JP3815237B2 - 橋梁付設の自転車道 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁に付設する自転車道に関し、特に予めネットワーク化された高速道路網などにおける高架橋梁など既設の橋梁に付設する自転車道に関する。
【0002】
【従来の技術】
自転車を操って肌に心地よい風を感じつつ走行することは人にとって快いものである。また燃料補充や整備に手間をとられることもあまりなく、そのうえ軽量で、子供からお年寄りまで誰でも手軽に利用しやすい点では自転車は非常に優れている。このような自転車は、近所への買い物の足として、また、本格的に遠距離を走破するツーリング用として、あるいはアミューズメント施設や景勝地内を巡るレジャー用として広く用いられている。係る自転車利用が、燃料が不要で排気ガスも排出されない点で環境に対し低負荷である面や、サイクリングをすることで個々人の適度な運動を促進するといった健康増進の面から改めて見直されつつある。そのため、自転車向けの走行レーンを既設一般道の路側帯に設けたり、自転車専用路を新たに敷設する動きが見られた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、自転車向けの走行レーンや自転車専用路が設けられるのは、いずれも自動車交通量の少ない郊外や河川堤上、山間の湖水周辺であったりする。確かにこのような場所であれば自動車などを気にせずに気持ちよく走行できるが、その実際の利用者は、例えば家族で行楽地に出かけたついでにサイクリングを楽しもうとする者や、自転車による本格的なツーリングを趣味にする一部の者に限られるであろう。とても日常的な用途に誰もが簡便に利用しているとは言い難い状況であった。つまり従来の自転車走行レーンや専用路は、最も多くの利用者層である街中の一般の自転車利用者を想定したものではなかった。
【0004】
その一方で、自転車用の走行レーンなどほとんど整備されていない街中での自転車は、歩道上や車道路側帯などを不規則に通行するしかないため、どちらかというと交通の邪魔者として扱われがちであった。歩道上を走行するとすれば、商店が並べた店頭商品や歩道上の歩行者との接触が懸念されるし、車道路側帯を走行するとすれば自動車との接触が懸念されるのである。加えて、歩道と車道との境目には段差が設けられていることがほとんどで、自転車がそこを走行する際には速度が低下し、再走行を開始するのにかなりの労力を要したり、また、速度低下による車体姿勢の不安定化を招いたりと自転車を操る側にも面倒な問題点は多い。
【0005】
このような問題を解決すべく前述の自転車走行レーンを車道脇に設けるにも、もともと車道幅に余裕がないため用地確保が困難でその整備の目途がたてにくい。また自動車のすぐ脇を自転車が走行するという点では、自動車との接触懸念を解消する答えとはなりえないであろう。してみれば、地表面に敷設されている道路上に他の交通機関と共用する形で自転車道を設けたとしても、従来の問題は根本的な解決を見ることはないのである。
【0006】
そこで、本発明はこのような従来の課題に着目してなされたもので、交通量の多い街中にあっても他の交通機関と競合することなく簡便快適に自転車走行を行うことが可能で、多くの自転車利用者が広範に使用することのできる橋梁付設の自転車道を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するためになされたもので、第1の発明は所定間隔の基礎から立ち上がる橋脚とこの橋脚間に渡される桁材とから主に構成される橋梁に付設する自転車道であって、前記橋梁の延長方向に沿って前記橋脚または桁材に取付けられ、内部に自転車走行路面を備える外殻体であることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0008】
第2の発明は第1の発明において、前記橋梁が予めネットワーク化された高速道路網であることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0009】
第3の発明は第1または第2の発明において、前記橋梁上の走行路面や橋脚基礎周辺の一般道路面などと前記外殻体内の自転車走行路面とを結んだ乗降経路を備えることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0010】
第4の発明は第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記外殻体と前記橋脚または桁材との間の接合箇所に振動吸収機構を設けたことを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0011】
第5の発明は第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記乗降経路が自転車進入可能なエレベータを含むことを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0012】
第6の発明は第1〜第5の発明のいずれかにおいて、前記外殻体が、駐輪場所およびベンチを備えて前記自転車走行路面とつながった休憩領域を有することを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0013】
第7の発明は第1〜第6の発明のいずれかにおいて、前記外殻体が、緊急時向けの食料や燃料、各種機材などを格納保存した備蓄庫を備えたことを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0014】
第8の発明は第1〜第7の発明のいずれかにおいて、前記自転車道が略環状に延伸された閉路であることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0015】
第9の発明は第1〜第8の発明のいずれかにおいて、前記外殻体内の自転車走行路面を走行する自転車もしくはその操作者に取り付けられた発信手段からの発信波を受信する受信手段と、この受信手段で受けた発信波を基に自転車道内における各自転車の位置情報を検知し所定の表示手段に出力する位置検知手段とを備えることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0016】
第10の発明は第9の発明において、前記自転車の位置情報を基にして当該自転車が選択しうる乗降経路を前記表示手段に提示する経路提示手段を備えることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0017】
第11の発明は第9または第10の発明において、前記受信手段を通じて得た前記自転車の位置情報を基に当該自転車の走行区間または走行時間を認識することで自転車道の利用料金を自動算定する料金算定手段と、前記の利用料金を該当自転車操作者の所持するクレジットカード、キャッシュカード、電子マネーカードなどの決済機能を有するカードから自動決済する料金決済手段とを備えることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0018】
第12の発明は第11の発明において、各自転車の前記発信手段より送信される前記カードの決済用情報を前記料金決済手段が受信し、当該料金決済手段がこの決済用情報を基に料金の自動決済を実行することを特徴とする橋梁付設の自転車道。
【0019】
【発明の実施の形態】
===基本となる実施例===
以下、この発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の橋梁付設の自転車道を示す説明図であり、図2は橋脚基礎周辺の一般道路面と自転車通行路面とを結んだ乗降経路を示す説明図である。本実施例においては、本発明の自転車道を付設する橋梁10として都市部に建設済みの高速道路を想定する。この高速道路10はネットワーク化された高速道路網30としてレイアウトされたものであり、例えば図3に示すように都心エリア31を中心に環状線32が幾重かに設けられ、その環状線32と直交するかたちで放射状に直線道路33が適宜伸びている。いずれも都心部に設けられるものであるから、そのほとんどの区間が高架橋梁である。
【0020】
その主たる構造は図1において示すように、一般道路11の中央分離帯などに所定間隔で設けられた基礎工12と、この基礎工12から立ち上がる橋脚13と、係る橋脚間に渡される箱桁などの桁材14とからなる。この他に前記桁材14を下支えする横梁15や、実際に車両Mが走行する高速道路面16およびその両側に設けられるフェンス16aも含まれる。この高速道路としての既存の橋梁10に自転車道18の外構造たる外殻体19を付設することになる。外殻体19は、前記橋梁10の延長方向に沿って前記橋脚13または桁材14に取付けられ、その内部に自転車Bが走行する自転車走行路面18aを備えている。前記外殻体19は、橋梁10の上下線にそれぞれ取付けることとすれば、自転車走行においても上下線分離を図ることができる。
【0021】
外殻体19の橋脚13または桁材14への取付け手法としては種々の工法を採用することができる。例えば図のように受桁17を橋脚13の端部にホールインアンカーなどで取り付けて、この受桁17上に外殻体19を載置固定する。あわせて外殻体19の屋根部を箱桁14のリブ14aに固定するとよい。なおここで、外殻体19は、一体成形物など工場等で予め製作済みのものでもよいし、柱梁構造を現場製作するといったものでもよい。また、その形状・構造も、その内部に自転車走行路面18aと所定の走行空間、必要な装置・機器類等の設置領域などを確保可能で必要強度を発現できればいずれのものを採用してもよい。例えば、所定板厚の円筒構造を外殻体として採用し、その内部に自転車走行路面を敷設するなどといった具合である。勿論、外殻体19の断面形状も、円形、楕円形、矩形、多角形など様々であってよい。
【0022】
外殻体19の橋脚13または桁材14への他の取付け手法としては、前記桁材14のリブ14aの下面に外殻体19の上面を接合し、互いの端部をボルト締結するなどして外殻体19を吊下する形式としてもよい。また、桁材14表面から外殻体19下面および側面を包み覆うように伸びて前記リブ14aに至る袋状の受材を桁材14の下面にボルト固定し、前記受桁17に代えてもよい。
【0023】
加えるに、前記外殻体19と前記橋脚13または桁材14との間の接合箇所に振動吸収機構を設けるとより好適である。都市部に伸びる高速道路(高架橋梁)は一般に交通量が多く、しかもトラックやトレーラーなど大型車両の通行割合も比較的高いため、これら車両由来の振動が大きい。したがって、この橋梁10に生じた振動と外殻体19とが共振を起こすと互いの接合が弛んだり、構造強度に変化を生じる原因ともなる。そこで前記接合箇所に、ゴム材やバネ機構などの振動吸収機構を設けて、橋梁10および自転車道18、双方の振動を抑制する。
【0024】
上述のような自転車道18に関し、実際に自転車走行路面18aを走行する際のイメージは図4に示す。例えばその車線40の幅は1m程度とし、2車線(1m×2)+路肩41(0.25m×2)で幅員は2.5mとする。車線40の一方は走行車線、他方は追い越し車線と規定すれば交通の円滑化が図りやすいであろう。そして、自転車走行路面18aから天井部位42までの高さは自転車走行時における操作者の圧迫感に考慮し、2.5m以上とすれば好ましい。その他、サイクリングとしての快適性を考慮すれば、眺望や通風、採光を確保する開口部43を設けたり、あるいは外殻体19の部材を半透明や透明なものとしてもよい。
【0025】
橋梁10に自転車道18が付設されるとしても、かかる自転車道18への進入路がなければ利用することは出来ない。そこで、進入路のアレンジとして図2に示すように、橋脚13の基礎工12周辺の一般道路11と外殻体19内の自転車走行路面18aとを結んだ乗降経路20を設けるとよい。乗降経路20は、一般道路11から立ち上がる自転車進入可能なエレベータ21と、このエレベータ21のエレベータシャフトと連結され自転車走行路面18aへと自転車Bを導くアクセス通路22とから構成される。図5に示すように、自転車Bは開閉扉21aよりエレベータ21に乗り込んで上下行し、一般道路11またはアクセス経路22の間を行き来する。そしてアクセス経路22を通って自転車走行路面18aに合流し所定の目的地方向に向かいペダルをこぎだすのである。
【0026】
なお、前記エレベータ21の開閉扉21aは、乗降時のエレベータ21内で自転車Bの方向転換をしないでもすむよう、前後両開きの扉であればなおよい。また、前記自転車走行路面18aが、一般道路11だけでなく橋梁10上の高速道路面16とアクセス可能なようにしてもよい。他の実施例として、エレベータ21に代えて自転車載置可能なエスカレータや自走路、また路面等の駆動が施されていない普通の蛇腹式斜路や螺旋路なども採用できる。
【0027】
===その他の実施例および運用例===
上記のような自転車道は利用状況に応じて形態を変化させることも勿論可能である。例えば前記自転車道18が略環状に延伸された閉路であるとし、この環状の自転車道18において走行可能なのは、もともと自転車道備え付けのレンタルサイクルか、或いは登録した自家用自転車のみであると規定することも出来る。このような形態に自転車道を設定し運用管理すれば、自転車道内の任意場所での自転車乗り捨てとその回収、不良行為の取り締まりなど道路管理面と利用者利便性の両面で奏する効果は大きい。
【0028】
また、近年盛り上がりを見せつつある、高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:以下ITSと呼ぶ)を本発明の自転車道にも適用すれば、自転車道に関する利便性と効率性をより高めることができよう。ITSはインターネットや衛星回線などの情報通信技術を用いて人と道路と車両とを一体のシステムとして構築することにより、ナビゲーションシステムの高度化、有料道路等の自動料金収受システム(以下、ETC)の確立、安全運転の支援、交通管理の最適化、道路管理の効率化等を図るものである。
【0029】
そこで前記自転車走行路面18aを走行する自転車Bもしくはその操作者に発信手段を取付ける。この発信手段は前記操作者が所持する携帯電話機であってもよいし、ミリ波などの電波や光信号や赤外線等を発する発信デバイスであってもよい。また、これら発信器からの発信波を受信する各種センサーやアンテナ類を組み合わせた受信手段60が、自転車走行路面18aの周囲に所定間隔で取り付けられている。ここでは、外殻体19内部の天井部位に発信器の信号強度や受信手段60の受信感度などに応じて所定間隔で取付けられている。
【0030】
これにより、この受信手段60で自転車Bの移動に伴い時々刻々受けた発信波を基に自転車道18内における各自転車Bの位置情報を検知することができる。勿論この場合、自転車道18を管理するコンピュータシステムが構築されている。このコンピュータシステムが受信手段60とネットワークでつながっており、リアルタイムに発信波受信データを受取る。受け取ったこのデータは、コンピュータシステムにより自転車道18の経路情報および受信手段60の配置情報と対照され、自転車Bの走行位置として処理される。
【0031】
外殻体19内の天井部位には所定の表示手段61が取り付けられている。この表示手段61は、例えば自転車道18から所定地区の乗降経路20(図中の例では栄地区への出口)への残距離や分岐方向を指し示す。その他にも、この表示手段61が前記コンピュータシステムとつながった液晶パネルや電光掲示パネルとなっており、表示内容を自在に変更可能とすることも出来る。この場合、前述した自転車Bの位置情報を基にして、当該自転車Bが今後選択しうる乗降経路20をコンピュータシステムが抽出し表示手段61に一括提示することなども可能である。加えて、自転車Bの目的地が決まっている場合、対応する最適な乗降経路20をコンピュータシステムが認識して、この自転車Bの位置情報と合わせて勘案することにより、選択された乗降経路20が接近すると最寄りの表示手段61にその旨を表示する自転車Bごとのナビゲーションサービスを提供するとより好適である。
【0032】
自転車道の利用が有料であるとすれば、いずれかの場所で自転車を止めて料金徴収を行う必要がある。しかしながら、信号や自動車交通等に妨げられずに比較的高速で連続走行が可能である本発明の自転車道としては、前述のETCを採用するとノンストップで料金徴収が完了することで利便性が高まり発明本来の効果がより促進される。そこで、前記受信手段60を通じて得た自転車Bの位置情報を基に当該自転車Bの走行区間または走行時間を前記コンピュータシステムが認識することで自転車道18の利用料金を自動算定するとし、そして、前記の利用料金を該当自転車Bの操作者の所持するクレジットカード、キャッシュカード、電子マネーカードなどの決済機能を有するカードから自動決済するとよい。この自動決済に際しては、予め自転車道18の利用者たる前記操作者が自転車道18の運営者側にカード番号等を登録しておいて、このカード番号等をもとにカード会社や銀行に前記コンピュータシステムが決済処理を自動依頼するとしてもよい。また、各自転車Bに備わる前記発信手段より前記受信手段60に向けて前記カードの決済用情報を発信する設定を施し、この決済用情報を受信手段60を通じて受け取ったコンピュータシステムが、料金の自動決済を実行するとしてもよい。
【0033】
また、本発明の自転車道は、サイクリング用途だけでなく、通勤通学など日常の移動目的で比較的長距離を手軽に走行可能とするものであるから、走行途中に休憩が必要になることも充分考えられる。そこで、図7に示すように、外殻体19内部の適宜箇所に適宜間隔をおいて、駐輪場所71およびベンチ72を備えて前記自転車走行路面18aとつながった休憩領域70を配置するとよい。またこのほかに、緊急時向けの食料や燃料、各種機材などを格納保存した備蓄庫を備えてもよい。さらに、前記休憩領域70など自転車道18の利用者が小休止するような場所にディスプレイを備え付け、このディスプレイに前記コンピュータシステムが認識している自転車道18内を走行中の各自転車Bの走行位置を、記号や映像などで表示すれば、家族や友達連れのグループ等が同伴者の位置を確認し、場合によってはその様子を映像で確認するなど、自転車道利用の利便性と楽しみが倍加する。
【0034】
なお、上記実施例において橋梁10は既設高速道路における高架橋梁を示したが、これに限定されるものではない。そのほかにも既設・新設を問わず、橋梁構造をとるものであれば、いずれの橋梁にも本発明の自転車道を付設適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の橋梁付設の自転車道によれば、自動車交通量の少ない郊外や河川堤上、山間の湖水周辺であっても、重交通量の都心部であっても、とにかく橋梁が設置される場所であれば自動車など他の交通機関や歩行者などを気にせずに円滑・快適な自転車走行ができる。しかもその利用者は、気楽にサイクリングを楽しもうとする者から、自転車による本格的なツーリングを趣味にする者、また通勤通学など日常的な用途に繰り返し自転車を利用する者まで極めて広範にわたることとなる。
【0036】
また、本発明の自転車道は元来が自転車向けの専用路であるから他の道路と錯綜・競合することもなく、また、自動車高速道などに適用される緩やかな線形および傾斜と同様の特性を備えるため自転車は一定の走行速度で走り続けることが可能となる。したがって、街中において歩道上や車道路側帯などを不規則に通行することで生じていた、例えば歩道上の歩行者との接触が懸念される問題や、車道における自動車との接触が懸念される問題を完全に解消することが出来る。加えて、他道路との境目に生じる段差で自転車の走行速度が低下し再走行を開始するのにかなりの労力を要したり、速度低下による車体姿勢の不安定化を招いたりする従来の問題はほとんど起こり得ない。さらに、従来のように車道脇に用地を確保して走行路を確保する必要もなく、建設コストの圧縮も実現できる。
【0037】
上述の優れた効果は、本発明の自転車道が予めネットワーク化された既設の高速道路網に付設されるものであれば、目的地の乗降ポイントや走行経路を誰でもイメージしやすく最適経路を選択しやすいし、また全く新たに自転車道のみを建設するよりも建設コストを大幅に低減できるなど、なお一層倍加するであろう。勿論、自動料金システムや経路検索・表示システムなどを備えることとすれば、自転車走行の流れはより円滑化され、高い利用効率と利便性とを両立することも可能である。
【0038】
しかして、交通量の多い街中にあっても他の交通機関と競合することなく簡便快適に自転車走行を行うことが可能で、多くの自転車利用者が広範に使用することのできる橋梁付設の自転車道を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の橋梁付設の自転車道を示す説明図である。
【図2】橋脚基礎周辺の一般道路面と自転車通行路面とを結んだ乗降経路を示す説明図である。
【図3】本発明の自転車道が付設される橋梁としての高速道路網を示す説明図である。
【図4】自転車道内の一例を示す説明図である。
【図5】乗降経路と自転車走行路面との連結状況を示す説明図である。
【図6】自転車の位置情報その他の表示を担う表示装置の取付け状況を示す説明図である。
【図7】駐輪場所およびベンチを備えて自転車走行路面とつながった休憩領域を示す説明図である。
【符号の説明】
10 橋梁
13 橋脚
14 桁材
18 自転車道
18a 自転車走行路面
19 外殻体
Claims (12)
- 所定間隔の基礎から立ち上がる橋脚とこの橋脚間に渡される桁材とから主に構成される橋梁に付設する自転車道であって、前記橋梁の延長方向に沿って前記橋脚または桁材に取付けられ、内部に自転車走行路面を備える外殻体であることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項1において、前記橋梁が予めネットワーク化された高速道路網であることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項1または2において、前記橋梁上の走行路面や橋脚基礎周辺の一般道路面などと前記外殻体内の自転車走行路面とを結んだ乗降経路を備えることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記外殻体と前記橋脚または桁材との間の接合箇所に振動吸収機構を設けたことを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記乗降経路が自転車進入可能なエレベータを含むことを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記外殻体が、駐輪場所およびベンチを備えて前記自転車走行路面とつながった休憩領域を有することを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記外殻体が、緊急時向けの食料や燃料、各種機材などを格納保存した備蓄庫を備えたことを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記自転車道が略環状に延伸された閉路であることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記外殻体内の自転車走行路面を走行する自転車もしくはその操作者に取り付けられた発信手段からの発信波を受信する受信手段と、この受信手段で受けた発信波を基に自転車道内における各自転車の位置情報を検知し所定の表示手段に出力する位置検知手段とを備えることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項9において、前記自転車の位置情報を基にして当該自転車が選択しうる乗降経路を前記表示手段に提示する経路提示手段を備えることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項9または10において、前記受信手段を通じて得た前記自転車の位置情報を基に当該自転車の走行区間または走行時間を認識することで自転車道の利用料金を自動算定する料金算定手段と、前記の利用料金を該当自転車操作者の所持するクレジットカード、キャッシュカード、電子マネーカードなどの決済機能を有するカードから自動決済する料金決済手段とを備えることを特徴とする橋梁付設の自転車道。
- 請求項11において、各自転車の前記発信手段より送信される前記カードの決済用情報を前記料金決済手段が受信し、当該料金決済手段がこの決済用情報を基に料金の自動決済を実行することを特徴とする橋梁付設の自転車道。
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