JP3815442B2 - 情報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人情報等の、盗難や漏出から保護すべき情報を格納した情報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、個人情報等の重要な情報を、その内部に格納した情報装置が普及している。このような情報装置の例としては、個人の認証を行うための、例えば指紋パターンや虹彩パターン等に関するバイオメトリクス情報や、パスワード等の認証情報を格納した認証装置および入退室管理装置等が挙げられる。
【0003】
このような情報装置においては、格納された情報を不正に得ようとする者が情報装置の蓋部や筐体をこじ開け、情報が格納された記憶装置を情報装置から取り外し、格納された情報を取得する行為や、情報装置を筐体ごと壁面から取り外して情報装置ごと盗む等の行為(以下、タンパ行為と記す)をいかにして防ぐかが大きな課題となっており、この課題を解決するために様々な技術が提案されてきた。
【0004】
例えば、電子機器を収納するための筐体であって、筐体には蓋部が設けられており、筐体を壁面に取り付ける際のねじは、蓋部を開いた状態でないと取り扱うことができない構成とし、さらに蓋部と筐体とをねじ止めする構成によって、筐体を壁面から取り外すことができないようにする構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特許第2781127号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような情報装置においては、不正な者がまず蓋部をこじ開けて、筐体を固定するねじ穴を発見して、その後に筐体を取り外せば、難なく情報装置を筐体から取り外すことができてしまうという課題があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、簡易でかつ安全な構成で、格納された情報の漏出や盗難を防ぐことのできる情報装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報装置は、支持基体に取り付けられ、第1の孔部と第2の孔部とを有する筐体と、筐体の内部に設けられ、第1の孔部を介して所定の方向に付勢される可動部と第2の孔部を介して所定の方向と反対の方向に付勢される固定部とを有し、可動部が固定部に押圧されている場合は導通があり、押圧されていない場合は導通がない開閉器と、開閉器の導通がない場合に警報を発生する警報発生部とを備えたことを特徴としている。
【0009】
このような構成により、可動部と可動部が押圧されるべき固定部とからなり、可動部が固定部に押圧されることにより接点が接触して導通する開閉器を用いるという簡易な構成によって、筐体の互いに異なる面に対するタンパ行為が検知できるので、例えば、蓋部が開けられても、筐体が壁面より取り外されても警報を発生することのできる情報装置を提供することができる。
【0010】
また、本発明の情報装置は、支持基体に取り付けられ、第1の孔部と第2の孔部とを有する筐体と、筐体の内部に設けられ、第1の孔部を介して所定の方向に付勢される柱状の可動部と第2の孔部を介して所定の方向と反対の方向に付勢される筒状の固定部とを有し、可動部が固定部の筒内に押し込まれている場合は導通があり、押し込まれていない場合は導通がない開閉器と、開閉器の導通がない場合に警報を発生する警報発生部とを備えたことを特徴としている。
【0011】
このような構成により、柱状の可動部と可動部が押し込まれるべき筒状の固定部とからなり、可動部が固定部に押し込まれることにより接点が接触して導通する開閉器を用いるという簡易な構成によっても、筐体の互いに異なる面に対するタンパ行為が検知できるので、例えば、蓋部が開けられても、筐体が壁面より取り外されても警報を発生することのできる情報装置を提供することができる。
【0012】
さらに、情報を記憶する記憶部と、記憶部と警報発生部と開閉器とに接続された制御部とを備え、開閉器の導通がない場合に、制御部が、警報発生部に警報を発生させるとともに、記憶部に記憶された情報を消去させる構成によれば、記憶部に記憶された情報を漏出することのないセキュリティ性の高い情報装置を実現できる。
【0013】
また、固定部を筐体に対して弾性的に保持する弾性部を備えた構成によれば、メンテナンスを行う場合等において、蓋部を開けたり筐体を支持基体から取り外し、作業終了後に再度蓋部を閉めたり筐体を支持基体に取り付けたりするときに、固定部が筐体に対して弾性的に保持されているので、作業性の高い構成を実現できる。
【0014】
さらに、第1の孔部よりも径の小さい第1の突起部を有する蓋部を備え、第1の突起部によって可動部が所定の方向に付勢される構成により、筐体に第1の突起部よりも径の大きな第1の孔部を設けるという簡易な構成で、蓋部が開けられた場合に、警報を発生するセキュリティ性の高い構成を実現できる。
【0015】
また、固定部が、支持基体側に第2の孔部よりも径の小さい第2の突起部を有し、第2の突起部が支持基体によって所定の方向と反対の方向に付勢される構成によれば、筐体の支持基体側に第2の突起部よりも径の大きな第2の孔部を設けるという簡易な構成で、支持基体、例えば壁から取り外された場合に、警報を発生するセキュリティ性の高い構成を実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として、本発明の情報装置について、図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態における情報装置の通常使用時の構成を示す図である。
【0018】
本発明の情報装置1の筐体4は、壁等の支持基体の所定の面(以下、壁面11として説明する)に図示しないねじ等の公知の取付手段で取り付けられている。また、筐体4の図1における左側に設けられた孔部を覆うように蓋部6が設けられており、筐体4の内部は情報装置1の外部からは見えないように構成されている。蓋部6は図示しないねじや錠前等の広く知られた取付手段によって筐体4に取り付けられている。筐体4内部には、柱状の可動部13と可動部13が押し込まれる筒状の固定部12とからなる開閉器2が備えられている。
【0019】
ここで、本発明の実施の形態の情報装置1における開閉器2の構成について詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態における情報装置1の開閉器2の構成の一例を示す図である。
【0020】
図2に示したように、開閉器2は、柱状の可動部13と可動部13が押し込まれる筒状の固定部12とからなる。可動部13は、固定部12に対し同一軸上に移動するようになっている。可動部13の図2における右側には可動部側接点20が設けられており、固定部12の、可動部側接点20が設けられた面に対向する面には一対の固定部側接点21が設けられている。外力が付与されない場合には、可動部13はバネ等公知の弾性手段25の弾性力によって図2における左側に移動した状態で保持されており、固定部側接点21間は電気的に導通しない。一方、何らかの外力によって可動部13が固定部12の内部に押し込まれた場合(図2中右側に移動した場合)には、可動部側接点20と固定部側接点21とが当接し、固定部側接点21間が電気的に導通する構成である。この場合、可動部13が固定部12に対し同一軸上に移動するため、可動部側接点20と固定部側接点21との接触が確実に行われる。
【0021】
再び図1に戻って、蓋部6の内側には突起部8が設けられている。突起部8は筐体4の図1において向かって左側に開けられた孔部を介して、開閉器2の可動部13を図1における右方向に付勢して、可動部13を固定部12の内部に押し込んだ状態、すなわち前述の可動部側接点20と固定部側接点21とが当接するような状態に保持している。
【0022】
ここで、開閉器2の固定部12はホルダ部10に接着等の公知の方法で取り付けられているので、固定部12とホルダ部10とは一体に動作する。ホルダ部10は、ガイド部9によって一定の方向(図1において水平方向)に移動可能に保持されている。
【0023】
ホルダ部10の図1における左側(一端側)の部分は、コイルバネ7によって弾性的に保持されている。ホルダ部10の図1における右側(他端側)の部分には突出部14が設けられており、突出部14は筐体4が壁面11に取り付けられる際に、その他端側が筐体4に開けられた孔部を介して壁面11によって付勢され、図1における左方向に移動した状態で保持されている。すなわち、ホルダ部10および固定部12は、一端側をコイルバネ7で弾性的に保持され、他端側を壁面11によって図1における左方向に付勢された状態で保持されている。
【0024】
突起部8の長さは、蓋部6が筐体4に取り付けられ、かつ、突出部14が壁面11によって図1における左方向に付勢された状態で、開閉器2の可動部13を固定部12に対して押し込んで、開閉器2の端子間の導通があるような長さに調節されている。
【0025】
このように、本発明の情報装置1は、通常の使用時においては開閉器2が導通した状態であるが、開閉器2の導通が遮断された場合には、開閉器2と接続された制御部3が開閉器2の導通が遮断されたことを検知して警報発生部5に警報を発生させる。この検知を行うためには、例えば、図3に示したような回路を形成しておけばよい。図3は、本発明の情報装置1における開閉器2の導通を検知する回路構成の一例を示す図である。図3に示すように、開閉器2の固定部側接点21の両端に所定の電圧を印加し、制御部3は開閉器2の固定部側接点21のそれぞれと接続してその間の電位差を測定する構成とする。このような構成とすることにより、通常使用時には、前述のように、開閉器2の可動部側接点20と固定部側接点21とが当接して、固定部側接点21間に電位差は発生しない。この場合、制御部3は電位差=「0」を検出して通常状態であると判定する。後述するようなタンパ行為が行われて、可動部側接点20と固定部側接点21とが離間した場合には、固定部側接点21間には電流が流れず、所定の電位差が生ずる。制御部3は、この電位差が発生したことを検知して、異常状態であるとみなして警報発生部5に警報を発生させる。なお、回路中には電源39および抵抗38が図3に示したように配置されている。
【0026】
次に、本発明の情報装置1における、蓋部6が開けられた場合の動作について、図4を用いて説明する。
【0027】
図4は情報装置1の蓋部6が開けられた状態の構成を示す図である。蓋部6が開けられた状態においては、蓋部6の突起部8と開閉器2の可動部13とが離間するため、可動部13は図4における左方向に移動して、開閉器2の導通は遮断される。制御部3は、前述のような方法で開閉器2の導通が遮断されたことを検知して、警報発生部5に警報を発生させる。
【0028】
前述のように、開閉器2の固定部12とホルダ部10とは一体に保持されているので、ホルダ部10はその一端部分(図4における紙面に向かって左側部分)をコイルバネ7によって弾性的に保持された状態であるため、突起部8は確実にホルダ部10から抜けて可動部13から離間することができる。
【0029】
このような構成によって、本発明の情報装置は、蓋部6が開けられた場合に確実に警報を発生することができる。
【0030】
さらに、本発明の情報装置は、蓋部6が開けられた場合に警報を発生するとともに、筐体4を壁面11から取り外した場合にも警報を発生することが可能な構成である。この構成について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の情報装置において、筐体4が壁面11から取り外された状態を示す図である。
【0031】
図5において、筐体4が壁面11から取り外されたときには、ホルダ部10の図5における右側に設けられた突出部14と壁面11とが離間して、コイルバネ7の弾性力によってホルダ部10が図5中右方向に動いて突起部8と可動部13とが離間して開閉器2の導通は遮断される。突出部14は筐体4から突出し、制御部3は前述のように開閉器2の導通が遮断されたことを検知して警報発生部5に警報を発生させる。
【0032】
なお、本発明の実施の形態においては、開閉器2の構成を、図2に示したような柱状の可動部13が筒状の固定部12内に押し込まれることによって導通する構成であるとして説明したが、本発明の情報装置における開閉器はこれに限定されず、可動部と固定部とを有するあらゆる開閉器に適応可能である。図6は、本発明の実施の形態における情報装置の開閉器の別の構成を示す図である。なお、説明を簡単にするために、図2に示した開閉器2と同様の構成要件については同一の符号を付して、説明は省略する。
【0033】
図6(a)に示した開閉器42は、固定部22に対して板状の可動部23が押圧されて導通する構成であり、固定部22の可動部23に対向する面に固定部側接点21を有し、可動部23の固定部22に対向する面に可動部側接点20を有する。開閉器42においては、可動部23は弾性手段25によって図6(a)中左方向に付勢されており、可動部側接点20と固定部側接点21とが離間しているので固定部側接点21間は導通しない。可動部23は外力によって図中右方向に押圧されることによって固定部22と当接し、その結果、可動部側接点20と固定部側接点21とが当接して、固定部側接点21間が導通される構成である。
【0034】
次に、図6(b)に示した開閉器52は、いわゆる広く知られたプッシュスイッチであり、可動部33が固定部32から抜けない構成であり、繰り返して使用する場合に適した構成である。可動部33は固定部32の孔部よりも径の小さな柱部37と、柱部37の径および固定部32の孔部よりも径の大きな保持部36とを有し、保持部36が固定部32の孔部から抜けないので、可動部33が固定部32に対して抜けずに保持される。開閉器52においても、可動部33は弾性手段25によって図6(b)中左方向に付勢され、可動部側接点20と固定部側接点21とが離間するので、固定部側接点21間は導通しない。また、外力によって可動部33が図6(b)における右方向に押圧された場合には、可動部側接点20と固定部側接点21とが当接して、固定部側接点21間が導通する構成である。
【0035】
なお、本発明の実施の形態における情報装置において、情報を格納した記憶部(図示せず)が制御部が接続され、制御部は開閉器の導通が遮断されたことを検知した場合に、警報発生部に警報を発生させるとともに、記憶部に記憶された情報を消去させる構成とすれば、情報の漏出を防ぐ、セキュリティ性の高い構成を実現できる。
【0036】
以上述べたように、本発明の情報装置を用いれば、不正な者が情報装置の蓋部を開けた場合および筐体を壁面から取り外した場合のどちらの場合にも警報を発生させることが可能であるので、高いセキュリティ性を有する情報装置を提供することが可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡易な構成で高いセキュリティ性を実現した情報装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における情報装置の構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態における情報装置の開閉器の構成の一例を示す図
【図3】本発明の実施の形態における情報装置の開閉器の導通を検知する回路構成の一例を示す図
【図4】本発明の実施の形態における情報装置の蓋部が開けられた場合の構成を示す図
【図5】本発明の実施の形態における情報装置の筐体が取り外された場合の構成を示す図
【図6】本発明の実施の形態における情報装置の開閉器の構成の他の例を示す図
【符号の説明】
1 情報装置
2,42,52 開閉器
3 制御部
4 筐体
5 警報発生部
6 蓋部
7 コイルバネ
8 突起部
9 ガイド部
10 ホルダ部
11 壁面
12,22,32 固定部
13,23,33 可動部
14 突出部
20 可動部側接点
21 固定部側接点
25 弾性手段
36 保持部
37 柱部
38 電源
39 抵抗

Claims (6)

  1. 支持基体に取り付けられ、第1の孔部と第2の孔部とを有する筐体と、
    前記筐体に設けられた蓋部と、
    前記筐体の内部に設けられ、前記蓋部によって前記第1の孔部を介して所定の方向に付勢され、前記所定の方向と反対の方向に移動可能な可動部と、前記支持基体によって前記第2の孔部を介して前記所定の方向と反対の方向に付勢され、前記所定の方向に移動可能な固定部とを有し、前記可動部が前記固定部に押圧されている場合は導通があり、押圧されていない場合は導通がない開閉器と、
    前記開閉器の導通がない場合に警報を発生する警報発生部とを備えた情報装置であって、
    前記蓋部が前記筐体から開けられた場合に、前記可動部が前記所定の方向と反対の方向に移動して前記開閉器の導通遮断、前記筐体が前記支持基体から取り外された場合に、前記固定部が前記所定の方向に移動して前記開閉器の導通遮断することを特徴とする情報装置。
  2. 支持基体に取り付けられ、第1の孔部と第2の孔部とを有する筐体と、
    前記筐体の内部に設けられ、前記第1の孔部を介して所定の方向に付勢される柱状の可動部と前記第2の孔部を介して前記所定の方向と反対の方向に付勢される筒状の固定部とを有し、前記可動部が前記固定部の筒内に押し込まれている場合は導通があり、押し込まれていない場合は導通がない開閉器と、
    前記開閉器の導通がない場合に警報を発生する警報発生部と、
    前記筐体に設けられた蓋部とを備えた情報装置であって、
    前記蓋部が前記筐体から開けられた場合に前記開閉器の導通が遮断され、前記筐体が前記支持基体から取り外された場合に前記開閉器の導通が遮断されることを特徴とする情報装置。
  3. 情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部と前記警報発生部と前記開閉器とに接続された制御部とを備え、
    前記開閉器の導通がない場合に、前記制御部が、前記警報発生部に警報を発生させるとともに、前記記憶部に記憶された前記情報を消去させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報装置。
  4. 前記固定部を前記筐体に対して弾性的に保持する弾性部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の情報装置。
  5. 前記第1の孔部よりも径の小さい第1の突起部を有する蓋部を備え、
    前記第1の突起部によって前記可動部が前記所定の方向に付勢されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の情報装置。
  6. 前記固定部が、前記支持基体側に前記第2の孔部よりも径の小さい第2の突起部を有し、前記第2の突起部が前記支持基体によって前記所定の方向と反対の方向に付勢されることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の情報装置。
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