JP3818300B2 - 回路パターンの検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は半導体装置,液晶,半導体装置や液晶の回路パターンを転写するフォトマスク,レチクル等に代表される微細な回路パターンを有する基板の回路パターンの検査装置、および検査方法に関する。
半導体装置の製造過程で使用される半導体ウエハの検査の場合を一例として説明する。
半導体装置は、半導体ウエハ上にフォトマスクに形成された回路パターンをリソグラフィー処理およびエッチング処理により転写する工程を繰り返すことにより製造される。半導体装置の製造過程において、リソグラフィー処理やエッチング処理、その他の処理工程で発生する回路パターンの形成不良,異物発生等の欠陥の存在は、半導体装置の製造歩留まりに大きく影響を及ぼす。したがって、不良や異常の発生を早期に、あるいは事前に検知することが必要である。このため、半導体装置の製造過程における半導体ウエハ上の回路パターンの検査装置、および検査方法が、半導体装置の歴史とともに用いられ、改善されている。
半導体ウエハ上の回路パターンに存在する欠陥の検査装置としては、光学式のパターン付ウエハ外観検査装置が知られている。これは、半導体ウエハに白色光を照射して光学画像を取得し、LSIやメモリ等の半導体装置の同種の回路パターンを比較して、差異の部分を欠陥として検出する欠陥検査装置である。例えば、文献「月間セミコンダクタワールド」1995年8月号96頁から99頁(非特許文献1)に述べられている。このような光学式の検査装置では、製造過程における半導体ウエハの検査において、光が透過してしまうシリコン酸化膜や、感光性フォトレジスト材料を表面に有する回路パターンの不良や、エッチング残さ等の異物は検出することができなかった。また、光学系の分解能以下となるエッチング残さや微小な導通穴の開口不良も検出することができなかった。さらに、回路パターンの段差の底部に発生した欠陥は、光が届かないか反射光が戻らないため、検出することができなかった。
上記のように、回路パターンの微細化や回路パターン形状の複雑化,材料の多様化に伴い、光学画像による欠陥検出が困難になってきたため、光学画像よりも分解能の高い電子線画像を用いて回路パターンを比較検査する方法が提案されてきている。そして、電子線画像により回路パターンを比較検査する場合に、実用的な検査時間を得るためには、従来から知られている走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy、以下SEMと略す)による観察と比べて、非常に高速に画像を取得する必要がある。そして、高速で取得した画像の分解能と画像のSN比を確保する必要がある。
電子線を用いたパターンの比較検査装置として、文献J. Vac. Sci. Tech. B, Vol. 9, No.6, pp. 3005−3009(1991)(非特許文献2)、文献J. Vac. Sci. Tech. B, Vol. 10,
No.6, pp. 2804−2808(1992)(非特許文献3)、および、特開平5−258703号公報(特許文献1),米国特許第5,502,306号(特許文献2)に、通常のSEMの100倍以上(10nA以上)の電子線電流をもった電子線を、X線マスク等の導電性基板に照射し、発生する二次電子,反射電子,透過電子のいずれかを検出し、その信号から形成された画像を比較検査することにより欠陥を自動検出する検査装置、および検査方法が示されている。
また、高速に電子線画像を取得する方法としては、試料台を連続的に移動しながら試料台上の基板に電子線を連続照射し取得する方法が、所望の位置の回路パターン像を取得するのに必要な電子線の位置制御方法としては、偏向器コントローラを備え、基板の移動ステージおよび電子線の望ましい位置を計算し、これらのデータを移動ステージサーボと電子線のアナログ偏向器回路に送る制御方法が非特許文献1に示されている。
上記の従来技術は、基板の保持誤差、特に、基板の移動手段の移動方向と基板の回路パターンの配列方向の角度ずれなどに起因して発生する比較画像間の位置ずれについて、十分な配慮がされておらず、位置ずれが大きくなると通常の検査ができなくなる問題があった。すなわち、基板を一方向に移動させながら電子線を走査して電子線画像を取得する場合、半導体ウエハ等の基板が移動方向に対して僅かに角度θだけ傾いて保持されている場合を想定する。
図2は、ウエハの移動方向と電子線走査との関係を説明する基板の平面図である。図2に示すように、ウエハ1は矢印で示す移動方向Aに対して僅かに角度θだけ傾いて保持されている。電子線の走査方向4はウエハ1の移動方向Aと逆になる。したがって、電子線の走査可能範囲2は走査方向4に平行な長方形となる。ここで、検査領域3が、電子線の走査可能範囲2内にあれば、検査領域3の走査できない領域がないので、走査方向4の各々の位置で電子線の走査可能範囲2と検査領域3との位置関係に応じて電子線のアナログ偏向器を制御することで、検査領域3の電子線像を取得できる。しかしながら、傾きθが大きくなり、検査領域3が走査可能範囲2から外れると、電子線の走査ができない領域が生じることは容易に理解できるであろう。
この対策として、ウエハ1を移動させるときに、電子線の走査可能範囲2に検査領域3が納まるように動作させることが考えられる。例えば、走査可能範囲2から検査領域3が外れる場所でウエハ1の移動を停止し、ウエハ1の移動方向Aと直角方向にウエハを移動させた後、再びウエハ1の移動と電子線の走査を行い、これを何回か繰り返して、電子線の走査可能範囲2に検査領域3が納まるようにする。この場合、直角方向への移動が間欠的にはいるので、検査時間が低下するという問題があった。また、補助的に使用する上記直角方向の移動は、間欠的に、しかも微少移動となるために、移動動作が不安定となり、結果的に、検査画像を歪ませる原因となってしまうという問題があった。検査画像の歪みは、実際のパターンは歪んでいないので、誤った欠陥である虚報欠陥を検出することとなる。
特開平5−258703号公報 米国特許第5,502,306号公報 「月間セミコンダクタワールド」1995年8月号(96頁から 99頁) J. Vac. Sci. Tech. B, Vol. 9, No.6, pp. 3005−3009(1991) J. Vac. Sci. Tech. B, Vol. 10, No.6, pp. 2804−2808(1992)
上述したように、従来技術では、基板が移動方向に対して傾いている場合、電子線の走査可能範囲から検査領域が外れることに対して、全く配慮されていなかった。その結果、検査時間の低下や虚報欠陥の検出という問題を有していた。
本発明の目的は、基板が移動方向に対して傾いていても電子線の走査可能範囲に検査領域がはいるようにして、検査時間の低下や虚報欠陥の検出を防止することにある。
上述した課題を解決するため、本実施態様によれば、基板の回路パターンの検査装置において、移動手段により基板を連続移動させながらストライプ状の検査領域に電子線を走査させて検査領域の電子線像を取得する際に、移動手段のほぼ直交し操作自由度を持つ二方向のうちのひとつの方向に対して、ストライプ状の検査領域が大きく傾いている場合、移動手段は、複数のストライプ状の検査領域の長手方向を移動手段のほぼ直交する二方向に対して略45度の方向に整合させるとともに、ほぼ直交する二方向に対して略45度の方向へ操作される構成としたものである。
本発明によれば、基板が移動方向に対して傾いていても電子線の走査可能範囲に検査領域がはいるようにして、検査時間の低下や虚報欠陥の検出を防止することができるという効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
本実施例では、検査対象の基板として、半導体装置を製造する過程で用いられる半導体ウエハを例として説明する。
図3は、回路パターンの検査装置の構成の概略を示す縦断面図と制御機能を模式的に示したブロックの構成図である。回路パターンの検査装置はカラム60と図3の右側に示す制御機能とに大別できる。カラム60は、電子源50,コンデンサレンズ63,対物レンズ64,偏向電極52,半導体ウエハ等の試料61を保持する試料ホルダ62,試料移動ステージ56,検出器54等を備える。電子源50,コンデンサレンズ63,対物レンズ64等は電子光学系制御装置51で、偏向電極52は偏向制御回路53で、試料移動ステージ56はステージ制御回路57で動作が制御される。
電子源50より発生する一次電子線71を試料61へ照射する。その過程で、コンデンサレンズ63や対物レンズ64等のコイルや電極で構成する電子光学系を電子光学系制御装置51で制御して、試料61の位置で一次電子線71が焦点を結ぶようにする。試料
61を一次電子線71で偏向電極52により走査し、走査と同時に試料移動ステージ56を走査と略直角方向に移動させて、試料61の検査領域のストライプ画像を取得する。
試料61に一次電子線71を照射すると、試料61から二次電子72が発生する。この二次電子72は、図示しない電極により検出器54に導かれる。検出器54に捕獲された二次電子は検出回路55により信号化され、画像処理装置58へ送られる。画像処理装置58は、得られる検出画像を一時的に記憶し、検出画像と比較対象の記憶画像とを比較して差異の部分を欠陥として検出する。ホスト計算機59は、検査条件の設定などのためのGUIを提供するとともに、個々の制御装置を管理する。
(実施例)
本発明の一実施例を説明する。
図11は、複数のストライプ状の検査領域を検査する方法を示すウエハの平面図である。図11に示すように、試料移動ステージ56の移動方向のひとつであるY軸方向に対して、検査領域3aが大きく傾いている場合は、本実施例のような走査を行う。
図3に示した試料移動ステージ56は、通常は図11中に示したX軸方向またはY軸方向のいずれか一方にのみウエハ1を連続移動させながら電子線を走査させ、検査領域の折り返しでもう一方の軸方向へ電子線の走査幅だけ移動させるようにしている。しかし、図11に示すような場合は、検査領域3aの走査方向41がX軸またはY軸に対してできるだけ45度の角度になるようにして、以下に説明するウエハの移動と電子線の走査を行う。
はじめに、ウエハ1の移動方向AとX軸またはY軸とのなす角度が45度となるように、試料移動ステージ56の制御を決定する。次に、検査領域3aに沿った方向を確認し、ウエハ1の移動方向Aと一致させる。そして、ウエハ1を移動させながら、走査方向41で一次電子線71を走査する。検査領域3aの端部に到達したら、一次電子線71をブランキングするとともに、次の検査領域3bの走査に備えて、ウエハ1の移動方向Aと略直角にウエハ1を移動させる。次に、ウエハ1を移動方向Bに移動させながら、領域3bを走査方向43で一次電子線71を走査する。これを、検査領域3c,3d,3eについて、同様に走査方向45,47,49に一次電子線71を走査する。
試料移動ステージ56のウエハの移動は、移動速度が一定で大きいほど移動速度の精度が高い。これは、試料移動ステージ56を駆動するモータの制御電流を高くできたり、単位時間当たりの制御パルスを多くできたりすることによる。したがって、その移動のときに電子線を走査しても高い位置精度の画像を取得することができる。
試料移動ステージ56の一定速度の移動の間の、電子線の走査幅の移動は、50から
200マイクロメートル程度の移動なので、停止から加速させ、減速させて停止させる間の位置精度が低くなる。したがって、この移動のときは、電子線の走査は行わないようにしている。
ウエハ1の移動方向AとX軸またはY軸とのなす角度が45度となるようにした場合は、試料移動ステージ56をX軸方向またはY軸方向のみに移動させた場合と、それぞれの軸方向の移動速度が同じなので、速度精度,位置精度ともに確保できる。したがって、ウエハ移動方向Aは、できるだけ45度に近づけるのが望ましい。
本実施例における、データの流れを説明する。図12は、図11中の検査領域の部分を取り出したウエハの平面図の部分図、図13は、記憶データとデータを用いた比較検査の時間変化を示すタイムチャートである。
説明の簡単化のため、検査領域3aに4個、検査領域3bに4個の合計8個のチップについて、走査方向41、および走査方向43の2回のストライプ走査に分けて検査する場合を例としている。また、図3に示した回路パターンの検査装置は、検出データを記憶する面を4面以上備えたメモリを備えている。または、検出データを記憶する4個以上のメモリを備えたものでもよい。メモリに対して、検出データの各面への書込み、位置ずれ検出ステップへの読み出し、比較検査ステップへの読み出しの各処理がある。
図12において、従来はチップC1とチップC2の比較、チップC2とチップC3の比較、チップC3とチップC4の比較がなされ、ここでとぎれて、チップC5とチップC6の比較、チップC6とチップC7の比較、チップC7とチップC8の比較がなされる。このように、チップC4とチップC5との比較はなく、比較検査ステップが不連続になる。そして、比較検査では、同一のチップが前と後のチップと2回比較されることによって、欠陥の有無が判定できるのであるが、はじめのチップC1とチップC5、おわりのチップC4とチップC8に欠陥があるかどうかはわからない。
本実施例では、途中のチップC4とチップC5との比較も実施することによって、これらの欠陥を検出することができる。
図13において、メモリの第1面には、チップC1とチップC5の検出データが記憶され、第2面には、チップC2とチップC6の検出データが記憶され、第3面には、チップC3とチップC7の検出データが記憶され、第4面には、チップC4とチップC8の検出データが記憶される。これら書込みについては、斜線で示してある。次の時刻では、それぞれの面に書込まれた検出データが図示しないセレクタで読み出される。
位置ずれ検出ステップでは、比較される隣り合ったチップ同士の位置ずれを比較前に検出して、必要があれば補正し、次の時刻で、比較検査ステップが実行される。
ここで、ひとつのチップについてみると、図12において、走査方向41の走査で取得した検出データは、紙面の下から上へと信号が取得され、走査方向43の走査で取得した検出データは、紙面の上から下へと信号が取得されたものなので、そのままでは、互いに上下が逆さまの画像になってしまい、例えば、チップC4とチップC5の画像は直接比較できない。
そこで、この電子線像の取得方向による像の上下の違いを補正する。補正は、メモリに書込むとき、または読出すときに、走査の方向,試料移動ステージの方向,チップのIDなどに基づいて、信号の順序を入れ替えるようにすればよい。メモリの記憶面を4面としたので、この操作は容易に実施可能である。このように、複数のストライプ状の検査領域について、あたかも連続した検査領域であるかのように比較検査をすることができる。
図12に示した検出データが走査方向41に対して5個の場合は5面または5個のメモリが必要である。メモリの記憶面またはメモリの個数は、検出データの個数に応じて決定されるので、図3に示した回路パターンの検査装置は、検出データを記憶する面を4面以上備えたメモリ、または、検出データを記憶する4個以上のメモリを備えるようにする。
基板が半導体集積回路のプロセスウエハであり、半導体集積回路が基板に格子状に配列している場合には、検査領域の終端がチップである半導体集積回路のスクライブ領域の位置にくるようにする。すなわち、チップの端部よりもスクライブ領域に電子線の走査可能領域の端部を位置させ、チップの領域の画像に歪みが生じないようにする。これによって、画像歪みによる欠陥の検出感度の低下を防止することができる。
(参考例)
以下、第一の参考例を説明する。
図1は、検査領域の設定方法を説明するウエハの平面図である。回路パターンを形成したウエハ1を検査装置に装着すると、図1に示すように、ウエハ1の移動方向Aに対して僅かに傾きθ′を持っている。ウエハ1の移動方向Aとは、検査に必要な電子線像を形成する際に、ウエハ移動手段(図示せず)の操作自由度のうち、主に操作される方向である。移動方向とウエハ1の傾きの判定には、ウエハ1に形成されたノッチ1aを基準としている。ノッチ1aでなく、オリエントフラットを有しているウエハの場合には、それを基準とする。また、図1では、ウエハ1が傾いた例を示したが、希にではあるが、回路パターンが正規の方向に対して傾いて形成されている場合がある。この場合には、検査領域の方向とノッチの位置で決まるウエハの方向とが傾いているので、電子線走査の基準をノッチでなくチップの配列からなる検査領域に合せるようにする。なお、本実施例では、説明の簡単化の為に、検査領域3は一列のみとした。
図1において、傾きθ′が小さい場合には、図2に示すように、電子線の走査可能範囲2内に検査領域3があり、一回の走査のみで検査が可能である。しかし、傾きθ′が大きい場合には、検査領域3が走査可能範囲2からはみ出してしまい、一回の走査では検査できない。
そこで、走査を二回に分け、各々の走査可能範囲に検査領域3が含まれるようにすれば、検査領域3の全面を検査することができる。このとき、走査方向41と走査方向43の間では、電子線が移動方向42に移動するが、電子線の走査方向の制御のみ移動し、一次電子線71は、図示しないブランキング電極の作用によってブランキングされ、試料61に照射されない。
走査は、走査方向41と走査方向43の複数に分かれるが、ウエハ1の移動方向Aと速度は変化させず、移動の前後で一定であるようにする。したがって、検査としては連続して実行されることになる。この検査領域の分割は、装置が自動的に実施するようにしているので、装置の使用者はこの分割を意識せずに、検査の実行や検査領域の指定を行うことができる。
図1に示すように、走査可能範囲2の分割された部分は一部分が重複している。この部分を重複して走査されると、他の領域より照射電子量が多くなり、得られる画像が他の領域と異なったものになってしまう。したがって、重複して一次電子線71が照射されないように制御することが必要である。
走査可能範囲2と走査幅の関係について、図4から図6を用いて説明する。図4と図6は、図1中の検査領域3の部分を取り出したウエハの平面図の部分図、図5は、検出データ,有効データの時間的変化を表すタイムチャートである。
ウエハ1の傾きが大きいときには、一次電子線71の走査幅に余裕を持つことが不可欠である。この余裕の持ち方には、二通りある。
一つは、図4に示すように、走査可能範囲21の全範囲で一次電子線71を走査方向
451に示すように走査し、二次電子72を検出する。検出後、各々の走査時点での有効データを選択し、検査領域3のみを画像化する方法である。この場合、図5に示すように、検出データに対して有効データは短くなる。したがって、有効データに使用されない検出データの部分の時間は無駄時間となる。
二つ目は、図6に示すように、検査領域3の幅に沿った実際の一次電子線71の走査方向451の走査幅よりも、走査可能範囲21の幅に余裕を持たせ、走査の開始点を検査領域3に合わせる方法である。この場合、図5に示した検出データと有効データとは一致しているため、無駄時間がない。
電子線の走査可能範囲21は、大きくして余裕があるほどウエハの大きな傾きに対応できる。しかし、発明者らの知見によれば、検査の高分解能化との両立を図るならば、走査可能範囲21の現実的な値として、300マイクロメートル以内が望ましい。
検査領域3の幅が大きい場合には、一次電子線71の走査を走査可能範囲21内で3回以上に分ける。これによって、画像歪みによる欠陥の検出感度の低下を防止することができる。
全体の走査幅がこの範囲を超える場合は、試料移動ステージ56や試料ホルダ62等でウエハ1を回転させて傾きを修正するか、後述の本発明の第四の実施例を実施する。
図1に示した一次電子線71の走査による画像取得と、画像比較との関係を図7と図8で説明する。図7は、図1中の検査領域の部分を取り出したウエハの平面図の部分図。図8は、検出データ,記憶データとデータを用いた比較検査の時間変化を示すタイムチャートである。
図7において、検査領域3には、C1からC8の8個のチップが含まれており、C1からC4と、C5からC8の2つの領域に分割して二回の走査で検査する場合を例にとる。
検査の流れの概略は、図8に示すように、画像データの検出,記憶,比較から成り、パイプライン処理によって連続的に実行される。走査方向41では、チップC1からチップC4までの検出データを得る。走査43では、チップC5からチップC8までの検出データを得る。比較検査は、二つのメモリに記憶されたそれぞれの画像を比較し、差異があった部分を欠陥として検出するものである。検出データは、メモリに記憶される記憶データ1から、もうひとつのメモリに記憶される記憶データ2へと流れ、比較検査に供される。例えば、メモリに記憶されたチップC1の記憶データ1は、次の時刻には、別のメモリに記憶データ2として記憶され、記憶データ1のメモリには、チップC2が記憶データ1として記憶される。次の時刻には、比較検査において、チップC1とチップC2の差であるチップC1−2のデータが作成され、欠陥判定される。
チップC5の検出データは移動方向42の移動の後で検出されるため、チップC3とチップC4の比較とチップC4とチップC5の比較の間は、パイプライン処理を停止する。
電子線の走査の開始および最終に近い領域は、電子線の偏向量が大きいので、画像データの歪みが大きい。したがって、走査の分割部は、検査に使用する領域の外にする方が望ましい。
ひとつのストライプ状の検査領域でのチップの数が偶数の場合は、中央の2個のチップの間のチップを切断するスクライブ領域が、検査領域の丁度中央になるので、上記本実施例のように、そこで電子線の走査を分割すればよい。これによって分割部がスクライブ領域になるので、検査領域の画像の歪みを防止することができる。
チップの数が奇数の場合は、検査領域の中央で電子線の走査を分割すると、ひとつのチップの中で分割することになってしまい、そのチップの分割前の画像と分割後の画像とからひとつのチップの画像を合成しても、画像の歪みを有しているので、他のチップとの比較には使用できない。
この場合には、走査の分割部がスクライブ領域にくるように2つに分割する。それが不可能な場合は、走査の分割部がスクライブ領域にくるように3つに分割する。これによって、画像歪みによる欠陥の検出感度の低下を防止することができる。
以下、第二の参考例を説明する。
図9は、検査領域3が複数のストライプ状の場合の走査方法を示すウエハの平面図である。図1の場合と同様に、ウエハ1は移動方向Aに対して傾きθ′を持つ。検査領域は複数のストライプ状の部分の検査領域3a,3b,3c,3d,3eからなり、この図の例では5列である。
傾きθ′が小さい場合は、図2で説明したように、1つのストライプ状の領域を1回の走査で検査できるので、2.5回の往復だけで検査が終了する。図9に示す例では、傾きθ′が大きいため、それぞれのストライプ状の領域を走査方向41と走査方向43の2つに分割する。各々の走査の間では、一次電子線71の移動方向42,移動方向44の移動時に、一次電子線71をブランキングさせる。
ウエハ1の移動方向は、走査方向41のときは、紙面に対して下向きの移動方向Aに、走査方向43のときは、紙面に対して上向きの移動方向Bになる。また、これらのウエハ移動方向の反転のときは、ウエハ1をひとつのストライプ状領域分だけ、ウエハ移動方向と直角方向に移動させる。ひとつのストライプ状の領域では、図1と同様に、走査は複数に分かれるが、検査としては連続して実行する。
以下、第三の参考例を説明する。
図10は、検査領域が不連続の場合の走査方法を示すウエハの平面図である。検査領域31と検査領域32とは、不連続であるが、ウエハ1の傾きθ′が小さければ、検査領域のない部分は一次電子線71をブランキングさせるだけで、図2の場合と同様に走査可能である。ウエハ1の傾きθ′が大きい場合は、走査方向41と走査方向43との間に移動方向42に示す移動が必要になるが、図1の場合と同様に走査可能である。
以上述べたように、本実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
1.ストライプ状の検査領域を2個以上に分割し、各々の検査領域が電子線の走査可能範囲内に入るようにし、分割した検査領域の電子線像を等価的に連続した像として処理することで、検査の分解能を向上しつつ、長い検査領域を有する試料の検査が可能になる。ここで、検査領域の分割を装置が自動的に実施することにより、装置の使用者は分割を意識せずに検査領域を指定することができる。
2.上記分割部をチップ、すなわち、半導体集積回路素子のスクライブ領域に位置させるように、電子線の走査領域を分割する。これによって、画像歪みによる欠陥の検出感度の低下を防止することができる。
3.電子線を用いた検査では、電子線照射による影響が僅かながらあり、検査領域に一様に電子線を照射することが重要である。電子線像の記憶手段を少なくとも4面以上備えることにより、検査方向の違いを補正することが可能となり、非検査領域の発生を無くすことができる。また、画像間の位置ずれの検出が可能となるため、位置ずれを補正することにより検出感度を向上させることができる。
4.電子線の走査可能範囲を300マイクロメートル以内とすることにより、走査範囲を小さくできアナログ偏向器によるノイズの影響を押さえることができる。これにより、画像の分解能が上がり検出感度が向上する。
5.基板が半導体集積回路素子のプロセスウエハであれば、電子線像の比較をチップ間の対応する領域で比較することとなり、半導体集積回路素子の欠陥を検出できる。したがって、素子製造プロセス途中で不良を発見することができ、素子製造プロセスそのものの評価が可能となる。例えば、製造条件の最適化に有効である。また、不良そのものがそのチップにとって致命的な不具合であれば、以降でのそのチップの検査を省略できるなど工程の短縮などにも有効である。
6.基板が半導体集積回路のプロセスウエハであり、半導体集積回路が基板に格子状に配列している場合、検査領域の終端が半導体集積回路のスクライブ領域の位置にくるようにする。これによって、画像歪みによる欠陥の検出感度の低下を防止することができる。
検査領域の設定方法を説明するウエハの平面図。 ウエハの移動方向と電子線走査との関係を説明する基板の平面図。 回路パターンの検査装置の構成の概略を示す縦断面図と制御機能を模式的に示したブロックの構成図。 図1中の検査領域の部分を取り出したウエハの平面図の部分図。 検出データ,有効データの時間的変化を表すタイムチャート。 図1中の検査領域の部分を取り出したウエハの平面図の部分図。 図1中の検査領域の部分を取り出したウエハの平面図の部分図。 検出データ,記憶データとデータを用いた比較検査の時間変化を示すタイムチャート。 検査領域が複数のストライプ状の場合の走査方法を示すウエハの平面図。 検査領域が不連続の場合の走査方法を示すウエハの平面図。 複数のストライプ状の検査領域を検査する方法を示すウエハの平面図。 図11中の検査領域の部分を取り出したウエハの平面図の部分図。 記憶データとデータを用いた比較検査の時間変化を示すタイムチャート。
符号の説明
1…ウエハ、2,21…走査可能範囲、3,31,32…検査領域。

Claims (2)

  1. 回路パターンを有する基板の保持手段と、ほぼ直交する二方向に操作自由度を持ち前記保持手段を操作する移動手段と、前記基板に設定された複数のストライプ状の検査領域を電子線で走査して前記検査領域の電子線像を形成する手段と、前記複数のストライプ状の検査領域に含まれる第一および第二の領域の電子線像を記憶する手段と、前記第一および第二の領域の電子線像を比較し欠陥を検出する手段とを備えた回路パターンの検査装置において、前記移動手段により前記基板を連続移動させながら前記ストライプ状の検査領域に前記電子線を走査させて前記検査領域の電子線像を取得する際に、前記移動手段の前記ほぼ直交し操作自由度を持つ二方向のうちのひとつの方向に対して、前記複数のストライプ状の検査領域が大きく傾いている場合、前記移動手段は、前記複数のストライプ状の検査領域の長手方向を前記移動手段のほぼ直交する二方向に対して略45度の方向に整合させるとともに、前記ほぼ直交する二方向に対して略45度の方向へ操作されることを特徴とする回路パターンの検査装置。
  2. 回路パターンを有する基板の保持手段と、一方向へ移動する第一の移動手段と、前記第一の移動手段の移動方向と略直角方向へ移動する第二の移動手段と、前記保持手段を前記第一の移動手段と前記第二の移動手段の少なくともひとつが移動しながら前記基板に設定された複数のストライプ状の検査領域を電子線で走査して前記検査領域の電子線像を形成する手段と、前記複数のストライプ状の検査領域に含まれる第一および第二の領域の電子線像を記憶する手段と、前記第一および第二の領域の電子線像を比較し欠陥を検出する手段とを備えた回路パターンの検査装置において、さらに前記保持手段を略水平方向へ回転させる回転手段を有し、該回転手段は、前記基板の複数のストライプ状の検査領域の長手方向を前記第一の移動手段の移動方向と前記第二の移動手段の移動方向の間であって前記第二の移動手段の移動方向に対して略45度の方向に整合させ、前記移動手段により前記基板を連続移動させながら前記ストライプ状の検査領域に前記電子線を走査させて前記検査領域の電子線像を取得する際に、前記移動手段の前記ほぼ直交し操作自由度を持つ二方向のうちのひとつの方向に対して、前記複数のストライプ状の検査領域が大きく傾いている場合、前記第一の移動手段と前記第二の移動手段は、前記保持手段を前記第一の移動手段の移動方向と前記第二の移動手段の移動方向の間であって前記第二の移動手段の移動方向に対して略45度の方向に移動させることを特徴とする回路パターンの検査装置。
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