JP2020085757A - 検査装置及び検査方法 - Google Patents

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亮一 平野
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Hideaki Hashimoto
英昭 橋本
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Tsutomu Ogawa
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Abstract

【課題】疑似欠陥検出が抑制された検査装置を提供する。【解決手段】パターンを有する試料に照明光又は電子線を照射する照射源と、パターンから照射により生じる検査画像を取得する検査画像取得回路と、検査画像と第1の参照画像の差分となる第1の差分信号を取得する第1の差分信号取得回路と、第1の閾値と第1の差分信号の第1の比較を行う第1の比較回路と、第1の閾値より大きい第2の閾値と第1の差分信号の第2の比較を行う第2の比較回路と、検査画像と第2の参照画像の差分となる第2の差分信号を取得する第2の差分信号取得回路と、第1の閾値と第2の差分信号の第3の比較を行う第3の比較回路と、検査画像が欠陥及び疑似欠陥を有するか否かを判断する判断回路と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、検査装置及び検査方法に関する。例えば、電子線によるマルチビームを照射して放出されるパターンの2次電子画像を取得してパターンを検査する検査装置及び検査方法に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。これらの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスク或いはレチクルともいう。以下、マスクと総称する)を用いて、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。
そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。しかし、1ギガビット級のDRAM(ランダムアクセスメモリ)に代表されるように、LSIを構成するパターンは、サブミクロンからナノメータのオーダーになっている。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査する検査装置の高精度化が必要とされている。その他、歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。このため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査する検査装置の高精度化が必要とされている。
検査手法としては、拡大光学系を用いて半導体ウェハ等のウェハやリソグラフィマスク等のマスクといった試料の上に形成されているパターンを所定の倍率で撮像した光学画像と、設計データ、あるいは試料上の同一パターンを撮像した光学画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、検査方法として、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した光学画像データ同士を比較する「die to die(ダイ−ダイ)検査」や、パターン設計されたCADデータをマスクにパターン描画する時に描画装置が入力するための装置入力フォーマットに変換した描画データ(設計パターンデータ)を検査装置に入力して、これをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、この設計データと、パターンを撮像した測定データとなる光学画像とを比較する「die to database(ダイ−データベース)検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、検査対象基板はステージ(試料台)上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。検査対象基板には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。検査対象基板を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
上述した検査装置では、レーザ光を検査対象基板に照射して、この透過像或いは反射像を撮像することにより、光学画像を取得する。これに対して、直線上に同一ピッチで配列されるビーム列が複数列並ぶようなアレイ配列の複数の電子ビームで構成されるマルチビームを検査対象基板に照射して、検査対象基板から放出される各ビームに対応する2次電子を検出して、パターン像を取得する検査装置の開発も進んでいる。かかるマルチビームを含む電子ビームを用いた検査装置では、検査対象基板の小領域毎に走査して2次電子を検出する。
特許文献1には、画像データから擬似欠陥を検出しない第1の閾値を算出し、第1の閾値の最小値に対応する画像データを参照画像データとして選択する。そして、選択された参照画像データと他の画像データを比較し、比較結果に基づいて他の画像データごとに疑似欠陥を検出しない第2の閾値を算出する。そして、第2の閾値と参照画像データに基づいて検査条件情報を設定することが開示されている。
特開2006−118870号公報
本発明が解決しようとする課題は、疑似欠陥検出が抑制された検査装置及び検査方法を提供する点にある。
本発明の一態様の検査装置は、パターンを有する試料に照明光又は電子線を照射する照射源と、パターンから照射により生じる検査画像を取得する検査画像取得回路と、検査画像と、検査画像の参照となる第1の参照画像と、を用いて、検査画像と第1の参照画像の差分となる第1の差分信号を取得する第1の差分信号取得回路と、第1の閾値と第1の差分信号の第1の比較を行う第1の比較回路と、第1の比較において、第1の差分信号が第1の閾値より大きい第1の信号を有する場合には、第1の閾値より大きい第2の閾値と第1の差分信号の第2の比較を行う第2の比較回路と、第2の比較において、第1の差分信号が第2の閾値より小さい第2の信号を有する場合には、第2の信号を所定の欠陥カテゴリごとに分類を行う欠陥カテゴリ分類回路と、分類が行われた第2の信号の個数が所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きい場合には、第2の信号の個数が欠陥個数閾値より大きい所定の欠陥カテゴリに対応する補正パラメータの調整を行い、分類が行われた第2の信号の個数が所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きくない場合には検査を終了するパラメータ調整回路と、調整が行われた補正パラメータを用いて第2の参照画像を生成する参照画像生成回路と、検査画像と、第2の参照画像と、を用いて、検査画像と第2の参照画像の差分となる第2の差分信号を取得する第2の差分信号取得回路と、第1の閾値と第2の差分信号の第3の比較を行う第3の比較回路と、第1の比較において、第1の差分信号が第1の信号を有しない場合には、検査画像は欠陥及び疑似欠陥を有しないと判断し、第2の比較において、第1の差分信号が第2の信号を有しない場合には、検査画像は疑似欠陥を有しないと判断し、第3の比較において、第2の差分信号が第1の閾値より大きい第3の信号を有する場合には検査画像は欠陥を有するものと判断し、第3の比較において、第2の差分信号が第3の信号を有しない場合には検査画像は欠陥を有しないものと判断する判断回路と、を備える。
上述の検査装置において、第1の差分信号が第1の閾値より大きい場合には、さらに検査画像、第1の参照画像及び第1の差分信号を保存する画像保存部をさらに備えることが好ましい。
上述の検査装置において、第1の参照画像はパターンの設計データと補正パラメータから生成された画像であることが好ましい。
上述の検査装置において、第1の参照画像は欠陥を有しないパターンから生じた画像であることが好ましい。
本発明の一態様の検査方法は、パターンを有する試料に照明光又は電子線を照射し、パターンから照射により生じる検査画像を取得し、検査画像と、検査画像の参照となる第1の参照画像と、を用いて、検査画像と第1の参照画像の差分となる第1の差分信号を取得し、第1の閾値と第1の差分信号の第1の比較を行い、第1の比較において、第1の差分信号が第1の閾値より大きい第1の信号を有する場合には、第1の閾値より大きい第2の閾値と第1の差分信号の第2の比較を行い、第2の比較において、第1の差分信号が第2の閾値より小さい第2の信号を有する場合には、第2の信号を所定の欠陥カテゴリごとに分類を行い、分類が行われた第2の信号の個数が所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きい場合には、第2の信号の個数が欠陥個数閾値より大きい所定の欠陥カテゴリに対応する補正パラメータの調整を行い、分類が行われた第2の信号の個数が所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きくない場合には検査を終了し、調整が行われた補正パラメータを用いて第2の参照画像を生成し、検査画像と、第2の参照画像と、を用いて、検査画像と第2の参照画像の差分となる第2の差分信号を取得し、第1の閾値と第2の差分信号の第3の比較を行い、第1の比較において、第1の差分信号が第1の信号を有しない場合には、検査画像は欠陥及び疑似欠陥を有しないと判断し、第2の比較において、第1の差分信号が第2の信号を有しない場合には、検査画像は疑似欠陥を有しないと判断し、第3の比較において、第2の差分信号が第1の閾値より大きい第3の信号を有する場合には検査画像は欠陥を有するものと判断し、第3の比較において、第2の差分信号が第3の信号を有しない場合には検査画像は欠陥を有しないものと判断する。
本発明の一態様によれば、疑似欠陥検出が抑制された検査装置及び検査方法の提供が可能となる。
第1の実施形態の検査装置の模式構成図である。 第1の実施形態の成形アパーチャアレイ部材の構成を示す概念図である。 第1の実施形態の検査装置内のビームの軌道を説明するための図である。 第1の実施形態におけるウェハ上のパターンの検査画像を取得する方法を示す模式図である。 第1の実施形態におけるビームスキャン領域(検査画像取得領域)での、複数の電子ビームの照射のされ方を示す模式図である。 第1の実施形態の検査方法のフローチャートである。 第1の実施形態における、第1の差分信号と、第1の閾値及び第2の閾値の関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(実施形態)
本実施形態の検査装置は、パターンを有する試料に照明光又は電子線を照射する照射源と、パターンから照射により生じる検査画像を取得する検査画像取得回路と、検査画像と、検査画像の参照となる第1の参照画像と、を用いて、検査画像と第1の参照画像の差分となる第1の差分信号を取得する第1の差分信号取得回路と、第1の閾値と第1の差分信号の第1の比較を行う第1の比較回路と、第1の比較において、第1の差分信号が第1の閾値より大きい第1の信号を有する場合には、第1の閾値より大きい第2の閾値と第1の差分信号の第2の比較を行う第2の比較回路と、第2の比較において、第1の差分信号が第2の閾値より小さい第2の信号を有する場合には、第2の信号を所定の欠陥カテゴリごとに分類を行う欠陥カテゴリ分類回路と、分類が行われた第2の信号の個数が所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きい場合には、第2の信号の個数が欠陥個数閾値より大きい所定の欠陥カテゴリに対応する補正パラメータの調整を行い、分類が行われた第2の信号の個数が所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きくない場合には検査を終了するパラメータ調整回路と、調整が行われた補正パラメータを用いて第2の参照画像を生成する参照画像生成回路と、検査画像と、第2の参照画像と、を用いて、検査画像と第2の参照画像の差分となる第2の差分信号を取得する第2の差分信号取得回路と、第1の閾値と第2の差分信号の第3の比較を行う第3の比較回路と、第1の比較において、第1の差分信号が第1の信号を有しない場合には、検査画像は欠陥及び疑似欠陥を有しないと判断し、第2の比較において、第1の差分信号が第2の信号を有しない場合には、検査画像は疑似欠陥を有しないと判断し、第3の比較において、第2の差分信号が第1の閾値より大きい第3の信号を有する場合には検査画像は欠陥を有するものと判断し、第3の比較において、第2の差分信号が第3の信号を有しない場合には検査画像は欠陥を有しないものと判断する判断回路と、を備える。
本実施形態の検査方法は、パターンを有する試料に照明光又は電子線を照射し、パターンから照射により生じる検査画像を取得し、検査画像と、検査画像の参照となる第1の参照画像と、を用いて、検査画像と第1の参照画像の差分となる第1の差分信号を取得し、第1の閾値と第1の差分信号の第1の比較を行い、第1の比較において、第1の差分信号が第1の閾値より大きい第1の信号を有する場合には、第1の閾値より大きい第2の閾値と第1の差分信号の第2の比較を行い、第2の比較において、第1の差分信号が第2の閾値より小さい第2の信号を有する場合には、第2の信号を所定の欠陥カテゴリごとに分類を行い、分類が行われた第2の信号の個数が所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きい場合には、第2の信号の個数が欠陥個数閾値より大きい所定の欠陥カテゴリに対応する補正パラメータの調整を行い、分類が行われた第2の信号の個数が所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きくない場合には検査を終了し、調整が行われた補正パラメータを用いて第2の参照画像を生成し、検査画像と、第2の参照画像と、を用いて、検査画像と第2の参照画像の差分となる第2の差分信号を取得し、第1の閾値と第2の差分信号の第3の比較を行い、第1の比較において、第1の差分信号が第1の信号を有しない場合には、検査画像は欠陥及び疑似欠陥を有しないと判断し、第2の比較において、第1の差分信号が第2の信号を有しない場合には、検査画像は疑似欠陥を有しないと判断し、第3の比較において、第2の差分信号が第1の閾値より大きい第3の信号を有する場合には検査画像は欠陥を有するものと判断し、第3の比較において、第2の差分信号が第3の信号を有しない場合には検査画像は欠陥を有しないものと判断する。
そして、第1の参照画像はパターンの設計データと補正パラメータから生成された画像である。
本実施形態の検査装置及び検査方法は、die to database(ダイ−データベース)検査装置及びdie to database(ダイ−データベース)検査方法である。
また、本実施形態の検査装置及び検査方法は、試料に電子線を照射する検査装置及び検査方法である。
図1は、本実施形態における検査装置の構成を示す構成図である。図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、荷電粒子ビーム検査装置の一例である。電子ビームは、荷電粒子ビームの一例である。検査装置100は、電子光学画像取得機構(画像取得機構)155、及び制御系回路160(制御部)を備えている。電子光学画像取得機構155は、電子ビームカラム102(電子鏡筒)、検査室103、検出回路106、ストライプパターンメモリ123、駆動機構127、及びレーザ測長システム122を備えている。電子ビームカラム102内には、電子銃(照射源)201、照明レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、縮小レンズ205、制限アパーチャ基板206、対物レンズ207、主偏向器208、副偏向器209、一括ブランキング偏向器212、ビームセパレーター214、投影レンズ224、226、偏向器228、及びマルチ検出器222が配置されている。
検査室103内には、少なくともXY平面上を移動可能なXYステージ(試料台)105が配置される。XYステージ105上には、検査対象となるチップパターンが形成された基板(試料)101が配置される。基板101には、露光用マスクやシリコンウェハ等の半導体基板が含まれる。基板101は、例えば、パターン形成面を上側に向けてXYステージ105に配置される。また、XYステージ105上には、検査室103の外部に配置されたレーザ測長システム122から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー216が配置されている。マルチ検出器222は、電子ビームカラム102の外部で検出回路106に接続される。検出回路106は、ストライプパターンメモリ123に接続される。
制御系回路160では、コンピュータとなる制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、展開回路111、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、ブランキング制御回路126、偏向制御回路128、画像保存部132、検査画像取得回路138、第1の差分信号取得回路139、第1の比較回路140、第2の比較回路141、欠陥カテゴリ分類回路142、補正パラメータ調整回路143、参照画像生成回路144、第2の差分信号取得回路145、第3の比較回路146、判断回路147、閾値保存部148、補正パラメータ保存部149、欠陥個数閾値保存部150、磁気ディスク装置等の設計データ保存部109、モニタ117、メモリ118、プリンタ119、に接続されている。また、ストライプパターンメモリ123は、検査画像取得回路138に接続されている。また、XYステージ105は、ステージ制御回路114の制御の下に駆動機構127により駆動される。駆動機構127では、例えば、X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X−Y−θ)モータの様な駆動系が構成され、XYステージ105が移動可能となっている。これらの、図示しないXモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることが出来る。XYステージ105は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。そして、XYステージ105の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。レーザ測長システム122は、ミラー216からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でXYステージ105の位置を測長する。
電子銃201には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃201内の図示しないフィラメントと引出電極間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、所定の引出電極の電圧の印加と所定の温度のカソード(フィラメント)の加熱によって、カソードから放出された電子群が加速させられ、電子ビームとなって放出される。照明レンズ202、縮小レンズ205、対物レンズ207、及び投影レンズ224,226は、例えば電磁レンズが用いられ、共にレンズ制御回路124によって制御される。また、ビームセパレーター214もレンズ制御回路124によって制御される。一括ブランキング偏向器212、及び偏向器228は、それぞれ少なくとも2極の電極群により構成され、ブランキング制御回路126によって制御される。主偏向器208、及び副偏向器209は、それぞれ少なくとも4極の電極群により構成され、偏向制御回路128によって制御される。
基板101が複数のチップ(ダイ)パターンが形成された半導体ウェハである場合には、かかるチップ(ダイ)パターンのパターンデータが検査装置100の外部から入力され、設計データ保存部109に格納される。基板101が露光用マスクである場合には、かかる露光用マスクにマスクパターンを形成する基になる設計パターンデータが検査装置100の外部から入力され、設計データ保存部109に格納される。
ここで、図1では、本実施形態を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、本実施形態における成形アパーチャアレイ部材の構成を示す概念図である。図2において、成形アパーチャアレイ基板203には、2次元状(行列状)の横(X方向)N列×縦(y方向)N’段(Nは2以上の整数、N’は1以上の整数)の穴(開口部)22がx,y方向(x:第1の方向、y:第2の方向)に所定の配列ピッチLで形成されている。なお、マルチビームの縮小倍率がa倍(マルチビーム径を1/aに縮小して基板101に照射する場合)、基板101上でのx,y方向に対するマルチビームのビーム間ピッチをpとする場合、配列ピッチLは、L=(a×p)の関係となる。図2の例では、N=5、N’=5の5×5本のマルチビーム形成用の穴22が形成される場合を示している。次に検査装置100における電子光学画像取得機構155の動作について説明する。
図3は、本実施形態における検査装置内のビームの軌道を説明するための図である。電子銃(放出源)201から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202によりほぼ垂直に成形アパーチャアレイ基板203全体を照明する。成形アパーチャアレイ基板203には、図2に示すように、矩形の複数の穴(開口部)22が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴22が含まれる領域を照明する。複数の穴22の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22をそれぞれ通過することによって、例えば矩形或いは円形の複数の電子ビーム(マルチビーム、複数の電子ビーム)20a〜20d(図1及び図3の実線)が形成される。
形成されたマルチビーム20a〜20dは、この後、クロスオーバー(C.O.)を形成し、マルチビーム20のクロスオーバー位置に配置されたビームセパレーター214を通過した後、縮小レンズ205によって縮小され、制限アパーチャ基板206に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、成形アパーチャアレイ基板203と縮小レンズ205との間に配置された一括ブランキング偏向器212によって、マルチビーム20a〜20d全体が一括して偏向された場合には、この偏向されたマルチビーム20a〜20d全体は制限アパーチャ基板206の中心の穴から位置が外れ、制限アパーチャ基板206によって遮蔽される。一方、一括ブランキング偏向器212によって偏向されなかったマルチビーム20a〜20d全体は、図1に示すように制限アパーチャ基板206の中心の穴を通過する。かかる一括ブランキング偏向器212のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが一括制御される。このように、制限アパーチャ基板206は、一括ブランキング偏向器212によってビームOFFの状態になるように偏向されたマルチビーム20a〜20d全体を遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板206を通過したビーム群により、マルチビーム20a〜20dが形成される。制限アパーチャ基板206を通過したマルチビーム20a〜20dは、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像(ビーム径)となり、主偏向器208及び副偏向器209によって、制限アパーチャ基板206を通過したマルチビーム20全体が同方向に一括して偏向され、各ビームの基板101上のそれぞれの照射位置に照射される。かかる場合に、主偏向器208によって、各ビームが走査する後述する単位検査領域の基準位置をそれぞれ照射するようにマルチビーム20全体を一括偏向すると共に、XYステージ105の移動に追従するように、トラッキング偏向を行う。そして、副偏向器209によって、各ビームがそれぞれ対応する単位検査領域内のN×N’個のサブ領域を走査するようにマルチビーム20全体を一括偏向する。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的には成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22の配列ピッチL(=ap)に上述した所望の縮小率(1/a)を乗じたピッチで並ぶことになる。このように、電子ビームカラム102は、一度に2次元状のN×N’本のマルチビーム20を基板101に照射する。基板101の所望する位置にマルチビーム20が照射されたことに起因して基板101からマルチビーム20の各ビームに対応する2次電子の束(マルチ2次電子300)(図1及び図3の点線)が放出される。
基板101から放出されたマルチ2次電子300は、対物レンズ207によって、マルチ2次電子300の中心側に屈折させられ、制限アパーチャ基板206に形成された中心の穴に向かって進む。制限アパーチャ基板206を通過したマルチ2次電子300は、縮小レンズ205によって光軸とほぼ平行に屈折させられ、ビームセパレーター214に進む。
ここで、ビームセパレーター214はマルチビーム20が進む方向(光軸)に直交する面上において電界と磁界を直交する方向に発生させる。電界は電子の進行方向に関わりなく同じ方向に力を及ぼす。これに対して、磁界はフレミング左手の法則に従って力を及ぼす。このため電子の侵入方向によって電子に作用する力の向きを変化させることが出来る。ビームセパレーター214に上側から侵入してくるマルチビーム20(1次電子ビーム)には、電界による力と磁界による力が打ち消し合い、マルチビーム20は下方に直進する。これに対して、ビームセパレーター214に下側から侵入してくるマルチ2次電子300には、電界による力と磁界による力がどちらも同じ方向に働き、マルチ2次電子300は斜め上方に曲げられる。
斜め上方に曲げられたマルチ2次電子300は、投影レンズ224、226によって、屈折させられながらマルチ検出器222に投影される。マルチ検出器222は、投影されたマルチ2次電子300を検出する。マルチ検出器222は、図示しないダイオード型の2次元センサを有する。そして、マルチビーム20の各ビームに対応するダイオード型の2次元センサ位置において、マルチ2次電子300の各2次電子がダイオード型の2次元センサに衝突して、電子を発生し、2次電子画像データを後述する画素毎に生成する。マルチ検出器222がマルチ2次電子300を検出しない場合には、偏向器228でマルチ2次電子300をブランキング偏向することで受光面にマルチ2次電子300を到達させないようにすればよい。
図4は、本実施形態におけるウェハ上のパターンの検査画像を取得する方法を示す模式図である。
図4(a)は、ウェハW上に複数のショットSが形成されていることを示す模式図である。それぞれのショットS内に、検査装置100の検査対象となるパターンが形成されている。それぞれのショットSは、例えばマスクを用いた1回の露光により形成されているが、複数回の露光により形成されていても良い。
図4(b)は、検査ダイD内における、マルチビーム20のスキャンのされ方を示す模式図である。図4(b)においては、検査終了領域Z、検査ストライプU、ビームスキャン領域(検査画像取得領域)T及び検査開始領域Rが、それぞれ示されている。
図4(c)は、検査ストライプU内におけるウェハWの移動について示す模式図である。ビームスキャン領域Tを横切るように、検査ストライプU(ウェハW)を移動させる。
図5は、本実施形態におけるビームスキャン領域T(検査画像取得領域)での、複数の電子ビーム(マルチビーム20)の照射のされ方を示す模式図である。なお、成形アパーチャアレイ基板203(図2)に3×3=9本のマルチビーム形成用の穴22が形成されているものとして説明をする。
パターンの検査を行う際には、検査対象となる検査ダイDをマルチビーム20によりスキャンする。マルチビーム20は、検査ダイD内のビームスキャン領域(検査画像取得領域)Tに照射されている。このときに、ウェハWを、例えばX方向と反対の方向に、ビームスキャン領域Tを横切るように移動させる(図4(c)参照)。ウェハWの移動と共にマルチビーム20をY方向及びY方向と反対の方向に移動させることにより、ビームスキャン領域T全体をスキャン(走査)し、ビームスキャン領域Tの検査画像を取得する。
上述の作業をおこなうことにより、検査ストライプU内の検査画像の取得を行う。検査ストライプU内の検査が終了したら、ウェハWをY方向に検査ストライプUのY方向の長さ分だけ移動させ、ウェハWをX方向に移動させてさらに検査画像を取得する。これを、ビームスキャン領域Tが、検査開始領域から検査終了領域を横切るまで続けて、検査ダイD内全体の検査画像を取得する。
なお、図4(b)においては、検査ダイDとショットSの大きさは等しいものとされているが、例えばショットSの中に検査ダイDが複数個形成されていても良い。
図6は、本実施形態の検査方法のフローチャートである。
まず、XYステージ105上に、検査対象である、パターンが形成されたウェハW(基板101)を載置する。
次に、制御計算機110は、参照画像生成回路144を用いて、上述の設計データと補正パラメータから、後述する検査画像の参照となる第1の参照画像を生成する(S101)。ここで、設計データは、設計データ保存部109に保存されている。また、補正パラメータは、補正パラメータ保存部149に保存されている。そこで、制御計算機110は、設計データ保存部109から設計データを読み出し、展開回路111を用いて設計データを展開する。また、制御計算機110は、補正パラメータ保存部149から補正パラメータを読み出す。そして、制御計算機110は、参照画像生成回路144を用いて、補正パラメータと、展開された設計データと、から第1の参照画像を生成する。
本実施形態の第1の参照画像の生成においては、検査するパターンの形状又は特性の違いにより、異なる第1の参照画像が生成されるようにしている。一例を挙げて説明をすると、ラインアンドスペースパターンの場合は、基板101面内でラインが延びている方向に垂直な方向におけるラインのずれは、そのラインがつながっている限り大きな問題は生じにくいため、欠陥として検出しなくても良い。このため、第1の参照画像の生成においては、ラインが延びている方向に垂直な方向におけるラインのずれを平均化処理等することにより、検出しなくても良い疑似欠陥の検出が行われてオペレータの欠陥レビューの負荷が増加しないようにしている。補正パラメータとは、設計データから参照画像を作成する際に用いられる、パターンの形状又は特性の違いにより変化するパラメータである。なお、補正パラメータは、例えば補正パラメータ保存部149に保存されている。
次に、制御計算機110は、電子銃201を用いて、パターンを有する試料(ウェハW(基板101))に電子線を照射する(S103)。
次に、制御計算機110は、検査画像取得回路138を用いて、パターンから生じる検査画像を取得する(S105)。
次に、制御計算機110は、第1の差分信号取得回路139を用いて、検査画像と第1の参照画像から、検査画像と第1の参照画像の差分となる第1の差分信号を取得する(S107)。
次に、制御計算機110は、第1の比較回路140を用いて、第1の閾値と第1の差分信号との第1の比較を行う(S109)。ここで第1の閾値は、例えば閾値保存部148に保存されている。
第1の比較において、第1の差分信号が第1の閾値より大きい第1の信号を有しない場合、制御計算機110は、判断回路147を用いて、検査画像は欠陥及び疑似欠陥を有しないと判断し、検査を終了する(S111、S113)。一方、第1の比較において、第1の差分信号が第1の閾値より大きい第1の信号を有する場合には、制御計算機110は、第2の比較回路141を用いて、第1の閾値より大きい第2の閾値と第1の差分信号との第2の比較を行う(S111、S115)。
なお、第1の差分信号が第1の閾値より大きい場合は、検査画像、第1の参照画像及び第1の差分信号を、例えば画像保存部132に保存して、検査に役立てても良い。
第2の比較において、第1の差分信号が第2の閾値より大きい第2の信号を有しない場合、制御計算機110は、判断回路147を用いて、検査画像は疑似欠陥を有しないと判断し、言い換えると、検出された欠陥はすべて真の欠陥である判断し、検査を終了する(S117、S119)。
一方、第2の比較において、第1の差分信号が第2の閾値より大きい第2の信号を有する場合には、制御計算機110は、欠陥カテゴリ分類回路142を用いて、所定の欠陥カテゴリごとに第2の信号の分類を行う(S117、S121)。
図7は、本実施形態における、第1の差分信号と、第1の閾値及び第2の閾値の関係を示す模式図である。横軸は、各検査ストライプU内の座標に相当する。縦軸は、反応値(第1の差分信号)の強度を示している。本来は、第1の閾値(欠陥検出閾値、TH1)を用いて欠陥の検出を行うものである。しかし、疑似欠陥が多い場合、第1の閾値より大きい第1の差分信号(第1の信号)が多数検出されてしまうため、どの信号が真の欠陥でどの信号が疑似欠陥なのかを判別する上で、オペレータ等に大きな負荷がかかることとなる。そこで、本実施形態では、第1の閾値より大きな第2の閾値を導入している。そして、第2の閾値より大きな第1の差分信号であれば、これは十分に大きいため、疑似欠陥ではなく真の欠陥による信号と考える。
一方、第2の閾値より小さな第2の信号については、上述のとおり、所定の欠陥カテゴリごとに分類を行う。ここで、「所定の欠陥カテゴリ」としては、例えば、プロセスに起因する欠陥カテゴリ(Process Model)、電子ビーム照射に起因する欠陥カテゴリ(SEM Model)が考えられる。
プロセスに起因する欠陥カテゴリとしては、例えば、「コーナー丸め」による欠陥カテゴリ、「寸法バイアス」による欠陥カテゴリ、「ライン幅縮退」による欠陥カテゴリが挙げられる。
「コーナー丸め」による欠陥カテゴリとは、露光してレジストの現像を行った際に、たとえ設計データ上は角張ったパターンであっても、露光する波長のボケや、レジストに含まれる高分子の主鎖の長さの関係のため、角が丸くなることにより生じる欠陥のカテゴリである。
「寸法バイアス」による欠陥カテゴリとは、例えば、露光された部分が現像液に対して溶解するポジ型レジストの場合、露光時間が長過ぎると溶解する部分が大きくなり過ぎてしまうため、寸法が設計値とずれてしまうことにより生じる欠陥のカテゴリである。
「ライン端縮退」による欠陥カテゴリとは、露光されたレジストの現像を行った際に、ラインパターンの端が設計値と比較して縮むことにより生じる欠陥のカテゴリである。
なお、このほかのプロセスに起因する欠陥カテゴリとしては、例えば、同じパターンであったとしても、そのパターンが孤立して1個だけ設けられている場合と、そのパターンが連続して数多く設けられている(パターン密度が高い)場合では、出来上がりの寸法のずれ方が異なることに伴う欠陥のカテゴリがある。
電子ビーム照射に起因する欠陥カテゴリとしては、例えば、「コントラストによる欠陥カテゴリ」、「ビーム径に伴う欠陥カテゴリ」、「Charge効果による欠陥カテゴリ」が挙げられる。
「コントラストによる欠陥カテゴリ」とは、例えば、電子ビームを照射した場所により電子ビームの強度が異なってしまっていた場合に、それぞれの場所に応じてレジストの露光のされ方が異なることにより生じる欠陥のカテゴリである。
「ビーム径に伴う欠陥カテゴリ」とは、想定よりも電子ビームのビーム径が大きくなっていた、又は小さくなっていたために、レジストの露光のされ方が異なることにより生じる欠陥のカテゴリである。
「Charge効果による欠陥カテゴリ」とは、電子ビームを同じ場所に当てすぎたためその場所が帯電してしまったために生じる欠陥のカテゴリである。
次に、上述の分類が行われた後の、それぞれの欠陥カテゴリの第2の信号の個数が、それぞれの欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きい場合には、制御計算機110は、補正パラメータ調整回路143を用いて、第2の信号の個数が欠陥個数閾値より大きい所定の欠陥カテゴリに対応する補正パラメータの調整を行う(S123、S127)。調整された補正パラメータは、例えば補正パラメータ保存部149に保存される。逆に、上述の分類が行われた後の、それぞれの欠陥カテゴリの第2の信号の個数が、それぞれの欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きくない場合には、検査を終了する(S123)。
言い換えると、上述の「コーナー丸め」による欠陥カテゴリ、「寸法バイアス」による欠陥カテゴリ、「ライン幅縮退」による欠陥カテゴリ、「コントラストによる欠陥カテゴリ」「ビーム径に伴う欠陥カテゴリ」、「Charge効果による欠陥カテゴリ」ごとに、例えばそれぞれ欠陥個数閾値CNT1、CNT2、CNT3、CNT4、CNT5及びCNT6を設定する。次に、欠陥カテゴリごとに、第2の信号の個数と、それぞれの欠陥個数閾値を比較する。次に第2の信号の個数が欠陥個数閾値より大きい欠陥カテゴリについては、その欠陥カテゴリに起因する疑似欠陥が少なくなる参照画像が生成されるように、補正パラメータを調整する。なお欠陥個数閾値は、例えば欠陥個数閾値保存部150に保存されているものとする。
一方、上述の分類が行われた後の、それぞれの欠陥カテゴリの第2の信号の個数が、それぞれの欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きくない場合、第1の参照画像は、すでに疑似欠陥がある程度少なくなるように十分に調整されているということである。この場合には、本実施形態の検査を終了しても良い。また、例えば個々の第2の信号が疑似欠陥かあるいは真の欠陥かという点について検査をおこなっても良い。
次に、制御計算機110は、参照画像生成回路144を用いて、調整が行われた補正パラメータから、第2の参照画像を生成する(S129)。
次に、制御計算機110は、第2の差分信号取得回路145を用いて、検査画像と第2の参照画像から、検査画像と第2の参照画像との差分となる第2の差分信号を取得する(S131)。
次に、制御計算機110は、第2の比較回路141を用いて、第1の閾値と第2の差分信号との第3の比較を行う(S133)。言い換えると、第2の差分画像は、その欠陥カテゴリに起因する疑似欠陥が少なくなるように調整されたものであるから、ここでは第2の閾値より小さい第1の閾値を用いて、真の欠陥を検出しようとしている。
そして、制御計算機110は、判断回路147を用いて、第2の差分信号が第1の閾値より大きい第3の信号を有する場合には、検査画像は欠陥を有するものとする(S135、S139)。一方。第2の差分信号が第1の閾値より大きい第3の信号を有しない場合には、検査画像は欠陥を有しないものとする(S135、S137)。
参照画像を作成する際には、検査するパターンの形状をあらかじめ考慮して検出される疑似欠陥の数が少なくなるように、補正パラメータを調整して参照画像を作成する。しかし、例えばラインアンドスペースのパターンが多いものと予想して参照画像を作成していたにも関わらず、検査をしてみたらホールパターンが多かった、という場合には、参照画像の作り込みが十分でなかったため、検出される疑似欠陥の数が多くなってしまったということが生じうる。
そこで、本実施形態の検査装置及び検査方法では、第1の閾値より大きく第2の閾値より小さい信号について、欠陥カテゴリごとに分類を行う。そして、それぞれの欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値と信号の数を比較し、所定の欠陥カテゴリに属する信号の数が多過ぎる場合には、適宜補正パラメータを調整して、その欠陥カテゴリに関する疑似欠陥が検出されにくくなるように参照画像をつくりなおす。これにより、疑似欠陥検出が抑制された検査装置及び検査方法の提供が可能となるものである。
特に電子線を用いた検査の場合は、検査画像にノイズが多く、欠陥を検出しようと思っても、参照画像の作り込みの程度が十分でない場合、検出される疑似欠陥の個数が1000個や10000個といったように大変多くなってしまう。さらに、ウェハの検査を行う場合には、下層にデバイスパターンがあるためそのデバイスパターンからどのような2次電子が生じるかを予想することが難しい。このため、本実施形態のように参照画像をつくりなおす検査装置及び検査方法は好ましいものである。
本実施形態によれば、疑似欠陥検出が抑制された検査装置及び検査方法の提供が可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態の検査装置及び検査方法では、第1の参照画像は欠陥を有しないパターンから生じた画像である点で、第1の実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態の検査装置及び検査方法は、「die to die(ダイ−ダイ)検査装置」及び「die to die(ダイ−ダイ)検査方法」である。ここで、第1の実施形態と重複する点については、記載を省略する。
die to die(ダイ−ダイ)検査であっても、疑似欠陥の検出が抑制されるように参照画像を生成する(つくりなおす)ことは有用である。
本実施形態によれば、疑似欠陥検出が抑制された検査装置及び検査方法の提供が可能となる。
以上の説明において、一連の「〜回路」は、処理回路を含み、この処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「〜回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。また、「〜記憶部」、「〜保存部」又は記憶装置は、たとえば磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、ROM(リードオンリメモリ)、SSD(ソリッドステートドライブ)などの記録媒体を含む。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。上述の実施形態はあくまで、例として挙げられているだけであり、本発明を限定するものではない。また、各実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもかまわない。
例えば、上述の実施形態では、ウェハW上に形成されたパターンの検査を例にあげて説明をおこなったが、マスク上に形成されたパターンの検査であっても好ましく説明をすることが出来る。
また、上述の実施形態では、電子線を照射する照射源を用いた検査装置及び検査方法に基づいて説明を行ったが、照明光を照射する照射源を用いた場合であっても好ましく検査を行う事が出来ることは勿論である。
実施形態では、検査装置及び検査方法の構成やその製造方法等、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる検査装置及び検査方法の構成を適宜選択して用いることが出来る。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての検査装置及び検査方法は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲によって定義されるものである。
20 マルチビーム
22 穴
27 領域
28,36 画素
30,330 検査領域
31 走査領域
32 ストライプ領域
33 トラッキング領域
34 照射領域
35 フレーム領域
50,52 記憶装置
56 分割部
58 位置合わせ部
60 比較部
100 検査装置
101 基板
102 電子ビームカラム
103 検査室
105 XYステージ(試料台)
106 検出回路
107 位置回路
109 設計データ保存部
110 制御計算機
111 展開回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
119 プリンタ
122 レーザ測長システム
120 バス
123 ストライプパターンメモリ
124 レンズ制御回路
126 ブランキング制御回路
127 駆動機構
128 偏向制御回路
132 画像保存部
138 検査画像取得回路
139 第1の差分信号取得回路
140 第1の比較回路
141 第2の比較回路
142 欠陥カテゴリ分類回路
143 補正パラメータ調整回路
144 参照画像生成回路
145 第2の差分信号取得回路
146 第3の比較回路
147 判断回路
148 閾値保存部
149 補正パラメータ保存部
150 欠陥個数閾値保存部
155 光学画像取得部
160 制御系回路
200 電子ビーム
201 電子銃(照射源)
202 照明レンズ
203 成形アパーチャアレイ基板
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ基板
207 対物レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 一括ブランキング偏向器
214 ビームセパレーター
216 ミラー
222 マルチ検出器
224,226 投影レンズ
228 偏向器
300 マルチ2次電子
332 チップ
W ウェハ
S ショット
D 検査ダイ
Z 検査終了領域
U 検査ストライプ
T ビームスキャン領域(検査画像取得領域)
R 検査開始領域

Claims (5)

  1. パターンを有する試料に照明光又は電子線を照射する照射源と、
    前記パターンから前記照射により生じる検査画像を取得する検査画像取得回路と、
    前記検査画像と、前記検査画像の参照となる第1の参照画像と、を用いて、前記検査画像と前記第1の参照画像の差分となる第1の差分信号を取得する第1の差分信号取得回路と、
    第1の閾値と前記第1の差分信号の第1の比較を行う第1の比較回路と、
    前記第1の比較において、前記第1の差分信号が前記第1の閾値より大きい第1の信号を有する場合には、前記第1の閾値より大きい第2の閾値と前記第1の差分信号の第2の比較を行う第2の比較回路と、
    前記第2の比較において、前記第1の差分信号が前記第2の閾値より小さい第2の信号を有する場合には、前記第2の信号を所定の欠陥カテゴリごとに分類を行う欠陥カテゴリ分類回路と、
    前記分類が行われた前記第2の信号の個数が前記所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きい場合には、前記第2の信号の個数が前記欠陥個数閾値より大きい前記所定の欠陥カテゴリに対応する補正パラメータの調整を行い、前記分類が行われた前記第2の信号の個数が前記所定の欠陥カテゴリごとに設けられた前記欠陥個数閾値より大きくない場合には検査を終了するパラメータ調整回路と、
    前記調整が行われた前記補正パラメータを用いて第2の参照画像を生成する参照画像生成回路と、
    前記検査画像と、前記第2の参照画像と、を用いて、前記検査画像と前記第2の参照画像の差分となる第2の差分信号を取得する第2の差分信号取得回路と、
    前記第1の閾値と前記第2の差分信号の第3の比較を行う第3の比較回路と、
    前記第1の比較において、前記第1の差分信号が前記第1の信号を有しない場合には、前記検査画像は欠陥及び疑似欠陥を有しないと判断し、前記第2の比較において、前記第1の差分信号が前記第2の信号を有しない場合には、前記検査画像は前記疑似欠陥を有しないと判断し、前記第3の比較において、前記第2の差分信号が前記第1の閾値より大きい第3の信号を有する場合には前記検査画像は前記欠陥を有するものと判断し、前記第3の比較において、前記第2の差分信号が前記第3の信号を有しない場合には前記検査画像は前記欠陥を有しないものと判断する判断回路と、
    を備える検査装置。
  2. 前記第1の差分信号が前記第1の閾値より大きい場合には、さらに前記検査画像、前記第1の参照画像及び前記第1の差分信号を保存する画像保存部をさらに備える請求項1記載の検査装置。
  3. 前記第1の参照画像は前記パターンの設計データと前記補正パラメータから生成された画像である請求項1又は請求項2記載の検査装置。
  4. 前記第1の参照画像は前記欠陥を有しない前記パターンから生じた画像である請求項1又は請求項2記載の検査装置。
  5. パターンを有する試料に照明光又は電子線を照射し、
    前記パターンから前記照射により生じる検査画像を取得し、
    前記検査画像と、前記検査画像の参照となる第1の参照画像と、を用いて、前記検査画像と前記第1の参照画像の差分となる第1の差分信号を取得し、
    第1の閾値と前記第1の差分信号の第1の比較を行い、
    前記第1の比較において、前記第1の差分信号が前記第1の閾値より大きい第1の信号を有する場合には、前記第1の閾値より大きい第2の閾値と前記第1の差分信号の第2の比較を行い、
    前記第2の比較において、前記第1の差分信号が前記第2の閾値より小さい第2の信号を有する場合には、前記第2の信号を所定の欠陥カテゴリごとに分類を行い、
    前記分類が行われた前記第2の信号の個数が前記所定の欠陥カテゴリごとに設けられた欠陥個数閾値より大きい場合には、前記第2の信号の個数が前記欠陥個数閾値より大きい前記所定の欠陥カテゴリに対応する補正パラメータの調整を行い、
    前記分類が行われた前記第2の信号の個数が前記所定の欠陥カテゴリごとに設けられた前記欠陥個数閾値より大きくない場合には検査を終了し、
    前記調整が行われた前記補正パラメータを用いて第2の参照画像を生成し、
    前記検査画像と、前記第2の参照画像と、を用いて、前記検査画像と前記第2の参照画像の差分となる第2の差分信号を取得し、
    前記第1の閾値と前記第2の差分信号の第3の比較を行い、
    前記第1の比較において、前記第1の差分信号が前記第1の信号を有しない場合には、前記検査画像は欠陥及び疑似欠陥を有しないと判断し、
    前記第2の比較において、前記第1の差分信号が前記第2の信号を有しない場合には、前記検査画像は前記疑似欠陥を有しないと判断し、
    前記第3の比較において、前記第2の差分信号が前記第1の閾値より大きい第3の信号を有する場合には前記検査画像は前記欠陥を有するものと判断し、
    前記第3の比較において、前記第2の差分信号が前記第3の信号を有しない場合には前記検査画像は前記欠陥を有しないものと判断する、
    検査方法。
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