JP3816179B2 - ケーブル延線工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばプラント建設のケーブル布設工事における電力ケーブルや制御ケーブルの延線工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電プラントなどのプラント建設では、その電気設備に各種ケーブルが多量に使用される。そして、これらのケーブル1の布設では、まず図6に示されるように、ケーブルトレイ2が建築物の側壁3等に直接または支持部材によって支持されて該ケーブル1の延線経路に沿って敷設される。さらに、このケーブルトレイ2のコーナー部にコーナーコロ4が配設される。
そこで、複数のケーブルドラム(図示せず)のそれぞれに巻回されている各ケーブル1の先端部をまとめ、該先端部を引いて、ケーブルトレイ2内を引き回し、所定の電気装置位置まで導く。この時、ケーブルトレイ2のコーナー部では、多数本のケーブル1はコーナーコロ4の巻き掛けられて該コーナーコロ4を回転させつつスムーズに延線される。延線された多数本のケーブル1は絡みや撓みを直され、それぞれ真っすぐになるように整線されてケーブルトレイ2内に一括して収容され、布設される。そして、ケーブルトレイ2内に収容されたケーブル1はそれぞれケーブルトレイ2の子桁に結束される。
【0003】
しかしながら、従来のケーブル延線工法は以上のように、ケーブル1をケーブルトレイ2内を引き回して延線するようにしているので、ケーブル1とケーブルトレイ2の子桁との間の摩擦によりケーブル1の牽引負荷が増大するとともに、ケーブル1の損傷を発生させてしまうという課題があった。
このような課題を解消するために、ケーブルトレイ2の子桁にローラを取り付けて、ケーブル1の延線時にローラを回転させてケーブル1の引き回しをスムーズに行わせるようにした改善策としてのケーブル延線工法が提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のケーブル延線工法は以上のように、ケーブル1をケーブルトレイ2内を引き回して延線するようにしていた。
そこで、ケーブル1とケーブルトレイ2の子桁との間の摩擦によりケーブル1の牽引負荷が増大するとともに、ケーブル1の損傷を発生させてしまうという課題があった。また、ケーブル1をケーブルトレイ2に1層布設した後、2層目のケーブル1を延線しようとすると、延線しようとするケーブル1と布設されているケーブル1との間の摩擦熱により、ケーブル1の絶縁被膜が溶融、損傷してしまうという課題があった。さらには、ケーブル1の延線時に、多数本のケーブル1が回転して絡み合ってしまい、ケーブル1を真っすぐにする整線作業に多大な労力を要するという課題もあった。
また、多数本のケーブル1をケーブルトレイ2の直線部から直接コーナーコロ4に巻き掛けてコーナー部を通過させている。この時、多数本のケーブル1は、初期的には図7の(a)に示されるようにコーナーコロ4の軸に対して直交する方向に並んでコーナーコロ4に導かれる。この状態において、牽引に伴う張力により、各ケーブル1にはコーナーコロ4側に位置するケーブル1の外周面に沿ってコーナーコロ4側に滑り落ちようとする力が作用し、各ケーブル1はコロ側のケーブル1の外周面に沿って上側もしくは下側に滑り落ちる。そして、この過渡状態を経て、図7の(b)に示すように、コーナーコロ4の外周面に沿って並んでコーナー部を通過することになる。しかしながら、このコロ側に滑り落ちようとする力は、図7の(a)に矢印で示すように、コロ側に位置するケーブル1の外周面に沿って上側にも下側にも作用するので、図7の(b)に示されるコーナーコロ4の外周面に沿うケーブル1の配列順序が各コーナー部で一定とならず、延線される多数本のケーブル1の絡み合いを発生させてしまい、整線作業に多大な労力を要するという課題もあった。
【0005】
また、ケーブルトレイ2の子桁にローラを取り付けてケーブル1を延線する改善策としての従来のケーブル延線工法では、1層目のケーブル1の延線におけるケーブル1とケーブルトレイ2の子桁との間の摩擦によるケーブル1の牽引負荷の増大やケーブル1の損傷を防止できるものの、上記従来のケーブル延線工法における他の課題を何ら解消するものではなかった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ケーブルの牽引負荷および損傷の発生を低減するとともに、ケーブルの絡み合いの発生を抑えて、整線作業の負荷を低減できるケーブル延線工法を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るケーブル延線工法は、複数本のケーブルをそれらの先端部を固定し、該先端部を牽引して該複数本のケーブルを一度に延線するケーブル延線工法において、ケーブル延線経路の各コーナー部にそれぞれコーナーコロを配置するとともに、該複数本のケーブルをそれぞれに分離し、かつ、並列状態で案内する整線コロを外周側のケーブルが立ち上がるように傾斜させて各コーナー部の前段に配置し、該ケーブル延線経路の直線部から該外周側のケーブルが立ち上がるように該複数本のケーブルを並列状態で傾斜させて該コーナーコロに導くようにしたものである。
【0011】
また、上記整線コロが、各コーナー部の前段にケーブルの延線経路に沿って複数配置され、かつ、該複数の整線コロが、その傾斜角をコーナー部に近づくにつれ大きくするようにそれぞれ傾斜されているものである。
【0012】
また、複数本のケーブルをそれぞれに分離し、かつ、並列状態で案内する整線コロが、外周側のケーブルが立ち上がるように傾斜させて各コーナー部の後段に配置されているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る整線コロを示す側面図、図2はその上面図、図3はその正面図である。
図において、ローラ取付ブラケット11は矩形平板状の基部11a、該基部11aの両長辺を下側に直角に折り曲げて成形された一対の腕部11b、11bおよび該基部11aの両短辺を上側に直角に折り曲げて成形された一対の支持片11c、11cから構成されている。そして、基部11aには、長手方向に伸びる長穴11dが形成されている。さらに、一対の腕部11b、11bには、それぞれ回動中心となる穴11eと該穴11eを円弧中心とする円弧穴11fが形成されている。
この基部11aには、長穴11dを介して3本の縦軸ローラ12が長穴11dの長手方向に移動可能に、かつ、回転可能に立設され、さらに長穴11dの両端に2本の縦軸ローラ12が回転可能に立設されている。なお、これらの縦軸ローラ12は、蝶ナット13により基部11aに着脱可能に取り付けられている。また、横軸ローラ14が一対の支持片11c、11cに回転自在に取り付けられている。
ここで、横軸ローラ14の軸は、基部11aの主面に対して平行となっており、縦軸ローラ12の軸は、基部11aの主面に対して直交している。そして、5本の縦軸ローラ12は、横軸ローラ14の軸に平行に並設されている。
【0014】
固定ブラケット15は、矩形平板状の基部15aおよびこの基部15aの両長辺を直角に折り曲げて成形された一対の腕部15b、15bから構成されている。各腕部15bはその一端側が延出され、該延出部に穴15cが穿設され、該穴15cから所定距離隔ててネジ穴(図示せず)が設けられている。なお、穴15cとネジ穴との位置関係は、上記ローラ取付ブラケット11における穴11eと円弧穴11fとの位置関係と一致している。基部15aの他端側には、固定ボルト16が取り付けられている。また、基部15aには、その主面に直交するように受け台17が取り付けられている。
また、操作ハンドル部18は一端に固定ボルト19が取り付けられた作動腕20とこの作動腕20を揺動動作させるハンドル21とから構成されている。この操作ハンドル部18は、固定ボルト19を固定ボルト16に相対するように基部15aの主面に取り付けられている。なお、固定ボルト16、19および受け台17から固定手段が構成されている。
【0015】
そして、ローラ取付ブラケット11はその一対の腕部11b、11bの内壁面を一対の腕部15b、15bの外壁面に面するように、かつ、穴11e、15cの穴中心を一致させて、固定ブラケット15に嵌め合わされ、穴11e、15cを介して回転軸としての連結ボルト22により該連結ボルト22回りに回動可能に連結されている。この時、各腕部15bに形成されたネジ穴は各腕部11bに形成された円弧穴11f内に位置している。さらに、締着部材としての蝶ネジ23が外側からネジ穴に螺着されており、この蝶ネジ23を締付けることにより、ローラ取付ブラケット11が固定ブラケット15に締着固定されるようになっている。なお、円弧穴11fおよび蝶ネジ23により角度調整手段が構成されている。
【0016】
このように構成された整線コロ10を用いたケーブルの延線工法について説明する。
まず、ケーブルトレイ2が、建築物の側壁3等に直接または支持部材によって支持されて該ケーブル1の延線経路に沿って敷設される。さらに、このケーブルトレイ2の各コーナー部にコーナーコロ4が配設される。
ついで、整線コロ10のハンドル21を操作して、図1中一点鎖線で示されるように、作動腕20を開放状態に作動させる。この時、固定ボルト16、19間が広げられる。そして、固定ボルト16、19間を通してケーブルトレイ2の側板である取付基材としての親桁2aの上端を受け台17に宛てがう。そこで、ハンドル21を操作して作動腕20を閉じ、固定ボルト16、19を回転させて延出させ、固定ボルト16、19によりケーブルトレイ2の親桁2aを両側から加圧挟持し、整線コロ10をケーブルトレイ2に取り付ける。この整線コロ10は、連結ボルト22の軸心方向をケーブルトレイ2の長さ方向に一致されて、図4に示されるように、ケーブルトレイ2に所定間隔毎に取り付けられ、ケーブル1の延線路を形成する。これらの整線コロ10は、基部11aの主面、即ち横軸ローラ14の軸方向が水平となっている。
つぎに、各コーナーコロ4の前後位置で、ケーブルトレイ2の親桁2aに整線コロ10を取り付ける。この整線コロ10においては、蝶ネジ23を緩めて、図1に一点鎖線で示されるように、ローラ取付ブラケット11を連結ボルト22回りに回動させる。そして、蝶ネジ23を締付けて、ローラ取付ブラケット11を固定ブラケット15に締着固定する。これらのコーナーコロ4の前後に配設された整線コロ10は、延線される外周側のケーブル1が立ち上がるように、基部11aの主面(横軸ローラ14の軸方向)を傾斜させて、ローラ取付ブラケット11が固定ブラケット15に固定されている。
【0017】
そこで、複数のケーブルドラム(図示せず)のそれぞれに巻回されている各ケーブル1の先端部をまとめ、該先端部を引いて、各整線コロ10において各ケーブル1をそれぞれ縦軸ローラ12間に分けて収めつつ、所定の電気装置位置まで導く。複数本のケーブル1は、直線部では、整線コロ10により、水平状態を保ちつつ、縦軸ローラ12および横軸ローラ14を回転させつつ、スムーズに牽引される。そして、コーナー部では、コーナーコロ4の前段に配置された整線コロ10により、水平状態から外周側のケーブル1が立ち上がってコーナーコロ4に導かれる。この時、複数本のケーブル1は、図5の(a)に示すように、それらの並ぶ方向がコーナーコロ4の軸に対して傾斜してコーナーコロ4に導かれるので、牽引力により各ケーブル1に作用する力は、図5の(a)中矢印で示されるように、自ケーブルのコロ側に位置するケーブル1の外周面に沿って上側に滑り落ちるように作用する。そこで、各ケーブル1は自ケーブル1のコロ側に位置するケーブル1の外周面に沿って上側に滑り落ち、図5の(b)に示すように、コーナーコロ4の外周面に沿って並ぶ各ケーブル1の位置は固定される。このようにしてコーナーコロ4を通過した複数本のケーブル1は、コーナーコロ4の後段に配置された整線コロ10により、外周側のケーブル1が立ち上がった傾斜状態から水平状態に戻されて次の整線コロ10に導かれる。
【0018】
このようにして多数の整線コロ10で形成された延線路に延線された複数本のケーブル1は、各整線コロ10からケーブルトレイ2内に移動され、それぞれ真っすぐになるように整線されてケーブルトレイ2内に一括して収容され、布設される。そして、ケーブルトレイ2内に収容されたケーブル1はそれぞれケーブルトレイ2の子桁2bに結束される。
さらに、2層目のケーブル1を布設する場合には、上述の延線作業を繰り返し行うことになる。
このようにしてケーブル1の布設が終われば、固定ボルト16、19による親桁2aの挟持を解除し、ハンドル21を操作して、作動腕20を開放状態に作動させ、各整線コロ10を取り外し、ケーブル1の布設作業が完了する。
【0019】
この実施の形態1のケーブル延線工法によれば、整線コロ10をケーブルトレイ2の親桁2aに取り付けてケーブルトレイ2に沿って所定間隔毎に多数配置し、各コーナ部にコーナコロ4を配置し、さらにコーナコロ4の前段に配置した整線コロ10のローラ取付ブラケット11の主面を傾斜させて、直線部では複数本のケーブル1をそれぞれに分離し、かつ、水平な並列状態で案内し、コーナ部では複数本のケーブル1をそれぞれに分離し、かつ、傾斜した並列状態でコーナコロ4に導くようにして複数本のケーブル1を一括して延線している。
そこで、コーナコロ4の外周面に沿った複数本のケーブル1の配列順序が固定され、コーナコロ4の外周面に沿ったケーブルの配列順序が不定となることに起因するケーブルの絡み合いの発生が抑えられる。また、ケーブル1が縦軸ローラ12および横軸ローラ14を回転させつつ牽引され、摩擦による牽引負荷が低減でき、ケーブル1の損傷も抑えられる。さらに、複数本のケーブル1が縦軸ローラ12により分離されて延線され、ケーブル1の絡み合いが発生せず、ケーブルトレイ2でのケーブルの整線作業が著しく軽減される。さらには、ケーブルトレイ2に沿ってケーブル延線経路を形成しており、ケーブル1の布設場所と延線場所とが異なり、ケーブルトレイ2内に多層に布設するような場合にも、ケーブル1間の摩擦による牽引力の増大やケーブル1の絶縁被膜の溶融、損傷がなく、簡易に適用することができる。
さらに、コーナコロ4の後段に配置した整線コロ10のローラ取付ブラケット11の主面を傾斜させているので、コーナコロ4を通過時に鉛直方向に配列する複数本のケーブル1が、該整線コロ10により外周側のケーブル1が立ち上がるように傾斜した配列状態を経て、横軸ローラ14の軸方向が水平となっている次の整線コロ10に導かれる。そこで、複数本のケーブル1は、コーナコロ4を通過した後、横軸ローラ14が傾斜している整線コロ10を経て横軸ローラ14が水平な整線コロ10にスムーズに移行できる。
【0020】
また、この実施の形態1による整線コロ10は、縦軸ローラ12および横軸ローラ14を備えたローラ取付ブラケット11が固定ブラケット15に連結ボルト22回りに回動可能に取り付けられ、連結ボルト22の軸心を円弧中心とする円弧穴11fがローラ取付ブラケット11の腕部11bに設られ、蝶ばね23が該円弧穴11fを介して固定ブラケット15の腕部15bに螺着され、固定ボルト16および受け台17が固定ブラケット15の基部15aに取り付けられ、さらに固定ボルト19を備えた操作ハンドル部18が固定ブラケット15の基部15aに取り付けられて構成されているので、蝶バネ23の緩め/締め付け動作により、ローラ取付ブラケット11の主面、即ち横軸ローラ14を任意の角度に調整維持することができる。
そこで、直線部では複数本のケーブル1をそれぞれに分離し、かつ、水平な並列状態で案内し、コーナ部では複数本のケーブル1をそれぞれに分離し、かつ、傾斜した並列状態でコーナコロ4に導くケーブル延線経路をこの整線コロ10とコーナコロ4のみで簡易に構成できる。
また、この整線コロ10は、縦軸ローラ12が長穴11dを介して基部11aに蝶ネジ13により取り付けられているので、縦軸ローラ12を長穴11dの長手方向にスライド移動できるとともに、着脱できる。そこで、延線するケーブル1の太さや本数に応じて、縦軸ローラ12の間隔や本数を調整でき、汎用性に富む整線コロ10が得られる。
【0021】
実施の形態2.
この実施の形態2では、コーナ部の前段に近接して複数の整線コロ10を配置し、これらの整線コロ10の傾斜角がコーナ部に近づくにつれ大きくなるように各整線コロ10を傾斜させるものとしている。なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
この場合、複数本のケーブル1はそれぞれ分離され、かつ、並列状態を維持しつつ、直線部の水平状態から徐々に立ち上がり、所定の傾斜角でコーナコロ4に導かれるケーブル延線経路が構成される。そこで、ケーブル1の急激な立ち上がりに起因する牽引負荷の増大が抑えられ、スムーズに複数本のケーブル1を一括して延線することができる。
【0022】
なお、上記各実施の形態では、コーナ部の前後に配置される整線コロ10を傾斜させるものとしているが、コーナ部の前段に配置される整線コロ10のみを傾斜させるようにしてもよい。この場合、コーナコロ4に沿ったケーブル1の配列順序を固定できるという効果は得られる。
また、上記各実施の形態では、連結ボルト22の軸心を円弧中心とする円弧穴11fをローラ取付ブラケット11の腕部11bに設け、蝶ばね23を該円弧穴11fを介して固定ブラケット15の腕部15bに螺着して、蝶ばね23の緩め/締め付け動作により、ローラ取付ブラケット11の主面を任意の角度に調整維持するものとしているが、角度調整手段はこれに限定されるものではなく、ローラ取付ブラケット11の主面の水平面に対する角度を調整でき、角度調整されたローラ取付ブラケット11を固定ブラケット15に固定できるものであればよい。
【0023】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0027】
また、この発明によれば、複数本のケーブルをそれらの先端部を固定し、該先端部を牽引して該複数本のケーブルを一度に延線するケーブル延線工法において、ケーブル延線経路の各コーナー部にそれぞれコーナーコロを配置するとともに、該複数本のケーブルをそれぞれに分離し、かつ、並列状態で案内する整線コロを外周側のケーブルが立ち上がるように傾斜させて各コーナー部の前段に配置し、該ケーブル延線経路の直線部から該外周側のケーブルが立ち上がるように該複数本のケーブルを並列状態で傾斜させて該コーナーコロに導くようにしたので、ケーブルの牽引負荷および損傷の発生を低減するとともに、ケーブルの絡み合いの発生を抑えて、整線作業の負荷を低減できるケーブル延線工法が得られる。
【0028】
また、上記整線コロが、各コーナー部の前段にケーブルの延線経路に沿って複数配置され、かつ、該複数の整線コロが、その傾斜角をコーナー部に近づくにつれ大きくするようにそれぞれ傾斜されているので、ケーブルの急激な立ち上がりに起因する牽引負荷の増大を抑えることができる。
【0029】
また、複数本のケーブルをそれぞれに分離し、かつ、並列状態で案内する整線コロが、外周側のケーブルが立ち上がるように傾斜させて各コーナー部の後段に配置されているので、コーナコロ通過時に鉛直方向に配列する複数本のケーブル配列姿勢をスムーズに水平状態に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る整線コロを示す側面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る整線コロを示す上面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る整線コロを示す正面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係るケーブル延線工法を説明する図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係るケーブル延線工法におけるコーナコロでのケーブルの動作を説明する図である。
【図6】 従来のケーブル延線工法を説明する図である。
【図7】 従来のケーブル延線工法におけるコーナコロでのケーブルの動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 ケーブル、2 ケーブルトレイ、2a 親桁(取付基材)、4 コーナコロ、10 整線コロ、11 ローラ取付ブラケット、11f 円弧穴(角度調整手段)、12 縦軸ローラ、14 横軸ローラ、15 固定ブラケット、16、19 固定ボルト(固定手段)、17 受け台(固定手段)、22 連結ボルト(回転軸)、23 蝶ナット(角度調整手段)。

Claims (3)

  1. 複数本のケーブルをそれらの先端部を固定し、該先端部を牽引して該複数本のケーブルを一度に延線するケーブル延線工法において、ケーブル延線経路の各コーナー部にそれぞれコーナーコロを配置するとともに、前記複数本のケーブルをそれぞれに分離し、かつ、並列状態で案内する整線コロを外周側のケーブルが立ち上がるように傾斜させて各コーナー部の前段に配置し、該ケーブル延線経路の直線部から該外周側のケーブルが立ち上がるように該複数本のケーブルを並列状態で傾斜させて前記コーナーコロに導くようにしたことを特徴とするケーブル延線工法。
  2. 上記整線コロが、各コーナー部の前段にケーブルの延線経路に沿って複数配置され、かつ、該複数の整線コロが、その傾斜角をコーナー部に近づくにつれ大きくするようにそれぞれ傾斜されていることを特徴とする請求項1記載のケーブル延線工法。
  3. 複数本のケーブルをそれぞれに分離し、かつ、並列状態で案内する整線コロが、外周側のケーブルが立ち上がるように傾斜させて各コーナー部の後段に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のケーブル延線工法。
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