JP3817302B2 - 画像生成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パノラマ撮影モードを有する電子カメラシステム等に用いて好適な画像生成装置に関し、特に、画像の一部が重複する複数の画像を接合させてパノラマ画像を生成する画像生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画界の一部が重複するように撮影して得られた複数の画像を合成してパノラマ画像(以下、合成画像とも言う)を生成する画像生成装置として、例えば、特開平5−122606に開示されている画像合成処理装置がある。
この画像合成処理装置は、接合すべき複数の画像を互いに一部重複するように撮影し、接合される画像の端部の領域の輝度差又は色度差を求め、輝度差又は色度差が「0」もしくは最小値を取る領域を重複するように連結することにより画像を合成する装置である。これにより、上記画像合成処理装置は、複数の画像を接合するための撮像装置や撮像対象を精密に移動させて位置決めする必要がないため簡便で、しかも画像間に輝度差又は色度差を用いて連結位置を求めるため、正確に連結性を失うことなく画像を合成することができる。
【0003】
また、上述のような画像生成装置において、画界の一部が重複するように撮影して得られた複数の画像から画角の広いパノラマ画像を生成する場合、2つの画像の重複する領域内の同一な点が一致するようにアフィン変換等の幾何学変換を行って2つの画像を平面上で連結する、という処理が行われる。
具体的に説明すると、まず、カメラを水平方向にパンニングして2つの画像を撮影する場合、図35に示すように、カメラレンズの被写体側の主点Oをパンニング動作の際に略一致させるようにして撮影する。
ここで、上記図35において、I1,I2は、各々パンニング動作前後の撮像面であり、h1はパンニング動作前に撮影した画像の水平方向の視野、h2はパンニング動作後に撮影した画像の水平方向の視野である。
そこで、カメラレンズの水平視野の角度を「θ」とすると、撮像面I1,I2から各々左右に「θ」の広さの視野の画像が得られる。したがって、2つの画像の重複する角度を「α」とすると、2つの画像から得られる画像の水平方向の視野は、(2θ−α)となる。
このとき、2つの撮像面I1,I2に対して略均等な角度でカメラの前に長方形の枠がある平面が存在する場合、2つの撮像面I1,I2の画像は、図36に示すような画像a,bとなる。この2つの画像a,bにマフィン変換処理を行い、例えば、拡大及び画像平面内での回転を含まない平行移動のみで2つの画像a,bを合成すると、図37に示すような合成画像abが得られる。
【0004】
しかし、上述のようにして得られた合成画像abは、上記図37に示すように、重複部分Pabにおいて枠線が二重に生じてしまい、不自然な画像になってしまっていた。これは、撮影時での2つの撮像面I1,I2が空間的に1つの平面内に存在しないため、画像平面内での平行移動、拡大及び画像平面内での回転では、正確に画像を合成できないためである。
【0005】
そこで、上述のような重複部分Pabでの画像の不自然さを解消するために、特開平5−14751には、画像の一部が重複するように撮影して得られた複数の画像を円柱面上に投影して幾何学変換することにより画像を合成するパノラマ画像取り込み装置が開示されている。
このパノラマ画像取り込み装置によれば、2つの撮像面I1,I2の各画像a,bを一旦共通の円柱面上に投影変換することにより、重複部分Pabで枠線が2重に生じる様なことなく、不自然さのない合成画像を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各画像の重複部の輝度差又は色度差が「0」もしくは最小値を取る領域を接合して各画像を合成するような従来の画像生成装置は、輝度差又は色度差が「0」もしくは最小値を取る領域を単純に接合していたため、接合する画像に対して接合される画像が回転している画像であったり、接合する画像と接合される画像の間に倍率比が生じている場合には、合成画像の画質が著しく低下してしまっていた。
【0007】
また、各画像を円柱面に投影し幾何学変換して各画像を合成するような従来の画像生成装置は、例えば、水平方向及び垂直方向の両方向にパンニンングして撮影して得られた複数の画像を合成した場合、平行移動のみを行って得られた上記図37の合成画像abと同様に、合成画像の重複部分において枠線が二重に生じるような不自然な画像となってしまっていた。
例えば、長方形の枠を4回のフレーミングで撮影した場合、図38に示すような4つの画像c1〜c4が得られる。そこで、円柱面上への画像の投影は行わずに平行移動のみで画像c1〜c4を合成すると、図39に示すように、重複部分Pcにおいて枠線が二重に生じるような不自然な合成画像cとなり、一旦円柱面上への画像の投影を行って平行移動して画像c1〜c4を合成した場合も、図40に示すように、重複部分Pc’において枠線が二重に生じるような不自然な合成画像c’となってしまっていた。
また、このことは、パンして撮影して得られた2つの画像を水平方向に合成する場合においても、撮影時に多少のカメラのチルトが生じた場合には合成画像の重複部分において枠線が二重に生じるような不自然な画像になってしまうことを意味している。
【0008】
そこで、本発明は、上記の欠点を除去するために成されたもので、常に高画質のパノラマ画像を簡便に得る画像生成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像生成装置は、撮影手段により画面の一部が重複するように被写体像を複数画面に分割して撮影し、上記撮影手段で得られた一連の複数の画像を合成して合成画像を生成する画像生成装置であって、撮影時の撮影条件を検出する検出手段と、上記撮影手段で得られた複数の画像と共に各画像に対応して上記検出手段により検出された撮影条件を記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶された一連の複数の画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段と、上記画像合成手段を制御する制御手段とを備え、上記画像合成手段は、上記撮影条件に対応した複数の合成手段からなり、上記制御手段は、各画像に対応する撮影条件に基づいて上記複数の合成手段を選択的に切り替え、上記制御手段により選択的に切り替えられた合成手段は、一連の複数の画像を合成することを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記画像合成手段に、各画像の重複部分における対応点を検出する対応点検出手段と、各画像に座標変換処理を施して合成画像を生成する座標変換手段と、上記対応点検出手段で検出された対応点に基いて撮影パラメータを生成するパラメータ生成手段とを設け、上記座標変換手段は、上記パラメータ生成手段で生成された撮影パラメータを用いて上記座標変換処理を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記検出手段により、撮影条件として撮影時の焦点位置情報を検出し、上記画像合成手段は、近距離撮影により得られた一連の複数の画像を合成する近距離合成手段と、遠距離撮影により得られた一連の複数の画像を合成する遠距離合成手段とを備え、上記制御手段は、各画像に対応する焦点位置情報により合成する一連の複数の画像が近距離撮影により得られたものであるか遠距離撮影により得られたものであるかを判別し、その判別結果に基づいて上記近距離合成手段と上記遠距離合成手段を選択的に切り替えることを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記画像合成手段に、各画像に対応する撮影条件に基づいて各画像の重複部分の画素値を変換する変換手段を設けることを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記検出手段により、撮影条件として撮影時の露出情報を検出し、上記変換手段は、各画像に対応する露出情報に基づいて各画像の重複部分の濃度レベルを補正することを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記画像合成手段に、各画像に対応する撮影条件に基づいて各画像を球面上に投影変換して球面投影画像を生成する球面投影変換手段を設け、上記球面投影変換手段で得られた複数の球面投影画像を合成することを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記球面投影変換手段により、撮影時の焦点距離に基づいた半径を有する球面に投影変換することを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記画像合成手段に、上記球面投影変換手段で得られた複数の球面投影画像を合成した合成画像を平面上に投影変換して平面投影合成画像を生成する平面投影変換手段を設けることを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記画像合成手段に、処理対象となる画像が上記球面投影画像であるか上記平面投影合成画像であるかを示す投影面タイプ情報を上記画像に付加する付加手段を設けることを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記画像合成手段に、上記球面投影変換手段で得られた複数の球面投影画像を合成した合成画像の視野に応じて、上記合成画像と上記平面投影合成画像を選択的に切り換えて出力する出力手段を設けることを特徴とする。
また、本発明に係る画像生成装置は、上記撮影手段に、複数の撮像手段を設け、上記検出手段により検出された撮影条件に基づいて上記複数の撮像手段の各光軸の向きを制御する光軸制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明によれば、撮影手段で被写体像を撮影する際の撮影条件を検出手段により検出する。記憶手段は、上記撮影手段により得られた一連の複数の画像を記憶すると共に、上記検出手段により得られた撮影条件を各画像に対応させて記憶する。そして、制御手段は、各画像に対応する撮影条件に基づいて、複数の合成手段を適応的に切り換える。これにより、合成する一連の複数の画像に対して、適切な合成手段が選択され、適切な合成処理が行われる。
また、本発明によれば、対応点検出手段は、合成する一連の複数の画像の重複部分における対応点を検出する。パラメータ生成手段は、座標変換手段で合成処理を行う際に用いる撮影パラメータを、上記対応点検出手段で検出された対応点に基づいて生成する。そして、上記座標変換手段は、上記パラメータ生成手段で得られた撮影パラメータを用いて合成処理を行う。
また、本発明によれば、上記検出手段は、撮影条件として撮影時の焦点位置情報を検出する。したがって、上記記憶手段には、各画像に対応して焦点位置情報が記憶される。上記制御手段は、合成する一連の複数の画像に対応した焦点位置情報により、それらの画像が近距離撮影により得られたものであるか、又は遠距離撮影により得られたものであるかを判定する。そして、制御手段は、その判定結果により、近距離撮影であった場合には近距離合成手段を選択し、遠距離撮影であった場合には遠距離合成手段を選択する。これにより、近距離撮影で得られた一連の複数の画像は、上記近距離合成手段で適切な合成処理により合成され、遠距離撮影で得られた一連の複数の画像は、上記遠距離合成手段で適切な合成処理により合成される。
また、本発明によれば、変換手段は、合成する一連の複数の画像に対応する撮影条件に基づいて、各画像の重複部分の画素値を変換する。これにより、隣り合う各画像の連結部付近の画像が変換される。
また、本発明によれば、上記検出手段は、撮影条件として撮影時の露出情報を検出する。したがって、上記記憶手段には、各画像に対応して焦点位置情報が記憶される。上記変換手段は、合成する一連の複数の画像に対応する露出情報に基づいて、各画像の重複部分の濃度レベルを補正する。
また、本発明によれば、上記画像合成手段は、合成する一連の複数の画像に対応する撮影条件に基づいて、球面投影変換手段により得られた複数の球面投影画像を合成する。
また、本発明によれば、上記球面投影変換手段は、撮影時の焦点距離に基づいた半径を有する球面に投影変換して、合成する複数の球面投影画像を生成する。
また、本発明によれば、上記画像合成手段は、上記球面投影変換手段で得られた複数の球面投影画像を合成し、平面投影変換手段により、その合成画像を再度平面上に投影変換して平面投影合成画像を生成する。
また、本発明によれば、付加手段は、上記球面投影変換手段で得られた画像には、球面投影画像であることを示す投影面タイプ情報を付加し、上記平面投影変換手段で得られた画像には、平面投影合成画像であることを示す投影面タイプ情報を付加する。
また、本発明によれば、上記画像合成手段は、上記球面投影変換手段で得られた複数の球面投影画像を合成し、その合成画像の視野に応じて、出力手段により上記合成画像と上記平面投影合成画像を選択的に切り換えて出力する。
また、本発明によれば、光軸制御手段は、上記検出手段により検出された撮影条件に基づいて複数の撮像手段の各光軸の向きを制御する。したがって、上記複数の撮像手段により、画像の一部が重複するように分割して撮影される。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の第1の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
本発明に係る画像生成装置は、例えば、図1に示すような電子カメラシステム100に適用される。
この電子カメラシステム100は、例えば、撮影した被写体のRGB成分の輝度情報としての各画素データが二次元配列のディジタル画素データとして得られる電子スチルカメラからなる。
また、電子カメラシステム100において、画像合成処理部172は、計算機からなり、この画像合成処理部172は、予め設定されたプログラムに従って動作するようになされている。
さらに、画像合成処理部172は、外部記憶装置である画像メモリ130を有しており、画像メモリ130は、上記ディジタル画素データを記憶するようになされている。
【0013】
すなわち、電子カメラ100は、上記図1に示すように、撮像部110と、撮像部110の出力が供給される映像信号処理部107と、映像信号処理部107の出力が各々供給される画像メモリ130、合焦検出部142及び露出検出部143と、映像信号処理部107と接続されたホワイトバランス検出部141及び信号処理ユニット190と、信号処理ユニット190の出力が供給されるコントローラ120と、コントローラ120の出力が各々供給されるズーム制御部121、フォーカス制御部122、絞り制御部123、シャッタ制御部124及びフラッシュ制御部125と、信号処理ユニット190に接続された撮影モード設定部160及び入出力インターフェース(I/F)部170と、I/F部170の出力が供給される画像合成処理部172と、画像合成処理部172の出力が供給される表示部173とを備えており、信号処理ユニット190の出力は撮像部110及び画像メモリ130にも供給され、合焦検出部142及び露出検出部143の各出力は信号処理ユニット190に供給され、画像メモリ130の出力はI/F部170に供給されるようになされている。
また、電子カメラシステム100は、フラッシュ制御部125により制御されるフラッシュ109と、レリーズボタン検出部150とを備えており、レリーズボタン検出部150の出力は信号処理ユニット190に供給されるようになされている。
そして、撮像部110は、被写体側から順次設けられた撮像レンズ101、絞り102、シャッタ108及び撮像素子103と、撮像素子103の出力が供給される増幅器104と、増幅器104の出力が供給される自動利得制御(AGC)回路105と、AGC回路105の出力が供給されるアナログ/ディジタル(A/D)変換器106とを備えており、AGC回路105に信号処理ユニット190の出力が供給され、A/D変換器106の出力は映像信号処理部107に供給されるようになされている。
【0014】
上述のような電子カメラシステム(以下、単に電子カメラと言う)100は、撮影モード設定部160を操作することにより、通常撮影モード及びパノラマ撮影モードを設定することができるようになされている。
【0015】
そこで、まず、電子カメラ100がパノラマ撮影モードに設定され、近距離の対象物、又は遠距離の対象物をパノラマ撮影する場合についての概略を説明する。
【0016】
例えば、電子カメラ100で図2に示すような近距離の原稿10を撮影する場合、図3に示すように、先ず、電子カメラ100を位置P11に設置して原稿10の領域R11を撮影し、次に、電子カメラ100を位置P12に設置して原稿10の領域R12を撮影する。このとき、領域R11と領域R12を互いに一部が重複するように撮影する。
したがって、位置P11での撮影では、図4に示すような画像I11が得られ、位置P12での撮影では、同図に示すような画像I12が得られる。
ここで、電子カメラ100では、近距離の対象物をパノラマ撮影する(以下、近距離パノラマ撮影と言う)場合、電子カメラ100を移動する際のパラメータとして、上記図3に示すように、上下左右の並進Δx及びΔyと、光軸回りの回転角θと、光軸に沿った並進による倍率の変化fとを用い、画像I11と画像I12を合成する際、上記パラメータに基づいて座標変換処理を行うことにより、図5に示すような合成画像I13を得ることができるようになされている。
【0017】
一方、電子カメラ100で図6に示すような遠距離の風景20をパノラマ撮影する場合、近距離パノラマ撮影時とは異なり、電子カメラ100を上下左右に並進させても撮影領域は殆どかわらない。
このため、上記図6に示すように、先ず、電子カメラ100を位置P21に設置した状態において、座標系XYZ、各座標軸まわりの回転角を「Ψ」、「Φ」及び「θ」とし、Y軸まわりの回転(パン)あるいはX軸まわりの回転(チルト)の動作を行うことにより、風景20の領域R21を撮影する。また、位置P22及びP23においても、位置P21の場合と同様にして、パンあるいはチルト動作を行うことにより、風景20の領域R22及びR23を撮影する。このとき、領域R21と領域R22を互いに一部が重複するように、また、領域R22と領域R23を互いに一部が重複するように撮影する。
したがって、位置P21での撮影では、図7に示すような画像I21が得られ、位置P22での撮影では、同図に示すような画像I22が得られ、位置P23での撮影では、同図に示すような画像I23が得られる。
ところで、遠距離の対象物をパノラマ撮影する(以下、遠距離パノラマ撮影と言う)場合、電子カメラ100をパンしながら撮影するため、上記図7に示すように、風景20の中央の領域R22に対応した画像I22を基準とした場合、風景20の両端の領域R21、R23に対応した画像I21及びI23の被写体像に点線L21及びL23で示す台形状の歪みが発生する。
このような台形状の歪みは、近距離パノラマ撮影時の画像合成処理では一般には考慮されていないため、近距離パノラマ撮影時の画像合成処理と同様にして3つの画像I21〜I23を合成すると、画質劣化が生じた合成画像が得られることとなる。
そこで、この電子カメラ100では、遠距離パノラマ撮影時には、電子カメラ100を移動する際のパラメータとして、各座標軸まわりの回転角Ψ、Φ及びθを用い、3つの画像I21〜I23を合成する際、上記パラメータに基づいて座標変換処理を行うことにより、図8に示すような台形状の歪みのない合成画像I24を得ることができるようになされている。
【0018】
すなわち、電子カメラ100は、パノラマ撮影モード設定時において、撮影状態が近距離パノラマ撮影又は遠距離パノラマ撮影であるかを判別し、その判別結果に応じた画像合成処理を行うようになされている。
【0019】
以下、上記図1を用いて、電子カメラ100について具体的に説明する。
【0020】
先ず、被写体像は、撮像レンズ101により、絞り102を介して撮像素子103の受光面に投影される。
このとき、撮像レンズ101のズーム位置及びフォーカス位置は、ズーム制御部121及びフォーカス制御部122により制御され、絞り102の絞り量は、絞り制御部123により制御される。
【0021】
撮像素子103は、CCD(Charged Coupled Device)等からなり、受光した被写体像を電気信号に変換して増幅器104に供給する。
増幅器104は、撮像素子103からの電気信号(以下、映像信号と言う)を増幅してAGC回路105に供給する。
AGC回路105は、信号処理ユニット190からの制御信号に基づいて、増幅器104からの映像信号を増幅又は減衰してA/D変換器106に供給する。A/D変換器106は、AGC回路105からの映像信号をディジタル化して画像データとして映像信号処理部107に供給する。
このとき、信号処理ユニット190は、映像信号処理部107に供給された画像データの信号レベルを検出し、検出した信号レベルが所定のレベルより低い場合には、AGC回路105で映像信号に与える利得が上がるような制御信号を生成してAGC回路105に供給し、検出した信号レベルが所定のレベルより高い場合には、AGC回路105で映像信号に与える利得が下がるような制御信号を生成してAGC回路105に供給する。
これにより、AGC回路105から出力される映像信号は、映像信号処理部107で行われる信号処理に適した所定のレベル幅の信号となる。
【0022】
映像信号処理部107は、A/D変換器106からの画像データに所定の信号処理を施して画像メモリ130に記憶すると共に、ホワイトバランス検出部141、合焦検出部142及び露出検出部143に各々供給する。
ホワイトバランス検出部141は、映像信号処理部107からの画像データのホワイトバランスの状態を検出し、その検出結果を映像信号処理部107に供給する。
合焦検出部142は、映像信号処理部107からの画像データから撮像レンズ101の焦点を検出し、その検出結果を信号処理ユニット190に供給する。
露出検出部143は、映像信号処理部107からの画像データから撮像素子103における露光量を検出し、その検出結果を信号処理ユニット190に供給する。
【0023】
映像信号処理部107は、ホワイトバランス検出部141からの検出結果に基づいて、A/D変換器106からの画像データに対してカラーバランスの調整を行う。したがって、画像メモリ130には、カラーバランスの調整が行われた画像データが記憶されることとなる。
信号処理ユニット190は、合焦検出部142及び露出検出部143からの各検出結果に基づいて、撮影条件設定のための制御信号を生成してコントローラ120に供給する。また、信号処理ユニット190は、後述する撮影条件に関する情報を画像メモリ130に記憶する。
コントローラ120は、信号処理ユニット190からの制御信号に基づいて、ズーム制御部121、フォーカス制御部122、絞り制御部123、シャッタ制御部124及びフラッシュ制御部125に各々制御信号を供給する。
【0024】
したがって、ズーム制御部121、フォーカス制御部122及び絞り制御部123は、各々、コントローラ120からの制御信号に基づいて、撮像レンズ101のズーム位置、撮像レンズ101のフォーカス位置、及び絞り102の絞り量が適切な状態となるように制御することとなる。
【0025】
上述のようにして、電子カメラ100における撮影条件が適切に設定される。
【0026】
次に、撮影者は、撮影モード設定部160を操作することにより、撮影モードを通常撮影モード又はパノラマ撮影モードに設定して撮影を開始する。
また、撮影者は、レリーズボタン検出部150の図示していない第1及び第2ストロークを操作することにより、撮影条件のロック又は撮影の実行を指示する。
【0027】
撮影モード設定部160は、撮影者の操作により、どの撮影モードが設定されたかを検出し、その検出結果を信号処理ユニット190に供給する。
レリーズボタン検出部150は、撮影者の上記第1及び第2ストロークの操作により、各ストロークが押し下げられたかを検出し、各ストロークに対応した2つの第1及び第2検出信号を信号処理ユニット190に供給する。
【0028】
信号処理ユニット190は、撮影モード設定部160からの検出結果により、設定された撮影モード応じた制御信号を生成してコントローラ120に供給する。
また、信号処理ユニット190は、レリーズボタン検出部150からの第1検出信号により、第1ストロークが押し下げられたと判断した場合には、撮影条件がロックされるような制御信号を生成し、レリーズボタン検出部150からの第2検出信号により、第2ストロークが押し下げられたと判断した場合には、シャッタ動作が行われるような制御信号を生成してコントローラ120に供給する。コントローラ120は、信号処理ユニット190からの制御信号に基づいて、ズーム制御部121、フォーカス制御部122、絞り制御部123、シャッタ制御部124及びフラッシュ制御部125に各々制御信号を供給すると共に、シャッタ制御部124及びフラッシュ制御部125にも供給する。
【0029】
したがって、撮像レンズ101のズーム位置、撮像レンズ101のフォーカス位置、及び絞り102の絞り量は、撮影者の操作に応じた状態となる。また、シャッタ制御部124がコントローラ120からの制御信号に基づいてシャッタ108を制御することにより、シャッタ108が撮影者の操作に応じたシャッタ速度に制御され、フラッシュ制御部125がコントローラ120からの制御信号に基づいてフラッシュ109を制御することにより、撮影者の操作に応じてフラッシュ109のON/OFF動作が制御される。
【0030】
上述のようにして撮影が開始されると、映像信号処理部107から出力される画像データは、信号処理ユニット190により予め記憶されている撮影条件と共に、画像メモリ130に記憶される。
【0031】
すなわち、画像メモリ130には、図9に示すように、ヘッダ部Hとデータ部Dからなる画像データが記憶される。
ヘッダ部Hには、画像データの番号Noと、撮影モードに応じた識別情報Pxが書き込まれ、撮影条件に関する情報fc,fl,s,vが信号処理ユニット190により予め書き込まれる。
ここで、ヘッダ部Hに書き込む撮影条件に関する情報fc,fl,s,vは、例えば、フォーカス情報fc、焦点距離fl、絞りs、シャッタ速度vとする。一方、データ部Dには、例えば、パノラマ撮影モード設定時に得られた上記図7に示したような一連の画像I21、I22、I23の各データが、画像データ番号No2、3、4に対応して書き込まれる。
この場合、ヘッダ部Hに書き込まれる識別情報Pxは、画像I21、I22、I23が一連のパノラマ画像であることを示す識別情報P1として書き込まれる。
【0032】
したがって、画像メモリ130に記憶された複数の画像データにおいて、識別情報Pxが同一である画像が一組のパノラマ画像となる。
これにより、この電子カメラ100では、画像メモリ130に記憶された複数の画像データを合成してパノラマ画像を生成する場合、各画像データに付加されている識別情報Pxを判別することにより、自動的に画像合成処理を行うことができるようになされている。このような画像合成処理は、画像合成処理部172で行うようになされており、例えば、使用者が図示していない画像出力操作部を操作することにより行われる。
【0033】
すなわち、使用者により上記画像出力操作部が操作されると、上記画像出力操作部は、その操作に応じた信号を信号処理ユニット190に供給する。
信号処理ユニット190は、上記画像出力操作部からの信号に基づいて、例えば、パノラマ画像の出力動作を示す制御信号を画像メモリ130及びI/F回路170に各々供給する。
これにより、画像メモリ130に記憶されている複数の画像データは、I/F回路170を介して画像合成処理部172に供給される。
【0034】
画像合成処理部172は、例えば、図10に示すように、上記図1のI/F回路170からの画像データが入出力(I/O)回路172aを介して供給される画像情報分離部172fと、画像情報分離部172fの出力が供給されるコントローラ172e及び画像メモリ172gと、画像メモリ172gの出力が供給される対応点検出部172b、近距離撮影座標変換処理部172i及び遠距離撮影座標変換処理部172jと、近距離撮影座標変換処理部172i及び遠距離撮影座標変換処理部172jの各出力が供給される合成画像メモリ172hと、対応点検出部172bの出力が供給されるセレクタ172kと、セレクタ172kの出力が供給される近距離撮影パラメータ抽出部172c及び遠距離撮影パラメータ抽出部172dとを備えており、近距離撮影座標変換処理部172iには近距離撮影パラメータ抽出部172cの出力も供給され、遠距離撮影座標変換処理部172jには遠距離撮影パラメータ抽出部172dの出力も供給されるようになされている。
また、コントローラ172eは、画像メモリ172gと対応点検出部172bに接続されている。
そして、合成画像メモリ172hの出力は、I/O回路172aを介して上記図1の表示部173等に供給されるようになされている。
【0035】
この画像合成処理部172において、先ず、画像情報分離部172fは、I/O回路172aからの画像データ、すなわち上記図9に示したような画像データをヘッダ部とデータ部に分離し、データ部の情報(以下、画像情報と言う)を画像メモリ172gに記憶すると共に、ヘッダ部の情報(以下、ヘッダ情報と言う)をコントローラ172eに供給する。
コントローラ172eは、画像情報分離部172fからのヘッダ情報に基づいて画像合成処理部172の各部を制御する。
【0036】
例えば、コントローラ172eは、画像情報分離部172fからのヘッダ情報を基に、パノラマ撮影で得られた一連の複数の画像情報を画像メモリ172gから読み出して対応点検出部172bに供給する。
対応点検出部172bは、コントローラ172eからの複数の画像情報において、各画像の重複部分の対応点を検出する。この対応点の検出は、相関法やテンプレートマッチング法等が用いられる。そして、対応点検出部172bは、検出した対応点をセレクタ172kに供給する。
【0037】
ここで、上述したように、近距離パノラマ撮影及び遠距離パノラマ撮影に応じた最適な画像合成処理を行うために、コントローラ172eは、処理対象となる一連の複数の画像が近距離パノラマ撮影で得られたものであるか、又は遠距離パノラマ撮影で得られたものであるかを、画像情報分離部172fからのヘッダ情報により判別する。
【0038】
すなわち、コントローラ172eは、例えば、画像情報分離部172fからのヘッダ情報に含まれるフォーカス情報fcを用いて、フォーカス情報fcと所定のしきい値の大小関係を検出し、フォーカス情報fcが所定のしきい値以上であった場合には遠距離パノラマ撮影、フォーカス情報fcが所定のしきい値より小さい場合には近距離パノラマ撮影であると判別する。そして、コントローラ172eは、その判別結果をセレクタ172kに供給する。
また、コントローラ172eは、上記判別結果に基づいて、上述のようにして画像メモリ172gから読み出した一連の複数の画像情報を近距離撮影座標変換処理部172i又は遠距離撮影座標変換処理部172jに供給する。
セレクタ172kは、コントローラ172eからの判別結果に応じて、対応点検出部172bからの対応点を近距離撮影パラメータ抽出部172c又は遠距離撮影パラメータ抽出部172dに供給する。
【0039】
したがって、コントローラ172eの判別結果により、処理対象となる一連の複数の画像が近距離パノラマ撮影で得られたものであった場合、近距離撮影パラメータ抽出部172cに対応点検出部172bで得られた対応点が供給され、近距離撮影座標変換処理部172iに合成する一連の複数の画像情報が供給される。
この場合、近距離撮影パラメータ抽出部172cは、対応点検出部172bからの対応点から、上記図3に示したような上下左右の並進Δx及びΔyと、光軸回りの回転角θと、光軸に沿った並進による倍率の変化fとをパラメータとして抽出し、そのパラメータを近距離撮影座標変換処理部172iに供給する。
近距離撮影座標変換処理部172iは、近距離撮影パラメータ抽出部172cからのパラメータに基づいて、コントローラ172eにより供給された一連の複数の画像情報に座標変換処理を施して合成画像を生成し、その合成画像を合成画像用メモリ172hに書き込む。
【0040】
一方、コントローラ172eの判別結果により、処理対象となる一連の複数の画像が遠距離パノラマ撮影で得られたものであった場合、遠距離撮影パラメータ抽出部172dに対応点検出部172bで得られた対応点が供給され、遠距離撮影座標変換処理部172jに合成する一連の複数の画像情報が供給される。
この場合、遠距離撮影パラメータ抽出部172dは、対応点検出部172bからの対応点から、上記図6に示したような各座標軸まわりの回転角Ψ、Φ及びθをパラメータとして抽出し、そのパラメータを遠距離撮影座標変換処理部172jに供給する。
遠距離撮影座標変換処理部172jは、遠距離撮影パラメータ抽出部172dからのパラメータに基づいて、コントローラ172eにより供給された一連の複数の画像情報に座標変換処理を施して合成画像を生成し、その合成画像を合成画像用メモリ172hに書き込む。
【0041】
したがって、合成画像用メモリ172hには、撮影状況に応じた適切な画像合成処理により得られた合成画像が書き込まれ、この合成画像は、I/O部172aを介して上記図1の表示部173に供給され、表示部173により画面表示される。
【0042】
上述のように、電子カメラ100では、撮影して得られた画像データを画像メモリ130に記憶する際、撮影モードに応じた識別情報Pxを各画像データに対応させて記憶すると共に、撮影時の撮影条件に関する情報として、フォーカス情報fc、焦点距離fl、絞りs、シャッタ速度v等も各画像データに対応させて記憶するようになされているため、処理対象となる画像データがどの撮影モードで撮影されたものであるか、また、パノラマ撮影モードに関しては、撮影状況が近距離パノラマ撮影であるか遠距離パノラマ撮影であるかを容易に判別することができる。また、識別情報Pxが同一であるか否かを判別することにより、画像メモリ130に記憶された複数の画像データから一連のパノラマ画像を容易に判別することができるため、画像合成処理を自動的に行うことができる。
また、電子カメラ100では、画像合成処理を行う際に、撮影状況に応じて適切な画像合成処理を自動的に選択するようになされているため、近距離パノラマ撮影で得られた複数の画像データに対して最適な画像合成処理を行うことができ、遠距離パノラマ撮影で得られた複数の画像データに対して最適な画像合成処理を行うことができる。
また、電子カメラ100では、合成する複数の画像において、各画像の重複部分の対応点から撮影パラメータを抽出し、抽出した撮影パラメータを用いて画像処理を行うようになされているため、使用者は、画像を合成するための特別な操作を行う必要はない。
したがって、電子カメラ100は、画像合成する複数の画像が近距離パノラマ撮影された画像であっても遠距離パノラマ撮影された画像であっても、画質が劣化することなく、簡便にしかも常に高画質のパノラマ画像を得ることができる。
【0043】
尚、上記図10の画像合成処理部172では、合成する画像用の画像メモリ172gと、合成画像用の合成画像用メモリ172hとを各々設けることとしたが、1つの画像メモリを合成する画像用と合成画像用で共用するようにしてもよい。
また、I/O部172aから出力される合成画像は、ハードディスク等の記録部に保存されるようにしてもよい。
【0044】
つぎに、本発明の第2の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0045】
本発明に係る画像生成装置は、例えば、図11に示すような画像合成処理部182を備える電子カメラシステムに適用される。
この電子カメラシステム(以下、単に電子カメラと言う)は、上述した電子カメラ100に設けられた上記図10の画像合成処理部172の代わりに上記図11の画像合成処理部182を設けたものである。
【0046】
尚、この電子カメラにおいて、画像合成処理部182の構成及び動作以外は、上述した電子カメラ100と同様であるため、画像合成処理部182以外の各部についての詳細な説明は省略する。
また、上記図11の画像合成処理部182において、上記図10の画像合成処理部172と同様に動作する箇所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0047】
すなわち、画像合成処理部182は、上記図11に示すように、球面写像変換処理部182aを備えており、球面写像変換処理部182aには、セレクタ172kの出力が供給されるようになされている。
また、対応点検出部172bは、セレクタ172kの後段に設けられており、コントローラ172e及び画像メモリ172gの各出力がセレクタ172kに供給され、セレクタ172kの出力が対応点検出部172bに直接供給されると共に球面写像変換処理部182aを介して対応点検出部172bに供給されるようになされている。
さらに、画像合成処理部182では、撮影パラメータ抽出部及び座標変換処理部としては、近距離撮影パラメータ抽出部172c及び近距離撮影座標変換処理部172iのみが設けられており、対応点検出部172bの出力が近距離撮影パラメータ抽出部172cに供給され、近距離撮影パラメータ抽出部172cの出力が近距離撮影座標変換処理部172iに供給されるようになされている。
したがって、画像メモリ172gの出力は、近距離撮影座標変換処理部172iに供給され、近距離撮影座標変換処理部172iの出力が合成画像用メモリ172hに供給されるようになされている。
【0048】
以下、画像合成処理部182の動作について説明する。
【0049】
先ず、上記図10の画像合成処理部172と同様にして、画像情報分離部172fは、I/O回路172aからの画像データをヘッダ部とデータ部に分離し、画像情報を画像メモリ172gに記憶すると共に、ヘッダ情報をコントローラ172eに供給する。
コントローラ172eは、画像情報分離部172fからのヘッダ情報に含まれるフォーカス情報fcを用いて、処理対象となる一連の複数の画像が近距離パノラマ撮影で得られたものであるか、又は遠距離パノラマ撮影で得られたものであるかを判別し、その判別結果をセレクタ172kに供給する。
また、コントローラ172eは、画像情報分離部172fからのヘッダ情報に含まれる焦点距離f1もセレクタ172kに供給する。
【0050】
セレクタ172kは、コントローラ172eからの判別結果により、処理対象となる一連の複数の画像が近距離パノラマ撮影で得られたものであった場合には、その一連の複数の画像情報を画像メモリ172gから読み出して直接対応点検出部172bに供給する。
一方、処理対象となる一連の複数の画像が遠距離パノラマ撮影で得られたものであった場合、セレクタ172kは、その一連の複数の画像情報を画像メモリ172gから読み出して球面写像変換処理部182aに供給すると共に、コントローラ172eからの焦点距離f1を球面写像変換処理部182aに供給する。
【0051】
したがって、球面写像変換処理部182aには、遠距離パノラマ撮影により得られた複数の画像を合成する場合に、その複数の画像情報及び焦点距離f1が供給されることとなる。
【0052】
球面写像変換処理部182aは、セレクタ172kからの複数の画像情報に対して、球面写像変換処理を施す。
【0053】
この球面写像変換処理とは、図12に示すように、任意の画像I31に接する球面30を仮定し、上記図1の撮影レンズ101の主点Oについて画像I31を球面30に投影することにより、球面画像I32を生成する処理のことである。
【0054】
そこで、球面写像変換処理部182aに供給される複数の画像情報を、例えば、任意の位置で遠距離パノラマ撮影して得られた画像I31と、任意の角度パンニングして得られた画像I33とした場合、球面写像変換処理部182aは、図13に示すように、セレクタ172kからの焦点距離f1を用いて、焦点距離f1として画像I31を球面30に投影することにより球面画像I32を生成し、また、焦点距離f1として画像I33を球面30に投影することにより球面画像I34を生成する。
【0055】
したがって、焦点距離f1が同一で、かつ光軸まわりの回転がない場合、球面写像変換処理部182aで得られた球面画像I32と球面画像I34は、球面30上で連続しているため、上記図3に示したような上下左右の並進Δx及びΔyのみを座標変換処理で用いるパラメータとすることにより、球面画像I32と球面画像I34を合成することができる。
しかし、実際には、焦点距離f1及び光軸まわりの回転θの誤差等があるため、ここでは、座標変換処理を行う際に、上下左右の並進Δx及びΔyと、焦点距離f1と、光軸まわりの回転θとを上記パラメータとして用いる。
すなわち、この電子カメラでは、遠距離パノラマ撮影により得られた複数の画像を合成する場合にも、上述した近距離パノラマ撮影により得られた複数の画像を座標変換する際に用いたパラメータと同一のパラメータを用いて座標変換処理を行うことにより、合成画像を得るようになされている。
【0056】
したがって、対応点検出部172bには、撮影状況に応じて、セレクタ172kからの複数の画像情報、又は球面写像変換処理部182aからの複数の球面画像の情報が供給される。
対応点検出部172bは、供給された複数の画像情報において、各画像の重複部分の対応点を検出し、検出した対応点、及びセレクタ172k又は球面写像変換処理部182aからの複数の画像情報を近距離撮影パラメータ抽出部172cに供給する。
近距離撮影パラメータ抽出部172cは、対応点検出部172bからの対応点から、上記図3に示したような上下左右の並進Δx及びΔyと、光軸回りの回転角θと、光軸に沿った並進による倍率の変化fとをパラメータとして抽出し、抽出したパラメータ及び対応点検出部172bからの複数の画像情報を近距離撮影座標変換処理部172iに供給する。
近距離撮影座標変換処理部172iは、近距離撮影パラメータ抽出部172cからのパラメータに基づいて、近距離撮影パラメータ抽出部172cからの複数の画像情報に座標変換処理を施して合成画像を生成し、その合成画像を合成画像用メモリ172hに書き込む。
【0057】
上述のように、この電子カメラでは、処理対象となる一連の複数の画像が遠距離パノラマ撮影で得られたものであった場合、球面写像変換処理部182aで球面写像変換処理を行うようになされているため、上記図7に示したような台形状の歪みの成分が除去された画像を得ることができる。このため、遠距離パノラマ撮影で得られた一連の複数の画像を合成する場合も、近距離パノラマ撮影で得られた複数の画像を合成する場合の撮影パラメータ抽出処理及び座標変換処理と同一の処理で高画質の合成画像を得ることができる。
したがって、上記電子カメラは、撮影状況に係わらず常に高画質のパノラマ画像を得ることができる。
また、上記電子カメラは、遠距離パノラマ撮影用及び近距離パノラマ撮影用として各々撮影パラメータ抽出処理部及び座標変換処理部を設ける必要がないため、装置の構成を簡略化することができる。これは、装置のコストダウンにもつながる。
【0058】
つぎに、本発明の第3の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0059】
本発明に係る画像生成装置は、例えば、図14に示すような画像合成処理部192を備える電子カメラシステムに適用される。
この電子カメラシステム(以下、単に電子カメラと言う)は、上述した電子カメラ100に設けられた上記図10の画像合成処理部172の代わりに上記図14の画像合成処理部192を設けたものである。
また、この電子カメラでは、上記図9に示した画像メモリ130において、ヘッダ部Hに書き込む撮影条件に関する情報は、フォーカス情報fc、焦点距離fl、絞りs、シャッタ速度vに、露出レベルeと、上記図1のAGC回路105の利得レベル(ゲインレベル)gとを加えたものとする。
【0060】
尚、この電子カメラにおいて、画像合成処理部192の構成及び動作以外は、上述した電子カメラ100と同様であるため、画像合成処理部192以外の各部についての詳細な説明は省略する。
また、上記図14の画像合成処理部192において、上記図10の画像合成処理部172と同様に動作する箇所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0061】
すなわち、画像合成処理部192は、上記図14に示すように、上記図10の画像合成処理部172の構成要件に加えて、近距離撮影パラメータ抽出部172c及び遠距離撮影パラメータ抽出部172dと近距離撮影座標変換処理部172i及び遠距離撮影座標変換処理部172jの間に設けられた濃度レベル補正処理部192aと、遠距離撮影座標変換処理部172jの後段に設けられたシームレス処理部192bとを備えている。
そして、濃度レベル補正処理部192aは、コントローラ172eと接続されており、画像メモリ172gの出力が供給されるようになされている。
また、合成画像メモリ172hには、近距離撮影座標変換処理部172i及びシームレス処理部192bの各出力が供給されるようになされている。
【0062】
以下、画像合成処理部192の動作について説明する。
【0063】
まず、画像合成処理部192で合成される複数の画像は、例えば、図15に示すような画像I40L及びI40Rとする。
これらの画像I40L及びI40Rは、上記図6に示したようにして遠距離パノラマ撮影により得られたものである。
ここで、上記図6の3つの領域R21〜R23において、左側の領域R21を撮影して得られた画像を、上記図15に示すように画像I40Lとし、中央の領域R22を撮影して得られた画像を、上記図15に示すように画像I40Rとする。
また、画像I40Lと、画像I40Lに隣り合う画像I40Rとの重複する領域を領域R41とし、画像I40Rと、画像I40Rに隣り合う画像との重複する領域を領域R42とする。
【0064】
そこで、画像情報分離部172fは、I/O回路172aからの画像データ、すなわち画像I40L及びI40Rのデータをヘッダ部とデータ部に分離し、データ部の情報(画像情報)を画像メモリ172gに記憶すると共に、ヘッダ部の情報(ヘッダ情報)をコントローラ172eに供給する。
【0065】
コントローラ172eは、画像情報分離部172fからのヘッダ情報に含まれる画像I40Lの露出レベルeLと画像I40Rの露出レベルeRを読み出し、各露出レベルeL、eRのレベル差と所定値の比較処理を行う。そして、コントローラ172eは、その比較結果により、各露出レベルeL、eRのレベル差が所定値よりも大きい場合に、濃度レベル補正処理部192aに動作命令を発行し、これと同時に画像情報分離部172fからのヘッダ情報も濃度レベル補正処理部192aに供給する。
一方、各露出レベルeL、eRのレベル差が所定値以下の場合、コントローラ172eは、非動作命令を濃度レベル補正処理部192aに発行する。
【0066】
このとき、濃度レベル補正処理部192aには、遠距離撮影パラメータ抽出部172dで得られたパラメータが供給されると共に、コントローラ172eにより画像メモリ172gから読み出された画像I40L及びI40Rの画像情報が供給される。
【0067】
濃度レベル補正処理部192aは、コントローラ172eから動作命令が与えられると、コントローラ172eにより供給された画像I40L及びI40Rの画像情報において、図16に示すように、画像I40L及びI40Rの重複領域R41における各平均濃度レベルの差Δmを求める。
そして、濃度レベル補正処理部192aは、上記動作命令と同時に供給されたコントローラ172eからのヘッダ情報に含まれる絞りs、シャッタ速度v及びAGC回路105のゲインレベルg等に基づいて、重複領域R41における各画像I40L及びI40Rの各濃度レベルが同一レベルとなるように、差Δmを用いて、画像I40Rの濃度レベルを補正する。
これにより、画像I40Rから、画像I40Lの重複領域R41における平均濃度レベルに合わせられた画像I40R’が生成される。
そして、濃度レベル補正処理部192aは、画像I40Lと、濃度レベルが補正された画像I40R’と、遠距離撮影パラメータ抽出部172dからのパラメータとを遠距離撮影座標変換処理部172jに供給する。
【0068】
遠距離撮影座標変換処理部172jは、濃度レベル補正処理部192aからのパラメータに基づいて、濃度レベル補正処理部192aからの画像I40L及びI40R’に座標変換処理を施して、画像I40Lと画像I40R’の合成画像を生成し、その合成画像をシームレス処理部192bに供給する。
【0069】
シームレス処理部192bは、上記図15に示すように、重複領域R41における合成画像のXY座標(i,j)に対応する画像I40L及び画像I40R’の画素値を各々「SL」及び「SR」とし、重複領域R41の幅を「W」として、上記合成画像の画素値S(i,j)を、
S(i,j)=SL(1.0−X/W)+SRX/W
なる重み付け加算の演算式により求める。
そして、シームレス処理部192bは、上記演算式により得られた画素値S(i,j)で重複領域R41の各画素を置換し、その結果得られた合成画像を合成画像用メモリ172hに書き込む。
【0070】
また、画像合成処理部192で合成される複数の画像が近距離パノラマ撮影により得られたものであっても、上述した遠距離パノラマ撮影の場合と同様にして、濃度レベル補正処理部192aで濃度レベル補正処理が行われた後、近距離撮影パラメータ抽出部172cにより得られたパラメータに基づいて近距離撮影座標変換処理部172iで座標変換処理が行われることにより合成画像が生成され、合成画像用メモリ172hに書き込まれる。
【0071】
そして、合成画像用メモリ172hに書き込まれた合成画像は、I/O部172aを介して上記図1の表示部173に供給され、表示部173により、画面表示される。
【0072】
上述のように、この電子カメラは、接合する各画像の重複領域の濃度レベルが略同一となるような構成としているため、その接合部分を目立たなくすることができる。したがって、この電子カメラは、さらに高画質のパノラマ画像を得ることができる。
【0073】
尚、上述した電子カメラでは、濃度レベル補正処理部192aで用いる撮影条件を、露出レベルeと、上記図1のAGC回路105のゲインレベルgとしたが、この限りではない。
また、上述した電子カメラでは、遠距離パノラマ撮影により得られた複数の画像を合成する場合のみ、シームレス処理を行うこととしたが、近距離パノラマ撮影により得られた複数の画像を合成する場合にもシームレス処理を行うようにしてもよい。
但し、合成する画像が近距離パノラマ撮影で得られた原稿等の文字画像であった場合、撮影パラメータの微小な誤差により文字エッジが一致しないため、合成した結果、二重像となる可能性がある。
そこで、この場合には、近距離撮影座標変換処理部172iの後段にシームレス処理部192bに相当するシームレス処理部を設けると共に、近距離パノラマ撮影と判断された場合に合成する画像が原稿画像であるか否かを判別する手段(原稿画像判別部)を設けるようにする。そして、上記原稿画像判別部の判別結果により原稿画像であると判別された場合のみ、上記シームレス処理部が非動作状態となるようにする。
【0074】
つぎに、本発明の第4の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0075】
本発明に係る画像生成装置は、例えば、図17に示すような電子カメラシステム200に適用される。
この電子カメラシステム(以下、電子カメラと言う)200は、上記図17に示すように、上記図1の電子カメラ100の構成要件に加えて、撮像部210を備えており、撮像部110と撮像部210の2つの撮像部からなる複眼撮像系により構成されるものである。
撮像部210は、撮像部110と同様の構成をしており、被写体側から順次設けられた撮像レンズ201、絞り202、シャッタ208及び撮像素子203と、撮像素子203の出力が供給される増幅器204と、増幅器204の出力が供給されるAGC回路205と、AGC回路205の出力が供給されるA/D変換器206とを備えており、A/D変換器206の出力は映像信号処理部207に供給されるようになされている。
そして、撮像部210において、ズーム、フォーカス、絞り及びシャッタの各制御は、撮像部110と同様に、ズーム制御部121、フォーカス制御部122、絞り制御部123及びシャッタ制御部124により行われるようになされている。
また、電子カメラ200は、撮像部110の光軸Lと撮像部210の光軸Rの向きを制御する輻輳角制御部220を備えており、輻輳角制御部220は、コントローラ120により制御されるようになされている。
さらに、電子カメラ200では、コントローラ120及び信号処理ユニット190は、複眼撮像系に対応した処理を行うようになされている。
【0076】
尚、上記図17の電子カメラ200において、上記図1の電子カメラ100と同様に動作する箇所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する
【0077】
以下、電子カメラ200の動作について説明する。
【0078】
先ず、合焦検出部142により合焦が検出されると、信号処理ユニット190は、合焦検出部142の検出結果により、フォーカス制御のための制御信号をコントローラ120に供給すると共に、撮影されている被写体が近距離被写体であるか遠距離被写体であるかを判別する。
そして、信号処理ユニット190は、近距離被写体であると判別した場合、図18(a)に示すように、撮像部110の光軸Lと撮像部210の光軸Rが平行となるような制御信号をコントローラ120を介して輻輳角制御部220に供給する。
また、信号処理ユニット190は、遠距離被写体であると判別した場合、同図(b)に示すように、撮像部110の光軸Lと撮像部210の光軸Rが外向きとなるような制御信号をコントローラ120を介して輻輳角制御部220に供給する。
【0079】
したがって、輻輳角制御部220は、コントローラ120からの制御信号により、近距離パノラマ撮影時には、撮像部110の光軸Lと撮像部210の光軸Rが平行となるように、また、遠距離パノラマ撮影時には、撮像部110の光軸Lと撮像部210の光軸Rが外向きとなるように、撮像部110と撮像部210を各々制御する。
【0080】
ここで、上記図18(a)、(b)に示したように、撮像部110の光軸Lと撮像部210の光軸Rの向きが制御されて撮影が行われる状況は、上記図3の撮影状況及び上記図6の撮影状況と同じである。
このため、上記図18(a)に示したようにして撮影して得られた複数の画像からは、上述した近距離パノラマ撮影時の合成処理により合成画像を得ることができ、同図(b)に示したようにして撮影して得られた複数の画像からは、上述した遠距離パノラマ撮影時の合成処理により合成画像を得ることができる。
【0081】
したがって、上記図1の電子カメラ100と同様に、画像合成処理部172において、合成する複数の画像が近距離パノラマ撮影により得られたものであるか、遠距離パノラマ撮影により得られたものであるかを判別し、その判別結果に応じて適切な合成処理を選択することにより、高画質の合成ラマ画像を得ることができる。
【0082】
上述のように、この電子カメラ200では、被写体距離に応じて自動的に撮像部110の光軸と撮像部210の光軸の向きが制御されるようになされているため、使用者は、パノラマ撮影する際に画像の一部が重複するように撮影するための操作を行う必要がない。
したがって、電子カメラ200は、操作性を向上させることができると共に、簡便に高画質の合成画像を得ることができる。
【0083】
尚、上記図17において、画像合成処理部172を上記図11の画像合成処理部182、又は上記図14の画像合成処理部192としてもよい。
【0084】
つぎに、本発明の第5の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0085】
本発明に係る画像生成装置は、例えば、図19のフローチャートに従って画像合成処理を行う電子カメラシステムに適用される。
この電子カメラシステム(以下、電子カメラと言う)は、上記図1の電子カメラ100と同様の構成をしており、特に、電子カメラを上記図33に示したようにして水平にパンニングして撮影された2つの画像から水平方向に画角の広い合成画像を生成するものである。
また、この電子カメラでは、画像合成処理部172に相当する画像合成処理部に、上記図19のフローチャートに対応するプログラムが予め設定されており、上記画像合成処理部は、上記プログラムに従った処理を行うようになされている。
【0086】
尚、この電子カメラにおいて、上記画像合成処理部が行う画像合成処理以外については、上記図1の電子カメラ100と同様であるため、上記画像合成処理以外についての詳細な説明は省略する。
また、この電子カメラを電子カメラ100として、上記図1及び上記19を用いて以下の説明を行う。
【0087】
まず、電子カメラ100では、例えば、撮像部110により得られた640×480画素の画素データが画像メモリ130に記憶される。
また、画像メモリ130には、パノラマ撮影により得られた一連の複数の画像データが1つのファイルデータとして記憶される。
【0088】
そこで、画像合成処理部172において、先ず、画像メモリ130に記憶されたファイルデータのうち、一連の2つの画像データからなる任意のファイルデータを図示していないメモリ上に読み出す(ステップS11)。
【0089】
次に、上記メモリに読み出した各画像データに対して、撮影レンズ101により生じた歪みを補正する(ステップS12)。
【0090】
具体的に説明すると、撮影レンズ101の歪みが画像中心に対して回転対称であるとした場合、画像中心を原点とした画素の撮影レンズ101の歪みのない時の理想位置を(x,y)とし、歪みのある時の位置を(xd,xy)とすると、
xd=x・(1+k1・r2 +k2・r4
yd=y・(1+k1・r2 +k2・r4 ) ・・・ (1)
なる関係式(1)が成り立つ。
ここで、この関係式(1)において、「k1」及び「k2」は、歪曲補正係数であり、
2 =x2 +y2
の関係式が成り立つものとする。
【0091】
そこで、このステップS12では、関係式(1)を用いて画像データの歪みを補正する処理を行う。
【0092】
このステップS12においては、図20に示すように、先ず、歪みを補正した補正画像データを格納する領域を入力画像データと同じ二次元配列のサイズ分だけ上記メモリ上に確保する(ステップS121)。
そして、画像データの各画素に対して、後述するステップS121〜S125の処理を行うことにより、撮影レンズ101の歪みを補正した補正画像データを得る。
【0093】
すなわち、画像データの各画素に対しては、先ず、入力画像データ取得時の水平及び垂直方向の撮像面の大きさ及び画素ピッチを用いて、補正画像データの画素アドレスを画像中心を原点とした座標系に変換する(ステップS122)。
このステップS122で得られた座標は、歪みのない時の理想位置(x,y)となる。
【0094】
次に、ステップS122で得られた理想位置(x,y)を関係式(1)に代入することにより、歪みのある時の位置(xd,xy)を求める(ステップS123)。
ここで、関係式(1)において、歪曲補正係数k1及びk2は、撮像レンズ101の3次及び5次の歪曲収差係数に比例する値であり、撮像レンズ101の材料の屈折率、面形状及びレンズ配置を含む構成情報により決定できる。
したがって、ここでは、上記構成情報により決定された所定値が歪曲補正係数k1及びk2として予め与えられているものとし、この歪曲補正係数k1及びk2を用いて、関係式(1)により歪みのある時の位置(xd,xy)を求める。
【0095】
次に、入力画像データ取得時の水平及び垂直方向の撮像面の大きさ及び画素ピッチを用いて、ステップS122で行った変換処理の逆変換処理を行い、歪みを補正する前の画像データでの、ステップS123で得られた歪みのある時の位置(xd,xy)に対応する画素アドレスを求める(ステップS124)。
【0096】
そして、ステップS124で得られた画素アドレスの画素値であるRGBデータを補正画像データの画素アドレスの画素値としてコピーする(ステップS125)。
この時、ステップS124で得られた画素アドレスが画像領域外である場合は、ダミー画素値として、例えば、白画素値を割り当てるようにする。
【0097】
上述のようなステップS12の処理により、2つの入力画像データから、撮像レンズ101の歪みを補正した2つの補正画像データが得られ、その後、ステップS121で補正画像データを格納するために確保したメモリ領域を解放する。
【0098】
尚、2つの入力画像データが、撮像レンズ101の歪みを殆ど無視できる程度の画像であった場合には、ステップS12の処理は行わなくてもよい。
【0099】
次に、ステップS12で歪みが補正された2つの補正画像データに対して、球面に投影変換した球面画像データを生成する(ステップS13)。
【0100】
具体的に説明すると、このステップS13では、図21に示すように、先ず、球面投影変換後の画像データを格納する領域を入力画像データ(補正画像データ)と同じ二次元配列のサイズ分だけ上記メモリ上に確保する(ステップS131)。
【0101】
次に、球面投影変換を行う際の画素の角度ピッチを求める(ステップS132)。
このとき、水平及び垂直方向の画素の角度ピッチは、球面投影変換後の画像データの水平及び垂直方向の画角が、元の入力画像データの水平及び垂直方向の画角と等価となるような等しいピッチに設定する。
すなわち、入力画像データ取得時の水平及び垂直方向の画像面のサイズを「h×v」画素、撮像レンズ101の焦点距離を「f」とすると、水平及び垂直方向の画角は、
(2・Tan-1(h/(2・f)))
(2・Tan-1(v/(2・f)))
となる。
尚、焦点距離fは、撮像レンズ101の被写体像側主点と撮像素子103の受光面の距離を示す。
したがって、補正画像データのサイズを「H×V」画素とすると、球面投影を行う際の画素の水平及び垂直方向の角度ピッチdθ及びdφは、
dθ=(2・Tan-1(h/(2・f)))/H
dφ=(2・Tan-1(v/(2・f)))/V ・・・(2)
なる式(2)により求められる。
尚、式(2)において、「Tan-1」は、「Tan」の逆変換を示す。
【0102】
そして、画像データの各画素に対して、後述するステップS133〜S137の処理を行うことにより、球面投影画像データを得る。
【0103】
すなわち、画像データの各画素に対しては、先ず、ステップS132で得られた水平及び垂直方向の角度ピッチdθ及びdφと、補正画像データのサイズとを用いて、球面投影画像データの画素アドレスを画像中心を原点とした角度座標系(θ,φ)に変換する(ステップS133)。
【0104】
次に、ステップS133で得られた角度座標系(θ,φ)を直交座標系(X,Y,Z)に、
X=cosφ・sinθ
Y=sinφ
Z=cosφ・sinθ ・・・(3)
なる式(3)により変換する(ステップS134)。
尚、式(3)に示すように、Y軸を回転軸とした極座標から直交座標変換への変換を行うものとし、半径方向の座標値は、このステップS134以後の処理で影響しないため「1」とする。
【0105】
次に、撮影レンズ101の焦点位置(以下、視点と言う)を中心とした透視変換処理により、ステップS134で得られた直交座標系(X,Y,Z)から焦点距離fの位置にある撮像面上での位置(x,y)を、
x=X・f/Z
y=Y・f/Z ・・・(4)
なる式(4)により求める(ステップS135)。
【0106】
次に、入力画像データ取得時の水平及び垂直方向の撮像面の大きさ及び画素ピッチを用いて、上述したステップS124の処理と同様にして、ステップS134で行った変換処理の逆変換処理を行い、球面投影変換前の補正画像データでの、ステップS135で得られた位置(x,y)に対応する画素アドレスを求める(ステップS136)。
【0107】
そして、上述したステップS125の処理と同様にして、ステップS136で得られた画素アドレスの画素値であるRGBデータを球面投影画像データの画素アドレスの画素値としてコピーする(ステップS137)。
【0108】
上述のようなステップS13の処理により、ステップS12で得られた2つの補正画像データから、例えば、図22に示すような球面に投影した2つの球面画像I61,I62のデータが得られる。そして、2つの球面画像データが得られた後、ステップS131で球面画像データを格納するために確保したメモリ領域を解放する。
【0109】
次に、ステップS13で得られた2つの球面画像データ間の対応点を抽出する(ステップS14)。
【0110】
ここで、この電子カメラ100では、使用者が2つの球面画像データ間の対応点の組を数点カーソル等で指定することができるようになされている。
そこで、ステップS14では、その指定された対応点の正確な位置をテンプレートマッチング処理により求める。
【0111】
具体的に説明すると、ステップS14では、図23に示すように、先ず、2つの球面画像データを表示部173により画面表示する(ステップS141)。
ここで、2つの球面画像データを、以下、左画像、右画像とも言う。
【0112】
次に、使用者が図示していない操作部を操作することにより、対応点の組が数点指定され、この指定された数組の対応点の座標を読み取る(ステップS142)。
【0113】
そして、指定された数組の対応点各々に対して、後述するステップS143〜S146に示すテンプレートマッチング処理を行う。
【0114】
すなわち、各対応点の組に対しては、先ず、2つの球面画像データのうち、左画像から画像データをテンプレートとして切り出す(ステップS143)。この切り出されるテンプレートは、左画像の指示された点を中心とした所定の大きさの矩形領域の画像データである。
【0115】
次に、ステップS143で切り出されたテンプレートに対応する点を検索する領域を右画像から設定する(ステップS144)。この検索領域は、右画像の指示された点を中心とした所定の大きさの矩形領域とする。
【0116】
次に、ステップS144で設定された検索領域内において、ステップS143で切り出されたテンプレートを平行にずらしていき、左画像と右画像の差分を求める。この差分は、画像データのRGB成分のうち、G成分のみで求める。そして、求めた差分の絶対値の総和が最小となる位置を対応点位置とする(ステップS145)。
【0117】
そして、ステップS145で得られた対応点位置に対する信頼性の判定を行う(ステップS146)。この信頼性の判定処理は、最小値となった差分の絶対値の総和、及び2番目に小さい値となった差分の絶対値の総和を用いて行う。
例えば、差分の絶対値の総和の最小値が第2の所定のしきい値以下であり、差分の絶対値の総和の2番目に小さい値が第1の所定のしきい値以上であった場合に、ステップS145で得られた対応点位置に信頼性があると判定する。
このようにして、信頼性ありと判定された対応点位置の左右画像の座標を、抽出した対応点データとして上記メモリに格納する。
【0118】
上述のようなステップS14の処理により、ステップS13で得られた2つの球面画像データ間の対応点の位置座標が得られる。
【0119】
次に、ステップS14で得られた対応点の位置座標から、2つの球面画像データを合成するためのパラメータを算出する(ステップS15)。
ここでは、パンニング前後の撮影レンズ101の焦点距離は変化していないものとし、上記パラメータとして、水平及垂直方向の平行移動と回転の3つのパラメータを算出するものとする。また、これら3つのパラメータの算出は、2組以上の対応点の位置座標から最小自乗法により行う。
したがって、このステップS15により、右画像の左画像に対しての水平及び垂直方向の平行移動と回転のパラメータが得られる。
【0120】
尚、ステップS15において、パンニング前後の撮影レンズ101の焦点距離が変化している場合には、拡大/縮小のパラメータも算出する必要がある。
また、水平及垂直方向の平行移動と回転の3つのパラメータのうち、垂直方向の平行移動と回転のパラメータは殆ど「0」に近い値であるため、これら2つのパラメータに対して拘束条件を設定して最適化を行い、パラメータを算出するようにしてもよい。
【0121】
次に、ステップS15で得られたパラメータに従って、右画像を水平及び垂直方向の平行移動させ回転させることにより、左右画像を合成する(ステップS16)。
ここで、ステップS16で合成される2つの画像は、予めステップS13で球面投影された画像であるため、画像の水平及び垂直方向の平行移動は球面投影前の画像の水平及び垂直方向のパンニングの相当する。
【0122】
具体的に説明すると、ステップS16において、図24に示すように、先ず、合成後の画像データの二次元配列のサイズを求め、求めたサイズ分の領域を合成画像データを格納する領域として上記メモリに確保する(ステップS161)。
ここで、垂直方向の平行移動と回転のパラメータは殆ど「0」に近い値であるため、ステップS161において、垂直方向のサイズは合成前の画像データの垂直方向のサイズと同じ値とし、水平方向のサイズは合成前の画像データの水平方向のサイズにステップS15で得られた水平方向の平行移動のパラメータの画素数に相当するサイズ分加えた値とする。
【0123】
そして、合成画像データの各画素に対して、後述するステップS162〜S165の処理を行う。
【0124】
すなわち、合成画像データの各画素に対しては、先ず、ステップS13で得られた球面投影時の角度ピッチを用いて、合成画像データの画素アドレスを角座標系に変換する(ステップS162)。
このとき、角座標系の原点は、左画像の中心点と一致させることにより、左画像に関しては、座標変換なしでそのまま画素データをコピーできるようにする。
【0125】
次に、ステップS15で得られたパラメータに従って、合成画像データを水平及び垂直方向に平行移動させ回転させることにより、ステップS162で得られた合成画像データの角座標系を右画像の角座標系に変換する(ステップS163)。
【0126】
次に、右画像のサイズと、ステップS13で得られた球面投影時の角度ピッチとを用いて、右画像の角座標系を右画像の画素アドレスに変換する(ステップS164)。
【0127】
そして、合成画像データの画素アドレスに対して画素値を割り当てる(ステップS165)。
このとき、画素アドレスが左画像の画像領域内で、かつステップS164で得られた画素アドレスが右画像の画像領域内である画素に対しては、RGB成分各々に対して左右画像の画素値の平均値を割り当てる。また、左画像のみの画像領域内の画素に対しては、右画像の画素値を割り当て、左画像と右画像の両方の画像の画像領域外の画素に対しては、ダミー画素値として、例えば、白画素値を割り当てる。
【0128】
上述のようなステップS16の処理により、ステップS13で得られた2つの球面画像データが合成された、例えば、図25に示すような合成画像I63が得られ、その後、ステップS161で合成画像データを格納するために確保したメモリ領域を解放する。
【0129】
次に、ステップS16で得られた合成画像データに対して、平面上に再投影変換した画像データを得る(ステップS17)。
【0130】
具体的に説明すると、ステップS17において、図26に示すように、先ず、平面投影変換後の画像データを格納する領域を合成画像データと同じ二次元配列のサイズ分だけ上記メモリ上に確保する(ステップS171)。
【0131】
次に、平面投影を行う際の画素ピッチを求める(ステップS172)。
このときの水平及び垂直方向の画素ピッチは、焦点距離fの撮像面において、平面投影変換後の画像データ(平面合成画像データ)の水平及び垂直方向の画角と等価となるようなピッチに設定する。
すなわち、水平及び垂直方向の半画角は、合成画像データのサイズを「H×V」画素とし、ステップS13で得られた球面投影画像データの角度ピッチdθ及びdφを用いて、
(tan(dθ・(H/2)))
(tan(dφ・(V/2)))
で表される。
したがって、平面投影変換した画像の画素ピッチは、
dx=ftan(dθ・(H/2))/(H/2)
dy=ftan(dφ・(V/2))/(V/2) ・・・(5)
なる式(5)により求められる。
この式(5)で得られる画素ピッチは、撮影時と同じ焦点距離の撮像面に投影した画像を生成する場合、撮影時に得られた画像の画素ピッチと等しくなる。
【0132】
そして、画像データの各画素に対して、後述するステップS173〜S177の処理を行うことにより、平面合成画像データを得る。
【0133】
すなわち、画像データの各画素に対しては、先ず、ステップS172で得られた水平及び垂直方向の画素ピッチと画像データのサイズを用いて、上述したステップS122の処理と同様にして、合成画像データの画素アドレスを画像中心を原点とした座標系(x,y)に変換する(ステップS173)。
【0134】
次に、視点から撮像面上の点(x,y,f)に引いた直線と、視点を中心とした球面との交点(X,Y,Z)を求める(ステップS174)。このとき、球面の半径は、このステップS174以降の処理に影響しないため「1」とする。
次に、ステップS174で得られた交点、すなわち直交座標系(X,Y,Z)を、
θ=sin-1(X/sqrt(X2 +Z2 ))
φ=sin-1(Y/Z) ・・・(6)
なる式(6)により、球面座標系に変換する(ステップS175)。
ここで、式(6)において、「sin-1」は「sin」の逆変換を表し、「sqrt」は平方根を表す。
【0135】
次に、合成画像データの水平及び垂直方向の撮像面の大きさと角度ピッチを用いて、平面投影変換前の画像データでの、ステップS175で得られた球面座標に対応する画素アドレスを求める(ステップS176)。
【0136】
そして、上述したステップS125の処理と同様にして、ステップS176で得られた画素アドレスの画素値であるRGBデータを平面投影変換後の画像データの画素アドレスの画素値としてコピーする(ステップS177)。
【0137】
上述のようなステップS17の処理により、ステップS16で得られた合成画像データから、例えば、図27に示すような平面上に投影した平面合成画像I64が得られ、その後、ステップS171で平面合成画像データを格納するために確保したメモリ領域を解放する。
【0138】
そして最後に、ステップS17で得られた平面合成画像データを表示部173により画面表示し、必要に応じて、画像メモリ130に記憶する(ステップS18)。
【0139】
上述のように、この電子カメラ100では、画像合成処理時の画像の平行移動が、撮影時の画像の水平及び垂直方向のパンニングに相当するような構成とすることにより、撮影レンズ101の焦点位置を中心にパンして撮影して得られた2つの画像を合成する場合、撮影時に多少のカメラのチルトが生じた場合でも合成画像の重複部分において枠線が二重に生じるようなことがない。
したがって、この電子カメラ100は、実際に撮影したカメラレンズよりも広角のカメラレンズで撮影したような、自然な合成画像を得ることができる。
【0140】
尚、上述した電子カメラでは、上記図1の電子カメラ100と同様な構成であるとしたが、例えば、上記図2の電子カメラ200と同様な構成であるものとしてもよい。
【0141】
つぎに、本発明の第6の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0142】
本発明に係る画像生成装置は、例えば、図28に示すような画像合成処理部300を備える電子カメラシステムに適用される。
この電子カメラシステム(以下、電子カメラと言う)は、上記図1の電子カメラ100と同様の構成をしており、画像合成処理部172の代わりに上記図28の画像合成処理部300が設けられたものである。
また、画像合成処理部300には、所定のプログラムが予め設定されており、画像合成処理部300は、上記プログラムに従った処理を行うようになされている。
【0143】
尚、この電子カメラにおいて、画像合成処理部300以外の各部は、上記図1の電子カメラ100と同様であるため、画像合成処理部300以外の各部についての詳細な説明は省略する。
【0144】
まず、画像合成処理部300は、上記図28に示すように、制御部301と、制御部301に各々接続された画像入力部302、画像変換部303及び画像合成部304とを備えている。
【0145】
制御部301は、上記プログラムに従った処理を行うように装置全体の動作制御を行うものであり、例えば、使用者の図示していない操作部の操作に従って、画像入力部302、画像変換部303及び画像合成部304に各々制御信号を供給する。これにより、画像合成処理部300により得られた合成画像等が上記図1の表示部173により画面表示される。
画像入力部302には、上記図19に示したステップS11と同様の処理を行うプログラムが予め設定されている。これにより、画像入力部302は、制御部301からの制御信号に基づいて、使用者により指定された一連の複数の画像データを図示していないメモリに読み出す。
画像変換部303には、上記図19に示したステップS12、S13及びS17と同様の処理を行うプログラムが予め設定されている。これにより、この画像変換部303は、制御部301からの制御信号に基づいて、画像入力部302で読み出された複数の画像データに対して、歪み補正処理、球面投影変換処理及び平面投影変換処理を行う。
画像合成部304には、上記図19に示したステップS14〜S16と同様の処理を行うプログラムが予め設定されている。これにより、この画像合成部304は、制御部301からの制御信号に基づいて、画像入力部302で読み出された複数の画像データに対して、対応点抽出処理、上記対応点抽出処理で得られた対応点の座標から複数の画像データを合成するためのパラメータ算出処理、及び上記パラメータ算出処理で得られたパラメータに従って平行移動及び回転を行うって合成画像を生成する合成処理を行う。
【0146】
以下、上述のような画像合成処理部300において、例えば、上記図36に示したように、水平及び垂直方向の両方向にパンして4回のフレーミングで撮影して得られた画像c1〜c4を合成する場合について説明する。
【0147】
ここで、使用者は、図示していない操作部を操作することにより、画像c1とc2、画像c3とc4を合成し、各合成結果の画像を合成するように装置に指示(コマンド)を与えるものとする。
また、画像c1〜c4は、画像メモリ130に記憶されており、画像変換処理時に必要な画像サイズ、画素ピッチ及び焦点距離等のパラメータは、予め与えられているものとする。
【0148】
そこで、図29は、上述のような場合における画像合成処理部300の処理を示すフローチャートである。
以下、上記図29を用いて、画像合成処理部300の各部の動作及び画像合成処理について説明する。
【0149】
先ず、画像入力部302は、制御部301からの制御信号に基づいて、画像メモリ130に記憶された画像c1のデータを図示していないメモリ上に読み出す(ステップS201)。この読み出された画像c1は、制御部301の制御により、表示部173で画面表示される。
【0150】
次に、使用者は、表示部173で画面表示された画像c1を確認し、図示していない操作部を操作することにより、画像変換部303で画像c1に対する歪み補正処理、球面投影変換処理が行われるようなコマンドを装置に与える。
このコマンドに基づいて制御部301が画像変換部303に制御信号を供給することにより、画像変換部303は、画像c1に対して、歪み補正処理及び球面投影変換処理を行う(ステップS202)。
そして、制御部301は、画像変換部303で歪み補正処理及び球面投影変換処理が行われた画像c1を表示部173により画面表示する。
【0151】
次に、ステップS201、S202の各処理と同様にして、画像c2も上記メモリ上に読み出され、歪み補正処理及び球面投影変換処理が行われて表示部173で画面表示される(ステップS203、S204)。
【0152】
次に、使用者は、図示していない操作部を操作することにより、表示部173に表示された2つの画像c1、c2の対応する点を数組指定する。
この指定に基づいて制御部301が画像合成部304に制御信号を供給することにより、画像合成部304は、指定された数組の対応点の座標を求め、正確な対応点の位置を検出するために、各対応点に対してテンプレートマッチング処理を行う。そして、画像合成部304は、上記テンプレートマッチング処理により検出された対応点の位置から、2つの画像c1、c2間の平行移動及び回転のパラメータを最小自乗法により求め、求めたパラメータに基づいて2つの画像c1、c2を合成する(ステップS205)。
【0153】
そして、制御部301は、画像合成部304で得られた図30に示すような合成画像c12を表示部173により画面表示する。
また、制御部301は、合成画像c12を一旦画像メモリ130に記憶する(ステップS206)。
【0154】
次に、ステップS201〜S206と同様にして、2つの画像c3、c4を合成し、上記図30に示すような合成画像c34を生成して一旦メモリ130に記憶する(ステップS207〜S212)。
【0155】
次に、画像入力部302は、制御部301からの制御信号に基づいて、画像メモリ130に記憶された2つの合成画像c12、c34を図示していないメモリ上に読み出す(ステップS213、S214)。
【0156】
次に、画像合成部304は、ステップS205及びS211の処理と同様にして、2つの合成画像c12、c34を合成する(ステップS215)。
ここで、合成画像c12、c34は、画像変換部303で歪み補正処理及び球面投影変換処理が行われた画像であるため、画像変換部303で歪み補正処理及び球面投影変換処理は行う必要はない。
このステップS215により、図31に示すような、4つの画像c1〜c4を合成した合成画像I71が得られる。
尚、合成画像I71は球面投影変換された2つの画像を合成したものであるため、以下、球面合成画像I71と言う。
【0157】
次に、画像変換部303は、画像合成部304で得られた球面合成画像I71から、平面上に投影変換した図32に示すような平面合成画像I72を得る(ステップS216)。
【0158】
そして、制御部301は、画像変換部303で得られた平面合成画像I72を画像メモリ130に記憶する(ステップS217)。
【0159】
上述のように、この電子カメラは、使用者が図示していない操作部を操作することにより与えられた所定のコマンドに従って画像合成処理を行うような構成としているため、使用者は、所望の合成画像を得ることができる。
また、この電子カメラは、カメラレンズの焦点位置を中心に水平及び垂直方向の両方にパンして撮影して得られた複数の画像に対して、2つの画像を合成する処理を順次繰り返して合成画像を生成し、その合成画像を平面上に再度投影変換するようになされているため、実際に撮影したカメラレンズより広角なカメラレンズで撮影したような、画角の広い自然な合成画像を得ることができる。
【0160】
尚、上記図28の画像合成処理部300において、合成する画像が常に球面投影変換された画像である場合には、画像変換部303の処理を自動化するようにしてもよい。
具体的に説明すると、画像合成処理部300で合成する画像データに対して、歪み補正処理済のデータであるか否かを示すフラグ(歪み補正フラグ)、及び球面投影変換処理済のデータ又は平面投影変換処理済のデータであるかを示すフラグ(投影面フラグ)が付加情報として付加するものとする。
そこで、画像変換部303は、歪み補正処理を行った場合には、歪み補正フラグを処理済に設定し、球面投影変換処理を行った場合には、投影面フラグを球面投影変換処理済に設定し、平面投影変換処理を行った場合には、投影面フラグを平面投影変換処理済に設定するようにする。
また、画像合成処理を行う際には、画像変換部303は、合成する画像データの付加情報に基づいて、常に歪み補正処理を行い、画像合成部304は、球面投影変換された画像を合成するようにする。
さらに、合成画像を出力する際には、画像合成部304は、合成する画像データの付加情報に基づいて、常に平面投影変換した合成画像を出力するようにする。
上述のような構成とすることにより、効率よく高画質の合成画像を得ることができる。
【0161】
また、上述した電子カメラは、平面投影変換処理を行うことにより、実際に撮影したカメラレンズより広角なカメラレンズで撮影したような自然な合成画像を得るようになされているが、必ずしも平面投影変換処理が行われた合成画像を出力する必要はない。
具体的に説明すると、上記電子カメラは、2つの画像を合成する処理を順次繰り返して合成画像を生成する構成としているため、例えば、5つ以上の画像をも合成することができる。しかし、合成画像の視野が180°に達すると、平面投影変換処理を行うことはできないため、このような場合、球面投影変換処理を行った合成画像を出力することが望ましい。
したがって、合成画像の視野に応じて、平面投影変換処理で得られた画像と球面投影変換処理で得られた画像を選択的に出力するようにしてもよい。
【0162】
また、上述した電子カメラでは、画像変換処理時に必要な画像サイズ、画素ピッチ及び焦点距離等のパラメータが予め与えられているものとしたが、これらのパラメータを、画像合成処理部300で合成する画像データに付加情報として付加するようにしてもよい。
この場合、画像変換部303及び画像合成部304は、合成する画像データに付加された付加情報からパラメータを読み出し、そのパラメータに基づいて処理を行うようにする。 このとき、平面投影変換処理が行われた画像に対しては、画素ピッチのパラメータとして、撮像面上でのピッチを用い、球面投影変換処理が行われた画像に対しては、画素ピッチのパラメータとして、角度ピッチを用いるのが望ましい。
【0163】
また、上述した電子カメラでは、所定のプログラムに従って上述したような各処理を行うこととしたが、上記プログラムをそのままハードウェア化して、画像合成処理装置として用いることもできる。
【0164】
また、上述した電子カメラでは、上記図1の電子カメラ100と同様な構成であるとしたが、例えば、上記図2の電子カメラ200と同様の構成であるとしてもよい。
【0165】
つぎに、本発明の第7の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0166】
本発明に係る画像生成装置は、例えば、図33に示すような電子カメラシステム400に適用される。
【0167】
この電子カメラシステム(以下、単に電子カメラと言う)400は、上記図33に示すように、上記図1の電子カメラ100の構成要件に加えて、信号処理ユニット190に接続された角度検出部401を備えている。
この角度検出部401は、ジャイロ等を使用しており、撮影時に電子カメラ400が移動されたことにより発生するパンニング角度を検出するものである。
そして、電子カメラ400は、角度検出部401により検出されたパンニング角度の情報に基づいた画像合成処理を行うようになされている。
【0168】
尚、上記図33の電子カメラ400において、上記1の電子カメラ100と同様に動作する箇所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
また、後述する画像合成処理部172の動作については、上述した第1の実施の形態での動作と異なる箇所を具体的に説明し、その他の箇所については上記第1の実施の形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0169】
すなわち、角度検出部401は、図34に示すように、角速度センサ401aと、角速度センサ401aの出力が供給されるA/D変換器401bと、A/D変換器401bの出力が供給される角度演算器401cからなり、角度演算器401cの出力が信号処理ユニット190に供給されるようになされている。
【0170】
先ず、角度センサ401aは、装置の移動により発生する角度変化に従った出力信号VをA/D変換器401bに供給する。この出力信号Vのレベルは、角速度に比例したものである。
A/D変換器401bは、角度センサ401aからの出力信号Vをディジタル化してディジタルデータDとして角度演算器401cに供給する。
角度演算器401cは、A/D変換器401bからのディジタルデータDを、例えば、1s分積分することにより平均レベルDavgを求め、この平均レベルDavgを角度成分に変換して角度信号を得る。
そして、角度演算器401cで得られた角度信号は、信号処理ユニット190に供給される。
【0171】
そして、信号処理ユニット190は、角度検出部401により得られた角度信号の情報を、画像メモリ130に書き込まれる画像データに対応ずけて画像メモリ130のヘッダ部に書き込む。
【0172】
次に、画像合成処理部172においては、上記図10に示すように、画像情報分離部172fにより画像メモリ130から読み出された画像データがヘッダ部とデータ部に分離され、コントローラ172eには、ヘッダ部の情報(ヘッダ情報)が供給され、画像メモリ172gには、データ部の情報(画像情報)が書き込まれる。
【0173】
コントローラ172eは、画像情報分離部172fから供給されたヘッダ情報に含まれる撮影時の角度成分の情報と、予め設定されているしきい値とを比較し、上記角度成分がしきい値以上であった場合には遠距離パノラマ撮影と判別し、上記角度成分がしきい値以下であった場合には近距離パノラマ撮影と判別して、その判別結果をセレクタ172kに供給する。
【0174】
セレクタ172kは、コントローラ172eからの判別結果に応じて、近距離パラメータ抽出部172c又は遠距離パラメータ抽出部172dの何れかを選択して、対応点検出部172bで得られた対応点の情報を供給する。
【0175】
以降、上述した第1の実施の形態と同様の処理を行うことにより、合成画像を生成する。
【0176】
上述のように、電子カメラ400では、撮影時の装置の移動により発生する角度成分に基づいて、画像合成処理を自動的に選択するようになされているため、パンイング等の装置の移動に対して適切な画像合成処理を行うことができる。
したがって、電子カメラ400は、高画質のパノラマ画像を効率良く得ることができる。
【0177】
尚、上述した電子カメラ400では、角速度センサ401aを設けることにより、電子カメラ400の移動により発生する角度成分を検出することとしたが、加速度センサ等を設けることにより、電子カメラ400の移動により発生する並進成分(並進移動量)を検出するようにしてもよい。
この場合、画像合成処理部172において、コントローラ172eは、検出された撮影時の並進移動量が予め設定されているしきい値より大きい場合には近距離パノラマ撮影と判別し、上記並進移動量がしきい値より小さい場合には遠距離パノラマ撮影と判別する。
この場合も、角度成分を検出する場合と同様に、高画質のパノラマ画像を効率良く得ることができる。
【0178】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、撮影条件に応じて選択された適切な画像合成処理で合成画像を生成するように構成したことにより、常に高画質の合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、使用者が画像を合成するための操作を行うことなく、自動的に合成画像を生成するように構成したことにより、使用者の負荷を低減することができ、簡便に合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、焦点位置情報により、合成する画像が近距離撮影で得られたものであるか、遠距離撮影で得られたものであるかを自動的に判別し、その判別結果により選択した適切な画像合成処理で合成画像を生成するように構成したことにより、被写体距離に依存せずに簡便に高画質の合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、複数の画像を合成する際に、撮影条件に基づいて複数の画像において隣り合う画像との連結部付近の画像を変換して、上記連結部付近目立たなくするように構成したことにより、違和感のない高画質の合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、撮影条件に基づいて複数の画像において隣り合う画像との連結部付近の画像の濃度レベルを補正して、上記連結部付近目立たなくするように構成したことにより、違和感のない高画質の合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、撮影条件に基づいて合成する複数の画像に球面変換処理を行うように構成したことにより、歪みの除去された自然な高画質の合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、撮影時の焦点位置を中心に水平及び垂直の両方向にパンして得られた複数の画像を合成する場合でも、複数の画像において隣り合う画像との連結部付近の画像が重複することがないように構成したことにより、自然な高画質の合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、合成画像を平面上に再投影変換するように構成したことにより、実際に撮影したカメラレンズよりも広角のカメラレンズで撮影したような高画質の合成画像を得ることができる。例えば、2つの画像の合成処理を順次繰り返すことにより、自由なフレーミングで撮影した多数の画像から、さらに画角の広い合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、球面投影変換処理及び平面投影変換処理を指示することなく自動的に行うように構成したことにより、簡便に高画質の合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、合成画像の視野に応じた適切な画像合成処理で合成画像を生成するように構成したことにより、撮影する画像の視野に依存することなく、常に高画質の合成画像を得ることができる。
また、本発明によれば、使用者が近距離撮影及び遠距離撮影のための操作を行うことなく、被写体距離に応じて自動的に近距離撮影及び遠距離撮影を行うように構成したことにより、簡便に合成画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態において、本発明に係る画像生成装置を適用した電子カメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】近距離パノラマ撮影をする被写体を示す平面図である。
【図3】上記近距離パノラマ撮影の撮影状況を説明するための図である。
【図4】上記近距離パノラマ撮影で得られた2つの画像を示す平面図である。
【図5】上記2つの画像を合成して得られた合成画像を示す平面図である。
【図6】遠距離パノラマ撮影の撮影状況を説明するための図である。
【図7】上記遠距離パノラマ撮影で得られた3つの画像を示す平面図である。
【図8】上記3つの画像を合成して得られた合成画像を示す平面図である。
【図9】上記電子カメラシステムの画像メモリに記憶される画像データを説明するための図である。
【図10】上記電子カメラシステムの画像合成処理部の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態において、本発明に係る撮像装置を適用した電子カメラシステムの画像合成処理部の構成を示すブロック図である。
【図12】上記画像合成処理部の球面投影処理を説明するための図である。
【図13】上記球面投影処理により得られる球面投影画像を説明するための図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態において、本発明に係る撮像装置を適用した電子カメラシステムの画像合成処理部の構成を示すブロック図である。
【図15】上記画像合成処理部で処理対象となる画像を示す平面図である。
【図16】上記画像合成処理部の濃度レベル補正処理を説明するための図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態において、本発明に係る撮像装置を適用した電子カメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図18】2つの撮像部の各光軸を制御する処理を説明するための図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態において、本発明に係る撮像装置を適用した電子カメラシステムの画像合成処理部の処理を示すフローチャートである。
【図20】上記画像合成処理部の処理において、画像入力処理を具体的に示すフローチャートである。
【図21】上記画像合成処理部の処理において、球面投影変換処理を具体的に示すフローチャートである。
【図22】上記球面投影変換処理により得られる2つの球面投影画像を示す平面図である。
【図23】上記画像合成処理部の処理において、対応点抽出処理を具体的に示すフローチャートである。
【図24】上記画像合成処理部の処理において、画像合成処理を具体的に示すフローチャートである。
【図25】上記画像合成処理により得られる球面投影合成画像を示す平面図である。
【図26】上記画像合成処理部の処理において、平面投影変換処理を具体的に示すフローチャートである。
【図27】上記平面投影変換処理により得られる平面投影合成画像を示す平面図である。
【図28】本発明の第6の実施の形態において、本発明に係る撮像装置を適用した電子カメラシステムの画像合成処理部の構成を示すブロック図である。
【図29】上記画像合成処理部の処理を示すフローチャートである。
【図30】上記画像合成処理部において、各々2つの球面投影画像を合成して得られる2つの合成画像を示す平面図である。
【図31】上記2つの合成画像を合成して得られる合成画像を示す平面図である。
【図32】上記合成画像に平面投影変換処理を行うことにより得られる画像を示す平面図である。
【図33】本発明の第7の実施の形態において、本発明に係る画像生成装置を適用した電子カメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図34】上記電子カメラシステムの角度検出部の構成を示すブロック図である。
【図35】従来の電子カメラシステムを水平方向にパンニングして2つの画像を撮影する場合を説明するための図である。
【図36】上記電子カメラシステムにより得られた2つの画像を示す平面図である。
【図37】上記2つの画像を合成して得られる合成画像を示す平面図である。
【図38】上記電子カメラシステムにより、長方形の枠を4回のフレーミングで撮影した場合に得られる4つの画像を示す平面図である。
【図39】円柱面上への画像の投影は行わずに平行移動のみで上記4つの画像を合成して得られる合成画像を示す平面図である。
【図40】一旦円柱面上への画像の投影を行って平行移動して上記4つの画像を合成して得られる合成画像を示す平面図である。
【符号の説明】
172 画像合成処理部
172a 入出力部
172b 対応点検出部
172c 近距離撮影パラメータ抽出部
172d 遠距離撮影パラメータ抽出部
172e コントローラ
172f 画像情報分離部
172g 画像メモリ
172h 合成画像用メモリ
172i 近距離撮影座標変換処理部
172j 遠距離撮影座標変換処理部
172k セレクタ

Claims (11)

  1. 撮影手段により画面の一部が重複するように被写体像を複数画面に分割して撮影し、上記撮影手段で得られた一連の複数の画像を合成して合成画像を生成する画像生成装置であって、
    撮影時の撮影条件を検出する検出手段と、
    上記撮影手段で得られた複数の画像と共に各画像に対応して上記検出手段により検出された撮影条件を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段に記憶された一連の複数の画像を合成して合成画像を生成する画像合成手段と、
    上記画像合成手段を制御する制御手段とを備え、
    上記画像合成手段は、上記撮影条件に対応した複数の合成手段からなり、
    上記制御手段は、各画像に対応する撮影条件に基づいて上記複数の合成手段を選択的に切り替え、
    上記制御手段により選択的に切り替えられた合成手段は、一連の複数の画像を合成することを特徴とする画像生成装置。
  2. 上記画像合成手段は、各画像の重複部分における対応点を検出する対応点検出手段と、各画像に座標変換処理を施して合成画像を生成する座標変換手段と、上記対応点検出手段で検出された対応点に基いて撮影パラメータを生成するパラメータ生成手段とを備え、
    上記座標変換手段は、上記パラメータ生成手段で生成された撮影パラメータを用いて上記座標変換処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像生成装置。
  3. 上記検出手段は、撮影条件として撮影時の焦点位置情報を検出し、
    上記画像合成手段は、近距離撮影により得られた一連の複数の画像を合成する近距離合成手段と、遠距離撮影により得られた一連の複数の画像を合成する遠距離合成手段とを備え、
    上記制御手段は、各画像に対応する焦点位置情報により合成する一連の複数の画像が近距離撮影により得られたものであるか遠距離撮影により得られたものであるかを判別し、その判別結果に基づいて上記近距離合成手段と上記遠距離合成手段を選択的に切り替えることを特徴とする請求項1記載の画像生成装置。
  4. 上記画像合成手段は、各画像に対応する撮影条件に基づいて各画像の重複部分の画素値を変換する変換手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像生成装置。
  5. 上記検出手段は、撮影条件として撮影時の露出情報を検出し、
    上記変換手段は、各画像に対応する露出情報に基づいて各画像の重複部分の濃度レベルを補正することを特徴とする請求項4記載の画像生成装置。
  6. 上記画像合成手段は、各画像に対応する撮影条件に基づいて各画像を球面上に投影変換して球面投影画像を生成する球面投影変換手段を有し、上記球面投影変換手段で得られた複数の球面投影画像を合成することを特徴とする請求項1記載の画像生成装置。
  7. 上記球面投影変換手段は、撮影時の焦点距離に基づいた半径を有する球面に投影変換することを特徴とする請求項6記載の画像生成装置。
  8. 上記画像合成手段は、上記球面投影変換手段で得られた複数の球面投影画像を合成した合成画像を平面上に投影変換して平面投影合成画像を生成する平面投影変換手段を備えることを特徴とする請求項6記載の画像生成装置。
  9. 上記画像合成手段は、処理対象となる画像が上記球面投影画像であるか上記平面投影合成画像であるかを示す投影面タイプ情報を上記画像に付加する付加手段を備えることを特徴とする請求項8記載の画像生成装置。
  10. 上記画像合成手段は、上記球面投影変換手段で得られた複数の球面投影画像を合成した合成画像の視野に応じて、上記合成画像と上記平面投影合成画像を選択的に切り換えて出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項8記載の画像生成装置。
  11. 上記撮影手段は、複数の撮像手段からなり、
    上記検出手段により検出された撮影条件に基づいて上記複数の撮像手段の各光軸の向きを制御する光軸制御手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の画像生成装置。
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