JP3818382B2 - 電子楽器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、演奏者の発声に応じて楽音を決定し発音する機能を備えた電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子楽器、例えば、トランペットの形状を備えた電子楽器の中には、複数の演奏操作子(ピストンバルブ)の押圧操作の組み合わせによって発生すべき楽音の音高の候補が決定され、さらに、マウスピース等からの音声の入力によりアンブッシュア情報が決定されることで、所定の楽音が発生される仕組みになっているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この電子楽器は、マウスピースの近傍に、マイクロフォンが設けられるとともに、ベル部にスピーカーが設けられている。そして、楽器本体におけるマウスピースとベル部との間に、演奏操作子の操作によって入力される信号と、マイクロフォンから入力される音声信号とから楽音を決定しその楽音信号をスピーカーに送る信号処理装置が設けられている。このため、演奏者が、マウスピースに口を当てて発声しながら、演奏操作子を操作すると、生成された楽音がスピーカーからトランペットの音色として発音される。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−91284号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した電子楽器では、マイクロフォンとスピーカーとが楽器本体を介して一体的に設けられているため、スピーカーから発音された楽音が楽器本体を介してマイクロフォンに伝わり、演奏者の発声と一緒になって、マイクロフォンに入力されることがある。また、マイクロフォンを楽器本体の外部に取り付けた場合、スピーカーから発音された楽音が楽器本体の外部からマイクロフォン側に回り込んでしまうこともある。
【0006】
このため、演奏者の発声とスピーカーの発音とが一緒になってマイクロフォンに集音され、その双方の音に従った楽音が生成されるということが生じていた。この結果、演奏者の音声だけに基づいた演奏に適した楽音を発生できないという問題が生じていた。また、スピーカーからの発音の音質が悪くなったり、スピーカーからの発音が耳障りになって演奏者が電子楽器を演奏しにくくなったりすることがあるという問題も生じていた。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、スピーカーからの発音がマイクロフォンに入ることを防止して、演奏者の音声のみを入力することにより、演奏に適した楽音を発音できる電子楽器を提供することである。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる電子楽器の構成上の特徴は、楽器本体の一端に設けられた音声入力用開口部と、楽器本体の内部における音声入力用開口部の近傍に設けられ音声を入力するマイクロフォンと、マイクロフォンから入力された音声を解析する解析手段と、解析手段の解析結果に応じて、楽音信号を生成する楽音信号生成手段と、楽器本体に設けられ楽音信号生成手段で生成した楽音信号に基づく楽音を外部に向けて出力するスピーカーと、楽器本体内のマイクロフォンとスピーカーとの間におけるマイクロフォン側部分とスピーカー側部分とにそれぞれ設けられた音遮断用の壁部とを備えたことを備えたことにある。
【0009】
前記のように構成した本発明の電子楽器においては、一端に音声入力用開口部が設けられた楽器本体の内部における音声入力用開口部の近傍にマイクロフォンを設けている。そして、さらに楽器本体にスピーカーを設け、マイクロフォンとスピーカーとの間には壁部を設けている。この壁部は音を遮断する機能を有している。したがって、演奏者が発音する音声は音声入力用開口部を介して外部への漏れを少なくした状態でマイクロフォンに入力される。また、楽器本体内におけるマイクロフォンとスピーカーとの間には音遮断用の壁部が設けられているため、スピーカーから発音される楽音が、楽器本体内を伝わってマイクロフォンに入力されることが防止される。
【0010】
このため、スピーカーからの発音は、楽器本体の他端側(前方側)の方向に向って外部に放音される。さらに、楽器本体の一端に設けられた音声入力用開口部によって、スピーカーから発音された楽音が楽器本体の外部を回り込んでマイクロフォンに入ることも防止される。この結果、演奏者が発声する音声は、スピーカーが発生する楽音と混ざり合うことなく、マイクロフォンに入力され、解析手段および楽音信号生成手段によって所定の処理が施され適正な楽音としてスピーカーから出力される。この場合の音声入力用開口部は、楽器本体と一体的に形成された筒状のもので構成してもよいし、楽器本体に対して着脱可能なマウスピースで構成してもよい。
【0011】
また、本発明にかかる電子楽器の他の構成上の特徴は、マイクロフォンが、非通気性の発泡樹脂からなる振動緩衝部材を介して楽器本体に取り付けられていることにある。これによると、スピーカーから発生される楽音が振動として楽器本体に伝わっても、この振動が振動緩衝部材によって吸収されるため、マイクロフォンには音として入力されなくなる。これによって、より確実にスピーカーが発生する楽音がマイクロフォンに入力されることを防止できる。
【0012】
また、この場合の振動緩衝部材としては、スポンジのように、楽器本体の振動を吸収してマイクロフォンに伝達させないとともに、演奏者の発声がマイクロフォンに入力されることを妨げないものを用いることが好ましい。また、スポンジによると、演奏者の発声に伴って飛散する唾液がマイクロフォンに付着することを防止できる。さらに、マイクロフォンの音声入力側面に設けられる振動緩衝部材として、非通気性の発泡樹脂を用いたため、楽器内部への湿気の侵入を防止することができる。
【0013】
また、本発明にかかる電子楽器では、音遮断用の壁部を複数個設けることもできる。これによると、さらに確実に空気の振動を遮蔽できるため、スピーカーの発音による振動が楽器本体を介してマイクロフォンに入力されることを防止できる。この場合、壁部は、少なくとも、楽器本体におけるマイクロフォン側とスピーカー側とにそれぞれ設けることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態にかかる電子楽器Mを示している。この電子楽器Mは、前後方向(図示の左右方向)に長尺になったトランペットの形状に形成されており、管状部10aと、管状部10aの中央下部に形成されたパネル部10bとからなる樹脂製の楽器本体10を備えている。楽器本体10の手前側端部(演奏者が位置する側であり後端部)には、本発明にかかる音声入力用開口部としてのマウスピース11が楽器本体10に対して着脱可能に取り付けられており、楽器本体10の先端(前端)には先端開口が大きく広がったベル部10cが形成されている。
【0015】
そして、楽器本体10の略中央には親指を入れることのできる四角形の大きな中央孔10dが形成されており、演奏者は、パネル部10bにおける中央孔10dの前方部分を握って電子楽器Mを支持することができる。また、楽器本体10の前後方向の中央上部には、前後方向に沿って手前側から先端側に向かって演奏操作子としての第1ピストンバルブ12、第2ピストンバルブ13および第3ピストンバルブ14が組み付けられている。これらの第1〜第3ピストンバルブ12〜14は、上下に延設されたロッド12a,13a,14aと、ロッド12a〜14aの上端に固着されて指で押圧操作される円盤状の操作部12b,13b,14bとをそれぞれ備えている。
【0016】
そして、パネル部10bの手前側の一側面には、この電子楽器Mの作動態様を指示するための複数のパネル操作子15と、同作動態様などを表示するための液晶ディスプレイで構成した表示器16とが設けられている。この電子楽器Mの作動態様としては、モード、音色、音量、楽音に付加する効果および自動演奏などがある。
【0017】
また、パネル部10bの下端部には、先端側に延びる突起が設けられその突起の先端上部にリング状のトリガー17が設けられている。このトリガー17は、突起とともに、パネル部10bに対して前後方向に進退可能になっている。また、楽器本体10の上部における第3ピストンバルブ14の前方には、小指を掛けるための指掛け部18が形成されている。
【0018】
楽器本体10の内部には、図2に示したように、手前側端部の近傍にマイクロフォン21が組み付けられ、先端のベル部10cには、楽音を発生するためのスピーカー22が先端側の外部に向けて収容されている。マイクロフォン21が組み付けられた楽器本体10の手前側端部とマウスピース11の組み付け構造は、図3に示したように構成されている。
【0019】
すなわち、楽器本体10は、前方または後方から見た状態で左右に分割された2個の樹脂形成体を組み付けて構成されており、手前側端部にマウスピース11を取り付けるための細径の取り付け部23が形成され、その取り付け部23の内周面に取り付け用ボス24が形成されている。そして、この楽器本体10は、取り付け用ボス24にボルトを差し込んで他方の樹脂成形体の取り付け用ボス(図示せず)に取り付けられたナットに螺合させることにより組みつけられている。また、楽器本体10の先端側部分にも同様の取り付け用ボス(図示せず)が設けられており、この楽器本体10を構成する2個の樹脂成形体は前後2箇所でボルトとナットによって固定されている。
【0020】
楽器本体10の内部における取り付け部23の近傍には、マイクロフォン21に接続された信号線21aを通すための穴部25aを備えた音遮断用の壁部25が設けられている。そして、マイクロフォン21は、信号線21aを穴部25aに通して楽器本体10の中央側に延長させた状態で、壁部25の手前側部分に設置されている。壁部25は、信号線21aを通す穴部25a以外の部分は、隙間のない状態で楽器本体10と一体的に形成されている。
【0021】
また、マイクロフォン21は、壁部25側の面を壁部25から所定距離だけ離した状態で、他の面を本発明にかかる振動緩衝部材としてのスポンジ26に被覆されて取り付けられている。スポンジ26は、一端が閉塞された円筒状に形成され、取り付け部23の内周面前端側に形成された穴あき壁部23aと壁部25とに挟まれて支持されている。
【0022】
取り付け部23の下端部における穴あき壁部23aの近傍部分には、外部に通じる息抜き穴23bが形成されている。また、取り付け部23の外周面には、前後に間隔を保って、円周に沿った溝部23c,23dが形成され、溝部23c,23dにそれぞれシール用のゴムリング27a,27bが取り付けられている。また、マウスピース11は、演奏者が音声を入力する手前側の開口が演奏者の口を覆うことのできる大きさに形成された漏斗状(円筒状)に形成され、細径に形成された先端の音声出口側部分に、取り付け部23を差し込むことによりに楽器本体10に取り付けられる。
【0023】
また、マウスピース11の先端下部における息抜き穴23bに対応する部分には、切欠き11aが形成され、マウスピース11で息抜き穴23bを閉塞しないように構成されている。そして、マウスピース11の手前側端部には、図1および図2に示すように、リング状の口当て部11bが取り付けられている。この口当て部11bは、抗菌性の樹脂材料で構成されている。
【0024】
楽器本体10におけるベル部10cの後部側の細径部分には、スピーカー22に接続された信号線22aを通すための穴部28aを備えた音遮断用の壁部28が設けられている。そして、スピーカー22は、信号線22aを穴部28aに通して楽器本体10の中央側に延長させた状態で、壁部28の先端側(外部側)に外部に向けて設置されている。壁部28は、信号線22aを通す穴部28a以外の部分は、隙間のない状態で楽器本体10と一体的に形成されている。また、スピーカー22は、壁部28から所定距離だけ離れた状態で取り付けられている。
【0025】
楽器本体10の内部における壁部25,28間には、この電子楽器Mの作動を制御するための信号処理装置30が収容されている。信号処理装置30は、マイクロフォン21から入力した音声信号のピッチ(周波数)を検出するピッチ検出回路と、音声信号の音量レベル(振幅)を検出するレベル検出回路と、第1〜第3ピストンバルブ12〜14および複数のパネル操作子15の操作に連動するスイッチを有し、第1〜第3ピストンバルブ12〜14および複数のパネル操作子15の操作状態を検出するスイッチ回路とからなる本発明の解析手段としての信号処理回路や信号処理を実行するための後述する各装置を備えている。この信号処理装置30は、信号線21a,22aを介して、マイクロフォン21およびスピーカー22に接続されている。
【0026】
つぎに、この電子楽器Mが備える各装置について、図4のブロック図を用いて説明する。前述した第1〜第3ピストンバルブ12〜14、パネル操作子15、表示器16、トリガー17、マイクロフォン21およびスピーカー22は、バス31を介して互いに接続されている。さらに、電子楽器Mには、前述した各装置等の外、信号処理装置30を構成する各装置等が設けられており、これらの装置もバス31を介して互いに接続されている。
【0027】
第1〜第3ピストンバルブ12〜14は、押圧する動作と、その押圧を解除する動作とにより楽音の発音制御指示を行い、トリガー17は、進退する動作によりその発音の状態を変更する処理の指示を行う。また、マイクロフォン21はインターフェース32を介してバス31に接続されており、入力される演奏者の音声を信号に変換して信号処理装置30に送信する。
【0028】
また、電子楽器Mは、本発明にかかる楽音信号生成手段としての音源33およびサウンドシステム34で構成される発音システムを備えており、音源33は音の波形を作り、この波形に対して、増幅器等からなるサウンドシステム34で音量を増幅する等の処理がなされる。この際、波形はDA変換されたり、デジタル信号処理によって効果が付与されたりする。そして、処理された波形に対応する音が、スピーカー22から出力される。
【0029】
信号処理装置30は、前述した信号処理回路の外、ROM35、RAM36、CPU37およびタイマー38を備えており、これらによって演奏に関する各処理が実行される。ROM35は、実行されるプログラムを記憶する読み出し専用のメモリであり、RAM36は、所定のプログラムを実行するために必要な各種レジスタ、フラグなどを含むワーキングメモリとしての書き込み可能なメモリである。
【0030】
CPU37は、ROM35が記憶するプログラムを中央演算処理装置として実行し、タイマー38は、そのプログラム実行中の時間を計測する。また、CPU37は、第1〜第3ピストンバルブ12〜14、トリガー17、パネル操作子15から送信される信号に基づいて指示信号を発音システムに送信し、スピーカー22の発音を制御する。
【0031】
また、電子楽器Mは、記憶装置39および記憶装置39を介して種々の曲データやプログラムを記憶する記憶媒体39aも備えている。この記憶媒体39aが記憶する信号データは、適宜、読み出すことが可能になっている。その場合、信号データは、音源33によって楽音に形成され、サウンドシステム34を介してスピーカー22から出力される。
【0032】
また、信号処理装置30のROM35または記憶装置39の記憶媒体39aには、押圧操作される第1〜第3ピストンバルブ12〜14の組み合わせに対応する楽音を決定するための運指テーブル(図示せず)が記憶されている。そして、CPU37がこの運指テーブルに基づいて、第1〜第3ピストンバルブ12〜14の組み合わせを運指データに変換する。この変換された運指データに基づいて、各処理が行われスピーカー22が発音する。
【0033】
つぎに、以上のように構成した電子楽器Mの動作について説明する。まず、電子楽器Mをオン状態にして、マウスピース11に向って発生させようとする楽音に対応する音声を発生するとともに、順次第1〜第3ピストンバルブ12〜14を押圧操作する。また、必要に応じて、トリガー17を操作する。これによって、任意の曲を演奏することができる。
【0034】
この場合の演奏者による第1〜第3ピストンバルブ12〜14の操作状態は、スイッチ回路によって検出される。また、演奏者の音声のピッチは、ピッチ検出回路によって検出され、音声のレベルはレベル検出回路によって検出される。この場合、音声は、マイクロフォン21によって音声信号に変換されたのち解析処理されるが、この解析は、振動音のゼロクロス点間の時間を検出するスペクトル解析によって行われる。そして、これらの各検出データは、音源33に供給され、音源33は、これらの供給された各データに基づいて楽音信号を生成して、その楽音信号に対応した楽音をサウンドシステム34およびスピーカー22を介して発音する。
【0035】
この場合、第1〜第3ピストンバルブ12〜14の操作の組み合わせにより、発生される楽音の音高候補として、複数の音高が運指テーブルを介して指定される。例えば、第1〜第3ピストンバルブ12〜14のいずれも操作されなければ、発生される楽音の音高候補を、「C4」、「G4」、「C5」、「E5」などとする。また、第2ピストンバルブ13だけが操作されれば、発生される楽音の音高候補を、「B3」、「F#4」、「B4」、「D#5」などとする。
【0036】
そして、これらの音高候補と、マイクロフォン21から入力された音声信号とによって、所定の楽音が発生される。例えば、第1〜第3ピストンバルブ12〜14のいずれも操作されない状態で、「A#2」と「D#3」の間の周波数域の音声を入力すれば「C4」の音高を有する楽音が発生され、「E3」と「A3」の間の周波数域の音声を発生すれば「G4」の音高を有する楽音が発生される。このように、予め設定された運指テ―ブルの運指データに基づいて各楽音が発生され演奏が行われる。
【0037】
その演奏の際、スピーカー22から発生する発音は、壁部25,28によって遮断されるため、楽器本体10内を通ってマイクロフォン21に伝わることがない。また、スピーカー22の発音による楽器本体10の振動は、スポンジ26によって吸収されてマイクロフォン21に伝わることがない。さらに、スピーカー22が、前方が開口したベル部10c内に発音側を前方に向けて取り付けられているとともに、マイクロフォン21の手前側には、漏斗状のマウスピース11が取り付けられているため、スピーカー22の発音が電子楽器Mの外部から回り込んでマイクロフォン21に入力されることも防止できる。したがって、マイクロフォン21には、演奏者の音声だけが入力され、スピーカー22の発音が入力されることが防止される。
【0038】
また、演奏者の発声は、マウスピース11および取り付け部23内を通過して、マイクロフォン21に入力される。この際、演奏者の発声とともに吐き出される息は、息抜き穴23bおよび切欠き11aを通って外部に出て行く。また、取り付け部23内に溜まる唾液も息とともに、息抜き穴23bおよび切欠き11aを通って外部に出て行く。このため、多量の唾液が取り付け部23内に溜まることを防止できる。
【0039】
以上のように、本実施形態にかかる電子楽器Mでは、楽器本体10の手前側の端部に漏斗状のマウスピース11を設け、楽器本体10内におけるマイクロフォン21とスピーカー22との間には音遮断用の壁部25,28を設けている。したがって、スピーカー22から発音される楽音は、2個の壁部25,28によって遮断され、マイクロフォン21に入力されることが防止される。また、壁部25,28は、楽器本体10の内部の信号処理装置30等を外部からの空気流から保護する作用を備えているとともに、壁部25は、演奏者の発声に伴う息による湿気が内部の信号処理装置30側に進入することを防止する効果も備えている。
【0040】
また、マウスピース11によって、スピーカー22から発音された楽音が電子楽器Mの外部を回り込んでマイクロフォン21に入ることも防止される。さらに、マウスピース11には、抗菌性の樹脂材料で構成された口当て部11bが取り付けられているため、衛生的であるとともに、電子楽器Mに高級感を出すことができる。
【0041】
また、マイクロフォン21は、スポンジ26によって、楽器本体10を構成する部分から離れた状態で取り付けられているため、スピーカー22の発音による振動が楽器本体10を伝わってマイクロフォン21に入力されることも防止できる。この結果、演奏者が発声する音声は、スピーカーの発音と混ざることなく、マイクロフォン21に入力され、適正な楽音としてスピーカー22から出力される。また、スポンジ26によって、演奏者の唾液がマイクロフォン21に付着することも防止できる。
【0042】
また、本発明の実施にあたっては、前述した実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、前述した実施形態では、壁部25,28を設けたが、この音遮断用の壁部は、1個で構成してもよいし、2個以上の複数個で構成してもよい。また、マウスピース11の形状についても適宜変更が可能であり、口当て部11bをマウスピース11の本体と一体成形により形成することもできる。さらに、電子楽器M等の外形形状もトランペットに限らず、ホルンなどの管楽器やマウスピースを備えた他の楽器の形状にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る電子楽器を示す斜視図である。
【図2】 図1に示した電子楽器の内部を示す一部切欠き断面図である。
【図3】 マウスピースと楽器本体との接続部を示す分解断面図である。
【図4】 電子楽器が備える各装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…楽器本体、11…マウスピース、21…マイクロフォン、22…スピーカー、25,28…壁部、26…スポンジ、30…信号処理装置、33…音源、34…サウンドシステム、38…タイマー、M…電子楽器。
Claims (2)
- 楽器本体の一端に設けられた音声入力用開口部と、
前記楽器本体の内部における前記音声入力用開口部の近傍に設けられ音声を入力するマイクロフォンと、
前記マイクロフォンから入力された音声を解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果に応じて、楽音信号を生成する楽音信号生成手段と、
前記楽器本体に設けられ前記楽音信号生成手段で生成した楽音信号に基づく楽音を外部に向けて出力するスピーカーと、
前記楽器本体内の前記マイクロフォンと前記スピーカーとの間における前記マイクロフォン側部分と前記スピーカー側部分とにそれぞれ設けられた音遮断用の壁部と
を備えたことを特徴とする電子楽器。 - 前記マイクロフォンが、非通気性の発泡樹脂からなる振動緩衝部材を介して前記楽器本体に取り付けられている請求項1に記載の電子楽器。
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