JP3815297B2 - 高周波解凍装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用や業務用に使用され、高周波電界を用いて被解凍物などの解凍を行う高周波解凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の高周波解凍装置としては、特開平8−255682号公報に記載されているようなものがあった。図13は、前記公報に記載された従来の高周波解凍装置を示すものである。
【0003】
図13において、高圧電源5および高周波電源6によって、加熱室1内の上部電極板2と下部電極板3の間に高周波の高電圧を供給し、両電極板の間に高周波電界を生じさせることによって、被解凍物の誘電加熱を行わせるものであった。
【0004】
また、インピーダンス整合回路としては、図14に従来の技術として示されている共振コンデンサ51、共振用可変コイル52を直列に接続し、その上に高周波トランス53を設けて構成した直列共振回路の構成を、実施例においても使用したものであり、その上で共振用可変コイル52の損失を低減させるという効果をあげることが効果として述べられているものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成の高周波解凍装置では、解凍中における被解凍物の物性変化に対応して、インピーダンス整合回路の構成要素の定数を適切に変化させるという構成は全く述べられておらず、よって現実には完全な凍結状態から解凍終了時まで、継続して効率よく解凍動作を行わせることは困難なものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波解凍装置は、電極板と、前記電極板に高周波電力を供給する高周波電源と、前記電極板に接続され可変リアクタンス素子および前記高周波電源の負荷を検知する検知回路を有する自動整合回路とを有し、前記自動整合回路は、前記検知回路の出力信号を受け、前記可変リアクタンス素子を可変する構成とする。
【0007】
これによって、解凍中における、被解凍物の物性変化に対応して、自動整合回路の構成要素の定数を、適切に変化させ、完全な凍結状態から解凍終了時まで、継続して効率よく、解凍動作を行わせることが、できるものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
第1の発明は、電極板と、電極板に高周波電力を供給する高周波電源と、自動整合回路を有し、自動整合回路は、出力端子に直列接続した可変コイルと、入力端子に並列接続した可変コンデンサを有し、自動整合回路は、入力電圧を検知する電圧検知手段と、入力電流を検知する電流検知手段とを有し、自動整合回路は、電圧検知手段および電流検知手段から入力され自動整合回路の入力電圧と入力電流の位相差に応じた信号を出力する位相検知手段を有し、電圧検知手段の出力を高周波電源が安定に動作する所定値とする可変コンデンサの可変と、位相検知手段の出力を高周波電源が安定に動作する所定値とする可変コイルの可変を交互に行うものである。
【0009】
第2の発明は、電極板と、電極板に高周波電力を供給する高周波電源と、自動整合回路を有し、自動整合回路は、出力端子に直列接続した可変コイルと、入力端子に並列接続した可変コンデンサを有し、自動整合回路は、入力電圧を検知する電圧検知手段と、入力電流を検知する電流検知手段とを有し、自動整合回路は、電圧検知手段および電流検知手段から入力され自動整合回路の入力電圧と入力電流の位相差に応じた信号を出力する位相検知手段と、電圧検知手段と電流検知手段から入力され自動整合回路の入力インピーダンスの絶対値と高周波電源が安定に動作する所定値との差に応じた信号を出力するロード検知手段とを有し、前記ロード検知手段の出力をほぼ零とする可変コンデンサの可変と、位相検知手段の出力を高周波電源が安定に動作する所定値とする可変コイルの可変を交互に行
うものである。
【0010】
第3の発明は、特に第1または第2の発明の高周波解凍装置において、自動整合回路が、可変コイルの可変を完了してから可変コンデンサの可変を開始するまでの時間は、可変コンデンサの可変を完了してから可変コイルの可変を開始するまでの時間よりも大とするものである。
【0011】
そして、これら第1〜3の発明により、可変コイルと可変コンデンサを交互に可変することで解凍動作中の被解凍物の物性変化に対応した自動整合回路の定数の可変が適切に行われ、高周波電源の安定かつ高効率の運転による解凍性能の確保ができる。
【0012】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における高周波解凍装置の回路図を示すものである。
【0014】
図1において、水平に設けられた2枚の電極板101、102によってなる電極103は、間に冷凍食品などの被解凍物104を載置する構成となっている。
【0015】
さらに電極板101、102に高周波電力を供給する高周波電源105と、電極板101に接続された自動整合回路106を有し、自動整合回路106は、出力端子に直列接続した可変コイル107によって実現した第1の可変リアクタンス素子108と、入力端子に並列接続した可変コンデンサ109によって構成した第2の可変リアクタンス素子110を有している。
【0016】
自動整合回路106は、また検知回路111と、マイクロコンピュータによって実現された制御回路112を有しており、検知回路111の出力信号E、Fを受け、第1の可変リアクタンス素子108および第2の可変リアクタンス素子110を可変するものとなっている。
【0017】
高周波電源105は、MOSFETによって構成した13.56MHzのスイッチング動作を行う半導体素子115、116、直流電源117、および直流電源117の出力を高周波に対して安定させるコンデンサ118、半導体素子115、116のゲートとソース間に電圧を加えることによりオンオフを制御する駆動回路119を有している。
【0018】
フィルタ回路120は、半導体素子115、116の出力端子であるソース端子およびドレイン端子の接続点に入力を接続したもので、入力端子と出力端子間にコイル121とコンデンサ122の直列回路を有し、また出力端子と共通端子(GND端子)の間にはコンデンサ123を接続し、入力に加えられる電圧の高調波歪みを低減して出力するものとなっている。
【0019】
図2は、高周波電源105に用いられている駆動回路119の回路図を示している。
【0020】
発振回路201の出力により駆動されるMOSFET202、共振のためのチョ一クコイル203、コンデンサ204、駆動トランス205と、駆動トランス205とのインピーダンス整合のためのコンデンサ206とトリマコンデンサ207を設けている。
【0021】
駆動トランス205は、カーボニル鉄粉Fe(CO)5を絶縁物で包み、さらに加圧・高温で焼結してトロイダル状に成形したコアに、巻線208、209、210を巻いて磁
気結合させ構成したものを用いている。
【0022】
さらに、特に本実施例では高周波解凍装置としてのパワーの面から電流容量の大きな半導体素子115、116を高効率で駆動できるように、トリファイラ巻きと呼ばれる、3本のエナメル線を密着させながらコアに巻くという工法により構成し、結合係数が高いものを用いているものとなっている。
【0023】
直流電源211は、24ボルトの出力電圧を持ち0.7アンペアの電流容量のものを使用している。
【0024】
トリマコンデンサ207は、駆動トランス205や、その他の構成要素のバラツキを吸収し、半導体素子115、116のゲート・ソース間電圧を所定値とし、高効率で駆動できるように、製造ラインで調整されるものである。
【0025】
図3は、半導体素子115、116を接続し、解凍動作を行っている状態での、駆動回路119の出力電圧波形を示したもので、図3(ア)は高電位側に位置している半導体素子115のゲート・ソース間電圧Vg1、図3(イ)は低電位側に位置している半導体素子116のゲート・ソース間電圧Vg2の波形を示している。
【0026】
二次側の巻線209、210は、互いに逆の極性で接続していることから、(ア)と(イ)は互いに逆位相の電圧波形となり、半導体素子115、116は交互にオンされるものとなる。
【0027】
しかも、いずれの半導体素子もゲート・ソース間の電圧が最大15ボルトにまで印加されることにより、ドレイン・ソース間電圧は、ほぼ零ボルト、すなわちスイッチとしてほぼ導通している状態にまで導通作用がなされ、これによって真空管によるA級増幅器などでは到底得られない80〜90%というような高効率が達成できるものとなり、極めて効率が高い高周波解凍装置の実現を可能とさせるものとなる。
【0028】
図4は、フィルタ回路113の動作を説明する波形図を示している。
【0029】
図4(ア)は、フィルタ回路120の入力電圧波形であり、これは半導体素子116のドレイン・ソース間電圧Vds2となる。図4(イ)は、フィルタ回路120の出力の電圧波形Voutである。
【0030】
本実施例では、半導体素子115、116がスイッチング動作をしていることから、Vds2の波形は、方形波に近く、また若干のリンギング波形も重畳していて、高調波歪みが大きいものとなっているが、フィルタ回路120の動作により、高調波成分は除去されて、ほぼ正弦波に近い滑らかな電圧波形がVoutとして出力されるものとなる。
【0031】
図5は、検知回路111の詳細回路図を示しているものである。
【0032】
図5において、A端子は高周波電源105の出力に接続され、B端子は電極板101に接続されている。
【0033】
自動整合回路106の入力電圧Vを検知する電圧検知手段501と、入力電流Iを検知する電流検知手段502を有しており、本実施例においては、電圧検知手段501はニッケル亜鉛系のトロイダル形フェライトコアに、一次巻線を20ターン、二次巻線を1ターンとしたトランス503で実現していて、本実施例においては、さらに二次側の検波を行うダイオ一ド504、コンデンサ505が設け、出力端子Fからアナログ信号電圧Vfを
出力させるものとしている。
【0034】
本実施例で使用している高周波電源105は、直流電源117の出力電圧を一定として解凍動作をさせるが、高周波電源105の負荷となるインピーダンスとしては、絶対値が33オームで、かつ電圧Vと電流Iの位相差がほぼ零となる条件において、高周波電源105からの出力パワーは200Wとなり、効率面でもほぼ最高となる条件となる。
【0035】
位相差が零の条件の下で、本実施例のフィルタ回路120の作用などにより、負荷インピーダンスの絶対値が小である場合には、パワーは小となり、負荷インピーダンスの絶対値が大である場合にはパワーが大となるという特性を示すものとなっている。
【0036】
この時、電圧Vは負荷インピーダンスの絶対値の増減に応じて、ほぼ同様に増減することから、電圧Vの値がほぼ一定となるように、高周波電源105の負荷インピーダンスの絶対値を加減することによって、位相差をほぼ零に保つ制御と相まって、高周波電源105からの出力パワーをほぼ200Wの一定値とし、かつ無効電力を抑え、高周波電源105を効率良く働かせることができる状態を保たせられるものとなる。
【0037】
電流検知手段502はトランス503と同等のコアに、一次巻線を1ターン、二次巻線を20ターンとしたトランス506と、二次巻線の負荷として接続した抵抗507によって構成しており、さらに電圧検知手段501と電流検知手段502の出力から、自動整合回路106の入力電圧Vと入力電流Iの位相差に応じた信号を出力する位相検知手段510を有している。
【0038】
位相検知手段510は、進相回路511と遅相回路512を有しており、進相回路511はコンデンサ513と抵抗514の直列回路で構成し、遅相回路512は抵抗515とコンデンサ516の直列回路で構成し、いずれも抵抗とコンデンサの接続点を出力としたものとなっているものである。
【0039】
進相回路511と遅相回路512は、いずれも電流検知回路502の出力を入力とし、出力電圧が電圧検知手段501の二次巻線と直列になるように接続がなされた構成としていることによって、電圧検知手段501の出力と進相回路511出力との和としてC端子に電圧が出力され、また電圧検知手段501の出力と遅相回路512出力との和としてD端子に電圧が出力され、それぞれダイオ一ド520、521およびコンデンサ522、523がさらに接続された構成としていることにより、検波と平滑作用を行わせており、コンデンサ522には抵抗524、525の直列回路を接続し、またコンデンサ523についても抵抗526、527の直列回路を接続し、それぞれ分圧された出力が、コンパレータで構成した増幅器528の入力端子に接続され、増幅器528は2つの入力電位を差動増幅して出力信号Eとするものとなっている。
【0040】
本実施例においては、抵抗524、525の直列回路の分圧比は、抵抗526、527の直列回路の分圧比と同等の値としているが、各構成部品の特性バラツキなどを吸収させる目的で、これら4本の抵抗の内の例えば1個を、可変抵抗としたものを使用してもよい。
【0041】
マイクロコンピュータを用いて実現した制御回路112は、検知回路111のE出力とF出力を受けて動作するものとなっていることから、根本的には電圧検知手段501と電流検知手段502の出力を受けて、可変コイル107と可変コンデンサ109を可変する構成であることになる。
【0042】
ただし本実施例の自動整合回路106は、さらに位相検知手段510を設け、電圧検知
手段501と電流検知手段502の出力は、自動整合回路106の入力電圧Vと入力電流Iの位相差に応じた信号Eとした上で、制御回路112に入力されるものとなっており、制御回路112は、電圧検知手段からの出力Fが所定値となるように可変コンデンサ109を可変し、また位相検知手段の出力Eが所定値となるように可変コイル107を可変するものとなっている。
【0043】
図6は、位相検知手段510の特性図であり、横軸には電圧Vと電流Iの位相差を示していて、電流Iに対して電圧Vが進み位相である場合に位相差が正となるように符号を付けている。
【0044】
本実施例では、解凍動作中の直流電源117の出力電圧は一定であるが、自動整合回路106の入力から見たインピーダンス、すなわち高周波電源105の負荷インピーダンスの絶対値の変化によって位相検知手段510の特性は若干変化し、33オームでは実線となるが、50オームおよび25オームの場合には、それぞれ一点鎖線および破線の特性となる。
【0045】
ただし、高周波電源105の負荷インピーダンスの絶対値が、いずれの場合においても、位相差が零の場合には出力Veは零となり、位相差が正の場合にはVeは正、負の場合にはVeは負となるという特性を持つものとなる。
【0046】
本実施例の高周波電源105は、位相差がほぼ零の条件において、無効電力が最小となり、最も効率良く動作するものとなっていることから、Veがほぼ零となるように制御回路112を働かせることによって、位相差がほぼ零とするという動作が行われるものとすることができる。
【0047】
図7は、制御回路112に使用しているマイクロコンピュータに覚え込ませたプログラムのフローチャートである。
【0048】
解凍動作の開始とともに、スタート701から処理が始まり、Vf値を入力702にて、電圧検知手段501の出力からADコンバータを通して値が読み込まれ、Vf703の判断が行われる。
【0049】
Vf>3.1Vである場合には、電圧Vが大きい状態であるが、Cを増加704により可変コンデンサ109を増加させる処理を行うことにより、電圧Vの値は低下するものとなる。
【0050】
また、Vf>2.9Vである場合には、電圧Vが小さい状態であるが、Cを減少705の処理を行うことにより、電圧Vの値は上昇するものとなる。
【0051】
本実施例では、Cを増加704とCを減少705は、いずれも0.3秒間だけ駆動モータを運転して、一般にバリコンと呼ばれる可変コンデンサ109の静電容量の値を増減させるが、再びVf値を入力702の処理からやり直しすることになる。
【0052】
結果的に、2.9V<Vf<3.1Vの条件となるまで、可変コンデンサ109の値は加減されて、Ve値を入力706に移ることになる。
【0053】
入力されたVe値は、Ve707の判断がなされ、今度は位相検知手段510の出力に応じて、Lを増加708、あるいはLを減少709の処理が行われて、可変コイル107のインダクタンス値が加減されるものとなり、最終的に−1.5V<Ve<+1.5Vになるまで繰り返して動作が行われた結果、ほぼ位相差は零に近い状態に制御されるものと
なる。
【0054】
ここまでの処理が完了したところで、高周波電源105の負荷インピーダンスは、絶対値がほぼ33オームで、位相差がほぼ零の状態となり、高周波電源105の出力パワーはほぼ200Wとなる。
【0055】
なお、高周波電源105は、出力の無効電力が小さく効率も高い条件で運転することができることから、装置の効率も高いものが得られる状態となる。
【0056】
次に、解凍完了か710の判断に移り、ここでは被解凍物104の温度情報を得るセンサ、もしくは被解凍物104の解凍による物性変化に対応して自動整合回路106が動作することによって生ずる可変コンデンサ109や可変コイル107の定数変化のパターンなどから解凍終了を検知する場合には、そのための判断ルーチンを含むものとなるが、解凍終了すべき状態であることが判断された場合には、終了712へと進み、装置の運転がすべて終了されるものとなる。
【0057】
まだ終了の時期と判断されないばあいには、2秒間時間待ち711に進み、再びVfの値を入力702に戻り、以下処理が繰り返されるものとなる。
【0058】
よって、可変コイル107と可変コンデンサ109は、交互に可変されるものとなる。
【0059】
したがって、解凍終了と判断されて終了するまで、自動整合回路106は繰り返して可変コイル107と可変コンデンサ109の可変を行うことになり、これによって解凍中の被解凍物104の温度の上昇、凍結のゆるみなどの物性変化があっても、常に高周波電源105の負荷条件がほぼ一定の条件に保たれ、高周波電源105が安定かつ高効率で運転されるものとなる。
【0060】
図8と図9は、いずれも高周波電源105から負荷側を見たインピーダンスを示すもので、破線は周波数を振った場合のインピーダンス軌跡を示している。
【0061】
図8は解凍開始時、図9は解凍終了時のものである。
【0062】
実際の装置では周波数は、13.56MHzの一定としているが、参考としてDCから13.56MHzをやや越えた周波数までにおける破線の特性が示してあるものである。
【0063】
解凍開始時、解凍終了時のいずれの場合にも、自動整合回路106が動作していることにより、高周波電源105の負荷インピーダンスは、P点、すなわち絶対値が33オームで位相差が零の状態に制御されている。
【0064】
そして、P点付近で可変コンデンサ109を微妙に増減させた場合には、それぞれC増、C減の矢印で示した向きにインピーダンスが移動し、可変コイル107を微妙に増減させた場合には、それぞれL増、L減の矢印で示した向きにインピーダンスが移動するものとなる。
【0065】
いずれにおいても、図7に示したフローチャートで、常にP点にインピーダンスを保たせることが可能であり、可変コンデンサ109を可変した際の位相差の変化、および可変コイル107を可変した際のインピーダンスの絶対値と電圧Vの変化は、比較的小さくてすむことから、速やかにかつ確実に制御の収束をさせることができるものとなる。
【0066】
発明者らの実験によれば、自動整合回路106の可変コンデンサ109と可変コイル1
07の可変によるP点へのインピーダンスの移動が行われると、その後2秒間程度は実用上問題の無い程度のインピーダンス変化にとどまるものとなるので、本実施例では、2秒間時間待ち711を設けて可変の頻度を低減させ、過剰な自動整合回路106の動作を抑え、可変コイル107および可変コンデンサ109を可変するための駆動モータに要する電力供給を抑えて省エネを図る、耐久性を高める、制御回路112に用いるマイクロコンピュータの能力低減による低コスト化などを実現し、簡単な構成で性能の高い高周波解凍装置を実現させるものとなる。
【0067】
また、本実施例では可変コイル107の可変が完了してから、可変コンデンサ109の可変が開始されるまでの時間は、2秒間時間待ち711の作用により、約2秒となるが、これは可変コンデンサ109の可変が完了してから、可変コイル107の可変の開始までの時間が、0.1秒以下、すなわち制御回路112の処理遅れ時間程度であるのに対して長いものとなっている。
【0068】
これは、可変コイル107と可変コンデンサ109を交互に可変して、インピーダンスをP点に保とうとする場合、可変コンデンサ109の可変を完了した直後における位相差の誤差がかなり大きく、逆に可変コイル107の可変を完了した直後におけるインピーダンス絶対値、高周波電源105の出力電圧Vおよび出力パワー値の誤差が小さくて済むことから、解凍中の全体時間におけるP点からの誤差が小とする時間の割合を大きくすることができることから、高効率で高周波電源105を運転することができる時間を極力大きくすることができ、よって装置の発熱を抑えつつ、少ないエネルギーで解凍運転を行わせることができるものとなる。
【0069】
特に本実施例では、MOSFETによる半導体素子115、116のスイッチングにより、高周波の電力を発生させる構成としていることから、インピーダンスの絶対値の誤差による影響よりも、位相差の誤差による、ターンオン、ターンオフ時のスイッチング損失の増大などの影響がより大きいため、位相差の誤差が小さい時間の比率を大きくとれることが、とりわけ有効である。
【0070】
なお、本実施例においては、2秒間時間待ち711は常に2秒間一定の待ち時間を発生するものであるが、例えば解凍終了に近い状態であればさらに長くするなど、待ち時間の可変をしても良い。
【0071】
インピーダンスの変化が比較的ゆっくりとなり、また図9に示されるように、Cの増減を行った場合のインピーダンス変化はほぼスミスチャート上を水平、Lの増減を行った場合のインピーダンス変化はほぼ垂直に移動することになるので、図8に示した解凍開始時点と比較して、可変コンデンサ109と可変コイル107の可変動作を一通り行った後のインピーダンスのP点からの誤差も小とすることができることから、実用上問題の無い精度でインピーダンスがP点に保たれた状態を継続的に実現させることが可能となることから、高効率で安定性の高い高周波電源105と自動整合回路106の動作が行われるものとすることができる。
【0072】
(実施例2)
図10は、本発明の第2の実施例における高周波解凍装置の検知回路111の回路図を示すものであり、検知回路111以外の部分の回路については、図1と同等の構成となっている。
【0073】
図10において、電圧検知手段501、電流検知手段502、位相検知手段510の構成は、実施例1と同等である。
【0074】
本実施例では、さらに電流検知手段801とロード検知手段802が設けられており、電流検知手段801は、電流検知手段502と同様に、一次側1ターンで二次側20ターンを巻いて構成したトランス803、トランス803の二次側に負荷として接続した33オームの抵抗804によって構成している。
【0075】
ロード検知手段802は、電流検知手段801から接続されたダイオ一ド806とコンデンサ806、また電圧検知手段501から接続されたダイオ一ド807とコンデンサ808、さらに100キロオームの抵抗809、810によって構成されている。
【0076】
コンデンサ806の電圧は、トランス803の二次巻線の電流であるI/20[A]に33[オーム]が乗算されたもののルート2倍となりダイオ一ド805の極性から負の値として印加される。
【0077】
また、コンデンサ808にも巻数比よりV/20にルート2を乗じた電圧がかかるものとなる。
【0078】
したがって、V/I=33オームの条件であれば、抵抗809、810の接続点であるF点の電位は零となるが、V/I>33オームであれば、コンデンサ808の電圧の方がコンデンサ806の電圧の絶対値に勝り、F点には正の電圧が出力され、逆にV/I<33オームであれば、コンデンサ808の電圧の方がコンデンサ806の電圧の絶対値に負け、F点には負の電圧が出力される。
【0079】
図11は、ロード検知手段802の動作特性図である。
【0080】
横軸は検知回路111の入力電圧Vを電流Iで除した値を、インピーダンスの絶対値としてとっており、縦軸にはロード検知手段802の出力Vfをとっている。
【0081】
図11において、高周波電源105の出力パワーが200Wの場合を実線、300Wの場合を一点鎖線、100Wの場合を破線で示しており、インピーダンスの絶対値が33オームからずれた場合、その誤差に対するVf出力の大きさは、パワーの平方根にほぼ比例してよって変化するものとなるが、いずれのパワーの場合においても、誤差が零、すなわち33オームとなる条件においては、Vfの値はほぼ零となる特性となっている。
【0082】
したがって、ロード検知手段802は、電圧Vと電流Iの比、すなわちインピーダンスの絶対値が、33オームからずれている場合には過不足に応じて、正負の電圧をF端子から出力するものとなっている。
【0083】
図12は、本実施例での制御回路112に使用されているマイクロコンピュータのプログラムのフローチャートを示している。
【0084】
本実施例においては、Vf730の判断が異なるだけで、その他の構成は、実施例1と全くの同等である。
【0085】
Vfが+0.15Vよりも高い場合には、インピーダンスの絶対値が33オームに対して大となっているので、Cを増加704で、可変コンデンサ109を増大させることにより、インピーダンスの絶対値が低下し、33オームに近づくものとなる。
【0086】
逆に、Vfが−0.15Vよりも低い場合には、インピーダンスの絶対値が33オームに対して小となっているので、Cを減少705で、可変コンデンサ109を減少させることにより、インピーダンスの絶対値が増大し、やはり33オームに近づくものとなる。
【0087】
その後、Veの値を入力706以降の部分に関しては、実施例1と全く同じである。
【0088】
よって、本実施例は実施例1と比較すると、検知回路111の構成が若干複雑となるが、インピーダンスの絶対値を直接的に検知することができることから、例えば高周波電源105の特性が、負荷のインピーダンスに対して、あまり出力電圧が変化しないものであっても、常に高周波電源105の負荷側を見たインピーダンスを所定値に保つことができ、より高精度の自動整合動作が可能となることから、装置の効率向上がより大きく図られるものとすることができるという効果が生ずるものとなる。
【0089】
このように、本実施例の高周波解凍装置も、解凍中の被解凍物の物性変化に対応して、自動整合回路の可変リアクタンス素子が可変され、高効率で高周波電源を運転することを継続させることができる高周波解凍装置を実現することができる。
【0090】
なお、本実施例ではロード検知手段802は、位相検知手段510に接続された電流検知手段502とは全く別に、もう一つの電流検知手段801を設けて接続を行ったが、このようにすることは、必ずしも必要となるものではなく、例えば電流検知のための一つのトランスから2つの二次巻線を設けたものなどでもかまわない。
【0091】
また、電流検知手段502、801などはトランスを使用したものである必要もなく、抵抗器の両端に発生する電圧を検知して流れる電流の値を知るものなどでもよい。
【0092】
電圧検知手段501についても、トランスがない構成も可能であり、例えば抵抗の分圧で入力電圧に比例した出力電圧を得る方法や、コンデンサを用いて、コンデンサの持つリアクタンスにより、入力電圧に比例した出力電圧を生じさせる構成などでも良い。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、解凍中の被解凍物の物性変化に対応して、自動整合回路の可変リアクタンス素子が可変され、高効率で高周波電源を運転することを継続させることができる高周波解凍装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における高周波解凍装置の回路図
【図2】 同、高周波解凍装置の駆動回路119の回路図
【図3】 同、高周波解凍装置の駆動回路119の動作波形図
【図4】 同、高周波解凍装置のフィルタ回路120の動作波形図
【図5】 同、高周波解凍装置の検知回路111の回路図
【図6】 同、高周波解凍装置の位相検知手段510の特性図
【図7】 同、高周波解凍装置の制御回路112のフローチャート
【図8】 同、高周波解凍装置の解凍開始時のインピーダンス図
【図9】 同、高周波解凍装置の解凍終了時のインピーダンス図
【図10】 実施例2における高周波解凍装置の検知回路111の回路図
【図11】 同、高周波解凍装置のロード検知手段802の特性図
【図12】 同、高周波解凍装置の制御回路112のフローチャート
【図13】 従来の技術における高周波解凍装置の構成図
【図14】 同、高周波解凍装置のインピーダンス整合回路図
【符号の説明】
101、102 電極板
105 高周波電源
108 第1の可変リアクタンス素子
110 第2の可変リアクタンス素子
111 検知回路
106 自動整合回路
501 電圧検知手段
502、801 電流検知手段
510 位相検知手段
802 ロード検知手段
107 可変コイル
109 可変コンデンサ

Claims (3)

  1. 電極板と、前記電極板に高周波電力を供給する高周波電源と、自動整合回路を有し、前記自動整合回路は、出力端子に直列接続した可変コイルと、入力端子に並列接続した可変コンデンサを有し、前記自動整合回路は、入力電圧を検知する電圧検知手段と、入力電流を検知する電流検知手段とを有し、前記自動整合回路、電圧検知手段および電流検知手段から入力され前記自動整合回路の入力電圧と入力電流の位相差に応じた信号を出力する位相検知手段を有し、前記電圧検知手段の出力を前記高周波電源が安定に動作する所定値とする可変コンデンサ可変と、前記位相検知手段の出力を前記高周波電源が安定に動作する所定値とする可変コイル可変を交互に行う高周波解凍装置。
  2. 電極板と、前記電極板に高周波電力を供給する高周波電源と、自動整合回路を有し、前記自動整合回路は、出力端子に直列接続した可変コイルと、入力端子に並列接続した可変コンデンサを有し、前記自動整合回路は、入力電圧を検知する電圧検知手段と、入力電流を検知する電流検知手段とを有し、前記自動整合回路は、電圧検知手段および電流検知手段から入力され前記自動整合回路の入力電圧と入力電流の位相差に応じた信号を出力する位相検知手段と、前記電圧検知手段と前記電流検知手段から入力され前記自動整合回路の入力インピーダンスの絶対値と前記高周波電源が安定に動作する所定値との差に応じた信号を出力するロード検知手段とを有し、前記ロード検知手段の出力をほぼ零とする可変コンデンサ可変、前記位相検知手段の出力を前記高周波電源が安定に動作する所定値とする可変コイルの可変を交互に行う高周波解凍装置。
  3. 自動整合回路が、可変コイルの可変を完了してから可変コンデンサの可変を開始するまでの時間は、可変コンデンサの可変を完了してから可変コイルの可変を開始するまでの時間よりも大とする請求項1または2に記載の高周波解凍装置。
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