JP3815069B2 - 筒内直接噴射式火花点火機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は筒内直接噴射式火花点火機関、特にこの機関に適合する燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の燃焼室に臨んで燃料噴射弁を設け、機関圧縮行程において燃料を燃焼室に直接噴射し、点火時に点火栓の周辺に可燃混合気層を形成し、いわゆる成層燃焼により、全体的には超希薄混合気でありながら、安定した燃焼を実現可能とし、これに対して機関の高負荷時などには高出力を発生させるため、燃料の噴射時期を吸気行程に移し、燃料と空気を予め混合しておき、理論空燃比付近での均質燃焼を行わせるようにした筒内直接噴射式の火花点火機関があり、この機関に適用する燃料噴射弁として、噴射ノズル先端の噴孔をノズル内部から開閉するいわゆる内開き式燃料噴射弁に可動機構をもうけたものが提案されている(特開平8−177677号公報参照)。
【0003】
これを説明すると、このタイプの燃料噴射弁は、電磁コイルを収容したケーシングと、このケーシングの一端側に設けられ、軸方向一端側に弁座および噴孔が形成された噴射ノズルと、この噴射ノズル内に軸方向に移動可能に設けられ、前記弁座に離着座することにより前記噴孔を開閉するニードル弁と、このニードル弁を常時閉弁方向に付勢する弁ばねとを備えており、前記ニードル弁に、閉弁時に軸部材を前記噴孔内に突出させ、開弁時には該軸部材を前記ニードル弁内に収容する可動機構が設けられる。
【0004】
可動機構は、たとえば図9に示したように、ニードル弁51の軸中心に設けられた収容部52Aと、この収容部52A内に一端側が噴孔41内に突出するようにして設けられた超磁歪材料よりなる超磁歪ロッド52Bとから構成され、軸部材としての超磁歪ロッド52Bは、開弁時に前記電磁コイルが発生する磁界によって、その一端側が収容部52A内に収容されるように、電磁コイルの磁界により収縮する負特性の超磁歪材料から所定の長さ寸法をもって形成されている。
【0005】
上記の可動機構52がないときは、ニードル弁51が着座しても、噴孔41のデッドボリューム49に燃料(図10に符号Fで示す)が残留し、この残留燃料が次回噴射時の初期噴霧となるのであるが、ニードル弁51の着座時には、超磁歪ロッド52Bの一端側が噴孔41内に突出することから、噴孔41内に残留しようとする燃料がその突出ぶんだけ少なくなり、初期噴霧を低減することができ、またニードル弁51の開弁時には、超磁歪ロッド52Bが収容部52A内に収容され、流路面積が確保されるため、噴射率(噴射量/単位時間)を増やすことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、成層燃焼を行わせるためには、圧縮行程後半に噴射した燃料をスワール流により圧縮して、ピストン冠面に形成された浅皿部(ボウル)上に保持し、そのスワール流によって混合気が点火栓付近に持ち上げられ拡散する前に点火しなければならないのであるが、成層燃焼域でも高負荷時になると、筒内のガス流動が強く、噴霧がガス流動に吹き飛ばされ、燃料がピストンの上記ボウルからこぼれてしまうため、粒径が大きく貫徹力の強い初期噴霧が多いほうが燃焼安定度が高くなる。
【0007】
しかしながら、上記従来装置ではこの点の開示がなく、したがって成層燃焼域の高負荷時にも初期噴霧を低減したのでは、強すぎるガス流動により混合気を点火栓付近に集めることが難しくなり、却って燃焼安定度が悪くなるのである。
【0008】
そこで本発明は、ニードル弁先端の可動機構を、ニードル弁の開閉とは独立に、制御装置からの指令により駆動できるように構成し、成層燃焼域の高負荷時には、軸部材を収容部内に収容した状態に保持することにより、粒径が大きく貫徹力の強い初期噴霧を増やし、強いガス流動にも負けないようにして、成層燃焼域の高負荷時の燃焼安定性を向上させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、シリンダ内に直接に燃料を噴射する燃料噴射弁を備え、機関の負荷が所定値未満の運転時に圧縮行程においてシリンダ内に噴射した燃料を点火栓近傍に導いて成層燃焼させ、機関の負荷が前記所定値以上の運転時になると、燃料の噴射時期を吸気行程に移し、シリンダ内に噴射した燃料をシリンダに一様に分布させて均質燃焼させるようにした筒内直接噴射式内燃機関において、電磁コイルを収容したケーシングと、このケーシングの一端側に設けられ、軸方向一端側に弁座および噴孔が形成された噴射ノズルと、この噴射ノズル内に軸方向に移動可能に設けられ、前記弁座に離着座することにより前記噴孔を開閉するニードル弁と、このニードル弁を常時閉弁方向に付勢する弁ばねとを備えた前記燃料噴射弁に対して、前記ニードル弁の軸中心に設けられた収容部と、この収容部内に一端面が前記噴孔内に突出可能な軸部材と、この軸部材を駆動するアクチュエータとから可動機構を構成し、前記成層燃焼域で機関回転数が増加するに従い、前記軸部材の前記噴孔への突出量が小さくなるように前記アクチュエータへの印加電圧を制御する。
【0011】
第2の発明は、シリンダ内に直接に燃料を噴射する燃料噴射弁を備え、機関の負荷が所定値未満の運転時に圧縮行程においてシリンダ内に噴射した燃料を点火栓近傍に導いて成層燃焼させ、機関の負荷が前記所定値以上の運転時になると、燃料の噴射時期を吸気行程に移し、シリンダ内に噴射した燃料をシリンダに一様に分布させて均質燃焼させるようにした筒内直接噴射式内燃機関において、電磁コイルを収容したケーシングと、このケーシングの一端側に設けられ、軸方向一端側に弁座および噴孔が形成された噴射ノズルと、この噴射ノズル内に軸方向に移動可能に設けられ、前記弁座に離着座することにより前記噴孔を開閉するニードル弁と、このニードル弁を常時閉弁方向に付勢する弁ばねとを備えた前記燃料噴射弁に対して、前記ニードル弁の軸中心に設けられた収容部と、この収容部内に一端面が前記噴孔内に突出可能な軸部材と、この軸部材を駆動するアクチュエータとから可動機構を構成し、前記成層燃焼域で機関回転数と機関負荷に応じ、機関回転数が高くなるほど、また、機関負荷が大きくなるほど前記軸部材の前記噴孔への突出量が小さくなるように前記アクチュエータへの印加電圧を制御する。
【0012】
第3の発明では、第1または第2の発明において前記均質燃焼域の高回転高負荷時に前記軸部材の前記噴孔への突出量が小さくなるように前記アクチュエータへの印加電圧を制御する。
【0013】
第4の発明では、第1から第3までのいずれか一つの発明において前記アクチュエータがピエゾアクチュエータである。
【0014】
【発明の効果】
第1、第4の各発明では、成層燃焼域の高負荷時に、軸部材が収容部内に収納された状態でニードル弁が着座する。これより、噴射後に噴孔内に残留する燃料が成層燃焼域の低中負荷時よりも増える。成層燃焼域の高負荷時には、筒内のガス流動が強くなるため、噴霧はガス流動によって吹き飛ばされ、ピストンのボウルからこぼれ、燃焼の安定が悪くなるのであるが、噴孔内に溜まった燃料は粒径が大きく貫徹力が強いため高負荷時のガス流動に曲げられにくく、ボウルにまで届く。すなわち、第1の発明によれば、成層燃焼域の高負荷時に軸部材を収容部内に収納し、噴孔に溜まる燃料、つまり粒径が大きく貫徹力が強い初期噴霧を増やすことで、成層燃焼域の高負荷時の燃焼安定性を良くすることができる。
【0015】
第1の発明によれば、機関回転数に応じた初期噴霧量を与えることで、機関回転数に関係なく成層燃焼域の燃焼安定性が向上する。
【0016】
第2の発明によれば、機関回転数と機関負荷に応じた初期噴霧量を与えることで、成層燃焼域の全域で燃焼安定性が良くなる。
【0017】
第3の発明によれば、噴射量が多くなる均質燃焼域の高回転高負荷時に噴孔部分の流路面積が確保されるので、噴射率を増すことができる。
の燃焼安定性が向上する。
【0018】
の燃焼安定性が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1において、1はシリンダブロック、2はシリンダヘッド、3はピストンであり、これらによって区画形成された燃焼室21には燃料噴射弁5から直接、燃料が噴射される。4は点火栓であって、噴射燃料との混合気を圧縮上死点近傍で点火燃焼させる。
【0020】
6は吸気通路、7は排気通路、8は2つある吸気ポートの一方に設けたスワールコントロールバルブ、9は吸気弁、10は排気弁である。なお、吸気弁9、排気弁10はそれぞれ一対ずつ設けられている。
【0021】
11は燃料噴射弁5に指令を与える制御装置であり、運転条件に応じて燃料の噴射時期および噴射期間を制御する。このため制御装置11には、吸入空気量を検出するエアフローメータ12、機関のクランク角を検出するクランク角センサ13、冷却水温を検出する水温センサ14、排気中の酸素濃度を検出する排気酸素濃度センサ15、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ16、車速を検出する車速センサ17、燃料噴射圧力を検出する燃料圧力センサ18などからの運転状態を代表する信号が入力する。20は燃料噴射圧力(コモンレール圧力)を制御するための燃料圧力制御装置であり、燃料圧力と燃料噴射期間とから実際の燃料噴射量が決まる。
【0022】
燃料噴射弁5からは、機関負荷の部分負荷域などで実行される希薄成層燃焼時には、原則的に圧縮行程の後半で燃料噴射が行われるように噴射時期が決められ、点火時における燃料の拡散を防いで点火栓近傍に可燃混合気層を形成し、全体としては超希薄な混合気でありながら安定した成層燃焼を実現し、これに対して機関の高負荷域などで行われる理論空燃比での均質予混合(通常)燃焼時には、吸気行程で燃料噴射が行われ、点火時に燃焼室内に均質的に混合された混合気を形成する。
【0023】
図2は燃料噴射弁5の縦断面図であって、この燃料噴射弁5は、ケーシング31と、ケーシング31の一端側に嵌着された噴射ノズル38と、軸方向に移動可能に設けられたニードル弁42等とを備え、いわゆるトップフロー式燃料噴射弁として構成されている。なお、図2に示した構成のほとんどは、特開平8−177677号公報に詳しい。ただし、後述する可動機構を除いた部分に本発明の要旨はないので、該公報を概説する。
【0024】
段付き筒状に形成されたケーシング31の内部には、筒状のボビン32に巻回された電磁コイル33と、電磁コイル33の内周側中空部に同軸に配設された磁性材料よりなる略段付き円筒状のコア34とが設けられている。このコア34は、その一端側が電磁コイル33の一端側端面と略同一位置まで垂下されるとともに、その内周側にはアンカー44を吸引するための短寸な円筒状の端部34Bが形成されている。また、コア34の他端側はケーシング31の外部に突出して燃料導入孔35を形成するとともに、他端側寄りの軸方向中間部にはケーシング31の他端側開口部に固定される略円盤状のフランジ34Aが形成されている。
【0025】
さらに、電磁コイル33は、ケーシング31の他端側を施蓋するカバー36に形成されたコネクタ部37内の端子と誘電板等(いずれも図示せず)を介して接続され、この端子からハーネス等を介して制御装置11(図1参照)と接続されている。
【0026】
噴射ノズル38は、ケーシング31の一端側にシール部材39を介して液密に設けられ、その内部には、燃料流路をなす軸孔40が軸方向に穿設されている。また、噴射ノズル38の一端側中央部には、図外の燃焼室内に開口する噴孔41が軸孔40と連通するようにして設けられている。
【0027】
噴射ノズル38内に軸方向に移動可能に設けられたニードル弁42は、小径棒状の弁軸42Aと、弁軸42Aの一端側に形成された弁部42Bと、弁部42Bの一端側に形成され、弁座43に離着座するシート部42Cと、弁部42Bの外周面に形成されたスパイラル溝(図示せず)と、弁軸42Aの途中に設けられた略五角形状の面取り部42Eとを備えて構成されている。また、ニードル弁42は、その他端側が、磁性材料から略円筒状に形成されたアンカー44に固着されており、コア34の中空部に同軸に挿嵌された筒状部材45とアンカー44との間に配設された弁ばね46のばね力によって、常時閉弁方向に付勢されている。さらに、弁軸42Aの他端側寄りには、C字状プれている。
【0028】
なお、軸孔40、弁軸42A、電磁コイル33とは共に軸中心が共通しており、これらは同軸に配置されている。
【0029】
次に、図2および図3(図2の一部拡大縦断面図)に基づいて、可動機構48の構成を説明すると、この可動機構48は、一端側が弁部42Bの先端中央で開口するとともに他端側がニードル弁42の他端側近傍にまで伸長するようにして該ニードル弁42の軸中心に設けられた断面円形状の収容部48Aと、この収容部48A内に設けられた長寸な小径棒状のピエゾアクチュエータ48Bとから構成されている。
【0030】
ここで、軸部材としてのピエゾアクチュエータ48Bは、電圧を印加されたときニードル弁42の軸方向に伸長する圧電素子をニードル弁42の軸方向に積層したものからなり、ピエゾアクチュエータ48Bへの非通電時には、その一端(図で下端)が収容部48A内に収納されているが、ピエゾアクチュエータ48Bに通電したとき、ピエゾアクチュエータ48Bが軸方向に伸長して、その一端面が寸法L2だけ収容部48Aの開口端より下方に突出するように、予め全長寸法が定められている。
【0031】
さらに、ピエゾアクチュエータ48Bは、電磁コイル33と同様に、上記のコネクタ部37内の端子と誘電板等(いずれも図示せず)を介して接続され、この端子からハーネス等を介して制御装置11と接続されている。
【0032】
そして、制御装置11は、成層燃焼域の高負荷時にだけ、ピエゾアクチュエータ48Bを非通電状態に保持し、成層燃焼域でも高負荷時を除く低中負荷時や均質燃焼域になると、ピエゾアクチュエータ48Bを通電状態に保持する。
【0033】
次に、本実施形態に対する参照例の作用を説明する。
【0034】
まず、電磁コイル33に制御装置11からの燃料噴射信号が印加されていない場合、ニードル弁42は、弁座43に着座して閉弁している。機関が所定の燃料噴射時期に達すると、制御装置11は、機関の運転条件に応じて燃料噴射量を演算し、この要求噴射量を実現するパルス幅を有する燃料噴射量信号を電磁コイル33に印加する。これにより、電磁コイル33が励磁されてニードル弁42が開弁し、軸孔40内の燃料が噴孔41を介して燃焼室内に噴射される。
【0035】
一方、こうしたニードル弁42の開閉動作と関係なく、成層燃焼域の低中負荷時や均質燃焼域では、ピエゾアクチュエータ48Bに通電され、その一端が収容部48Aの開口端より所定寸法L2だけ突出した状態でニードル弁42が着座する。これにより、噴射後に噴孔41内に残留しようとする燃料は、この突出分だけ燃焼室内に押し出されて混合気を形成することから、初期噴霧が少なくなり、成層燃焼や均質燃焼に適した噴霧が得られる。
【0036】
これに対して、成層燃焼域の高負荷時になると、ピエゾアクチュエータ48Bへの通電が停止され、その一端が収容部48A内に収まった状態でニードル弁42が着座する。これより、噴射後に噴孔41内に残留する燃料が成層燃焼域の低中負荷時よりも増える。成層燃焼域の高負荷時には、筒内のガス流動が強くなるため、噴霧はガス流動によって吹き飛ばされ、ピストンのボウルからこぼれ、燃焼の安定が悪くなるのであるが、噴孔41内に溜まった燃料は粒径が大きく貫徹力が強いため、高負荷時時のガス流動に曲げられにくく、ボウルにまで届く。すなわち、成層燃焼域の高負荷時には軸部材としてのピエゾアクチュエータ48Bを縮めて収容部48A内に収納し、噴孔41に溜まる燃料、つまり粒径が大きく貫徹力が強い初期噴霧を増やすことで、成層燃焼域の高負荷時の燃焼安定性を良くすることができるのである。
【0037】
図4は第1実施形態で、収容部48Aの開口端からのピエゾアクチュエータ48Bの突出量(以下、単に突出量という)の特性図である。
【0038】
突出量が一定であった参照例に対して、第1実施形態では、図4に示したように、成層燃焼域において機関回転数が高くなるにしたがって突出量が段階的に小さくなるように、ピエゾアクチュエータ48Bへの印加電圧を可変制御するようにしたものである。
【0039】
このように第1実施形態では、機関回転数に応じた初期噴霧量を与えることで、機関回転数に関係なく成層燃焼域の燃焼安定性が向上する。
【0040】
図5は第2実施形態で、同図は成層燃焼を行わせる運転域に対して突出量の特性を重ねたものである。同図に示すように、成層燃焼域において機関回転数と機関負荷に応じ、機関回転数が高くなるほど、また機関負荷が大きくなるほど突出量を小さくしている。
【0041】
図6のフローチャートは、図5に示した突出量の特性が得られるようにピエゾアクチュエータ48Bへの印加電圧制御を制御装置11に行わせるためのものである。ステップ1では機関回転数と機関負荷を読み込み、これらから成層燃焼域であるかどうかをステップ2において判定する。成層燃焼域でなければ、ステップ2よりステップ3に進んで突出量を最大(参照例の所定寸法L2)にする。
【0042】
成層燃焼域であれば、ステップ2よりステップ4、5に進み、そのときの機関回転数と機関負荷から図5を内容とするマップを検索して、突出量を決定する。
【0043】
こうして決定された突出量に応じてピエゾアクチュエータ48Bへの印加電圧が設定され、この設定電圧がピエゾアクチュエータ48Bに印加される。
【0044】
このように第2実施形態では、機関負荷が大きくなるほど、また機関回転数が高くなるほど強くなるガス流動に対応して、機関回転数と機関負荷に応じた初期噴霧量が得られることから、成層燃焼域の全域で燃焼安定性が良くなる。
【0045】
図7は第3実施形態で、これは全運転域に突出量の特性を重ねたものである。
【0046】
この実施形態は、第2実施形態に加えて、均質燃焼域(図7において成層燃焼域をはずれた領域)においても、機関回転数が所定値R1以上かつ機関負荷が所定値L1以上のとき(つまり高回転高負荷時)、突出量を最小としたものである。
【0047】
図8のフローチャートは、図7に示した突出量の特性が得られるようにピエゾアクチュエータ48Bへの印加電圧制御を制御装置11に行わせるためのものである。なお、図6と同一部分には同一のステップ番号を付けている。
【0048】
第2実施形態と相違する部分を主に説明すると、成層燃焼域でないとき(つまり均質燃焼域のとき)、ステップ2よりステップ11、12に進み、機関回転数と所定値R1とを、また機関負荷と所定値L1とをそれぞれ比較する。比較の結果、機関回転数がR1以上かつ機関負荷がL1以上のときだけステップ13に進み、図7を内容とするマップを検索して突出量を決める。
【0049】
このように第3実施形態では、均質燃焼域の高回転高負荷時にも突出量を最小とすることで、噴孔部分の流路面積が確保され、これによって噴射量が多くなる均質燃焼域の高回転高負荷時の噴射率を増すことができる。
【0050】
実施形態では軸部材の全体をそっくりピエゾアクチュエータで構成した場合で説明したが、噴孔に突出する部位だけを金属部材などで構成し、残りをピエゾアクチュエータで構成してもかまわない。また、アクチュエータはピエゾアクチュエータに限られない。
【0051】
実施形態では軸方向から燃料を供給するトップフロー式燃料噴射弁を例示したが、これに限らず、ケーシング内の径方向から燃料を供給するサイドフロー式の燃料噴射弁にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す制御システム図。
【図2】燃料噴射弁の縦断面図。
【図3】図2の一部拡大断面図。
【図4】第1実施形態の突出量の特性図。
【図5】第2実施形態の突出量の特性図。
【図6】第2実施形態のフローチャート。
【図7】第3実施形態の突出量の特性図。
【図8】第3実施形態のフローチャート。
【図9】従来装置の燃料噴射弁の一部拡大断面図。
【図10】従来装置の燃料噴射弁の要部を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
11 制御装置
42 ニードル弁
48 可動機構
48A 収容部
48B ピエゾアクチュエータ(軸部材)
Claims (4)
- シリンダ内に直接に燃料を噴射する燃料噴射弁を備え、機関の負荷が所定値未満の運転時に圧縮行程においてシリンダ内に噴射した燃料を点火栓近傍に導いて成層燃焼させ、機関の負荷が前記所定値以上の運転時になると、燃料の噴射時期を吸気行程に移し、シリンダ内に噴射した燃料をシリンダに一様に分布させて均質燃焼させるようにした筒内直接噴射式内燃機関において、
電磁コイルを収容したケーシングと、このケーシングの一端側に設けられ、軸方向一端側に弁座および噴孔が形成された噴射ノズルと、この噴射ノズル内に軸方向に移動可能に設けられ、前記弁座に離着座することにより前記噴孔を開閉するニードル弁と、このニードル弁を常時閉弁方向に付勢する弁ばねとを備えた前記燃料噴射弁に対して、
前記ニードル弁の軸中心に設けられた収容部と、この収容部内に一端面が前記噴孔内に突出可能な軸部材と、この軸部材を駆動するアクチュエータとから可動機構を構成し、
前記成層燃焼域で機関回転数が増加するに従い、前記軸部材の前記噴孔への突出量が小さくなるように前記アクチュエータへの印加電圧を制御することを特徴とする筒内直接噴射式火花点火機関。 - シリンダ内に直接に燃料を噴射する燃料噴射弁を備え、機関の負荷が所定値未満の運転時に圧縮行程においてシリンダ内に噴射した燃料を点火栓近傍に導いて成層燃焼させ、機関の負荷が前記所定値以上の運転時になると、燃料の噴射時期を吸気行程に移し、シリンダ内に噴射した燃料をシリンダに一様に分布させて均質燃焼させるようにした筒内直接噴射式内燃機関において、
電磁コイルを収容したケーシングと、このケーシングの一端側に設けられ、軸方向一端側に弁座および噴孔が形成された噴射ノズルと、この噴射ノズル内に軸方向に移動可能に設けられ、前記弁座に離着座することにより前記噴孔を開閉するニードル弁と、このニードル弁を常時閉弁方向に付勢する弁ばねとを備えた前記燃料噴射弁に対して、
前記ニードル弁の軸中心に設けられた収容部と、この収容部内に一端面が前記噴孔内に突出可能な軸部材と、この軸部材を駆動するアクチュエータとから可動機構を構成し、
前記成層燃焼域で機関回転数と機関負荷に応じ、機関回転数が高くなるほど、また、機関負荷が大きくなるほど前記軸部材の前記噴孔への突出量が小さくなるように前記アクチュエータへの印加電圧を制御することを特徴とする筒内直接噴射式火花点火機関。 - 前記均質燃焼域の高回転高負荷時に前記軸部材の前記噴孔への突出量が小さくなるように前記アクチュエータへの印加電圧を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の筒内直接噴射式火花点火機関。
- 前記アクチュエータはピエゾアクチュエータであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の筒内直接噴射式火花点火機関。
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1998
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