JP3817070B2 - 管用自動溶接装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管等の管同士を突き合わせ溶接する際に用いられる可搬式の管用自動溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
配管に取り外し可能で、配管を回転させず固定したまま溶接作業を行うことができるコンパクトな自動溶接装置としては、本出願人が先に出願し既に出願公開されている特開平9−308967号公報に開示されたものがある。
【0003】
この管用自動溶接装置は、一方の管に移動不能に取り付けられる駆動部と、前記駆動部とは別に前記一方の管に取り付けられる走行部と、この走行部に設置された溶接作業部とから構成されており、走行部は前記管の外周面を周回するように走行可能であり、駆動部はターンベルトを介して走行部を走行駆動せしめる駆動モータを搭載している。走行部は多数の構成片を回動可能に連結して環状に組み付けて構成されており、溶接すべき管の外径に応じて前記構成片の数を変えることにより走行部の全長を変え、種々の管径に対応できるようにしている。
【0004】
また、走行部が蛇行すると溶接線も蛇行してしまい適正な溶接ができなくなってしまうので、これを防止するために駆動部と走行部との間に蛇行防止機構が設けられている。この蛇行防止機構は、駆動部に設けた係合片と走行部に設けた係合片を係合させながら走行部を走行させるようにしたものである。
【0005】
この管用自動溶接装置を管に取り付ける場合には、まず、溶接すべき管の外径に応じて走行部の長さを調節し、次に一方の管に走行部を取り付け、次に蛇行防止機構が係合するように位置決めしながら前記駆動部を前記管に取り付け、次に駆動部の駆動モータと走行部との間にターンベルトを巻回する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記管用自動溶接装置を管に取り付ける際には、駆動部と走行部を別々に管に取り付ける必要があり、また、その際に蛇行防止機構を係合させなければならないことから取り付け作業が若干面倒であり、改良の余地があった。
【0007】
また、前記管用自動溶接装置は外径の異なる管にも対応できるようになってはいるものの、溶接すべき管の外径に応じて走行部の長さを変えるには、走行部の構成片の数を変えて調節しなければならないので面倒であり、改良の余地があった。
【0008】
本発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、管への取り付け取り外しが容易にできるコンパクトな管用自動溶接装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の別の目的としては、外径の異なる管にも容易に対応できるコンパクトで取り扱い易い管用自動溶接装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、2本の管同士を突き合わせ溶接する管用自動溶接装置において、走行台と、両端を前記走行台に着脱可能に連結されたチェーンとを備え、走行台とチェーンは協働して一方の管を抱持するように取り付けられることによりこの管の外周面に沿って走行可能となる。そして、前記走行台は、前記一方の管に抱持させた状態において該管と平行に配置されて管の外周面を転動する少なくとも2本のローラと、前記ローラの少なくとも1つを回転駆動する駆動モータと、溶接される前記2本の管の開先に向けて溶接ワイヤを送給する溶接トーチを保持しこの溶接トーチを前記管の軸心方向に沿ってウィービングせしめるウィービング装置と、前記チェーンの張力を調節するチェーン張力調節装置とを備える。また、前記チェーンは、複数のチェーン片を回動可能に連結してなる多関節体を一対備え、これら多関節体は互いに平行に配されて複数のピンによって連結されており、前記チェーン片は略くの字形をなし、前記チェーン片同士の連結部には前記一方の管の外周面を転動するローラが回動自在に取り付けられ、前記一方の管に抱持させた状態において前記一対の多関節体が該管の軸方向に互いに離間して配されるとともに該管の周方向に沿って配置されている。そして、前記走行台の駆動モータと前記ウィービング装置の運転がコントロールユニットによって自動制御される。
【0011】
このように構成された本発明の管用自動溶接装置においては、溶接すべき管の一方に走行台を載置した後、この管の外周に沿って巡らせたチェーンの両端を走行台に掛止すれば、走行台とチェーンが協働して管を抱持する。このとき、チェーン張力調節装置は、走行台のローラとチェーンのローラが管の外周面にほぼ均一な圧力で圧接するように、チェーンの張力を調節する。これらローラの均一な圧接力は、ローラの転動をスリップのない良好な状態にし、走行台及びチェーンの蛇行走行を防止する。
【0012】
駆動モータを駆動すると、走行台のローラが回転して管の外周面を転動し、これに追従してチェーンのローラも管の外周面を転動し、これによって走行台とチェーンは一体となって管の外周面に沿って走行する。そして、ウィービング装置が溶接トーチをウィービングし、溶接トーチから送り出される溶接ワイヤが管の溶接に供される。
【0013】
前記駆動モータと前記ウィービング装置の運転はコントロールユニットによって自動制御されるが、ここでいう運転の自動制御とは、駆動モータについては、運転開始と運転停止のタイミング、及び運転速度等の制御であり、ウィービング装置については、ウィービングの開始と停止のタイミング、及びウィービングの振幅、速度等の制御である。
【0014】
本発明においては、走行台のローラの数は2本であってもよいし、3本以上であってもよい。ローラが少なくとも2本あれば、走行台を安定して管に載置することができる。走行台の駆動モータは複数あるローラのうちの1本だけを回転駆動するようにしてもよいし、複数のローラを回転駆動するようにしてもよい。
【0015】
前記チェーンのチェーン片は略くの字形をなしているので、外径の小さい管にも対応可能にするために有利である。前記走行台のローラにおける少なくとも管に対する転動面と、前記チェーンのローラにおける少なくとも管に対する転動面は、弾性を有する樹脂で形成するのが好ましい。
【0016】
前記走行台のチェーン張力調節装置は、前記走行台に移動可能に取り付けられて前記チェーンの一端側が掛止される掛止部と、前記チェーンを前記一方の管に引き付ける方向に前記掛止部を付勢するスプリングと、を備えて構成することができる。
【0017】
前記チェーンの少なくとも一端側と前記走行台との連結部を、チェーンの前記ピンと、走行台に設置され前記ピンを掛止可能なフックとから構成し、溶接すべき管の外径に応じて前記フックに掛止すべきピンを選択するようにすることができる。このようにすると、外径の異なる管に容易に取り付けることができ、使い勝手がよい。
【0018】
本発明の管用自動溶接装置は配管を突き合わせ溶接するのに好適であるが、配管以外であっても管状の溶接対象を突き合わせ溶接することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図18の図面に基いて説明する。図2は、本発明の管用自動溶接装置(以下、単に溶接装置という)を用いて、建物の天井から吊り下げられて固定された配管211と212を突き合わせ溶接する場合の溶接システムの全体構成図である。
【0020】
溶接装置1には、ワイヤ供給装置300から溶接ワイヤ360が自動供給されるようになっている。又、ワイヤ供給装置300は溶接ワイヤ360にアーク電流を流すべく溶接機320と電気的に接続されており、溶接機320のアース線350は一方の配管211に電気的に接続されている。溶接機320は、三相200ボルトの電源310に接続されるとともにコントロールユニット330に電気的に接続されており、コントロールユニット330によって溶接ワイヤ360に流す電流、電圧等が自動制御されるようになっている。また、コントロールユニット330はハンディ制御盤340を介して溶接装置1に電気的に接続されており、ハンディ制御盤340は、管径設定ボタン、溶接層切替ボタン、スタート位置決定ボタン、トーチ基準点復帰ボタン、非常停止ボタン、リセットボタン等を有する。
【0021】
図1は溶接装置1の左側面図である。溶接装置1は、走行台10と、この走行台10に着脱可能なチェーン100とを備えている。
【0022】
初めに、走行台10について説明する。図3及び図4は走行台10の斜視図であり、走行台10は、正面板12と、後面板13と、正面板12と後面板13を連結する一対の横板14,15と、正面板12と後面板13の上端に掛け渡されて固定された駆動モータ取付板16と、正面板12と後面板13に掛け渡されて固定されたチェーン張力調整板18、を主要構成とするフレーム11を有している。
【0023】
フレーム11の正面板12と後面板13には、互いに平行に配置された2本の駆動ローラ20A,20Bが図示しない軸受を介して回転自在に取り付けられている。駆動ローラ20A,20Bは、正面板12側にギヤー21を有し、ギヤー21よりも後面板13側にウレタン樹脂製のタイヤ部22を有しており、タイヤ部22の下端はフレーム11の下端よりも若干下方に突出している。このタイヤ部22の軸心方向は、走行台10を配管212に取り付けたときに配管212の軸心方向と平行に位置する。
【0024】
前記駆動モータ取付板16は、駆動ローラ20A,20Bと干渉しないようにこれらよりも上方に配置されており、駆動モータ取付板16には正面板12側に、後述するタイミングベルト25を挿通させる孔16aが開いている。駆動モータ取付板16には、電磁ブレーキを内蔵したステッピングモータからなる駆動モータ23が取り付けられている。駆動モータ23の出力回転軸にはギヤー24が固定されており、このギヤー24と駆動ローラ20A,20Bの各ギヤー21にタイミングベルト25が掛け渡されている。これによって、駆動モータ23の回転が両駆動ローラ20A,20Bに伝達され、駆動ローラ20A,20Bのタイヤ部22が配管212の外周面を転動することになる。
【0025】
尚、駆動モータ23にはステッピングモータを用いているので、スタート、停止の繰返しや、正転、逆転の切り替えを正確に行うことができ、位置決めも正確に行うことができ、さらに、スピードコントロールも自由にできる。
【0026】
正面板12にはウィービング装置30が取り付けられている。ウィービング装置30は、正面板12に固定された上下スライド装置31と、上下スライド装置31によって上下動せしめられるスライド板32と、スライド板32に取り付けられた前後スライド装置33と、前後スライド装置33に固定されたウィービングモータ34と、前後スライド装置33に固定されウィービングモータ34に連結されたギヤボックス35と、ギヤボックス35の出力回転軸に取り付けられたチャック36とを備えている。
【0027】
上下スライド装置31には上下調整ボルト37が設けられていて、この上下調整ボルト37を回動するとスライド板32が正面板12に対して上下動する。スライド板32はその先端を正面板12から垂直に前方へ延ばしている。このスライド板32に前後スライド装置33が前後方向へ移動可能に取り付けられていて、前後スライド装置33に設けられた前後調整ボルト38を回動すると、前後スライド装置33がスライド板32に対して前後方向(駆動ローラ20A,20Bの軸心方向)にスライドする。前後スライド装置33に固定されたウィービングモータ34はステッピングモータからなり、スライド板32と平行に延びる出力回転軸39を有している。ウィービングモータ34の出力回転軸39はギヤボックス35内の傘歯車(図示せず)を介してギヤボックス35の出力回転軸40に連結されている。出力回転軸40の軸心はスライド板32に対して垂直方向に延びており、走行台10を配管212に取り付けたときには配管212の軸心と平行に配置されることとなる。この出力回転軸40の先端にチャック36が固定されており、チャック36にトーチ50が着脱可能に取り付けられている。
【0028】
このように構成されたウィービング装置30においては、上下スライド装置31の上下調整ボルト37を回動することによってトーチ50を上下動させて位置調整することができ、前後スライド装置33の前後調整ボルト38を回動することによってトーチ50を前後動させて位置調整することができる。また、ウィービングモータ34の出力回転軸39の回転を所定の角度範囲で正転と逆転に交互に切り替えることにより、トーチ50を図5に示すように配管211,212の軸心方向に沿って振り子運動させることができる。
【0029】
尚、ウィービングモータ34にステッピングモータを用いているので、ウィービングの振り子運動を正確に行うことができ、また、ウィービングの速度、振り幅等を自由に設定することができる。
【0030】
フレーム11の横板15には、1対のチェーン引き上げ機51が設置されている。チェーン引き上げ機51は、図6及び図7に示すように、横板15に固定されたブラケット52にクランプ53が回動可能に取り付けられ、このクランプ53に略J字形をなすフック54が回動可能に取り付けられて構成されており、クランプ53を図7において二点鎖線で示す水平姿勢から90度回動して図7において実線で示す起立姿勢にすると、フック54が上方に引き上げられるようになっている。
【0031】
チェーン張力調節板18は、正面板12と後面板13において横板15から離間する側の端部の上端に掛け渡されて固定されている。チェーン張力調節板18の両端部は正面板12及び後面板13よりも前後方向外側に突出しており、この両端部にチェーン張力調節装置60が設けられている。図8及び図9に示すように、チェーン張力調節装置60は、チェーン張力調節板18の両端部にそれぞれ貫通固定されたブッシュ61と、このブッシュ61を摺動可能に貫通するロッド62と、ロッド62の上部に設けられたネジ部に螺合する調節ナット63と、調節ナット63とチェーン張力調節板18との間に挟装されロッド62を上方に付勢するコイルスプリング64と、ロッド62の下端に貫通固定され両端をロッド62から突出させたガイドピン(掛止部)65と、から構成されている。ガイドピン65の一端側は、正面板12あるいは後面板13に上下方向に長く形成されたガイド孔66を移動自在に挿通しており、ガイドピン65はこのガイド孔66に案内されて上下方向に移動可能になっている。また、調節ナット63のロッド62へのねじ込み位置によってコイルスプリング64のバネ力を変更することが可能である。
【0032】
また、チェーン張力調節板18には2つの溶接ワイヤガイド板19,19が固定されており、溶接ワイヤ360は各溶接ワイヤガイド板19に設けられた孔19aを通って溶接トーチ50に供給される。
走行台10は以上のように構成されている。
【0033】
次に、チェーン100について説明する。尚、この実施の形態におけるチェーン100は、溶接装置1を呼び径200A,250A,300Aの配管に取り付けることができるようにした態様である。
【0034】
図10はチェーン100の概略斜視図、図11はチェーン100を展開して示す平面図、図12はチェーン100の部分正面図である。チェーン100は互いに平行に配された1対の多関節体110を有している。この多関節体110は、略くの字形をなす2枚の平板状の駒111を互いに平行に配して1つのチェーン片112とし、チェーン片112の端部同士を回動自在に連結し、且つこの連結部にウレタン樹脂製のローラ113を回動自在に取り付けて構成されている。
【0035】
前記1対の多関節体110は適宜の間隔で配された5本のピンによって連結されている。多関節体110の一端に配されたピンは呼び管径300A用のセットピン114であり、このセットピン114の隣に配されたピンは呼び管径250A用のセットピン115であり、このセットピン115の隣に配されたピンは呼び管径200A用のセットピン116であり、このセットピン116よりも他端側に配された2本のピンは補強ピン117,118である。
【0036】
各多関節体110の他端側のチェーン片112の端部には取付フック120が回動可能に取り付けられている。各取付フック120の先端には略J字形をなす2つのフック爪121が設けられている。
【0037】
このチェーン100は、取付フック120のフック爪121を走行台10のチェーン張力調節装置60のガイドピン65に掛止し、セットピン114〜116のいずれか1つをチェーン引き上げ機51のフック54に掛止して、走行台10に連結される。
【0038】
次に、溶接装置1の配管212への取付手順を説明する。まず、走行台10を配管212の頂部に載置する。その際、溶接トーチ50から供給される溶接ワイヤ360の先端が溶接すべき配管211,212の開先近傍に位置するように、走行台10を大まかに位置決めする。走行台10の2本の駆動ローラ20A,20Bの樹脂製のタイヤ部22が配管212に当接するので、走行台10は安定して載置され、しかも滑落しにくい。
【0039】
次に、チェーン100の取付フック120を走行台10におけるチェーン張力調節装置60に連結する。詳述すると、取付フック120の2つのフック爪121でチェーン張力調節装置60のロッド62を挟み込むようにしながら、フック爪121をガイドピン65に掛止する(図8参照)。
【0040】
次に、配管212の管径に応じて3つのセットピン114〜116の中から1つを選択し、選択されたセットピンをチェーン引き上げ機51のフック54に掛止する。例えば、配管212の呼び管径が300Aの場合にはセットピン114を選択し、250Aの場合はセットピン115を選択し、200Aの場合はセットピン116を選択する。以下、セットピン114を選択した場合で説明する。チェーン引き上げ機51のクランプ53を水平姿勢にすることによってフック54を下方に位置させておき、このフック54に選択したセットピン114を掛止する。次に、クランプ53を上方に90度回転させることによりフック54を引き上げると、チェーン100が配管212に接近する方向に引き付けられ、フック54に掛止しているセットピン114の両端部が、正面板12及び後面板13に形成されたストッパー孔12a,13aに進入する(図7参照)。
【0041】
このようにしてフック54に掛止しているセットピン114をチェーン引き上げ機51によって引き上げると、チェーン100の反対側の端部である取付フック120が掛止しているチェーン張力調節装置60のガイドピン65が下方に引っ張られ、その結果、ロッド62が下方に引っ張られてコイルスプリング64が圧縮する。そして、ガイドピン65を下方に引っ張る力とコイルスプリング64がロッド62を上方に引き上げる力が平衡したところでガイドピン65は停止する。これによって、走行台10の2本の駆動ローラ20A,20Bのタイヤ部22とチェーン100の各ローラ113が配管212の外周面にほぼ均一な所定圧力で圧接されるようになる。そして、走行台10とチェーン100は協働して配管212を抱持することとなる。
【0042】
尚、250A用のセットピン115、あるいは200A用のセットピン116を選択した場合には、選択したセットピンよりもセットピン114側の部分が余ってしまうが、この余った部分は折り返して配管212を抱持している部分に適宜の手段で仮り止めしておけば邪魔にならない。
【0043】
このようにして走行台10とチェーン100を配管212に取り付けた後、今一度、溶接トーチ50から供給される溶接ワイヤ360の先端が配管211,212の開先に位置するように、ウィービング装置30の上下調整ボルト37あるいは前後調整ボルト38を操作して調整する。
【0044】
次に、溶接装置1の運転条件をコントロールユニット330に入力し、記憶させる。溶接装置の運転条件は次の通りであるが、溶接すべき配管の管径や配管材質によって条件は異なる。
▲1▼駆動モータ23の運転及び停止のタイミングと運転時の回転速度
▲2▼ウィービング装置の駆動源であるウィービングモータの運転及び停止のタイミングと回転方向及び回転速度
▲3▼ワイヤ供給装置110の運転及び停止のタイミングと溶接ワイヤ360の送り出し速度
▲4▼溶接機320の運転及び停止のタイミングと電流及び電圧の大きさ
尚、この作業は溶接装置1を配管212に取り付ける前に行うことも可能である。
【0045】
この後、溶接装置1は、ハンディ制御盤340の起動操作によって開始され、所定の溶接条件に従って全自動運転が行われる。即ち、駆動モータ23の運転によってタイミングベルト25が回転し、走行台10の駆動ローラ20A,20Bが回転駆動されてタイヤ部22が配管212の外周面を転動し、これに伴ってチェーン100の各ローラ113が配管212の外周面を転動する。その結果、走行台10及びチェーン100が一体となって配管212の周りを走行することとなる。
【0046】
タイヤ部22及びローラ113がウレタン樹脂製で弾性があるため、走行台10及びチェーン100の走行時に配管212の外周面の凹凸は吸収される。また、タイヤ部22及びローラ113で吸収できない程の大きな凹凸は、チェーン張力調整装置60のロッド62がコイルスプリング64の弾性に抗して上下動することにより吸収される。
【0047】
また、ウレタン樹脂製のタイヤ部22及びローラ113は全て均一に適度の圧力で配管212に圧接しているのでスリップすることがない。また、この均一な圧接力は走行台10及びチェーン100の蛇行を防止する。
【0048】
走行台10が配管212の外周面を走行することにより、溶接トーチ50が配管212の外側を回転し、溶接トーチ50から送り出される溶接ワイヤ360が配管211と配管212の突き合わせ溶接に供される。
【0049】
このように、この溶接装置1においては、配管211,212は回転せず、溶接トーチ50が配管212の回りを回転しながら配管211,212の全周を溶接するため、溶接姿勢が刻々と変化することになる。
【0050】
そのため、この溶接装置1により溶接を行うときには、それぞれの溶接姿勢に好適な溶接パターンとなるように溶接装置1の溶接条件を予め設定する。以下に、溶接パターン例を図面を参照して説明する。
【0051】
図13は配管211,212の周方向における溶接位置と溶接パターンとを対応させた図であり、図14から図17は、配管211,212を二層溶接する場合の溶接パターンの一例を示している。図13において溶接位置P1は、溶接トーチ50から溶接ワイヤ360が真下に向かって送り出されてくる位置であり、この位置から溶接が開始され、図中右回りにP1→P2→P3→P4→P1と溶接が進んでいくものとする。以下、P1からP2までを下り溶接部Aと称し、P2からP3までを底溶接部Bと称し、P3からP4までを登り溶接部Cと称し、P4からP1までを平溶接部Dと称す。
【0052】
図14に示す溶接パターンは一層目の溶接を行うときの溶接パターンであり、この一層目の溶接では360度全周に亙って同じ溶接パターンで行う。尚、この図14において、図中X方向は溶接方向(即ち、配管211,212の周方向)を示し、Y方向は溶接トーチ50のウィービング方向(即ち、配管211,212の軸心方向)を示している。X方向,Y方向は他の溶接パターンを示す図においても同じである。
【0053】
図15に示す溶接パターンは下り溶接部A及び平溶接部Dにおいて二層目の溶接を行うときの溶接パターンを示し、図16に示す溶接パターンは底溶接部Bにおいて二層目の溶接を行うときの溶接パターンを示し、図17に示す溶接パターンは登り溶接部Cにおいて二層目の溶接を行うときの溶接パターンを示している。
【0054】
この溶接パターン例では、一層目の溶接パターン(図14)におけるウィービング幅は二層目の溶接パターン(図15〜図17)におけるウィービング幅よりも小さく、二層目の溶接パターンにおけるウィービング幅はいずれのパターンの場合も同じに設定されている。
【0055】
また、図18は別の溶接パターンを示す図であり、フリッカー溶接を行う場合の溶接パターンを示している。
【0056】
以上説明したように、この実施の形態における溶接装置1によれば、溶接装置1を配管212に容易に取り付けることができる。また、溶接装置1を蛇行させることなく配管212の周りを走行させることができ、これによって配管211,212を適正に突き合わせ溶接することができる。また、この溶接装置1は外径の異なる配管に容易に取り付けることができる。
【0057】
前述の実施の形態では、呼び管径が300A,250A,200Aの配管に対応できるチェーン100だけでしか説明していないが、他の数種類の外径に対応できるチェーン(例えば、呼び管径150A,125A,100Aに対応できるチェーン)も用意しておけば、更に適用範囲が広がり便利である。ここで、チェーン100を構成するチェーン片112を略くの字形にしたことによって、比較的に小径の配管(例えば呼び管径100A)にも対応できるチェーン100を用意することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の管用自動溶接装置によれば、走行台と、両端を前記走行台に着脱可能に連結されたチェーンとを備え、走行台とチェーンが協働して管を抱持するようにしたことにより、管用自動溶接装置を管に容易に取り付けることができるという優れた効果が奏される。また、本発明の管用自動溶接装置は走行台にチェーン張力調節装置を備えたことにより、走行台の蛇行走行を防止することができ、ひいては溶接線の蛇行を防止することができるので、突き合わせ溶接を適正に実行できるという効果がある。
【0059】
また、チェーンの少なくとも一端側と走行台との連結部を、チェーンに設けた複数のピンと、走行台に設置され前記ピンを掛止可能なフックとから構成し、溶接すべき管の外径に応じて前記フックに掛止すべきピンを選択するようにした場合には、外径の異なる種々の管に容易に対応することができて、使い勝手がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の管用自動溶接装置の左側面図である。
【図2】 本発明の管用自動溶接装置を用いた溶接システムの全体構成図である。
【図3】 本発明の管用自動溶接装置における走行台の斜視図(その1)である。
【図4】 本発明の管用自動溶接装置における走行台の斜視図(その2)である。
【図5】 本発明の管用自動溶接装置における溶接トーチのムービングの様子を示す図である。
【図6】 本発明の管用自動溶接装置におけるチェーン引き上げ機の正面図である。
【図7】 前記チェーン引き上げ機の左側面図である。
【図8】 本発明の管用自動溶接装置におけるチェーン張力調節装置の正面図である。
【図9】 前記チェーン張力調節装置の左側面図である。
【図10】 本発明の管用自動溶接装置におけるチェーンの概略斜視図である。
【図11】 前記チェーンの展開して示す平面図である。
【図12】 前記チェーンの部分正面図である。
【図13】 溶接すべき配管の周方向における溶接位置と溶接パターンとの対応図である。
【図14】 二層溶接を行うときの溶接パターンの一例を示す図(その1)である。
【図15】 二層溶接を行うときの溶接パターンの一例を示す図(その2)である。
【図16】 二層溶接を行うときの溶接パターンの一例を示す図(その3)である。
【図17】 二層溶接を行うときの溶接パターンの一例を示す図(その4)である。
【図18】 溶接パターンの他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 管用自動溶接装置
10 走行台
20A,20B ローラ
22 タイヤ部
23 駆動モータ
30 ウィービング装置
50 溶接トーチ
54 フック
60 チェーン張力調節装置
64 スプリング
65 ガイドロッド(掛止部)
100 チェーン
110 多関節体
112 チェーン片
113 ローラ
114〜118 ピン
211,212 配管(管)
360 溶接ワイヤ
330 コントロールユニット

Claims (4)

  1. 2本の管同士を突き合わせ溶接する管用自動溶接装置において、走行台と、両端を前記走行台に着脱可能に連結されたチェーンとを備え、走行台とチェーンは協働して一方の管を抱持するように取り付けられることによりこの管の外周面に沿って走行可能となり、前記走行台は、前記一方の管に抱持させた状態において該管と平行に配置されて管の外周面を転動する少なくとも2本のローラと、前記ローラの少なくとも1つを回転駆動する駆動モータと、溶接される前記2本の管の開先に向けて溶接ワイヤを送給する溶接トーチを保持しこの溶接トーチを前記管の軸心方向に沿ってウィービングせしめるウィービング装置と、前記チェーンの張力を調節するチェーン張力調節装置とを備え、前記チェーンは、複数のチェーン片を回動可能に連結してなる多関節体を一対備え、これら多関節体は互いに平行に配されて複数のピンによって連結されており、前記チェーン片は略くの字形をなし、前記チェーン片同士の連結部には前記一方の管の外周面を転動するローラが回動自在に取り付けられ、前記一方の管に抱持させた状態において前記一対の多関節体が該管の軸方向に互いに離間して配されるとともに該管の周方向に沿って配置され、前記走行台の駆動モータと前記ウィービング装置の運転がコントロールユニットによって自動制御されることを特徴とする管用自動溶接装置。
  2. 前記走行台のローラにおける少なくとも管に対する転動面と、前記チェー
    ンのローラにおける少なくとも管に対する転動面が、弾性を有する樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管用自動溶接装置。
  3. 前記走行台のチェーン張力調節装置は、前記走行台に移動可能に取り付けられて前記チェーンの一端側が掛止される掛止部と、前記チェーンを前記一方の管に引き付ける方向に前記掛止部を付勢するスプリングと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の管用自動溶接装置。
  4. 前記チェーンの少なくとも一端側と前記走行台との連結部は、チェーンの前記ピンと、走行台に設置され前記ピンを掛止可能なフックとからなり、溶接すべき管の外径に応じて前記フックに掛止すべきピンを選択するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の管用自動溶接装置。
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