JP3817962B2 - 形状測定方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状測定方法および装置に関し、詳しくは半導体製造用のウエハなど、面方向における厚みの変動が少ないことが要求される薄板材の厚み変動を測定する方法と、その方法に用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造用のウエハは、シリコンなどの薄板材からなる。ウエハ表面に半導体素子や回路を作製するには、写真製版技術や印刷技術、各種の微細加工技術などが適用される。
このようなウエハに対する加工処理の際には、ウエハ表面の平坦度を高めることが重要である。ウエハ表面の平坦度が劣ると、写真製版の際に、素子や回路のパターンがウエハ表面に不鮮明に作成されたり、ウエハ表面にパターン状に印刷される材料の輪郭が不明確になったりする。特に、半導体素子や回路の高密度化あるいは大型化が進むほど、上記問題は重要になる。
【0003】
半導体製造工程では、ウエハの全面を平坦な支持面に真空吸着などの手段で全面で保持して各種加工を行うことが多い。このとき、ウエハの厚みに場所によるバラツキがあると、ウエハの裏面を平坦な支持面に密着させて支持したときに、厚みのバラツキがそのままウエハ表面の平坦度のバラツキとして表れる。
そこで、ウエハの厚みにバラツキすなわち場所による変動を生じさせないことが要求される。ウエハの製造工程などで、製造されたウエハの厚み変動が大きいか否かを評価するには、ウエハの厚み変動を正確かつ能率的に測定することが必要になる。
【0004】
従来におけるウエハの厚み変動測定装置として、特開平10−70162号公報に示された技術がある。この技術では、円盤状のウエハを垂直に立てた状態で回転させながら、ウエハの両面側方に配置された容量変位センサで、センサに対するウエハ表面の変位を測定し、左右のセンサで測定されたウエハ表面の変位からウエハの厚み変動の大きさを算出する。ウエハを回転させながら、容量変位センサをウエハの半径方向に走査することで、ウエハの全面に対する厚み変動の測定が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のウエハ厚み変動測定装置では、厚み変動の測定精度に限界があり、高精度あるいは高密度な半導体素子や回路の製造に必要とされる高精度の厚み変動測定には十分に対応できない。
前記測定装置に用いられている容量変位センサは、センサとウエハ表面との間の静電容量を電気的に計測して、センサに対するウエハの変位を測定する。そのため、ウエハの材質や電気的特性が変わったり、同じウエハの場所によって電気的特性にバラツキがあると、容量変位センサで測定されるウエハの厚み変動の精度を低下させてしまう。ウエハの外周縁近くでは、正確な容量が測定できず、厚み変動を評価できないため、ウエハの外周縁部分、例えば外周から3mm程度の幅については半導体製造に利用できないとされており、ウエハ材料が無駄になっている。容量変位センサは、ウエハの導電特性によっては測定が技術的に困難な場合がある。また、センサとウエハとの間の空間の環境条件によっても測定に大きな影響が生じる。
【0006】
近年、半導体素子や回路の高密度化に合わせて、ウエハの厚み変動の測定を、0.01μm以下の精度で行うことが要求されているが、このような高精度の厚み変動測定を容量変位センサで実現するのは原理的に不可能に近い。従来の容量変位センサでは、0.05μm程度の精度が限界であるとされている。
半導体装置製造用のウエハ以外にも、磁気ディスク用の基板など、厚み変動の精度として極めて高い精度が要求される技術分野がある。
【0007】
本発明の課題は、ウエハなどの薄板材の厚み変動を高精度で能率的に測定できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる形状測定方法は、被測定物である薄板材を回転させる被測定物支持手段の速度制御指令値の加減速パターンと変位計の測定位置を被測定物の半径方向に走査させる測定走査手段の速度制御指令値の加減速パターンとを同一の設定とすることにより同期させて変位計を被測定物の表面で走査させ、被測定物の表面に測定光を照射し、被測定物の表面で反射した測定光を受光して被測定物の表面の変位を測定する。
〔薄板材〕
厚み変動を高精度で測定することが要求される薄板材であれば、各種の材料および形状寸法からなるものに適用できる。導電材料でも絶縁材料でも構わない。場所によって材質あるいは電気的特性が異なる材料でも良い。複数材料の積層体であっても良い。
【0009】
具体的には、シリコンなどの半導体ウエハ、磁気ディスクの材料となる金属板、セラミック板、樹脂板などが挙げられる。
薄板材の形状は、前記ウエハなどは円板状あるいは円盤状をなすものが多いが、円形以外の形状であっても良い。
薄板材の表面が、鏡面などの光の反射性に優れた特性を有するものが好ましい。触針反射器を用いる場合には、薄板材の表面は反射性のないものであっても構わない。
〔厚み変動測定装置〕
一対の光学式変位計を対向して備え、光学式変位計の中間に薄板材を配置できる構造を備えている。
【0010】
基本的には前記特開平10−70162号公報に開示された装置構造が採用できる。
薄板材を回転自在に支持できれば、光学式変位計に対して薄板材を回転させながら円周方向に場所を変えて測定を行うことができる。光学式変位計が、薄板材の回転半径方向に移動自在であれば、薄板材の半径方向に場所を変えて測定を行うことができる。薄板材の回転と光学式変位計の半径方向移動を組み合わせれば、薄板材の全面に対して測定を行うことができる。光学式変位計の本体は移動させず、薄板材への測定光の照射位置および反射した光の受光位置を変更する光学系を備えておいても同様の機能が達成される。このような走査測定は、生産現場における品質管理などを能率的に行うのに適している。
【0011】
一対の光学式変位計で測定されたそれぞれの変位計に対する薄板材の両面の変位を合計演算すれば、薄板材の厚みの変動が求められる。このような演算を行って薄板材の厚み変動を求める厚み変動算出手段としては、電子回路で構成することができる。マイクロコンピュータ等の演算処理装置を用いて、演算処理手順をプログラミングしておくことができる。
〔光学式変位計〕
被対象物に測定光を照射して、被対象物の表面で反射した測定光を受光することで、被対象物までの距離あるいは距離の変化を測定し、被対象物の表面の変位を測定する機能を有する計測器あるいは計測装置が使用される。
【0012】
具体的には、三角測量の原理を利用するものやレーザ光の干渉作用を利用するもの、ホログラフィ技術を利用するものなどが知られている。測定光として、単一波長の光を用いる方法と、複数波長の光を用いる方法がある。光学式の三次元形状測定装置や形状認識センサの技術が利用できる。
光学式変位計として、以下に説明する装置が使用できる。
【0013】
基準となる参照光と前記測定光とを含む出力光を生成する光出力部と、前記出力光を、前記測定光と参照光とに分岐するとともに、分岐された測定光を光学レンズを介さずに薄板材の表面に照射し、薄板材の表面で反射した測定光と前記参照光とを再び混合する光分岐混合部と、前記光分岐混合部で混合された測定光と参照光との混合光を受光し、演算処理して、変位計に対する薄板材の表面の変位を算出する受光演算部とを備えている。
【0014】
上記装置では、変位計から薄板材の表面までの距離の違いによって測定光の行程は変化するのに対し、参照光の行程は一定である。そこで、測定光と参照光の行程差を測定することで、薄板材の表面の変位が求められる。光出力部から出力される測定光と参照光の波長を違えておくことで、同じ受光演算部に受光される測定光と参照光との行程差を容易に検出することができる。
【0015】
光出力部では、レーザ発振器などを用いて正確に波長が制御された参照光および測定光が生成される。光分岐混合部は、偏向ビームスプリッタやλ/4波長板、ミラーなどの光学系で構成される。受光演算部は、光電変換素子や電気信号の処理回路、演算回路などで構成される。
上記のような装置の具体的構造として、本発明者らが先に発明し特許出願している特開平3−255907号公報に開示された三次元形状測定装置の技術が適用できる。
【0016】
前記光生成部と前記光分岐混合部との間に、前記出力光を収束させて光分岐混合部に供給する収束レンズを備えておくことができる。
収束レンズは、薄板材に照射される測定光を絞り込んで、薄板材の狭い範囲のみに測定光を照射し、測定精度を高める機能がある。この収束レンズを、光分岐混合部と薄板材との間ではなく、光生成部と光分岐混合部の間に配置することで、光分岐混合部から薄板材までの行程を短くして、変位計と薄板材との間に介在する空気揺らぎの影響を低減することができる。
【0017】
光分岐混合部と受光演算部との間に、混合光を収束させて受光演算部に供給する収束光学系を備えておくことができる。収束光学系は、レンズやミラーなどの光学部材で構成される。収束光学系は、受光演算部の受光面に正確に混合光を受光させることで測定精度を向上させる。通常、薄板材の表面には傾きがあるため、薄板材の表面で反射した測定光は、受光演算部までの光学経路に対して傾きあるいはズレを生じる。この傾きやズレで、受光演算部の受光面に正確に測定光が受光されなくなる。収束光学系を備えていれば、測定光に傾きやズレがあっても受光面に確実に収束させることができる。
〔触針反射器〕
光学式変位計で薄板材の表面変位を測定する場合、薄板材の表面の反射性が悪いと、測定光の反射光が十分に得られず測定が困難になったり測定結果が不正確になり易い。薄板材の表面に場所によって反射性にバラツキがある場合には、測定結果にもバラツキが生じ易くなる。
【0018】
触針反射器を備えておくことで、薄板材の表面の反射性を原因とする上記問題が解消される。
触針反射器は、薄板材の表面に当接し、薄板材の表面の変位に追随して移動し、前記測定光を反射する反射面を有する。
触針反射器の一般的な構造は、微小な先端を有し、ダイアモンドなどの硬質材料からなる接触子と、接触子の背面に配置され、反射率の高い鏡面に仕上げられた反射面とを有している。
【0019】
触針反射器を、薄板材の表面に追従させて接離方向に移動可能にするには、バネ板などで構成され弾力的に変形可能な支持腕に、針部および反射面を片持式に支持して、バネ板の弾力的な変形により針部および反射面を移動可能にしておくことができる。
支持腕として、薄板材の表面と平行に間隔をあけて配置された一対の平行な板片からなる平行板状支持腕が使用できる。このような、一対の平行な板片で構成される平行四辺形の機構は、いわゆる平行リンク機構と呼ばれる構造である。薄板材の表面の変位によって、接触子を支持する平行板状支持腕を変形させると、一対の板片が平行を保った平行四辺形を維持したままで変形する。平行板状支持腕の先端に支持された接触子および反射面が、同じ姿勢を保ったままで平行移動を行う。接触子および反射面の姿勢が変わらなければ、測定光を正確に同じ方向に反射させて、前記受光部で受光される測定光の傾きやズレを低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔装置の全体構造〕
図1の実施形態は、半導体ウエハ用の厚み変動測定装置の全体構造を示している。
ウエハwは、垂直に立てられた状態で円環状の中空スピンドル10に保持されており、中空スピンドル10の回転駆動によってウエハwは垂直面内で回転する。ウエハwの両面側方にそれぞれ光学式変位計20が配置されている。図では、表側のみが示されているが、裏側にも表側と対称位置に光学式変位計20が配置されている。一対の光学式変位計20は全体が、ウエハwの面と平行な方向に移動自在に取り付けられており、光学式変位計20による変位の測定位置は、ウエハwの半径上を左右に移動する。具体的には、光学変位計20の取付台22を、ボールネジ24の回転駆動によって直線的に移動させる。
〔光学式変位計〕
図2に示すように、ウエハwの両側の光学式変位計20、20は、それぞれ測定光学系30、30と受光部50、50とを有するとともに、一つのレーザ出力装置40から出力された光で動作する。
【0021】
レーザ出力装置40は、周波数安定化He−Neレーザが用いられ、参照光L0 と測定光L1 とが混合された出力光L0 +L1 を出力する。レーザ出力装置40から出力された出力光L0 +L1 は、複数のミラー42およびアイソレータ44を経て、ビームスプリッタ46で2方向に分割される。分割された出力光L0 +L1 は、さらに複数のミラー42を経て、ウエハwの両側の測定光学系30、30へと供給される。
【0022】
測定光学系30では、図3に詳しく示すように、出力光L0 +L1 が、収束レンズ32で絞り込まれたあと、分岐混合部となる偏光ビームスプリッタ34に供給される。収束レンズ32は、出力光L0 +L1 を絞り込むことで、測定光L1 をウエハwの表面位置に正確に収束させて照射する。但し、この実施形態では、ウエハwの表面に直接に収束させるではなく、触針反射器60の反射面に収束させている。偏光ビームスプリッタ34では、測定光L1 はそのまま真っ直ぐに進み、参照光L0 は直角方向に反射して、両者が分岐される。このような分岐は、レーザ出力装置40で出力される測定光L1 と参照光L0 との偏光方向の違いによって生じる。
【0023】
測定光L1 はλ/4波長板37を通過したあと、ウエハwの表面に向かう。ウエハwの表面には触針反射器60が当接しており、測定光L1 は触針反射器60で反射されて、再び偏光ビームスプリッタ34へと戻される。偏光ビームスプリッタ34を出た参照光L0 は、λ/4波長板36を通過したあと、参照ミラー38で反射して再び偏光ビームスプリッタ34に戻る。偏光ビームスプリッタ34から参照ミラー38までの距離は、偏光ビームスプリッタ34から触針反射器60までの距離と同じに設定されている。
【0024】
参照光L0 は偏光ビームスプリッタ34を直進する。測定光L1 は偏光ビームスプリッタ34で直角方向に反射されて参照光L0 と同じ方向に進むことになる。その結果、偏光ビームスプリッタ34からは、参照光L0 と測定光L1 との混合光L0 +L1 が出力される。但し、それまでの光の行程が、測定光L1 では触針反射器60までの距離によって変わり、参照光L0 では変わらないので、両方の光の行程差あるいは位相差が生じている。
【0025】
偏光ビームスプリッタ34から出力される混合光L0 +L1 は、複数のミラー52、コリメートレンズ54、フォーカスレンズ56を経て、受光部50に入力される。コリメートレンズ54は、混合光L0 +L1 を平行光にし、フォーカスレンズ56は、混合光L0 +L1 を受光部50の受光面に収束させて、測定光L1 がウエハwの表面で反射することで生じる傾きやズレを修正し、受光部50の受光面に確実に入力させる。受光部50では、光信号を電気信号に変換したり、参照光L0 と測定光L1 の波長や位相を電気的に分析し、そのデータを演算処理することで、ウエハwの表面位置あるいはその変化を数値情報として得る。参照光L0 と測定光L1 とを干渉させることで、前記した行程あるいは位相の違いを拡大あるいは明確化させて干渉縞として現出させれば、光電変換素子においてウエハwの変位情報を電気的信号として取り出し易くなる。
【0026】
ウエハwの表面に沿って場所を変えて、上記のような測定を行うことで、ウエハwの場所による表面位置の変動すなわち変位が求められる。ウエハwの両面に配置された光学式変位計20、20で、ウエハwの表面変位をそれぞれ測定する。ウエハwの両面の表面変位を合計したものが、ウエハwの厚み変動を表す。
なお、厚み変動の測定では、ウエハwの厚みそのものを測定する必要はなく、面方向における厚みの違いやバラツキを厚み変動として測定すればよいが、左右の光学式変位計20、20の間隔が判っていれば、両方の変位計20、20に対するウエハwの位置情報からウエハwの厚みを知ることができる。
〔測定動作〕
図4は、光学式変位計20によるウエハwの全面に対する表面変位の測定を行う方法を説明する。
【0027】
ウエハwは前記したように垂直面内で1方向に回転させる。これに対し、光学式変位計20を、ウエハwの外周Aから中心Bに向かって半径方向に移動させながら、表面変位の測定を行う。そうすると、ウエハwに対して、光学式変位計20の位置は軌跡Sで示す渦巻き線に沿って移動することになる。この軌跡S上で、適宜の間隔をあけて、光学式変位計20によるウエハwの表面変位の測定を行えば、ウエハwの全面に対する表面変位の測定が能率的に行える。光学式変位計20の移動は、水平方向に直線的に半径A−Bの距離だけ行えばよいので、光学式変位計20の作動機構が簡単になる。
〔加減速過程〕
なお、ウエハwに対する表面変位の測定は、ウエハwの回転を開始して、回転速度が一定になってから行ってもよいが、以下に説明する方法がより能率的である。
【0028】
図5に示す動作線図は、1回の測定タクトにおける、ウエハwの回転速度(角速度ω)の変化(a) と、光学式変位計20の直線移動速度Vxの変化(b) を示している。
中空スピンドル10に保持されたウエハwをモータなどで回転させるときには、ウエハwおよび中空スピンドル10の回転部材などが有する慣性モーメントがあるため、回転開始時に直ちに所定の回転速度にすることはできず、回転速度ω=0の状態から徐々に回転速度ωが増加して、一定時間後に所定の速度に達する。測定終了時に回転を止めたときも、回転速度ωは徐々に低下して、一定時間経過後に0に戻って停止する。
【0029】
同様に、光学式変位計20の直線移動についても、移動の開始時には速度Vx=0の状態から徐々に速度が増える。移動の終了時は速度Vxが徐々に低下して0に戻る。
したがって、ウエハwの回転速度ωが一定速度の間だけ測定を行うようにしていると、測定開始前の加速時間および測定終了後の減速時間が、本来の測定時間のほかに必要となり、測定タクトが長くなってしまう。
【0030】
ウエハwの回転速度ωが一定速度になってから測定を行おうとすると、ウエハwの回転速度ωが停止状態から一定の速度に達するまでの加速時間は、測定ができない時間になるから、当然、その分だけ測定タクト時間が延びるのである。
そこで、図5に示す方法では、ウエハwの回転開始と同時に光学式変位計20の直線移動を開始し、さらに光学式変位計20による変位測定(データ取り込み)も開始する。ウエハwの回転速度および光学式変位計20の速度は徐々に増加する。光学式変位計20は、ウエハwの外周位置Aから移動を開始する。
【0031】
ウエハwの回転速度と光学式変位計20の直線移動速度あるいは移動位置を、ロータリエンコーダや位置センサなどのセンサで検出し、マイクロコンピュータなどの演算手段で演算処理し、その結果にもとづいてウエハwおよび光学式変位計20の駆動モータなどを制御して、ウエハwと光学式変位計20との運動を同期させれば、前記図4に示す渦巻き状の軌跡Sに沿って、ウエハwと光学変位計20とを相対的に移動させることができる。軌跡Sの上に設定された所定位置毎に、光学式変位計20による変位測定を行う。
【0032】
図5(b) に示すように、光学式変位計20が、外周Aから半径A−Bの半ば近くになるまでは移動速度Vxを加速し、一定の速度(例えば、Vx=8mm/sec)に達すると、直ちに減速して、中心位置Bで停止させる。一定速度で維持する段階は必要ない。図5(a) に示すように、ウエハwの回転速度ωは、回転開始から、光学式変位計20の移動速度Vxのピーク時点までは加速し、最大速度(例えば、ω=240rpm )に達した後、前記ピーク時点からは減速して、光学式変位計20の停止と同時に回転を停止させる。
【0033】
上記のような動作を行わせることで、一定速度に達してから測定を開始し、測定を終了してから減速停止を行う方法に比べて、測定タクトを大幅に削減することができる。
〔触針反射器〕
前記実施形態では、図3に示されているように、測定光L1 をウエハwの表面で直接に反射させるのではなく、触針反射器60で反射させることで、間接的にウエハw表面の変位を測定している。
【0034】
図6〜8に示すように、触針反射器60は、光学式変位計20のウエハw側の先端に取り付けられている基部61と、接触子62と反射面64とを有する応動部63とが、平行板状支持腕65により連結されている
【0035】
接触子62は、ダイアモンドで作製され、先端が10μm程度の小さなものであり、先端をウエハwの表面に当接して、実質的に点接触で当接する。反射面64はガラスや金属の鏡面で構成され、測定光L1 を効率良く反射する。測定光L1 の照射方向に対して反射面64は正対し、その測定光L1 の照射方向を延長した先に接触子62の先端が配置されている。
【0036】
平行板状支持腕65は、図7に示すように、バネ板などの弾力的に変形容易な材料からなる2枚の板片66、66が上下に間隔をあけて平行に配置されている。基部61と応動部63とで固定された2枚の平行な板片66、66は、平行四辺形のリンク機構、いわゆる平行リンク機構を構成している。板片66、66は、例えば、厚さが10μm程度、長さが10mm程度の板バネ材で作製される。
【0037】
図8に示すように、板片66、66の平面外形は、基部61側が広く、応動部63側が狭い台形状をなし、この台形状の外形の中央に一回り小さな台形状の切り抜き部67が貫通している。残った部分の板片66、66は、左右に間隔をあけて配置された細い帯部68、68が、基部61側では広く応動部63側では狭くなった「ハ」字形に配置された構造になっている。
【0038】
このような構造の触針反射器60において、光学式変位計20に対して、ウエハwの表面が上方側に変位すると、接触子62はウエハwの表面に押されて上方に移動し、平行板状支持腕65を上方に押し上げる。前記した平行リンク機構を構成する上下の板片66、66は、板片66と板片66とが平行状態を保ったままで別個に上方側に反るように変形するので、応動部63は基部61に対して実質的に平行状態を保ったままで上下動する。応動部63に備えた反射面64も平行移動をするので、測定光L1 に対して正対した状態のままで上下移動が行われる。その結果、ウエハwの表面の変位に関わらず、常に測定光L1 の入射方向と同じ方向に反射光を戻すことができる。
【0039】
ウエハwの表面変位は上下両方向に生じる可能性がある。触針反射器60を予めウエハwの表面に軽く押し付けて、平行板状支持腕65を弾力的に変形させた状態で測定を行えば、上下両方向の表面変位に対して、接触子62をウエハwに確実に当接させることができる。具体的には、平行板状支持腕65が100μm程度の弾力変形をした状態で配置しておくことができる。
【0040】
前記したように、測定光L1 の反射光の方向が傾いたりズレたりすると、受光部50の受光面で正確に受光することが困難になるが、前記した平行リンク機構を構成する平行板状支持腕65を用いる触針反射器60であれば、反射光の傾きやズレを生じ難くすることができる。
また、前記した左右の帯部68、68で構成される平面「ハ」字形構造を有する平行板状支持腕66を備えていれば、応動部68が「ハ」字形の左右方向に傾くこと、あるいは、平行板状支持腕65に捩じれが生じることを有効に阻止でき、測定光L1 の反射方向をより適正に維持することができる。
【0041】
なお、上記反射光の傾きやズレを防止する機能は、前記したフォーカスレンズ56と共通する機能である。したがって、触針反射器60を備えていれば、フォーカスレンズ56は無くても目的の機能は達成される。但し、触針反射器60に加えてフォーカスレンズ56も備えておけば、より高い機能を発揮させることができる。
【0042】
また、触針反射器60を使用することで、反射面64による高い効率での反射機能が発揮できる。ウエハwの表面が反射率の低い材料であったり、場所によって反射率が違うような構造でも、反射率が高く、しかも常に一定である反射面64で測定光L1 を反射させれば、常に正確で安定した変位測定が可能になる。
【0043】
【発明の効果】
本発明にかかる形状測定方法では、一対の光学式変位計で薄板材の両面における表面の変位を測定して、その結果にもとづいて薄板材の厚み変動を測定することにより、従来知られていた容量変位センサを用いる方法などに比べて、正確で高精度な測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表す測定装置全体の斜視図
【図2】測定機構の全体構造図
【図3】要部の詳細構造図
【図4】ウエハに対する測定動作を説明する模式図
【図5】ウエハおよび光学式変位計の経時的動作を示す線図
【図6】触針反射器の斜視図
【図7】同上の側面図
【図8】同上の底面図
【符号の説明】
10 中空スピンドル
20 光学式変位計
30 測定光学系
32 集束レンズ
34 偏光ビームスプリッタ
38 参照ミラー
40 レーザ出力装置
50 受光部
56 フォーカスレンズ
60 触針反射器
0 参照光
1 測定光
w ウエハ

Claims (4)

  1. 被測定物を回転させる被測定物支持手段の速度制御指令値の加減速パターンと変位計の測定位置を前記被測定物の半径方向に走査させる測定走査手段の速度制御指令値の加減速パターンとを同一の設定とすることにより同期させて前記変位計を前記被測定物の表面で走査させ、前記被測定物の表面に測定光を照射し、前記被測定物の表面で反射した測定光を受光して前記被測定物の表面の変位を測定する形状測定方法。
  2. 変位計は、基準となる参照光と測定光とを含む出力光を光分岐混合部にて前記測定光と参照光とに分岐するとともに、分岐された前記参照光を参照面に照射し、かつ分岐された前記測定光を被測定物の表面に照射し、前記被測定物の表面で反射した測定光と前記参照面で反射した参照光とを前記光分岐混合部にて再び混合して前記出力光が前記光分岐混合部に入射される方向と異なる方向に混合光を出射し、前記混合光を受光して被測定物の表面の変位を算出する請求項1記載の形状測定方法。
  3. 被測定物を回転自在に支持する被測定物支持手段と、前記被測定物の表面に測定光を照射し、前記被測定物の表面で反射した測定光を受光して前記被測定物の表面の変位を測定する変位計と、前記変位計の測定位置を前記被測定物の半径方向に走査する測定走査手段と、前記被測定物支持手段の速度制御指令値の加減速パターンと前記測定走査手段の速度制御指令値の加減速パターンとを同一の設定とすることにより同期させる制御手段とを備える形状測定装置。
  4. 変位計は、基準となる参照光と測定光とを含む出力光を生成する光出力部と、前記出力光を前記測定光と参照光とに分岐するとともに、分岐された前記参照光を参照面に照射し、かつ分岐された前記測定光を被測定物の表面に照射し、前記被測定物の表面で反射した測定光と前記参照面で反射した参照光とを再び混合して前記出力光が入射される方向と異なる方向に混合光を出射する1つの光分岐混合部と、前記光分岐混合部から出射された前記混合光を受光して被測定物の表面の変位を算出する受光演算部と、前記光分岐混合部と前記参照面との間に配置された第一のλ/4波長板と、前記光分岐混合部と前記被測定物との間に配置された第二のλ/4波長板とを備える請求項3記載の形状測定装置。
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