JP3815360B2 - 印刷前処理装置及びその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真等の画像を、余白を残すことなく用紙の全面に印刷する、いわゆるフチなし全面印刷に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来におけるフチなし全面印刷の課題を説明するための説明図である。
【0003】
従来、プリンタ等によって、写真等の画像のフチなし全面印刷を行う場合、図10に示すように、印刷すべき画像の大きさを実際の用紙サイズよりも大きくして、画像の印刷を行うことにより、画像の端部を若干(3〜5mm程度)打ち捨てていた。
【0004】
このような打ち捨てが行われるのは、次の理由によるものである。
【0005】
すなわち、フチなし全面印刷を行う場合、画像を用紙サイズに完全に合わせて印刷することができれば、本来、画像の打ち捨てられる部分はなくなる。しかし、その場合、プリンタにおいて、印刷時に用紙が微妙に曲がって給紙されると、画像は用紙幅ぎりぎりで印刷されるので、途中から、用紙の端に白い未印刷部分が残ってしまう。これは、印刷中に、印刷ヘッドに対して用紙が斜めになった結果、用紙とヘッドとの位置関係が徐々にずれてしまうことによって起きる。
【0006】
このように、用紙が曲がって給紙される原因としては、給紙機構の機械的精度に限界があり、給紙機構が必然的に用紙を多少曲げて給紙してしまうこと、用紙自体が正確な長方形を成しておらず、スキュー歪みを有していること、などが挙げられ、いずれの原因も完全に回避することはかなり困難である。
【0007】
そこで、従来においては、上述したとおり、画像の大きさを用紙サイズよりも多少大きくして、画像を印刷することで、用紙が多少曲がって給紙されても、用紙の端に白い未印刷部分が残るのを防いでいる。すなわち、このような画像のフチ部分の打ち捨ては、給紙機構の機械的精度や用紙のスキュー歪みの制約から、用紙が多少曲がって給紙されても、白い未印刷部分が残らないようにするために必要な処置であった.
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような画像の端部の打ち捨ては、本来、画像として印刷されるはずの情報が一部欠損することに変わりはないため、ユーザによっては、そのような情報の欠損することを気にする者もあり、情報の欠損を伴わないフチなし全面印刷の実現が望まれていた。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、情報の欠損を伴わないフチなし全面印刷を可能とする技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の印刷前処理装置は、余白を残すことなく用紙の全面に印刷画像を印刷する際の前処理を行う印刷前処理装置であって、
印刷すべき原画像として与えられる、その大きさが前記用紙のサイズより小さい原画像の周辺部に、該原画像から得られる画像情報に基づいて作成した拡張画像を追加して、前記印刷画像を得る拡張画像追加部を備えることを要旨とする。
【0011】
このようにして得られる印刷画像は、中央に原画像が、端部に拡張画像が、それぞれ位置することになる。従って、このような印刷画像を余白を残すことなく用紙の全面に印刷すると、例え、印刷時に、印刷画像の端部が打ち捨てられても、原画像は残るため、画像として印刷したい情報は欠損することなく全て印刷することができる。
【0012】
本発明の印刷前処理装置であって、前記拡張画像追加部は、
前記原画像または重畳画像を拡大する画像拡大部と、
拡大して得られた拡大画像の中央に前記原画像または重畳画像を重畳して、新たな重畳画像を得る画像重畳部と、
を備え、
前記原画像に対して、1回以上、前記画像拡大部による拡大と前記画像重畳部による重畳とを繰り返して、最終的に得られた前記重畳画像を前記印刷画像とすることが好ましい。
【0013】
このようにすることによって、原画像の周辺部に、原画像の端部の画像情報を用いた拡張画像を容易に作成して追加することができる。
【0014】
本発明の印刷前処理装置において、前記拡張画像追加部は、重畳して得られた前記新たな重畳画像における、前記拡大画像と重畳された前記原画像または重畳画像との境界部分にぼかし処理を施すぼかし処理部をさらに備えることが好ましい。
【0015】
このようなぼかし処理を施すことによって、重畳画像において、上記境界を視覚的に目立たなくすることができる。
【0016】
本発明の印刷前処理装置において、前記画像拡大部は、前記原画像の端部に繰り返しパターンが存在する場合に、前記繰り返しパターンの繰り返し周波数に応じた拡大率で、前記原画像または重畳画像を拡大することが好ましい。
【0017】
このように、繰り返しパターンの繰り返し周波数に応じた拡大率を用いることにより、拡大画像に原画像または重畳画像を重畳した際に、繰り返しパターンの部分が連続した自然な重畳画像を得ることができるようになる。
【0018】
なお、本発明は、上記した印刷前処理装置などの装置発明の態様に限ることなく、印刷前処理方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。さらには、それら方法や装置を構築するためのコンピュータプログラムとしての態様や、そのようなコンピュータプログラムを記録した記録媒体としての態様や、上記コンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など、種々の態様で実現することも可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例の構成:
B.実施例の動作:
C.変形例:
【0020】
A.実施例の構成:
図1は本発明の一実施例としての印刷前処理装置を備えたコンピュータとプリンタから成る印刷システムを示すブロック図である。
【0021】
図1に示す印刷システムは、プリンタ100とコンピュータ200によって構成されており、このうち、コンピュータ200は、コンピュータプログラムに従って種々の処理や制御を行うためのCPU250と、上記コンピュータプログラムを記憶したり、処理中に得られたデータなどを記憶したりするためのメモリ252と、各種周辺装置との間でデータなどのやり取りを行うためのI/O部254と、キーボードやポインティングデバイスなどから成り、ユーザからの指示などを入力するための入力装置256と、CRTや液晶ディスプレイなどから成り、画像などを表示するためのモニタ258と、モデムやターミナルアダプタやネットワークカードなどから成り、ネットワークを介して他の装置と通信を行なうための通信装置260と、画像データなどを格納するためのハードディスク装置262と、上記コンピュータプログラムなどの書き込まれたCD−ROM264を読み取るためのCD−ROMドライブ装置266と、を備えている。また、このうち、メモリ252は、上記コンピュータプログラムとして、アプリケーションプログラムやプリンタドライバプログラムなどを記憶している。
【0022】
図2は本発明の一実施例として印刷前処理装置を実現するプリンタドライバ304の構成を示すブロック図である。
【0023】
CPU250は、メモリ252に記憶された上記コンピュータプログラムのうち、アプリケーションプログラムを読み出して実行することにより、アプリケーション302として機能し、プリンドライバプログラムを読み出して実行することにより、プリンタドライバ304として機能する。このうち、プリンタドライバ304は、拡張画像追加部305や、第1切り換え部306や、画像拡大部308や、画像重畳部310や、ぼかし処理部312や、第2切り換え部314や、画像処理部316や、ユーザインタフェース部318や、画像解析部320を構成する。
【0024】
本実施例では、図1に示すように、メモリ252に記憶された上記コンピュータプログラムは、記録媒体であるCD−ROM264に記録された形態で提供され、CD−ROMドライブ装置266により読み取られることによって、コンピュータ内に取り込まれる。取り込まれたコンピュータプログラムは、ハードディスク装置262に転送され、その後、起動時などにメモリ252に転送される。あるいは、読み取られたコンピュータプログラムは、ハードディスク装置262を介さず、直接、メモリ252に転送するようにしても良い。
【0025】
このように、本実施例では、コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録する「記録媒体」としてCD−ROMを利用することを述べたが、その他にも、フレキシブルディスクや光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0026】
また、コンピュータプログラムは、このような記録媒体に記録された形態での提供の他、ネットワークを介して、コンピュータプログラムを供給するプログラムサーバ(図示せず)にアクセスし、プログラムサーバからPCに取り込むようにしても良い。
【0027】
また、上記コンピュータプログラムの一部は、オペレーティングシステムプログラムによって構成するようにしても良い。
【0028】
B.実施例の動作:
アプリケーション302が起動している場合に、ユーザが、入力装置256を操作して、アプリケーション302において、例えば、写真などの所望の画像を選択し、その画像の印刷を指示すると、プリンタドライバ304が立ち上がり、プリンタドライバ304のユーザインタフェース部318が、モニタ258の画面上に印刷条件設定用ウインドウ(図示せず)を表示する。ここで、ユーザが、印刷条件として、用紙サイズや印刷品質などを設定する他、「フチなし全面印刷」を設定して、印刷開始を指示すると、図2に示すように、アプリケーション302からプリンタドライバ304に印刷すべき画像(以下、原画像という)Pのデータが与えられる。このとき、アプリケーション302は、原画像Pとして、設定された用紙サイズと等しい大きさ、または、それよりも小さい大きさのものを与える。
【0029】
プリンタドライバ304では、拡張画像追加部305のうち、画像解析部320が、ユーザインタフェース部318から、設定された印刷条件を取得して、「フチなし全面印刷」が設定されていることを認識する。そして、アプリケーション302から与えられた原画像Pを解析する。画像解析部320は、取得した印刷条件や原画像Pの解析結果に基づいて、設定された用紙サイズや与えられた原画像Pの大きさなどから、最終的に得るべき印刷画像Sの大きさを設定する。具体的には、プリンタ100における給紙機構の機械的精度や用紙のスキュー歪みなどを考慮して、原画像Pの大きさが用紙サイズと等しい場合には、原画像Pの大きさに対し、例えば、印刷結果の尺度で5mm程度、周辺部に拡張するような大きさに、印刷画像Sの大きさを設定する。また、原画像Pの大きさが用紙サイズより小さい場合には、用紙サイズより5mm程度大きくなるような大きさに設定する。
【0030】
画像解析部320は、原画像Pの大きさと設定された印刷画像Sの大きさを基にして、後述する画像拡大部308における拡大率uや、拡大・重畳処理の繰り返し回数vを決定する。また、設定された印刷品質などに応じて、ぼかし処理部312におけるぼかしの度合いや範囲なども決定する。そして、それら決定に応じて、画像拡大部308,ぼかし処理部312,ならびに第1及び第2切り換え部306,314を制御する。なお、拡大率uや繰り返し回数vの決定の仕方については、後ほど説明する。
【0031】
図3は本実施例の印刷前処理装置によって画像が処理される様子を示す説明図である。
【0032】
画像解析部320は、まず、図2に示すように、第1切り換え部306をa側に切り換える。第1切り換え部306は、アプリケーション302から与えられた原画像Pのデータを画像拡大部308と画像重畳部310にそれぞれ入力する。
【0033】
画像解析部320は、決定した拡大率uを画像拡大部308に指示し、画像拡大部308は、原画像Pの大きさを指示された拡大率uで拡大して、図3に示すように、拡大画像Q1を得る。画像重畳部310は、得られた拡大画像Q1の中央に、原画像Pを重畳して、重畳画像R1を得る。具体的には、拡大画像Q1の中央に原画像Pを上書きして両者を結合することにより、重畳画像R1を得る。
【0034】
画像解析部320は、決定したぼかしの度合いや範囲をぼかし処理部312に指示し、ぼかし処理部312は、それに応じて、重畳画像R1における拡大画像Q1と原画像Pとの境界部分に、ぼかし処理を施す。なお、ぼかし処理については、後ほど説明する。
【0035】
続いて、画像解析部320は、第2切り換え部314をb側に、第1切り換え部306もb側に、それぞれ切り換える。第2切り換え部314は、ぼかし処理の施された重畳画像R1のデータを第1切り換え部306に送り、第1切り換え部306は、その重畳画像R1のデータを再び画像拡大部308と画像重畳部310にそれぞれ入力する。
【0036】
画像拡大部308は、重畳画像R1の大きさを、先ほどと同じ拡大率で拡大して、新たな拡大画像Q2を得る。画像重畳部310は、得られた拡大画像Q2の中央に、重畳画像R1を重畳して、新たな重畳画像R2を得る。ぼかし処理部312は、得られた重畳画像R2における、拡大画像Q2と前の重畳画像R1との境界部分にぼかし処理を施す。
【0037】
以下、同様の処理が繰り返される。なお、図2において、拡大画像Qn,重畳画像Rnに添付された符号nは、拡大・重畳処理の繰り返された回数を示しており、その範囲は、1〜vである。画像解析部320は、画像重畳部310から重畳した回数(すなわち、上記の拡大・重畳処理の繰り返された回数nに対応)を取得し、その回数nが、先に決定した繰り返し回数vに等しくなったら、第2切り換え部314をa側に切り換えて、拡大・重畳処理の繰り返しを停止する。
【0038】
第2切り換え部314は、最終的に得られた重畳画像Rvのデータを印刷画像Sのデータとして、画像処理部316に送る。
【0039】
図3に示すように、最終的に得られた重畳画像Rv、すなわち、印刷画像Sは、原画像Pと、その周辺部に追加された拡張画像と、が結合して構成されており、その拡張画像は、原画像Pの端部が、拡大されながら、何重にも隣接して配置された構成となっている。なお、図3では、繰り返し回数vが「4」である場合を示しており、拡張画像は、原画像Pの端部が4重に配置されている。
【0040】
次に、画像処理部316は、通常のプリンタドライバが行うような画像処理を行う。具体的には、図示せざる解像度変換部や、色変換部や、ハーフトーン処理部や、ルックアップテーブルなどを備えており、まず、解像度変換部が、入力された印刷画像Sのデータに対し補間や間引きなどの解像度変換処理を施して、画像が印刷時の所望の解像度になるよう変換し、次に、色変換部が、ルックアップテーブルを参照しながら、印刷画像SのデータをRGBデータから、プリンタ100の入力に対応した例えばCMYKデータに変換し、さらに、ハーフトーン処理部が、印刷画像Sのデータに対し周知のディザ処理や誤差拡散処理を施して、印刷した際に所望の階調表現がなされるようにしている。
【0041】
こうして、画像処理部316によって処理された印刷画像Sのデータは、プリンタ100に転送される。プリンタ100では、用紙を給紙して、転送されたデータに基づいて、その用紙の全面に余白なしで画像を印刷する。
【0042】
図4は本実施例の印刷前処理装置によって処理された画像をフチなし全面印刷にて印刷した結果を示す説明図である。
【0043】
前述したように、印刷画像Sの大きさは、印刷結果の尺度として5mm程度、用紙サイズよりも大きくなるように設定されているため、印刷画像Sを用紙に印刷すると、図4に示すように、印刷画像Sの端部は若干打ち捨てられる。しかしながら、前述したとおり、印刷画像Sは原画像Pの周辺部に拡張画像を追加して構成される画像であるため、打ち捨てられる印刷画像Sの端部は、拡張画像の部分に相当する。拡張画像は、上述したとおり、原画像Pに追加した画像であり、本来必要な画像ではないため、打ち捨てられても支障がない。一方、前述したとおり、原画像Pの大きさは用紙サイズと等しいか、それよりも小さいため、印刷画像Sの中央に位置する原画像Pは、印刷画像Sの端部が打ち捨てられても、全て残ることになり、画像として印刷したい情報は欠損することなく全て印刷することができる。また、拡張画像のうち、一部は打ち捨てられずに残るが、拡張画像は、原画像Pの端部の画像情報を用いて作成した画像であるため、原画像Pの端部とは、親和性が高く、従って、一部が残っても、視覚的に不自然にはならない。
【0044】
図5は本実施例の印刷前処理装置によって処理された画像をフチなし全面印刷にて印刷する際に、用紙を曲げて給紙した場合の印刷結果を示す説明図である。
【0045】
また、プリンタ100において、給紙機構の機械的精度や用紙のスキュー歪みの制約から、用紙が給紙方向に対して多少曲がって給紙されても、上述したとおり、印刷画像Sの大きさは用紙サイズよりも大きくなるよう設定されているため、図5に示すように、用紙の端に白い未印刷部分が残ることがない。
【0046】
さて、続いて、前述したぼかし処理部312で行われるぼかし処理について簡単に説明する。
【0047】
拡大画像Qnに重畳画像Rn(または原画像P)を重畳すると、通常、その拡大画像Qnと重畳画像Rn(または原画像P)との境界は、画像的に不連続になるため、そのままでは、その境界が視覚的に目立ってしまう。そこで、本実施例では、ぼかし処理部312によって、その拡大画像Qnと重畳画像Rn(または原画像P)との境界部分にぼかし処理、すなわち、境界近傍における画素の値(色信号のレベル)を平均化することにより、その境界を目立たないようにしている。
【0048】
具体的には、ぼかし処理部312は、境界近傍の任意の点Eの座標を(x,y)とし、その画素値をp(x,y)とした場合に、その画素値p(x,y)を式(1)に従って平均化する。
【0049】
p'(x,y) = {p(x,y)+p(x-1,y)+p(x,y-1)+p(x+1,y)+p(x,y+1)}/5 …(1)
【0050】
但し、p’(x,y)は平均化して得られた画素値である。また、式(1)では、点Eから距離1以内の範囲で平均化を行っている。
【0051】
この平均化する範囲を変化させることにより、ぼかしの度合いを変化させることができるので、ぼかし処理部312は、指示されたぼかしの度合いとなるように、この平均化範囲を調整する。実際の処理では、境界近くでは広い範囲で平均化し、境界から離れるに従って、平均化する範囲を狭くすることにより、視覚的に違和感の少ないぼかし処理を行っている。
【0052】
また、ぼかし処理部312は、境界近傍のうち、指示されたぼかしの範囲内で、ぼかし処理を行う。具体的には、例えば、拡大画像Q1に原画像Pを重畳した際には、境界の内側が原画像Pとなるので、境界の内側については、最大8ライン幅(すなわち、1〜8ライン幅の間で可変)の極力狭い範囲でぼかし処理を行い、境界の外側については、内側に対し約1.5倍のライン幅の範囲でぼかし処理を行う。
【0053】
次に、画像解析部320における拡大率u及び繰り返し回数vの決定の仕方について説明する。決定の仕方としては、次の2つの方法が考えられる。
【0054】
(a)拡大率uを100%に近い値に決定する。
拡大率uを例えば100.5%に決定し、元となる原画像Pの大きさと、最終的に得たい印刷画像Sの大きさとから、その100.5%の拡大率で、原画像Pの大きさから何回拡大すれば、印刷画像Sの大きさになるかを求めて、繰り返し回数vを決定する。
【0055】
このように、拡大率uを100%に近い値に決定し、拡大・重畳の処理を繰り返すことにより、原画像Pの周辺部に、原画像Pの端部の画像を少しずつ拡大して追加することができる。
【0056】
このような方法により決定した拡大率u及び繰り返し回数vを用いて作成された印刷画像Sの実例を図6及び図7に示す。図6に示す印刷画像Sは、拡大率uを100.5%、繰り返し回数vを6回として得られた画像であり、図7に示す印刷画像Sは、拡大率uを100.5%、繰り返し回数vを8回として得られた画像である。
【0057】
(b)繰り返しパターンの周波数から拡大率uを決定する。
ここで、繰り返しパターンとは、同じようなパターンが繰り返されるもので、例えば、屋根瓦の映像や、たくさんの花や葉の映像や、等間隔に並ぶ人工的建造物などの映像などが挙げられる。
【0058】
原画像Pの端部に、このような繰り返しパターンの映像が存在する場合に、その繰り返し周波数(一定の領域の中でそのパターンが繰り返される回数;空間周波数)に、拡大画像Qにおける対応する繰り返しパターンの繰り返し周波数が同期するように、拡大率uを決定する。また、その決定した拡大率uと、原画像P及び印刷画像Sの大きさから、(a)の場合と同様に、繰り返し回数vを決定する。
【0059】
このように、繰り返し周波数に応じて拡大率uを決定することにより、拡大画像Qに原画像Pを重畳した際に、繰り返しパターンの部分が連続した自然な重畳画像を得ることができる。
【0060】
具体的には、まず、原画像Pを離散コサイン変換(DCT)などによって、周波数成分に変換し、その変換結果を解析することで、原画像Pの端部に繰り返しパターンの映像が存在するか否かを判断する。そして、繰り返しパターンの映像が存在する場合には、拡大画像Qに原画像Pを重畳した際に、原画像Pの端から拡大画像Qの端までの間(以下、拡張部分という)の幅が、繰り返しパターンの繰り返し周期(繰り返し周波数の逆数)の整数倍になるように、拡大率uを決定する。このようにすると、違和感が少なく、画像を重畳することができる。例えば、上記例の屋根瓦の映像が、原画像Pの端部に存在する場合、上記のように拡大率uを決定すると、丁度、拡張部分に、原画像Pの屋根瓦の繰り返しパターンが不自然なく現れるようにすることができる。
【0061】
上記のような方法により決定した拡大率u及び繰り返し回数vを用いて作成された印刷画像Sの実例を図8及び図9に示す。図8に示す印刷画像Sは、拡大率uを103%、繰り返し回数vを1回として得られた画像であり、図9に示す印刷画像Sは、拡大率uを104%、繰り返し回数vを1回として得られた画像である。
【0062】
なお、拡大率uが100%に近すぎると、拡大範囲がわずかになってしまい、その中に繰り返しパターンが入らなくなってしまうので,102%,103%など適宜調整し、拡大部分、違和感なくパターンが繰り返されるように留意する必要がある。
【0063】
一方、拡大率uを大きくすると、その弊害として、境界での不連続の度合いが増してしまう。例えば、白い砂浜と青い海の境が原画像Pの端部にある場合、拡大率uを大きくすると、砂浜と海の境が重畳画像における拡大画像と原画像との境界で大きくずれて、非常に不自然になってしまう可能性がある。このような場合には、拡大率uはあまり大きくせず、100.5%程度とし、拡大・重畳の処理を繰り返すようにする方が望ましい。
【0064】
C.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0065】
上記した実施例においては、拡大・重畳の処理を繰り返す間、画像拡大部308における拡大率uは変化させていなかったが、拡大・重畳の処理を繰り返す毎に、拡大率uを変化させるようにしてもよい。
【0066】
また、原画像Pの端部を複数の領域に分割し、各領域内の映像に合わせて、領域毎に拡大率uを切り換えるようにしてもよい。例えば、繰り返しパターンの映像が存在しない或る領域では、拡大率uを100.5%程度として、拡大・重畳の処理を繰り返し、また、繰り返しパターンの映像が存在する別の領域では、拡大率uを102〜105%程度として、繰り返しパターンを生かした拡大・重畳の処理を繰り返すようにするなどである。
【0067】
また、上記した実施例では、拡張画像を、原画像Pの端部の画像情報に基づいて作成していたが、原画像Pから得られる画像情報であれば、端部以外の部分の画像情報に基づいて作成してもよい。
【0068】
また、上記した実施例では、拡張画像を、原画像Pを拡大することより作成していたが、反対に縮小することにより作成するようにしてもよい。また、その他、原画像Pを回転、移動するなど、いわゆるアフィン変換を原画像Pに施すことにより、拡張画像を作成するようにしてもよい。さらに、原画像Pに、階調変換処理や色変換処理や空間周波数変換処理を施したり、または、補間処理やモザイク処理などを施して、拡張画像を作成するようにしてもよい。
【0069】
さらに、上記した実施例では、印刷前処理装置をプリンタドライバ304によって実現していたが、アプリケーション302によって実現するようにしてもよい。また、印刷前処理装置をプリンタ100に直接接続されたコンピュータ200に備えるようにしていたが、プリンタ100にローカルエリアネットワークやインターネットなどのコンピュータネットワークを介して接続されたコンピュータに備えるようにしてもよい。さらに、印刷前処理装置をコンピュータ200ではなく、プリンタ100内に備えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての印刷前処理装置を備えたコンピュータとプリンタから成る印刷システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例として印刷前処理装置を実現するプリンドライバ304の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施例の印刷前処理装置によって画像が処理される様子を示す説明図である。
【図4】本実施例の印刷前処理装置によって処理された画像をフチなし全面印刷にて印刷した結果を示す説明図である。
【図5】本実施例の印刷前処理装置によって処理された画像をフチなし全面印刷にて印刷する際に、用紙を曲げて給紙した場合の印刷結果を示す説明図である。
【図6】拡大率100.5%,繰り返し回数6回で作成された印刷画像Sの実例を示す説明図である。
【図7】拡大率100.5%,繰り返し回数8回で作成された印刷画像Sの実例を示す説明図である。
【図8】拡大率103%,繰り返し回数1回で作成された印刷画像Sの実例を示す説明図である。
【図9】拡大率104%,繰り返し回数1回で作成された印刷画像Sの実例を示す説明図である。
【図10】従来におけるフチなし全面印刷の課題を説明するための説明図である。
【符号の説明】
100…プリンタ
200…コンピュータ
250…CPU
252…メモリ
254…I/O部
256…入力装置
258…モニタ
260…通信装置
262…ハードディスク装置
264…CD−ROM
266…CD−ROMドライブ装置
302…アプリケーション
304…プリンタドライバ
305…拡張画像追加部
306…第1切り換え部
308…画像拡大部
310…画像重畳部
312…ぼかし処理部
314…第2切り換え部
316…画像処理部
318…ユーザインタフェース部
320…画像解析部
P…原画像
Q…拡大画像
R…重畳画像
S…印刷画像
u…拡大率
v…繰り返し回数

Claims (8)

  1. 余白を残すことなく用紙の全面に印刷画像を印刷する際の前処理を行う印刷前処理装置であって、
    印刷すべき原画像として与えられる、その大きさが前記用紙のサイズより小さい原画像の周辺部に、該原画像から得られる画像情報に基づいて作成した拡張画像を追加して、前記印刷画像を得る拡張画像追加部を備える印刷前処理装置。
  2. 請求項1に記載の印刷前処理装置であって、
    前記印刷画像の大きさは、前記用紙サイズよりも大きくなるように設定されていることを特徴とする印刷前処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷前処理装置であって、
    前記拡張画像追加部は、
    前記原画像または重畳画像を拡大する画像拡大部と、
    拡大して得られた拡大画像の中央に前記原画像または重畳画像を重畳して、新たな重畳画像を得る画像重畳部と、
    を備え、
    前記原画像に対して、1回以上、前記画像拡大部による拡大と前記画像重畳部による重畳とを繰り返して、最終的に得られた前記重畳画像を前記印刷画像とする印刷前処理装置。
  4. 請求項3に記載の印刷前処理装置において、
    前記拡張画像追加部は、重畳して得られた前記新たな重畳画像における、前記拡大画像と重畳された前記原画像または重畳画像との境界部分にぼかし処理を施すぼかし処理部をさらに備える印刷前処理装置。
  5. 請求項3に記載の印刷前処理装置において、
    前記画像拡大部は、前記原画像の端部に繰り返しパターンが存在する場合に、前記繰り返しパターンの繰り返し周波数に応じた拡大率で、前記原画像または重畳画像を拡大することを特徴とする印刷前処理装置。
  6. 余白を残すことなく用紙の全面に印刷画像を印刷する際の前処理を行う印刷前処理方法であって、
    印刷すべき原画像として与えられる、その大きさが前記用紙のサイズより小さい原画像の周辺部に、該原画像から得られる画像情報に基づいて作成した拡張画像を追加して、前記印刷画像を得る工程
    を備える印刷前処理方法。
  7. 余白を残すことなく用紙の全面に印刷画像を印刷する際の前処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
    印刷すべき原画像として与えられる、その大きさが前記用紙のサイズより小さい原画像の周辺部に、該原画像から得られる画像情報に基づいて作成した拡張画像を追加して、前記印刷画像を得る機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
  8. 請求項7に記載されたコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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