JP3819311B2 - 変調方式判定方法及び変調方式判定装置 - Google Patents

変調方式判定方法及び変調方式判定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変調方式判定方法及び変調方式判定装置に関し、特に通信諸元が未知のデジタル信号に対して、変調方式を自動的に判定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多様な変調方式を用いたデジタル通信が行われている。このようなデジタル通信の1つとして、周波数変調されたデジタル信号により通信を行う方法が知られている。この場合、受信側は、事前にわかっている通信諸元を用いて、受信された変調信号の帯域幅を算出することにより変調方式を判定し、判定された変調方式に従って復調が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、ソフトウェア無線機と呼ばれる、ソフトウェア処理により種々の機能を実現した無線機が開発されている。このソフトウェア無線機は、ソフトウェア処理の内容を変更するだけで種々の機能を実現できるので、この特徴を利用して、多様な変調方式に対応できる無線機の開発が望まれている。
【0004】
本発明は、このような要望に応えるためになされたものであり、通信諸元が未知のデジタル信号の変調方式を判定できる変調方式判定方法及び変調方式判定装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る変調方式判定方法は、上記課題を達成するために、変調がなされているデジタル信号の周波数を逓倍し、前記逓倍により得られた信号を高速フーリエ変換し、前記高速フーリエ変換により得られたパワースペクトラムに基づいて変調方式を判定し、前記変調方式を判定する第1ステップは、前記パワースペクトラムに1つのピークが出現する場合に、逓倍前の帯域幅より逓倍後の帯域幅が狭いときにBPSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定し、前記変調方式を判定する第2ステップは、前記第1ステップの後に、前記パワースペクトラムが1つのピークの場合には、該ピークのレベルが所定値より大きいときにMSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定するように構成されている。
【0006】
この変調方式判定方法によれば、変調方式に依存するパワースペクトラムの例えば形状等に基づいて変調方式を判定するので、通信諸元が未知のデジタル信号が入力された場合であっても、そのデジタル信号が何れの変調方式を用いて変調されたものであるかを判定できる。
【0007】
更に具体的には、第1の態様に係る変調方式判定方法では、前記変調方式を判定する第2ステップは、前記第1ステップの後に、前記パワースペクトラムが2つのピーク以上の場合には、該ピーク間のレベルが所定値よりも大きいときにMSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定するように構成できる。また、前記変調方式を判定する第3ステップは、前記第2ステップの後に、前記パワースペクトラムに2つのピークが出現する場合にBFSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定するように構成できる。また、前記変調方式を判定する第3ステップは、前記第2ステップの後に、前記パワースペクトラムに3つ以上のピークが出現する場合にMFSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定するように構成できる。
【0009】
また、本発明の第の態様に係る変調方式判定装置は、上記と同様の課題を達成するために、本発明の第の態様に係る変調方式判定装置に、変調がなされているデジタル信号の周波数を逓倍する逓倍部と、前記逓倍部により逓倍された信号を高速フーリエ変換する高速フーリエ変換部と、前記高速フーリエ変換部における高速フーリエ変換により得られたパワースペクトラムに基づいて変調方式を判定する判定部、とを備え、前記判定部の第1処理は、前記パワースペクトラムに1つのピークが出現する場合に、逓倍前の帯域幅より逓倍後の帯域幅が狭いときにBPSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定し、前記判定部の第2処理は、前記第1処理の後に、前記パワースペクトラムが1つのピークの場合には、該ピークのレベルが所定値より大きいときにMSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定することを特徴とする。この場合も第1の態様に係る変調方式判定方法と同様の効果が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
まず、本発明で判定の対象とされる変調方式について説明する。この判定対象とされる変調方式は、デジタル周波数変調(FSK:Frequency Shift Keying)とデジタル位相変調(BPSK:Binary Phase Shift Keying)とに大別される。FSKは、更に、BFSK(Binary Frequency Shift Keying)、MFSK(Multilevel Frequency Shift Keying)及びMSK(Minimum Shift Keying)に分けられる。
【0013】
(a)BFSKは、図4に示すように、情報信号(変調信号に対応)の「1」(「マーク」と呼ぶ)及び「0」(「スペース」と呼ぶ)の各々に異なる周波数を対応させ、入力されるデジタル信号のレベルに応じて、各周波数の正弦波を割り当てる変調方式である。
【0014】
このBFSKは、キャリア周波数をf、シフト幅をΔfとすると、下記式(1)で表すことができる。
【0015】
F(t)=a(t)*cos(2π(f-Δf)t)+a1(t)*cos(2π(f+Δf)t)…(1)
この式(1)において、
情報信号が0の場合:a(t)=1、a1(t)=0 [(n-1)T<t<=nT,n=0,1,2,,,]
情報信号が1の場合:a(t)=0、a1(t)=1 [(m-1)T<t<=mT,m≠n]
である。
【0016】
図4(a)は、「1011001・・・」といったビット列を有する情報信号を表している。また、図4(b)はBFSK信号であり、例えばキャリア周波数fを500Hz、シフト幅Δfを250Hzとした場合に、スペースに250Hzの正弦波が割り当てられ、マークに750Hzの正弦波が割り当てられる様子を表している。
【0017】
図5に1ビットの情報信号を示す。図5に示すマーク又はスペース長Tは、通信速度Bの逆数(1/B)で表される。変調指数MはΔfT=Δf/Bで表される。例えば、通信速度Bを「250」に設定したとすると、BFSKの変調指数Mは、Δf*(1/B)=500×(1/250)=2になる。
【0018】
(b)MFSKは、3値以上のデジタル信号の各々に異なる周波数を対応させ、入力されるデジタル信号の値に応じて、各周波数の正弦波を割り当てる変調方式である。
【0019】
このMFSKは、キャリア周波数fに対する、m種類の多値の各々のシフト幅をf、f、・・・fm−1とすると、式(2)で表すことができる。
【0020】
F(t)=a(t)*cos(2π(f+f)t)+a(t)*cos(2π(f+f)t)+・・・+am−1(t)*cos(2π(f+fm−1)t)…(2)
この式(2)において、
情報信号が「0」の場合:a(t)=1,a(t)=0、・・・am−1(t)=0
情報信号が「1」の場合:a(t)=0,a(t)=1、・・・am−1(t)=0
情報信号が「m−1」の場合:a(t)=0,a(t)=0、・・・am−1(t)=1
である。
【0021】
例えば、4値のデジタル信号の場合は、値「00(0)」に250Hzの正弦波、値「01(1)」に500Hzの正弦波、値「10(2)」に750Hzの正弦波及び値「11(3)」に1000Hzの正弦波をそれぞれ割り当てるように構成できる。
【0022】
(c)MSKは、デジタル信号の「1」及び「0」の各々に異なる周波数の正弦波を割り当てるFSKの一種であり、ビットの変わり目に、位相が必ず±90度になるように、最小の周波数差を割り当てる変調方式である。このMSKは、変調指数Mが「0.5」のFSKに相当する。
【0023】
このMSKは、式(3)で表すことができる。
【0024】
F(t)=u(t)*cos(πt/2T)*cos(2πft)*cos(2πft)+u(t)*sin(πt/2T)*sin(2πft)*sin(2πft)…(3)
この式(3)において、
情報信号が0の場合:(u(t),u(t))=(-1,-1),(-1,1)
情報信号が1の場合:(u(t),u(t))=(1,1),(1,-1)
である。
【0025】
(d)デジタル位相変調のBPSKは、位相を180度シフトするかどうかによって「0」又は「1」を表すように変調する変調方式であり、式(4)で表される。
【0026】
F(t)=a(t)*cos(2πft+0)+a1(t)*cos(2πft+π)
=a(t)*cos(2πft+0)+(-1)*a1(t)*cos(2πft+π)…(4)
この式(4)において、
情報信号が0の場合:a(t)=1、a1(t)=0 [(n-1)T<t<=nT,n=0,1,2,,,]
情報信号が1の場合:a(t)=0、a1(t)=1 [(m-1)T<t<=mT,m≠n]
である。
【0027】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態に係る変調方式判定装置及び変調方式判定方法を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る変調方式判定装置の構成を示すブロック図である。この変調方式判定装置は、逓倍部10、高速フーリエ変換(FFT)部11、電力計算部12及び閾値判定部13から構成されている。これら各部は、図示しないCPUの処理により実現することができる。
【0029】
逓倍部10は、複素演算により、入力された信号の周波数を2逓倍する。逓倍計算は、一般に、複素乗算により以下のように行われる。まず、入力された信号が正弦波であるとすると、この信号は式(5)で表される。
【0030】
e(j*2πft)=I(t)+j*Q(t)…(5)
ここで、Q(t)は同相成分であり、I(t)は直交成分である。式(5)の信号の周波数を2逓倍すると、式(6)が得られる。
【0031】
e(j*2πft)*e(j*2πft)=e(j*4πft)…(6)
式(5)の右辺の複素数を二乗した結果と式(6)の右辺の値とから式(7)と式(8)が得られる。Reは実数成分を表し、Imは虚数成分を表す。
【0032】
Re(e(j*4πf))=I(t)*I(t)-Q(t)*Q(t)…(7)
Im(e(j*4πf))=I(t)*Q(t)+I(t)*Q(t)…(8)
(a)まず、BFSKの場合、簡単のためfを「0」とすると、式(9),式(10)が得られる。
【0033】
Re(BFSK(t))=a(t)*cos(2πft)+a1(t)*cos(2πft)…(9)
Im(BFSK(t))=a(t)*sin(2πft)+a1(t)*sin(2πft)…(10)
2逓倍演算により、式(11),式(12)が得られる。
【0034】
I2(t)=cos(4πft)…(11)
Q2(t)=sin(4πft)…(12)
これはシフト幅だけが2倍になることを表している。この周波数を2逓倍する理由については、後で説明する。
【0035】
(b)MFSKの場合、簡単のためfを「0」とすると、式(13),式(14)が得られる。
【0036】
Re(MFSK(t))=a(t)*cos(2πft)+a(t)*cos(2πft)+・・・+am−1(t)*cos(2πfm−1t)…(13)
Im(MFSK(t))=a(t)*sin(2πft)+a(t)*sin(2πft)+・・・+am−1(t)*sin(2πfm−1t)…(14)
2逓倍演算により、式(15),式(16)が得られる。
【0037】
I2(t)=cos(4πft)+cos(4πft)+・・・+cos(4πfm−1t)…(15)
Q2(t)=sin(4πft)+sin(4πft)+・・・+sin(4πfm−1t)…(16)
この場合も、シフト幅だけが2倍になる。
【0038】
(c)MSKの場合、簡単のためfを「0」とすると、式(17),式(18)が得られる。
【0039】
Re(MFSK(t))=u(t)*cos(πt/2T)…(17)
Im(MFSK(t))=u(t)*sin(πt/2T)…(18)
2逓倍演算により、式(19),式(20)が得られる。
【0040】
Figure 0003819311
以上のようにして逓倍部10で2逓倍された複素信号は高速フーリエ変換部11に送られる。
【0041】
高速フーリエ変換部11は、逓倍部10からの複素信号を高速フーリエ変換する。この高速フーリエ変換では、時間領域から周波数領域への変換が行われる。高速フーリエ変換部11で高速フーリエ変換することにより得られた信号は電力計算部12に送られる。電力計算部12は、高速フーリエ変換部11からの信号に基づいてパワースペクトラムを計算する。
【0042】
(a)まず、BFSK信号のスペクトラム波形を考える。簡単のため、f=0の場合を考えると、BFSK信号は式(21)で表される。
【0043】
BFSK(t))=a(t)*e(-j*2πΔft)+a1(t)*e(j*2πΔft)…(21)
このとき、a(t)(又はa1(t))を表す矩形波のパワースペクトラム(PSD)は、式(22)で表される。図6に矩形波のスペクトラム波形を示す。
【0044】
PSD(f)=1/B2*sinc2{2πf/(2B)}…(22)
式(21)で表されるBFSK信号は、式(22)をΔf(もしくは、−Δf)分だけ、周波数シフトしたものであり、BFSK信号のパワースペクトラム波形は、図7に示すようになる。
【0045】
シフト幅と通信速度とは、2Δf=M*B(M:変調指数)の関係が成立する。このとき、通信速度を一定として変調速度Mの値、即ち、シフト幅を変化させた場合には、図7の各線スペクトラム間の関係は、図8(a)〜図8(d)に示すようになる。
【0046】
図8(a)に示すスペクトラム波形は、変調指数が2であるときの波形である。図8(b)に示すスペクトラム波形は、変調指数が4であるときの波形である。図8(c)に示すスペクトラム波形は、変調指数が1であるときの波形である。図8(d)に示すスペクトラム波形は、変調指数が0.5であるときの波形である。図8からもわかるように、変調指数の値に応じて、ピーク間が離れたり、近づいたり、あるいは重なったりする。
【0047】
(b)次に、MFSK信号のスペクトラム波形を考える。MFSK信号のスペクトラム波形は、BFSK信号のスペクトラムピークが多値数(2以上)分、存在するものであり、図9に示すようになる。MFSK信号の場合もBFSK信号と同様に、隣接するスペクトラム間のシフト幅は、変調指数に応じて、図10(a),図10(b)に示すように変化する。
(c)次に、MSK信号のスペクトラム波形は、BFSK信号の変調指数を0.5とした場合に相当し、そのスペクトラム波形は、図8(d)に示す波形と一致する。例えば、BFSKとMSKとのスペクトラム波形を比較した場合、図11に示すように、その中心レベルが大きく相違する。このため、その中心レベルを測定した後、閾値判定することにより、BFSKとMSKとを識別することができる。
【0048】
なお、図8(c)に示すような変調指数が1のBFSKとMSKとを比較した場合、中心レベルを閾値判定しても両者を識別できない。ところが、2逓倍処理を行うことにより、図8(c)で表されるBFSKは、図8(a)に示すように変化し、図8(d)で表されるMSKは、図8(c)に示すように変化するため、中心スペクトラムにレベル差が生じ、この変化を利用してBFSKとMSKとを識別できる。
【0049】
次に、このようにして計算されたパワースペクトラムは、閾値判定部13に送られる。閾値判定部13は、電力計算部12から送られてくるパワースペクトラムのピークを求め、ピークが1つの信号に対しては、その中心付近の周波数成分のレベルを算出し、ピークが2つ以上の信号に対しては、ピーク間の中心付近の周波数成分のレベルを算出する。
【0050】
算出されたレベルが所定値より大きい場合には、MSKであると判定し、そうでない場合には、ピーク数を算出し、ピーク数が3以上である場合にはMFSKと判定し、ピーク数が2である場合には、BFSKであると判定する。そして、この判定結果を表す信号が、変調方式判定装置の出力として外部に送出される。
【0051】
(d)また、BPSKの場合には、BPSK信号は、式(23)で表される。
【0052】
F(t)=a(t)*e(j*2πft+0)+(-1)*a1(t)*e(j*2πft)…(23)
BPSK信号の時間波形は、図12(a)に示す波形と図12(b)に示す波形との和で表される。このため、スペクトラムの重ね合わせにより、図12のDC(直流)成分のみが打ち消され、図13に示すようなスペクトラムとなる。
【0053】
また、BSPK信号を2逓倍すると、式(24)が得られる。
【0054】
F×2(t)={a(t)*e(j*2πft+0)+a1(t)*e(j*2πft+π)}2
=a 2(t)*e(j*4πft)+a1 2(t)*e(j*4πft+2π)+2a(t)a1(t)*e(j*2πft+0)*e(j*2πft+π)…(24)
このとき、2*θ(t)=0(あるいは2π)であるため、
F×2(t)={a 2(t)+a1 2(t)}*e(j*4πft+2π)=e(4πft)…(25)
と表される。このスペクトラムを図14に示す。図14から明らかなように、BPSK信号は2逓倍処理により位相が縮退し、キャリア信号のみになる。このため、BFSK,MSK,MFSKが逓倍処理により帯域幅が大きくなるのに対して、BPSKでは逆に帯域幅が小さくなる。このため、BPSKを含めた変調方式を判定することができる。
【0055】
次に、上記の構成において、図2に示したフローチャートを参照しながら、動作を説明する。
【0056】
まず、入力された信号の周波数を2逓倍する2逓倍処理が行われる(ステップS8a)。この2逓倍処理は、逓倍部10において行われる。次に、この2逓倍された信号を高速フーリエ変換するFFT処理が行われ、パワースペクトラムが計算される(ステップS10a)。このステップS10aの処理は、FFT部11及び電力計算部12で行われる。次に、パワースペクトラム上のピーク数を算出する(ステップS11a)。図3は、各変調方式における、2逓倍する前と後のパワースペクトラムを示す。
【0057】
図3(a)は、MFSKのパワースペクトラムを示す。この例では、例えば250、500、750及び1000Hzといった4値のデジタル信号を高速フーリエ変換することにより4個のピークを有するパワースペクトラムが得られる。このMFSKの場合、変調指数が「1」以上のものは、2逓倍することにより変調指数が「2」以上になるため、そのパワースペクトラム形状は、ピーク間の中心付近の周波数成分のレベルが落ち込む。
【0058】
図3(b)は、BPSKのパワースペクトラムを示す。BPSKは、位相が180度シフトされるように変調されるので、位相シフトが0度の信号は2逓倍しても元のままであり、位相シフトが180度の信号は2逓倍することにより位相シフトが360度、つまり0度になる。従って、2逓倍すると全ての位相が揃い、1つの周波数成分を有するパワースペクトラムが得られる。
【0059】
図3(c)は、MSKのパワースペクトラムを示す。MSKの場合、2逓倍することにより、変調指数が「1」になるため、周波数成分の位置は変化するが、そのパワースペクトラム形状は、中心付近の周波数成分のレベルが殆ど変化しない。
【0060】
図3(d)は、BFSKのパワースペクトラムを示す。この例では、例えば250及び750Hzといった2値のデジタル信号を高速フーリエ変換することにより、2個のピークを有するパワースペクトラムが得られる。このBFSKの場合、変調指数が「1」以上のものは、2逓倍することにより変調指数が「2」以上になるため、そのパワースペクトラム形状は、中心付近の周波数成分のレベルが落ち込む。
【0061】
以上のFFT処理が完了すると、次に、帯域幅が所定値以下であるかどうかが判定される(ステップS12)。即ち、閾値判定部13は、パワースペクトラムのピークを有する周波数成分の帯域幅を調べる。そして、この帯域幅が所定値以下である場合には、BPSKで変調されたデジタル信号であることを認識し、その旨を表す信号を出力する(ステップS13)。
【0062】
ステップS12で、帯域幅が所定値以下でないことが判定されると、次に、ピーク間の中心付近の周波数成分のレベルが所定レベル以上であるかどうかが判定される(ステップS14)。
【0063】
ここで、MFSK及びBFSKの場合は、図3(a)及び図3(d)にそれぞれ示すように、ピークは変調指数Mに応じた周波数間隔で離散的に出現する。閾値判定部13は、ピークの中心付近の周波数成分のレベルと所定のスレッショルドレベルとを比較する。そして、ピークの中心付近に所定レベル以上の周波数成分が存在する場合は、MSKで変調されたデジタル信号であることを認識し、その旨を表す信号を出力する(ステップS15)。
【0064】
一方、ステップS14で、ピークの中心付近に所定レベル以上の周波数成分が存在しないことが判断された場合は、BFSK又はMFSKで変調されたデジタル信号であることが認識される。
【0065】
そして、閾値判定部13は、計算されたピーク数が「3」以上であればMFSKで変調されたデジタル信号であることを認識し、その旨を表す信号を出力する(ステップS17)。一方、ピーク数が「2」であればBFSKで変調されたデジタル信号であることを認識し、その旨を表す信号を出力する(ステップS18)。そして、変調方式を決定する(ステップS19)。
【0066】
なお、2逓倍処理しない場合には、FFT処理を行い(ステップS10b)、次に、ピーク数を算出した後(ステップS11b)、ステップS12の処理に進む。
【0067】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る変調方式判定装置によれば、通信諸元が未知のデジタル信号が入力された場合であっても、そのデジタル信号がBFSK、MFSK、MSK及びBPSKの何れの変調方式を用いて変調されたものであるかを判定できる。
【0068】
また、従来は通信諸元なしでは判定が困難であったMSKと変調指数「1」のBFSKの区別を2逓倍することにより、通信諸元なしで判定することが可能になる。
【0069】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態に係る変調方式判定装置を利用した復調装置である。
【0070】
この復調装置は、図15に示すように、変調方式判定部20と復調部21と復号処理部22とから構成されている。変調方式判定部20としては、上述した第1の実施の形態に係る変調方式判定装置が使用される。従って、この変調方式判定装置20は、入力されたデジタル信号の変調方式が、BFSK、MFSK、MSK及びBPSKの何れであるかを判定し、判定結果を復調部21に送る。
【0071】
復調部21は、変調方式判定装置20からの判定結果で示された変調方式に応じて入力信号を復調し、復調信号を復号処理部22に出力する。復調部21は、変調方式がMSKと判定された場合に入力された信号をMSK復調処理するMSK復調処理部201と、変調方式がBPSKと判定された場合に入力された信号をBPSK復調処理するBPSK復調処理部202と、変調方式がMFSKと判定された場合に入力された信号をMFSK復調処理するMFSK復調処理部203と、変調方式がBFSKと判定された場合に入力された信号をBFSK復調処理するBFSK復調処理部204とを有している。
【0072】
次に、上記の構成において、図16に示すフローチャートを参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る復調装置の動作を説明する。
【0073】
この復調装置では、まず、変調方式判定処理が行われる(ステップS20)。この変調方式判定処理は、図2のフローチャートを参照して説明した第1の実施の形態における処理と同じである。この変調方式判定処理により、変調方式判定装置20は、入力された信号がBFSK、MFSK、MSK及びBPSKの何れで変調されたものであるかを示す信号を出力する。
【0074】
次に、復調部21は、変調方式がBPSKであるかどうかを判定する(ステップS21)。ここで、BPSKであることが判定されると、BPSK復調処理部202によりBPSK復調方式を用いたBPSK復調処理が行われ、2値化された信号が出力される(ステップS22)。
【0075】
ステップS21でBPSKでないことが判断されると、次に、復調部21は、変調方式がMSKであるかどうかを判定する(ステップS23)。ここで、MSKであることが判断されると、MSK復調処理部201によりMSK復調方式を用いたMSK復調処理が行われ、2値化された信号が出力される(ステップS24)。
【0076】
ステップS23でMSKでないことが判定されると、次に、復調部21は、変調方式がBFSKであるかどうかを判定する(ステップS25)。ここで、BFSKであることが判定されると、BFSK復調処理部204によりBFSK復調方式を用いたBFSK復調処理が行われ、2値化された信号が出力される(ステップS26)。
【0077】
一方、BFSKでないことが判定されると、MFSK復調処理部203によりMFSK復調方式を用いたMFSK復調処理が行われ、2値化された信号が出力される(ステップS27)。以上の処理により、復調動作が完了する。
【0078】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係る復調装置によれば、通信諸元が未知のデジタル信号が入力された場合であっても、そのデジタル信号がBFSK、MFSK、MSK及びBPSKの何れの変調方式を用いて変調されたものであるかを自動的に判定し、その判定結果に応じて復調を行うので、1つの復調装置で複数の変調方式で変調された信号を復調できるマルチ復調装置として使用できる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、通信諸元が未知のデジタル信号の変調方式を判定できる変調方式判定方法及び変調方式判定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る変調方式判定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る変調方式判定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る変調方式判定装置の処理動作を各変調方式毎に説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る変調方式判定装置で判定対象とする変調信号を説明するための図である。
【図5】1ビットの情報信号を示す図である。
【図6】矩形波のスペクトラム波形を示す図である。
【図7】BFSKのスペクトラム波形を示す図である。
【図8】変調指数を変化させたときのBFSKのスペクトラム波形を示す図である。
【図9】MFSKのスペクトラム波形を示す図である。
【図10】変調指数を変化させたときのMFSKのスペクトラム波形を示す図である。
【図11】BFSKとMSKとのスペクトラム波形の比較を示す図である。
【図12】BPSK信号の時間波形を示す図である。
【図13】BPSKのスペクトラム波形を示す図である。
【図14】2逓倍後のPSKのスペクトラム波形を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る復調装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る復調装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 逓倍部
11 FFT部
12 電力計算部
13 閾値判定部
20 変調方式判定部
21 復調部
22 復号処理部
201 MSK復調処理部
202 BPSK復調処理部
203 MFSK復調処理部
204 BFSK復調処理部

Claims (8)

  1. 変調がなされているデジタル信号の周波数を逓倍し、
    前記逓倍により得られた信号を高速フーリエ変換し、
    前記高速フーリエ変換により得られたパワースペクトラムに基づいて変調方式を判定し、
    前記変調方式を判定する第1ステップは、前記パワースペクトラムに1つのピークが出現する場合に、逓倍前の帯域幅より逓倍後の帯域幅が狭いときにBPSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定し、
    前記変調方式を判定する第2ステップは、前記第1ステップの後に、前記パワースペクトラムが1つのピークの場合には、該ピークのレベルが所定値より大きいときにMSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定することを特徴とする変調方式判定方法。
  2. 前記変調方式を判定する第2ステップは、前記第1ステップの後に、前記パワースペクトラムが2つのピーク以上の場合には、該ピーク間のレベルが所定値よりも大きいときにMSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定することを特徴とする請求項記載の変調方式判定方法。
  3. 前記変調方式を判定する第3ステップは、前記第2ステップの後に、前記パワースペクトラムに2つのピークが出現する場合にBFSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定することを特徴とする請求項又は請求項記載の変調方式判定方法。
  4. 前記変調方式を判定する第3ステップは、前記第2ステップの後に、前記パワースペクトラムに3つ以上のピークが出現する場合にMFSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定することを特徴とする請求項又は請求項記載の変調方式判定方法。
  5. 変調がなされているデジタル信号の周波数を逓倍する逓倍部と、
    前記逓倍部により逓倍された信号を高速フーリエ変換する高速フーリエ変換部と、
    前記高速フーリエ変換部における高速フーリエ変換により得られたパワースペクトラムに基づいて変調方式を判定する判定部と、
    を備え、
    前記判定部の第1処理は、前記パワースペクトラムに1つのピークが出現する場合に、逓倍前の帯域幅より逓倍後の帯域幅が狭いときにBPSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定し、
    前記判定部の第2処理は、前記第1処理の後に、前記パワースペクトラムが1つのピークの場合には、該ピークのレベルが所定値より大きいときにMSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定することを特徴とする変調方式判定装置。
  6. 前記判定部の第2処理は、前記第1処理の後に、前記パワースペクトラムが2つのピーク以上の場合には、該ピーク間のレベルが所定値よりも大きいときにMSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定することを特徴とする請求項5記載の変調方式判定装置。
  7. 前記判定部の第3処理は、前記第2処理の後に、前記パワースペクトラムに2つのピークが出現する場合にBFSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の変調方式判定装置。
  8. 前記判定部の第3処理は、前記第2処理の後に、前記パワースペクトラムに3つ以上のピークが出現する場合にMFSKで変調がなされているデジタル信号であることを判定することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の変調方式判定装置。
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