JP3818305B2 - 電力遮断装置 - Google Patents

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本発明は、地震などの災害時に電力の供給を停止する電力遮断装置に関するものである。
従来この種の電力遮断装置は、実開昭58−35260号公報や特開平4−322120号公報のようなものが一般的であった。以下、その構成について図5と図6を参照しながら説明する。
図5に示す従来例では、漏電ブレーカーの漏電検出動作確認用のテストスイッチ1と並列に、感震時に接点が閉じる感震スイッチ2を接続して成る感震遮断装置兼用の構成とされていた。
上記構成において、電源端子3の出力は主接点4を介してコンセント端子5に供給されている。そして、テストスイッチ1をONするとテスト巻線6にテスト電流が流れ、漏電検知用の零相変流器7の2次巻線8に起電力が生じる。この2次起電力を増幅する増幅回路9と、その増幅信号でスイッチング回路10が駆動されてスイッチ手段11がONされる構成となっていた。さらに、スイッチ手段11のONによって引き出しコイル12が励磁され、主接点4がOFFされるものである。同様に、感震スイッチ2がテストスイッチ1と並列に設置されているために、感震スイッチ2がONに成った場合も、主接点4をOFFすることができるのである。ここで、13は通電表示ランプである。
また、図6に示す別の従来例では、振動を検出する感震器14と、感震器の出力信号から地震の特徴量を抽出する特徴量抽出部15、特徴量データからファジィ推論を行って地震であるか否かを判別する推論部16と、電力の供給を遮断器17によって制御する制御手段18とから構成されていた。ここで、19は電力線である。
上記構成において、感震器14の信号からファジィー推論を用いて地震振動を判別することによって、地震が発生したときに電力供給を遮断器を用いて遮断するものである。
実開昭58−35260号公報 特開平4−322120号公報
しかしながら上記の従来例では、個々の漏電ブレーカーによる電力遮断であって、全ての漏電ブレーカーに設置しなければならなかった。そして、漏電検知のみのブレーカーであり、過電流が流れた場合などは電力遮断ができなかった。また、所定の振動によって全て電力が遮断される構成であった。
また、別の従来例では、地震を検知するためのアルゴリズムであり、具体的な電力遮断方法が明示されていなかった。
本発明は上記課題を解決するもので、感震器の信号から地震を検知した時に、所定電流以上を使用している回路のみを電力遮断することで、不必要な回路の遮断を防止することを目的としている。
また、感震器の信号から地震を検知した時が、所定の時間帯以外であれば電力遮断を行うことで、夜間など照明が必要な時に必要な電力まで遮断してしまうことを防止して安全避難が行えるようにすることを目的としている。
また、感震器の機能停止を設定することができる機能設定手段を設けて、必要に応じて感震器の機能を停止させることを目的としている。
さらに、電力遮断が、地震時か、過電流時か、漏電時か、中性線欠相時かを表示して電力の復帰作業を安全に行うことすることを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電力遮断装置は、過電流を検知する過電流検知手段、漏電を検知する漏電検知手段、単相3線の中性線欠相を検知する中性線欠相検知手段のうち少なくとも一つの検知手段と、複数個の電力遮断スイッチと、振動を検知する感震器と、前記感震器の信号によって所定の振動を検知したとき前記電力遮断スイッチを遮断する制御手段と、使用電流を検知する電流検知手段とを備え、前記制御手段は、前記感震器の信号によって所定の振動を検知した時に、所定の電流値以上が流れている回路の前記電力遮断スイッチのみを遮断するように制御するものである。
これによって、感震器の信号から地震を検知した時に、所定電流以上を使用している回路のみを電力遮断することで、所定の電力が使用されている回路を遮断し、不必要な回路の遮断を防止することができる。
本発明の電力遮断装置は、感震器の信号から地震を検知した時に、所定電流以上を使用している回路のみを電力遮断することで、不必要な回路の遮断を防止することができる。
第1の発明は、電流検知手段を備えた電力遮断スイッチと、振動を検知する感震器と、前記感震器の信号から所定の振動を検知し、かつ所定電流以上を使用している場合電力遮断スイッチを遮断することにより、感震器の信号から地震を検知した時に、所定電流以上を使用している回路のみを電力遮断することで、不必要な回路の遮断を防止することができる。
第2の発明は、時刻を計る計時手段の計時結果にもとづき、地震発生時、制御手段が、遮断される電力遮断スイッチを選択することにより、感震器の信号から地震を検知した時に、所定電流以上を使用している回路のみを電力遮断することで、不必要な回路の遮断を防止することができる。
第3の発明は、感震器の機能停止を設定する感震機能設定手段を備えたことにより、必要に応じて感震機能の停止が設定できるようにすることができる。
第4の発明は、感震、過電流、漏電及び中性線欠相のどの検知による遮断かを表示する表示装置を備えたことにより、電力遮断が、地震時か、過電流時か、漏電時か、中性線欠相時かを表示するで電力の復帰作業を安全に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1と図2に示すように、過電流を検知する過電流検知手段および電流測定手段としてのカレントトランス20と、漏電を検知する漏電検知手段21と、単相3線の中性線欠相を検知する中性線欠相検知手段22と、主回路電力遮断スイッチ23と副回路電力遮断スイッチ24〜31を内蔵する分電盤32に、振動を検知する感震器33と、感震器33の信号から地震振動を検知したときに主回路電力遮断スイッチ23を遮断する制御手段34を前記分電盤32内に備えた構成とした。そして、制御手段34は、感震器33の信号から、所定地震強度として烈震震度6以上の地震振動、または倒壊振動として家屋が倒壊して壁が傾斜したことを検知したときに、複数個の電力遮断スイッチ23〜31のうち所定の電流以上が流れている回路のみの電力遮断スイッチを遮断する構成とした。ここで、35は単相3線の電力線である。そして、図3に示すように、電力遮断が生じた原因が、地震時か、過電流時か、漏電時か、中性線欠相時かを表示する表示パネル36を設けた構成とした。
このような構成において、一つの感震器によって建屋内の電力遮断を様々な症状に合わせた状態で遮断することができる。
例えば、所定の電流値を過電流遮断以内の15Aとすることで、過電流では遮断されないが、地震によって電力を遮断することができ、地震発生時の安全を確保することができる。そして、電流測定手段によって地震発生時に使用されている電流を測定することによって、大電流が使用されている副回路のみを遮断することができ、地震災害時の避難の安全を必要最低限に確保することができる。
また、分電盤内の電力遮断スイッチの配線が、非常照明用24、居間用25、台所風呂用26、リビング用27、空調用28、2階用29、玄関用30、予備用31の8つで構成されていた場合、地震を検知すれば、非常照明用24を除く7つの副電力遮断スイッチを遮断することもでき、非常照明を確保することができる。なお、ここでは、非常照明用回路を別扱いにするように説明したが、警報機などの非常用器具の電源も含まれることは明白であり、主幹回路と副回路として分別する方法や、部屋別の電源回路を別扱いにする方法も考えられる。
さらに、家屋倒壊するような震度7を所定震度として設定することで、烈震地震発生時には、主回路電力遮断スイッチ23を遮断することで、建屋内の全ての電力を遮断して最大限の電力遮断により2次災害を防止することもできる。
なお、所定震度は設置状態によって、設定変更できる機能によって自由に変更できるものである。
また、分電盤内に感震器と電力遮断スイッチを設置することで、感震器の検知情報を確実に電力遮断スイッチに伝えることができる。すなわち、家屋が倒壊して分電盤が設置されている壁が崩れた場合、分電盤の外部に感震器が設置されている場合は、感震器と分電盤間の接続ケーブルが壁の倒壊で断線して電力遮断が確実に実施できず、2次災害に発展する恐れがあるが、分電盤内に感震器と電力遮断スイッチが内蔵されていれば、確実に電力遮断スイッチを遮断することができ、2次災害を確実に防止することができる。
そして、電力遮断が何の原因によるものかを表示する表示パネルを設けているので、電力遮断が発生した後の復帰に当たっても原因回避の処置が明確に打てるので復旧作業を速やかに行うことができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の電力遮断装置について、図4を用いて説明する。上記第一の実施例と同一構造で、かつ同一作用をする部分には同一符号を付して詳細な説明は略し、異なる部分を中心に説明する。
図4に示すように、時刻を計る計時手段としての時計37と、1つ以上の電力遮断スイッチを内蔵する分電盤32と、振動を検知する感震器33と、感震器33の信号から所定の振動を検知したときで、かつ時計37が所定の時間帯以外の時に電力遮断スイッチ23、24、25を遮断する制御手段を備えた構成とした。ここで、38は感震機能設定手段としての感震機能停止スイッチである。
このような構成において、感震器の信号により所定震度以上の地震であると判定したときで、かつ所定の時間帯の場合、電力遮断スイッチを遮断することとすることで、照明など避難に必要な電力を遮断することを防ぐことができる。ここで、所定の時間帯とは、おおよそ午前7時から午後4時の照明が必要でない昼間の時間帯を示すものである。
また、寒冷地などで夜間に電力遮断を行うことは、暖房の停止にもつながり、室内温度を適度に保つことができなくなる。例えば、深夜睡眠中に、被害が大きくない地震によって電力遮断が行われた場合、気がつかずに眠ったまま朝を迎えることが予想されるが、寒冷地で暖房が停止ししたまま一晩過ごすと凍死などの危険性も考えられ非常に危険である。このような動作を防止するために、時計によって夜間の電力遮断は停止させることができる。
なお、時計ではなく光センサーなどを用いて明るさで昼夜を判定することも考えられ、同様の効果が得られるものである。
さらに、寒冷地などの特殊な地域や、寝たきり老人などが住まれている住居においては、電力遮断が発生することが好ましくないので、感震機能停止スイッチで感震による電力遮断を停止させることができる。また、道路近傍で交通振動が大きく地震と区別が難しい地域などでは、誤動作が発生しやすいので、この機能によって、感震機能を停止させることができる。
このように、電力停止があってはいけない住居、建屋では感震機能を停止させることができるのである。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、次のような効果を得られる。
(1)一つの感震器からの情報により、地震時の建屋の電力遮断を集中して行うことで、電力遮断を効率よく行うことをができる。
(2)感震器の信号から地震を検知した時に、所定電流以上を使用している回路のみを電力遮断することで、不必要な回路の遮断を防止することができる。
(3)感震器の信号から地震を検知した時に、主回路の電力遮断を行うことで、全電力を一斉に遮断して最大限の非常処置を実施することができる。
(4)感震器の信号から地震を検知した時が、所定の時間帯以外であれば電力遮断を行うことで、夜間など照明が必要な時に必要な電力まで遮断してしまうことを防止して安全避難が行えるようにすることができる。
(5)必要に応じて感震機能の停止が設定できるようにすることができる。
(6)電力遮断が、地震時か、過電流時か、漏電時か、中性線欠相時かを表示するで電力の復帰作業を安全に行うことができる。
以上のように、本発明に係る電力遮断装置は、地震などの災害時に電力の供給を停止する電力遮断装置に適用できる。
本発明の実施の形態1における電力遮断装置の構成図 同装置の具体的な回路構成図 同装置の表示装置の構成図 本発明の実施の形態2における回路構成図 従来の電力遮断装置の回路構成図 従来の別の電力遮断装置の回路構成図
符号の説明
20 過電流検知手段および電流測定手段としてのカレントトランス
21 漏電検知手段
22 中性線欠相検知手段
23〜31 電力遮断スイッチ
32 分電盤
33 感震器
34 制御手段
36 表示装置
37 時計(計時手段)
38 感震機能停止スイッチ(感震機能設定手段)

Claims (4)

  1. 過電流を検知する過電流検知手段、漏電を検知する漏電検知手段、単相3線の中性線欠相を検知する中性線欠相検知手段のうち少なくとも一つの検知手段と、複数個の電力遮断スイッチと、振動を検知する感震器と、前記感震器の信号によって所定の振動を検知したとき前記電力遮断スイッチを遮断する制御手段と、使用電流を検知する電流検知手段とを備え、前記制御手段は、前記感震器の信号によって所定の振動を検知した時に、所定の電流値以上が流れている回路の前記電力遮断スイッチのみを遮断するように制御する電力遮断装置。
  2. 時刻を計る計時手段の計時結果にもとづき、地震発生時、制御手段が、遮断される電力遮断スイッチを選択するようにした請求項1記載の電力遮断装置。
  3. 感震器の機能停止を設定する感震機能設定手段を備えた請求項1または2に記載の電力遮断装置。
  4. 感震、過電流、漏電及び中性線欠相のどの検知による遮断かを表示する表示装置を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力遮断装置。
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