JP3819341B2 - 多孔質導電板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型水電解槽における給電体又は固体高分子型燃料電池における集電体として使用される多孔質導電板に関し、特に、チタン焼結体からなる多孔質導電板に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子電解質膜を用いて水素及び酸素を製造する水電解セルは、いわゆるフィルタープレス型に構成されている。具体的に説明すると、高分子電解質膜の両面に触媒層を接合して構成された膜電極接合体の両面側に給電体を配置してユニットを構成し、このユニットを多数積層して、その両端側に電極を設けた構成が一般に採用されている。
【0003】
ここにおける給電体は、多孔質の導電板からなり、隣接する膜電極接合体に密に接して配置される。給電体として多孔質の導電板を使用するのは、電流を通す必要があること、水電解反応のために水を供給する必要があること、水電解反応で生じたガスを速やかに排出する必要があることなどによる。
【0004】
また、高分子電解質膜を用いた燃料電池の構造も水電解槽のそれと全く同じであり、膜電極接合体の両面側には多孔質の導電板が配置されている。燃料電池の場合は、水素を燃料として電力を得ることから、この多孔質導電板は集電体と呼ばれている。
【0005】
このような固体高分子型水電解槽における給電体又は固体高分子型燃料電池における集電体として使用される多孔質導電板に関しては、酸化性雰囲気で使用できる特性も必要なため、カーボンと共にチタン材が検討されており、チタン材のなかでも特に焼結体が、適正な空隙率を得やすいことなどから注目を集めている。
【0006】
そして、チタン焼結体からなる多孔質導電板としては、スポンジチタンの破砕粉末やスポンジチタンを水素化脱水素により脆化して粉砕した所謂HDH粉末を焼結したチタン粉末焼結板と、チタン繊維を圧縮成形して焼結したチタン繊維焼結板とがあり、チタン繊維焼結板の表面に更に金属チタンのプラズマ溶射層を形成したものも、特開平11−302891号公報により提示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来のチタン焼結体からなる多孔質導電板には、次のような問題がある。
【0008】
チタン粉末焼結体は、プレス成形性が悪く、割れやすいため、薄型で大面積のものを製造できないという致命的な制約がある。また、個々のチタン粒子が角張った不定形状であるため、隣接する膜電極接合体を損傷させる危険性がある(図3参照)。
【0009】
一方、チタン繊維焼結板は、成形性が良好で、薄型で大面積のものを製造できる。しかしながら、表面に鋭角の起伏が生じ、繊維間の間隔も大きい。このため、隣接する膜電極接合体に圧接した場合に膜電極接合体を損傷させる危険性が非常に高い。また、膜電極接合体との接触性が悪く、接触抵抗が増加する問題もある。
【0010】
これらに対し、特開平11−302891号公報により提示されたチタン繊維焼結板は、チタン繊維焼結板の表面に金属チタンのプラズマ溶射層を形成することにより、チタン繊維焼結板で問題となる表面の鋭角の起伏や大きな繊維間隔を解消したものであり、成形性及び膜電極接合体との接触性の両方に共に優れたものになる。
【0011】
しかし、プラズマ溶射に余分のコストがかかる上に、チタン繊維焼結板とその表面のプラズマ溶射層とでは、空隙率及びチタン材の形状が極端に異なるため、両者の接合界面で電気抵抗が増大し、多孔質導電板としての電気抵抗が見掛けの空隙率以上に高くなる。その結果、例えば1〜3A/cm2 の高電流密度で用いる水電解セルにおいては、大きな損失電圧を生じることになる。また、このような損失電圧が燃料電池でも容易に許されるはずのないことは言うまでもない。
【0012】
更に、接合界面での空隙率の大きな変化は、通液性や通気性にも悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0013】
本発明の目的は、成形性に優れ、表面の平滑性に優れるのは勿論のこと、板厚方向における特性の急激な変化がなく、その上、製造が容易で経済性にも優れる多孔質導電板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは、球状ガスアトマイズチタン粉末に注目した。球状ガスアトマイズチタン粉末とは、ガスアトマイズ法により製造されたチタン又はチタン合金の粉末であり、個々の粒子は、チタン又はチタン合金の溶融飛沫が飛散中に凝固してできたものであるから、表面が滑らかな球形をしている。また、粒径は例えば平均で100μm以下と非常に微細にできる。
【0015】
ちなみに、スポンジチタンの破砕粉末や水素化脱水素により製造されたHDH粉末の粒子形状は不定形である。また、球状チタン粉末は回転電極法によっても製造可能であるが、得られる平均粒度は一般に400μm以上である。
【0016】
本発明者らは、このような特徴を有する球状ガスアトマイズチタン粉末を用いて、固体高分子型水電解槽における給電体や固体高分子型燃料電池における集電体を想定した焼結板を試験的に製造し、その特性等を評価した。その結果、以下のことが明らかになった。
【0017】
球状ガスアトマイズチタン粉末は流動性に優れ、焼結容器内に投入すると、加圧なしでも十分な密度に充填される。そして、これを焼結すると、第1に、薄型大面積の場合も十分な機械的強度が確保される。第2に、給電体や集電体として好ましい空隙率が、格別の操作なしで簡単に得られる。第3に、表面は平滑性が高く、プラズマ溶射等によるコーティングを行わずとも、隣接する膜電極接合体に密着し且つ膜電極接合体を損傷させるおそれがない。
【0018】
第4に、球状ガスアトマイズチタン粉末の粒径が小さいほど、膜電極接合体に対する接触点密度が大きくなり、接触性が向上すると共に、表面に平行な方向に流れる電流が減り、集電・給電効率も向上する。
【0019】
第5に、粒径を小さくすると、これらの利点が得られる一方で、粒子に囲まれてできる気孔が小さくなり、流体通過性を悪化させる問題があるが、表層部における粒径を内層部における粒径より小さくすることにより、この問題も解決できる。また、表層部と内層部で粒径を変える操作もすこぶる簡単である。
【0020】
第6に、その表層部と内層部の界面では、球状チタン粉末の粒径及び気孔径が変わるだけであり、粒子形状及び気孔形状は同じ上に、空隙率もそれほど変わらない。このため、その界面での抵抗増大による電圧損失、通液性や通気性への悪影響が回避される。
【0021】
即ち、粒径が異なる球状ガスアトマイズチタン粉末を用いた多層構造の焼結体は、製造過程で加圧さえも行わず、また製造後に表面コートを行わずとも、固体高分子型水電解槽における給電体又は固体高分子型燃料電池における集電体として、性能及び経済性の両面から極めて優れた適性を示すものとなる。
【0022】
本発明の多孔質導電板は、かかる知見に基づいて開発されたもので、固体高分子型水電解槽における給電体又は固体高分子型燃料電池における集電体として使用される多孔質導電板であって、球状ガスアトマイズチタン粉末の板状焼結体からなり、異なる平均粒径の球状ガスアトマイズチタン粉末が2層以上に積層されると共に、表層部を構成する球状ガスアトマイズチタン粉末が、内層部を構成する球状ガスアトマイズチタン粉末より細粒とされたものである。
【0023】
ここで、表層部を構成する球状チタン粉末の平均粒径は10〜50μmが好ましい。内層部を構成する球状チタン粉末の平均粒径は50〜200μmが好ましい。その理由は以下のとおりである。
【0024】
平均粒径が小さいほど膜電極接合体に対する接触点密度が大きくなり、接触性が向上すると共に、表面に平行な方向に流れる電流ロスが減り、集電・給電効率も向上する。10μm未満はガスアトマイズチタン粉末の生産性が悪い。これらのため、表層部を構成する球状チタン粉末の平均粒径は10〜50μmが好ましい。一方、内層部においては、平均粒径が小さいと通液性・通気性が悪化し、大きすぎる場合は液体や気体の分散性が悪化して、膜電極接合体全面への供給が困難になる。この観点から、内層部を構成する球状チタン粉末の平均粒径は50〜200μmが好ましい。
【0025】
粒径が小さい表層部は、膜電極接合体と接する面の側にのみ存在していればよく、両面に存在させる必要はない。他の面の側では、通液性や通気性を向上させるために、むしろ内層部と同じ粒径、或いは内層部より大きい粒径が好ましい。3種類以上の粒径が異なる球状チタン粉末を用いて、板厚方向で粒径を傾斜的に変化させた焼結体を製造することも可能である。
【0026】
原料として使用される球状チタン粉末は回転電極法による粒子より、粒径が比較的小さい球状ガスアトマイズチタン粉末を用いる。本発明において球状チタン粉末は球状ガスアトマイズチタン粉末を意味する。
【0027】
球状ガスアトマイズチタン粉末としては、例えば粒径範囲によって区分された次の3種類が市販されている。即ち、45μm以下の細粒、45〜150μmの粗粒、更に粗い150μm以上の3種類であり、平均粒径は細粒で約25μm、粗粒で約80μmである。本発明の多孔質導電板には、これらの市販品が問題なく使用できる。
【0028】
多孔質導電板の空隙率については、球状ガスアトマイズチタン粉末として市販品を使用し、且つ充填時や焼結時に加圧を行わずとも、35〜55%の空隙率が得られる。本発明者らによる調査によれば、この空隙率は、チタン粉末焼結体からなる多孔質導電板では電気的・機械的特性等の面から好ましいものである。なお、充填時や焼結時に加圧を行ったり、焼結条件の選択によっては、空隙率を35%以下に調整することも可能である。
【0029】
この空隙率は、焼結温度の調節、粒径の選択、加圧等により制御可能である。一般的な傾向として、焼結温度が高くなると、接触面積が増大することから、空隙率が低下する。同様に、粒径が小さくなった場合も、接触面積が増大することから、空隙率が低下する傾向となる。また、充填時や焼結時に加圧を行えば、空隙率は低下する。また、多孔質導電板の板厚に対して粒径が大きくなると、空隙率が増大する傾向となる。これらの組み合わせにより、空隙率は比較的広い範囲で任意に制御される。なお、空隙率の極端な低減や増大は、反応における水やガスの受給効率の悪化や多孔質導電板の強度不足の原因になる。
【0030】
多孔質導電板の寸法は、製造される給電体や集電体の寸法に応じて適宜選択される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態を示し、図2は本発明の第2実施形態を示す。
【0032】
図1では、球状ガスアトマイズチタン粉末を所定の薄板形状に焼結することにより多孔質導電板10が形成されている。多孔質導電板10の膜電極接合体と接する側の表層部11(第1層)では、他の部分12(第2層)よりも平均粒径が小さい球状ガスアトマイズ粉末が使用されている。球状ガスアトマイズ粉末の平均粒径は、表層部11(第1層)では10〜50μmであり、他の部分12(第2層)では50〜200μmである。
【0033】
図2では、多孔質導電板10は膜電極接合体と接する側から反対側にかけて、球状ガスアトマイズ粉末の平均粒径を3段階に大きくした3層構造である。球状ガスアトマイズ粉末の平均粒径は、膜電極接合体と接する第1層11(表層部)では10〜50μm、中間の第2層12では50〜100μm、第3層13(反対側の表層部)では100〜200μmである。
【0034】
表層部11(第1層)の厚みtは、表層部11に使用する球状ガスアトマイズ粉末の平均粒径をdとして、2d以上が好ましく、4d以上が更に好ましい。その理由は次のとおりである。表層部11の厚みtが2d未満の場合は液体や気体が膜電極接合全体に均一に供給され難くなるためである。
【0035】
このような平均粒径が異なる積層構造の多孔質導電板10は、例えば次の3つの方法により製造することができる。
【0036】
第1の方法は、粒径が異なる複数種類の球状チタン粉末を、型枠内に順番に層状に充填し焼結するものである。第2の方法では、先ず粒径が異なる複数種類の球状チタン粉末を別々にバインダーと混合してドクターブレード法等によりシート成形体を作製する。作製された複数種類のシート成形体を熱圧着等により積層し、必要に応じて脱脂を行った後、所定温度で焼結する。第3の方法では、粒径が異なる複数種類の球状チタン粉末を別々にシート状に焼結し、得られた複数種類のシート状焼結体を荷重をかけながら再焼結して一体化する。
【0037】
いずもの方法を採用しても、異なる平均粒径の球状チタン粉末を2層以上に積層した焼結体からなる多孔質導電板が簡単に製造される。焼結は通常は無加圧の真空焼結である。焼結温度は、チタンの融点よりはるかに低い850〜1200℃が好ましい。焼結温度が850℃未満の場合は、十分な焼結が行われない。1200℃を超えると、無加圧の場合でも、焼結部分が個々の粒子同士の接触部にとどまらず、粒子同士が溶け合うため、適正な空隙率を確保できなくなるおそれがある。
【0038】
本発明の実施例1として、第1の方法により300mm角×1mm厚の寸法をもつ2層構造の薄板状焼結体を製造した。使用した球状チタン粉末は球状ガスアトマイズチタン粉末である。第1層の厚みは0.2mm、第1層における球状ガスアトマイズチタン粉末の平均粒径は20μmである。第2層の厚みは0.8mm、第2層における球状ガスアトマイズチタン粉末の平均粒径は80μmである。焼結温度は1000℃とした。
【0039】
本発明の実施例2として、第3の方法により300mm角×1mm厚の寸法をもつ3層構造の薄板状焼結体を製造した。第1層の厚みは0.2mm、第1層における球状ガスアトマイズチタン粉末の平均粒径は20μm、焼結温度は800℃である。第2層の厚みは0.4mm、第2層における球状ガスアトマイズチタン粉末の平均粒径は80μm、焼結温度は1000℃である。第3層の厚みは0.4mm、第3層における球状ガスアトマイズチタン粉末の平均粒径は170μm、焼結温度は1100℃である。再焼結温度は1000℃とした。
【0040】
比較例1として、平均粒径が20μmの球状ガスアトマイズチタン粉末を用いて同一寸法で単層の薄板状焼結体を製造した。焼結温度は800℃とした。
【0041】
比較例2として、平均粒径が80μmの球状ガスアトマイズチタン粉末を用いて同一寸法で単層の薄板状焼結体を製造した。焼結温度は1000℃とした。
【0042】
従来例1として、図3に示すように、平均粒径が30μmと80μmの2種類のHDH粉末1,2を用い、プレス成形−1000℃焼結により、同一寸法で2層構造の薄板状焼結体を製造した。
【0043】
従来例2として、図4に示すように、シート状のチタン繊維焼結板3の表面に、金属チタンのプラズマ溶射層4を形成した、同一寸法で2層構造の薄板状焼結体を製造した。チタン繊維焼結板3の厚さは0.8mm、空隙率は60%である。またプラズマ溶射層4の厚さは0.2mmである。
【0044】
製造された薄板状焼結体の多孔質導電板としての適性を比較調査した。調査結果を表1に示す。調査項目は、膜電極接合体への影響(ピンホールの有無)、損失電圧、水透過性及び経済性の4つであり、膜電極接合体への影響、損失電圧及び水透過性は次のようにして評価した。
【0045】
膜電極接合体への影響については、焼結体の表面に厚さ50μmのPETフィルムを載せ、それらを2枚の銅板で挟み、1.47MPaの圧力で加圧した後のPETフィルムにおけるピンホールの有無により評価した。損失電圧については、焼結体を2枚の銅板で挟み、1.47MPaの圧力で加圧した状態で、1A/cm2 の直流電流を2枚の銅板間に通じ、その際の銅板間の電圧を測定することにより求めた。水透過性能については、POROUS MATERIALS,INC製自動細孔測定装置(パームポロメーター)により、バブルポイント法に基づいて10kPaで水を透過させた場合の流量を測定した。
【0046】
【表1】
【0047】
実施例1,2は全ての調査項目が良好である。比較例1は、球状チタン粉末が板厚方向の全体で細粒のため、水通過性が劣る。また、粒径の小さい球状チタン粉末は、粒径の大きい球状チタン粉末と比較すると生産性が低いため、製造費が高くなる。粒径の小さい球状チタン粉末だけを原料とする比較例1は、経済性にも若干問題がある。比較例2は、球状チタン粉末が板厚方向の全体で粗粒のため、膜電極接合体に対する接触点密度が小さくなり、損失電圧が大きい。従来例1は、HDH粉末を使用しているため、成形性が劣り、膜電極接合体に対する損傷の危険性がある。従来例2は、水透過性能には優れるが、経済性が劣る上に、チタン繊維焼結板とプラズマ溶射層の界面での特性変化が急激なため、抵抗増大による損失電圧が大きい。
【0048】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の多孔質導電板は、異なる平均粒径の球状チタン粉末を2層以上に積層した焼結体により構成されることにより、成形性に優れ、薄型大面積の製品を簡単に製造できる。プラズマ溶射のようなコーティングを行わずとも、表面の平滑性に優れるので、電気抵抗の増大を伴うことなく、膜電極接合体に対する保護性及び接触性を改善でき、経済性にも優れる。層間での特性変化が緩やかであり、その特性変化による抵抗増大、流通性低下を回避できる。これらにより、高性能な給電体や集電体を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す多孔質導電板のイメージ図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す多孔質導電板のイメージ図である。
【図3】従来の多孔質導電板のイメージ図である。
【図4】従来の他の多孔質導電板のイメージ図である。
【符号の説明】
10 多孔質導電板
11 第1層(膜電極接合体と接する表層部)
12 第2層
13 第3層
Claims (3)
- 固体高分子型水電解槽における給電体又は固体高分子型燃料電池における集電体として使用される多孔質導電板であって、球状ガスアトマイズチタン粉末の板状焼結体からなり、異なる平均粒径の球状ガスアトマイズチタン粉末が2層以上に積層されると共に、表層部を構成する球状ガスアトマイズチタン粉末が、内層部を構成する球状ガスアトマイズチタン粉末より細粒であることを特徴とする多孔質導電板。
- 表層部を構成する球状ガスアトマイズチタン粉末の平均粒径が10〜50μmであり、内層部を構成する球状ガスアトマイズチタン粉末の平均粒径が50〜200μmである請求項1に記載の多孔質導電板。
- 粒径が小さい表層部は一方の面の側に存在し、他の面の側は内層部と同じ粒径、或いは内層部より大きい粒径である請求項1に記載の多孔質導電板。
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