統電源の電圧異常時にスイッチ電流の遮断が効果的に促進でき、連系スイッチの遮断がさらに高速で確実に行える。
【0044】
またこの発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項において、系統電源が交流電源の場合、上記系統電源の電圧異常が検出されたときに上記スイッチ電流指令作成手段から出力される周期的に極性が変化する上記スイッチ電流指令は、上記電圧異常検出以前のスイッチ電流よりも周波数の高い交流電流指令であるため、系統電源の電圧異常時にスイッチ電流の遮断が効果的に促進できるスイッチ電流指令を用いた制御が行える。
【0045】
またこの発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項において、上記系統電源の電圧異常が検出されたときに上記スイッチ電流指令作成手段から出力される周期的に極性が変化する上記スイッチ電流指令は、検出したスイッチ電流の極性と逆極性の電流指令であるため、系統電源の電圧異常時にスイッチ電流の遮断が効果的に促進できるスイッチ電流指令を用いた制御が行える。
【0046】
またこの発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項1〜6のいずれかにおいて、上記電力変換器出力側に上記電力変換器と並列にフィルタコンデンサを接続したため、フィルタコンデンサを接続した場合も、スイッチ電流が信頼性良く速やかに指令に追従するように制御でき、系統電源の電圧異常時に、速やかにスイッチ電流が零に収束できて連系スイッチの高速遮断を確実に行える。
【0047】
またこの発明に係る請求項記載の系統連系電力変換装置は、請求項1〜7のいずれかにおいて、エネルギを蓄積あるいは供給する手段を、上記第2の電源と上記系統電源との連系点に接続したため、エネルギを蓄積あるいは供給する手段を接続した場合も、スイッチ電流が信頼性良く速やかに指令に追従するように制御でき、系統電源の電圧異常時に、速やかにスイッチ電流が零に収束できて連系スイッチの高速遮断を確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による系統連系電力変換装置の構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による変換器電流制御回路の構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1によるスイッチ電流指令作成手段の構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による系統連系電力変換装置の動作を説明する図である。
【図5】 この発明の実施の形態2によるスイッチ電流指令作成手段の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による系統連系電力変換装置の動作を説明する図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による系統連系電力変換装置の構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態3によるスイッチ電流指令作成手段の構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態3による系統連系電力変換装置の動作を説明する図である。
【図10】 この発明の実施の形態3の別例によるスイッチ電流指令作成手段の構成図である。
【図11】 この発明の実施の形態4による系統連系電力変換装置の構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態4によるスイッチ電流制御回路の構成図である。
【図13】 この発明の実施の形態4の別例による系統連系電力変換装置の構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態5による系統連系電力変換装置の構成図である。
【図15】 この発明の実施の形態6による系統連系電力変換装置の構成図である。
【図16】 従来の系統連系電力変換装置の構成図である。
【図17】 従来の別例による系統連系電力変換装置の構成図である。
【図18】 従来の系統連系電力変換装置の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 電力系統、2 負荷、3 連系スイッチ、4 電力変換器、
5 第2の電源としての直流電源、6 変換器電流検出器、12 系統電圧異常検出器、13 連系スイッチ制御回路、14 スイッチ電流検出器、15 フィルタコンデンサ、
16 エネルギを蓄積あるいは供給する手段としての発電設備、
17 変換器電流制御回路、18 スイッチ電流制御回路、
19 スイッチ電流指令作成手段、25a 切替スイッチ、
26 連系運転時電流指令作成手段、28 交流信号発生器、29 符号判定器、
34 フィルタコンデンサ電圧検出器、36 フィルタコンデンサ電圧制御回路、
37 連系電力検出器、38 連系電力制御回路。

Claims (8)

  1. 系統電源と負荷とを連系スイッチを介して接続し、上記連系スイッチの上記負荷側に電力変換器を介して第2の電源を接続して、該第2の電源を上記系統電源に連系させた系統連系電力変換装置において、上記系統電源の正常時には上記連系スイッチを閉とし、上記系統電源の電圧異常を検出して上記連系スイッチに開放指令を与えて該連系スイッチの開閉を制御する連系スイッチ制御手段と、該連系スイッチにおける開閉制御状態に応じてスイッチ電流指令を出力するスイッチ電流指令作成手段と、上記連系スイッチの通電電流(以下、スイッチ電流と称す)を検出するスイッチ電流検出手段と、上記スイッチ電流が上記スイッチ電流指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力するスイッチ電流制御手段と、該スイッチ電流制御手段からの出力を電圧指令として上記電力変換器出力側の電圧が上記電圧指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力する電圧制御手段と、該電圧制御手段からの出力を電流指令として上記電力変換器の出力電流を制御する変換器制御手段とを備えたことを特徴とする系統連系電力変換装置。
  2. 系統電源と負荷とを連系スイッチを介して接続し、上記連系スイッチの上記負荷側に電力変換器を介して第2の電源を接続して、該第2の電源を上記系統電源に連系させた系統連系電力変換装置において、上記系統電源の正常時には上記連系スイッチを閉とし、上記系統電源の電圧異常を検出して上記連系スイッチに開放指令を与えて該連系スイッチの開閉を制御する連系スイッチ制御手段と、該連系スイッチにおける開閉制御状態に応じてスイッチ電流指令を出力するスイッチ電流指令作成手段と、上記連系スイッチの通電電流(以下、スイッチ電流と称す)を検出するスイッチ電流検出手段と、上記スイッチ電流が上記スイッチ電流指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力するスイッチ電流制御手段と、該スイッチ電流制御手段からの出力を連系電力指令として、上記第2の電源と上記系統電源との連系点より該系統電源側の連系電力が上記連系電力指令に追従するようにフィードバック制御する制御信号を出力する連系電力制御手段と、該連系電力制御手段の出力を電流指令として上記電力変換器の出力電流を制御する変換器制御手段とを備えたことを特徴とする系統連系電力変換装置。
  3. 上記系統電源の電圧異常が検出されると、上記連系スイッチ制御手段により上記連系スイッチに開放指令を与えるとともに、上記スイッチ電流指令作成手段からの上記スイッチ電流指令を指令値零として該スイッチ電流の遮断を促進させることを特徴とする請求項1または2に記載の系統連系電力変換装置。
  4. 上記系統電源の電圧異常が検出されると、上記連系スイッチ制御手段により上記連系スイッチに開放指令を与えるとともに、上記スイッチ電流指令作成手段からの上記スイッチ電流指令を周期的に極性が変化する電流指令として該スイッチ電流の遮断を促進させることを特徴とする請求項1または2に記載の系統連系電力変換装置。
  5. 系統電源が交流電源の場合、上記系統電源の電圧異常が検出されたときに上記スイッチ電流指令作成手段から出力される周期的に極性が変化する上記スイッチ電流指令は、上記電圧異常検出以前のスイッチ電流よりも周波数の高い交流電流指令であることを特徴とする請求項記載の系統連系電力変換装置。
  6. 上記系統電源の電圧異常が検出されたときに上記スイッチ電流指令作成手段から出力される周期的に極性が変化する上記スイッチ電流指令は、検出したスイッチ電流の極性と逆極性の電流指令であることを特徴とする請求項記載の系統連系電力変換装置。
  7. 上記電力変換器出力側に上記電力変換器と並列にフィルタコンデンサを接続したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の系統連系電力変換装置。
  8. エネルギを蓄積あるいは供給する手段を、上記第2の電源と上記系統電源との連系点に接続したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の系統連系電力変換装置。
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