JP3819436B2 - 部位特異的変異導入方法 - Google Patents
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Description
本発明は、遺伝子工学において使用される部位特異的変異導入(site-directed mutagenesis)を、より一層簡易にかつ効率的に行うための方法及びそれに使用するキットに関する。
背景技術
近年、遺伝子工学の分野において、遺伝子をクローニングし、発現するだけの技術では、その遺伝子産物を単にそのまま大量に取得することは困難であることが多く、成功する例は少ない。このため、これらのクローニングされた遺伝子を該産物の発現量を上げるためにフレームを合わせ、またアミノ酸配列を変えることなく開始コドン付近の塩基配列を変える技術(サイレント変異)は、最低限必要な技術である。また、遺伝子をクローニングし、発現させるタンパク質をより有用なものにするために、対応するコドンの塩基配列を変えることにより、アミノ酸を削除、置換してそのタンパク質の特異性を変化させ、それが酵素であるなら、至適pH、安定性、基質特性、Km値等を操作する技術は重要であり、また必須である。
このように、クローニングされた遺伝子内の特定の塩基配列を希望通りに変化させる方法、つまり部位特異的変異導入は、RNAも含め遺伝子上の様々な調節領域の構造、機能解析や組換えDNA技術を用いたタンパク質工学を行なう場合になくてはならないものである。また、タンパク質工学の研究分野において、部位特異的変異導入方法は、DNAレベルでの変異導入、削除を行うことにより、研究をより迅速、正確に行うことができる点からもさらに重要である。
従来、部位特異的変異導入方法は、例えば以下のような手順からなっている。
(1)まず、変異を導入したい目的のDNAをベクターに挿入した後、二本鎖プラスミドDNAの場合、熱変性させて相補鎖を解離させるか、又はM13ファージベクターを用いて一本鎖DNAを調製する。
(2)目的の変異を導入するようにデザインされたオリゴヌクレオチド(変異導入用プライマー)を上記の一本鎖DNAにアニールさせた後、DNAポリメラーゼとDNAリガーゼの反応により、イン ビトロ(in vitro)系で相補鎖DNAを合成する。
(3)上記(2)で得られたDNAを大腸菌に形質転換し、変異の導入されたクローンを選択する。
しかしながら、このような手順のみでは親DNAに対して変異体の割合は極めて低く、変異導入用プライマーがアニールしたものを効率良く選択する必要がある。そのため(3)の段階において親DNAをもったクローンは生育しないように選択的に排除するシステムが用いられている。
例えば、アンバー変異(アンバーコドン)を利用する方法[ヌクレイック アシズ リサーチ(Nucleic Acids Research)、第12巻、第24号、第9441〜9456頁(1984)]、制限酵素部位を利用する方法[アナリティカル バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、第200巻、第81〜88頁(1992)、ジーン(Gene)、第102巻、第67〜70頁(1991)]、dut(dUTPase)とung(ウラシルDNAグリコシラーゼ)変異を利用する方法[プロシーディングス オブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ USA(Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA)、第82巻、第488〜492頁(1985)]等がある。しかしながら、これらの変異導入方法は手順が複雑で、かつ時間を費やすものであるのに加えて、変異が導入された目的のクローンが得られる割合も低いものであった。
一方、特開平7−289262号公報に記載の部位特異的変異導入方法は、DNAポリメラーゼ及びDNAリガーゼを用いたアンバー変異を利用する方法である。前述の方法に比べ、高い効率で変異体を得ることができるが、大腸菌への形質転換が2段階必要であり、簡易な方法とはいえないのが実情である。
最近ではPCR法の普及に伴い、これを応用した部位特異的変異導入の手法が開発されている。
例えば、変異導入用プライマーを含む3種類以上のプライマーを用いて、変異を導入したいDNA鎖を合成し、その後、変異が導入されたと予想されるDNA鎖を制限酵素で切り出した後に別のベクターにライゲーションし、宿主大腸菌に形質転換する方法が知られている。また、クイック チェンジ サイト−ダイレクティッド ミュータジェネシス キット[Quik ChangeTMSite-Directed Mutagenesis Kit、ストラタジーン(Stratagene)社製]は、変異を導入したい二本鎖DNAにハイブリダイズする相補的な2種類の変異導入用オリゴヌクレオチド(変異導入用プライマー)を用い、PCRもしくはピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来DNAポリメラーゼで鎖の合成を行い、その後、制限酵素Dpn Iで変異が導入されない鎖を切断し、宿主大腸菌に形質転換することで変異が導入されたDNAを得ることができる。更に、2種の変異導入用オリゴヌクレオチド(変異導入用プライマー)の5’末端側にクラスIISの制限酵素の認識部位を付加し、PCRで鎖の合成を行い、その後、クラスIISの制限酵素で変異が導入されたDNAを消化し、ライゲーションした後、宿主大腸菌に形質転換することで変異が導入されたDNAを得ることができる方法が知られている(US Pat.No.5,512,463)。
前記のように、従来のDNAポリメラーゼ及びDNAリガーゼを用いる方法では、これら酵素反応や、変異部位を固定するために複数回の形質転換などの操作が必要であり、このために時間を費やし、効率を上げることが困難であった。また、アンバー変異、dutとung変異を利用したものでは、一本鎖のDNAを単離しなくてはならず、制限酵素部位を除去する方法についても、利用できる制限酵素が限られているなどの問題点があった。
このため、近年広く普及したPCR法を用いた部位特異的変異導入方法が開発、利用されてきているがこれも変異導入用プライマーを含む3種類以上のプライマーが必要であったり、変異導入用プライマーを2種類以上用い、さらに操作途中段階での制限酵素反応が必要であることなど操作が煩雑であった。また、この制限酵素反応が不完全であると極端に変異効率が低下してしまうものであった、等種々の問題を有するものであった。
従って、本発明の目的は、PCR法を用いたより簡便かつ実用的な部位特異的変異導入方法及びその部位特異的変異導入方法を行うためのキットを提供することにある。
本発明者らは、高い効率でかつ簡便な部位特異的変異導入方法を開発するために鋭意研究を重ねた結果、PCRを行った後に1回の大腸菌への形質転換だけで目的の変異が導入されたクローンを得ることに成功した。本発明はかかる事実に基づいて完成するにいたったものである。
発明の開示
即ち、本発明の要旨は、
(1) 部位特異的変異導入方法において、
〔A〕部位特異的変異の標的となるDNA断片を挿入した、1個以上のアンバーコドンを有する二本鎖DNAベクターを得る工程、
〔B〕工程〔A〕で得られたベクターと変異させる遺伝子の目的の位置に変異を導入する変異導入用プライマーと、該プライマーの反対側のストランドに配置され、アンバーコドンを復帰させるためのアンバーコドン復帰用プライマーとを用いPCRを行う工程、及び
〔C〕工程〔B〕で得られたPCR産物をサプレッサーフリー(Sup0)の宿主に導入し、目的の変異を有するクローンを選択する工程、
を含むことを特徴とする部位特異的変異導入方法、
(2) ベクターが1個以上のアンバーコドンを含む薬剤耐性遺伝子を有することを特徴とする前記(1)記載の部位特異的変異導入方法、
(3) サプレッサーフリー(Sup0)の宿主が大腸菌であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の部位特異的変異導入方法、
(4) 前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の部位特異的変異導入方法を用いるためのキットであって、
(I) アンバーコドン復帰用プライマー、
(II)アンバーコドンを有するベクター、
(III) 耐熱性DNAポリメラーゼ、及び
(IV)PCRを行うための反応液、
を含有することを特徴とする部位特異的変異導入用キット、
(5) サプレッサーフリー(Sup0)の宿主をさらに含有することを特徴とする前記(4)記載の部位特異的変異導入用キット、並びに
(6) サプレッサーフリー(Sup0)の宿主が大腸菌であることを特徴とする前記(5)記載の部位特異的変異導入用キット、に関する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、プラスミドpKF19kの構造を示す概略図である。
第2図は、プラスミドpKF19kMの構造を示す概略図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は部位特異的変異の標的となるDNA断片を1個以上のアンバーコドンを有する二本鎖DNAベクターに挿入し、この二本鎖DNAベクターと、少なくとも2種類の選択プライマーを用いてPCRを行うことに特徴を有する部位特異的変異導入方法である。本発明において用いる選択プライマーとしては、変異させる遺伝子の目的の位置に変異を導入する変異導入用プライマーと、該プライマーの反対側のストランドに配置され、アンバーコドンを復帰させるためのアンバーコドン復帰用プライマーの少なくとも2種類を用いることができる。ここで、少なくとも2種類とは、変異導入用プライマーとアンバーコドン復帰用プライマーが挙げられ、これら2種類の選択プライマーを有するものであれば本発明で言う少なくとも2種類の選択プライマーに含まれる。
本発明に使用する1個以上のアンバーコドンを有する二本鎖DNAベクターとしては、1個以上のアンバーコドンを有するベクターであれば、特に限定されることはなく、本発明の部位特異的変異導入方法に使用することができる。この場合、薬剤耐性遺伝子上にアンバーコドンを有するベクターを用いることが好ましい。薬剤耐性遺伝子としては特に限定されないが、例えば、カナマイシン耐性遺伝子やクロラムフェニコール耐性遺伝子等が好ましい。即ち、カナマイシンやクロラムフェニコール等の薬剤耐性遺伝子上に1個以上のアンバーコドンを有するベクターが好適に使用することができ、例えばpKF19k(宝酒造社製)を用いることができる。また、アンバーコドンを有するカセットを作製し、ベクターに導入しても構わない。このようなベクターを用いることで、PCR産物をサプレッサーフリーの大腸菌などの宿主に導入し、例えばカナマイシンやクロラムフェニコール等の薬剤を含む寒天培地上で生育させるだけで薬剤耐性遺伝子上のアンバーコドンが復帰していることが容易に確認できる。
本発明の部位特異的変異導入方法で導入できる変異の種類は、特に限定されないが、例えば塩基の置換、欠失、挿入等の変異が挙げられる。変異の大きさは特に限定されるものではないが、変異の大きさにより、変異導入用プライマーの長さを変えることが好ましい。例えば、変異の大きさが1〜3塩基程度のものであれば、変異導入用プライマーの長さは20塩基前後が好ましく、変異の大きさが4塩基以上の場合は、目的の変異の位置の5’側、及び3’側それぞれ15塩基対前後を含む約30塩基の長い変異導入用プライマーを用いるのが好ましい。また、変異導入用プライマーの3’末端はポリメラーゼ反応の始点となる点からGまたはCであることが望ましい。これらの条件を考慮して、変異導入用プライマーを作製する。該プライマーを用い、PCRによって目的の断片が確実に増幅されることを電気泳動等で確認し、該プライマーの設計及び純度を検定することも可能である。また、本発明では変異導入用プライマーの数は1種類で目的とする変異を導入することができるが、同一箇所に異なる変異を導入する場合、目的に応じて変異導入用プライマーを設定し、これらを混合して用いることにより、1回の操作で目的とするそれぞれの変異が導入されたものを得ることができる。例えば、1箇所の塩基をGからA、T、Cのそれぞれに変異させる塩基置換部位特異的変異導入を行う場合、3種類の変異導入用プライマーをそれぞれ作製し、これらを混合して用いることにより1回の操作でGからA、T、Cにそれぞれ変異が導入されたものを得ることができる。
また、アンバーコドン復帰用プライマーとしては、アンバーコドン部分を野生型等に復帰させるようなプライマーであればよく、特に限定されるものではない。例えば、アンバーコドンがTAGの場合、このTAGがTCGやCTGになるようにプライマーを作製することにより、アンバーコドンを復帰することができる。アンバーコドン復帰用プライマーは、アンバーコドンの数やPCRの効率等により、長さを変えることが好ましい。アンバーコドン復帰用プライマーの長さとしては、特に限定されるものではないが、20塩基前後から約30塩基の長さが好ましい。また、アンバーコドンの3’末端は変異導入用プライマーと同様に、ポリメラーゼ反応の始点となる点からGまたはCであることが望ましい。該プライマーを用い、PCRによって目的の断片が確実に増幅されることを電気泳動等で確認し、該プライマーの設計及び純度を検定することも可能である。また、アンバーコドン復帰用プライマーの数は、1種類を用いることがよく、アンバーコドンが2個以上ある場合は、それらアンバーコドンを1種類のプライマーで復帰させるようにアンバーコドン復帰用プライマーを作製することが好ましい。
変異導入用プライマー及びアンバーコドン復帰用プライマーのPCR時の濃度は、特に限定されるものではないが、プライマーの濃度が低過ぎると増幅量が少なくなり、高過ぎると非特異的な反応が助長し、結果的に特異的な増幅反応が起こりにくくなる場合があるので、それぞれの反応至適濃度を検討することが望ましい。通常、それぞれのプライマーの最終濃度が0.1〜1.0μMの範囲でPCRを行うことが好ましい。
本明細書で言うサプレッサーフリーの宿主としては、好適には大腸菌が挙げられ、例えばイー コリ(Escherichia coli)MV1184(宝酒造社製)を用いることができるが、これに限定されるものではなく、サプレッション能力を欠く宿主であればいかなるものでも使用することができ、本明細書で言うサプレッサーフリーの宿主に含まれる。
本発明の方法による部位特異的変異導入は、例えば以下の工程によって行うことができる。
(1) 1個以上のアンバーコドンを有する2本鎖DNAベクターに標的となるDNAを挿入する。
(2) (1)で作製したDNA挿入ベクター、変異させる遺伝子の目的の位置に変異を導入する変異導入用プライマーと、該プライマーの反対側のストランドに配置され、アンバーコドンを復帰させるためのアンバーコドン復帰用プライマーとを混合しPCRを行う。
(3) このPCR産物をサプレッサーフリー(Sup0)の宿主に導入し、目的の変異を有するクローンを選択する。
上記の工程を行うことにより、目的の位置に変異が導入された遺伝子を効率よく得ることができる。
本発明はPCRによって増幅したPCR産物自体が一種の長鎖プライマーとなり、その過程において全長のDNAが合成されやすくなる。また、宿主として大腸菌内(in vivo)にそのまま導入すると環状になる。また、目的の位置に変異が導入された遺伝子を含有するクローンを選択する場合、サプレッション系を利用した方法を用いることでより簡便化される。つまり上記PCR産物を例えば、宿主としてサプレッサーフリーの大腸菌に導入し、該大腸菌を前記の薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤を含む培地で培養することによりその生育を確認するだけでアンバーコドンの復帰を確認できる。つまりアンバーコドンが復帰したクローンのみを選択できるため、生育した株には目的の位置に変異が導入された遺伝子が組込まれているクローンである確率が高くなる。
本発明の方法では、変異させたい遺伝子のどの位置でも変異の導入が可能である。
本発明の方法でPCRを行う際、通常の方法を用いることができるが、PCRによる塩基の誤った取込み、また3’末端へのアデニン(A)の付加等を避けるために以下の工夫を行なうことが好ましい。
(I) ベクターへ挿入する変異させる遺伝子は2kbp以下の短いものが好ましい。
(II) PCRのサイクル数は20〜30サイクルが好ましい。
(III) PCRに用いる耐熱性DNAポリメラーゼは、高い増幅効率と低いエラー率を持ったものを用いることが好ましい。例えば、PCRに用いるキットとしては、TaKaRa LA PCR Kit(宝酒造社製)を用いることができ、また、耐熱性DNAポリメラーゼとしては、TaKaRa Ex Taq(宝酒造社製)を用いることで高い増幅率と低いエラー率でPCRを行うことが可能である。
ここで、PCR産物を大腸菌などの宿主に形質転換する方法は、塩化カルシウム法〔ジャーナル オブ モレキュラー バイオロジー(Journal of Molecular Biology)、第166巻、第557〜580頁(1983)〕及びエレクトロポレーション法〔ヌクレイック アシドズ リサーチ(Nucleic Acids Research)、第16巻、第6127〜6145頁(1988)〕等が挙げられる。得られた形質転換体のスクリーニングは、前記のように薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤を含む培地で培養してその生育を確認することにより、アンバーコドンが復帰した、換言すれば目的の位置に変異が導入された確率の高い遺伝子が組込まれているクローンを選択することができる。
本発明により、アンバーコドンを用いた簡便は部位特異的変異導入方法が可能となったことにより、アンバーコドン以外の終止コドンであるオーカーコドン又はオパールコドンについても、本発明のアンバーコドンの代わりに利用可能であることは当業者にとって明らかである。従って、本発明のアンバーコドンの代わりに、これらオーカーコドン又はオパールコドンを用いた部位特異的変異導入方法は、当然、本発明に包含される。
以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
1塩基置換部位特異的変異導入
1.pKF19kMの構築
以下の実施例に用いるプラスミドとして、2個のアンバーコドンを含むカナマイシン耐性遺伝子を有するpKF19k(宝酒造社製、第1図)中のlacZ’遺伝子内のマルチクローニングサイトから下流30番目のGをAに変換したpKF19kM(第2図)を構築した。
lacZ’遺伝子は、1acZ△M15の遺伝子型をもつ宿主菌に導入するとβ−ガラクトシダーゼの活性を生じる。したがって塩基置換のされていないlacZ’遺伝子ではイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG、宝酒造社製)存在下で、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド(X−Ga1、宝酒造社製)を基質とした反応により生育コロニーは青くなる。逆に塩基置換された変異型lacZ’遺伝子では本来の活性を生じることができず、生育コロニーは白くなる。
このことを利用してpKF19kM中の変異型lacZ’遺伝子の塩基置換を部位特異的変異導入によって活性型遺伝子に復帰させたときの効率を青コロニー、白コロニーの数から算出した。
2.変異導入用オリゴヌクレオチド(変異導入用プライマー)及びカナマイシン耐性遺伝子内のダブルアンバーコドンを復帰させるオリゴヌクレオチド(アンバーコドン復帰用プライマー)の合成
変異型lacZ’遺伝子内の塩基置換部位を復帰させる(AをGに戻す)ための変異導入用オリゴヌクレオチドとして、配列表の配列番号:1に示される5’末端リン酸化オリゴヌクレオチド(mut1)を合成した。すなわちmut1は10番目のCによって塩基置換が復帰し活性型のlacZ’遺伝子になるようにデザインした。
また、カナマイシン耐性遺伝子内のダブルアンバーコドン(2個のアンバーコドン)を復帰させるプライマー(KQ2)として、配列表の配列番号:2に示す5’末端リン酸化オリゴヌクレオチドを作製した。すなわちpKF19kMでは、KQ2の3番目から5番目のTTG及び9番目から11番目のCTGにより、アンバーコドン(TAG)が復帰するようにデザインした。
3.PCR
反応液の組成を表1に示す。PCRはサーマルサイクラー(宝酒造社製)を用いて行ない、反応液を脱塩、濃縮するためにエタノール沈殿を行なって、5μlの滅菌水に懸濁した。
サイクルの条件は94℃で30秒、55℃で2分、72℃で2分で行い、サイクルIは前記条件を20サイクル、サイクルIIは24サイクル繰り返した。なお、PCR後にサイクルI及びIIのPCR産物をそれぞれ電気泳動を行ない、目的のサイズのDNA断片が増幅されていることを確認した。
4.形質転換
エタノール沈殿後のPCR産物の2μlを用いて、サプレッサーフリーの大腸菌MV1184(宝酒造社製)をエレクトロポレーション法により形質転換した。その後、形質転換体をカナマイシン(50μg/ml)、X−Gal(40μg/ml)及びIPTG(0.2mM)を含んだLB〔バクトトリプトン(10g)、バクトイースト エクストラクト(5g)、NaCl(5g)、蒸留水(1リットル)、pH(7.0)〕寒天培地上にまき、得られた部位特異的変異のクローンの効率を計算した。なお変異型lacZ’遺伝子内の変異部分が活性型lacZ’遺伝子に復帰するとコロニーは青く、しないとコロニーは白くなる。結果を表2に示す。
すなわちサイクルIIで75%の効率で部位特異的変異の導入により活性型に復帰したクローンが得られた。
5.部位特異的変異の部位の解析
実施例1の4で得られた青コロニー4つについて、プラスミドDNAをアルカリリシス(Alkali lysis)法で調製した。該プラスミドDNAの塩基配列をジデオキシ法を用いて決定し、変異部位を解析したところ、すべてのものについてlacZ’遺伝子内のマルチクローニングサイトの下流30番目においてAから復帰したGが観察され、部位特異的変異が導入されたことが明らかとなった。
実施例2
3塩基及び6塩基欠失部位特異的変異導入
3塩基及び6塩基を欠失させるために、野生型のlacZ’遺伝子と2個のアンバーコドンをもつカナマイシン耐性遺伝子とを含むpKF19k(宝酒造社製、第1図)を用いた。
1.変異導入用オリゴヌクレオチドの合成
pKF19kのマルチクローニングサイト内のBamHI及びBamHI-EcoRIサイトがそれぞれ3塩基及び6塩基の欠失によって失われるように5’末端リン酸化オリゴヌクレオチドを合成した。3塩基欠失に用いるオリゴヌクレオチド(del1)は配列表の配列番号:3に、6塩基欠失に用いるオリゴヌクレオチド(del2)は配列表の配列番号:4に示す。すなわちdel1は、配列表の配列番号:3中の12番目のGと13番目のC、del2は、配列表の配列番号:4中の12番目のGと13番目のTの間で塩基が欠失するようにデザインされた。
2.PCR及び形質転換
実施例2の1で作製したプライマーdel1及びdel2と実施例1で用いたKQ2プライマーとをそれぞれ用いて、表1の組成(表中pKF19kMの代わりにpKF19kを使用)により94℃で30秒、55℃で2分、72℃で2分の条件で30サイクルのPCRを行い、実施例1と同様にしてエタノール沈殿後、PCR産物を5μlの滅菌水に懸濁し、そのうちの2μlで大腸菌MV1184を形質転換した。次に、カナマイシン50μg/mlを含むLB寒天培地上にまき、生育したコロニーより、10株ずつを選び、プラスミドDNAを実施例1の5と同様に調製した。それらを制限酵素BamHIで消化することにより変異の確認を行った。つまり、変異が導入されたプラスミドは消化されないことになる。
その結果を表3に示す。
プライマーdel1、del2を用いたPCR産物中にそれぞれ90%の変異効率で変異が導入され、またシークエンスの結果からもそれぞれが3塩基、6塩基欠失しているのを確認した。
実施例3
60塩基欠失部位特異的変異導入
1.変異導入用オリゴヌクレオチドの合成
pKF19k(宝酒造社製)のマルチクローニングサイト全体(60塩基)が欠失によって失われるように5’末端リン酸化オリゴヌクレオチドを合成した。このオリゴヌクレオチド(del3)を配列表の配列番号:5に示す。すなわちdel3は、配列表の配列番号:5中の10番目のTと11番目のGの間でマルチクローニングサイト全体(60塩基)が欠失するようにデザインされた。
2.PCR及び形質転換
実施例3の1で作製したプライマーdel3と実施例1で用いたKQ2プライマーとを用いて、表1の組成(表中pKF19Mの代わりにpKF19kを使用)により94℃で30秒、50℃で2分、72℃で2分の条件で30サイクルのPCRを行い、実施例1と同様にしてエタノール沈殿後、PCR産物を5μlの滅菌水に懸濁し、そのうちの2μlで大腸菌MV1184を形質転換した。次に、カナマイシンを50μg/mlの濃度で含むLB寒天培地上にまき、生育したコロニーより、20株を選び、プラスミドDNAを実施例1の5と同様にして調製した。それらを制限酵素EcoRI及びHindIIIで消化することにより変異の確認を行った。つまり変異の導入されたプラスミドはマルチクローニングサイトを失っているため、これらの酵素で消化されないことになる。その結果を表4に示す。
プライマーdel3を用いたPCRによって、100%の効率で変異が導入され、シークエンスの結果からもマルチクローニングサイト全体(60塩基)が欠失していることを確認した。
これにより比較的長い領域の塩基の欠失も容易に行えることが明らかになった。
実施例4
欠失挿入部位特異的変異
1.変異導入用オリゴヌクレオチドの合成
pKF19kのマルチクローニングサイト内のEcoRIサイトから下流100塩基のところにもう一つEcoRIサイトが導入されるように5’末端リン酸化オリゴヌクレオチドを合成した。このオリゴヌクレオチド(eco1)を配列表の配列番号:6に示す。すなわちeco1は、配列表の配列番号:6中の9番目のGから14番目のCの塩基で、この塩基の位置に相当する元の配列のAATを欠失させ、EcoRIサイトであるGAATTCを挿入するようにデザインされている。
2.PCR及び形質転換
実施例4の1で作製したプライマーeco1と実施例1で用いたKQ2プライマーを用いて、表1の組成(表中pKF19Mの代わりにpKF19kを使用)により94℃で30秒、55℃で2分、72℃で2分の条件で24サイクルのPCRを行い、実施例1と同様にしてエタノール沈殿後、PCR産物を5μlの滅菌水に懸濁し、そのうちの2μlで大腸菌MV1184を形質転換した。次に、カナマイシンを50μg/mlの濃度で含むLB寒天培地上にまき、生育したコロニーより、12株を選び、プラスミドDNAを実施例1の5と同様にして調製した。それらを制限酵素EcoRIで消化し、100塩基のDNA断片が電気泳動で確認されることにより変異の確認を行った。つまり変異の導入されたプラスミドはEcoRIサイトを100塩基の間隔で二つもつことになり、制限酵素EcoRI消化により100塩基の断片を確認することができる。その結果を表5に示す。
プライマーeco1を用いた変異導入によって、100%の効率で目的の変異プラスミドが得られ、シークエンスの結果からも目的の部位に、EcoRIサイトが導入されていることを確認した。
実施例5
pKF19kに連結したDNA断片への変異導入
1.pKF19kへの大腸菌系プラスミドベクターpBR322の連結
pKF19kを制限酵素BamHIで消化し、このBamHIサイトに大腸菌系の4361塩基の長さをもつプラスミドpBR322[宝酒造社製、ジーン(Gene)、第22巻、第277〜280頁(1983)]を組込んだベクターを作製し、これをpKB101と命名した。これによって挿入断片への部位特異的変異導入を試みた。
2.変異導入オリゴヌクレオチドの合成
pBR322のBamHIサイト下流の400塩基のところにもう一つBamHIサイトが導入されるように5’末端リン酸化オリゴヌクレオチドを合成した。このオリゴヌクレオチド(bam1)を配列表の配列番号:7に示す。すなわちbam1は、配列表の配列番号:7中の16番目のGから21番目のCで、元の配列であるAGCGCTをBamHIサイトであるGGATCCに置換するようにデザインされている。
3.PCR及び形質転換
実施例5の2で作製したプライマーbam1と実施例1で使用したKQ2プライマーを用いて表1の組成(表中pKF19Mの代わりにpMB101を使用)により94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で6分の条件で25サイクルのPCRを行い、実施例1と同様にしてエタノール沈殿後、PCR産物を5μlの滅菌水に懸濁し、そのうちの2μlで大腸菌MV1184を形質転換した。次に、カナマイシンを50μg/mlの濃度で含むLB寒天培地上にまき、生育したコロニーより、6株を選び、プラスミドDNAを実施例1の5と同様にして調製した。それらを制限酵素BamHIで消化し、400塩基のDNA断片が電気泳動で確認されることにより変異の確認を行った。つまり変異の導入されたプラスミドはBamHIサイトを400塩基の間隔で二つもつことになり、制限酵素BamHI消化により400塩基の断片を確認することができる。その結果を表6に示す。
pKF19kに連結したDNA断片に対しても80%以上の効率で目的の変異プラスミドが得られ、シークエンスの結果からも目的の部位にBamHIサイトが導入されていることを確認した。
実施例6
部位特異的変異用キットの作成
宿主大腸菌、コントロール用のベクター及びオリゴヌクレオチドをセットにして部位特異的変異導入用キット(20回分)を構築した(表7)。
尚、表7に記載のキットは、市販のPCR用キットに組合わせることが可能である。
また、PCRを行うための反応液、dNTP混合液、及び耐熱性DNAポリメラーゼをセットした部位特異的変異導入用キット(20回分)を構築した(表8)。
産業上の利用可能性
本発明により、遺伝子工学やタンパク質工学で有用な、より簡便でかつ迅速な部位特異的変異導入方法及びキットが提供される。本発明の方法およびキットを用いることにより、PCRにより得られるPCR産物を、宿主に形質転換するだけで、効率よく目的の位置に変異が導入された遺伝子を取得することが可能である。
配列表
配列番号:1
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
配列番号:2
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
配列番号:3
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
配列番号:4
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
配列番号:5
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
配列番号:6
配列の長さ:24
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
配列番号:7
配列の長さ:30
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸(合成DNA)
配列:
Claims (6)
- 部位特異的変異導入方法において、
〔A〕部位特異的変異の標的となるDNA断片を挿入した、1個以上のアンバーコドンを有する二本鎖DNAベクターを得る工程、
〔B〕工程〔A〕で得られたベクターと変異させる遺伝子の目的の位置に変異を導入する変異導入用プライマーと、該プライマーの反対側のストランドに配置され、アンバーコドンを復帰させるためのアンバーコドン復帰用プライマーとを用いてPCRを行う工程、及び
〔C〕工程〔B〕で得られたPCR産物をサプレッサーフリー(Sup0)の宿主に導入し、目的の変異を有するクローンを選択する工程、
を含むことを特徴とする、PCR後に1回の形質転換を行う部位特異的変異導入方法。 - ベクターが1個以上のアンバーコドンを含む薬剤耐性遺伝子を有することを特徴とする請求項1記載の部位特異的変異導入方法。
- サプレッサーフリー(Sup0)の宿主が大腸菌であることを特徴とする、請求項1又は2記載の部位特異的変異導入方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の部位特異的変異導入方法を用いるためのキットであって、
(I)アンバーコドン復帰用プライマー、
(II)アンバーコドンを有するベクター、
(III)耐熱性DNAポリメラーゼ、及び
(IV)PCRを行うための反応液、
を含有することを特徴とする部位特異的変異導入用キット。 - サプレッサーフリー(Sup0)の宿主をさらに含有することを特徴とする請求項4記載の部位特異的変異導入用キット。
- サプレッサーフリー(Sup0)の宿主が大腸菌であることを特徴とする請求項5記載の部位特異的変異導入用キット。
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